JPH083279A - エピスルフィド基とカルボキシル基を有するキレート樹脂 - Google Patents
エピスルフィド基とカルボキシル基を有するキレート樹脂Info
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- JPH083279A JPH083279A JP1991794A JP1991794A JPH083279A JP H083279 A JPH083279 A JP H083279A JP 1991794 A JP1991794 A JP 1991794A JP 1991794 A JP1991794 A JP 1991794A JP H083279 A JPH083279 A JP H083279A
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- metal
- episulfide
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 貴金属に対し高吸着性を示すとともに吸着し
た貴金属の溶離性も良好なエピスルフィド基とカルボキ
シル基を有するキレート樹脂 【構成】 α位炭素に置換基を有していてもよいアクリ
ル酸のグリシジルエステル及びアリルグリシジルエーテ
ルを主成分とする橋かけ共重合体をチオシアン酸塩溶液
またはチオ尿素溶液と反応させることにより、エピスル
フィド基とカルボキシル基を有するキレート樹脂を製造
する。 【効果】 エピスルフィド基とカルボキシル基を有する
キレート樹脂は先端産業に欠くことのできない貴金属イ
オンと他金属イオンの分離・回収に適用できるのみなら
ず、貴金属イオン相互間の分離・回収に有効に利用でき
る。
た貴金属の溶離性も良好なエピスルフィド基とカルボキ
シル基を有するキレート樹脂 【構成】 α位炭素に置換基を有していてもよいアクリ
ル酸のグリシジルエステル及びアリルグリシジルエーテ
ルを主成分とする橋かけ共重合体をチオシアン酸塩溶液
またはチオ尿素溶液と反応させることにより、エピスル
フィド基とカルボキシル基を有するキレート樹脂を製造
する。 【効果】 エピスルフィド基とカルボキシル基を有する
キレート樹脂は先端産業に欠くことのできない貴金属イ
オンと他金属イオンの分離・回収に適用できるのみなら
ず、貴金属イオン相互間の分離・回収に有効に利用でき
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エピスルフィド基とカ
ルボキシル基を有するキレート樹脂に関するものであ
る。
ルボキシル基を有するキレート樹脂に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来硫黄を供与原子とするキレート樹脂
として、我が国において市販されているものに、チオー
ル基(−SH基)を有する樹脂スミキレートMC-40 があ
る。また本発明者は、先にチオール基を有する高分子物
の製造方法について特許第104770号 (特公昭 56-045924
号) 及び特許第 1211604号 (特公昭58-40562号) におい
て提案している。これらのチオール基を有する樹脂は例
えば水銀、銀、カドミウム、鉛、砒素などに対し高い親
和性を有するため、これら金属の除去に有効に利用され
ている。
として、我が国において市販されているものに、チオー
ル基(−SH基)を有する樹脂スミキレートMC-40 があ
る。また本発明者は、先にチオール基を有する高分子物
の製造方法について特許第104770号 (特公昭 56-045924
号) 及び特許第 1211604号 (特公昭58-40562号) におい
て提案している。これらのチオール基を有する樹脂は例
えば水銀、銀、カドミウム、鉛、砒素などに対し高い親
和性を有するため、これら金属の除去に有効に利用され
ている。
【0003】一方、金、白金、パラジウムなどは現在先
端産業に欠くことのできない貴金属であり、資源のほと
んどない我が国においては、これら貴金属を使用済み廃
棄物及び産業廃棄物などから積極的に分離・回収し再利
用の道を開くことは重要な課題である。チオール基を有
する樹脂はこれら貴金属に対しても高吸着性を有する
が、吸着力が強いため吸着された金属を溶離・回収する
過程に問題があった。
端産業に欠くことのできない貴金属であり、資源のほと
んどない我が国においては、これら貴金属を使用済み廃
棄物及び産業廃棄物などから積極的に分離・回収し再利
