JP2600778B2 - 多層基板用低温焼結磁器組成物 - Google Patents

多層基板用低温焼結磁器組成物

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JP2600778B2 JP63075691A JP7569188A JP2600778B2 JP 2600778 B2 JP2600778 B2 JP 2600778B2 JP 63075691 A JP63075691 A JP 63075691A JP 7569188 A JP7569188 A JP 7569188A JP 2600778 B2 JP2600778 B2 JP 2600778B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、多層基板用低温焼結磁器組成物に関し、
特に、複数の磁器層が積層され、磁器間に回路が形成さ
れてなる多層磁器基板に適した、多層基板用低温焼結磁
器組成物に関するものである。
(従来の技術) 一般に、電子機器の小型化に伴い、電子回路を構成す
る各種電子部品を実装するのに磁器基板が汎用され、最
近では、実装密度をさらに高めるため、表面に導電材料
のペーストで回路パターンを形成した未焼成の磁器シー
トを複数枚積層し、これを焼成して一体化した多層磁器
基板が開発されている。従来このような多層磁器基板の
材料としてはアルミナが用いられていた。
(従来技術の問題点) しかしながら、アルミナはその焼結温度が1500〜1600
℃と高温であるため、まず焼結に要する多量のエネルギ
ーが必要となり、コスト高になる。また、基板内部に形
成される内部回路の導電材料としては、高温の焼成温度
に耐え得るWやMoなどの高融点金属に限定されるため、
回路パターンそのものの抵抗値が高くなるというデメリ
ツトがある。また、アルミナの熱膨張係数がアルミナ基
板の上に搭載される半導体を構成するシリコンチップよ
りも大きいため、シリコンチップにサーマルストレスが
加わり、シリコンチップにクラツクを発生させる原因と
なる。さらには、アルミナそのものの誘電率が高いた
め、回路の内部を伝播する信号の遅延時間が大きくなる
などの問題があった。
(発明の目的) この発明は、低温で焼結可能な多層基板用低温焼結磁
器組成物を提供することを目的とする。
また、この発明は、熱膨張係数が小さく、かつ誘電率
が小さく、さらには比抵抗の高い多層基板用低温焼結磁
器組成物を提供することを目的とする。
さらに、この発明は、非酸化性雰囲気で焼結可能な多
量基板用低温磁器組成物を提供することを目的とする。
(発明の構成) この発明にかかる多層基板用低温焼結磁器組成物は、
次のような材料よりなる。
すなわち、コージェライトが60〜90重量%、B2O3が5
〜20重量%、CaO、SrOおよびBaOの1種以上が1〜25重
量%、SiO2、MgO、Al2O3のうち少なくとも1種以上が30
重量%以下からなるものである。
また、前記主成分に対して、添加物としてクロム、
鉄、コバルト、ニッケルおよび銅の酸化物の1種以上を
それぞれCr2O3、Fe2O3、Co2O3、NiOおよびCuOに換算し
て10重量%以下添加含有されたものからなる。
なお、ここでコージェライトとは、2MgO・2Al2O3・5S
iO2のほか、E.N.Levin et al.による“Phase Diagrams
for Ceramists",The American Ceramic Society,Columb
us,1964,P.246(Fig.712)に開示されている組成範囲か
ら構成されるものである。第1図にコージェライトの組
成領域を示しておく。第1図において、領域Aがコージ
ェライトの組成範囲である。
また、この発明は上記した主成分として、SiO2、Mg
O、Al2O3を含有させる。この含有量としてはその特性を
損なわない範囲として30重量%までの範囲が有効であ
る。また、これらの成分を3種とも添加させる場合、そ
の結晶構造をこの3成分系内のコージェライト以外のも
のとしてもよい。
さらに、この発明にかかる多層基板用低温焼結磁器組
成物を得るに当たっては、通常の窯業技術が適用され
る。すなわち、コージェライト、Ca、Sr、Baの酸化物ま
たは化合物、およびSiO2、MgO、Al2O3、さらにはクロ
ム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の酸化物または化合物
