JPH0797227B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JPH0797227B2
JPH0797227B2 JP63069667A JP6966788A JPH0797227B2 JP H0797227 B2 JPH0797227 B2 JP H0797227B2 JP 63069667 A JP63069667 A JP 63069667A JP 6966788 A JP6966788 A JP 6966788A JP H0797227 B2 JPH0797227 B2 JP H0797227B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電子写真用感光体に関し、詳しくは、機能分
離型感光層を有する電子写真用感光体に関する。
従来の技術 近年、光照射により電荷担体を発生させる電荷発生層
と、電荷発生層で生じた電荷担体を効率良く注入でき、
かつ効率的に移動可能な電荷輸送層とに分離した、いわ
ゆる機能分離型感光層を有する電子写真感光体におい
て、電荷発生層として、非晶質ケイ素を、また電荷輸送
層として、プラズマCVD法で形成された非晶質材料を用
いた電子写真感光体が注目されている。これは非晶質ケ
イ素の有する優れた特性である光感度、高硬度、熱安定
性を損なうことなく、従来の非晶質ケイ素系電子写真感
光体の帯電性、生産性を根本的に改善できる可能性を有
しており、電気的に安定な繰り返し特性を有し、長寿命
の電子写真感光体を得る可能性を有するためであり、こ
れらの点に着目して、種々の電荷輸送層からなる非晶質
ケイ素系電子写真感光体が提案されている。この様な機
能分離型の非晶質ケイ素系電子写真感光体において、電
荷輸送層としては、プラズマCVD法で形成された、例え
ば米国特許第4,634,648号明細書に開示されている酸化
ケイ素やアモルファスカーボンよりなるものを使用する
ことができる。
発明が解決しようとする課題 非晶質ケイ素系電子写真感光体において、電荷輸送層と
電荷発生層を分離した層構成とし、電荷発生層として非
晶質ケイ素を用い、また電荷輸送層として非晶質ケイ素
に比べてより誘電率の小さく、より高抵抗の物質を用い
ることによって、帯電性を向上させ、暗減衰を減少させ
ることができる。しかしながら、上記プラズマCVD法に
よって作成される膜は、その成膜速度が非晶質系膜のそ
れと変わらず、また、層構成が複雑になるため、膜欠陥
の発生確率が増大し、感光体の生産性が低く、極めて高
コストであるという問題があった。
本発明は、従来の技術における上記のような問題点に鑑
みてなされたものである。
したがって、本発明の目的は、新規な電荷輸送層を有す
る電子写真感光体を提供することにある。
即ち、本発明の目的は、接着性が良好で、機械的強度・
硬度が高く、欠陥の少ない電荷輸送層を有する高耐久性
の電子写真感光体を提供することにある。
本発明の他の目的は、高感度で凡色性に富み、高帯電性
で暗減衰が小さく、また露光後の残留電位の少ない電子
写真感光体を提供することにある。
本発明の他の目的は、帯電特性が外部環境の雰囲気の変
化によって影響を受けない電子写真用感光体を提供する
ことにある。
又、本発明の更に他の目的は、繰返し使用しても画像品
質の優れた電子写真用感光体を提供することにある。
課題を解決するための手段および作用 本発明者等は、先にアルミニウムの酸化物が、電荷輸送
層としての機能を有することを見出だしたが(特願昭61
-206876号)、更に検討の結果、特定の方法によってア
ルミニウム酸化物膜を形成した場合に、物理特性及び電
子写真特性において、一層優れたものが得られることを
見出だし、本発明を完成するに至った。
本発明の電子写真感光体は、少なくとも支持体と電荷輸
送層と電荷発生層とからなり、該電荷輸送層は、少なく
とも表面がアルミニウム又はアルミニウム合金よりなる
支持体を純水沸騰水中煮沸処理または加熱水蒸気処理
し、次いで電解質溶液を用いた陽極酸化によって形成さ
れた5〜50μmの陽極酸化アルミニウム皮膜よりなるも
のであることを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
第1図は、本発明の電子写真感光体の基本的層構成を有
