JPH0798679B2 - 低温焼結磁器組成物 - Google Patents
低温焼結磁器組成物Info
- Publication number
- JPH0798679B2 JPH0798679B2 JP2118001A JP11800190A JPH0798679B2 JP H0798679 B2 JPH0798679 B2 JP H0798679B2 JP 2118001 A JP2118001 A JP 2118001A JP 11800190 A JP11800190 A JP 11800190A JP H0798679 B2 JPH0798679 B2 JP H0798679B2
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- Japan
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- porcelain composition
- low temperature
- temperature
- low
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、低温焼結磁器組成物に関し、特に、電気回
路基板、たとえば、複数のシート状磁器を積層し、磁器
間に回路を形成してなる多層電気回路基板に適した低温
焼結磁器組成物に関する。
路基板、たとえば、複数のシート状磁器を積層し、磁器
間に回路を形成してなる多層電気回路基板に適した低温
焼結磁器組成物に関する。
(従来技術) 従来、この発明の発明者らは、低温で焼成でき、しかも
絶縁抵抗が高く誘電率が低い磁器を得ることができる、
数種の磁器組成物を提案した。これらの磁器組成物は、
たとえば特開昭62−128964号公報および特開昭62−2268
55号公報に開示されている。なお、特開昭62−128964号
公報には、SiO225〜80重量%、BaO,SrOのうち1種また
は2種が15〜70重量%およびB2O31.5〜5重量%さらに
必要に応じてAl2O330重量%以下からなる主成分に、Cr2
O3,CuO,NiO,Co2O3およびFe2O3のいずれか1種が添加含
有された磁器組成物であって、添加物がCr2O3またはCuO
の場合には0.2〜10重量%の範囲で添加され、添加物がN
iO,Co2O3およびFe2O3の場合には1〜10重量%の範囲で
添加される、磁器組成物が開示されている。
絶縁抵抗が高く誘電率が低い磁器を得ることができる、
数種の磁器組成物を提案した。これらの磁器組成物は、
たとえば特開昭62−128964号公報および特開昭62−2268
55号公報に開示されている。なお、特開昭62−128964号
公報には、SiO225〜80重量%、BaO,SrOのうち1種また
は2種が15〜70重量%およびB2O31.5〜5重量%さらに
必要に応じてAl2O330重量%以下からなる主成分に、Cr2
O3,CuO,NiO,Co2O3およびFe2O3のいずれか1種が添加含
有された磁器組成物であって、添加物がCr2O3またはCuO
の場合には0.2〜10重量%の範囲で添加され、添加物がN
iO,Co2O3およびFe2O3の場合には1〜10重量%の範囲で
添加される、磁器組成物が開示されている。
これらの従来の磁器組成物では、非酸化性雰囲気で1000
℃以下の低温で焼結することが可能であり、たとえば内
部電極などの導体材料として銅を用いることができる。
℃以下の低温で焼結することが可能であり、たとえば内
部電極などの導体材料として銅を用いることができる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、これらの従来の磁器組成物では、その最
適焼成温度範囲が15℃以下と狭く、それから得られる磁
器の歩留りが低いという欠点があった。
適焼成温度範囲が15℃以下と狭く、それから得られる磁
器の歩留りが低いという欠点があった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、低温で焼成で
き、最適焼成温度範囲が広く、しかも絶縁抵抗が高く誘
電率が低い磁器を得ることができる、低温焼結磁器組成
物を提供することである。
き、最適焼成温度範囲が広く、しかも絶縁抵抗が高く誘
電率が低い磁器を得ることができる、低温焼結磁器組成
物を提供することである。
(課題を解決するための手段) この発明は、Si成分をSiO2に換算して40.0〜70.0重量
%、Ba成分をBaCO3に換算して20.0〜50.0重量%、Al成
分をAl2O3に換算して2.0〜10.0重量%、B成分をB2O3に
換算して1.0〜3.0重量%、Cr成分をCr2O3に換算して0.3
〜3.0重量%、およびCa成分をCaCO3に換算して0.3〜3.0
重量%含む、低温焼結磁器組成物である。
%、Ba成分をBaCO3に換算して20.0〜50.0重量%、Al成
分をAl2O3に換算して2.0〜10.0重量%、B成分をB2O3に
換算して1.0〜3.0重量%、Cr成分をCr2O3に換算して0.3
〜3.0重量%、およびCa成分をCaCO3に換算して0.3〜3.0
重量%含む、低温焼結磁器組成物である。
(発明の効果) この発明によれば、低温で焼成でき、最適焼成温度範囲
が広く、しかも絶縁抵抗が高く誘電率が低い磁器を得る
ことができる、低温焼結磁器組成物が得られる。そのた
め、この発明にかかる低温焼結磁器組成物は、それをた
とえばバッチ炉や連続焼成炉にフルチャージで焼成する
ことができる。したがって、この発明にかかる低温焼結
磁器組成物は、それから得られる磁器の歩留りが高くな
