JP3727692B2 - 溶解物から核酸を得る方法及び標的核酸を増幅するための試験キット - Google Patents

溶解物から核酸を得る方法及び標的核酸を増幅するための試験キット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、検出するための核酸を捕捉して選択的に解放させることにより試料を調製する方法に関する。より詳細には、本発明は、増幅などの後処理のための核酸を捕捉して解放させる方法に関する。本発明はまた、この方法において用いられる試験キットにも関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)やリガーゼ連鎖反応(LCR)のような高度に複雑化した増幅技法の開発をはじめとして、微量の核酸を検出する技術はこの二十年間で急速に進歩した。研究者たちは、ヒトや動物の被検体における疾患や遺伝的特徴を検出するこのような技法の価値を認識している。このような技法におけるプローブやプライマーの使用は、相補性という概念、すなわち相補的ヌクレオチド間の水素結合による核酸2本鎖の結合、に基づくものである。
当該技術分野におけるPCRの著しい進歩は、極わめて低濃度の標的核酸の検出を可能にしている。PCRの詳細については、例えば、米国特許出願第4,683,195号(Mullisら)、同第4,683,202号(Mullis)及び同第4,965,188号(Mullisら)明細書に記載されている。しかしながら、この分野における文献は急激に増加している。
【0003】
標的核酸を効果的に増幅して検出するためには、その核酸を細胞やその他の被検体残渣から単離しなければならないのが普通である。様々な溶解手法が知られており、凍結法、プロテアーゼ(例、プロテイナーゼK)などの消化酵素による処理法、煮沸法、各種洗剤を使用する方法(例えば、1988年4月6日出願のHiguchiの米国特許出願第178,202号明細書及び1991年5月22日発行の欧州特許出願公開第0 428 197号公報を参照のこと)、溶剤析出法並びに加熱プロトコールがある。
しかしながら、核酸を抽出すると、溶解物(lysate)中にインヒビター又は干渉因子(interferent) が存在するために、核酸と溶解物中の他の物質とを分離しなければならない場合がある。核酸と複合体を形成することが知られている物質の一つにポリエチレンイミンがある。ポリエチレンイミンは、Qベータレプリカーゼのような酵素を単離するための方法において汚染物である核酸を析出するために用いられている(DiFrancescoの米国特許出願第5,141,857号明細書を参照のこと)。例えば、米国特許出願第5,092,992号明細書(Craneら)に記載されているように、核酸を捕捉するためにポリエチレンイミンの誘導体を含有するアフィニティーカラムも用いられている。
【0004】
さらなる処理にとって有用な標的アナライトを得るためには、単にポリエチレンイミンを使用して核酸を析出させるだけでは不十分である。析出物をそのままの形態で使用することはできず、またその析出物から核酸を解放させることは困難である。その上、ポリエチレンイミンに結合されている核酸を常用の増幅技法で増幅することはできない。このため、標的核酸を後処理にかけるために選択的に捕捉して解放させることについて一連の問題があり、既知の手法ではこれらの問題を容易に解決することはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、増幅又はその他のハイブリダイゼーション法のために試料中の核酸を調製する効率的且つ簡便な手段が必要とされている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題は、下記工程A〜D:
A)核酸が含まれていると思われる溶解物と、前記溶解物中に存在する全ての核酸との水不溶性析出物を形成させるのに十分量のポリエチレンイミンとを接触させる工程;
B)前記水不溶性析出物と前記溶解物とを分離する工程;
C)前記分離された水不溶性析出物と強塩基とを接触させて前記核酸を前記ポリエチレンイミンから解放させる工程;及び
D)工程Cと同時に又は工程Cに続いて、前記核酸とアニオン性リン酸エステル系界面活性剤とを接触させて前記解放された核酸を溶液中に保つ工程を含む、溶解物から核酸を得る方法によって解決される。
【0007】
本発明はまた、上記工程A〜Dの他に、下記工程E:
E)前記解放された核酸を含有する溶液のpHを約6〜約9に調整する工程、を含む方法をも提供する。
【0008】
本発明は、標的核酸を増幅して検出するための方法であって、
1)下記工程A〜E:
A)核酸が含まれていると思われる溶解物と、標的核酸を含む前記溶解物中に存在する全ての核酸との水不溶性析出物を形成させるのに十分量のポリエチレンイミンとを接触させる工程;
B)前記水不溶性析出物と前記溶解物とを分離する工程;
C)前記分離された水不溶性析出物と強塩基とを接触させて前記核酸を前記ポリエチレンイミンから解放させる工程;
D)工程Cと同時に又は工程Cに続いて、前記核酸とアニオン性リン酸エステル系界面活性剤とを接触させて前記解放された核酸を溶液中に保つ工程;及び
E)前記解放された核酸を含有する溶液のpHを約6〜約9に調整する工程を使用して溶解物から標的核酸を得る段階と、
2)前記解放された核酸の中で前記標的核酸を増幅する段階と、
3)前記増幅された標的核酸を検出する段階とを含む、標的核酸を増幅して検出するための方法をも提供する。
【0009】
さらに、下記a〜c:
a)1種又は2種以上の増幅試薬を含む増幅反応混合物;
b)ポリエチレンイミン;及び
c)アニオン性リン酸エステル系界面活性剤
が個別に包装されて含まれている、標的核酸を増幅するための試験キットが提供される。
【0010】
本発明は、ハイブリダイゼーションアッセイ又は増幅法のようなさらなる処理に供される核酸を選択的に単離して提供するための迅速、簡便且つ効果的な方法を提供するものである。本発明は、ポリエチレンイミンの従来の使用法に関する上記問題を、捕捉された核酸をポリエチレンイミンから解放しそしてその核酸がポリエチレンイミンと再び複合体を形成しないように核酸を分散させたままにしておく方法を提供することによって解決した。本発明の試料調製法は簡易であり、また最小限の段階しか必要としない。この方法は、通常であれば15分以内(好ましくは10分以内)で実施することができる。本発明では、常用の方法で用いられる有機溶剤は使用せず、比較的安価な試薬が用いられる。
【0011】
ポリエチレンイミンは被検体中の核酸を捕捉する有用な機能を発揮するが、その核酸はポリエチレンイミンと複合体を形成したままでは利用することができない。このため、核酸とポリエチレンイミンの析出物に強塩基を接触させて核酸を解放させる。解放された核酸を溶液中に分散させておくため、pHを高くしながら特定の界面活性剤、すなわちアニオン性リン酸エステルをその核酸に接触させる。一般に、その後pHを低下させないと核酸を何らかの方法に利用することはできない。上記の界面活性剤は、pHを低くした場合にも核酸を溶液中に維持する。
【0012】
本発明は、植物、動物、ヒト又は環境から集められたいずれの種類の被検体試料中に存在する1種又は2種以上の標的核酸の抽出及び検出にも特に適している。こうして得られた核酸は、常用のハイブリダイゼーションアッセイ法に供することによってさらに検出することができる。ハイブリダイゼーションアッセイ法については当該技術分野ではよく知られている(例えば、ハイブリダイゼーション技術に関しては本明細書中に参照することにより取り入れる米国特許出願第4,994,373号明細書を参照のこと)。
【0013】
しかしながら、簡潔にするため、以下の説明では核酸を増幅手順、特にPCRに供する好ましい実施態様について行うものとする。しかしながら、本発明の範囲をそのように限定するつもりはない、というのは別の増幅技法(例えば、LCR)を利用することも可能だからである。
【0014】
ポリメラーゼ連鎖反応を利用した核酸の増幅及び検出についての一般的な原理及び条件はよく知られている。その詳細については米国特許出願第4,683,195号(Mullisら)、同第4,683,202号(Mullis)、同第4,965,188号(Mullisら)及び国際特許出願第91/12342号明細書をはじめとする数多くの文献に記載されている。上記の米国特許明細書は参照することによって本明細書に取り入れることとする。当該技術分野における教示や本明細書中に記載した具体的な教示を鑑みれば、当業者であれば、本発明の試料調製法とポリメラーゼ連鎖反応法とを組み合わせることによって本発明を実施することに何ら困難はないはずである。
