JPH08103300A - 核酸の同時増幅方法並びにそのための組成物、試験キット及び試験装置 - Google Patents
核酸の同時増幅方法並びにそのための組成物、試験キット及び試験装置Info
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- JPH08103300A JPH08103300A JP7236899A JP23689995A JPH08103300A JP H08103300 A JPH08103300 A JP H08103300A JP 7236899 A JP7236899 A JP 7236899A JP 23689995 A JP23689995 A JP 23689995A JP H08103300 A JPH08103300 A JP H08103300A
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Abstract
増幅すること。 【解決手段】 少なくとも15回の一次増幅サイクルを
含む2種以上の標的核酸を同時増幅する方法。前記一次
増幅サイクルの各々は、A)2種以上の標的核酸又はそ
れらのプライマー伸長生成物の反応混合物を変性するた
めに加熱する工程、B)冷却することによって、増幅す
べき各標的核酸の対向鎖に特異的であり且つハイブリダ
イズ可能な一組のプライマーで前記変性鎖をプライミン
グする工程及びC)PCR試薬の反応混合物中でプライ
マー伸長生成物を形成させる工程を逐次工程として含
む。前記一次増幅サイクルの少なくとも一つにおける前
記反応混合物は、非イオン性で高分子量の体積排除剤を
含む。
Description
積排除剤(volume exclusion agent)を使用して2種以上
の二本鎖核酸を迅速に同時増幅する方法に関する。本発
明はまた、本発明の方法を実施する上で有用な反応組成
物、試験キット及び試験装置にも関する。
体中に非常に少量で存在する染色体の特徴、感染性因子
及び各種生物を早期に検出するための手段として成長し
ている。検出手順は、通常、(ヌクレオチド対として知
られている)相補的ヌクレオチド間の水素結合やその他
の力によって2本のDNA鎖が一緒に結合する相補性の
概念に基づくものである。DNA分子は、通常はかなり
安定であるが、その鎖は、加熱などの特定の条件によっ
て分離又は変性させることができる。変性された鎖は、
相補的配列を有する別のヌクレオチド鎖とのみ再会合す
る。
めの方法を見い出すため、多大な研究が行われている。
検出のために被検体中の核酸数を増幅する又は大幅に複
製する各種の手法が知られており、ほぼ10年間にわた
り用いられている。このような増幅技法には、ポリメラ
ーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LC
R)、その他開発の遅れている方法、が含まれる。PC
R法が最もよく知られている方法であって、DNA重合
剤とデオキシリボヌクレオシド三リン酸を存在させて適
当な条件下で標的核酸の鎖にプライマーをハイブリダイ
ズさせる工程を含む。複数回のサイクルを通してプライ
マー伸長生成物が形成され、最初の標的鎖の数が指数的
に増加することになる。PCRに関する詳細は、米国特
許第4,683,195号(Mullisら)、同第
4,683,202号(Mullisら)及び同第4,
965,188号(Mullisら)に記載されてい
る。
含有し、ヒトや動物に内因する(又は天然の)ものもあ
れば、感染性因子の存在や発ガン性条件といった何らか
の異常な条件が原因となって発生するものもある。通
常、こうした核酸は内因性の核酸よりも非常に低濃度で
存在する。これらを「コピー数の少ない」核酸と呼ぶこ
とがある。対照的に、内因性の核酸は高濃度で存在する
ことが普通であり、これらを「コピー数の多い」核酸と
称する場合がある。このような核酸の一例として、ヒト
β−グロブリンDNAが挙げられる。
る2種以上の核酸が同じ反応容器内で同時に増幅される
ことがよくある。このことを本明細書では「同時増幅」
と称することとする。この方法では、増幅すべき核酸の
各々に対するプライマーを容器内に同時に存在させなけ
ればならない。このような状況下でコピー数の少ない標
的核酸とコピー数の多い標的核酸を共に増幅させると、
コピー数の少ない標的核酸の増幅が阻害されることが多
い。この原因は、増幅サイクルの後の方でコピー数の多
い標的核酸によって増幅酵素(例、DNAポリメラー
ゼ)が飽和するためである。コピー数の少ない標的核酸
の存在については偽陰性という結論になりやすく、重大
な結果をもたらす恐れがある。
は、プライマー濃度を調節する方法、特殊な融解温度
(Tm )を示すプライマー組を使用する方法、或いはこ
れらを組み合わせた方法をはじめとする様々な解決策が
提案されている。プライマー比率を調節する方法を当該
技術分野ではPCR収率を「プライマーバイアスする」
と呼び、コピー数の多い標的核酸に対するプライマーの
濃度を低下させる必要がある。この方法では、プロセス
を適当にしか制御することができない。
核酸に対するプライマーがコピー数の少ない標的核酸に
対するプライマーよりもアニールの程度が低くなるよう
に、PCRにおけるアニーリング温度を調節する方法で
ある。この方法にも問題がある。プライマー対の間のT
m 差が比較的大きくなければ、コピー数の多い標的核酸
とコピー数の少ない標的核酸との収率の差に基づいてP
CRを良好に変調することはできない。正確なTm を
(概算は可能であるが)計算することはできないため、
これを測定する必要がある。これは多大な労力を要し、
大変である。
は、いずれもコピー数の多い標的核酸とコピー数の少な
い標的核酸の配列が知られていることが必要である。別
法として、PCRの後の方のサイクルにおけるプライミ
ング工程又は伸長工程の時間を延長することによって、
コピー数の多い標的核酸によるDNAポリメラーゼの飽
和を最小限に抑え、増幅効率を向上させることができ
る。しかしながら、この解決策は、様々な濃度で存在す
る多種多様な核酸が同時に増幅される状況でしか有用で
はない。
ルなどの体積排除剤の存在下では、こうした剤が占める
溶液の体積から核酸が排除されるために、核酸のハイブ
リダイゼーション速度がかなり増加することが知られて
いる〔Sambrookら、Molecular Cloning, A Laboratory
Manual, page 9.50, 1989 、及び米国特許第5,10
6,730号明細書(Van Ness ら) 〕。この排除効果が
溶液中の核酸の有効濃度を高めることにより、ハイブリ
ダイゼーション速度が増加する。こうして、これらの物
質は望ましくない逆反応を前方へ「推進する」ために反
応混合物へ日常的に添加されている。例えば、これらを
反応混合物へ添加してリガーゼ反応を「推進する」こと
が米国特許第5,185,243号(Ullman ら) 及び同
第5,194,370号(Berningerら) 明細書に記載さ
れている。
度は体積排除剤によって増加するが、ハイブリダイゼー
ションの速度が通常遅い場合、又は核酸が反応において
律速する場合を除いて、Sambrookらはそれらの使用を薦
めてはいない。また、これらの剤は時として高いバック
グラウンドをもたらすこと、さらには得られた溶液の粘
度が高くなるためにその取扱いがより一層困難になるこ
とが知られている。こうして、当該技術分野では、体積
排除剤は特定のハイブリダイゼーション条件に限定され
るべきであるとされており、また上記特許明細書が示す
ように、実際には逆反応を前方へ「推進させる」場合に
のみ体積排除剤が用いられている。というのは、そうし
なければ反応が適当な速度で起こらないからである。
を、1種以上の別の標的核酸の存在下で同時増幅させた
場合に、上記の問題が解決されるように迅速且つ効率的
に増幅する方法が望まれる。
も15回の一次増幅サイクルを含む2種以上の標的核酸
を同時増幅する方法であって、前記一次増幅サイクルの