の各粉末を所定の割合で秤量、調合し、その原料混合物
を仮焼したのち粉砕し、この粉末にバインダを加えてス
ラリーを作成し、さらにドクターブレード法などのシー
ト成形法によりセラミツクグリーシートを作成し、この
セラミツクグリーンシートの積層体を焼結することによ
り、多層磁器基板が得られる。したがって、上記した工
程によれば、ガラス化の工程がないため、焼成時の脱バ
インダが容易であり、消費エネルギーも少なくてよいこ
とになる。
さらには、上記した工程により作成されたセラミツク
グリーンシートの上には、導電パターンを形成するため
の導電材料を含むペーストパターンが印刷、塗布などの
方法により形成されるが、セラミツクグリーンシートの
焼成に当たっては、これらの導電材料の種類に応じて焼
成雰囲気を設定すればよい。導電材料としては、たとえ
ば、CuAg、Ag−Pd、Niなどがあるが、Ag、Ag−Pdについ
ては酸化性雰囲気、Cu、Niについては窒素などの非酸化
性雰囲気で焼成すればよい。
この発明の多層基板用低温焼結磁器組成物を用いて、
基板そのものを製造する場合、原料を秤量、混合し、こ
の原料混合物を800〜900℃で仮焼した後、粉砕し、その
粉末をバインダと混練してからシート状に成形し、次い
で、得られたセラミツクグリーンシートを酸化性雰囲気
あるいは非酸化性雰囲気で焼成すればよい。また、多層
回路基板を製造する場合、セラミツクグリーンシートの
上にAg、Ag−Pd、Cu、Niなどの導電材料からなる導電性
ペーストで回路パターンを印刷し、それらを複数枚積層
してから、導電性ペーストに応じた雰囲気で焼成すれば
よい。導電材料としてCuやNiなどの卑金属を使用する場
合、それらの酸化を防止するため、非酸化性雰囲気で焼
成することが好ましい。たとえば、窒素をキャリアガス
として水蒸気中を通過させ、酸素および水素を微量含有
させた窒素−水蒸気雰囲気(通常、N299.7〜99.8%)
中、950〜1020℃で焼成することが好ましい。なお、酸
素を微量含有させるのは、セラミックグリーンシートの
形成に使用するバインダを仮焼段階で、炭素として残存
させないために、完全に燃焼させて除去するためであ
る。
(効果) この発明にかかる多層基板用低温焼結磁器組成物によ
れば、次のような効果を有している。
(1)1020℃以下の温度で焼結可能であり、回路パター
ンを形成するための導電材料としてAg、Ag−Pdなどの比
較的安価な貴金属が使用できる。また、非酸化性の雰囲
気で焼成できるため、回路パターンの導電材料として安
価なCu、Niなどの卑金属が使用できる。さらには、内部
に抵抗パターンを形成するに当たっても、サーメット材
料が使用できる。
(2)熱膨張係数が3〜5×10-6/℃と小さく、この基
板の上にシリコンを搭載しても、サーマルストレスによ
ってシリコンにクラックが発生する恐れがない。
(3)誘電率が6以下と、アルミナの値よりも小さいた
め、信号の遅延時間の短縮が図れる。
(実施例) 以下、この発明を実施例に従って詳細に説明する。
まず、コージェライトの原料を準備した。原料とし
て、SiO2、MgOまたはMgCO3あるいはTalc(3MgO・4SiO2
・H2O)、Al2O3を秤量し、混合した。この混合物を1350
〜1400℃で仮焼した。このようにしてすでに第1図で示
しているコージェライト組成物を得た。このコージェラ
イト仮焼物を粉砕して新にコージェライト原料として準
備した。
次に、このコージェライト原料と、その他の構成材
料、すなわちB2O3またはBNあるいはB4C、CaOまたはCaCO
3、SrOまたはSrCO3、BaOまたはBaCO3、SiO2、MgOまたは
MgCO3あるいはTalc、Al2O3、CuO、NiO、Fe2O3、Cr2O3
Co2O3を準備し、別表−1に示す組成の磁器が得られる
ように、秤量、混合した。この混合物を800〜900℃の温
度で仮焼し、粉砕した。この粉砕した粉末に有機バイン
ダを加えて混練し、得られたスラリをドクターブレード
法にて厚さ1mmのシート状に成形した。このセラミック
グリーンシートを縦30mm、横10mmの大きさにカットし、
水蒸気中に通過させた窒素をキャリアガスとする窒素−
水蒸気の非酸化性雰囲気中900℃の温度でバインダー成
分を燃焼させ、これを表−1に示す各温度で1時間焼成
して磁器を得た。
また、このセラミックグリーンシートを縦3mm、横20m