り、たとえば多層電気回路基板などの電気回路基板の量
産実用化に大きく寄与することができる。
が広く、しかも絶縁抵抗が高く誘電率が低い磁器を得る
ことができる、低温焼結磁器組成物が得られる。そのた
め、この発明にかかる低温焼結磁器組成物は、それをた
とえばバッチ炉や連続焼成炉にフルチャージで焼成する
ことができる。したがって、この発明にかかる低温焼結
磁器組成物は、それから得られる磁器の歩留りが高くな
り、たとえば多層電気回路基板などの電気回路基板の量
産実用化に大きく寄与することができる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点
は、以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろ
う。
は、以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろ
う。
(実施例) SiO2,BaCO3,Al2O3,B2O3,Cr2O3およびCaCO3を別表に示す
組成比率の磁器が得られるように秤量し混合した。この
原料混合物を850〜950℃で仮焼し、粉砕した後、有機バ
インダーを加えて混練し、ドクターブレード法によって
厚さ1mmのシート状に成形し、グリーンシートとした。
組成比率の磁器が得られるように秤量し混合した。この
原料混合物を850〜950℃で仮焼し、粉砕した後、有機バ
インダーを加えて混練し、ドクターブレード法によって
厚さ1mmのシート状に成形し、グリーンシートとした。
このグリーンシートを縦30mm,横10mmの角板状にカット
し、その表面上に銅電極となるべき銅粉末と有機質ビヒ
クルとを重量比80:20の割合で混合した銅ペーストを印
刷した。そして、これを窒素−水蒸気の還元性もしくは
非酸化性雰囲気の中で、900〜1040℃で1時間焼成して
試験試料とした。
し、その表面上に銅電極となるべき銅粉末と有機質ビヒ
クルとを重量比80:20の割合で混合した銅ペーストを印
刷した。そして、これを窒素−水蒸気の還元性もしくは
非酸化性雰囲気の中で、900〜1040℃で1時間焼成して
試験試料とした。
焼成する温度の上昇にともなってある温度までは試料の
収縮率が大きくなっていくが、その収縮率が最大となっ
た場合の温度を試料の最適な焼成温度として第1表に示
した。
収縮率が大きくなっていくが、その収縮率が最大となっ
た場合の温度を試料の最適な焼成温度として第1表に示
した。
さらに、第1表には、試料の最適焼成温度範囲を示し
た。この最適焼成温度範囲は、表中の焼成温度を中心と
してその下限を試料が0.5%大きくなる温度とし、その
上限をはんだ付け性が不良となる温度として、それらの
差から求めた。なお、試料のはんだ付け性を調べるため
には、試料について、予め150℃で20秒予熱し、銅電極
の表面に塩素系のフラックスを付けた後、230±10℃の
鉛−錫はんだ槽5秒間浸漬し、はんだ付けを行った。そ
して、目視で銅電極の表面を見たとき、銅電極の表面90
%以上がはんだで覆わているものをはんだ付け性がよい
ものとし、90%未満しか覆われれていないものをはんだ
付け性が不良であるとものとした。
た。この最適焼成温度範囲は、表中の焼成温度を中心と
してその下限を試料が0.5%大きくなる温度とし、その
上限をはんだ付け性が不良となる温度として、それらの
差から求めた。なお、試料のはんだ付け性を調べるため
には、試料について、予め150℃で20秒予熱し、銅電極
の表面に塩素系のフラックスを付けた後、230±10℃の
鉛−錫はんだ槽5秒間浸漬し、はんだ付けを行った。そ
して、目視で銅電極の表面を見たとき、銅電極の表面90
%以上がはんだで覆わているものをはんだ付け性がよい
ものとし、90%未満しか覆われれていないものをはんだ
付け性が不良であるとものとした。
さらに、これらの試料について、絶縁抵抗および誘電率
を測定した。それらの特性はすべて良好なものであった
が、特に、誘電率について第1表に示した。
を測定した。それらの特性はすべて良好なものであった
が、特に、誘電率について第1表に示した。
なお、表で番号に*を付した試料は、その発明の範囲外
のものであり、それ以外はこの発明の範囲内のものであ
る。
のものであり、それ以外はこの発明の範囲内のものであ
る。
この発明の低温焼結磁器組成物における組成範囲を限定
した理由はつぎの通りである。
した理由はつぎの通りである。
(1)SiO2が40重量%未満では、誘電率が9.0より高く
なり使用周波数が高い場合に電子回路の特性が低下す
る。SiO2が70重量%を超えると、焼成温度が1000℃以上
となり、たとえば内部電極などの導体材料として銅を使
用できなくなり好ましくない。
なり使用周波数が高い場合に電子回路の特性が低下す
る。SiO2が70重量%を超えると、焼成温度が1000℃以上
となり、たとえば内部電極などの導体材料として銅を使
用できなくなり好ましくない。
(2)BaCO3が20重量%未満では、抗折強度が1500kg/cm
2とやや低く焼成温度も高くなりがちで好まいくない。B
aCO3が50重量%を超えると、誘電率9より大きくなり好
ましくない。
2とやや低く焼成温度も高くなりがちで好まいくない。B
aCO3が50重量%を超えると、誘電率9より大きくなり好
ましくない。
(3)Al2O3が2重量%未満あるいは10重量%を超える
場合には、焼成温度が上昇する傾向にあり好ましくな
い。
場合には、焼成温度が上昇する傾向にあり好ましくな
い。
(4)B2O3が1重量%未満では焼成温度が1000℃以上に
なり、3重量%を超えると最適焼成温度範囲が15℃以下
となって、それぞれ好ましくない。