する実施例の模式的断面図であり、第2図は、他の実施
例の模式的断面図である。第1図においては、支持体1
上に陽極酸化アルミニウム皮膜2が形成され、その上に
電荷発生層3が形成されている。第2図においては、陽
極酸化アルミニウム皮膜と電荷発生層の間に中間層4が
形成されており、更に表面に表面層5が形成されてい
る。
本発明において、支持体としては、アルミニウム及びそ
の合金(以下、これ等を単にアルミニウムという)より
なるもの、及びアルミニウム以外の導電性支持体及び絶
縁性支持体のいずれをも用いることが出来るが、アルミ
ニウム以外の支持体を用いる場合には、少なくとも他の
層と接触する面に、少なくとも5μm以上の膜厚を有す
るアルミニウムの膜が形成されていることが必要であ
る。このアルミニウム膜は、蒸着法、スパッター法、イ
オンプレーティング法によって形成することが出来る。
アルミニウム以外の導電性支持体としては、ステンレス
スチール、ニッケル、クロム等の金属及びその合金があ
げられ、絶縁性支持体としては、ポリエステル、ポリエ
チレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミ
ド、ポリイミド等の高分子フィルム又はシート、ガラ
ス、セラミック等があげられる。
本発明において、良好な特性の陽極酸化アルミニウム皮
膜を得るためのアルミニウム材料としては、純Al系の材
料の他に、Al-Mg系、Al-Mg-Si系、Al-Mg-Mn系、Al-Mn
系、Al-Cu-Mg系、Al-Cu-Ni系、Al-Cu系、Al-Si系、Al-C
u系、Al-Cu-Zn系、Al-Cu-Ni系、Al-Si系、Al-Cu-Si系、
Al-Mg-Si系等のアルミニウム合金材料の中から適宜選択
して使用することができる。
支持体のアルミニウム面は、電解質を含む水溶液中で陽
極酸化することによって、所望の膜厚のバリヤ層と多孔
質層とからなる陽極酸化アルミニウム皮膜を形成し、電
荷輸送層としての役割を果たす。陽極酸化アルミニウム
皮膜は公知の方法によって形成することができるが、陽
極酸化皮膜を形成するための電解質としては、皮膜溶解
性電解質である硫酸、しゅう酸、クロム酸、リン酸、ス
ルファミン酸、ベンゼンスルフォン酸等の中から適宜選
択して用いることができ、それによって電荷輸送層とし
て必要な厚さの陽極酸化アルミニウム皮膜を形成するこ
とができる。
電解には、直流、交流いずれを用いることも出来る。以
下、直流を適用する場合について述べるが、交流の場合
にも同様にして陽極酸化アルミニウム皮膜を形成するこ
とができる。
支持体上に陽極酸化アルミニウム皮膜を形成するための
陽極酸化処理は、次のようにして行われる。まず、表面
を鏡面切削仕上げし、所望の形状に加工されたアルミニ
ウム面を有する支持体を、有機溶剤又はフロン溶剤中で
超音波洗浄し、続いて純水中で超音波洗浄する。この洗
浄処理後、支持体のアルミニウム面に対して純水沸騰水
中煮沸処理または加熱水蒸気処理を施すことが必要であ
る。これらの処理は、陽極酸化に必要な電気量の低減や
皮膜特性の改質に良好な結果を与えることができる。
引き続いて、支持体上に陽極酸化アルミニウム皮膜を形
成する。ステンレス鋼或いは硬質ガラスなどで作製され
た電解槽(陽極酸化槽)中に電解質溶液(陽極酸化溶
液)を所定の液面まで満たす。電解質溶液としては、通
常、純水中に前記電解質を溶かしたものが用いられる。
純水中の電解質含有濃度は、標準状態(0℃、1気圧)
において、電解質が固体である場合には0.01〜90重量
%、また電解質が液体である場合には0.01〜85体積%で
ある。用いる純粋としては、蒸溜水或いはイオン交換水
等をあげることができるが、特に塩素分等の不純物が充
分に取り除かれていることが、陽極酸化アルミニウム皮
膜の腐蝕やピンホール発生防止のために必要である。
次いで、この電解質溶液の中に陽極として上記のアルミ
ニウム面を有する支持体を、又、陽極としてステンレス
鋼板あるいはアルミニウム板をある一定の電極間距離を
隔てて浸漬する。この際の電極間距離は0.1cm〜100cmの
間において適宜に設定される。直流電源装置を用意し、
その正(プラス)端子とアルミニウム面、及び負(マイ
ナス)端子と陽極板とをそれぞれ結線し、電解質溶液中
