JPH08100898A - ガス供給装置 - Google Patents

ガス供給装置

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JPH08100898A
JPH08100898A JP23815594A JP23815594A JPH08100898A JP H08100898 A JPH08100898 A JP H08100898A JP 23815594 A JP23815594 A JP 23815594A JP 23815594 A JP23815594 A JP 23815594A JP H08100898 A JPH08100898 A JP H08100898A
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Akifumi Kobayashi
明文 小林
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Tokio Yoshida
時男 吉田
Kazuhiro Obara
一洋 小原
Shinji Kumagai
信治 熊谷
Takuya Matsumoto
拓也 松本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は燃料タンクの残留圧力を推定できる
よう構成したガス供給装置を提供することを目的とす
る。 【構成】 ガス供給装置1は、圧力発生ユニット4と、
ディスペンサユニット5と、制御装置47とを有する。
ディスペンサユニット5は、ガス供給開閉弁29、1次
圧力伝送器30、流量計31、圧力制御弁32、2次圧
力伝送器33を有する。制御装置47は、着脱カプラ4
0が燃料タンク3の着脱カプラ42に接続された後、ガ
ス供給開閉弁29を開弁するとともに圧力制御弁32の
弁開度を微少にして微少流量のガスを燃料タンク3に供
給し、且つ微少流量の圧力上昇率が燃料タンク3の逆止
弁46が開弁して微少流量供給開始時よりも低下したこ
とが検出されたとき、2次圧力伝送器33により検出さ
れた圧力値に基づいて燃料タンク3の残留圧力を推定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガス供給装置に係り、特
にガス充填前に被充填タンクの残留圧力を推定するよう
構成したガス供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、天然ガスを圧縮した圧縮天然ガ
ス(CNG)等を別のタンクに供給するガス供給装置と
しては、実開平4−64699号公報にみられるような
装置がある。当該公報の装置は、圧縮されたガスを急速
充填する方式が採用されており、圧縮機により所定圧以
上に昇圧されたガスをガス供給タンクに一旦貯めてお
き、そしてガス供給タンクに貯められたガスを自動車の
燃料タンク(被充填タンク)に注入して燃料タンク内が
所定圧に達するまで充填されるようになっている。
【0003】自動車の燃料タンクへのガス供給量は流量
計により計測されており、燃料タンクに充填された総流
量を知ることができ、燃料タンクに充填された圧力は圧
力に応じた信号を出力する圧力伝送器により検出でき
る。又、装置本体から引き出されたガス充填ホースの先
端には、燃料タンクの接続部(例えばクイックカプラ等
よりなる)に接続される接続部材(例えばクイックカプ
ラ等よりなる)が設けられており、この接続部材はガス
供給前に自動車の燃料タンクに接続され、ガス充填完了
後に燃料タンクから外される。
【0004】ところが、接続部材内の圧力が高圧になっ
ていると接続部材を燃料タンクの接続部から外すことが
できないため、ガス充填完了後に接続部材を燃料タンク
から外す際は、作業者がガス充填ホースに設けられた手
動式の三方弁を切り換えて接続部材内の残留ガスを低圧
タンクに回収させて接続部材内を大気圧に減圧させてい
た。そして、作業者は、三方弁を切り換える前に、燃料
