JP2015180193A - 次世代シーケンシングの標的濃縮用の高速ハイブリダイゼーション - Google Patents

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Abstract

【課題】迅速な核酸ハイブリダイゼーション用の組成物及び方法、特に次世代シーケンシングにおける標的核酸の濃縮及び選択のためのハイブリダイゼーション組成物及び方法の提供。
【解決手段】二価カチオンの塩と緩衝剤とを約100〜約600mMの範囲の濃度で含み、前記塩及び前記緩衝剤が約2.5:1〜約60:1のモル比で存在する核酸ハイブリダイゼーション用の組成物、並びに標的核酸及びベイト核酸と前記組成物とを接触させて、ハイブリダイゼーション混合物を形成するステップと、前記ハイブリダイゼーション混合物を第1の温度で第1の期間変性させるステップと、前記混合物を第2の温度で第2の期間ブロッキングするステップと、前記混合物をインキュベートするステップを1回又は複数回繰り返すステップとを含む、標的核酸とベイト核酸とを核酸ハイブリダイゼーションする方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、迅速な核酸ハイブリダイゼーション用の組成物及び方法に関する。特に、本発明は、次世代シーケンシングにおける標的核酸の濃縮及び選択のためのハイブリダイゼーション組成物及び方法に関する。
核酸シーケンシングは、分子生物学において最も広く使用されているツールの一つである。自動DNAシーケンサを用いる迅速かつ高感度なシーケンシング方法の開発は、現代の分子生物学を改革してきた。特に、植物、ウイルス、細菌、真菌、及び動物の全ゲノムの解析が、次世代シーケンシング技術によって今では可能である。
次世代シーケンシング技術は、高レベルの効率をゲノムシーケンシングのプロセスにもたらしてきた。しかし、技術の進歩にもかかわらず、関連するワークフローは遂行するのに複雑であり、時間及び費用がかかる傾向があるため、全ゲノムシーケンシングには依然として莫大な費用及び作業量が伴う。さらに、正確なサンプル調製、増幅及びシーケンシングには様々な技術的問題が存在する。結果として、短期間でのゲノムの迅速なシーケンシングという目標はいまだ可能ではない。
或る特定のタイプのゲノムDNA配列(例えば、エクソン)の標的濃縮に関連して行われる次世代シーケンシングにより、これらの標的に集中することが可能となる。この標的化次世代シーケンシングバリエーションにより、目的のゲノム領域のみが配列決定され、費用を削減し、かつ一回の研究あたりより多くのサンプルを解析することを可能にするプロセス効率が得られる。調べるDNAの量を減らすことにより、研究者らがより統計的に関連性のある数のサンプルを用いた実験を遂行することが可能となる。
標的化濃縮のための様々なアプローチが当該技術分野において利用可能である。最も一般的に利用されている技術は、ハイブリッド・キャプチャー、PCR、及び分子反転プローブ(molecular inversion probes)に基づくものである。大きな標的領域については、ハイブリッド・キャプチャーが最も効率的である。このアプローチの主な利点は、マイクロアレイ上ではなく溶液中での濃縮であり、これにより、取扱いがより容易になり、かつ必要なDNAが少なくてすむことになる。溶液中キャプチャー、例えば、Agilent Technologies, Inc.によるSureSelect Target Enrichment System(商標)は、DNA鋳型オリゴライブラリから転写されるビオチン化RNAベイト(bait)分子をしばしば適用し、ビオチン化RNAベイト分子は、主要な成分であるとともに、主な費用源である。特許文献1、非特許文献1、非特許文献2、及び非特許文献3を参照されたい。
しかし、標的化次世代シーケンシング技術は非常に時間がかかる。迅速かつ対費用効果の高い様式での、標的化次世代シーケンシング技術の実行の成功のための主な障壁及び律速ステップは、ゲノム、ミトコンドリア及びその他の形態のDNAにわたって散在している標的化エクソン又はイントロン領域を選択的に捕捉及び濃縮するための初期段階のステップにある。実際、現在の選択的ハイブリッド・キャプチャーの手順は、しばしば、16時間から70時間を超える範囲に及ぶ。例えば、特許文献1及びAgilent Technologies, Inc.によるSureSelect Target Enrichment System(商標)を参照されたい。結果として、すぐに配列決定できるサンプルを作製するためには通常2日間〜4日間もかかり、全体のシーケンシングプロセスを完了するためには更に長い時間がかかる。
米国特許出願公開第20100029498号
Mertes et al., Brief Funct Genomics 10:374-386 Gnirke et al., Nat. Biotechnol. 27:182-189 Albert et al., Nat. Methods 4:903-905
したがって、次世代シーケンシングのための核酸の迅速な標的濃縮又は選択の組成物及び方法に対する必要性がある。
本発明は、核酸ハイブリダイゼーション用の新規な組成物、関連するキット、及び関連する方法に関する。このような組成物及び方法により、従来の手順よりもはるかに速く所望のゲノムDNA配列の標的濃縮を完了することが可能となる。
一態様において、本発明は、核酸ハイブリダイゼーション用の組成物(即ち、ハイブリダイゼーション組成物)を特徴とする。組成物は、約100mM〜約600mMの範囲(例えば、約150mM〜500mM、200mM〜400mM、250mM〜350mM、100mM、120mM、150mM、200mM、250mM、300mM、350mM、400mM、450mM、500mM、550mM、及び600mM)の濃度を有する二価カチオンの塩と緩衝剤とを含有する。塩及び緩衝剤は、組成物において、約2.5:1〜約60:1の範囲(例えば、2.5:1〜30:1、2.5:1〜20:1、2.5:1〜15:1、10:1〜20:1、2.5:1〜5:1、2.5:1、5:1、8:1、10:1、12:1、15:1、及び20:1)のモル比で存在する。組成物において、緩衝剤は、約10mM〜約40mMの範囲(例えば、15mM〜35mM、20mM〜30mM、20mM〜40mM、20mM、25mM、30mM、35mM、及び40mM)の濃度を有し得る。
二価カチオンは、マグネシウム、カルシウム、マンガン、コバルト、亜鉛、及びカドミウムからなる群から選択され得る。一つの実施の形態において、二価カチオンはマグネシウムである。
緩衝剤は、Tris、HEPES、TAPS、Tricine、Bicine、Bis−Tris、NaOH、KOH、TES、EPPS、及びMOPSからなる群から選択され得る。組成物のpH値は、約7.0〜11.0、例えば、7.5〜10.0、7.0〜9.0、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、及び11.0であり得る。
好ましい実施の形態において、組成物は、体積排除/増粘剤を更に含む。この体積排除/増粘剤は、約0.002重量%〜約15重量%の範囲の濃度を有し得る。体積排除/増粘剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチセルロース(methycellulose)、及びヒドロキシルメチルセルロースからなる群から選択することができる。この場合、体積排除/増粘剤は、約0.002重量%〜約0.1重量%の範囲(例えば、約0.002%〜約0.050%、0.004%〜0.020%、約0.006%〜0.012%、並びに約0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、0.010%、0.012%、0.015%、及び0.020%)の濃度を有し得る。体積排除/増粘剤はまた、デキストラン及びポリエチレングリコール(PEG)からなる群から選択することもできる。そしてこの場合において、体積排除/増粘剤は、約1重量%〜約15重量%の範囲の濃度を有し得る。
ハイブリダイゼーション組成物は、RNAse阻害剤、ブロッキング剤、ベイト核酸、及び標的核酸からなる群から選択される1又は複数の更なる作用剤を更に含んでいてもよい。いくつかの実施の形態において、標的核酸は、30μlの反応中に約250ng〜3000ng(例えば、500ng〜2000ng、及び750ng〜1500ng)、即ち、8.3ng/μl〜100ng/μl(例えば、16.7ng/μl〜66.7ng/μl及び25ng/μl〜50ng/μl)の濃度で存在し得る。好ましくは、体積排除/増粘剤及び核酸は、約0.2〜120(例えば、0.2〜100、0.2〜50、0.5〜10、及び0.8〜8.0)の比で存在する。
ハイブリダイゼーション組成物の一つの実施の形態において、塩はMgClであり、体積排除/増粘剤はHPMCであり、緩衝剤は、Tris(pH8.0)である。好ましくは、塩は、約308mMの濃度を有し、HPMCは、約0.00834%の濃度を有し、緩衝剤は、約20mMの濃度を有する。塩及び緩衝剤は、組成物において、約15.4:1のモル比で存在する。組成物は、一価カチオン又はその塩を含有しないものであってもよい。