mの角板状にカツトし、これを3枚積層して2000Kg/cm2
で加圧し角柱状にした。そして、これを上記の方法で焼
成し、熱膨張測定用の試料とした。
これらの試料について、次のとおり各特性をそれぞれ
の条件や測定方法で測定し、表−1に示す結果を得た。
誘電率:周波数1MHzで測定した値。
誘電体損失:周波数1MHzで測定した値。
比抵抗:試料に直流100Vを印加したときの値。
熱膨張係数:次の式より算出した。
α=ΔL/L(T2−T1)+αSiO2 式中、α:熱膨張係数 ΔL:加熱による試料の見掛けの伸び(mm) L:室温での試料の長さ(mm) T1:室温 T2:500℃ αSiO2:石英ガラスの熱膨張係数 たま、これとは別に、同じ方法で厚さ0.3〜0.4mmのセ
ラミックグリーンシートを作成する一方、粒径5μm以
下の銅粉末と有機質ビヒクルとを重量比80:20の割合で
混合した銅ペーストを印刷し、これを3枚積層して熱圧
着し、窒素−水蒸気の非酸化性雰囲気中で表−1に示す
各温度で1時間焼成した。こうして得られた多層磁器基
板のCu導体は酸化されておらず、良好な導電性を示し、
その面積抵抗は2mΩ/□であった。なお、有機質ビヒク
ルはエチルセルロースをα−テレピネオールで10倍に希
釈したものを使用した。
表−1の結果は次の基準に従って判定した。
焼結温度:1020℃以下(Cu導体およびAg−Pd導体の使用
可能な温度、ただし、Ag−Pd導体はAg:Pd=80:20のも
の) 誘電率(ε):1MHzの条件下で6以下 誘電体損失(tanδ):1MHzの条件下で0.2%以下 比抵抗:直流電圧100Vの条件下で1011Ω・cm以上 熱膨張係数:5.0×10-6/℃以下 非酸化性雰囲気で使用出来るサーメット抵抗を表面に
形成した場合、この発明にかかる多層磁器基板上のサー
メット抵抗はアルミナ基板と同等の特性を示した。
また、上記した実施例では、焼成雰囲気を窒素からな
る非酸化性雰囲気に設定したが、このほか、自然雰囲気
中で焼成しても表−1に示した程度の特性が得られるこ
とが確認できた。
なお、表−1において、*印を付したものはこの発明
範囲外のものであり、それ以外はすべてこの発明範囲内
のものである。
表−1から明らかなように、この発明の多層基板用低
温焼結磁器組成物おける組成範囲を限定した理由は次の
通りである。
コージェライトが60重量%未満では、熱膨張係数が大
きくなり、一方90重量%を越えると焼結温度が高くな
る。
B2O3が5重量%未満では、焼結温度が高くなり、一方
20重量%を越えると発泡し、焼結温度範囲が狭くなる。
CaO、SrOおよびBaOの1種以上が1重量%未満では焼
結温度が高くなり、一方25重量%を越えると誘電率が大
きくなる。
また、SiO2、MgO、Al2O3のうち少なくとも1種以上を
30重量%以下添加含有させるのは、SiO2が30重量%を越
えると、基板としての実用強度が得られなくなり、MgO
またはAl2O3が30重量%を越えると、焼結温度が高くな
り、熱膨脹係数が大きくなるからである。なお、試料番
号16のものはSiO2が28重量%でその曲げ強度は2000Kgf/
cm2であったが、SiO2が30重量%を越える試料番号23の
ものの曲げ強度は1700Kgf/cm2であった。
さらに、上記した構成材料よりなる主成分に対して、
添加物としてCr2O3、FeO、Co2O3、NiOおよびCuOの1種
以上が10重量%を越えると、比抵抗が小さくなる。
【図面の簡単な説明】 第1図はコージエライトの組成範囲を示す図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コージェライトが60〜90重量%、B2O3が5
    〜20重量%、CaO、SrOおよびBaOの1種以上が1〜25重
    量%が、SiO2、MgO、Al2O3のうち少なくとも1種以上が
    30重量%以下からなる多層基板用低温焼結磁器組成物。
  2. 【請求項2】前記主成分に対して、添加物としてクロ
    ム、鉄、コバルト、ニッケルおよび銅の酸化物の1種以
    上をそれぞれCr2O3、Fe2O3、Co2O3、NiOおよびCuOに換
    算して10重量%以下添加含有されている特許請求の範囲
    第(1)項記載の多層基板用低温焼結磁器組成物。
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