用の道を開くことは重要な課題である。チオール基を有
する樹脂はこれら貴金属に対しても高吸着性を有する
が、吸着力が強いため吸着された金属を溶離・回収する
過程に問題があった。
【0004】
(2) 本発明は、金、白金、パラジウムなどに高い吸着性能を
示すとともに吸着したこれら金属を容易に溶離でき、工
業的に繰り返し利用できる物理的強度を有する吸着剤を
提供することを目的としている。
示すとともに吸着したこれら金属を容易に溶離でき、工
業的に繰り返し利用できる物理的強度を有する吸着剤を
提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者はチオール基よりも金属錯体生成能の低い
エピスルフィド基を有する樹脂について研究を行った。
しかし、エピスルフィド基を有する単量体である2,3-エ
ピチオプロピルメタクリラートを主成分とする重合体
〔A〕は金、白金、パラジウムに対しほとんど吸着能を
示さなかった。一方、アクリル酸のグリシジルエステル
を主成分とする重合体をチオシアン酸アンモニウムと反
応させることにより、エピスルフィド基を導入した樹脂
〔B〕は金属に対し吸着性能を示すことを見いだした。
〔A〕は疎水性で〔B〕は親水性を示すことから、さら
に詳細な研究を行った結果、〔B〕にはカルボキシル基
が生成している(赤外吸収スペクトルにより確認)こと
が明らかになった。また、吸着された金、白金、パラジ
ウムは5%チオ尿素を含む酸性溶液または0.05〜0.2mol
シアン化カリウム水溶液により容易に溶離できること
が見いだされた。本発明はこれらの知見に基づくもので
ある。
に、本発明者はチオール基よりも金属錯体生成能の低い
エピスルフィド基を有する樹脂について研究を行った。
しかし、エピスルフィド基を有する単量体である2,3-エ
ピチオプロピルメタクリラートを主成分とする重合体
〔A〕は金、白金、パラジウムに対しほとんど吸着能を
示さなかった。一方、アクリル酸のグリシジルエステル
を主成分とする重合体をチオシアン酸アンモニウムと反
応させることにより、エピスルフィド基を導入した樹脂
〔B〕は金属に対し吸着性能を示すことを見いだした。
〔A〕は疎水性で〔B〕は親水性を示すことから、さら
に詳細な研究を行った結果、〔B〕にはカルボキシル基
が生成している(赤外吸収スペクトルにより確認)こと
が明らかになった。また、吸着された金、白金、パラジ
ウムは5%チオ尿素を含む酸性溶液または0.05〜0.2mol
シアン化カリウム水溶液により容易に溶離できること
が見いだされた。本発明はこれらの知見に基づくもので
ある。
【0006】また、工業的に貴金属の吸着・分離・回収
に繰り返し利用できる物理的強度を保持するために、エ
ピスルフィド基導入の基体となる重合体は橋かけされた
共重合体が望ましい。しかし、橋かけ共重合体は一般に
反応性に乏しい。反応性を上げるためには、橋かけ共重
合体を高多孔性にすることが考えられる。メタクリル酸
グリシジル 83.44 mol%、ジビニルベンゼン(橋かけ
剤)10 mol%、エチルビニルベンゼン 6.56 mol %の仕
込組成で合成した種々の多孔度を有する球状共重合体を
チオシアン酸アンモニウムと30°C で 48 時間反応させ
て得られた樹脂の性質を表1に示す。
に繰り返し利用できる物理的強度を保持するために、エ
ピスルフィド基導入の基体となる重合体は橋かけされた
共重合体が望ましい。しかし、橋かけ共重合体は一般に
反応性に乏しい。反応性を上げるためには、橋かけ共重
合体を高多孔性にすることが考えられる。メタクリル酸
グリシジル 83.44 mol%、ジビニルベンゼン(橋かけ
剤)10 mol%、エチルビニルベンゼン 6.56 mol %の仕
込組成で合成した種々の多孔度を有する球状共重合体を
チオシアン酸アンモニウムと30°C で 48 時間反応させ
て得られた樹脂の性質を表1に示す。
【0007】
【表1】
【0008】 (3) 比表面積が測定にかからない程小さい共重合体からは良
好な金属吸着能を有する樹脂は得られない。高多孔性の
共重合体から硫黄含量も大きく、高金属吸着性能を有す
る樹脂が得られた。金属吸着量は樹脂 0.1gに 0.01 mo
l/l金属塩溶液40 ml を加え30°C で 24 時間ふりまぜ
た時の値である。各金属塩溶液はHAuCl4(pH 1.6)、PdCl
2(pH 0.9) 及び H2PtCl6(pH 1.6)を用いた。
好な金属吸着能を有する樹脂は得られない。高多孔性の