タンクに充填されたガスが低圧タンクに流出することを
防止するため、燃料タンクの接続部に設けられた開閉弁
を閉弁させる。
【0005】従って、作業者は、接続部材内を大気圧に
減圧する前に燃料タンクの接続部に設けられた開閉弁が
閉弁されていることを確認して、三方弁を切り換えて接
続部材内に残留する高圧ガスを低圧タンクに回収させて
接続部材内を減圧する。
【0006】上記接続部材内の減圧操作が終了すると、
上記接続部材は燃料タンクの接続部から軽い力で外すこ
とができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記構成の
ガス供給装置では、燃料タンクに満タン充填を行う場
合、燃料タンクの残留圧力に関係なくガスを充填できる
ので、燃料タンクに残留している圧力を測定する必要が
ない。従って、満タン充填の場合、上記接続部材を燃料
タンクの接続部に接続した後、圧力制御弁の圧力制御動
作により段階的にガス供給圧力を高めるようにしてガス
を充填し、燃料タンクが目標の所定圧力に達するまでの
ガス充填量を流量計により計測していた。
【0008】ところが、満タン充填ではなく顧客に指定
された一定量のみをプリセット充填する場合、燃料タン
クに残留している圧力とガス供給圧力との圧力差が小さ
いと、燃料タンクの供給流量が急激に上昇して指定され
た一定量以上のガスを充填してしまうことがあり、圧力
制御弁の圧力制御動作を燃料タンクに残留している圧力
に基づいて行わなければならない。
【0009】そのため、被充填タンクへの充填前、ガス
供給開閉弁を開弁させてガス供給管路内を所定圧力に保
持し、ガス供給管路を被充填タンクの接続部に接続した
後、圧力検出手段により検出された圧力値により充填前
の被充填タンクの残留圧力を推定することが考えられて
いる。
【0010】ところが、このように被充填タンクへの充
填前、ガス供給開閉弁を開弁させてガス供給管路内を所
定圧力(例えば200kgf/cm2 程度)に保持する必要が
あるため、ガス充填ホース内も所定圧力に保持されてお
り、可撓性のガス充填ホースが内部圧力により剛性を有
することになる。従って、ガス充填作業時にガス充填ホ
ースの先端に設けられた接続部材を被充填タンクの接続
部に接続する際、ガス充填ホースがかなり固くなるの
で、作業者は接続作業がやりにくく思うように作業でき
ない。
【0011】又、ガス充填時以外もガス供給管路及びガ
ス充填ホース内を所定圧力に昇圧させるため、可撓性の
ガス充填ホースにかなりの高圧がかかり、ホース端部の
接続箇所に負担がかかり過ぎるといった心配がある。
【0012】しかも、被充填タンクへの充填前にガス供
給管路及びガス充填ホース内を所定圧力に昇圧させるま
でに時間がかかるため、前回のガス充填作業終了した後
に昇圧するまで待ち時間が必要になり、ガス充填作業を
連続で行うことができない。
【0013】そこで、本発明は上記課題を解決したガス
供給装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧縮されたガ
スを貯蔵するガス供給タンクと、該ガス供給タンクに接
続され、前記ガス供給タンクから供給されたガスを被充
填タンクへ導くガス供給管路と、該ガス供給管路に配設
されたガス供給開閉弁と、前記ガス供給管路の圧力を制
御する圧力制御弁と、前記該ガス供給開閉弁の下流に位
置するよう前記ガス供給管路に配設され、前記ガス供給
管路内の圧力を検出する圧力検出手段と、一端が前記ガ
ス供給管路の下流側端部に接続され、他端が前記被充填
タンクの逆止弁を有する被充填側管路に接続されるガス
充填ホースと、該ガス充填ホースの端部が前記被充填タ
ンクに接続された後、前記ガス供給開閉弁を開弁すると
ともに前記圧力制御弁の弁開度を微少にして微少流量の
ガスを前記ガス充填ホースを介して前記被充填タンクに
供給するガス充填供給開始手段と、該ガス充填供給開始
手段により供給された微少流量の圧力変化を検出する圧