の陽極、陰極両電極間に通電する。この通電により、陽
極となる支持体のアルミニウム面上に陽極酸化アルミニ
ウム皮膜が形成される。
この様にして形成された陽極酸化アルミニウム皮膜は、
電解電圧に比例した厚さの無孔性基層(バリヤ層)と、
その上に形成された、電解質の種類、電解電圧、電流密
度、温度等によって決まる膜厚を有する多孔質層とから
なる。
陽極酸化実施時の電流密度は、通常、0.0001〜10A/c
m2、好ましくは0.0005〜1A/cm2である。また陽極酸化電
圧は、通常0.1〜1000V、好ましくは0.1〜700Vである。
又、電解質溶液の液温は、0〜100℃、好ましくは10〜9
5℃に設定される。
必要であれば、形成された陽極酸化皮膜は、純粋沸騰水
中煮沸処理等の封孔処理を施してもよい。また、陽極酸
化アルミニウム皮膜の多孔質層中に、浸漬、電解等の方
法によって、染料、無機塩、金属塩あるいは金属を吸着
又は沈着あるいは析出させて着色することも出来る。こ
の様にして着色した多孔質層を有する陽極酸化アルミニ
ウム皮膜よりなる電荷輸送層は、その上に形成される電
荷発生層を透過した光を吸収する反射防止層としての機
能を有するので、半導体レーザープリンタ用感光体とし
て適したものになる。また、多光質層中に金属を含有さ
せる場合には、電荷輸送層の電荷輸送能を向上すること
が可能になるので、好ましい。
この様にして形成された陽極酸化アルミニウム皮膜は、
必要に応じて純水による洗浄等の措置が取られた後、乾
燥させる。陽極酸化アルミニウム皮膜の膜厚は5〜50μ
mに設定される。
次いで、陽極酸化アルミニウム皮膜上には、電荷発生層
が形成されるが、電荷発生層としては、非晶質ケイ素、
セレン、セレン化水素、セレン−テルル等の無機物を、
CVD、蒸着或いはスパッタ等の方法によって形成したも
のが使用できる。また、フタロシアニン、銅フタロシア
ニン、Alフタロシアニン、スクエアリン酸誘導体、ビス
アゾ染料等の色素を蒸着により、或いは結着樹脂中に分
散して浸漬塗布等の方法により薄膜としたものを用いる
ことができる。中でも、非晶質ケイ素、ゲルマニウムを
添加した非晶質ケイ素を用いた場合には、優れた機械
的、電気的特性を示すものとなる。
以下、非晶質ケイ素を用いて電荷発生層を形成する場合
を例にあげて説明する。
非晶質ケイ素を主成分とする電荷発生層は公知の方法に
よって形成することができる。例えば、グロー放電分解
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空
蒸着法等によって形成することができる。これらの膜形
成方法は、目的に応じて適宜選択されるが、プラズマCV
D法によりシラン或いはシラン系ガスをグロー放電分解
する方法が好ましく、この方法によれば、膜中に適量の
水素を含有した比較的暗抵抗が高く、かつ、光感度も高
い膜が形成され、電荷発生層として好適な特性を得るこ
とができる。
以下、プラズマCVD法を例にあげて説明する。
ケイ素を主成分とする非晶質ケイ素感光層を作成するた
めの原料としては、シラン、ジシランをはじめとするシ
ラン類等があげられる。又、電荷発生層を形成する際、
必要に応じて、水素、ヘリウム、アルゴン、ネオン等の
キャリアガスを用いることも可能である。又、これ等の
原料ガス中に、ジボラン(B2H6)ガス、ホスフィン(PH
3)ガス等のドーパントガスを混入させ、膜中にホウ素
あるいはリン等の不純物元素の添加することもできる。
又、光感度の増加等を目的として、感光層中にハロゲン
原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子等を含有させても
よい。更に又、長波長域感度の増加を目的として、ゲル
マニウム、錫等の元素を添加することも可能である。
本発明において、電荷発生層は、ケイ素を主成分とし、
1〜40原子%、好ましくは5〜20原子%の水素を含んだ
ものが好ましい。膜厚としては、0.1〜30μm、好まし
くは0.2〜5μmの範囲に設定される。
本発明の電子写真感光体においては、必要に応じて、電
荷発生層の上部或いは下部に隣接して、他の層を形成し
てもよい。これ等の層としては、例えば次のものがあげ
られる。
中間層として、例えばアモルファスシリコンに元素周期
律表第III族あるいはV族元素を添加してなるp形半導