なり、3重量%を超えると最適焼成温度範囲が15℃以下
となって、それぞれ好ましくない。
(5)Cr2O3が0.3重量%未満でははんだ付け性が悪くな
り、3重量%を超えると絶縁抵抗が下がる場合があっ
て、それぞれ好ましくない。
り、3重量%を超えると絶縁抵抗が下がる場合があっ
て、それぞれ好ましくない。
(6)CaCO3が0.3重量%未満では最適焼成温度範囲が15
℃以下と狭く、また、3重量%を超えると焼成温度が10
00℃を超えて、それぞれ好ましくない。
℃以下と狭く、また、3重量%を超えると焼成温度が10
00℃を超えて、それぞれ好ましくない。
それに対して、この発明の範囲内の低温焼結磁器組成物
では、低温で焼成でき、絶縁抵抗が高く誘電率が低い磁
器を得ることができるとともに、最適焼成温度範囲が20
℃前後となり、バッチ炉あるいは連続焼成炉ともフルチ
ャージで焼成することができる。そのため、この発明に
かかる低温焼結磁器組成物は、それから得られる磁器の
歩留りが高くなり、たとえば多層電気回路基板などの電
気回路基板の量産実用化に大きく寄与することができ
る。
では、低温で焼成でき、絶縁抵抗が高く誘電率が低い磁
器を得ることができるとともに、最適焼成温度範囲が20
℃前後となり、バッチ炉あるいは連続焼成炉ともフルチ
ャージで焼成することができる。そのため、この発明に
かかる低温焼結磁器組成物は、それから得られる磁器の
歩留りが高くなり、たとえば多層電気回路基板などの電
気回路基板の量産実用化に大きく寄与することができ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】Si成分をSiO2に換算して40.0〜70.0重量
%、 Ba成分をBaCO3に換算して20.0〜50.0重量%、 Al成分をAl2O3に換算して2.0〜10.0重量%、 B成分をB2O3に換算して1.0〜3.0重量%、 Cr成分をCr2O3に換算して0.3〜3.0重量%、および Ca成分をCaCO3に換算して0.3〜3.0重量%含む、低温焼
結磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2118001A JPH0798679B2 (ja) | 1990-05-07 | 1990-05-07 | 低温焼結磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2118001A JPH0798679B2 (ja) | 1990-05-07 | 1990-05-07 | 低温焼結磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0416551A JPH0416551A (ja) | 1992-01-21 |
JPH0798679B2 true JPH0798679B2 (ja) | 1995-10-25 |
Family
ID=14725596
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2118001A Expired - Lifetime JPH0798679B2 (ja) | 1990-05-07 | 1990-05-07 | 低温焼結磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0798679B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3161355B2 (ja) * | 1997-02-28 | 2001-04-25 | 株式会社村田製作所 | 絶縁セラミック組成物およびそれを用いたセラミックインダクタ |
US6379805B1 (en) | 1999-01-22 | 2002-04-30 | Ngk Insulators, Ltd. | Low temperature-fired porcelain articles and electronic parts including such porcelain articles |
JP4714986B2 (ja) * | 2000-12-06 | 2011-07-06 | 株式会社村田製作所 | 誘電体磁器組成物及びそれを用いた多層基板 |
KR100621195B1 (ko) * | 2004-02-06 | 2006-09-13 | 주식회사 아이엠텍 | 엘티씨씨용 세라믹 분말 조성물 및 그 제조방법 |
US7211533B2 (en) | 2005-04-28 | 2007-05-01 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Oxide porcelain composition, ceramic multilayer substrate, and ceramic electronic component |
JP5382144B2 (ja) * | 2010-02-01 | 2014-01-08 | 株式会社村田製作所 | 電子部品の製造方法 |
-
1990
- 1990-05-07 JP JP2118001A patent/JPH0798679B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0416551A (ja) | 1992-01-21 |
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Legal Events
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