JPH079803Y2 - 分与量可変の改良された分与装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、分与量を変化することのできる、ポンプ機構
によって液状物を排出する分与容器に関する。

［従来技術とその問題点］ 従来、種々の液状物をポンプ機構によって分与する容器
は知られている。これらの容器は、キャップで容器に固
定されたポンプ機構の作動ステム（ポンプのピストンに
相当する）を押し下げて作動させられる。一回の排出容
量はポンプハウジング（シリンダーに相当する）の容量
と該作動ステムのストロークによって決定され、装置固
有のものであって、容器を解体することなしに任意に変
更することができない。また一般にこのような分与容器
はロック機構を有していない。

［考案の構成］ 本考案は、ポンプ構成によって液体を分与するために容
器本体の上部開口に取り付けられる分与装置であって、
ポンプハウジングと、該ポンプハウジング内を上下する
ピストンとして作用し内蔵するばねで付勢され上部がポ
ンプハウジング外に突出する排出管として作用する回転
可能な作動ステムと、該容器本体の上部開口を閉鎖する
キャップと、該キャップに固定されて上方に延長する円
筒体と、前記作動ステムの突出端に固定される円筒形部
と該円筒形部の外面に一体的に形成され円周方向に等間
隔で半径方向に突出する少なくとも２つの上下方向に延
長するリブとからなるノズル体とからなり、前記円筒体
には該リブにそれぞれ対応して内面に設けられた高さが
相異なる少なくとも２つの水平段部を有する段階状突条
と該水平段部の端に前記リブの回転を一時的に阻止する
小突起であるストッパー手段が設けられており、前記ノ
ズル体を回転させることにより、分与量を可変とするこ
とを特徴とする分与装置である。

［作用］ 前記突条を円筒体の内部に設けることによって塵埃など
の付着による汚損を最小とすることができ、リブと突条
とを円周方向に等間隔の各組として配置することにより
ノズル体の上下運動が円滑に案内され、さらに、リブの
回転を一時的に阻止する小突起よりなるストッパー手段
を設けることによって不使用時に作動ステムの不測の作
動を防止することができる。

［考案の具体的開示］ 図面を参照して本考案をその一実施態様について具体的
に説明する。

第１図は従来のポンプ機構によって液体を分与する分与
容器の概念を示す部分的断面図である。すなわち分与容
器は容器本体21と、キャップ22によって容器本体に装着
されるポンプ機構からなり、ポンプ機構はポンプハウジ
ング24とそれに装着された作動ステム23からなる。図示
の態様ではポンプハウジングは吸い上げ管を有し、作動
ステムは一体に形成されたスパウトタイプのノズルを有
するが、実施の態様においてはノズル部分の形状は任意
に変更される。通常密着を確保するために図示されてい
るように、キャップ22と容器本体21の開口の間にパッキ
ングが介設される。作動ステムばねによってポンプハウ
ジング内に空間を作るように上下に付勢されている。作
動ステムを押し下げるときは（図中、23′は作動ステム
の降下位置を示す）、ポンプハウジング内の空気が排出
され、押圧が解除されて作動ステムが上昇するときに、
内容液がハウジング内に侵入し、次の押圧で排出され
る。

このような既知の機構では、１回の排出量は、前述のよ
うに、ハウジングの容量と作動ステムのストロークによ
って決まり、装置に固有であって任意に変更することが
できない。

第２図（ｂ）は本考案の装置の一実施態様の部分的断面
図である。この装置はポンプハウジング２、作動ステム
４、円筒体３、ノズル体10からなる。

ポンプハウジング２は従来通りそのフランジ2aによりパ
ッキング８を介してキャップ１によって容器本体にかん
着される。キャップ１はその頂面から突出する円筒状部
1cを有し、この円筒状部に円筒体３が螺合かん着され、
この円筒体３にノズル体10が挿入される。円筒体３はキ
ャップ１への螺着に便利なようにスカート3dを有する
が、これは必須のものではない。

円筒体３の構造は第２図（ａ）と第５図に示されてい
る。第２図（ａ）は第２図（ｂ）のＸ−Ｘ′線に沿った
部分的断面図である。円筒体３は第５図から理解される
ように、スカート3dを有し、その頂縁の一部3eから3fま
でが内側に張り出して縁部を構成し、さらに3eの端から
一段下降して第１段目の水平段部3bを形成し、次いで垂
直に下降し（3a）、さらに円筒体の底部で水平に延びる
第２段目の水平段部3cとからなる作動ステム４の案内手
段が設けられている。