共重合体から硫黄含量も大きく、高金属吸着性能を有す
る樹脂が得られた。金属吸着量は樹脂 0.1gに 0.01 mo
l/l金属塩溶液40 ml を加え30°C で 24 時間ふりまぜ
た時の値である。各金属塩溶液はHAuCl4(pH 1.6)、PdCl
2(pH 0.9) 及び H2PtCl6(pH 1.6)を用いた。
【0009】以上のように、貴金属の分離・回収に工業
的に利用できる高機能(高吸脱着性) のキレート樹脂を
容易に安価に製造する方法を鋭意研究した結果、α位炭
素に置換基を有していてもよいアクリル酸のグリシジル
エステル及びアリルグリシジルエーテルを主成分とする
橋かけ共重合体をチオシアン酸塩溶液またはチオ尿素溶
液と反応させることにより、金、白金、パラジウムの分
離に有効に利用できるキレート樹脂が製造できることを
見い出し、本発明を完成するに至った。
的に利用できる高機能(高吸脱着性) のキレート樹脂を
容易に安価に製造する方法を鋭意研究した結果、α位炭
素に置換基を有していてもよいアクリル酸のグリシジル
エステル及びアリルグリシジルエーテルを主成分とする
橋かけ共重合体をチオシアン酸塩溶液またはチオ尿素溶
液と反応させることにより、金、白金、パラジウムの分
離に有効に利用できるキレート樹脂が製造できることを
見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】本発明に用いられるα位炭素に置換基を有
していてもよいアクリル酸のグリシジルエステル(化
1)及びアリルグリシジルエーテル(化2)は下記の式
(式中Rは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を
示す)で表される。
していてもよいアクリル酸のグリシジルエステル(化
1)及びアリルグリシジルエーテル(化2)は下記の式
(式中Rは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を
示す)で表される。
【0011】
【化1】
【化2】
【0012】通常前記式で表されるグリシジルエステル
単量体及びアリルグリシジルエーテル単量体を単独また
は併用して用いるが、樹脂の物性を変えるために所望に
より他のビニル単量体を混用してもよい。好ましいビニ
ル単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、
アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アク
リルアミド、メタクリルアミド、アクリルアミド誘導
体、メタクリルアミド誘導体、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、マレイン酸、マレイミド誘導体、ビニ
ルアミン類などが用いられる。その他の単量体として
は、前記式で表されるグリシジルエステル単量体及びグ
リシジルエーテル単量体と共重合可能なすべての化合物
が使用できる。
単量体及びアリルグリシジルエーテル単量体を単独また
は併用して用いるが、樹脂の物性を変えるために所望に
より他のビニル単量体を混用してもよい。好ましいビニ
ル単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、
アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アク
リルアミド、メタクリルアミド、アクリルアミド誘導
体、メタクリルアミド誘導体、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、マレイン酸、マレイミド誘導体、ビニ
ルアミン類などが用いられる。その他の単量体として
は、前記式で表されるグリシジルエステル単量体及びグ
リシジルエーテル単量体と共重合可能なすべての化合物
が使用できる。
【0013】 (4) また、工業的に利用できる耐久性に富むキレート樹脂を
得るためには、適度の橋かけ構造を有するものが好まし
い。橋かけ構造を形成させるための架橋性単量体として
は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリラ
ート(またはジメタクリラート)、ジエチレングリコー
ルジアクリラート(またはジメタクリラート)、トリエ
チレングリコールジアクリラート(またはジメタクリラ
ート)、ポリエチレングリコールジアクリラート(また