各々が、 A)2種以上の標的核酸又はそれらのプライマー伸長生
成物の反応混合物を、前記標的核酸又はそれらのプライ
マー伸長生成物の鎖を変性するために第一温度T1 に加
熱する工程、 B)第二温度T2 まで冷却することによって、増幅すべ
き各標的核酸の対向鎖に特異的であり且つハイブリダイ
ズすることができる一組のプライマーで前記変性された
鎖をプライミングする工程、及び C)前記工程Bの延長としてか又は別の工程において、
第三温度T3 におけるインキュベーションによってPC
R試薬の反応混合物中でプライマー伸長生成物を形成さ
せる工程〔但し、前記プライミング工程とプライマー伸
長生成物形成工程とを同一工程で実施する場合にはT2
とT3 は同じである〕、を逐次工程として含み、そして
前記一次増幅サイクルの少なくとも一つにおける前記反
応混合物が、非イオン性で高分子量の体積排除剤を約4
重量%以上含む、核酸の同時増幅方法によって解決され
た。
幅サイクルを含む2種以上の標的核酸を同時増幅して前
記標的核酸の1種以上を検出する方法であって、前記一
次増幅サイクルの各々が、 A)2種以上の標的核酸又はそれらのプライマー伸長生
成物の反応混合物を、前記標的核酸又はそれらのプライ
マー伸長生成物の鎖を変性するために第一温度T1 に加
熱する工程、 B)第二温度T2 まで冷却することによって、増幅すべ
き各標的核酸の対向鎖に特異的であり且つハイブリダイ
ズすることができる一組のプライマーで前記変性された
鎖をプライミングする工程、及び C)前記工程Bの延長としてか又は別の工程において、
第三温度T3 におけるインキュベーションによってPC
R試薬の反応混合物中でプライマー伸長生成物を形成さ
せる工程〔但し、前記プライミング工程とプライマー伸
長生成物形成工程とを同一工程で実施する場合にはT2
とT3 は同じである〕、を逐次工程として含み、その
際、前記一次増幅サイクルの少なくとも一つにおける前
記反応混合物が、非イオン性で高分子量の体積排除剤を
約4重量%以上含み、そして D)最後の一次増幅サイクル終了後、前記標的核酸の1
種以上を示すものとして前記プライマー伸長生成物の1
種以上を検出する工程、を含む、核酸の同時増幅/検出
方法をも提供する。
と、耐熱性DNAポリメラーゼと、複数種のdNTP
と、約4重量%以上の非イオン性で高分子量の体積排除
剤とを含み、pHを約7.5〜約9に緩衝化された増幅
反応用組成物を提供する。また、本発明は、a)一組以
上のプライマーと、耐熱性DNAポリメラーゼと、複数
種のdNTPと、約4重量%以上の非イオン性で高分子
量の体積排除剤とを含み、pHを約7.5〜約9に緩衝
化された増幅反応用組成物、及び b)水不溶性担体に固定されたオリゴヌクレオチドを含
む捕捉試薬が個別に包装されて含まれている試験キット
をも提供する。
ーと、耐熱性DNAポリメラーゼと、複数種のdNTP
と、約4重量%以上の非イオン性で高分子量の体積排除
剤とを含み、pHを約7.5〜約9に緩衝化された増幅
反応用組成物、及び b)水不溶性担体に固定されたオリゴヌクレオチドを含
む捕捉試薬を別々の区分室に含む自蔵式(self-containe
d)試験装置であって、前記区分室は、前記試験装置内に
おいて、前記増幅反応用組成物が増幅後に前記試験装置
を開放することなく前記捕捉試薬と接触されうるように
連結されている自蔵式試験装置をも提供する。
る他の1種以上の核酸の混合物中で優先的に増幅するた
めの非常に迅速で効率のよい方法を提供するものであ
る。例えば、本発明を利用して、増幅されたコピー数の
多い標的核酸の中でコピー数の少ない標的核酸を優先的
に増幅して検出することができる。このような場合、コ
ピー数の多い標的核酸によるコピー数の少ない標的核酸
の増幅阻害は低減される。他の場合として、本発明を利
用して、様々な理由のためにある種の標的核酸の増幅を
他の核酸の中で操作することができる。
イクルにおいて増幅反応混合物中に水溶性又は水膨潤性
の非イオン性で高分子量の体積排除剤を含ませることに
よって実現される。この剤の存在によって、ユーザーは
核酸の効率的な増幅に必要なプライマーの量を削減する
ことができ、ひいてはこの削減によってある種の核酸が
優先的に増幅されるように工程を操作することが可能に
なる。こうして、プライマーを速度制限反応体として使
用することができる。
再生速度を増加し、コピー数の少ない標的核酸に対して
コピー数の多い標的核酸の増幅効率をさらに低下させ
る。好ましい実施態様では、増幅に用いられる各プライ
マーの濃度は常用のレベルよりもかなり低い濃度であ
る。こうした低濃度でも可能である理由は、体積排除剤
が存在するからであり、これにより複数種の標的核酸の
同時増幅をさらに操作することができる。
示を鑑みれば、それらの増幅方法ではハイブリダイゼー
ション速度がかなり高く、また標的核酸は速度制限量で
は存在しないので、増幅方法に体積排除剤を使用する者
はいないであろう。その上、これらの剤は望ましくない
すべての反応を「推進」し、望ましくない生成物を相当
量発生させてしまうと予想されるであろう。これは本発
明の場合には当てはまらないようである。従って、本発
明により得られる利点は予想できなかった。
ーの高い」として知られている条件下で実施される。す
なわち、プライマーは、ストリンジェントな温度、pH
及びその他の反応条件下で比較的迅速に興味のある標的
核酸鎖に特異的にハイブリダイズすることを意味する。
幅及び検出するための一般原理及び条件についてはよく
知られている。その詳細については、米国特許第4,6
83,195号、同第4,683,202号及び同第
4,965,188号明細書(上記)をはじめとする多
くの文献に記載されており、本明細書ではそのすべてを
参照することにより取り入れることとする。当該技術分
野における教示と本明細書に記載した特別な教示とを鑑
みれば、当業者であれば本明細書に記載に従い本発明を
実施して、一方がコピー数の少ない標的核酸である2種
以上の核酸を同時増幅することは容易である。
上のコピー数の少ない標的核酸中に存在する1種以上の
特異的核酸配列を、1種以上のコピー数の多い標的核酸
中に存在する1種以上の核酸配列を同時に増幅させなが
ら、増幅して検出することに関する。被検体中に存在す
るコピー数の少ない標的核酸の量は約10-16 モル濃度
未満であることが一般的ではあるが、しかしながら、そ
の量は、コピー数の多い核酸がはるかに多量に、例えば
1000倍以上の濃度で、存在する場合には、さらに多
くなることもある。一般に、コピー数の多い標的核酸は
単コピー遺伝子に関連しているものである一方、コピー
数の少ない標的核酸はヒトや動物における感染性因子、
ガン、その他病理状態に関連しているものである。
核酸を「陽性対照」として使用することができる。コピ
ー数の多い標的核酸のPCR効率を変調することによ
り、PCRが効率的に行われた場合にのみ陽性対照は検
出可能となるので、偽陰性の可能性が低下する。このよ
うな場合、コピー数の多い標的核酸は、コピー数の少な
い標的核酸の10倍以上の濃度で存在することができ
る。
は検出可能な遺伝子DNA又はRNAを含有する他の材
料であることができる。標的核酸は、プラスミドや、
(細菌、酵母、ウイルス、植物、高等動物又はヒトなど
の)何らかのソースから得られる天然DNA又はRNA
をはじめとする様々なソースから得ることができる。そ
れは、血液、末梢血液単核細胞(PBMC)、他の組織
材料又は当該技術分野で知られている他のソースをはじ
めとする様々な組織から周知の方法で抽出されることが
できる。本発明は、ゲノムDNA、細菌DNA、プロウ
イルスDNA、菌類DNA、ウイルスRNA、又は細菌
若しくはウイルスに感染された細胞中のDNA若しくは
RNA、に存在する核酸配列の同時増幅及び検出に特に
有用である。さらに、本発明を利用して、癌マーカーに
係わる核酸配列を増幅し検出することも可能である。
細菌、サルモネラ(Salmonella)種、クラミジア(Chlamyd
ia) 種、淋菌(Neisseria) 種、シゲラ(Shigella)種及び