一方、ノズル体10は外側に張り出す少なくとも２つの円
周方向に等間隔で半径方向に突出して前記円筒体３の突
条に対応するリブ10bを有している。

該作動ステム４がストロークの最上端にある状態で、前
記リブ10bの下端が縁部3b上に乗る高さにノズル体10を
作動ステムに装着することにより、作動ステムは完全に
上下方向の動きをロックされ、輸送途中における不測の
作動を防止できる。

この状態は第２図（ａ）に示されている。この状態で、
前記円筒体の段部3bの開放端にノズル体の回動を一時的
に阻止するための小突起3gを設けておくのが望ましい。
この小突起3gよりなるストッパー手段の機能については
後に詳細に述べる。

この状態でリブ10bの下端が該小突起3gを乗り越える力
でノズル体10を回転すると、リブの下端は第３図（ａ）
に示す位置に来て、ここで作動可能となり、ノズル体10
を押圧すると分与容器は案内手段の垂直部3aの長さに相
当するストロークで上下運動し、それに相当する量の液
を排出する。

ノズル体10をさらに回転して、前記リブを第４図（ａ）
に示す位置まで移すと、今度は作動ステム４をポンプハ
ウジング２のストローク一杯に上下運動させることがで
きる。作動ステムを一杯に押圧した状態が第４図（ｂ）
に示されている。

この実施態様では、一回の排出容量を２段に変化させる
ことができる。

本考案の別の実施態様では、第６図に示されるように、
円筒体３のガイド手段の水平部分3cが円筒体の高さの中
間の位置にある。このように構成することによって、第
１段の分与量を第５図の実施態様のものより少なくする
ことができる。すなわち、種々の円筒体３を用意してお
き、円筒体を取り替えることによって所望の分与量を設
定できる。

第７〜９図には、先に言及したノズル体10の回転を一時
的に阻止するストッパー手段が詳細に図示されている。

第７図に示されるように、円筒体３の頂端には縁部3e〜
3fが設けられることは前述した通りであるが、第１段の
水平部３の開放端において円筒体内壁に一般に曲面をな
す小突起3gが設けられる。その側面と立面は第８図と第
９図に示されている。従って、ノズル体10が回転すると
き、前記リブ10bはまず小突起3gによって阻止され、そ
れを乗越えるためにさらに力を加えなければならない。
これにより、使用者は、第１段階の分与量の段階にある
ことを確実に認識することができる。

上記は、第２段階の分与量の分与の態様を例示したもの
であるが、空間配置および構造の許す限り多段の分与が
可能であることは自明である。

［考案の効果］ 上述のように本考案によれば、分与容器は解体をするこ
となく、その排出量を何段階かに変化させることができ
る。また、本考案の分与装置はその作動をロックするこ
とができる。さらに異なった位置に前記案内手段を具え
た多数の円筒体を用意することによって多段階に分与量
を変化させることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、既知の手動分与容器の概念を示す部分的断面
図である。 第２図（ａ）は本考案の一実施態様の装置の部分的断面
図である。第２図（ｂ）は第２図（ａ）のＸ−Ｘ′線に
沿った断面図である。 第３図（ａ）、（ｂ）、第４図（ａ）、（ｂ）は第２図
に示す装置の作動状態を示す同様の図面である。第３図
（ｂ）は第３図（ａ）のＹ−Ｙ′線に沿った部分断面
図、第４図（ｂ）は第４図（ａ）のＺ−Ｚ′線に沿った
断面図である。 第５図は、第２図に示す実施態様の円筒体３の構造を示
す斜視図である。 第６図は別の実施態様の円筒体の構造を示す斜視図であ
る。 第７、８、９図は、好適実施態様におけるノズル手段の
回転阻止機構を図解する平面図、立面断面図、内側面図
である。 これらの図面中、 １……キャップ、２……ポンプハウジング、３……円筒
体、3b,3c……案内手段、４……作動ステムである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ポンプ機構によって液体を分与するために
   容器本体の上部開口に取り付けられる分与装置であっ
   て、ポンプハウジングと、該ポンプハウジング内を上下
   するピストンとして作用し内蔵するばねで付勢されて上
   部がポンプハウジング外に突出する排出管として作用す
   る回転可能な作動ステムと、該容器本体の上部開口を閉
   鎖するキャップと、該キャップに固定されて上方に延長
   する円筒体と、前記作動ステムの突出端に固定される円
   筒形部と該円筒形部の外面に一体的に形成され円周方向
   に等間隔で半径方向に突出する少なくとも２つの上下方
   向に延長するリブとを有するノズル体とからなり、前記
   円筒体には該リブにそれぞれ対応して内面に設けられた
   高さが相異なる少なくとも２つの水平段部を有する階段
   状突条と該水平段部の端に前記リブの回転を一時的に阻
   止する小突起よりなるストッパー手段が設けられてお
   り、前記ノズル体を回転させることにより、分与量を可
   変とすることを特徴とする分与装置。