力変化検出手段と、該圧力変化検出手段により圧力変化
が検出されたとき、前記圧力検出手段により検出された
圧力値に基づいて前記被充填タンクの残留圧力を推定す
る圧力推定手段と、よりなることを特徴とする。
【0015】
【作用】ガス充填ホースの端部が被充填タンクに接続さ
れた後、ガス供給開閉弁を開弁するとともに圧力制御弁
の弁開度を微少にして微少流量のガスをガス充填ホース
を介して被充填タンクに供給し、且つ微少流量の圧力変
化が検出されたとき、圧力検出手段により検出された圧
力値に基づいて被充填タンクの残留圧力を推定する。そ
のため、被充填タンクの残留圧力に応じた供給圧力によ
り被充填タンクへのガス充填を行うことができる。よっ
て、顧客に指定された一定量のみをプリセット充填する
場合でも、燃料タンクへの供給流量が急激に上昇するこ
とを防止して指定された一定量のガスを正確に充填しう
る。
【0016】
【実施例】図1乃至図4に本発明になるガス供給装置の
一実施例を示す。
【0017】各図中、ガス供給装置1は、例えば自動車
2の燃料タンク(被充填タンク)3に都市ガスを所定圧
力に圧縮した圧縮天然ガス(CNG)を供給するガス供
給ステーションなどに設置されている。
【0018】ガス供給装置1は、大略、都市ガスを所定
圧力に圧縮し加圧されたガスを生成する圧力発生ユニッ
ト4と、圧力発生ユニット4により圧縮されたガスを燃
料タンク3に供給するためのディスペンサユニット5
と、よりなる。
【0019】圧力発生ユニット4は、都市ガス等が家庭
に分岐される前の中圧管路10に接続された分岐管路1
1に、ガスを圧縮する多段式のコンプレッサ12が配設
されている。コンプレッサ12は、例えばガスを圧縮す
るためのシリンダが複数(3個または4個)設けられ、
前段のシリンダで圧縮されたガスを次段のシリンダでさ
らに高い圧力に加圧するようになっており、中圧管路1
0から供給されたガスを段階的に圧縮する。
【0020】さらに、コンプレッサ12から引き出され
た高圧管路13には、コンプレッサ12により生成され
たガスの逆流を防止する逆止弁14と、電磁弁よりなる
開閉弁17と、圧力伝送器18と、が配設されている。
さらに、高圧管路13から分岐した分岐管路15の端部
には、高圧ガス蓄圧器16が接続されている。尚、高圧
ガス蓄圧器16は、一般に文献等では蓄ガス器とも呼ば
れている。
【0021】上記コンプレッサ12は開閉弁17が閉弁
された状態で駆動されると、コンプレッサ12により圧
縮された高圧ガスが高圧ガス蓄圧器16に供給される。
尚、本実施例では、コンプレッサ12は高圧ガス蓄圧器
16が250kgf/cm2 に昇圧するまで圧縮されたガスを
供給する。
【0022】上記圧力伝送器18は、内部に高圧管路1
3を流れるガスの圧力を検出する圧力センサが設けられ
ており、ガスの圧力に応じた検出信号を制御回路19及
び制御装置47に送信する。
【0023】従って、コンプレッサ12により圧縮され
たガスが高圧ガス蓄圧器16へ供給される工程では、制
御装置47からの指令により開閉弁17が閉弁される。
そして、高圧ガス蓄圧器16内の圧力が所定圧力に達す
ると、圧力発生ユニット4は充填作業可能な待機状態と
なる。
【0024】又、圧力発生ユニット4とディスペンサユ
ニット5との間は、ガス供給管路28を介して接続され
ている。そして、ディスペンサユニット5内に延在する
ガス供給管路28には、電磁弁よりなりガス供給管路2
8を連通又は遮断するガス供給開閉弁29と、圧力発生
ユニット4から供給されたガスの1次圧力を検出する1
次圧力伝送器30と、ガス供給管路28を流れるガスの
供給量を計測する質量流量計31と、下流側へ給送され
るガス圧力を所定圧力に制御する圧力制御弁32と、圧
力制御弁32により制御された2次圧力を検出する2次
圧力伝送器33と、手動式の三方弁34と、所定以上の
力で引っ張られたとき分離する緊急離脱カプラ35と、
が配設されている。
【0025】質量流量計31は、センサチューブと呼ば