上記の緩衝液組成物は、標的、プローブ、ベイト、ブロッキング剤、湿潤剤、及びハイブリダイゼーション促進因子を含むその他の試薬の添加に適応するために、核酸ハイブリダイゼーション反応の分野において常識であるように、濃縮ストック溶液から調製することができる。したがって、本発明はまた、上記のハイブリダイゼーション組成物を調製するための濃縮緩衝液を提供する。濃縮緩衝液は、2倍〜20倍(例えば、3倍〜15倍、4倍〜10倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、15倍、及び20倍)の範囲の希釈により上記のハイブリダイゼーション組成物が得られるように、2×〜20×(例えば、3×〜15×、4×〜10×、2×、3×、4×、5×、10×、15×、及び20×)のストックであり得る。好ましい実施の形態において、濃縮緩衝液は、5×ストックであり、5倍希釈によって上記のハイブリダイゼーション組成物が得られる。
上記の濃縮緩衝液又はハイブリダイゼーション組成物とそのための好適な包装材とを含むキットもまた提供される。
本明細書中に開示されるように、ハイブリダイゼーション組成物は、標的核酸とベイト核酸との核酸ハイブリダイゼーションに使用することができる。したがって、本発明は、標的核酸とベイト核酸とを核酸ハイブリダイゼーションする方法を提供する。例えば、この方法は、以下のステップ:標的核酸及びベイト核酸と、上記の組成物とを接触させて、ハイブリダイゼーション混合物を形成するステップ;前記ハイブリダイゼーション混合物を第1の温度で第1の期間(例えば、95℃で2分間〜30分間、例えば、2分間、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、又は30分間)変性させるステップ;前記混合物を第2の温度で第2の期間(例えば、65℃で5分間〜30分間、例えば、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、又は30分間)ブロッキングするステップ;前記混合物を、(i)第3の温度で第3の期間、及び次いで(ii)第4の温度で第4の期間、インキュベートするステップ、並びに前記インキュベートするステップを1回又は複数回繰り返すステップを含む。一つの実施の形態において、方法は、前記繰り返すステップの後に、前記混合物を第5の温度(例えば、65℃)で保持するステップを更に含む。
ベイト核酸は、RNA配列又はDNA配列を有し得る。標的核酸は、目的のゲノムDNA核酸を有し得る。一つの実施の形態において、標的核酸及びベイト核酸は、担体に結合又は付着していない。即ち、対応するハイブリダイゼーションは、溶液中ハイブリダイゼーションである。
この方法において、インキュベートするステップは、使用者のアッセイ設計、タイムテーブル、及び目的に応じて任意のサイクル数行うことができる。サイクル数の好適な例としては、20回〜100回、30回〜80回、40回〜70回、及び50回〜60回が挙げられる。
インキュベートするステップにおいて、第3の温度及び第4の温度は異なっていても同一であってもよい。2つの温度が異なっている場合(例えば、65℃及び37℃)、それら2つの温度での持続時間は、それぞれ、例えば、1分間及び3秒間であり得る。サイクル数に応じて、インキュベートするステップ及び繰り返すステップは、25分間〜3時間以下の範囲(例えば、25分間、26分間、30分間、1時間、1.5時間、2時間、及び2.5時間)であり得る。第3の温度及び第4の温度が同一である場合、インキュベートするステップ及び繰り返すステップの持続時間はより長くするべきであり、例えば、約1時間〜4時間である。
本発明の一つ以上の実施形態の詳細を以下の本明細書に示す。本発明のその他の特徴、目的、及び利点は、本明細書及び特許請求の範囲から明らかであろう。
24時間及び1時間の一定温度でのインキュベーションによる、従来のナトリウムベースのハイブリダイゼーション緩衝液のDNA捕捉性能を示すバイオアナライザエレクトロフェログラムである。 1時間のサイクリング温度でのインキュベーション及び24時間の一定温度でのインキュベーションによる、本発明の高速ハイブリダイゼーション緩衝液及び従来のナトリウムベースのハイブリダイゼーション緩衝液のDNA捕捉性能を示すバイオアナライザエレクトロフェログラムである。 1時間のサイクリング温度でのインキュベーション又は1時間の一定温度でのインキュベーションによる、本発明の高速ハイブリダイゼーション緩衝液及び従来のナトリウムベースのハイブリダイゼーション緩衝液のDNA捕捉性能を示すバイオアナライザエレクトロフェログラムである。 ナトリウムベースのハイブリダイゼーション緩衝液とマグネシウムベースのハイブリダイゼーション緩衝液との比較を示すバイオアナライザエレクトロフェログラムである。 高速のマグネシウムベースのハイブリダイゼーション緩衝液及び2温度サイクリングインキュベーションにより捕捉されたゲノムDNAと、従来のアプローチにより捕捉されたゲノムDNAとを用いた次世代シーケンシングの性能パラメータを示す表である。
本発明は、非常に高濃度の二価カチオン塩を有する緩衝液により、従来のハイブリダイゼーション緩衝液よりもはるかに迅速に、断片化したゲノムDNAを溶液中ハイブリダイゼーションにより捕捉及び濃縮することが可能となるという予期せぬ知見に少なくとも部分的に基づくものである。本発明はまた、ハイブリダイゼーション混合物を2つの異なる温度に繰り返して供することによってハイブリダイゼーションを行うことにより、1つの一定温度で行われる従来のハイブリダイゼーション反応よりはるかに迅速に、断片化したゲノムDNAを捕捉及び濃縮することが可能となるという予期せぬ知見に基づくものである。
1. 組成物
一態様において、本発明は、核酸ハイブリダイゼーション用の組成物又は緩衝液を提供する。ハイブリダイゼーション組成物又は緩衝液は、約100mM〜約600mMの範囲(例えば、約150mM〜500mM、200mM〜400mM、250mM〜350mM、100mM、120mM、150mM、200mM、250mM、300mM、350mM、400mM、450mM、500mM、550mM、及び600mM)の濃度を有する二価カチオンの塩と、体積排除/増粘剤と、緩衝剤とを含有する。様々な二価カチオン塩、体積排除/増粘剤、及び緩衝剤を用いることができる。塩及び緩衝剤は、約2.5:1〜約60:1の範囲(例えば、2.5:1〜30:1、2.5:1〜15:1、2.5:1〜5:1、2.5:1、5:1、8:1、10:1、12:1、15:1、及び20:1)のモル比で存在する。
<塩>
本発明による緩衝液組成物は、従来の核酸ハイブリダイゼーションのための濃度よりも高濃度の二価カチオンの塩を含有する。従来のハイブリダイゼーション溶液及びハイブリダイゼーションのためのプロセスは、引用することによって本明細書の一部をなすものとする、J. Sambrook, E. F. Fritsch, T. Maniatis, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, 2nd Ed., 1989, vol. 1-3に記載されている。一般に、従来のハイブリダイゼーションのための条件には、(1)高イオン強度の溶液、(2)制御された温度、並びに(3)キャリアDNA及び界面活性剤及び二価カチオンのキレート剤の存在下、が含まれる。
一般に、従来の核酸ハイブリダイゼーション緩衝液(例えば、生理食塩水−クエン酸ナトリウム(SSC)緩衝液及び生理食塩水−リン酸ナトリウム−EDTA(SSPE)緩衝液)は、ナトリウムベースであり、通常、二価カチオン、例えば、マグネシウムを含有しない。いくつかの緩衝液、例えば、SSPEは、二価カチオンが、いくらか溶液中に残っている場合でも、低減した反応性しか示さないように、試験サンプル又はその他の源に由来する二価カチオンを捕捉するためにキレート化剤(例えば、EDTA)を含有するものですらある。いくつかの文献には、マグネシウムはハイブリダイゼーション中の核酸二本鎖の安定化において有効であり得ると示されているが、マグネシウムは、ハイブリダイゼーション反応に用いられる場合、非特異的ハイブリダイゼーション反応を減らすために通常15mM以下で使用される。例えば、Springer et al., Nucleic Acids Res. 2010 Nov;38(20):7343-51を参照されたい。
実際、マグネシウムは、オリゴヌクレオチドの鋳型DNAへのアニーリングに対して、それらの相互作用を安定化することによって影響し、それゆえ非特異的アニーリングを増加させ、望ましくない生成物を生成させるということが当該技術分野において既知であった。非特異的増幅が起こると、通常、Mg2+を低下させる必要があるか、又はEDTAを添加してMg2+をキレート化することにより、増幅の正確性及び特異性を上昇させることができる。例えば、米国特許第7939645号を参照されたい。本明細書中に開示されるように、高濃度の二価カチオンの塩を用いることにより、特異性を犠牲にすることなく、核酸ハイブリダイゼーションを介して断片化したゲノムDNAを捕捉及び濃縮することに成功することができるということは予期せぬことであった。
本明細書において用いる場合、「塩」は、生成物が中性となるようにカチオン及びアニオンから構成されるイオン性化合物のことをいう。本発明において有用な二価カチオン塩としては、これらに限定されないが、マグネシウム、カルシウム、マンガン、コバルト、亜鉛、及びカドミウムの塩が挙げられる。塩はまた、当業者に既知の、二価カチオンの、炭酸水素塩、硫酸塩、塩化物、炭酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、臭化物、クエン酸塩、酢酸塩、シアン化物、酸化物又はリン酸塩も含み得る。より好ましくは、塩は、塩化マグネシウム(MgCl)、硫酸マグネシウム(MgSO)、又は硝酸マグネシウム(Mg(NO)である。さらに、本発明において有用な塩には、無機塩の混合物又はブレンドが含まれ得る。本発明において用いることができる無機塩のブレンドとしては、MgCl、MgSO、及びMg(NOのあらゆる組合せが挙げられる。塩は、約10mM〜40mMの範囲、好ましくは15mM〜25mMの範囲、例えば、20mMの濃度で、本発明に従って使用することができる。