体層、n形半導体層、あるいは窒化ケイ素、炭化ケイ
素、酸化ケイ素、非晶質炭素などの絶縁層が、また、そ
の他、元素周期律表第IIIB族元素、V族元素を同時に含
む層等、感光体の電気的及び画像的特性を制御できる層
があげられる。これらの各層の膜厚は任意に決定できる
が、通常0.01μm〜10μmの範囲に設定して用いられ
る。
更に、電子写真感光体表面のコロナイオンによる変質を
防止するための表面保護層を設けてもよい。
上記各層は、プラズマCVD法により形成することができ
る。電荷発生層の場合に説明したように、不純物を添加
する場合には、それ等の不純物元素を含む物質のガス化
物を、シランガスと共にプラズマCVD装置内に導入して
グロー放電分解を行う。上記各層の膜形成条件は次の通
りである。即ち、周波数は、通常、0〜5GHz、好ましく
は5〜3GHz、放電時の真空度は10-5〜5Torr(0.001〜66
5Pa)、基板加熱温度は100〜400℃である。
実施例 次に実施例によって本発明を詳細に説明する。
実施例1 純度99.99%のAl-Mg合金からなる直径約120mmの円筒状
アルミニウムパイプを支持体として用い、フロン洗浄と
蒸溜水中超音波洗浄を行った後、純水沸騰水中煮沸処理
を15分間実施した。引き続いて、電解質溶液として、4
%のりん酸溶液を用い、液温28℃に維持しながら、直流
電圧60Vをアルミニウムパイプと円筒状陰極であるステ
ンレス鋼板との間に印加し、60分間陽極酸化を行った。
形成された陽極酸化アルミニウム皮膜は膜厚20μmであ
った。
この様にして陽極酸化アルミニウム皮膜が形成されたア
ルミニウムパイプを蒸溜水中で超音波洗浄し、100℃で
乾燥した後、容量結合型プラズマCVD装置の真空槽内に
設置した。このアルミニウムパイプを250℃に維持し、
真空槽内に100%シラン(SiH4)ガスを毎分250cc、水素
稀釈の100ppmジボラン(B2H6)ガスを毎分3cc、更に100
%水素(H2)ガスを毎分250ccで流入させ、真空槽内を
1.5Torr(200.0N/m2)の内圧に維持した後、13.56MHzの
高周波電力を投入して、グロー放電を生じせしめ、高周
波電源の出力を350Wに維持した。このようにして水素と
極微量の硼素を含む高暗抵抗で、いわゆるi型の非晶質
ケイ素からなる厚さ2μmの電荷発生層を形成した。
以上の手順により、アルミニウムパイプ上に膜厚20μm
の陽極酸化アルミニウム皮膜よりなる電荷輸送層と膜厚
2μmのi型非晶質ケイ素よりなる電荷発生層とを有す
る電子写真感光体を得た。
得られた電子写真用感光体に対して、正帯電特性を測定
したところ、感光体流入電流10μA/cmの場合、帯電直後
の帯電電位は、600Vであり、暗減衰は10%/secであっ
た。白色光で露光した後の残留電位は100Vであり、半減
露光量は9erg.cm2であった。
比較のために、純水沸騰水中煮沸処理及び陽極酸化処理
を行っていないアルミニウムパイプ上に、上記と同一方
法、同一条件によりi型の非晶質ケイ素よりなる膜厚2
μmの感光層を有する電子写真感光体を作成した。この
電子写真用感光体に対して、同様な方法で正帯電特性を
測定したところ、感光体流入電流10μA/cmの場合、帯電
直後の帯電電位は60Vであった。
上記比較から明らかなように、陽極酸化アルミニウム皮
膜は電荷輸送層として機能していることが分る。
実施例2 純度99.99%のAl-Mg合金からなる直径約120mmの円筒状
アルミニウムパイプをフロン洗浄と蒸溜水中超音波洗浄
を行った後、純水沸騰水中煮沸処理を15分間実施した。
引き続いて、電解質溶液として、純粋中に8体積%の硫
酸及び0.5重量%の硫酸アルミニウムを添加してなる溶
液を用い、液温25℃に維持しながら、直流電圧50Vをア
ルミニウムパイプと円筒状陰極であるステンレス鋼板と
の間に印加し、80分間陽極酸化を行った。形成された陽
極酸化アルミニウム皮膜は膜厚17.5μmであった。
この様にして陽極酸化アルミニウム皮膜が形成されたア
ルミニウムパイプを蒸溜水中で超音波洗浄し、100℃で
乾燥した後、容量結合型プラズマCVD装置の真空槽内に
設置した。その後、実施例1におけると同様にして電荷
発生層を形成した。
得られた電子写真感光体に対して、正帯電特性を測定し