【0015】
本発明を実施する上で採用することができる他の増幅手順には、例えば、欧州特許出願第0 320 308号(1987年12月発行)や同第0 439 182号(1990年1月発行)に記載されているリガーゼ連鎖反応が含まれる。
被検体には、細胞又はウイルス性の物質、毛髪、体液又はその他核酸を含有する物質が含まれる。標的核酸は、適当ないずれのヒト、動物、細胞培養物、微生物、ウイルス、植物又は環境ソースからでも抽出されることができる。
【0016】
検出可能な細菌には、血液中で見つけることができる細菌、サルモネラ(Salmonella) 種、ストレプトコッカス (Streptococcus)種、クラミジア (Chlamydia)種、ナイセリア (Neisseria)種、マイコバクテリウム (Mycobacterium)種 (例、結核菌やトリ型結核菌複合体) 、マイコプラズマ (Mycoplasma) 種 (例、肺炎マイコプラズマ) 、レジオネラ症 (Legionella pneumophila) 、ボレリア・ブルグドルフェレイ (Borrelia burgdorferei)、ニューモシスチス・カリニ (Pneumocystis carinii) 、クロストリジウム・ディフィシル (Clostridium difficile)、カンピロバクター (Campylobactor)種、エルシニア (Yersinia) 種、シゲラ (Shigella) 種及びリステリア・モノシトゲネス (Listeria monosytogenes) が含まれるが、これらに限定はされない。検出可能なウイルスには、単純ヘルペスウイルス、Epstein Barrウイルス、サイトメガロウイルス、ヒトパピローマウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルス、肝炎ウイルス並びにレトロウイルス(例、HTLV−I、HTLV−II、HIV1及びHIV2)が含まれるが、これらに限定はされない。原生動物寄生体や(酵母やカビを含む)菌類を検出することもできる。その他検出可能な種については当業者であれば容易に想到することができる。本発明は、各種の細菌又はウイルスに付随した核酸の存在を検出するのに特に有用である。
【0017】
好ましい実施態様では、本発明は、HIV1、HIV2、プロウイルスHIV1、プロウイルスHIV2、サイトメガロウイルス、ヒトパピローマウイルス、マイコバクテリウム (Mycobacterium)種、肝炎ウイルス又はヒト遺伝疾患に付随した標的核酸を単離、増幅及び検出するのに有用である。
【0018】
ポリエチレンイミンと接触させる前に、被検体から核酸を適当な何らかの方法で抽出してもよい。当該技術分野では、Laure らのThe Lancet, pp. 538-540 (1988 年 9月 3日) 、ManiatisらのMolecular Cloning: A Laboratory Mannual, pp. 280-281 (1982) 、Gross-Belland らのEur. J. Biochem., 36, 32 (1972) 及び米国特許出願第4,965,188号明細書(上記)に記載されているものをはじめとする各種溶解手法が知られている。全血又はその成分からDNAを抽出する方法については、例えば、欧州特許出願第0 393 744号(1990年10月24日発行)及び米国特許出願第5,231,015号明細書(Cumminsら) に記載されており、本明細書では Cumminsらの特許明細書を参照することによって取り入れることとする。
【0019】
本発明の実施にとって溶解手法の種類は問題ではないが、好ましい溶解手法として適当な非イオン界面活性剤の存在下で被検体を加熱する方法が挙げられ、そのいくつかについては当該技術分野ではよく知られている。代表的な溶解手法を以下の実施例5に記載する。
【0020】
次いで、溶解物にポリエチレンイミンを混合してその最終重量%を0.005以上にする。ポリエチレンイミンはいくつかの市販品を使用することができる。この量は、溶解物中に存在する全ての核酸と水不溶性析出物を形成させ、よってそれらの核酸を溶解物から析出させるのに通常は十分な量である。もちろん、当業者であれば、核酸の全量を収容するためのポリエチレンイミンの量を調節する方法については周知である。ポリエチレンイミンの最終溶液濃度は約0.01〜約1重量%とすることが好ましい。混合は最長で30分までの適当な任意の時間で、また適当な任意の温度(一般には15〜30℃)で行うことができる。
【0021】
所望であれば、強塩基との混合前に、析出物を溶解物から除去することで、インヒビター若しくは干渉因子を、又は細胞残渣を除去するか、或いは核酸を濃縮することができる。例えば、析出物を含有する溶解物を遠心分離にかけてその上澄液を廃棄することができる。
【0022】
捕捉された核酸は、水不溶性析出物に強塩基を接触させることによってその析出物から解放(又は脱複合体化)される。強塩基とは、溶液のpHを10以上(好ましくは11以上)に上昇させることができる塩基を意味する。このような塩基には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム及びその他当業者であれば容易に想到する有機又は無機の塩基が含まれるが、これらに限定はされない。強塩基の使用量は、塩基の強さ及び溶液の体積に応じて、当業者であれば容易に想到することができる。本発明の実施には水酸化ナトリウムが好ましい。
【0023】
強塩基との混合は、当業者であれば容易に想到することができる適当な何らかの混合手段を、適当な時間(一般には1分以上)、適当な温度(一般には約15〜約35℃)で使用して実施することができる。得られた混合物のpHは、一般に11以上である。
【0024】
特殊な化合物の1種以上の界面活性剤を用いて核酸を溶液中に保つ。この界面活性剤は、上記の強塩基の添加と同時に析出物と混合してもよいが、好ましくは強塩基が核酸を解放させる時間が経過した後に界面活性剤を添加する。
有用な界面活性剤は、水溶性のアニオン性非芳香族リン酸エステルである。このような物質は、ZONYL(商標)FSP(DuPont社)やEMPHOS(商標)(Witco社)をはじめとするいくつかの市販品から得ることができる。ZONYL(商標)FSPアニオン界面活性剤及びEMPHOS(商標)PS413アニオン界面活性剤が代表的であるが、中でも前者の界面活性剤が好ましい。
【0025】
より具体的には、非芳香族フッ素化リン酸エステル又は非芳香族非フッ素化オキシアルキル化アルキルリン酸エステル(モノエスエル及びジエステルを含む)並びに等価塩が有用な界面活性剤である。
【0026】
一般に、非芳香族フッ素化リン酸エステルは、少なくとも一つのペルフルオロ脂肪族基(すなわち、Cn 2n+1基)を有し、また、ZONYL(商標)FSPアニオン界面活性剤のように、その分子における脂肪族基の大部分が過フッ素化されていることが好ましい。こうした化合物の一部を示すより一般的な構造式は〔(Rf a n Z〕m + (3m-mn) である。ここで、Rf は最大で10個までの炭素原子を有するフルオロ脂肪族基であり、Qは鎖中に最大で10個までの炭素及び異種原子を含む多価結合基、例えば、アルキレン基、スルホンアミドアルキレン基、カルボンアミドアルキレン基及び等価な炭化水素基であり、Zはホスフェートであり、M+ はアルカリ金属(例、ナトリウム若しくはカリウム)又はアンモニウムカチオンであり、mは1又は2、nは1又は2、そしてaは0又は1である。Mは、当業者であれば容易に想到できる別の一価カチオンであってもよい。
【0027】
このエステルはアルカリ金属塩、アンモニウム塩又はアルキルアンモニウム塩の形態で使用することができる。
本発明において有用な好ましいアニオン性フッ素化リン酸エステルは、構造式:[F(CF2-CF2)3-8CH2CH2]1,2-OP(O)(OM)2,1 (式中、Mは先に定義したカチオンである)で示されるZonyl(商標)FSPアニオン界面活性剤である。
【0028】
この時点で用いられるアニオン性過フッ素リン酸エステルの最終溶液濃度は一般に約0.05重量%以上であるが、中でも約0.1〜約1.5重量%であることが好ましい。この量は、界面活性剤の種類によって、また得られた溶液中に存在するポリエチレンイミンや核酸の量によって変わる場合がある。界面活性剤の中には他の界面活性剤が有効ではない濃度で最適に機能するものもある。この界面活性剤は、核酸がポリエチレンイミンと再複合体化しないようにし、よって核酸を低いpHでのさらなる処理に利用できる状態に保つ。このようにして解放され可溶化される核酸の量は、もちろん、核酸やポリエチレンイミンの存在濃度、界面活性剤の使用量及び混合の時間や温度に依存する。標的核酸が非常に少ない量で存在すると考えられる場合、当業者であれば試薬の量及び混合といった各種条件を選択する上でこの因子を考慮することができる。