本明細書において用いる場合、「ハイブリダイゼーション」又は「結合」という用語は、相補的(部分相補的を含む)なポリヌクレオチド鎖の対形成のことをいう。ハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーションの強度(例えば、ポリヌクレオチド鎖の間の会合の強度)は、ポリヌクレオチドの間の相補性の程度、塩濃度等の条件によって影響を受ける関与する条件のストリンジェンシー、形成されるハイブリッドの融解温度(Tm)、その他の成分の存在、ハイブリダイズする鎖のモル濃度、及びポリヌクレオチド鎖のG:C含量を含む、当該技術分野において既知の多数の因子により影響を受ける。或るポリヌクレオチドが別のポリヌクレオチドに「ハイブリダイズする」と言われる場合、それは、それらの2つのポリヌクレオチドの間にある程度の相補性があること、又はそれら2つのポリヌクレオチドが高ストリンジェンシー条件下でハイブリッドを形成することを意味する。或るポリヌクレオチドが別のポリヌクレオチドとハイブリダイズしないと言われる場合、それは、それらの2つのポリヌクレオチドの間に配列相補性がないこと、又はそれらの2つのポリヌクレオチドが高ストリンジェンシー条件でハイブリッドを形成しないことを意味する。
本明細書において用いる場合、「相補的」という用語は、2つのポリヌクレオチド鎖の領域の間又は同じポリヌクレオチド鎖の2つの領域の間の配列相補性の概念のことをいう。第1のポリヌクレオチド領域のアデニン塩基は、第1の領域と逆平行の第2のポリヌクレオチド領域の塩基と、その塩基がチミン又はウラシルである場合、特異的な水素結合を形成(「塩基対形成」)することができることが既知である。同様に、第1のポリヌクレオチド鎖のシトシン塩基は、第1の鎖と逆平行の第2のポリヌクレオチド鎖の塩基と、その塩基がグアニンである場合、塩基対形成することができることが既知である。ポリヌクレオチドの第1の領域は、同じ又は異なるポリヌクレオチドの第2の領域と、それら2つの領域を逆平行の様式で配置した際に、第1の領域の少なくとも1つのヌクレオチドが第2の領域の塩基と塩基対形成することができる場合、相補的である。それゆえ、2つの相補的なポリヌクレオチドは、すべてのヌクレオチド位置で塩基対を形成する必要はない。「相補的」は、第1のポリヌクレオチドが第2のポリヌクレオチドと100%又は「完全に」相補的であり、それゆえ、すべてのヌクレオチド位置で塩基対を形成することをいう。「相補的」はまた、100%相補的ではない(例えば、90%、又は80%又は70%相補的な)第1のポリヌクレオチドが、1又は複数のヌクレオチド位置でミスマッチしたヌクレオチドを含むこともいう。一つの実施形態において、2つの相補的なポリヌクレオチドは、高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下で互いにハイブリダイズすることができる。例えば、膜ハイブリダイゼーション(例えば、ノーザンハイブリダイゼーション)については、高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件は、放射標識プローブとの、5×SSC、5×デンハルト液、1%SDS中での65℃でのインキュベーションとして規定される。膜ハイブリダイゼーションについてのストリンジェントな洗浄は、以下のように行われる。膜を、室温で2×SSC/0.1%SDS中で、及び65℃で0.2×SSC/0.1%SDS中で、洗浄1回あたり10分間洗浄し、そしてフィルムに露出する。
実施形態において、ハイブリダイゼーションアッセイは、少なくともハイブリダイゼーション実験のタイプ及び複雑性に応じて、完了するのに約1時間未満(例えば、約25分間)から8時間かかり得る。「完了する」とは、標的核酸物質の所望の量のハイブリダイゼーションが達成されることを意味し、それは使用者及び標的物質の両方に依存する。以下の実施例において示すように、本発明の方法及び組成物は、従来のハイブリダイゼーションパラメータでは成功しない場合でも、例えば、約1時間のハイブリダイゼーション時間で良好に実施できる。本発明の方法及び組成物は、完了するのに少なくとも25分間(例えば、1時間〜3時間)かかるハイブリダイゼーションを特に良好に実施でき、より具体的には、約1時間〜2時間かかるハイブリダイゼーションを良好に実施できる。
<体積排除/増粘剤>
本発明による緩衝液組成物は、体積排除/増粘剤を含有する。本明細書において用いる場合、「体積排除/増粘剤」は、周囲の環境から水分子を誘引及び保持する良好な能力を有する、不活性な粘弾性剤のことをいう。この水誘引−保持能力のために、体積排除/増粘剤は、ハイブリダイゼーション溶液中の利用可能な核酸及びプローブ/ベイトの濃度を人為的に上昇させ、非特異的結合部位を飽和させることによりハイブリダイゼーション効率を上昇させることができる。
好ましくは、体積排除/増粘剤は、水溶液中に可溶性であり、かつ、熱ゲル化特性を示す、粘弾性の高分子量ポリマーである。即ち、溶液が特定の臨界温度まで熱くなると、溶液は凝結して、非流動性であるが半柔軟な塊となる。典型的には、この特定の凝結温度は、かかる体積排除/増粘剤の溶液濃度と逆相関する。これらの特徴により、体積排除/増粘剤は2つの異なる温度で2つの異なる粘弾性状態を示す。したがって、体積排除/増粘剤をハイブリダイゼーション溶液に含め、かつ、2温度(例えば、65℃及び37℃)サイクリングインキュベーションハイブリダイゼーションに用いると、体積排除/増粘剤は、2つの異なるハイブリダイゼーション環境を標的核酸及び捕捉プローブ/ベイトに提供する。
これらの2つの粘弾性状態は、ハイブリダイゼーション温度の繰り返される変化によりもたらされる対流運動と相まって、捕捉プローブ/ベイトがその特異的な標的核酸と遭遇する機会及び確率を大幅に上昇させ、それにより特異的なハイブリダイゼーションを上昇させ、かつ、特異的な標的−プローブ/ベイト二本鎖を形成させる。さらに、体積排除/増粘剤の「体積排除」効果は、ハイブリダイゼーション溶液中で利用可能な核酸及びプローブ/ベイトの濃度を人為的に上昇させることにより、効率を更に高める。高濃度二価カチオンもまたこの効率に寄与し、これは、特異的な標的−プローブ/ベイト二本鎖を安定化する。
医薬製品において用いられている様々な賦形剤及び錠剤化成分がこれらの特徴を有する。これらはそれゆえ本発明による緩衝液組成物における体積排除/増粘剤として使用することができる。体積排除/増粘剤の例としては、メチルセルロース及びその誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチセルロース(methycellulose)、及びヒドロキシルメチルセルロースが挙げられる。
<緩衝剤>
本発明の緩衝液組成物は、緩衝剤を含有する。本発明の組成物のpHは、約6.0〜約11.0の範囲内、例えば、約7〜約9、約7.5〜約8.5、又は約8.0に制御することができる。緩衝剤は、約6.0〜約11.0の少なくとも1つのpKa値及び/又はpKb値を有する、あらゆる有機又は無機、酸又は塩基、及びそれらのアルカリ金属塩を含んでいてもよい。緩衝剤は、2つ以上のpKa値及び/又はpKb値を有していてもよい。緩衝剤は、示された範囲内のそのpKa値及び/又はpKb値の少なくとも1つを有することができる。
様々な緩衝剤が当該技術分野において既知である。当業者であれば本明細書の開示を鑑みて、好適な緩衝剤を選択することができ、かつ、自身のアッセイの目的に合わせた本発明の緩衝液組成物を設計することができるであろう。いくつかの実施例において、緩衝剤は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)(Tris又はTHAM)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸(HEPPS又はEPPS)、及びいわゆるグッドバッファー(“Good’s” buffers)のその他の緩衝液であり得る。例えば、Good et al., 1966, Biochemistry5 (2): 467-477、Good et al., 1972, Methods Enzymol. 24: 53-68、及び Ferguson et al., 1980, Anal. Biochem. 104: 300-310を参照のこと。更なる例としては、3−{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}プロパンスルホン酸(TAPS)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(Tricine)、3−[N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(TAPSO)、2−{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸(TES)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、ジメチルアルシン酸(カコジル酸塩)、コハク酸、Bis−Tris、NaOH、及びKOHが挙げられる。