マイコバクテリウム(Mycobacterium) 種が含まれるが、
これらに限定はされない。検出可能なウイルスには、単
純ヘルペスウイルス、エプスタインバールウイルス、ヒ
トサイトメガロウイルス、ヒトパピローマウイルス、肝
炎ウイルス並びにHTLV−I、HTLV−II、HI
V1及びHIV2のようなレトロウイルスが含まれる
が、これらに限定はされない。原生動物の寄生虫、酵母
及びカビもまた検出可能である。当業者であればその他
の検出可能な種は明らかである。本発明は、レトロウイ
ルスDNA(HIV1やHIV2)又はマイコバクテリ
ウム種に関連したDNAの存在を検出するのに特に有用
である。本発明を、HIV1、プロウイルスHIV1、
HIV2又はプロウイルスHIV2に関連したDNAの
検出に使用することが最も好ましい。
られるすべての試薬、すなわち、各標的核酸の対向鎖に
対する一組のプライマーと、DNAポリメラーゼと、D
NAポリメラーゼコファクターと、2種以上のデオキシ
リボヌクレオシド−5’−三リン酸(dNTP)とを意
味する。「プライマー」とは、核酸鎖(すなわち、鋳
型)に相補的なプライマー伸長生成物の合成が誘導され
る条件下に置かれた場合にその合成開始点として作用し
うる天然の又は合成されたオリゴヌクレオチドを意味す
る。このような条件には、他のPCR試薬の存在並びに
好適な温度及びpHが含まれる。通常、このような条件
は、非特異的増幅が最小限に抑えられるような「ストリ
ンジェンシーの高い」条件として知られている条件であ
る。プライマーは、DNAポリメラーゼの存在下で伸長
生成物の合成を引き起こすに十分な長さを有する必要が
ある。各プライマーの正確なサイズは、使用法、標的配
列の複雑さ、反応温度及びプライマーの出所によって変
わる。一般に、本発明で用いられるプライマーは、ヌク
レオチドを10〜60個有するものである。
と、或いは、例えば、ABI DNA合成機(Appl
ied Biosystemより入手可能)又はBio
search 8600シリーズ若しくは8800シリ
ーズの合成機(Milligen−Biosearch
社より入手可能)をはじめとする周知の技法及び装置並
びにそれらの使用方法(例えば、上記の米国特許第4,
965,188号明細書に記載されている)を利用して
合成することができる。また、生物学的ソースから単離
された天然のプライマー(例えば、制限エンドヌクレア
ーゼ消化物)も有用である。一般には、各標的核酸に対
し、少なくとも2種のプライマーからなる一組が用いら
れる。こうして、複数組のプライマーを同時に使用し、
複数種の標的核酸を増幅することができる。さらに、一
組のプライマーが、ある特定の標的核酸に対するプライ
マー混合物を含むこともできる。
てホスホジエステル結合することにより、デオキシヌク
レオシド一リン酸分子をエステル化しこれをプライマー
の3’−ヒドロキシ末端に付加する酵素としてよく知ら
れいる。この合成は鋳型依存性である。有用なDNAポ
リメラーゼには、E.coliのDNAポリメラーゼ
I、T4 DNAポリメラーゼ、Klenowポリメラ
ーゼ、逆転写酵素、その他当該技術分野で知られている
ものが含まれる。
ことが好ましい。耐熱性とは、DNA鎖の変性に用いら
れる高温において一般に安定であることを意味する。よ
り詳細には、耐熱性DNAポリメラーゼは、PCRに用
いられる高温において実質的には不活性化されない。こ
のような温度は、pH、塩濃度、その他当該技術分野で
知られている条件をはじめとする幾つかの反応条件によ
って変わる。
リメラーゼが報告されており、米国特許第4,965,
188号明細書(上記)及び同第4,889,818号
明細書(Gelfandら)に詳細に記載されているも
のが含まれるが、本明細書ではこれらを参照することに
より取り入れることとする。特に有用なポリメラーゼ
は、Thermus細菌種から得られるものであって、
例えばサーマス・アクラティカス(Thermus a
quaticus)、サーマス・フィリフォルミス(T
hermus filiformis)、サーマス・フ
ラバス(Thermus flavus)又はサーマス
・サーモフィラス(Thermus thermoph
ilus)から得られるDNAポリメラーゼである。他
の有用な耐熱性ポリメラーゼは、サーモコッカス・リテ
ラティス(Thermococcus literal
is)、ピロコッカス・フリオサス(Pyrococc
usfuriosus)、Thermotoga s
p.及び国際特許出願公開WO−A−89/06691
号公報(1989年7月27日公開)に記載されている
ものをはじめとする他の様々な微生物源から得られる。
有用な酵素の中には市販されているものもある。生物か
ら天然のポリメラーゼを単離するための技法がいくつか
知られている。また組換え技術によるポリメラーゼを調
製するためのクローニング法やその他の合成法も、Ge
lfandらの特許をはじめとする先に引用した技術文
献から知られている。
素活性に影響を与える非タンパク質化合物をさす。当該
技術分野では、マンガン塩やマグネシウム塩をはじめと
するこのような物質がいくつか知られている。有用なコ
ファクターとして、マンガン及びマグネシウムの塩化
物、硫酸塩、酢酸塩及び脂肪酸塩が含まれるが、これら
に限定はされない。塩化物、硫酸塩及び酢酸塩が好まし
い。最も好ましい塩は塩化マグネシウム及び硫酸マグネ
シウムである。
ド−5’−三リン酸、例えば、dATP、dCTP、d
GTP、dTTP及びdUTPのうちの2種以上が必要
である。dITPや7−デアザ−dGTPのようなアナ
ログも有用である。PCRでは、通常の4種類の三リン
酸(dATP、dCTP、dGTP及びdTTP)を使
用することが好ましい。
特異的な抗体であって、約50℃未満の温度では該酵素
活性を阻害するがより高温では自身が不活性化される抗
体も有用である。このような特性を有する代表的なモノ
クローナル抗体が、米国特許第5,338,671号明
細書(Scaliceら)に記載されており、本明細書
ではこれを参照することにより取り入れることとする。
同等な特性を有するならば抗体フラグメントを完全分子
の代わりに使用してもよい。
対する1種以上のプライマー組と、耐熱性DNAポリメ
ラーゼ(上記)と、複数種のdNTP(例、常用の4種
のdNTP)と、そして1種以上の水溶性又は水膨潤性
の非イオン性で高分子量の体積排除剤とを最低でも含有
する。さらに、それらは非イオン性であるため、本発明
の範囲からはPCRに悪影響を及ぼすカチオン性、アニ
オン性又は両性の物質は除外される。
は複数の反復単位を含む。一般に、体積排除剤の平均分
子量は約1000〜約20,000ダルトンであり、約
3000〜約12,000ダルトンの範囲にあることが
好ましい。本発明を実施する上で体積排除剤として使用
することができる有用な種類の物質には、ポリエーテ
ル、単糖(例、デキストロースやグルコース)とエピク
ロロヒドリンとの反応生成物、多糖、ポリアクリレート
及び当業者であれば容易に想到しうる同等な物質が含ま
れるが、これらに限定はされない。
一般に下式で表すことができる。 H−(−O−R−)n −H 上式中、Rは炭素原子数1〜6のアルキレンであり、そ
してnは15〜1000(重量平均基準)の整数であ
る。例えば、Rは、1,2−エチレン、1,2−プロピ
レン、2−ヒドロキシ−1,3−プロピレン、3−ヒド
ロキシ−1,2−プロピレン、1,4−ブチレン、1,
3−ブチレン、1,2−ヘキシレン、その他当業者であ
れば容易に想到しうる二価アルキレン基であることがで
きる。好ましくは、Rは、一般にポリ(エチレングリコ
ール)やポリ(プロピレングリコール)として知られて
いるポリ(酸化エチレン)やポリ(酸化プロピレン)に
あるような1,2−エチレン又は1,2−プロピレンで
ある。
物の重量平均分子量をそのモノマー単位分子量で割った
値を表している。先のパラグラフで記載した好ましい化
合物の平均分子量は約1000以上、好ましくは約30
00以上で且つ一般に最大で約20,000である。当