れる管路を振動させ、この振動する管路内を流れるガス
流量に応じたコリオリ力による管路の流入側と流出側と
の位相差が流量に比例することを利用して流量計測を行
うコリオリ式の質量流量計である。従って、質量流量計
31は、高圧に圧縮されたガスの質量流量を正確に計測
することができ、ガス充填動作時は単位時間当たりの流
量計測値(又は単位時間当たりの流量パルス数)を制御
装置47に出力する。
【0026】又、圧力制御弁32は、制御装置47から
の指令により充填圧力を制御して燃料タンク3へ供給さ
れるガス供給量(流量は圧力×時間により求まる)を制
御するとともに、充填開始時及び充填終了時には充填圧
力が徐々に変化(増圧、減圧)するように圧力を制御し
て各機器が急激な圧力変化により破損することを防止す
る。
【0027】又、ガス供給開閉弁29は、圧力発生ユニ
ット4の元弁として機能するもので制御装置47からの
指令により自動的に開弁または閉弁する。尚、ガス供給
開閉弁29は、電磁弁の代わりに手動式の開閉弁を使用
しても良い。
【0028】1次圧力伝送器30と2次圧力伝送器33
とは、それぞれの取り付け位置で検出した圧力に応じた
検出信号を制御装置47に送信する。
【0029】三方弁34は手動操作により切り換えられ
る構成であり、ガス充填前及びガス充填後は、充填ポー
トbと排気ポートcとが連通されて流入ポートaが遮断
されている。又、ガス充填時は、流入ポートaと充填ポ
ートbとが連通するとともに排気ポートcが遮断するよ
うに切り換え操作される。
【0030】さらに、緊急離脱カプラ35には、高圧ガ
スに耐えうるガス充填ホース37の一端が接続され、ガ
ス充填ホース37の他端にはガス充填管路39が接続さ
れている。
【0031】ガス充填管路39の端部には、着脱可能な
着脱カプラ40が設けられている。着脱カプラ40は、
ディスペンサユニット5の筐体側面に設けられたカプラ
掛止部36に掛止されている。又、カプラ掛止部36に
は、着脱カプラ40が掛止されるとオンになり、着脱カ
プラ40が外されるとオンからオフに切り換わるカプラ
収納スイッチ36aが設けられている。
【0032】三方弁34の排気ポートcは、ガス供給終
了後、着脱カプラ40の離脱操作を可能にするため、着
脱カプラ40内の残留ガスを外部に逃がす低圧管路41
に接続されている。この低圧管路41は、大気開放もし
くは着脱カプラ40内の残留ガスを回収するガス回収経
路に連通されている。
【0033】又、緊急離脱カプラ35は、万が一着脱カ
プラ40が燃料タンク3側の着脱カプラ42に接続され
たまま自動車2が発車した場合に連結を解除するととも
に、緊急離脱カプラ35内部に設けられた逆止弁(図示
せず)が閉弁してガス漏れを防止する。
【0034】尚、上記着脱カプラ40と着脱カプラ42
とは、それぞれ内部に逆止弁(図示せず)が設けられて
おり、互いに連結されていないときは逆止弁が閉弁し、
着脱カプラ40と着脱カプラ42とが連結されると各逆
止弁が開弁位置に変位して相互に連通状態となる。
【0035】43は表示器で、燃料タンク3に充填され
たガス充填量及び充填圧力を表示する。
【0036】上記制御装置47は、上記各機器と接続さ
れるとともに、スタート釦51,表示器52,アラーム
装置53,充填表示ランプ54,ガス放出ランプ55,
停止釦56が接続されている。
【0037】制御装置47のメモリ(ROM)48に
は、燃料タンク3にガスを充填するガス充填プログラム
と、着脱カプラ40が燃料タンク3の着脱カプラ42に
接続されたとき、2次圧力伝送器33により検出された
圧力値により燃料タンク3の残留圧力を推定する圧力推
定プログラムと、ガス充填開始時の供給圧力が推定され
た燃料タンク3の残留圧力よりも予め設定された所定値
だけ高い圧力となるように圧力制御弁32の設定圧力を
調整する圧力調整プログラムと、が格納されている。
【0038】従って、制御装置47は、上記各プログラ
ムに基づいて質量流量計31から出力された流量パルス
を積算して流量を算出するとともに、ガス供給開閉弁2