他の好適な緩衝剤は、例えば、アクリジン、フェニルアラニン、アロスレオニン、n−アミルアミン、アニリン、n−アリルアニリン、4−ブロモアニリン、4−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、3−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、3,5−ジブロモアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N−エチルアニリン、4−フルオロアニリン、N−メチルアニリン、4−メチルチオアニリン、アニリン−3−スルホン酸(3-sulfonic acid aniline)、アニリン−4−スルホン酸(4-sulfonic acid aniline)、p−アニシジン、アルギニン、アスパラギン、グリシルアスパラギン、DL−アスパラギン酸、アジリジン、2−アミノエチルベンゼン、ベンジジン、ベンズイミダゾール、2−エチルベンズイミダゾール、2−メチルベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、ベンジルアミン、2−アミノビフェニル、ブルシン、1,4−ジアミノブタン、t−ブチルアミン、4−アミノ酪酸、グリシル−2−アミノ−n−酪酸、カコジル酸、β−クロルトリエチルアンモニウム−n−酪酸(β-chlortriethylammonium-n-butyric acid)、コデイン、シクロヘキシルアミン、シスチン、n−デシルアミン、ジエチルアミン、n−ドデカンアミン、1−エフェドリン、1−アミノ−3−メトキシエタン、1,2−ビスメチルアミノエタン、2−アミノエタノール、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、1−グルタミン酸、α−モノエチルグルタミン酸、1−グルタミン、1−グルタチオン、グリシン、n−アセチルグリシン、ジメチルグリシン、グリシルグリシルグリシン、ロイシルグリシン、メチルグリシン、フェニルグリシン、N−n−プロピルグリシン、テトラグリシルグリシン、グリシルセリン、デクサデカンアミン(dexadecaneamine)、1−アミノヘプタン、2−アミノヘプタン、2−アミノヘキサン酸、DL−ヒスチジン、β−アラニルヒスチジン、イミダゾール、1−アミノインダン、2−アミノイソ酪酸、イソキノリン、1−アミノイソキノリン、7−ヒドロキシイソキノリン、1−ロイシン、グリシルロイシン、メチオニン、メチルアミン、モルヒネ、モルホリン、1−アミノ−6−ヒドロキシナフタレン、ジメチルアミノナフタレン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、n−メチル−α−ナフチルアミン、cis−ネオボルニルアミン(neobornylamine)、ニコチン、n−ノニルアミン、オクタデカンアミン、オクチルアミン、オルニチン、パパベリン、3−アミノペンタン、吉草酸、ペルミジン(permidine)、フェナントリジン、1,10−フェナントロリン、2−エトキシアニリン、3−エトキシアニリン、4−エトキシアニリン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ピロカルピン、ピペラジン、trans−2,5−ジメチルピペラジン、1−n−ブチルピペリジン、1,2−ジメチルピペリジン、1−エチルピペリジン、1−メチルピペリジン、プロリン、ヒドロキシプロリン、1−アミノ−2,2−ジメチルプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2,3−トリアミノプロパン、3−アミノプロパン酸、プテリジン、2−アミノ−4,6−ジヒドロキシプテリジン、2−アミノ−4−ヒドロキシプテリジン、6−クロロプテリジン、6−ヒドロキシ−4−メチルプテリジン、プリン、6−アミノプリン、2−ジメチルアミノプリン、8−ヒドロキシプリン、2−メチルピラジン、2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン、ピリジン、2−アルドキシムピリジン、2−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ベンジルピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,3−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、3,5−ジメチルピリジン、2−エチルピリジン、メトキシピリジン、4−メチルアミノピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、1,2−ジメチルピロリジン、n−メチルピロリジン、5−ヒドロキシキナゾリン、キニーネ、3−キノリノール、8−キノリノール、8−ヒドロキシ−5−スルホキノリン、6−メトキシキノリン、2−メチルキノリン、4−メチルキノリン、5−メチルキノリン、セリン、ストリキニーネ、タウリン、ミリスチルアミン、2−アミノチアゾール、スレオニン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,4,6−トリアミノ−1,2,3−トリアジン、トリデカンアミン、トリメチルアミン、トリプトファン、チロシン、チロシンアミド、バリン、これらの塩、及びこれらの混合物であり得る。好適な緩衝剤の更なる例は、例えば、それらの内容を引用することによって本明細書の一部をなすものとする、米国特許出願公開第20080207960号及び米国特許出願公開第20060210997号において見出すことができる。これらの緩衝液又は化合物は、典型的かつ有利には、生物学的に不活性であり、かつ、生化学反応に干渉しない。
<更なる成分>
本発明による緩衝液組成物は、様々な核酸ハイブリダイゼーション反応プロトコルに使用することができる。例としては、溶液中ハイブリダイゼーション、担体に基づくハイブリダイゼーション、例えば、ノーザンハイブリダイゼーション、サザンハイブリダイゼーション、並びに膜、マイクロアレイ及び細胞/組織スライド上でのin situハイブリダイゼーションが挙げられる。したがって、そのようなプロトコルのための、反応時間及び温度、サーマルサイクリングプロファイル、ハイブリダイゼーションプローブ/ベイトの配列及び濃度、検出剤(例えば、色素、酵素、放射性同位元素、及びフルオロフォア)は、一般に、変更することなく本発明の緩衝液組成物とともに使用することができる。よって、本発明の緩衝液組成物又は以下に記載する関連する濃縮形態はプロトコルに好適な1又は複数の更なる成分を含んでいてもよい。
そのような更なる成分の例としては、ヌクレオチド、核酸ポリメラーゼ、プライマー、核酸鋳型、色素、ハイブリダイゼーションベイト/プローブ、ハイブリダイゼーション促進因子、ブロッキング剤/ブロッカー(例えば、キャリア核酸又はタンパク質)、洗浄剤(例えば、NP40)、界面活性剤、湿潤剤、及びヌクレアーゼ阻害剤(例えば、RNAse阻害剤)が挙げられる。
2. 濃縮緩衝液
本発明の緩衝液組成物は、核酸ハイブリダイゼーション反応の分野において常識であるように、標的、プローブ、ベイト、ブロッキング剤、湿潤剤、及びハイブリダイゼーション促進因子を含むその他の試薬の添加に適応するために、濃縮ストック溶液として調製してもよい。緩衝液組成物は、すべての成分が、所望の終濃度よりも2倍〜20倍高い濃度、例えば、5倍高い、又は10倍高い濃度で存在する濃縮液として調製することができる。
本発明の濃縮緩衝液の例としては、1540mMのMgCl・6HO、0.0417%HPMC、及び100mMのTris(pH8)を含む5×ストック溶液が挙げられる。別の例は、616mMのMgCl・6HO、0.01668%HPMC、及び40mMのTris(pH8)を含む2×ストック溶液である。更に別の例は、1232mMのMgCl・6HO、0.03336%HPMC、及び80mMのTris(pH8)を含む4×ストック溶液である。
3. ハイブリダイゼーション方法
本開示の別の態様において、核酸プローブ又はベイトのセットと標的核酸の集団とをハイブリダイズさせる方法が提供される。ハイブリダイズさせる方法は、核酸と本発明のハイブリダイゼーション緩衝液組成物とを接触させるか又は混合するステップと、結果として生じた混合物を、異なっていても同一であってもよい2つのハイブリダイゼーション温度でインキュベートするステップとを含む。
異なっている場合、2つの温度の間の差は、混合物中の成分、例えば、プローブ/ベイト及び標的核酸の対流運動をもたらすのに十分に大きくするべきである(例えば、5℃〜40℃、20℃〜35℃、20℃、25℃、30℃、及び35℃)。その場合、高いほうの温度は、約55℃〜約75℃の範囲(例えば、60℃〜70℃及び65℃)であってよく、低いほうの温度は、約30℃〜約50℃(例えば、35℃〜45℃及び37℃)であってよい。
上記のように、インキュベーション/ハイブリダイズさせる期間は、例えば、約25分間から8時間超に及び得る。この方法は、速度及び時間節約が重要である場合に特に有用である。好ましくは、緩衝剤は、上記のものの1又は複数から選択すればよく、例えば、pH6〜11のpH範囲内で緩衝能を有するTrisが挙げられる。カチオンは、塩、好ましくは、上記で開示されるものの1又は複数、及びそれらの混合物から選択される塩によって提供することができる。より好ましくは、ハイブリダイゼーション緩衝液組成物は、1又は複数の更なる作用剤、例えば、体積排除/増粘剤、RNAse阻害剤、ブロッキング剤、及び界面活性剤を更に含んでいてもよい。