【0029】
解放された核酸と界面活性剤との混合は、当業者であれば容易に想到できる適当な時間(一般には1分以上)、適当な温度(一般には約15〜約35℃)で実施することができる。
【0030】
得られる解放された核酸を含有する溶液のpHは高いので、一般にはそのpHをさらなる処理、例えば効率的な増幅又はハイブリダイゼーションアッセイのために調整する。pHの調整は、典型的には、適量の適当な緩衝剤、例えばトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩やその他当業者であれば容易に想到できるものを上記溶液と混合することによって行われる。最終混合物のpHは、一般に約6〜約9の範囲にある。
この工程はすぐに実施してもよいし、また解放された核酸を高いpHで保存した後の遅れた時点で実施することもできる。
【0031】
記載してきた本発明の核酸を捕捉して解放する方法は約15分以内、好ましくは約10分以内で実施されることが典型的である。
(特に断らない限り)本明細書中で量及び時間を規定する際に用いられている用語「約」は、記載の値には±10%の変動が含まれることを意味する。pHを規定する際の「約」は、±0.5pH単位を意味する。
【0032】
さらに本発明は、上記の方法によって捕捉し解放された1種以上の標的核酸中に存在する1種以上の特異的核酸配列の増幅又は検出にも関する。その上、複数種の標的核酸を、対応するプライマー組と各特異的核酸に対する検出手段とを使用することによって同時に増幅して検出することができる。また、同一の核酸に含まれる複数の配列を増幅し検出することも可能である。
【0033】
「PCR試薬」とは、PCRに必須であると考えられるすべての試薬、すなわち、それぞれの標的核酸に対する一組のプライマー、DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼコファクター及び2種以上のデオキシリボヌクレオシド−5’−三リン酸(dNTP)を意味する。
本明細書中でプライマー又はプローブをさす際の用語「オリゴヌクレオチド」は、4個以上の、好ましくは10個を越えるデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドを含む分子を意味する。その正確な大きさは重要ではないが、そのオリゴヌクレオチドの最終的な用途又は作用をはじめとする多くの因子に依存する。このオリゴヌクレオチドは、当該技術分野で周知のいずれの方法でも誘導化することができる。
【0034】
用語「プライマー」とは、核酸鎖(すなわち、鋳型)に相補的なプライマー伸長生成物の合成が誘発される条件下に置かれた場合に合成の開始点として作用することができる天然又は合成のオリゴヌクレオチドを意味する。このような条件は、ヌクレオチド(例、標準的な4種のデオキシリボヌクレオシド−5’−三リン酸)、DNAポリメラーゼ及びDNAポリメラーゼコファクターの存在、並びに好適な温度及びpHを含むものである。通常、このような条件は非特異的増幅が最小限に抑えられるような「ストリンジェンシーの高い」条件として当該技術分野で知られている条件とする。プライマーは、DNAポリメラーゼの存在下で伸長生成物の合成を開始させるのに十分な長さを有する必要がある。各プライマーの正確な大きさは、考えられている用途、標的配列の複雑さ、反応温度及びプライマーの出所に依存して変化する。一般に、本発明で用いられるプライマーは10〜60個のヌクレオチドを有する。
【0035】
本発明において有用なプライマーは、いくつかの出所から入手するか、或いは、例えば、ABI DNA合成機(Applied Biosystems社から市販されている)又はBiosearch 8600シリーズ若しくは8800シリーズの合成機(Milligen−Biosearch社から市販されている)をはじめとする周知の技法及び装置、並びにそれらの使用法(例、米国特許出願第4,965,188号明細書に記載されている)によって調製することができる。生物学的ソースから単離された天然のプライマー(例、制限エンドヌクレアーゼ消化物)も有用である。本明細書中の用語「プライマー」は、プライマー混合物をも意味する。こうして、ある特定の標的核酸に対する各プライマー組は、対向する標的核酸鎖の各々に対して2種以上のプライマーを含む場合もある。
【0036】
増幅された生成物を検出又は捕捉するために、プライマーの一方又は両方を同じ又は異なる標識で標識化することができる。当該技術分野では標識を結合させてプライマーを調製する手順については周知であり、例えば、ビオチン標識に関するAgrawalらのNucleic Acid Res.,14,pp.6227−45(1986)、米国特許出願第4,914,210号明細書(Levensonら)、酵素標識に関する米国特許出願第4,962,029号明細書(Levensonら)、及びその中に記載されている文献、に記載されている。また、有用な標識には、放射性同位元素、電子高密度試薬、色素原、蛍光原、リン光部位、フェリチン及びその他の磁性粒子(Owenらの米国特許出願第4,795,698号及びPoyntonらの米国特許第4,920,061号明細書を参照のこと)、並びにその他特異的結合種(アビジン、ストレプトアビジン、ビオチン、糖類又はレクチン)が含まれる。好ましい標識は酵素、放射性同位元素及び(ビオチンのような)特異的結合種である。有用な酵素にはグルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、ウリカーゼ(uricase) 、アルカリ性ホスファターゼ及びその他当該技術分野で周知の酵素が含まれる。これらの酵素は周知の手順によってオリゴヌクレオチドに結合させることができる。これらの酵素と共に比色信号又は化学発光信号を提供する試薬がよく知られている。
【0037】
標識がペルオキシダーゼのような酵素である場合には、アッセイのある時点において、検出可能な色素を提供するために過酸化水素と適当な色素形成性組成物を添加する。例えば、有用な色素提供試薬には、テトラメチルベンジジン及びその誘導体、並びに(Bruschiの米国特許出願第4,089,747号明細書に記載されている)水不溶性トリアリールイミダゾール系ロイコ色素のようなロイコ色素、又はその他ペルオキシダーゼと過酸化水素との存在下で反応して色素を提供する化合物が含まれる。特に有用な色素提供性化合物が欧州特許出願第0 308 236号(1989年3月22日発行)に記載されている。適当な試薬を用いることで、ペルオキシダーゼ標識に応答する化学光信号を発生させることもできる。
【0038】
プライマーの一方又は両方がビオチン化されている場合には、検出できるように標識化したアビジン又はその等価物(例、ストレプトアビジン)を用いて、増幅された核酸を検出することができる。例えば、アビジンを酵素と複合体化することや、周知の技法で放射性同位元素をアビジンに導入することができる。増幅生成物に結合されているビオチンはアビジンと複合体を形成し、そして放射性同位元素、比色信号又は化学光信号を検出するための適当な検出技法を使用する。
【0039】
本明細書中の用語「捕捉プローブ」は、標的核酸の1本以上の鎖の核酸配列に実質的に相補的であるオリゴヌクレオチドであって、増幅後の核酸を不溶化するために用いられるものである。一般に、プローブのオリゴヌクレオチドは適当な水不溶性担体、例えば、ポリマービーズやガラスビーズ、マイクロタイタープレートウェル、ポリマー若しくはセルロース系の薄膜又はその他当業者であれば容易に想到できる材料、に結合される。このオリゴヌクレオチドの長さは、一般にヌクレオチド約12〜約40個分であるが、この長さは特に問題ではない。
【0040】
DNAポリメラーゼは、プライマーと鋳型の複合体においてプライマーの3’−ヒドロキシ末端にデオキシヌクレオシド一リン酸分子を付加する酵素であるが、この付加は鋳型依存型(すなわち、鋳型内のヌクレオチド種に依存する)である。当該技術分野では有用なDNAポリメラーゼが数多く知られている。このポリメラーゼは「耐熱性」、つまり熱に対して安定であること、とりわけDNA鎖を変性するために適用される高温に対して安定であることが好ましい。より具体的には、この耐熱性DNAポリメラーゼは、本明細書中に記載するPCRにおいて適用される高温によって実質的に不活性化されることはない。
【0041】