9,1次圧力伝送器30,質量流量計31,圧力制御弁
32,2次圧力伝送器33の動作制御及び質量流量計3
1により計測された流量計測値の流量補正を実行する。
尚、制御装置47と上記制御回路19とは、相互に各制
御信号を受け渡しを行っており、互いに協働して各機器
の制御を行う。
【0039】又、高圧ガスが充填される自動車2の燃料
タンク3に接続された管路44には、上流側より上記デ
ィスペンサユニット5の着脱カプラ40が結合される着
脱カプラ42と、ガスを充填する際手動操作により開弁
される手動開閉弁45と、燃料タンク3に充填されたガ
スが逆流することを防止する逆止弁46とが配設されて
いる。
【0040】次に上記構成になるガス供給装置1におけ
るガス充填作業について説明する。
【0041】上記自動車2の燃料タンク3にガスを充填
する際、作業者は、先ず、ディスペンサユニット5のカ
プラ掛止部36から着脱カプラ40を外して自動車2の
着脱カプラ42に結合させる。そして、自動車2の手動
開閉弁45を開弁させるとともに、三方弁34の流入ポ
ートaと充填ポートbとが連通するように切り換える。
【0042】次に、作業者がスタート釦51をオンに操
作すると、制御装置47は開閉弁17を開弁させるとと
もに、ガス供給開閉弁29を開弁させる。これにより、
高圧ガス蓄圧器16に蓄圧された高圧ガスは、ガス供給
管路28,ガス充填ホース37,着脱カプラ40,4
2,ガス充填管路39,管路44を介して燃料タンク3
に充填される。
【0043】充填開始直後は、ガス供給管路28に配設
された圧力制御弁32の弁開度がやや絞られており、高
圧ガス蓄圧器16からのガスにより各機器が受ける圧力
の上昇を緩和して各機器を高圧ガスから保護する。そし
て、所定時間(例えば5秒程度)が経過すると圧力制御
弁32の弁開度を徐々に開いてガス充填流量を増加させ
る。
【0044】このようにして燃料タンク3にガスが充填
されて満タン状態になると、燃料タンク3の圧力はほぼ
200kgf/cm2 となる。
【0045】尚、ガス供給管路28を通過したガス充填
量は、質量流量計31により計測され、ガス充填量に応
じた電圧値(流入側と流出側との位相差)が流量計測信
号として制御装置47に出力される。制御装置47は、
2次圧力伝送器33により検出された供給圧力と、質量
流量計31からの流量計測値を積算して、燃料タンク3
に充填されたガス充填量を表示器43に表示する。
【0046】燃料タンク3へのガス充填が完了すると、
作業者は、三方弁34の充填ポートbと排気ポートcと
を連通させるとともに流入ポートaを遮断させる。排気
ポートcは、低圧管路41を介してガス充填ホース3
7,着脱カプラ40,42内及びガス充填管路39内に
残留するガスを排気して減圧することにより着脱カプラ
40の離脱操作を可能にする。これにより、作業者は、
ガス充填ホース37を軽い力で引き回すことが可能にな
り、充填作業の効率化が図れる。
【0047】さらに、作業者は、自動車2側の手動開閉
弁45を閉弁させた後、ディスペンサユニット5の着脱
カプラ40を自動車2の着脱カプラ42から分離させ、
カプラ掛止部36に掛止させる。そして、停止釦56が
オンに操作されると、一連のガス充填作業が完了する。
【0048】ここで、上記構成になるガス供給装置1の
制御装置47が実行する処理につき図2、図3を参照し
て説明する。
【0049】尚、図2はガス充填開始又は停止処理のフ
ローチャートである。又、図3はガス充填作業時に所定
時間間隔で実行される処理のフローチャートである。
【0050】作業者は、ガス充填ホース37の先端に設
けられた着脱カプラ40を燃料タンク3の着脱カプラ4
2に接続し、その後自動車2に設けられた手動開閉弁4
5を開弁操作する。その際、ガス充填ホース37内には
高圧ガスが残留していないため軽くガス充填ホース37
を引き回すことができ、着脱カプラ40の接続作業が容
易に行える。
【0051】そして、作業者は、スタート釦51をオン