本発明のハイブリダイゼーション方法は、様々な型式の核酸ハイブリダイゼーション、例えば、溶液中ハイブリダイゼーション、及び、例えば、固体担体上でのハイブリダイゼーション(例えば、ノーザンハイブリダイゼーション、サザンハイブリダイゼーション、並びに、膜、マイクロアレイ及び細胞/組織スライド上でのin situハイブリダイゼーション)において用いることができる。特に、この方法は、標的化次世代シーケンシングにおいて使用される或る特定のタイプのゲノムDNA配列(例えば、エクソン)の標的濃縮のための溶液中ハイブリッド・キャプチャーに好適である。上記のように、標的化核酸の選択的な捕捉及び濃縮は、主な障壁及び律速ステップであり、従来のハイブリダイゼーション方法では、満足な迅速なアプローチを提供することができなかった。標的化次世代シーケンシングにおける使用のために、本発明のハイブリダイゼーション方法は、Agilent Technologies, Inc.、Illumina, Inc.、454 Life Sciences、Life Technologies Corporation、Affymetrix, Inc.、及びその他によって提供されるシステム及びプラットフォームに関連して用いることができる。
変性及びブロッキングするステップは、標準的な、当該技術分野において既知の、従来の方法で行うことができるが、サーマルサイクリングハイブリダイゼーションインキュベーションステップは独自のものである。本発明のハイブリダイゼーション緩衝液とともに用いる場合、ハイブリダイゼーション時間は約25分間までも減らすことができる。
本発明の方法及び組成物により、例えば、ハイブリダイゼーションプロセスを短縮し、それにより、標的化核酸の選択的捕捉及び濃縮を迅速化することによって、当該技術分野における問題を克服することが可能となる。本明細書中に開示されるように、本開示の方法及び組成物は、偏りが少なく、かつ、次世代シーケンシング適用に良好な、特異性、読み取り分布、配列適用範囲、及び再現性を示す。この方法の1つの例は、以下のステップを含む。
ステップ1:本発明の高速ハイブリダイゼーション緩衝液を室温で解凍するまで予熱し、使用準備ができるまで室温で維持する。
ステップ2:ブロッキング反応を室温に設定する。5μLのブロッカー混合物を各12μLの調製されたDNAサンプル(750ng〜1500ngの全DNA)に添加する。混合物をピペット操作で上下させる。短時間遠心沈殿させる。12μLのサンプルが1500ngのDNAを上回る場合、より小さい体積を使用し、水をブロッキング反応液に添加して全体積を17μLとする。
ステップ3:SureCycler8800サーマルサイクラーを以下の表に示すようにプログラムする。プログラムを開始させ、直ちに一時停止ボタンを押す。これにより蓋を加熱し、一方、ブロッカー混合物を、予め調製したゲノムDNA断片のライブラリに添加する。
ステップ4:プレイボタンを押してプログラムを再開することによりサーマルプログラムをSureCycler8800で遂行する。
サイクリングプロファイル:ブロッキング及び高速ハイブリダイゼーションインキュベーション
ステップ5:SureCyclerでサンプルをインキュベートしている間に、捕捉ベイト混合物を氷上で調製する。
ステップ6:SureSelect RNase Blockを捕捉のために希釈する。10μLのRNase Block(Agilent Technologies, Inc.)を30μLの水と混合する(RNase Block1部:水3部)。
ステップ7:希釈したSureSelect RNase block及びSureSelectXT Human All Exon V5ベイト(Agilent Technologies, Inc)を室温の高速ハイブリダイゼーション緩衝液に以下の表にしたがって添加することにより、ハイブリダイゼーション混合物を調製する。
ステップ8:サーマルサイクルが65℃の第1のハイブリダイゼーションサイクルに達したら、一時停止ボタンを押す。サーマルサイクラーをすぐに65℃に維持する。サーマルサイクラーの蓋を開け、そして13μLのハイブリダイゼーション混合物をそれぞれの対応するブロッキング反応液にピペットで入れる。ゆっくりとピペット操作により8回〜10回上下させることによりよく混合する。ハイブリダイゼーション反応液はここで30μLである。
ステップ9:ウェルをキャップで密封し、蓋を閉じ、プレイボタンを押してプログラムを再開させ、ホットトップ(hot top)を稼働させて、サイクリングハイブリダイゼーションプロファイルを実行する。
ステップ10:磁気ビーズ(Dynabeads(登録商標)MyOneストレプトアビジンT1、Invitrogen)を調製する。
1. ボルテックスミキサでDynal(Invitrogen)磁気ビーズを勢いよく再懸濁させる。Dynalビーズは保管中に沈む。
2. 各ハイブリダイゼーションサンプルについて、50μLのDynal磁気ビーズをストリップチューブ/96ウェルプレートに添加する。
3. ビーズを洗浄する。
a. 200μLのSureSelect Binding緩衝液(Agilent Technologies, Inc)を添加する。
b. ピペット操作により10回上下させることによりビーズを混合する。
c. チューブを96ウェル磁気スタンドに入れる。
d. 5分間待機し、そして上清を取り出して捨てる。
e. ステップaからステップdを繰り返し、合計3回洗浄する。
4. ビーズを200μLのSureSelect Binding緩衝液に再懸濁させる。
ステップ11:ハイブリダイズしたDNAを、ストレプトアビジンビーズを用いて捕捉する。
1. インキュベーションの後、サンプルをサーマルサイクラーから取り出し、そして室温で短時間遠心して液体を収集する。各サンプルについての全ハイブリダイゼーション混合物を、対応する洗浄済みの用意ができたDynal MyOneT1ストレプトアビジンビーズ溶液に添加し、そしてストリップチューブ/プレートを3回〜5回反転させて混合する。ハイブリッド−キャプチャー/ビーズ溶液をニューテーター(Nutator)又は振盪機上で30分間室温でインキュベートする。プレート中でサンプルが適切に混合していることを確実にする。
2. 96ウェルプレート中の1ウェルあたり200μLをアリコートとすることにより、洗浄緩衝液#2を65℃で予熱する(3回の洗浄のために1つのハイブリダイゼーション反応あたり3ウェル)。ウェルにキャップをし、そしてサーマルサイクラーを用いて65℃でインキュベートしつつ、ハイブリダイゼーションサンプルをニューテーター又は振盪機上で30分間置く。
3. ハイブリッド−キャプチャー/ビーズ溶液を30分後に短時間遠心沈殿させる。
4. ビーズ及び緩衝液を磁気分離器で分離し、そして上清を取り出す。
5. ピペット操作により8回〜10回上下させることによりビーズを200μLの洗浄緩衝液#1に再懸濁させ、次いでボルテックスミキサ上で8秒間高速で混合する。
6. ビーズを洗浄する。
a. ビーズ及び緩衝液を96ウェル磁気スタンドで1分間かけて分離させ、そして上清を取り出す。
b. 200μLの予熱した洗浄緩衝液#2を添加する。ゆっくりとピペット操作により10回上下させ、ビーズを再懸濁させる。ピペット操作により洗浄緩衝液を上下させて緩衝液を直接ペレット化したビーズに分注すると、それらはより高速に再懸濁される。
c. ウェルにキャップをする。ホットトップを使用してサーマルサイクラー上で10分間65℃でサンプルをインキュベートする。
d. ステップaからステップcを繰り返し、合計3回洗浄する。
e. すべての洗浄緩衝液#2が確実に除去されるようにする。
f. 23μLのヌクレアーゼ非含有水を添加し、5秒間ボルテックスしてビーズを再懸濁させ、そしてPCRステップへと進む。
ステップ12:25μLのSureSelectQXT Herculase II Master Mix(Agilent Technologies, Inc)を、捕捉されたDNAが結合しているストレプトアビジンビーズの23μLのサンプルのそれぞれに添加する。
ステップ13:1μLの好適なインデックス、例えば、2つのP5 i13又はi14の1つ、及び8つのP7 i1〜i8の1つ(Agilent Technologies, Inc)のそれぞれを添加する。
ステップ14:サーマルプログラムをSureCycler8800で遂行する。
捕捉後のPCRインデックス化サイクリングプロファイル
ステップ15:AMPureXPビーズ精製。
1. ストリップチューブ/プレートを磁気スタンド上で2分間置くことにより、Dynal MyOneT1ストレプトアビジンビーズを捕捉後の増幅反応液から除去する。次いで、50μLのPCR反応液を取り出し、新しいストリップチューブ/プレートに入れる。Dynal MyOneT1ストレプトアビジンビーズはここで捨てることができる。
2. 60μLの均質なAMPure XPビーズを捕捉後増幅反応液のそれぞれに添加する。勢いよくピペット操作により20回上下させることによりよく混合する。ビーズが均一に混合されることを確実にするよう確認する。ビーズは均質に一色であるべきであり、液体の層が存在してはならない。
3. チューブを5分間室温でインキュベートする。
4. チューブを96ウェル磁気スタンド中に置く。溶液が清澄となるよう5分間待機する。磁気スタンド中のチューブを攪乱してはならない。
5. 清澄となった溶液を慎重に捨てる。ビーズを全く取り出さないことを確実にする。