当該技術分野では、参照することにより本明細書に取り入れることとする米国特許出願第4,965,188号(上記)及び同第4,889,818号(Gelfandら)明細書に詳細に記載されているものをはじめとし、いくつかの耐熱性DNAポリメラーゼが報告されている。特に有用なポリメラーゼは、サーマス・アクアティカス (Thermus aquaticus)、サーマス・サーモフィリス (Thermus thermophilis) 、サーマス・フィリフォルミス (Thermus filiformis) 又はサーマス・フラバス (Thermus flavus) のような各種耐熱細菌種から得られるものである。その他の有用な耐熱性ポリメラーゼは、サーモコッカス・リテラリス (Thermococcus literalis) 、ピロコッカス・フリオサス (Pyrococcus furiosus)、サーモトガ種(Thermotoga sp.)及び国際特許出願第89/06691号(1989年7月27日発行)明細書に記載されているものをはじめとする他の様々な微生物源から入手される。有用なポリメラーゼの中には市販品もある。このパラグラフで引用した技術分野で記載されているように、生物体から天然のポリメラーゼを単離する技法や、組換え技法によって遺伝子組換酵素を製造する技法がいくつか知られている。
【0042】
DNAポリメラーゼコファクターは、酵素活性に影響を与える非タンパク質化合物を意味する。このような物質のいくつかは、マンガン塩やマグネシウム塩をはじめとする既知のコファクターである。有用なコファクターには、マンガン及びマグネシウムの塩化物、硫酸塩、酢酸塩並びに脂肪酸塩(例、酪酸塩、カプロン酸塩、カプリル酸塩、カプリン酸塩及びラウリン酸塩)が含まれるが、これらに限定はされない。より小さな塩、すなわち塩化物、硫酸塩及び酢酸塩が好ましい。
【0043】
PCRには、2種以上のデオキシリボヌクレオシド−5’−三リン酸、例えば、dATP、dCTP、dGTP、dUTP又はdTTPも必要である。通常のPCRではdATP、dCTP、dGTP及びdTTPをすべて使用する。また、dITPや7−デアザ−dGTPも有用である。
【0044】
本発明の実施では、約50℃よりも低い温度ではDNAポリメラーゼの酵素活性を阻害するがより高温では不活性化される、DNAポリメラーゼに特異的な抗体も有用である。こうした特性を有する代表的なモノクローナル抗体が米国特許出願第5,338,671号明細書(Scaliceら)に記載されており、本明細書ではこれを参照することにより取り入れることとする。同等の特性を有するものであれば、抗体分子全体の代わりに抗体フラグメントを使用することもできる。
【0045】
PCRにおいて本明細書に記載したPCR試薬を適当な濃度で提供し使用することで標的核酸を増幅する。DNAポリメラーゼの最少量は一般に溶液100μlにつき約1単位以上であるが、好ましくは約4〜約25単位/100μlとする。ここで「単位」とは、74℃において伸長する核酸中に30分間で10ナノモルの全ヌクレオチド(dNTP)を導入するのに必要な酵素活性量として定義される。各プライマーの濃度は約0.075μモル以上であるが、約0.2〜約1μモルとすることが好ましい。ほとんどの場合、どのプライマーもほぼ同じ量で存在する(変動は各々10%以内)。しかしながら、場合によっては個々のプライマーの量を変更することで複数の標的を最も効率よく同時増幅させることができる。一般に、反応混合物中には、コファクターは約1〜約15ミリモルの量で存在し、また各dNTPは約0.1〜約3.5ミリモルで存在する。このパラグラフ中の用語「約」は、示した値には±10%の変動が含まれることを意味する。
【0046】
PCR試薬は、個別に供給するか、或いは適当な何らかの緩衝液を用いてpHを約7〜約9にした緩衝化溶液として供給することができる。
増幅し検出すべき標的核酸は二本鎖であることが普通であるため、この二本鎖を分離(すなわち、変性)しなければプライミングは起こらない。この分離は抽出工程中に起こりうるが、後の別工程において行う方が好ましい。適当な温度(本明細書中では「第一温度」又はT1 とする)へ加熱する方法が、変性の好ましい方法である。一般に、この第一温度は約85〜約100℃の範囲にあり、好適な時間は、例えば1〜約240秒(好ましくは1〜約40秒)である。この最初の変性工程は、第一の増幅サイクルに含めることもできる。このような場合には、第一サイクルにおける変性はより長く(例、最長で240秒)する一方、以降のサイクルにおける変性ははるかに短く(例、最長で30秒)することがある。
【0047】
次いで、その反応混合物を、一般に約55〜約75℃の範囲内の第二温度(T2 )まで冷却することによって、変性鎖に適当なプライマーをプライムさせる。冷却はできるだけ迅速に行うことが望まれるが、現在知られている装置では、一般に約5〜約40秒、より好ましくは約5〜約20秒の時間がかかる。
【0048】
変性鎖を冷却したら、PCR試薬を含有する反応混合物を第三温度(T3 )で一般に1〜約120秒、好ましくは1〜約80秒の間インキュベートし、プライマー伸長生成物を形成させる。一般に、第三温度は約55〜約75℃の範囲にある。第三温度は約62〜約70℃の範囲にあることが好ましい。
最も好ましい実施態様では、第二温度と第三温度を同じにし、約62〜約70℃の範囲内にする。こうして、プライミングとプライマー伸長を同じ工程で実施することが好ましい。
【0049】
このように、増幅サイクルは、上記の変性工程、プライミング(又はアニーリング)工程及びプライマー伸長工程を含む。一般に、本発明を実施する際にはこのような増幅サイクルを少なくとも15回行うが、サイクルの上限回数は特定のユーザーが決める問題である。ほとんどの場合、本発明の方法では15〜50回の増幅サイクルが行われ、中でも15〜40回が好ましい。各増幅サイクルは一般に約20〜約360秒間であるが、約30〜約120秒間が好ましく、さらに約30〜約90秒間がより好ましい。しかしながら、所望であれば上記サイクル時間よりも短時間又は長時間を採用することもできる。
【0050】
増幅法における特定の工程の時間に対して用いられる「約」は、その時間限界値に±10%の幅があることを意味する。さらに、温度に対して用いられる「約」は±5℃の幅があることを意味する。
【0051】
本発明の増幅法を、自動化された連続法で実施することにより、反応混合物に所望の回数の温度サイクルをかけることが好ましい。当業者であれば周知であるように、こうした目的の装置がいくつか開発されている。また、用いる装置は、所望のいかなるタイプの増幅サイクルに対してもプログラム可能であることが好ましい。
【0052】
この目的に対する装置の一種が米国特許出願第4,965,188号明細書及び欧州特許出願第0 236 069号明細書に詳しく記載されている。一般に、この装置には、反応混合物を含有するいくつかの反応管を保持するための熱伝導性容器と、加熱、冷却及び温度維持のための手段と、増幅序列、温度変化及びタイミングを制御するための信号を発生する計算手段とが含まれる。
【0053】
欧州特許出願第0 402 994号明細書は、米国特許出願第5,089,233号明細書(Devaney,Jr.ら)に記載の装置を用いて処理することができる有用な化学試験パックについて詳述している。本明細書ではこれらの明細書を参照することにより取り入れることとする。それらの中にはまた、本発明の方法に適した反復されたインターバルで(すなわち、サイクルによって)試験パックを加熱、冷却するための手段についても記載されている。有用なPCR処理装置に関するさらなる詳細は、当該技術分野における相当数の文献から得ることができ、当業者であれば容易に知ることができる。
【0054】
上記の化学試験パックの他、本発明の方法は、米国特許出願第4,902,624号明細書(Columbusら)、同第5,173,260号明細書(Zanderら)及び同第5,229,297号明細書(Schnipelskyら)に詳細に記載されているような別の容器で実施することもできる。本明細書ではこれら明細書を参照することにより取り入れることとする。また、当業者であれば容易に想到できる他の適当ないずれの容器でも本発明の方法を実施することができる。このような試験パックはまた、本発明の方法で用いられる各種試薬のために区分された区分室を有する自蔵式(self-contained)試験装置としても知られている。これらの区分室は、装置を開放しなくても適当な時間に試薬及びアッセイ溶液を捕捉試薬と接触させることができるように適当に連絡されている。
【0055】