はジメタクリラート)、トリメチロールプロパントリア
クリラート(またはトリメタクリラート)などが用いら
れる。これらの単量体を単独または併用して用いること
により目的に応じた良好な物理的性質を有する高機能キ
レート樹脂を製造する基体となる橋かけ共重合体が得ら
れる。
得るためには、適度の橋かけ構造を有するものが好まし
い。橋かけ構造を形成させるための架橋性単量体として
は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリラ
ート(またはジメタクリラート)、ジエチレングリコー
ルジアクリラート(またはジメタクリラート)、トリエ
チレングリコールジアクリラート(またはジメタクリラ
ート)、ポリエチレングリコールジアクリラート(また
はジメタクリラート)、トリメチロールプロパントリア
クリラート(またはトリメタクリラート)などが用いら
れる。これらの単量体を単独または併用して用いること
により目的に応じた良好な物理的性質を有する高機能キ
レート樹脂を製造する基体となる橋かけ共重合体が得ら
れる。
【0014】前記共重合体との反応に使用するチオシア
ン酸塩としてはチオシアン酸アンモニウム、チオシアン
酸ナトリウム、チオシアン酸カリウムなどが好んで用い
られ、これらを溶解し、共重合体と親和性を有する溶剤
を媒体として反応を行う。チオ尿素溶液との反応も同様
にして行われる。反応温度及び時間は所望により自由に
設定できる。
ン酸塩としてはチオシアン酸アンモニウム、チオシアン
酸ナトリウム、チオシアン酸カリウムなどが好んで用い
られ、これらを溶解し、共重合体と親和性を有する溶剤
を媒体として反応を行う。チオ尿素溶液との反応も同様
にして行われる。反応温度及び時間は所望により自由に
設定できる。
【0015】
【作用】本発明のキレート樹脂は、前記したようにエピ
スルフィド基とカルボキシル基を有し、カルボキシル基
の共存による親水性のために良好な貴金属吸着性能を示
す。すなわち、表2に示すように強酸性溶液からも金、
白金、パラジウムを吸着する特性を有し、また、吸着さ
れたこれら貴金属は表3に示すように5%チオ尿素を含
む 0.5mol/l塩酸または 0.2mol/lシアン化カリウム水
溶液を用いて 100%溶離でき、回収することができる。
スルフィド基とカルボキシル基を有し、カルボキシル基
の共存による親水性のために良好な貴金属吸着性能を示
す。すなわち、表2に示すように強酸性溶液からも金、
白金、パラジウムを吸着する特性を有し、また、吸着さ
れたこれら貴金属は表3に示すように5%チオ尿素を含
む 0.5mol/l塩酸または 0.2mol/lシアン化カリウム水
溶液を用いて 100%溶離でき、回収することができる。
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】 (5) 表2はメタクリル酸グリシジル 83.4mol%、ジビニルベ
ンゼン 10mol%、エチルビニルベンゼン 6.6 mol%の仕
込組成で合成した、比表面積 40m2/g の球状共重合体 1
0 gにチオシアン酸アンモニウムのメタノール溶液 60
mlを加え、30°C で 24 時間反応させて得られた樹脂
(エピスルフィド基導入量 4.8 mmol/g)を使用して、1
〜6mol/l塩酸溶液中に溶解している貴金属に対する吸
着性を検討した結果である。金属吸着容量は樹脂 0.1g
に 0.01 mol/l金属塩塩酸溶液 40mlを加え、30°C で
24 時間ふりまぜた時の値である。表3は前記樹脂をカ
ラムに充填し 0.005mol/lの各金属塩溶液を通液して各
金属を吸着(金吸着量 1.26mmol/g、パラジウム吸着量
0.93 mmol/g、白金吸着量 0.23 mmol/g)した後、表3
に記した溶離剤を樹脂量の10倍量通液し、溶離した貴金
属を定量して溶離率を求めた結果を示している。
ンゼン 10mol%、エチルビニルベンゼン 6.6 mol%の仕
込組成で合成した、比表面積 40m2/g の球状共重合体 1
0 gにチオシアン酸アンモニウムのメタノール溶液 60
mlを加え、30°C で 24 時間反応させて得られた樹脂
(エピスルフィド基導入量 4.8 mmol/g)を使用して、1
〜6mol/l塩酸溶液中に溶解している貴金属に対する吸
着性を検討した結果である。金属吸着容量は樹脂 0.1g
に 0.01 mol/l金属塩塩酸溶液 40mlを加え、30°C で