業者であれば、特定の化合物と化合物重量に対して適当
な「n」個の単位を決めることは容易にできる。一般に
nは15〜1000の整数である。分子量を定義する際
の用語「約」は±10%の変動を表す。
酸化プロピレン若しくは他の酸化アルキレン又はポリグ
リシドールをはじめとするジオール、トリオール、糖若
しくは酸などの各種部分の縮合生成物も含まれる。この
ような物質は、非イオン界面活性剤又は洗剤として当該
技術分野では知られており、そして必要な水溶性又は水
膨潤性のパラメーターが満たされているならば、本発明
において有用となることができる。
糖にはデキストラン、グリコーゲン及びその他当業者で
あれば容易に想到しうるもの、が含まれる。有用なポリ
アクリレートの例として、ポリ(ヒドロキシエチルアク
リレート)、ポリ(2,3−ジヒドロキシプロピルアク
リレート)及びその他当業者であれば容易に想到しうる
ものが挙げられるが、これらに限定はされない。
において標的核酸を増幅するのに適した濃度で提供され
且つ用いられる。DNAポリメラーゼの最少量は、溶液
100μl当たり、一般に約1単位以上、好ましくは約
4〜約25単位である。ここで「単位」とは、74℃に
おいて伸長している核酸中へ30分間で10ナノモルの
全ヌクレオシド(dNTP)を取り込ませるに必要な酵
素活性量として定義される。各プライマーの濃度は約
0.025μモル濃度以上、約1μモル濃度未満であ
り、中でも約0.05〜約0.2μモル濃度が好まし
い。すべてのプライマーはほぼ同じ量(各々の変動が±
10%以内)で存在する。反応混合物中、コファクター
は一般に約1〜約15ミリモルの量で存在し、また各d
NTPは一般に約0.15〜約3.5ミリモルの量で存
在する。体積排除剤は、約4重量%以上の量で、好まし
くは約6〜約12重量%の量で存在する。物質の量を定
義する際の用語「約」は、記載量に±10%の変動が含
まれていることを意味する。
当な何らかの緩衝液を用いてpHを約7〜約9にした緩
衝化溶液として供給してもよい。こうして、PCRの反
応混合物は、コピー数の少ない標的核酸の各々に対する
一組のプライマーと、コピー数の多い標的核酸の各々に
対する一組のプライマーと、適当なdNTPと、耐熱性
DNAポリメラーゼと、該DNAポリメラーゼのための
コファクターと、1種以上の体積排除剤と、そして標的
核酸の増幅やその後の検出に有用であると考えられる他
の何らかの添加物とを含むことができる。
ら得られる。一般に、標的核酸は、プライマー、その他
の反応物質との接触に利用できるようにするため何らか
の方法で抽出されなければならない。このことは、通
常、望ましくないタンパク質や細胞物質を被検体から適
当な方法で除去することを意味する。当該技術分野で
は、LaureらのThe Lancet,pp.53
8−540(1988年9月3日)、Maniatis
らのMolecular Cloning:A Lab
oratory Manual,pp.280−281
(1982)、Gross−BellandらのEu
r.J.Biochem.,36,32(1973)及
び米国特許第4,965,188号明細書(上記)に記
載されているものをはじめとする様々な方法が知られて
いる。全血又はその成分からDNAを抽出する方法につ
いては、例えば、欧州特許出願公開第0 393 74
4号公報(1990年10月24日公開)、Bellら
のProc.Natl.Acad.Sci.USA,7
8(9),pp.5759−5763(1981)、S
aikiらのBio/Technology,3,p
p.1008−1012(1985)及び米国特許第
5,231,015号明細書(Cumminsら)に記
載されている。本発明の実施では、特定の抽出法が重要
となることはない。
二本鎖形にあるため、この二本鎖を分離(すなわち、変
性)しなければプライミングは起こらない。プライミン
グは、抽出工程中に行うことができるが、好ましくはそ
の後の別工程で行う。好ましい変性手段は、好適な温度
(本明細書では「第一温度」又はT1 と称する)に加熱
することである。一般に、この第一温度は、適当な時
間、例えば1〜約240秒間(好ましくは1〜約40秒
間)、約85℃〜約100℃の範囲とする。この初期変
性工程を最初の増幅サイクルに含めてもよい。このよう
な場合には、最初のサイクルにおける変性をより長時間
(例えば、最長で240秒間)とし、その後のサイクル
では変性を短時間(例えば、最長で30秒間)としても
よい。
プライマーを用いて、その反応混合物を一般に約55〜
約70℃の範囲にある第二温度T2 へ冷却することによ
りプライミングする。冷却はできるだけ迅速に行うこと
が望まれるが、現存の装置では、一般には約5〜約40
秒間で、より好ましくは約5〜約20秒間で行われる。
好ましくは、T2 は以下の式で規定される。 (TmH−15)℃≦T2 ≦(TmH+5)℃ 式中、TmHはコピー数の多い標的核酸に対するプライマ
ーの融解温度である。
含有する反応混合物を第三温度T3において、一般には
1〜約120秒間、好ましくは1〜約80秒間インキュ
ベートし、プライマー伸長生成物を形成させる。一般
に、第三温度は以下の式: (TmH−15)℃≦T3 ≦(TmH+15)℃ で規定されるが、一般には約55〜約70℃、好ましく
は約62〜約70℃の範囲にある。
三温度を同じにし、そして約62〜約70℃の範囲とす
る。こうして、プライミングとプライマー伸長を、同じ
工程で行うことが好ましい。コピー数の多い標的核酸に
対する各プライマーは、本明細書でTmHと表示した融解
温度を有する。通常、TmLとTmHの差は0〜約8℃であ
り、そしてT2 とT 3 はどちらもTmL若しくはTmHより
も低いか又はTmL若しくはTmHのいずれかに等しいこと
が普通である。TmLは、コピー数の少ない標的核酸に対
するプライマーの融解温度である。
ーの半分が(鋳型のような)相補鎖から変性される温度
である。この融解温度の測定は、例えば、Bioche
mistry−The Molecular Basi
s of Cell Structure and F
unction(第2版、Lehninger,Wor
th Publications,Inc.,197
0,pp.876−7)に記載されているように260
nmにおけるスペクトルをモニターすることによって、
紫外線淡色効果に基づいて、いくつかの標準方法で実施
することができる。融解温度の測定方法が異なると、同
じDNA分子でもその値に若干の差が生じることはある
が、これらの値が約2〜3℃よりも大きく変動すること
はまずない。その上、融解温度を測定するための方法が
一定であれば、TmLとTmHの差が変動することはない。
とが好ましい。 Tm (℃)=67.5+0.34(%G+C)−395
/N 上式中、GとCは、オリゴヌクレオチド(すなわち、プ
ライマー)における、それぞれグアニンとシトシンのヌ
クレオチド数を表し、Nは全ヌクレオチド数を表す。こ
の計算式で得られる融解温度の値は、常用のUV淡色効
果と常用のHewlett−Packard製ダイオー
ドアレイ分光光度計(走査速度約+1℃/分)を用い
て、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム及びその他当業
者であれば容易に想到するもののような無機塩や有機塩
の1種以上をイオン強度約20ミリモル以上で有する1
0ミリモルのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
緩衝液(pH8.5)にプライマーを含む溶液について
室温で実験的に求めた値とよく相関する。上記融解温度
式を決めるために用いられた溶液中でのプライマーとそ
の相補体の量は、約0.5〜約1.0のOD単位の光学
濃度を与えるに十分な量とした。
の変性工程、プライミング(又はアニーリング)工程及
びプライマー伸長工程を含む。一般に、本発明の実施で
は、このような一次増幅サイクルを15回以上行うが、
そのサイクルの最大回数についてはユーザーの裁量に任