増幅生成物の検出は、米国特許出願第4,965,188号明細書(上記)に記載されているサザンブロッティング法をはじめとする既知のいずれかの方法によって、或いは当該技術分野で知られている標識プローブ又はプライマーを利用することによって、行うことができる。
上記の態様の別法として、プライマー伸長生成物の一方に相補的である標識オリゴヌクレオチドを用いて増幅生成物を検出することもできる。
【0056】
本発明の不均一検出システムでは、増幅生成物をある種の水不溶性担体表面に捕捉し、反応混合物中のその他の物質は適当な方法、例えば濾過法、遠心分離法、洗浄法又は他の分離技法によって除去される。
既知の結合技法(吸収反応や共有反応を含む)を採用して水不溶性担体に捕捉プローブを結合させることができる。このような技法の一つが欧州特許出願0 439 222号明細書(1991年9月18日発行)に記載されている。その他の技法が、例えば、米国特許出願第4,713,326号(Dattaguptaら)、同第4,914,210号(Levensonら)及び欧州特許第0070 687号(1983年1月26日発行)明細書に記載されている。有用な分離手段として、Pall社より市販されているポリアミド微孔質メンブレンのような膜による濾過手段が含まれる。
【0057】
しかしながら、捕捉プローブや最終的にはハイブリダイゼーション生成物を係留するためには、マイクロタイタープレート、試験管、ビーカー、磁性粒子やポリマー粒子、金属、セラミックス、ガラスウール、等をはじめとする有用ないずれの固体支持体でも使用することができる。特に有用な材料は、捕捉プローブを共有結合させるのに有用な反応性基を有するポリマー粒子又は磁性粒子である。このような粒子は一般に約0.001〜約10μmである。このような材料の例についてのさらなる詳細は、米国特許出願第4,997,772号(Suttonら)、同第5,147,777号(Suttonら)、同第5,155,166号(Danielsonら)及び同第4,795,698号(Owenら)明細書に記載されており、本明細書ではこれらを参照することにより取り入れることとする。
【0058】
捕捉プローブは、ポリマーフィルム、メンブレン、濾紙、又は樹脂被覆紙若しくは未被覆紙のような平らな担体に結合させてもよい。ポリマー粒子に結合させた捕捉プローブを、このような平らな担体上に適当な方法、例えば乾燥付着法、加熱融合付着法又は接着法で固定化することもできる。捕捉プローブは、例えば、本発明の自蔵式試験装置において平らな担体に結合させることができる。このような材料の詳細については、欧州特許出願第0 408 738号(1991年1月23日発行)、国際特許出願第WO92/16659号(1992年10月1日発行)及び米国特許出願第5,173,260号(Suttonら)明細書に記載されている。
捕捉プローブは、適当な担体表面で、丸い付着物が列をなした形や縞模様など、いずれの形状で配置されてもよい。
【0059】
本発明はまた、「均一」増幅法としてしられている、捕捉試薬を使用せずに標的核酸を検出する手法にも適用することができる。このようなアッセイの詳細は、欧州特許出願0 487 218号(1992年5月27日発行)及び同第0512 334号(1992年11月11日発行)に記載されているように、当該技術分野では周知である。
【0060】
この増幅反応組成物は、各種増幅アッセイに有用な試験キットの個別に包装される成分の一つとして含まれることができる。このキットは、水不溶性担体表面に固定化された捕捉試薬、洗浄液、溶解液、検出試薬及びその他当業者であれば容易に想到できる材料をはじめとする、本発明の方法に有用な他の試薬、溶液、装置及び使用説明書を含むことができる。さらに、この試験キットは、上記の別々に包装されたポリエチレンイミン、1種以上のアニオン性リン酸エステル系界面活性剤、緩衝剤、強塩基並びにその他増幅及び被検体試料調製の一方又は両方に必要な試薬を含むことができる。この試験キットは、1種以上の他のキット部材を含有する試験装置を含むこともできる。この試験装置は、当該技術分野で認識されている「自蔵式」であることが好ましい。ハイブリダイゼーションアッセイに有用な、例えば標的核酸の検出捕捉プローブを含有する、別の試験キットを組み立てることもできる。
【0061】
【実施例】
以下の実施例は、本発明の実施を例示するためのものであって、本発明を限定するものではまったくない。特に断らない限り、パーセントは重量を基準としたものである。
実施例のための材料と方法
サーマス・アクアティカス (Thermus aquaticus)の組換えDNAポリメラーゼを常用の方法で調製した。
【0062】
BIOSEARCH(商標)8700型DNA合成機と標準的なホスホルアミダイト化学法による既知の出発材料と手順によって、ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)DNAの主カプシドタンパク質領域に相補的である以下の配列を有するプライマー及びプローブを調製した。
配列番号:1: 5′-X-CATTCCCACT GACTTTCTGA CGCACGT- 3′
配列番号:2: 5′-X-TGAGG TCGTG GAACT TGATG GCGT-3′
配列番号:3: 5′-GGTCATCGCC GTAGTAGATG CGTAAGGCCT-Y-3′
【0063】
プライマー用の最初の二つの配列において、Xは、本明細書中に参照することにより取り入れる米国特許出願第4,914,210号明細書(Levensonら)の教示によって二つのテトラエチレングリコールスペーサー単位を介して上記配列に結合されたビオチン部分を表す。精製はすべて核酸精製カラムに続いて逆相HPLCを用いて実施した。
3番目の配列は捕捉プローブとして使用した。ここでYは、上記Levensonらの特許明細書に記載の手順によって調製された3−アミノ−1,2−プロパンジオール部分とリン酸エステル結合によって結合された二つのテトラエチレングリコールスペーサーを含有する。
【0064】
デオキシリボヌクレオチド(dNTP)と子ウシ胸腺DNAはSigma Chemical社から入手した。
上記DNAポリメラーゼに特異的なモノクローナル抗体は米国特許出願第5,338,671号明細書(上記)の記載に従い調製した。一般に、Milsteinら、Nature 256,pp.495−497,1975に記載されているような常用の手法でDNAポリメラーゼで免疫化したマウスの免疫細胞とハイブリドーマ細胞系統(ATCC由来のHB11126又は11127)とからモノクローナル抗体を調製し、よってホスト動物の抗体分泌細胞をリンパ様組織(例、脾臓)から単離し、そしてポリエチレングリコール存在下でSP2/0−Ag14ネズミミエローマ細胞と融合し、選択培地中で希釈し、そしてマルチウェルの組織培養皿に植え付けた。約7〜14日後、抗体を含有するハイブリドーマ細胞が得られ、これを常用の技法で精製した。
【0065】
ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼ複合体溶液は、市販のストレプトアビジンと西洋ワサビペルオキシダーゼとの複合体(Zymed Laboratories社)(126μL/L)、4'−ヒドロキシアセトアニリド(10ミリモル)、カゼイン(0.5%) 及びメルチオレート(0.5%) を含むものとした。
【0066】
洗浄液(pH 7.4)は、リン酸ナトリウム、一塩基性一水和物(25 ミリモル)、塩化ナトリウム(373ミリモル)、(エチレンジニトリロ)四酢酸二ナトリウム塩(2.5ミリモル)、エチル水銀チオサリチル酸、ナトリウム塩 (25マイクロモル)及びデシル硫酸ナトリウム(38ミリモル)を含むものとした。
【0067】
色素提供性組成物(pH 6.8)は、4,5−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)イミダゾール系ロイコ色素(250マイクロモル)、ポリビニルピロリドン(112ミリモル)、過酸化水素(0.03 %) 、 ジエチレントリアミン五酢酸(100マイクロモル)、3’−クロロ−4′−ヒドロキシアセトアニリド(5ミリモル)及びリン酸ナトリウム、一塩基性一水和物(10ミリモル)を含むものとした。
【0068】
色素信号停止水溶液は0.1%アジ化ナトリウムを含有するものとした。