に操作してガス充填を開始する。
【0052】図2中、ステップS1(以下「ステップ」
を省略する)では、入力待ちのループであり、スタート
釦51又は停止釦56がオンに操作されてスタート信号
又は停止信号が入力されるまで待機している。
【0053】S2では、スタート釦51がオンに操作さ
れたかどうかをチェックしており、もし作業者がスター
ト釦51をオンに操作してスタート信号が入力される
と、S3に進み、動作状態比フラグを「初期測定」に設
定してS1に戻る。
【0054】しかし、S2でスタート釦51がオンに操
作されなかったときは、S4に進み、停止釦56がオン
に操作されたかどうかをチェックする。従って、作業者
が停止釦56をオンに操作して停止信号が入力される
と、S5に進み、動作状態比フラグを「待ち」に設定し
てS1に戻る。
【0055】図3の処理は例えば10msec毎にタイ
マ割り込みで起動する。
【0056】図3中、S11では2次圧力伝送器33に
より検出された圧力値が充填目標値(本実施例では、燃
料タンク3の規定圧力値が200kgf/cm2 )以下である
かどうかをチェックする。S11において、2次圧力伝
送器33により検出された圧力値が充填目標値(規定
値)に達していないときはS12に進み、2次圧力伝送
器33により検出された圧力値が充填目標値(規定値)
に達しているときはS19に進む。
【0057】S12では、動作状態比フラグが「初期測
定」に設定されているかどうかをチェックする。もし、
S12において、前述したようにスタート釦51がオン
に操作されて動作状態比フラグが「初期測定」に設定さ
れているときは、S13に進む。しかし、S12におい
て、動作状態比フラグが「初期測定」に設定されていな
いときは、S16に進む。
【0058】S13では、初期測定開始時からの圧力上
昇率と「初期測定開始時からの積算流量÷配管容量」と
を比較する。もし、S13において、圧力上昇率の方が
小さいときは、そのときの2次圧力伝送器33により検
出された圧力値を燃料タンク3の初期圧力(残留圧力)
としてS14に進む。しかし、S13において、圧力上
昇率の方が大きいときは、S15に進む。
【0059】S14では、動作状態比フラグを「初期測
定」から「充填」に変更する。又、S15では、圧力制
御弁32の弁開度を絞り微少流量でガスを燃料タンク3
に充填する。従って、微少流量でのガス充填が行われて
ガス供給管路28,ガス充填ホース37,着脱カプラ4
0,42,ガス充填管路39,管路44内の圧力が徐々
に上昇する。
【0060】ここで、管路44に設けられた逆止弁46
の閉止力は、弁体を閉弁方向に付勢するバネ力に燃料タ
ンク3の残留圧力を加算した大きさとなる。そのため、
逆止弁46より上流の圧力(ガス供給管路28,ガス充
填ホース37,着脱カプラ40,42,ガス充填管路3
9,管路44内の圧力)が逆止弁46の閉止力より大に
なった時点で管路44のガスが逆止弁46を開弁させて
燃料タンク3に流入する。
【0061】その際、圧力制御弁32の弁開度が絞られ
て微少流量によりガスが充填されているため、ガス供給
管路28の2次圧力の圧力上昇率が低下する。このと
き、2次圧力伝送器33により検出された圧力値は、図
4に示すように変化する。そして、ガス供給管路28の
2次圧力は、燃料タンク3に残留した圧力と平衡状態と
なる。よって、ガス供給管路28の2次圧力は、燃料タ
ンク3の圧力とほぼ同一となる。
【0062】即ち、微少流量によるガス充填が開始され
てから最初に圧力上昇率が低下した時点で燃料タンク3
の直前に設けられた逆止弁46が開弁したものと判断
し、その時点での2次圧力伝送器33により検出された
圧力値を読み込む。そして、そのときの圧力値が燃料タ
ンク3の残留圧力であると推測することができる。
【0063】従って、S13において、逆止弁46が開
弁して圧力上昇率が「初期測定開始時からの積算流量÷
配管容量」より小さくなったときは、2次圧力伝送器3
3により検出された圧力値を燃料タンク3の初期圧力