される。たいていは、15〜50回の一次増幅サイクル
が行われ、15〜40回のサイクルが好適である。一次
増幅サイクルの各サイクルは、一般に約20〜約360
秒、好ましくは約30〜約120秒、より好ましくは約
30〜約90秒のサイクル時間で行われる。しかしなが
ら、所望により、さらに長時間又は短時間のサイクル時
間を採用してもよい。
のみを含むことができるが、別の実施態様として、上記
の少なくとも15回の一次増幅サイクルの後に、1回以
上の「二次」増幅サイクルを含むことができる。このよ
うな二次サイクルは一次サイクルと同じ工程を使用して
行われるが、但し、各変性工程後に再生工程を導入して
からプライミング工程を行う。
る第四温度T4 に冷却することによって行われる。 (TmH+5)℃≦T4 ≦TPH 式中、TPHは、コピー数の多い標的核酸の二本鎖の融解
温度である。一般に、T 4 は約65〜約90℃である。
T4 に到達させるのに要する時間はできるかぎり短くす
るが、最長で約45秒間かけてもよい。また、上記温度
は約15〜約100秒間維持することができる。
イクルを採用するが、その上限回数はユーザーの裁量に
任される。一つの実施態様では、この二次増幅サイクル
は5〜20回が好ましく、また15回のサイクルが最も
好ましい。二次増幅サイクルの各サイクルに要する時間
は約20〜約360秒である。好ましいサイクル時間は
約30〜約120秒である。
れるプライマーの有効Tm (融解温度)よりも数度高い
がコピー数の多い生成物の有効Tm 以下の温度で生成物
の再生工程を含めると、増幅生成物の再生が濃度依存様
式で可能となる。二次サイクルの比較的短い再生工程は
コピー数の少ない標的核酸のプライミング効率に実質的
な影響を及ぼすことはないが、コピー数の多い標的核酸
のプライミングを低下させる。
対する時間に用語「約」を付した場合は、その限界値に
ついて±10%の幅があることを意味する。温度に用語
「約」を付した場合には、±5℃の幅があることを意味
する。
ダイゼーション反応の速度論は、ハイブリダイズされる
核酸の濃度に比例する。それゆえ、増幅生成物の濃度
が、例えば10倍に増加すると、ハイブリダイゼーショ
ンの速度も10倍に増加する(すなわち、再生に対する
t1/2 が10分の1に短縮される)。ハイブリダイゼー
ションの前進速度定数を5×106 モル-1秒-1と仮定す
ると、生成物濃度10-8モルにおけるt1/2 は約14
秒、また生成物濃度10-9モルにおけるt1/2 は約14
0秒となる。先に記載した体積排除剤を含めると、増幅
プライマー、標的核酸、プライマー伸長生成物及びDN
Aポリメラーゼといった反応する巨大分子を有効に増加
させることになる。この有効プライマー濃度の増加によ
って、増幅反応における絶対プライマー濃度を、増幅効
率を低下させることなく対応して低下させることができ
る。このように、本発明の好ましい実施では、効率損失
を伴わずにプライマー濃度をかなり低下させることがで
きる。
望の回数だけ制御して周期変動させるように連続自動式
で実施することが好ましい。このために開発された装置
がいくつかあり、当業者であれば周知である。また、一
次増幅サイクル及び二次増幅サイクルの両方についてプ
ログラム可能な装置を使用することも好ましい。
第4,965,188号明細書及び欧州特許出願公開第
0 236 069号公報にかなり詳しく記載されてい
る。一般に、この装置は、反応混合物を含有する複数の
反応管を保持するための熱伝導性容器と、加熱、冷却及
び温度維持するための手段と、増幅配列、温度及びタイ
ミングの変化を制御するための信号を発生する計算手段
とを含む。
公報は、米国特許第5,089,233号明細書(De
vaney,Jrら)に記載された装置を用いて処理す
ることができる有用な化学試験パックについて詳細に記
載しており、本明細書ではこれを参照することにより取
り入れることとする。その中には、本発明の方法に適し
た反復インターバルで(すなわち、サイクルにより)そ
の試験パックを加熱/冷却するための手段についても記
載されている。有用なPCR処理装置に関するさらなる
詳細は、当該技術分野の重要な文献から入手することが
でき、当業者であれば容易に確認することができる。
は、米国特許第4,902,624号明細書(Colu
mbusら)、同第5,173,260号明細書(Za
nderら)、同第5,229,297号明細書(Sc
hnipelskyら)に詳細に記載されているような
他の容器、及び当業者であれば明白なその他の適当な容
器においても実施することができる。本明細書ではこれ
らを参照することにより取り入れることとする。このよ
うな試験パックは自蔵式試験装置としても知られてお
り、本発明の方法で用いられる各種試薬のために区分さ
れた別個の室を有する。この区分室は、装置を開放しな
くても、試薬とアッセイ液とが適時捕捉試薬と接触でき
るように適当に連結されている。
のように、米国特許第4,965,188号明細書(上
記)に記載されているサザンブロッティング法や、標識
されたプローブ又はプライマーを利用して行うことがで
きる。上記実施態様の別法として、増幅生成物を、その
プライマー伸長生成物の一方に対して相補的である標識
されたオリゴヌクレオチドを用いて検出することもでき
る。オリゴヌクレオチドに標識を付与する方法について
は周知である。有用な標識には、酵素、フェリチン、そ
の他磁性粒子、放射性同位元素、化学発光試薬(例、ル
ミノール)、ビオチン並びに各種蛍光助剤及び発色助剤
が含まれる。有用な酵素標識には、グルコースオキシダ
ーゼ、ペルオキシダーゼ及びアルカリ性ホスファターゼ
が含まれる。各種標識用の基質や色素提供試薬、例えば
酵素、についても周知である。
(例、ペルオキシダーゼ)を使用し、そしてその標識に
より色素又は発光を提供する適当な組成物を使用する。
例えば、特に有用な比色定量用色素提供システムが米国
特許第5,024,935号明細書(McClune
ら)に記載されている。その後、裸眼又は適当な分光光
度計若しくはルミノメーターによって検出する。
組のプライマーの一方を、特異的結合性部分で標識する
ことも可能である。この部分は、各種プライマーについ
て同じであっても異なってもよく、またその部分と特異
的に反応する特異的結合性レセプターが存在するための
いずれの分子を含むこともできる。特異的結合性対(そ
の一方が標識となりうる)の例として、ストレプトアビ
ジン/ビオチン、糖類/レクチン、抗体/ハプテン、抗
体/抗原、その他当業者であれば自明のもの、が挙げら
れる。その後、酵素、放射性同位元素又はその他上記の
もののようなオリゴヌクレオチドを検出できる適当な標
識部分とレセプター分子とを複合化させる。
ーをビオチン(又はその等価な誘導体)で標識し、そし
て増幅生成物を、西洋ワサビペルオキシダーゼのような
酵素とストレプトアビジンとの複合体を用いて検出する
方法がより好ましい。本発明の不均質検出系では、増幅
生成物を何らかの水不溶性担体表面に捕捉し、そして反
応混合物中の他の物質を適当な方法、例えば、濾過、遠
心分離、洗浄、その他の分離方法、によって除去する。
応や共有反応を含む)によって、水不溶性の担体に結合
させることができる。このような技法の一つが、欧州特
許出願公開第0 439 222号公報(1991年9
月18日発行)に記載されている。その他の方法が、例
えば、米国特許第4,713,326号(Dattag
uptaら)、同第4,914,210号(Leven
sonら)及び欧州特許第0 070 687号(19
83年1月26日発行)に記載されている。有用な分離
手段には、Pall社より市販されているポリアミド微
多孔質膜のような膜による濾過が含まれる。
ハイブリダイゼーション生成物を係留するためには、マ
イクロタイタープレート、試験管、ビーカー、磁性又は
高分子粒子、金属、セラミックス、ガラスウール、等を
はじめとする有用ないずれの固体担体でも使用すること
ができる。特に有用な材料は、捕捉プローブを共有結合
させるのに有用な反応性基を有する磁性粒子又は高分子