24 時間ふりまぜた時の値である。表3は前記樹脂をカ
ラムに充填し 0.005mol/lの各金属塩溶液を通液して各
金属を吸着(金吸着量 1.26mmol/g、パラジウム吸着量
0.93 mmol/g、白金吸着量 0.23 mmol/g)した後、表3
に記した溶離剤を樹脂量の10倍量通液し、溶離した貴金
属を定量して溶離率を求めた結果を示している。
【0019】
実施例1〜6 メタクリル酸グリシジル、ジビニルベンゼン及びエチル
ベンゼンを表4に示す仕込組成で懸濁重合した球状共重
合体 10 gにチオシアン酸アンモニウムのメタノール溶
液60mlを加え、30°C で 24 時間反応させた。反応後溶
液を分離し、洗液が中性となるまで水洗し、乾燥した。
得られたキレート樹脂の性能を表4に示す。金属吸着量
は樹脂 0.1gに 0.01 mol/l HAuCl4(pH 1.8) 、PdCl
2(pH 0.2)及び H2PtCl6(pH 1.7)をそれぞれ 40ml 加
え、30°C で 24 時間ふりまぜた時の値である。以下の
実施例においても金属吸着量は同様にして測定した。
ベンゼンを表4に示す仕込組成で懸濁重合した球状共重
合体 10 gにチオシアン酸アンモニウムのメタノール溶
液60mlを加え、30°C で 24 時間反応させた。反応後溶
液を分離し、洗液が中性となるまで水洗し、乾燥した。
得られたキレート樹脂の性能を表4に示す。金属吸着量
は樹脂 0.1gに 0.01 mol/l HAuCl4(pH 1.8) 、PdCl
2(pH 0.2)及び H2PtCl6(pH 1.7)をそれぞれ 40ml 加
え、30°C で 24 時間ふりまぜた時の値である。以下の
実施例においても金属吸着量は同様にして測定した。
【0020】
【表4】
【0021】実施例7〜10 メタクリル酸グリシジル 83.4mol%、ジビニルベンゼン
10mol%、エチルビニルベンゼン 6.6 mol%の仕込組成
で合成した、比表面積のそれぞれ異なる球状共重合体を
実施例1〜6と同様にチオシアン酸アンモニウムと反応
させた。得られたキレート樹脂の性能を表5に示す。 (6)
10mol%、エチルビニルベンゼン 6.6 mol%の仕込組成
で合成した、比表面積のそれぞれ異なる球状共重合体を
実施例1〜6と同様にチオシアン酸アンモニウムと反応
させた。得られたキレート樹脂の性能を表5に示す。 (6)
【0022】
【表5】
【0023】実施例 11〜14 メタクリル酸グリシジル、エチレングリコールジメタク
リラートを表6に示す仕込組成で合成した球状共重合体
を、実施例1〜6と同様にチオシアン酸アンモニウムと
反応させた。得られたキレート樹脂の性能を表6に示
す。
リラートを表6に示す仕込組成で合成した球状共重合体
を、実施例1〜6と同様にチオシアン酸アンモニウムと
反応させた。得られたキレート樹脂の性能を表6に示
す。
【0024】
【表6】
【0025】実施例 15〜20 メタクリル酸グリシジル、テトラエチレングリコールジ
メタクリラートを表7に示す仕込組成で合成した球状共
重合体を、実施例1〜6と同様にチオシアン酸アンモニ
ウムと反応させた。得られたキレート樹脂の性能を表7
に示す。
メタクリラートを表7に示す仕込組成で合成した球状共
重合体を、実施例1〜6と同様にチオシアン酸アンモニ
ウムと反応させた。得られたキレート樹脂の性能を表7
に示す。
【0026】
【表7】
【0027】実施例 21 メタクリル酸グリシジル 43mol%、アリルグリシジルエ
ーテル 40.4mol%、ジビニルベンゼン 10mol%、エチル
ビニルベンゼン 6.6 mol%の仕込組成で合成した、比表
面積 118m2/gの球状共重合体1gにチオシアン酸アンモ
ニウムのメタノール溶液6mlを加え、30°C 、24時間反
応させた。得られたキレート樹脂は硫黄含量 11.2 %、
比表面積 183m2/gで金吸着量 2.50 mmol/g、パラジウム
吸着量1.31 mmol/gを示す。
ーテル 40.4mol%、ジビニルベンゼン 10mol%、エチル
ビニルベンゼン 6.6 mol%の仕込組成で合成した、比表
面積 118m2/gの球状共重合体1gにチオシアン酸アンモ
ニウムのメタノール溶液6mlを加え、30°C 、24時間反
応させた。得られたキレート樹脂は硫黄含量 11.2 %、
比表面積 183m2/gで金吸着量 2.50 mmol/g、パラジウム
吸着量1.31 mmol/gを示す。
【0028】実施例 22 メタクリル酸グリシジル 83.4mol%、ジビニルベンゼン