(残留圧力)としてS14に進み、動作状態比フラグを
「充填」に設定する。
【0064】S16では、動作状態比フラグが「充填」
に設定されているかどうかをチェックする。もし、S1
6において、動作状態比フラグが「充填」に設定されて
いるときはS17に進み、ガス供給量及びガス供給圧力
を最適制御により燃料タンク3へのガス充填を行う。
【0065】即ち、S17では、上記のようにして推定
された燃料タンク3の残留圧力に基づいて、ガス充填開
始時の供給圧力が推定された燃料タンク3の残留圧力よ
りも予め設定された所定値だけ高い圧力となるように圧
力制御弁32の設定圧力を調整する。従って、充填開始
当初のガス供給圧力を燃料タンク3の残留圧力よりも若
干高い圧力に設定し、その後所定時間経過毎に弁開度を
段階的に大きくして燃料タンク3の圧力を徐々に増加さ
せるようにして最適圧力でガス充填を行う。
【0066】又、S16において、動作状態比フラグが
「充填」に設定されていないときはS18に進み、全て
の電磁弁、即ち開閉弁17,ガス供給開閉弁29,圧力
制御弁32を閉弁させる。
【0067】前述したS11において、2次圧力伝送器
33により検出された圧力値が充填目標値(規定値)に
達したときは、燃料タンク3の圧力が200kgf/cm2
達して燃料タンク3へのガス充填が終了したため、S1
9に進み、動作状態比フラグが「待ち」に設定する。そ
して、S20で全ての電磁弁、即ち開閉弁17,ガス供
給開閉弁29,圧力制御弁32を閉弁させる。
【0068】このように、燃料タンク3へのガス充填を
開始する前に微少流量を供給して燃料タンク3の残留圧
力を推定することができるため、充填開始時にガス供給
圧力が燃料タンク3の残留圧力に対して大きくなり過ぎ
ることがなく、燃料タンク3の圧力が急激に増加するこ
とが防止される。これにより、例えば顧客に指定された
一定量のみを燃料タンク3に充填する場合、燃料タンク
3への供給流量が急激に上昇して指定された一定量以上
のガス量を充填してしまうことを防止でき、指定された
一定量のガス量を正確に充填することができる。
【0069】しかも、従来のように充填開始時のガス供
給圧力が燃料タンク3の残留圧力よりも大き過ぎて、圧
力制御弁32より下流に配設された2次圧力伝送器3
3,三方弁34,着脱カプラ40,42,開閉弁45,
逆止弁46等の各弁部を破損させてしまうことを防止で
きる。又、充填開始時のガス供給圧力が燃料タンク3の
残留圧力よりも低くてガス充填が行われないといった不
都合も防止できる。
【0070】さらに、燃料タンク3の圧力が目標圧力に
なるまで充填する場合だけでなく、顧客に指定された一
定量のみをプリセット充填する場合でも、充填開始時に
燃料タンク3への供給流量が急激に上昇することを防止
して指定された一定量のガスを正確に充填することがで
きる。
【0071】尚、上記実施例では、都市ガスを圧縮した
圧縮天然ガス(CNG)を供給する場合を一例として挙
げたが、これに限らず、例えばブタン、プロパン等のガ
スを供給するのにも適用できるのは勿論である。
【0072】又、上記実施例では、自動車2の燃料タン
ク3に圧縮されたガスを充填する場合を一例として挙げ
たが、これに限らず、他の容器等に圧縮されたガスを供
給する装置にも適用でき、あるいは単に圧縮されたガス
を他の場所に給送するための管路途中に設置する構成の
装置にも適用できるのは勿論である。
【0073】又、上記実施例では、都市ガス等が家庭に
分岐される前の中圧管路10からの都市ガスを圧縮する
構成としたが、これに限らず、例えば中圧管路10から
分岐された家庭の管路からガスを取り出すようにしても
良い。
【0074】
【発明の効果】上述の如く、本発明になるガス供給装置
は、ガス充填ホースの端部が被充填タンクに接続された
後、ガス供給開閉弁を開弁するとともに圧力制御弁の弁
開度を微少にして微少流量のガスを被充填タンクに供給
し、且つ微少流量の圧力変化が検出されたとき、圧力検