粒子である。このような粒子の大きさは一般に約0.0
01〜約10μmである。このような材料の例について
は、米国特許第4,997,772号(Sutton
ら)、同第5,147,777号(Suttonら)、
同第5,155,166号(Danielsonら)及
び同第4,795,698号(Owenら)の明細書に
詳細に記載されており、本明細書ではこれらを参照する
ことにより取り入れることとする。
ブレン、濾紙、又は樹脂被覆紙若しくは未被覆紙のよう
な平らな担体に結合させてもよい。ポリマー粒子に結合
させた捕捉プローブを、このような平らな担体上に適当
な方法、例えば乾燥付着法、加熱融合付着法又は接着法
で固定化することもできる。捕捉プローブは、例えば、
本発明の自蔵式試験装置において平らな担体に結合させ
ることができる。このような材料の詳細については、欧
州特許出願第0 408 738号(1991年1月2
3日発行)、国際特許出願第WO92/16659号
(1992年10月1日発行)及び米国特許第5,17
3,260号(Suttonら)明細書に記載されてい
る。捕捉プローブは、適当な担体表面で、丸い付着物が
列をなした形や縞模様など、いずれの形状で配置されて
もよい。
れている、捕捉試薬を使用せずに標的核酸を同時検出す
る手法にも適用することができる。このようなアッセイ
の詳細は、欧州特許出願0 487 218号(199
2年5月27日発行)及び同第0 512 334号
(1992年11月11日発行)に記載されているよう
に、当該技術分野では周知である。
セイに有用な試験キットの個別に包装される成分の一つ
として含まれることができる。このキットは、水不溶性
担体表面に固定化された捕捉試薬、洗浄液、抽出液、検
出試薬及びその他当業者であれば容易に想到できる材料
をはじめとする、本発明の方法に有用な他の試薬、溶
液、装置及び使用説明書を含むことができる。
ためのものであり、本発明を限定するものではない。特
に断らない限り、パーセントはすべて重量基準とした。
とした。最初の2種はプロウイルスHIV1 DNAの
gag領域に相補的であり、次の2種はヒトβ−グロブ
リン DNAに相補的である。 配列番号:1: 5′-X-ATAATCCACC TATCCCAGTA GGAGA
AAT-3′ 配列番号:2: 5′-X-TTTGGTCCTT GTCTTATGTC CAGAA
TGC-3′ 配列番号:3: 5′-X-CAACTTCATC CACGTTCACC- 3′ 配列番号:4: 5′-ACACAACTGT GTTCACTAGC- 3′
62,029号明細書(Levensonら)に記載された技法を用い
て、2つのアミノテトラエチレングリコール・スペーサ
ー基を介してオリゴヌクレオチドに付加された(DuP
ont社製のビオチンホスホラミダイト由来の)ビオチ
ニル部分を表す。実施例で用いた捕捉プローブは、以下
の配列を有するものとした。第一はプロウイルスHIV
1 DNA用であり、第二はヒトβ−グロブリン DN
A用である。 配列番号:5: 5′-ATCCTGGGAT TAAATAAAAT AGTAAGA
ATGTATAGCCCTA C-Y- 3′ 配列番号:6: 5′-CCTCAAACAG ACACCATGGT GCACCTG
ACTC-Y-3′
号明細書(Levensonら)の教示に従い単一のアミンジオ
ール結合基に結合された2個のテトラエチレングリコー
ルスペーサーを表す。
発物質と手順を採用し、Applied Biosys
tems Model 380B、3本カラム式DNA
合成機、標準ホスホラミダイト化学法及びABI1μモ
ルスケールの高速サイクルプロトコールによって調製し
た。ヌクレオシド−3’−ホスホラミダイト及びヌクレ
オシド誘導化制御細孔ガラス担体はApplied B
iosystemsから入手した。すべての精製は、核
酸用精製カラムと続いて逆相HPLC技法によって行っ
た。
ローブを、従来の乳化重合法を用いてポリ〔スチレン−
コ−3−(p−ビニルベンジルチオ)プロピオン酸〕
(重量比95:5、平均直径1μm)から調製したポリマー
粒子(平均直径1μm)に共有結合させた。粒子を水に
懸濁させた懸濁液を、2−(N−モルホリノ)エタンス
ルホン酸緩衝液( 0.1モル,pH6)で洗浄し、そして固
形分が約10%となるように懸濁させた。洗浄した粒子の
試料( 3.3mL)を希釈して、緩衝液中固形分が3.33%
( 0.1モル)となるようにし、それを1−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
(2.1mL, 84mg/mL, 水で調製)およびプローブ( 983μ
L, 44.44OD/mL,ナノ純水で調製)と混合させた。得ら
れた懸濁液を水浴中50℃で約2時間断続的に混合しなが
ら加熱し、そして遠心分離した。次いで、(エチレンジ
ニトリロ)四酢酸二ナトリウム塩(0.0001モル)を含む
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(0.01
モル,pH8)で粒子を3回洗浄し、そしてそれに再懸濁
して固形分4%となるようにした。
(Hinckleyら)に詳細に記載されているよう
に、緩衝液を用いて固形分0.25%にまで希釈した捕
捉試薬(1.2μl)を、SURECELL(商品名)
ディスポーザブル試験装置(Eastman Koda
k社製)のテストウェルにおいて微多孔質膜(LOPR
ODYNE(商品名)ポリアミド膜、平均孔径5μm、
Pall社製)の画定された領域に適用して乾燥させ
た。
号明細書(本明細書ではこれを参照することにより取り
入れることとする)に詳細に記載されている自動化され
たKodak PCR処理装置を用い、以下の実施例に
記載した加熱及び冷却プロトコールに従い実施した。
ticus )由来の組換えDNAポリメラーゼは、従来の方
法を用いて入手した。グリセロール、トリス(ヒドロキ
シメチル)アミノメタン緩衝液及びdNTPは、Sigma
Chemicalより入手した。
からコピー数の少ない標的プロウイルスHIV1 DN
Aを抽出した。細胞を溶解しタンパク質を消化した後、
そのDNAをフェノール/クロロホルム抽出法で精製し
た。すなわち、細胞懸濁液にトリス飽和フェノール(7
50μl)を加え、そしてフェノール/溶解物液を混合
して遠心分離法で分離した。次いで、その水相を新しい
2mlのチューブに移した。この手順をクロロホルムイ
ソアミルアルコールを用いて繰り返した。その水層を
0.3モル酢酸ナトリウムにした。95%の常温エタノ
ールを加えて−70℃で1時間保存することにより核酸
を析出させた。次いで、プロウイルスHIV1 DNA
の濃度をA260 において測定し、そして実験用として、
TE緩衝液〔トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
(1ミリモル)及び(エチレンジニトリロ)四酢酸
(0.1ミリモル)〕においてコピー数の異なる一連の
希釈液を調製した。
Aは、1細胞当たり2コピーのヒトβ−グロブリン遺伝
子を有すると考えられるヒト胎盤DNA(0.5mg/
ml)において得られた。ロイコ色素分散体は、アガロ
ース( 0.5%)、4,5−ビス(4−ジメチルアミノフ
ェニル)−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニ
ル)イミダゾール・ロイコ色素( 250マイクロモル)、
ジエチレントリアミン五酢酸( 100マイクロモル)、
4′−ヒドロキシアセトアニリド(5ミリモル)、ポリ
ビニルピロリドン( 112ミリモル)およびリン酸ナトリ
ウム,一塩基性,一水和物(10ミリモル)を含むものと
した。
レプトアビジンおよび西洋ワサビペルオキシダーゼの複
合体(Zymed Laboratories社)( 126μL/L )、カゼイ
ン(0.5%)およびメルチオレート( 0.5%)をリン酸
緩衝塩化ナトリウム水溶液(リン酸ナトリウム24ミリ
モル及び塩化ナトリウム75ミリモル)に含むものとし