6. チューブを磁気スタンド中に維持し続けながら、200μLの70%エタノールを各サンプルウェル中に分注する。
7. 70%エタノールを1分間放置して、すべての攪乱されたビーズを沈ませ、次いでエタノールを除去する。合計2回の洗浄のために、ステップ6及びステップ7を1回繰り返す。エタノールを可能な限り多く除去することを確実にする。
8. 蓋を開けて37℃で1分間〜3分間サーマルサイクラー上でサンプルを乾燥する。ビーズを過剰に乾燥させてはならない。
9. 25μLのヌクレアーゼ非含有水を添加する。ボルテックスによりよく混合する。ビーズを短時間遠心沈降させ、そして2分間室温でインキュベートする。
10. 溶液が清澄となるまで、サンプルを96ウェル磁気スタンド上に2分間置く。25μLの上清を新しいLoBindチューブに取り出す。
この時点で、必要があれば、アッセイを停止させてもよい。その場合、プレートを密封し、そして−20℃で保管する。
ステップ16:DNAサンプルを2100バイオアナライザHigh Sensitivityアッセイにより評価する。バイオアナライザエレクトロフェログラムプロファイルは図2〜図4と同様になるはずである。
ステップ17:多重シーケンシングのためのサンプルをプールする。
単一のシーケンシングレーンにおいて多重とすることができるインデックス化されたライブラリの数は、研究設計に必要なシーケンシングデータの量とともに、使用するプラットフォームの出力仕様によって決定される。プラットフォームの能力及び1サンプルあたりに必要とされるシーケンシングデータの量に応じて、1レーンあたり混合することができるインデックスの数を計算する。
1. それぞれのインデックスでタグ付けされたサンプルがプール中で等モル量で存在するようにライブラリを合わせる。各ライブラリについて、使用されるインデックス化されたサンプルの量を決定するために下記式を使用する。

インデックスの体積=V(f)×C(f)/{#×C(i)}

(式中、V(f)は、プールの所望の最終体積であり、
C(f)は、プール中のすべてのDNAの所望の終濃度であり、
#は、インデックスの数であり、及びC(i)は、各インデックス化サンプルの初濃度である。)
以下の表は、10nMで20μLの最終体積に必要とされる、(異なる濃度の)4つのインデックスでタグ付けされたサンプル及び低TEの量の例を示す。
2. プールしたライブラリの最終体積を所望の終濃度となるよう調整する。
4. 用途
上記のように、標的化次世代シーケンシング技術のための主な障壁及び律速ステップは、迅速かつ対費用効果の高い様式で、ゲノム、ミトコンドリア及びその他の形態のDNAにわたって散在している標的化エクソン領域又は標的化イントロン領域を選択的に捕捉及び濃縮する初期段階のステップであった。上記で開示される緩衝液により、核酸ハイブリダイゼーションをはるかにより速く完了することが可能となり、それにより、標的化次世代シーケンシング全体を高速化するために用いることができる。
一般に、標的化ゲノムDNA断片の捕捉及び増幅のためのプロセスは以下の通りである。(1)DNAを、核酸を含む生物学的サンプルから抽出する、(2)抽出したDNAを、機械的、超音波的又は酵素的なアプローチを含む様々な手段により断片化する、(3)標的化DNA断片を、DNA断片と相補的なDNA及び/又はRNAプローブ又はベイトとをハイブリダイズさせることにより選択的に捕捉する、(4)ハイブリダイゼーションプローブに結合しなかったDNA断片をまず洗い流し、一方、ハイブリダイゼーションプローブに結合したDNA断片を次のステップで適切な条件下で溶離する、(5)捕捉したDNAを下流の用途に用いる。
より多量の捕捉したDNAが必要な場合、一対のユニバーサルプライマーを使用することによりポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行って、捕捉したDNA断片を増幅する。ステップ(2)又はステップ(4)のいずれかの後に、特異的に設計した配列のユニバーサルDNAプライマー(アダプター又はインデックス化アダプターとしても知られる)をすべてのDNA断片の5’末端及び3’末端に連結する。或いは、抽出したDNAをアダプター付加(loaded)トランスポサーゼ酵素により断片化する場合、ステップ(2)の最中にアダプターを結合してもよい。詳細な手順は、例えば、Agilent Technologies, Inc.により市販されている、SureSelect Target Enrichment System(商標)及び特許文献1においてみることができる。従来のハイブリッド・キャプチャーの手順によると、一般に、ステップ(1)〜(4)を完了するために少なくとも2日間かかる。実際、ハイブリダイゼーションステップ(即ち、上記ステップ(3))は、それ自体で通常、16時間〜70時間を超える範囲の期間を消費する。前掲を参照されたい。
DNA断片を捕捉するために、DNA及び/又はRNAベイト/プローブのハイブリダイゼーションは、固体担体物質上又は液体溶液中で行う。この捕捉ステップ(上記のプロセスにおけるステップ3)は、プロセス全体のために非常に重要である。捕捉の特異性は、ハイブリダイゼーションベイト/プローブのDNA又はRNA配列によって決定される。任意の生物種からのゲノムDNA及びミトコンドリアDNAの任意の所望の領域の選択的捕捉は、ハイブリダイゼーションステップを実施するための、対費用効果が高く、かつ、柔軟な方法を必要とする。これらのDNA及び/又はRNAベイト/プローブは、目的の生物種のゲノムDNA及びミトコンドリアDNA中の目的の領域に対して正確に相補的な配列を有さなければならない。捕捉の能力は、ハイブリダイゼーションにおける使用のために利用可能な異なるプローブの数及び長さの組み合わせによって決定される。プローブの長さがより長ければ、捕捉のための同じDNA領域をカバーするために必要なプローブの数は少なくてよい。捕捉の柔軟性は、プローブが作製され、固体担体物質上に置かれるか、液体溶液中に混合される方法によって決定される。これらのハイブリダイゼーションDNA及び/又はRNAベイトは、すべてのエクソン、又は任意のエクソンのサブセット、又は任意の生物種からのゲノム、ミトコンドリア及びその他の形態のDNAの任意のその他の所望の領域を、選択的に捕捉する総合的な能力及び柔軟性を有さなければならない。市場で競争することを可能とするためには、特異性、能力、柔軟性、及び適時性が、対費用効果の高い様式で達成されなければならない。
本明細書中に開示されるように、核酸ハイブリダイゼーション選択的捕捉ステップは、約1時間もの短い期間内で完了することができ、結果として、標的化ゲノムDNA断片の捕捉及び増幅のためのプロセス全体は、従来のアプローチを用いた場合2日間以上かかるのに対して、8時間以内で完了することができる。
5. キット
本発明の更に別の態様において、上記のハイブリダイゼーション組成物又はその濃縮緩衝液と、本明細書に記載する組成物及び方法を用いてハイブリダイゼーションアッセイを行うための説明書とを含むキットが提供される。説明書は、本開示の方法、組成物、又はそれらの両方を含む。一つの実施形態において、キットは、上記で開示される1又は複数の更なる作用剤を有するハイブリダイゼーション組成物を更に含み、好ましくは、pHは、例えば、pH6.0〜11.0に維持され、pHは好ましくは、そのpH範囲にて有用な緩衝能を有する緩衝液を用いて維持される。
組成物は、ビン、特に、計量用クロージャを含むビンに入れることができる。計量用クロージャは、適量の組成物を分注するために、特に、濃縮組成物を分注してより希釈された溶液又は混合物とする場合に、便利な方法を提供する。ビンはまた、好ましくは、より容易にかつ浪費又は溢流が少なくなるよう組成物を分注することを可能とする流し戻し口(drain-back spout)を含む。好適なビンの非限定的な例は、米国特許第4,666,065号、米国特許第4,696,416号、及び米国特許第4,981,239号に詳細に記載されている。
標的化次世代シーケンシングにおける使用のために、キットは、プライマー、アダプター、並びにAgilent Technologies, Inc.、Illumina, Inc.、454 Life Sciences、Life Technologies Corporation、Affymetrix, Inc及びその他によって提供されるシステム及びプラットフォームにおいて用いられる、又はそれらと適合性のその他の試薬を更に含んでいてもよい。その目的のために、本明細書に開示される方法及び次世代シーケンシングのための1又は複数の反応成分を、キットの形態で供給することができる。このようなキットにおいて、適量の1又は複数の反応成分は、1又は複数の容器中に提供されるか、又は基体上に(例えば、静電相互作用又は共有結合によって)保持される。
本明細書に記載する方法を行うための試薬を含むキットは、1又は複数の上記の成分を含んでいてもよい。成分は、種々の形態で提供することができる。例えば、成分は、水溶液中に懸濁されていてもよいし、又はフリーズドライ若しくは凍結乾燥した粉末、ペレット、若しくはビーズであってよい。後者の場合、成分は、再構成されると、アッセイにおける使用のための、成分の完全な混合物を形成する。