捕捉プローブ試薬は、以下の方法で、上記配列番号:3のオリゴヌクレオチドをポリ〔スチレン−コ−3−(p−ビニルベンジルチオ)プロピオン酸〕(重量比95:5、平均直径1μm)の粒子に結合させて調製した。粒子を水に懸濁させた懸濁液を、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸緩衝液(0.1モル,pH6)で2回洗浄し、そして固形分が約10%となるように懸濁させた。洗浄した粒子の試料(3.3mL)を希釈して、緩衝液中固形分が3.33%(0.1モル)となるようにし、それを1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(2.1mL, 84mg/mL, 水で調製)及び適当なプローブ(22μL、44.44 OD/mL 、ナノ純水で調製)と混合させた。得られた懸濁液を水浴中50℃で約2時間断続的に混合しながら加熱し、そして遠心分離した。次いで、(エチレンジニトリロ)四酢酸二ナトリウム塩(0.001 モル)を含むトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(0.01モル,pH8)で粒子を3回洗浄し、そしてそれに再懸濁して固形分4%となるようにした。
【0069】
PCR反応混合物は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩緩衝剤(10ミリモル)、塩化カリウム(50ミリモル)、塩化マグネシウム(10ミリモル)、ゼラチン(100μg/ml)、dATP、dCTP、dGTP及びdTTP(各1ミリモル)、グリセロール(9.5%)、プライマー(各0.4μモル)、上記のDNAポリメラーゼ(16単位/100μL)及び上記DNAポリメラーゼに特異的なモノクローナル抗体(DNAポリメラーゼに対してモル比50:1)を含むものとした。
【0070】
SURECELL(商標)試験装置はイーストマン・コダック社(クリニカル・ダイアグノスティックス部門)から入手され、3個の試験ウェルを含有し、その各々にLOPRODYNE(商標)微孔質膜(Pall社、平均孔径5μm)が搭載されているものとした。この試験装置の試験ウェル内の膜上に捕捉プローブ試薬を配置して乾燥させた。
DEQUEST(商標)2006アニオン性アミノトリ(メチレンリン酸)五ナトリウム塩界面活性剤はMonsanto社から入手した。
【0071】
ZONYL(商標)FSPアニオン性フッ素化リン酸エステル界面活性剤はDuPont社から入手した。
MONAWET(商標)B−174アニオン性ジオクチルホスホコハク酸ナトリウム界面活性剤はMona Industries社から入手した。
RHODAFAC(商標)L0529アニオン性芳香族アルキレンオキシドリン酸エステル部分ナトリウム塩界面活性剤はRhone Poulenc社から入手した。
【0072】
EMPHOS(商標)CS413アニオン性オキシアルキル化アルキルリン酸エステル界面活性剤及びEMPHOS(商標)CS141アニオン性ポリオキシアルキル化アルキルアリールリン酸エステルは、Witco Chemical社から入手した。
ポリエチレンイミンはBethesda Research Laboratoriesから入手した(BASF社からも入手可能)。
その他の試薬及び材料は、市販品を入手したか、又は容易に入手できる出発原料と常用の手法によって調製した。
【0073】
実施例1:DNAの捕捉及び解放
この実施例は、ポリエチレンイミンとアニオン性フッ素化リン酸エステル界面活性剤とを用いて核酸を捕捉、解放する本発明の実施を説明するものである。
蒸留水中に希釈度1:10で10%ポリエチレンイミンが含まれている試料(5μl)を子ウシ胸腺DNA(0.5μg/μl)の溶液(95μl)とボルテックスで混合した。次いで得られた混合物を14,000rpmで5分間遠心分離し、DNAとポリエチレンイミンの複合体の沈殿物をペレット状にした。
【0074】
上澄液を棄てて、そのペレットが含まれている容器に水酸化ナトリウム(75μl、50ミリモル)を添加した後、ボルテックスで混合した。得られたpHは約11であった。
このpHの高い混合物にアニオン界面活性剤の溶液(最終濃度0.5%、0.25%又は0.125%のもの10μl)〔表1を参照のこと〕を添加し、そしてボルテックスで混合した。次いで、得られた溶液を15μlのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩緩衝剤(1モル)を添加することによって中和してpHを約8とした。
【0075】
核酸の解放は常用のゲル電気泳動法で確認した。得られた核酸と、ポリエチレンイミンと、界面活性剤とを含有する溶液のアリコート(5μl)を微小遠沈管中で常用の試料トラッキング色素と混合した。次いで、エチジウムブロミドで予め染色しておいた常用の0.5%アガロースゲル中に試料(4μl)を装填し、そして120ボルトで30分間電気泳動した。ゲルバンドは紫外線下で可視化した。常用のラムダDNAマーカーと同様に移動したゲノムDNAバンドの存在は、核酸がポリエチレンイミンから解放されたことを示すものである。
上記試料調製法がPCRによる増幅を阻害することがあるかどうかを調べるため、上記のように調製された中和済試料の各々にヒトサイトメガロウイルス(hCMV)DNAを添加し、下記のPCRプロトコールに供した。
【0076】
より詳細には、アニオン界面活性剤と解放された子ウシ胸腺DNAとを含有する各中和済試料のアリコート(20μl)を、hCMVゲノムの主カプシドタンパク質領域由来のhCMV標的核酸の溶液(10μl)〔1〜5×105 コピー/μlを含有する原液の1:10希釈物)と混合した。各試料の第二アリコート(20μl)を標的核酸の1:100希釈物と混合した。
得られた混合物(30μl)の各々に上記のPCR増幅反応混合物(70μl)を添加し、そして以下のプロトコールに従い40サイクルの増幅を実施した:1)95℃で30秒間(第一サイクルについては210秒間)の変性を行い、2)64℃で30秒間のプライマーアニーリング及びプライマー伸長をした。
【0077】
増幅後、以下の2種の方法によって増幅hCMV DNAの存在を検出した。(a)ゲル電気泳動:各増幅生成物溶液のアリコート(10μl)を4μlの常用の試料トラッキング色素に加えた。得られた混合物(10μl)を、エチジウムブロミドで予め染色しておいた2.5%アガロースゲル上に装填した。電気泳動は120ボルトで1.5時間実施した。ゲルバンドは紫外線下で可視化した。(b)SURECELL(商標)試験装置での色素信号:各増幅生成物試料の1:20希釈物を95℃で5分間加熱して増幅生成物を変性させ、そしてSURECELL(商標)試験装置の試験ウェルの膜上に乾燥させておいた捕捉試薬と接触させた。次いで、装置を50℃で5分間インキュベートし、そして室温において上記の洗浄液で洗浄し、結合されなかった物質を除去した。
【0078】
ストレプトアビジン複合化西洋ワサビペルオキシダーゼ(131ng/ml)の溶液(100μl)を各試験ウェルに添加した後、室温で2分間のインキュベーションを施した。さらに洗浄を行った後、上記のロイコ色素溶液(100μl)を添加し、室温でさらに2分間のインキュベーションを施した。アジ化ナトリウム溶液を添加することにより発色を停止させた。
以下の表1は、数種類のアニオン界面活性剤を各種量で使用して得られたいくつかの被検体についてのゲル電気泳動と色素の色評点の結果を示すものである。明らかなことは、ZONYL(商標)FSPアニオン界面活性剤が標的核酸の最強の信号を提供すると共に、PCRを妨害しなかったことである。色素の色評点は0〜10(最高濃度)の濃度勾配で等級化した。電気泳動ゲルの評点は陰性(−)、若干陽性(w+)、明確に陽性(+)及び非常に陽性(++)とした。
【0079】
ポリエチレンイミン又は界面活性剤を使用しない増幅についてもいくつか実施した。これらのアッセイ結果は表1の最後の4行に記載した。最後の2行は、界面活性剤もポリエチレンイミンも使用しなかった場合の結果を示している。信号は高い値を示しているが、これらのデータは干渉因子又はインヒビターのまったくない「きれいな」試料から得られたものであることを理解しなければならない。臨床試料では、インヒビターや干渉因子がこうした信号を低減させたり増幅を妨害したりする場合が多い。従って、本発明の目的は、このような悪影響を及ぼす物質から標的核酸を分離する方法を提供することであって、表1の結果は、本発明に従いポリエチレンイミンとフッ素化界面活性剤を使用するとこの目的が達成されることを例示している。
【0080】
図1は、2種の好ましい界面活性剤であるEMPHOS(商標)CS413及びZONYL(商標)FSPアニオン界面活性剤それぞれの各濃度レベルに対する色素の色評点を棒グラフで示したものである。hCMV DNAレベルは1:10(レベル1)及び1:100(レベル2)とした。対照データはどちらの界面活性剤も含まれない場合のものである。
【0081】
Figure 0003727692
Figure 0003727692
【0082】