た。複合体の最終濃度は312ng/mlとした。
ム( 373ミリモル)、(エチレンジニトリロ)四酢酸二
ナトリウム塩( 2.5ミリモル)、デシル硫酸ナトリウム
(38ミリモル)及びエチル水銀チオサリチル酸,ナトリ
ウム塩(25マイクロモル)を、リン酸ナトリウム,一塩
基性,一水和物緩衝液(25ミリモル,pH7.4 )に含むも
のとした。反応混合物には「TP4」モノクローナル抗
体を使用した。この抗体は、サーマス・アクアティカス
(Thermus aquaticus )由来のDNAポリメラーゼに特
異的なものであって、米国特許第5,338,671号
明細書(上記)に詳細に記載されている。
混合物(200μl)は、トリス(ヒドロキシメチル)
アミノメタン緩衝液(10ミリモル、pH8)、塩化カ
リウム(50ミリモル)、塩化マグネシウム(10ミリ
モル)、dATP、dCTP、dGTP及びdTTP
(各1.5モル)、プライマー(各々0.1又は0.4
μモル)、ゼラチン(0.01%)、上記DNAポリメ
ラーゼ(200μl当たり8単位)、「TP4」モノク
ローナル抗体(DNAポリメラーゼに対してモル比5
0:1)並びに体積排除剤として表示量のPEG−80
00を含むものとした。
は、配列番号1と配列番号2を有するプライマーのみを
使用し、各プライマーの量を0.2μモルとし、そして
DNAポリメラーゼの量を200μl当たり32単位と
したことを除いては、上記と同じものとした。PEG−
8000のポリ(エチレングリコール)はSigma
Chemical社から入手した。その分子量は約80
00ダルトンである。硫酸デキストランは5Prime
>3Prime社から入手した。
用したか、または従来の方法を用いてEastman Kodak 社
で調製した。実施例1〜4:体積排除剤を使用したプロウイルスHI
V1及びβ−グロブリンDNAの高ストリンジェンシー
同時増幅 これらの実施例は、ストリンジェンシーの高い条件下
で、コピー数の多い標的核酸であるヒトβ−グロブリン
DNAの存在下、コピー数の少ない標的核酸であるプ
ロウイルスHIV1 DNAを増幅し検出するための異
なる数種類の増幅プロトコールを使用する本発明を例示
するものである。
は、コピー数10のプロウイルスHIV1 DNAと、
コピー数約100万のヒトβ−グロブリン DNAと、
プライマー(4種類の各プライマーにつき0.1又は
0.4マイクロモル)とを含むものとした。対照用反応
混合物は、体積排除剤を含まなかったが、本発明の実施
で用いた混合物は10%のPEG−8000を含有し
た。対照A〜Dのアッセイは、それぞれ実施例1〜4の
PCRプロトコールに従うものとした。
回の一次増幅サイクルを含み、各サイクルは以下からな
るものとした。 1)95℃で15秒間(最初のサイクルのみ195秒
間)加熱して変性させる工程;及び 2)64℃で30秒間プライミング(アニーリング)し
て伸長させる工程。実施例2のプロトコールは、各サイ
クルにおけるプライミング及び伸長工程を60秒間実施
したことを除いて、実施例1と同様にした。
間)加熱して変性させる工程;及び B)64℃で30秒間プライミング(アニーリング)し
て伸長させる工程を含む20回の一次増幅サイクル、並
びに 2)各サイクルが、 A)95℃で15秒間加熱する工程;及び B)64℃で60秒間プライミング(アニーリング)し
て伸長させる工程を含む20回の二次増幅サイクルを含
むものとした。
間)加熱して変性させる工程;及び B)64℃で30秒間プライミング(アニーリング)し
て伸長させる工程を含む20回の一次増幅サイクル、並
びに 2)各サイクルが、 A)95℃で15秒間加熱する工程; B)75℃で30秒間再生する工程;及び C)64℃で30秒間プライミング(アニーリング)し
て伸長させる工程を含む20回の二次増幅サイクルを含
むものとした。
た。最終増幅反応混合物の一部(5μl)を、緩衝液
〔トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(10ミリ
モル、pH8)、塩化カリウム(50ミリモル)、塩化
マグネシウム(10ミリモル)及びゼラチン(0.01
%)〕(95μl)と混合し、95℃で5分間インキュ
ベートし、核酸を変性させた。次いで、得られた溶液を
SURECELL(商品名)試験装置(上記)に移し、
増幅された標的核酸を捕捉プローブに50℃でハイブリ
ダイズできるようにした。
洗浄液(250μl)を用いて55℃で洗浄した。室温
で、上記ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼ複合体
液(50μl)を各テストウェルに加えてその膜を透過
させた。2分後、テストウェルを2回洗浄した。
各テストウェルに加え、そしてその装置を室温で2分間
インキュベートした。アジ化ナトリウム(0.1%)の
溶液(100μl)を加えて発色を停止させた。アッセ
イで得られた色素信号を、色濃度スケール0〜10(最
高濃度)上で可視的に等級化した。PEG−8000を
含む場合と含まない場合とで、各種プライマー量につい
て得られたアッセイの結果を以下の表1に示す。明らか
に、DNAポリメラーゼの存在量が減少すると、体積排
除剤の存在によって増幅効率が増加している。この結果
は、実施例2及び実施例3において0.1μモルの各プ
ライマーを使用した場合に特に明白であるが、各PCR
プロトコールで信号増加が認められた。
比較 この実施例は、コピー数の少ない標的核酸のプロウイル
スHIV1 DNAを増幅して検出するPCRにおいて
体積排除剤として使用するPEG−8000と硫酸デキ
ストランとを比較するものである。同時増幅は実施しな
かったが、この実験は、PCRにおける体積排除剤とし
て硫酸デキストランが使用できないことを例示してい
る。同時増幅におけるPEGの使用については実施例1
〜4に説明した通りである。
は、コピー数12のプロウイルスHIV1 DNAと、
(バックグラウンドとして)コピー数約100万のヒト
胎盤DNAと、プライマー(各々0.2マイクロモル)
とを含むものとした。対照用反応混合物は、PEG−8
000も硫酸デキストランも含まなかったが、他の混合
物は1〜10%のPEG−8000又は硫酸デキストラ
ンを含有した。
イクルを含み、各サイクルは以下からなるものとした。 1)95℃で15秒間(最初のサイクルのみ195秒
間)加熱して変性させる工程;及び 2)64℃で30秒間プライミング(アニーリング)し
て伸長させる工程。
た。最終増幅反応混合物の一部(5μl)を、緩衝液
〔トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(10ミリ
モル、pH8)、塩化カリウム(50ミリモル)、塩化
マグネシウム(10ミリモル)及びゼラチン(0.01
%)〕(95μl)と混合し、95℃で5分間インキュ
ベートし、核酸を変性させた。次いで、得られた溶液を
SURECELL(商品名)試験装置(上記)に移し、
増幅された標的核酸を捕捉プローブに50℃でハイブリ
ダイズできるようにした。
洗浄液(250μl)を用いて55℃で洗浄した。室温
で、上記ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼ複合体
液(50μl)を各テストウェルに加えてその膜を透過
させた。2分後、テストウェルを2回洗浄した。
各テストウェルに加え、そしてその装置を室温で2分間
インキュベートした。アジ化ナトリウム(0.1%)の
溶液(100μl)を加えて発色を停止させた。アッセ
イで得られた色素信号を、色濃度スケール0〜10(最
高濃度)上で可視的に等級化した。PEG−8000又
は硫酸デキストランを含む場合と含まない場合とのアッ
セイの結果を以下の表2に示す。明らかに、PEG−8
000の存在によって増幅効率が増加したが、硫酸デキ
ストランの存在はPCRを完全に阻害した。
詳細に記載してきたが、変更および修正が本発明の精神
および範囲内で可能であることは理解されるであろう。