キットは、少なくとも1つのアッセイに十分な量の、本明細書に記載する成分の任意の組み合わせを含んでいてよく、実体のある形態で記録された、成分の使用のための説明書を更に含んでいてもよい。いくつかの適用において、1又は複数の反応成分は、個別の、典型的には使い捨ての、チューブ又は相当する容器中に、予め計量された単回使用量で提供してもよい。このような用意により、標的核酸の存在について濃縮されるべきサンプルを個別のチューブに添加することができ、かつ増幅が直接行われる。キットにおいて供給される成分の量は、任意の適量とすることができ、製品が向けられる標的市場に依存し得る。適量を決定するための一般的な指針は、例えば、Joseph Sambrook and David W. Russell, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001及びFrederick M. Ausubel, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, 2003にみることができる。
本発明のキットは、本発明の方法を実施するために有用な任意の数の更なる試薬又は物質を含んでいてもよい。そのような物質としては、これらに限定されないが、細胞の溶解のための試薬(緩衝液を含む)又は望ましくないヌクレアーゼを阻害するその他の作用剤、反応の成分が適切に機能することを確実にするために使用されるコントロールDNA、DNA断片化試薬(緩衝液を含む)、増幅反応試薬(緩衝液、ポリメラーゼ、及びヌクレオチドを含む)及び洗浄溶液が挙げられる。本発明のキットは、あらゆる温度で提供することができる。例えば、タンパク質成分又はその複合体を液体中で含有するキットの保管のためには、それらを0℃より低温、好ましくは−20℃以下、又は別の方法で凍結状態で、提供し、かつ維持するのが好ましい。
成分が供給される容器(複数の場合もあり)は、供給された形態を保持することができる任意の従来の容器であってもよく、例えば、マイクロチューブ、アンプル、ビン、又は一体式試験装置、例えば、流体素子、カートリッジ、側方流動、若しくはその他の同様の装置が挙げられる。キットは、標的核酸の濃縮又は検出における使用のための標識化又は非標識化核酸プローブ/ベイトを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、キットは、本明細書に記載するいずれかの方法において成分を使用するための説明書を更に含んでいてもよい。そのようなキット及びシステムのための典型的な包装材としては、反応成分又はプローブを、種々の配置(例えば、バイアル、マイクロタイタープレートウェル、マイクロアレイ中等)のいずれかで保持する固体マトリックス(例えば、ガラス、プラスチック、紙、ホイル、微小粒子等)が挙げられる。
6. 更なる定義
「核酸」は、DNA分子(例えば、cDNA又はゲノムDNA)、RNA分子(例えば、mRNA)、又はDNA類似体若しくはRNA類似体のことをいう。DNA類似体又はRNA類似体は、ヌクレオチド類似体から合成することができる。核酸分子は、一本鎖であっても二本鎖であってもよいが、二本鎖DNAであるのが好ましい。
本明細書において用いる場合、「ベイト」又は「プローブ」配列とは、目的の標的核酸と相補的な、長い合成オリゴヌクレオチド又は長い合成オリゴヌクレオチドに由来する(例えば、長い合成オリゴヌクレオチドを用いて生成した)オリゴヌクレオチドをいう。或る特定の実施形態において、ベイト配列のセットは、マイクロアレイにおいて合成され、マイクロアレイから切断及び溶離されたオリゴヌクレオチドに由来する。別の実施形態において、ベイト配列は、例えば、ヒトDNA又はプールされたヒトDNAサンプルを鋳型として用いる核酸増幅方法によって生成される。
ベイト配列は、好ましくは、約70ヌクレオチド長〜1000ヌクレオチド長、より好ましくは、約100ヌクレオチド長〜300ヌクレオチド長、より好ましくは、約130ヌクレオチド長〜230ヌクレオチド長及び更により好ましくは、約150ヌクレオチド長〜200ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドである。エクソン及びその他の短い標的の選択のために、好ましいベイト配列の長さは、約40ヌクレオチド〜1000ヌクレオチド、例えば、100ヌクレオチド〜約300ヌクレオチド、より好ましくは、約130ヌクレオチド〜約230ヌクレオチド、及び更により好ましくは、約150ヌクレオチド〜約200ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドである。捕捉ベイトの長さと比較して長い標的、例えば、ゲノム領域の選択のためには、好ましいベイト配列の長さは、典型的には、上記の短い標的のためのベイトと同じサイズ範囲にあるが、ただし、隣接する配列の標的化を最小化する目的のみのためなら、ベイト配列の最大サイズを限定する必要はない。ベイト配列のためのより長いオリゴヌクレオチドを調製する方法は、当該技術分野において既知である。
本明細書において用いる場合、「オリゴヌクレオチド」という用語は、典型的には、300ヌクレオチド長以下(例えば、5ヌクレオチド長〜150ヌクレオチド長の範囲、好ましくは、10ヌクレオチド長〜100ヌクレオチド長の範囲、より好ましくは、15ヌクレオチド長〜50ヌクレオチド長の範囲)の短いポリヌクレオチドのことをいう。しかし、本明細書において用いる場合、この用語はまた、より長いポリヌクレオチド鎖又はより短いポリヌクレオチド鎖を包含する意図でもある。「オリゴヌクレオチド」はその他のポリヌクレオチドとハイブリダイズすることができ、それゆえ、ポリヌクレオチドの検出のためのプローブ、又はポリヌクレオチド鎖伸張のためのプライマーとして作用することができるものである。
いくつかの実施形態において、ベイト配列のセットにおけるベイト配列は、RNA分子である。RNA分子は、RNA−DNA二本鎖はDNA−DNA二本鎖よりも安定であるため、好ましくは、ベイト配列として使用され、それゆえ潜在的により良好な核酸の捕捉を提供する。RNAベイト配列は、in vitro転写を含む当該技術分野において既知の任意の方法を用いて合成することができる。RNAをビオチン化UTPを用いて合成すると、一本鎖のビオチンで標識されたRNAベイト分子が生成する。好ましい実施形態において、RNAベイトは、二本鎖DNA標的の一方の鎖のみに対応する。当業者であれば認識するであろうように、そのようなRNAベイトは自己相補的ではなく、それため、ハイブリダイゼーションドライバとしてより有効である。或る特定の実施形態において、RNaseに耐性のRNA分子が合成される。そのような分子及びそれらの合成は、当該技術分野において既知である。
本明細書において用いる場合、「標的核酸」又は「標的」という用語は、同定すべき標的核酸配列を含有する核酸のことをいう。標的核酸は一本鎖であっても二本鎖であってもよく、しばしば、DNA、RNA、DNA若しくはRNAの誘導体、又はそれらの組み合わせである。「標的核酸配列」、「標的配列」又は「標的領域」とは、一本鎖核酸の配列の全部又は一部を含む具体的な配列を意味する。標的配列は核酸鋳型内にあってもよく、核酸鋳型は、一本鎖核酸又は二本鎖核酸のいずれの形態であってもよい。鋳型は、精製若しくは単離された核酸であってもよいし、又は非精製若しくは非単離であってもよい。
通常、ポリヌクレオチドの一部又は全部のなかに存在する標的又は標的核酸は、通常、ポリヌクレオチド分析物である。標的ヌクレオチド配列の同一性は一般に、その標的物質とハイブリダイズできる様々なプローブ/ベイト配列の調製を可能とするために十分な程度に知られている。標的物質は、通常、約30〜5000以上のヌクレオチド、好ましくは、50〜1000のヌクレオチド、及びより好ましくは、200〜500のヌクレオチドを含有する。標的物質は、一般に、より大きな分子の断片であるか、又は、標的物質は、分子、例えば、上記のポリヌクレオチドの実質的に全体であってもよい。標的物質におけるヌクレオチドの最小数は、サンプル中の標的ポリヌクレオチドの存在が、サンプル中のポリヌクレオチドの存在の特異的指標となることを保証するように選択する。標的物質におけるヌクレオチドの最大数は、通常、いくつかの因子、すなわち、標的物質が由来するポリヌクレオチドの長さ、そのようなポリヌクレオチドが単離の際の剪断又はその他のプロセスによって分解される傾向、解析のためのサンプルを調製するために必要な任意の手順、例えばDNA鋳型のRNAへの転写、及び、適当な場合、標的ヌクレオチド配列の検出効率、増幅効率、又はそれら両方の効率に支配される。
本明細書中に開示されるように、多くの値の範囲が提供される。文脈により明らかに逆のことが示されない限り、その範囲の上限及び下限の間にある各値もまた、下限の単位の10分の1まで、具体的に開示されているということを理解すべきである。任意の記載された値又は記載された範囲内にある値と記載された又はその記載された範囲内にある任意のその他の値との間のより小さい各範囲が、本発明に包含される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立して、この範囲中に含まれるか又は除外される場合があり、上限及び下限の一方若しくは両方がそのより小さい範囲に含まれるか、両方が含まれないような各範囲はまた、記載された範囲における具体的に除外された限界値に従って、本発明に包含される。記載された範囲が限界値の一方又は両方を含む場合、それらの含められた限界値の一方又は両方を除外する範囲もまた、本発明に含まれる。
「約」という用語は、一般に、示された数の±10%のことをいう。例えば、「約20」は、18〜22の範囲を示すことができ、「約1」は、0.9〜1.1を意味することができる。「約」のその他の意味は文脈から明らかにすることができ、例えば、四捨五入を意味する場合、例えば、「約1」はまた、0.5〜1.4を意味することもできる。