出手段により検出された圧力値に基づいて被充填タンク
の残留圧力を推定することができる。そのため、被充填
タンクの残留圧力に応じた最適な供給圧力により被充填
タンクへのガス充填を行うことができ、ガス充填時間の
短縮化が図れるとともに、過大な圧力供給により下流側
の各機器が破損することを防止できる。さらに、顧客に
指定された一定量のみをプリセット充填する場合でも、
充填開始時に燃料タンクへの供給流量が急激に上昇する
ことを防止して指定された一定量のガスを正確に充填す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるガス供給装置の一実施例の概略構
成図である。
【図2】制御回路の入力待ち状態で実行する処理のフロ
ーチャートである。
【図3】制御回路がガス充填完了時に実行する処理のフ
ローチャートである。
【図4】ガス充填開始時の圧力変化を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 ガス供給装置 3 燃料タンク 4 圧力発生ユニット 5 ディスペンサユニット 12 コンプレッサ 16 高圧ガス蓄圧器 18 圧力伝送器 19 制御回路 17 開閉弁 28 ガス供給管路 29 ガス供給開閉弁 30 1次圧力伝送器 31 流量計 32 圧力制御弁 33 2次圧力伝送器 34 三方弁 37 ガス充填ホース 40,42 着脱カプラ 47 制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000003056 トキコ株式会社 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 (72)発明者 金井 一男 千葉県習志野市袖ヶ浦6−9−6 (72)発明者 小林 明文 大阪府大阪市中央区平野町4丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 服部 学 愛知県名古屋市昭和区川名本町4−3の7 (72)発明者 吉田 時男 福岡県福岡市博多区千代1丁目17番1号 西部瓦斯株式会社内 (72)発明者 小原 一洋 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 (72)発明者 熊谷 信治 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 (72)発明者 松本 拓也 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮されたガスを貯蔵するガス供給タン
    クと、 該ガス供給タンクに接続され、前記ガス供給タンクから
    供給されたガスを被充填タンクへ導くガス供給管路と、 該ガス供給管路に配設されたガス供給開閉弁と、 前記ガス供給管路の圧力を制御する圧力制御弁と、 前記該ガス供給開閉弁の下流に位置するよう前記ガス供
    給管路に配設され、前記ガス供給管路内の圧力を検出す
    る圧力検出手段と、 一端が前記ガス供給管路の下流側端部に接続され、他端
    が前記被充填タンクの逆止弁を有する被充填側管路に接
    続されるガス充填ホースと、 該ガス充填ホースの端部が前記被充填タンクに接続され
    た後、前記ガス供給開閉弁を開弁するとともに前記圧力
    制御弁の弁開度を微少にして微少流量のガスを前記ガス
    充填ホースを介して前記被充填タンクに供給するガス充
    填供給開始手段と、 該ガス充填供給開始手段により供給された微少流量の圧
    力変化を検出する圧力変化検出手段と、 該圧力変化検出手段により圧力変化が検出されたとき、
    前記圧力検出手段により検出された圧力値に基づいて前
    記被充填タンクの残留圧力を推定する圧力推定手段と、 よりなることを特徴とするガス供給装置。
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