実施例2:ヒトサイトメガロウイルスDNAの試料調製及び増幅
この実施例は、バックグラウンドのDNA(すなわち、子ウシ胸腺DNA)の存在下で増幅するためにhCMV DNAを捕捉、解放する本発明の実施を説明するものである。
hCMV希釈物の試料(10μl)を子ウシ胸腺DNA(95μl、0.5μg/μl)と混合した後、ポリエチレンイミン(10%)の1:10希釈物を混合してポリエチレンイミンと核酸との析出物を形成させた。
【0083】
この析出物を14,000rpmで5分間遠心分離して溶液から分離した。上澄液を棄てて、そのペレットに水酸化ナトリウム(75μl、50ミリモル)を加えて混合した。
【0084】
次いで、そのpHの高い混合物にZONYL(商標)FSPアニオン界面活性剤の溶液(最終濃度1.5%、1.0%、0.5%、0.25%又は0.125%)(10μl)を混合しながら加えた。次いで、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩(15μl、1モル、pH7.5)を加えて溶液を増幅のために中和した。
上記のように処理した各試料のアリコート(20μl)を、上記のhCMVプライマーを含有するPCR試薬混合物(80μl)に加え、そして実施例1に記載したプロトコールによって40サイクルのPCRを実施した。
【0085】
増幅生成物の検出は、実施例1に記載したようにゲル電気泳動と色素の色発信により行った。以下の表2は、各試料につき2回の繰り返し試験を行った結果を示し、また図2は色評点データを棒グラフで示したものである。
1.5%(最終濃度)の界面活性剤を用いた場合には、どのレベルの標的hCMV DNAについてもPCRが阻害された。さらに、より低濃度である0.125%及び0.25%は、高いバックグラウンドが認められたため有用ではなかった。0.5%又は1.0%を採用すると最適な結果が得られ、また標的核酸濃度が低いほど、より少量である方が有用であった。界面活性剤が使用されていない対照アッセイではPCRが観測されなかった。ポリエチレンイミンも界面活性剤も使用されていない場合に信号が得られているが、これらのデータは、臨床用被検体には通常存在する干渉因子やインヒビターを含まない「きれいな」試料で得られたものである。
【0086】
図2には、好ましい界面活性剤のZONYL(商標)FSPアニオン界面活性剤について各種標的核酸レベルにおける色素の色評点が示されている。対照アッセイではポリエチレンイミンも界面活性剤も用いられていない。図2及び以下の表2に記載のhCMV濃度レベルは以下のとおりである。
レベル1:原液の1:10希釈物
レベル2:原液の1:100希釈物
レベル3:原液の1:1000希釈物
レベル4:原液の1:10000希釈物
レベル5:原液の1:100000希釈物
レベル6:原液の1:1000000希釈物
レベル7:hCMV DNAを含まない
【0087】
Figure 0003727692
Figure 0003727692
【0088】
実施例3:バックグラウンドDNA不在下での標的hCMV DNAの捕捉及び解放並びに増幅
この実施例は実施例2と全く同様に実施したものであるが、但し、hCMV DNA希釈試料は、子ウシ胸腺DNA溶液の代わりに、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩(10ミリモル、pH8)とTWEEN(商標)20非イオン性界面活性剤(0.5%)を含有する緩衝液(95μl)と混合した。
【0089】
捕捉、解放された標的hCMV DNAの増幅と検出は、上記と同様に行った。結果を図3及び以下の表3に示す。表示の標的核酸レベルは先の実施例2で記載したものと同じである。
これらの結果は、1.5%の界面活性剤を使用した場合は、界面活性剤が存在しない場合と同様にPCRを阻害したことを示している。ほとんどのアッセイで多少のバックグラウンドが認められたが、そのレベルは一般には許容できるものであった。
【0090】
Figure 0003727692
Figure 0003727692
【0091】
実施例4:各種量のバックグラウンドDNAの存在下でのhCMV DNAの捕捉、解放及び増幅
この実施例は、試験試料中に様々な量のバックグラウンド子ウシ胸腺DNAが存在する場合の本発明の実施を説明するものである。この手順は実施例2と全く同様に実施したものであるが、但し、標的核酸希釈試料は、各種量(最終量で55μg、25μg、10μg又は5μg)の子ウシ胸腺DNAを含有する溶液(95μl)と混合した。
増幅と検出は実施例2に記載したように実施した(但し、ゲル電気泳動は採用しなかった)。色素の色評点の結果を以下の表4に記載する。これらの結果は、試料中に存在するバックグラウンドDNAの全レベル範囲にわたり最適に増幅できるように核酸を可溶化して保たせるのに十分な最終界面活性剤濃度が0.5%であったことを示している。界面活性剤をより少ない量で使用した場合の結果は高いバックグラウンドを示したが、この条件を調節するか又は別の界面活性剤を使用することでこの影響を最小限に抑えることができるであろう。
【0092】
Figure 0003727692
Figure 0003727692
【0093】
実施例5:患者試料中の標的hCMV DNAの捕捉及び解放並びに増幅
この実施例は、医療センターから入手した9個のhCMV培養陽性と3個のhCMV培養陰性の尿検体を用いての本発明の実施を説明するものである。この実施例はまた、本発明を、通常用いられている試料調製法、すなわち非イオン性界面活性剤存在下で試料を100℃に10分間加熱する方法、と比較する。
各尿検体の二つのアリコート(各150μl)を、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩緩衝液(10ミリモル、pH8)にTWEEN(商標)20非イオン性界面活性剤(0.5%)を含有する緩衝液と混合した。
【0094】
これらの混合物をそれぞれ10分間煮沸した。被検体組の一方に10%ポリエチレンイミン溶液の1:10希釈物を加えて混合し、核酸とポリエチレンイミンの析出物を形成させた。得られた懸濁液を14,000rpmで5分間遠心分離した。上澄液を棄てて、水酸化ナトリウム(75μl、50ミリモル)を各ペレットに加えた後に混合した。このpHの高い懸濁液にZONYL(商標)FSPアニオン界面活性剤の溶液(最終濃度0.5%)(10μl)を加えた後、ボルテックスで混合した。この懸濁液を中和するためにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(15μl、1モル、pH7.5)を添加した。
第二の被検体組にはさらなる処理を施さなかった。
【0095】
(処理済被検体の両方の組の)各溶液のアリコート(20μl)を、上記のhCMV DNAプライマーを含有するPCR反応混合物(80μl)に加えた。実施例1に記載したように40サイクルのPCRを実施した。そして上記のように色素の色信号(評点)を発生させてすべての増幅生成物を検出した。
図4及び以下の表4は、両方の方法の結果を培養結果との比較で示すものである。この実施例では、培養結果と比較した場合に、89%の感度(すなわち、培養陽性被検体9個のうち8個)及び100%の特異性(すなわち、培養陰性被検体3個のうち3個)が示された。対照の試料調製法(非イオン性界面活性剤を用いて加熱する方法)では、培養結果と比較した場合に、33%の感度(すなわち、培養陽性被検体9個のうち3個)及び100%の特異性(すなわち、培養陰性被検体3個のうち3個)が示された。
【0096】
Figure 0003727692
【0097】
この実施例は、臨床被検体中に存在しうるインヒビターから標的核酸を分離する利点を例示するものである。当該技術分野には同じ結果を達成しうる別の方法もあるが、それは退屈で、時間がかかり、また環境的にも安全ではない方法である。
本発明をその好ましい実施態様を特に参照しながら詳細に説明したが、本発明の精神及び範囲内で改変、変更が可能であることを理解されたい。
【0098】
【配列表】
配列番号:1
配列の長さ:27
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成オリゴヌクレオチド(hCMV DNAのプライマー)
ハイポセティカル配列:No
アンチセンス:No
起源:合成
直接の起源:合成
刊行物情報:無し
配列
CATTCCCACT GACTTTCTGA CGCACGT 27
【0099】
配列番号:2
配列の長さ:24
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成オリゴヌクレオチド(hCMV DNAのプライマー)