ー ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 起源:合成 直接の起源:合成 刊行物情報:米国特許第5,147,777号明細書 配列 ATAATCCACC TATCCCAGTA GGAGAAAT 28
ー ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 起源:合成 直接の起源:合成 刊行物情報:米国特許第5,147,777号明細書 配列 TTTGGTCCTT GTCTTATGTC CAGAATGC 28
Claims (20)
- 【請求項1】 少なくとも15回の一次増幅サイクルを
含む2種以上の標的核酸を同時増幅する方法であって、
前記一次増幅サイクルの各々が、 A)2種以上の標的核酸又はそれらのプライマー伸長生
成物の反応混合物を、前記標的核酸又はそれらのプライ
マー伸長生成物の鎖を変性するために第一温度T1 に加
熱する工程、 B)第二温度T2 まで冷却することによって、増幅すべ
き各標的核酸の対向鎖に特異的であり且つハイブリダイ
ズすることができる一組のプライマーで前記変性された
鎖をプライミングする工程、及び C)前記工程Bの延長としてか又は別の工程において、
第三温度T3 におけるインキュベーションによってPC
R試薬の反応混合物中でプライマー伸長生成物を形成さ
せる工程〔但し、前記プライミング工程とプライマー伸
長生成物形成工程とを同一工程で実施する場合にはT2
とT3 は同じである〕、を逐次工程として含み、そして
前記一次増幅サイクルの少なくとも一つにおける前記反
応混合物が、非イオン性で高分子量の体積排除剤を約4
重量%以上含む、核酸の同時増幅方法。 - 【請求項2】 前記体積排除剤がポリエーテル、糖とエ
ピクロロヒドリンとの反応生成物、多糖及びポリアクリ
レートから成る群より選択される、請求項1記載の方
法。 - 【請求項3】 前記体積排除剤が、下式: H−(O−R)n −H (上式中、Rは炭素原子数1〜6のアルキレン基であ
り、nは15〜1000の整数である)で示されるポリ
エーテルである、請求項2記載の方法。 - 【請求項4】 前記体積排除剤がポリ(エチレングリコ
ール)又はポリ(プロピレングリコール)である、請求
項3記載の方法。 - 【請求項5】 前記体積排除剤の平均分子量が約100
0〜約20,000ダルトンである、請求項1記載の方
法。 - 【請求項6】 前記体積排除剤が前記反応混合物中に約
4〜約12重量%の量で存在する、請求項1記載の方
法。 - 【請求項7】 前記標的核酸の少なくとも1種がコピー
数の少ない標的核酸であり、且つ前記標的核酸の少なく
とも1種が、前記コピー数の少ない標的核酸の約100
0倍以上の濃度で存在すると予測されているコピー数の
多い標的核酸である、請求項1記載の方法。 - 【請求項8】 増幅すべき標的核酸に対する各プライマ
ー組の各プライマーが約0.025μモル濃度以上、約
1μモル濃度未満の同じ濃度で存在している、請求項1
記載の方法。 - 【請求項9】 前記各プライマー組の各プライマーが約
0.05〜約0.2μモル濃度で存在している、請求項
8記載の方法。 - 【請求項10】 少なくとも5回の二次増幅サイクルを
さらに含む請求項7記載の方法であって、前記二次増幅
サイクルの各々が前記工程A〜Cを逐次反復する工程を
含むと共に、各二次増幅サイクルにおける工程Aと工程
Bとの間に、反応混合物を、 (TmH+5)℃≦T4 ≦TPH 〔式中、TmHはコピー数の多い標的核酸に対するプライ
マーの融解温度であり、TPHは前記コピー数の多い標的
核酸の二本鎖の融解温度である〕で規定される第四温度
T4 まで冷却して該温度で約15〜約120秒間維持す
る工程を含む、請求項7記載の方法。 - 【請求項11】 工程Bと工程Cがすべてのサイクルで
同じであり、そしてT2 とT3 とが約62〜約70℃の
同じ温度である、請求項1記載の方法。 - 【請求項12】 前記標的核酸の少なくとも1種に対し
て特異的なプライマーの一方又は両方がビオチン化され
ており、そして前記増幅された標的核酸の検出が、増幅
後に得られたビオチン化された鎖をこれに相補的な不溶
化オリゴヌクレオチドを用いて捕捉し、次いで検出可能
に標識されたストレプトアビジン複合体によって、前記
捕捉されたビオチン化された鎖を検出することによって
行われる、請求項1記載の方法。 - 【請求項13】 前記オリゴヌクレオチドが磁性粒子又
は高分子粒子に固定化されている、請求項12記載の方
法。 - 【請求項14】 各一次増幅サイクルを約30〜約12
0秒間実施する、請求項1記載の方法。 - 【請求項15】 少なくとも15回の一次増幅サイクル
を含む2種以上の標的核酸を同時増幅して前記標的核酸
の1種以上を検出する方法であって、前記一次増幅サイ
クルの各々が、 A)2種以上の標的核酸又はそれらのプライマー伸長生
成物の反応混合物を、前記標的核酸又はそれらのプライ
マー伸長生成物の鎖を変性するために第一温度T1 に加
熱する工程、 B)第二温度T2 まで冷却することによって、増幅すべ
き各標的核酸の対向鎖に特異的であり且つハイブリダイ
ズすることができる一組のプライマーで前記変性された
鎖をプライミングする工程、及び C)前記工程Bの延長としてか又は別の工程において、
第三温度T3 におけるインキュベーションによってPC
R試薬の反応混合物中でプライマー伸長生成物を形成さ
せる工程〔但し、前記プライミング工程とプライマー伸
長生成物形成工程とを同一工程で実施する場合にはT2
とT3 は同じである〕、を逐次工程として含み、その
際、前記一次増幅サイクルの少なくとも一つにおける前
記反応混合物が、非イオン性で高分子量の体積排除剤を
約4重量%以上含み、そして D)最後の一次増幅サイクル終了後、前記標的核酸の1
種以上を示すものとして前記プライマー伸長生成物の1
種以上を検出する工程、を含む、核酸の同時増幅/検出
方法。 - 【請求項16】 一組以上のプライマーと、耐熱性DN
Aポリメラーゼと、複数種のdNTPと、約4重量%以
上の非イオン性で高分子量の体積排除剤とを含み、pH
を約7.5〜約9に緩衝化された増幅反応用組成物。 - 【請求項17】 各プライマー組の各プライマーが約1
μモル濃度未満の同じ濃度で存在し、そして前記体積排
除剤が、ポリエーテル、糖とエピクロロヒドリンとの反
応生成物、多糖及びポリアクリレートから成る群より選
択され、約1000〜約20,000ダルトンの平均分
子量を有し、且つ前記反応混合物中に約4〜約12重量
%の量で存在する、請求項16記載の組成物。 - 【請求項18】 a)一組以上のプライマーと、耐熱性
DNAポリメラーゼと、複数種のdNTPと、約4重量
%以上の非イオン性で高分子量の体積排除剤とを含み、
pHを約7.5〜約9に緩衝化された増幅反応用組成
物、及び b)水不溶性担体に固定されたオリゴヌクレオチドを含
む捕捉試薬が個別に包装されて含まれている試験キッ
ト。 - 【請求項19】 各プライマー組の各プライマーが約1
μモル濃度未満の同じ濃度で存在し、 前記体積排除剤が、ポリエーテル、糖とエピクロロヒド
リンとの反応生成物、多糖及びポリアクリレートから成
る群より選択され、約1000〜約20,000ダルト
ンの平均分子量を有し、且つ前記反応混合物中に約4〜
約12重量%の量で存在し、そして前記捕捉試薬が磁性
粒子又は高分子粒子を含む、請求項18記載の試験キッ
ト。 - 【請求項20】 a)一組以上のプライマーと、耐熱性
DNAポリメラーゼと、複数種のdNTPと、約4重量
%以上の非イオン性で高分子量の体積排除剤とを含み、
pHを約7.5〜約9に緩衝化された増幅反応用組成
物、及び b)水不溶性担体に固定されたオリゴヌクレオチドを含
む捕捉試薬を別々の区分室に含む自蔵式試験装置であっ
て、 前記区分室は、前記試験装置内において、前記増幅反応
用組成物が増幅後に前記試験装置を開放することなく前
記捕捉試薬と接触されうるように連結されている自蔵式
試験装置。
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