本明細書において用いる場合、「接触させる」という用語及びその変形は、任意の成分のセットに関連して用いられる場合、接触されるべき成分が混合されて同一の混合物となる(例えば、同じ区画又は溶液へと添加される)あらゆるプロセスを含み、言及された成分の間の実際の物理的な接触を必ずしも必要としない。言及された成分は、いずれの順序で接触されてもよく、又はいずれの組合せ(若しくは部分的組合せ)であってもよく、言及された成分の1つ又はいくつかが、場合によりその他の言及された成分の添加の前に、引き続いて混合物から取り出されるような状況をも含むことができる。例えば、「Aと、B及びCとを接触させる」には、以下の状況のいずれもすべて含まれる。(i)AがCと混合され、次いでBが混合物に添加される;(ii)AとBとが混合されて混合物となり;Bが混合物から取り出され、次いでCが混合物に添加される、並びに(iii)AがBとCとの混合物に添加される。「鋳型と反応混合物とを接触させる」には、以下の状況のいずれもすべて含まれる。(i)鋳型が反応混合物の第1の成分と接触して混合物が生成し、次いで反応混合物のその他の成分が任意の順序又は組合せで混合物に添加される、及び(ii)反応混合物が鋳型との混合の前に完全に形成される。
7. 実施例
本実施例において、上記のハイブリダイゼーション緩衝液及び方法を使用して、標的化次世代シーケンシングの解析のためにヒトゲノムDNAからの標的化エクソン領域を選択的に捕捉及び濃縮した。
簡潔に説明すると、ヒトゲノムDNA(gDNA)サンプルを、当該技術分野において既知の方法を用いて、断片化及び末端修飾した。次いで、ハイブリダイゼーション及び増幅を介する標的濃縮を、断片化及び末端修飾したgDNAを用いて行った。この目的のために、従来のナトリウムベースのハイブリダイゼーション緩衝液並びに2つのマグネシウムベースのハイブリダイゼーション緩衝液である、緩衝液(A)及び緩衝液(B)を使用し、そして比較した。ナトリウムベースのハイブリダイゼーション緩衝液は、5×SSPE、5×デンハルト液、5mMのEDTA、及び0.1%SDSを含有していた。緩衝液(A)は、308mMのMgCl・6HO及び20mMのTris(pH8)を含んでいた。緩衝液(B)は、0.00834%HPMCも含む点を除いて緩衝液(A)と同じであった。各緩衝液を、適量の濃縮液と、DNA及びRNAベイトとを混合することにより、5×ハイブリダイゼーション濃縮緩衝液から調製した。緩衝液(B)のための5×濃縮緩衝液は、1540mMのMgCl・6HO、0.0417%HPMC、及び100mMのTris(pH8)を含有していた。
ハイブリダイゼーションは、24時間又は1時間の従来の一定温度(65℃)のインキュベーションを用いるか、又は1時間の2温度(65℃及び37℃)サイクリングインキュベーションを用いて行った。この2温度サイクリングインキュベーションのプロファイルを以下の表に示す。
サイクリングプロファイル:ブロッキング及び高速ハイブリダイゼーション
次いで、ハイブリダイゼーションからの捕捉したDNAのサンプルを、製造業者の指示に従って1μlの各サンプルを2100バイオアナライザでDNA1000アッセイ(Agilent Technologies, Inc.)を用いて泳動することによって、解析した。バイオアナライザエレクトロフェログラムプロファイルを図1〜図4に示す。
図1に示すように、従来のナトリウムベースのハイブリダイゼーション緩衝液及び一定温度インキュベーションを用いた場合、1時間インキュベーション後と比較して、24時間インキュベーションの後にはるかに大量のgDNAが捕捉された。これらの結果は、満足なDNAサンプルを得るためにはより長いインキュベーション時間(例えば、24時間)が必要であること、及びより短い期間は、従来のナトリウムベースのハイブリダイゼーション緩衝液を用いる場合には望ましくないということを示す。
一方、高速のマグネシウムベースのハイブリダイゼーション緩衝液(A)及び2温度サイクリングインキュベーションを用いた場合、1時間のハイブリダイゼーションは、従来のナトリウムベースのハイブリダイゼーション緩衝液を用いて24時間インキュベーションした後に得られる量に匹敵する量又はより大量の捕捉されたgDNAをもたらした。図2を参照されたい。これらの結果は、緩衝液(A)及びサイクリングインキュベーション手順がより効率的であることを示す。
実際、1時間ハイブリダイズさせた場合、緩衝液(A)は、従来のナトリウムベースのハイブリダイゼーション緩衝液と比べてはるかにより多くのgDNAの捕捉をもたらした。そして、2温度サイクリングインキュベーションは、従来のナトリウムベースのハイブリダイゼーション緩衝液との組み合わせに関連して使用した場合にも捕捉されたgDNA量を上昇させたが、高速のマグネシウムベースのハイブリダイゼーション緩衝液により到達された程度には及ばなかった。図3を参照されたい。
より驚くべきことに、HPMCをハイブリダイゼーションに含めた場合、更により多くのgDNAが捕捉された。図4に示すように、HPMCを含有する緩衝液(B)による1時間の2温度サイクリングインキュベーションの結果、従来のナトリウムベースのハイブリダイゼーション緩衝液での24時間インキュベーションの後に得られた量と比較してほぼ3倍の量のgDNAが捕捉された。図2及び図4を比較されたい。これらの結果は、HPMCが捕捉効率を更に上昇させたことを示す。
上記のハイブリダイゼーション緩衝液及びインキュベーションプロファイルを用いて捕捉及び濃縮されたゲノムDNAを次世代シーケンシング解析に用いた。結果として得られた性能パラメータ(正確率(On Target rate)、重複率、及び適用範囲)を図5に示す表に提示する。高速のマグネシウムベースのハイブリダイゼーション緩衝液(B)及び2温度サイクリングインキュベーションを用いて捕捉されたgDNAについての性能パラメータは、従来のアプローチにより捕捉されたものに匹敵するか又はそれより優れているものであることが判明した。
好ましい実施形態の上記の実施例及び記載は、特許請求の範囲により規定される本発明を限定するものではなく、例示するものと解釈すべきである。容易に認識されるように、上記の特徴の多数の改変及び組合せが、特許請求の範囲に示す本発明から逸脱することなく実施することができる。そのような改変は本発明の範囲から逸脱するものとみなされるものではなく、すべてのそのような改変は以下の特許請求の範囲内に含まれる意図である。本明細書において引用したすべての文献は、それらの全体が引用することによって本明細書の一部をなすものとする。

Claims (10)

  1. 核酸ハイブリダイゼーション用の組成物であって、約100mM〜約600mMの範囲の濃度を有する二価カチオンの塩と緩衝剤とを含み、前記塩及び前記緩衝剤が約2.5:1〜約60:1のモル比で存在する組成物。
  2. 約0.002重量%〜約15重量%の範囲の濃度を有する体積排除/増粘剤を更に含む請求項1に記載の組成物。
  3. 前記緩衝剤が、約10mM〜約40mMの範囲の濃度を有する請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記二価カチオンが、マグネシウム、カルシウム、マンガン、コバルト、亜鉛、及びカドミウムからなる群から選択される請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記体積排除/増粘剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチセルロース、及びヒドロキシルメチルセルロースからなる群から選択される請求項2〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記体積排除/増粘剤が、デキストラン及びポリエチレングリコール(PEG)からなる群から選択される請求項2〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記緩衝剤が、Tris、HEPES、TAPS、Tricine、Bicine、Bis−Tris、NaOH、KOH、TES、EPPS、及びMOPSからなる群から選択される請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. ハイブリダイゼーション溶液を調製するための濃縮緩衝液であって、2倍〜20倍の範囲の希釈により、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物がもたらされる濃縮緩衝液。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物又は濃縮緩衝液と、そのための包装材とを含む核酸ハイブリダイゼーション用のキット。
  10. 標的核酸及びベイト核酸と、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物とを接触させて、ハイブリダイゼーション混合物を形成するステップと、
    前記ハイブリダイゼーション混合物を第1の温度で第1の期間変性させるステップと、
    前記混合物を第2の温度で第2の期間ブロッキングするステップと、
    前記混合物を、(i)第3の温度で第3の期間、及び次いで、(ii)第4の温度で第4の期間、インキュベートするステップと、
    前記インキュベートするステップを1回又は複数回繰り返すステップと
    を含む、標的核酸とベイト核酸とを核酸ハイブリダイゼーションする方法。
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