ハイポセティカル配列:No
アンチセンス:No
起源:合成
直接の起源:合成
刊行物情報:無し
配列
TGAGGTCGTG GAACTTGATG GCGT 24
【0100】
配列番号:3
配列の長さ:30
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成オリゴヌクレオチド(hCMV DNAの捕捉プローブ)
ハイポセティカル配列:No
アンチセンス:No
起源:合成
直接の起源:合成
刊行物情報:無し
配列
GGTCATCGCC GTAGTAGATG CGTAAGGCCT 30
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたデータの一部を示した棒グラフである。
【図2】実施例2で得られたデータの一部を示した棒グラフである。
【図3】実施例3で得られたデータの一部を示した棒グラフである。
【図4】実施例5で得られたデータの一部を示した棒グラフである。

Claims (20)

  1. 溶解物から核酸を得る方法であって、下記工程A〜E:
    A)核酸が含まれていると思われる溶解物と、前記溶解物中に存在する全ての核酸との水不溶性析出物を形成させるのに十分量のポリエチレンイミンとを接触させる工程;
    B)前記水不溶性析出物と前記溶解物とを分離する工程;
    C)前記分離された水不溶性析出物と強塩基とを接触させて前記核酸を前記ポリエチレンイミンから解放させる工程;
    D)工程Cと同時に又は工程Cに続いて、前記核酸とアニオン性非芳香族リン酸エステル系界面活性剤とを接触させて前記解放された核酸を溶液中に保つ工程;及び
    E)前記解放された核酸を含有する溶液のpHを約6〜約9に調整する工程を含む、溶解物から核酸を得る方法。
  2. 前記強塩基が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム又は水酸化アンモニウムである、請求項1記載の方法。
  3. 前記工程Aにおける前記ポリエチレンイミンの使用量が約0.005〜約1重量%である、請求項1記載の方法。
  4. 前記溶解物が、非イオン界面活性剤を含有する溶液中で被検体試料を加熱することによって得られる、請求項1記載の方法。
  5. 前記工程Dにおける前記アニオン性非芳香族リン酸エステル系界面活性剤の使用量が約0.05〜約1.5重量%である、請求項1記載の方法。
  6. 前記アニオン性非芳香族リン酸エステル系界面活性剤が非芳香族フッ素化リン酸エステル又は非芳香族非フッ素化オキシアルキル化アルキルリン酸エステルである、請求項1記載の方法。
  7. 前記アニオン性非芳香族リン酸エステル系界面活性剤が、
    構造式:[F(CF-CF)3−8CHCH]1,2-OP(O)(OM)2,1
    (上式中、Mはアルカリ金属又はアンモニウムカチオンである)で示される、請求項6記載の方法。
  8. 約15分以内で実施される請求項1記載の方法。
  9. 標的核酸を増幅して検出するための方法であって、
    1)下記工程A〜E:
    A)核酸が含まれていると思われる溶解物と、標的核酸を含む前記溶解物中に存在する全ての核酸との水不溶性析出物を形成させるのに十分量のポリエチレンイミンとを接触させる工程;
    B)前記水不溶性析出物と前記溶解物とを分離する工程;
    C)前記分離された水不溶性析出物と強塩基とを接触させて前記核酸を前記ポリエチレンイミンから解放させる工程;
    D)工程Cと同時に又は工程Cに続いて、前記核酸とアニオン性非芳香族リン酸エステル系界面活性剤とを接触させて前記解放された核酸を溶液中に保つ工程;及び
    E)前記解放された核酸を含有する溶液のpHを約6〜約9に調整する工程を使用して溶解物から標的核酸を得る段階と、
    2)前記解放された核酸の中で前記標的核酸を増幅する段階と、
    3)前記増幅された標的核酸を検出する段階とを含む、標的核酸を増幅して検出するための方法。
  10. 前記増幅段階が、耐熱性DNAポリメラーゼによって触媒され且つ少なくとも1種の標識プライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応である、請求項9記載の方法。
  11. 前記標識プライマーがビオチンで標識されており、且つ増幅後に得られたビオチン化標的核酸がアビジン及び酵素の複合体との反応によって検出される、請求項10記載の方法。
  12. 前記強塩基が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム又は水酸化アンモニウムであり、
    前記工程Aにおける前記ポリエチレンイミンの使用量が約0.005〜約1重量%であり、
    前記工程Dにおける前記アニオン性非芳香族リン酸エステル系界面活性剤の使用量が約0.05〜約1.5重量%であり、そして
    前記アニオン性非芳香族リン酸エステル系界面活性剤が非芳香族フッ素化リン酸エステル又は非芳香族非フッ素化オキシアルキル化アルキルリン酸エステルである、請求項9記載の方法。
  13. 前記強塩基が水酸化ナトリウムであり、前記工程Aにおける前記ポリエチレンイミンの使用量が約0.01〜約1重量%であり、前記工程Dにおける前記アニオン性非芳香族リン酸エステル系界面活性剤の使用量が約0.1〜約1.5重量%であり、そして前記アニオン性非芳香族リン酸エステル系界面活性剤が、
    構造式:[F(CF-CF)3−8CHCH]1,2-OP(O)(OM)2,1
    (上式中、Mはアルカリ金属又はアンモニウムカチオンである)で示される、請求項12記載の方法。
  14. HIV1、HIV2、プロウイルスHIV1、プロウイルスHIV2、サイトメガロウイルス、マイコバクテリウム(Mycobacterium)種、ヒトパピローマウイルス、肝炎ウイルス又はヒト遺伝疾患に付随した標的核酸を、前記標的核酸の鎖に特異的であり且つハイブリダイズ可能なプライマーを用いて増幅し検出するための、請求項9記載の方法。
  15. 下記a〜c:
    a)1種又は2種以上の増幅試薬を含む増幅反応混合物;
    b)ポリエチレンイミン;及び
    c)アニオン性非芳香族リン酸エステル系界面活性剤
    が個別に包装されて含まれている、標的核酸を増幅するための試験キット。
  16. 前記増幅反応混合物が、少なくとも一方が標識化されている一組のプライマーと、複数種のdNTPと、耐熱性DNAポリメラーゼとを含む、請求項15記載の試験キット。
  17. 前記アニオン性非芳香族リン酸エステル系界面活性剤が非芳香族フッ素化リン酸エステル又は非芳香族非フッ素化オキシアルキル化アルキルリン酸エステルである、請求項15記載の試験キット。
  18. 1個又は2個以上のキット部品を有する試験装置を含む、請求項15記載の試験キット。
  19. 標的核酸を検出するための方法であって、
    1)下記工程A〜E:
    A)核酸が含まれていると思われる溶解物と、標的核酸を含む前記溶解物中に存在する全ての核酸との水不溶性析出物を形成させるのに十分量のポリエチレンイミンとを接触させる工程;
    B)前記水不溶性析出物と前記溶解物とを分離する工程;
    C)前記水不溶性析出物と強塩基とを接触させて前記核酸を前記ポリエチレンイミンから解放させる工程;
    D)工程Cと同時に又は工程Cに続いて、前記核酸とアニオン性非芳香族リン酸エステル系界面活性剤とを接触させて前記解放された核酸を溶液中に保つ工程;及び
    E)前記解放された核酸を含有する溶液のpHを約6〜約9に調整する工程を使用して溶解物から標的核酸を得る段階と、
    2)ハイブリダイゼーションアッセイにおいて前記解放された核酸の中で前記標的核酸を検出する段階とを含む標的核酸を検出するための方法。
  20. 溶解物から核酸を得る方法であって、下記工程A〜D:
    A)核酸が含まれていると思われる溶解物と、前記溶解物中に存在する全ての核酸との水不溶性析出物を形成させるのに十分量のポリエチレンイミンとを接触させる工程;
    B)前記水不溶性析出物と前記溶解物とを分離する工程;
    C)前記分離された水不溶性析出物と強塩基とを接触させて前記核酸を前記ポリエチレンイミンから解放させる工程;及び
    D)工程Cと同時に又は工程Cに続いて、前記核酸とアニオン性非芳香族リン酸エステル系界面活性剤とを接触させて前記解放された核酸を溶液中に保つ工程を含む、溶解物から核酸を得る方法。
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