10mol%、エチルビニルベンゼン 6.6%の仕込割合で合
成した、比表面積 40 m2/gの球状共重合体 10gにチオ
尿素のメタノール溶液 60 mlを加え、30°C で 24 時間
反応させた。反 (7) 応後溶液を分離し、水洗し、乾燥して得られた樹脂は硫
黄含量 10.0 %、比表面積 80 m2/gで金吸着量 1.50 me
q/g を示す。
10mol%、エチルビニルベンゼン 6.6%の仕込割合で合
成した、比表面積 40 m2/gの球状共重合体 10gにチオ
尿素のメタノール溶液 60 mlを加え、30°C で 24 時間
反応させた。反 (7) 応後溶液を分離し、水洗し、乾燥して得られた樹脂は硫
黄含量 10.0 %、比表面積 80 m2/gで金吸着量 1.50 me
q/g を示す。
【0029】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0030】本発明によるキレート樹脂は金、白金、パ
ラジウムなどの貴金属を選択的に吸着し、また吸着した
金属を容易に脱離することができるので、繰り返し貴金
属の吸着・分離・回収に利用できる。また、その製造工
程は単一で容易に安価に製造できる。以上、本発明によ
るキレート樹脂は資源の無い我が国において、現在先端
産業において欠くことのできない貴重な金属である金、
白金、パラジウムなどを工業的に分離・回収し、再利用
する工程に有効に利用できる。
ラジウムなどの貴金属を選択的に吸着し、また吸着した
金属を容易に脱離することができるので、繰り返し貴金
属の吸着・分離・回収に利用できる。また、その製造工
程は単一で容易に安価に製造できる。以上、本発明によ
るキレート樹脂は資源の無い我が国において、現在先端
産業において欠くことのできない貴重な金属である金、
白金、パラジウムなどを工業的に分離・回収し、再利用
する工程に有効に利用できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 α位炭素に置換基を有していてもよいア
クリル酸のグリシジルエステル及びアリルグリシジルエ
ーテルを主成分とする橋かけ共重合体をチオシアン酸塩
溶液またはチオ尿素溶液と反応させることを特徴とする
エピスルフィド基とカルボキシル基を有するキレート樹
脂
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991794A JPH083279A (ja) | 1994-01-19 | 1994-01-19 | エピスルフィド基とカルボキシル基を有するキレート樹脂 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991794A JPH083279A (ja) | 1994-01-19 | 1994-01-19 | エピスルフィド基とカルボキシル基を有するキレート樹脂 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH083279A true JPH083279A (ja) | 1996-01-09 |
Family
ID=12012579
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991794A Pending JPH083279A (ja) | 1994-01-19 | 1994-01-19 | エピスルフィド基とカルボキシル基を有するキレート樹脂 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH083279A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09322989A (ja) * | 1996-06-06 | 1997-12-16 | Sanken Eng:Kk | 舞台の音響反射装置 |
-
1994
- 1994-01-19 JP JP1991794A patent/JPH083279A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH09322989A (ja) * | 1996-06-06 | 1997-12-16 | Sanken Eng:Kk | 舞台の音響反射装置 |
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