たところ、感光体流入電流10μA/cmの場合、帯電直後の
帯電電位は520Vであり、暗減衰は15%/secであった。白
色光で露光した後の残留電位は85Vであり、半減露光量
は8erg.cm2であった。
比較例1 純度99.99%のAl-Mg合金からなる直径約120mmの円筒状
アルミニウムパイプをフロン洗浄と蒸溜水中超音波洗浄
を行なった。引き続いて、電解質溶液として、5%のし
ゅう酸溶液を用い、液温30℃に維持しながら、直流電圧
55Vをアルミニウムパイプと円筒状陰極であるステンレ
ス鋼板との間に印加し、60分間陽極酸化を行った。形成
された陽極酸化アルミニウム皮膜は膜厚16μmであっ
た。
この様にして陽極酸化アルミニウム皮膜が形成されたア
ルミニウムパイプを蒸溜水中で超音波洗浄し、100℃で
乾燥した後、容量結合型プラズマCVD装置の真空槽内に
設置した。その後、実施例1におけると同様にして電荷
発生層を形成した。得られた電子写真感光体に対して、
正帯電特性を測定したところ、感光体流入電流10μA/cm
の場合、帯電直後の帯電電位は490Vであり、暗減衰は17
%/secであった。白色光で露光した後の残留電位は70V
であり、半減露光量は8erg.cm2であった。
比較例2 純度99.99%のAl-Mg合金からなる直径約120mmの円筒状
アルミニウムパイプをフロン洗浄と蒸溜水中超音波洗浄
を行なった。引き続いて、電解質溶液として、純粋中に
15体積%の硫酸を添加してなる溶液を用い、液温35℃に
維持しながら、直流電圧40Vをアルミニウムパイプと円
筒状陰極であるステンレス鋼板との間に印加し、60分間
陽極酸化を行った。
次いで、ニッケル塩を含む溶液中で交流電解を行い、多
孔質層の孔中にニッケルを析出させた。形成された陽極
酸化アルミニウム皮膜は膜厚16μmで、外観は黒色であ
った。
この様にして陽極酸化アルミニウム皮膜が形成されたア
ルミニウムパイプを蒸溜水中で超音波洗浄し、100℃で
乾燥した後、容量結合型プラズマCVD装置の真空槽内に
設置した。その後、実施例1におけると同様にして電荷
発生層を形成した。得られた電子写真感光体に対して、
正帯電特性を測定したところ、感光体流入電流10μA/cm
の場合、帯電直後の帯電電位は440Vであり、暗減衰は18
%/secであった。白色光で露光した後の残留電位は70V
であり、半減露光量は7.5erg.cm2であった。
発明の効果 本発明の電子写真感光体は、上記のように、電荷輸送層
として陽極酸化アルミニウム皮膜よりなる層を有するも
のであるから、電荷輸送層と基板及び電荷発生層との接
着性、密着性が極めて高く、機械的強度・硬度も高く、
欠陥の少ないものであり、したがって本発明の電子写真
感光体は耐久性に優れたものである。また本発明の電子
写真感光体は、高感度で凡色性に富み、高帯電性で暗減
衰が低く、また、露光後の残留電位の少ないものであ
り、その帯電特性は、外部環境の雰囲気の変化によって
影響を受けることがなく、また、繰り返し使用しても優
れた画質の画像を形成する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の模式的断面図、第2図は本
発明の他の実施例の模式的断面図である。 1……支持体、2……陽極酸化アルミニウム皮膜、3…
…電荷発生層、4……中間層、5……表面層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−63051(JP,A) 特開 昭63−8748(JP,A) 特開 昭61−262744(JP,A) 特開 昭59−87462(JP,A) 特開 昭57−104938(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも支持体と電荷輸送層と電荷発生
    層とからなり、該電荷輸送層は、少なくとも表面がアル
    ミニウム又はアルミニウム合金よりなる支持体を純水沸
    騰水中煮沸処理または加熱水蒸気処理し、次いで電解質
    溶液を用いた陽極酸化によって形成された5〜50μmの
    陽極酸化アルミニウム皮膜よりなるものであることを特
    徴とする電子写真用感光体。
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