JPH079702Y2 - インスツルメントパネルの収納部 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車車室内前部に設けられているインスツ
ルメントパネルの収納部、特に、衝突事故時などにおけ
る乗員脚部からの衝撃を吸収し易いようにした収納部に
関するものである。

〔従来の技術〕

従来、インスツルメントパネルの収納部は、第３図と第
４図とに示すように、インスツルメントパネル１の下面
部２の下方に位置するポケットスペースにグローブボッ
クス３を車室側に向けてグローブボックスの下端部Ｂを
中心に回動可能に配置することによって構成されてい
る。そして前記下面部２の車室側内面にストライカ40を
固定し、グローブボックス３の蓋部５の内面上部に位置
するロック部60が係合するように設けられており、この
ロック部60が実開昭58-116443号公報に示されているよ
うなフックの係脱操作によってグローブボックスの開閉
が行われる。図中７は照明具で、前記ストライカ40に支
持されているハウジング70に取り付けられている。また
ａはグローブボックスの蓋部が衝突時に当接するインス
ツルメントパネルの戸当たりを示す。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上述した構造の収納部においては、衝突
事故時に乗員の脚部（膝）Ａが前方に移動しグローブボ
ックスに衝突すると、その衝撃荷重がストライカループ
と戸当たりのみに伝わり、前記ストライカループが一旦
外れると、収納部が破壊され、よって乗員の脚部の移動
量が大きくなって胸部シートベルトが乗員の首に掛かっ
てしまうという問題点があった。

そこで乗員の脚部から衝撃が加わった場合などにおい
て、脚部側に損傷を与えることなく、収納部全体でその
衝撃を吸収して収納部の破壊を防止するようにすること
が課題となされていた。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記した課題を考慮してなされたもので、イ
ンスツルメントパネルの下面部下方に、グローブボック
スを、該グローブボックスの下端部を中心にして車室側
に回動可能に配置し、該グローブボックスの上方の閉断
面内にインスツルメントパネル側に設けられたストライ
カループと係合するロック部を形成した収納部におい
て、前記下面部上面に前端から後端にかけて配置された
パネル補強板金と、前記下面部下面に前記ロック部まで
延設して前記ストライカループを取り付けたストライカ
ベースとを有し、前記下面部は前記パネル補強板金と前
記ストライカベースとから挟持固定され、前記ロック部
内面の少なくともストライカベースと対向する閉断面に
ロック補強板金を設けたことを特徴とするインスツルメ
ントパネルの収納部を提供して、課題を解消するもので
ある。

〔作用〕

本考案においては、下面部の内面に配置したパネル補強
板金とストライカベースとが前記下面部を挟み込むよう
にして取り付けられることから、この下面部、すなわち
ポケットスペースの上部の強度が向上して、グローブボ
ックスの蓋部に加わった衝撃をストライカ部分を含めた
ボックススペース上部と戸当たりとのボックススペース
全体を受け止め、ストライカベースを適度に座屈させな
がら外れを生じさせることのないようストライカの移動
を抑え込むようになる。

〔実施例〕

つぎに、本考案を第１図と第２図とに示す実施例に基づ
いて詳細に説明する。なお、第３図に示した従来例と構
造が重複する部分は同符号を示してその説明を省略す
る。

インスツルメントパネル１の下面部２の上面においては
前端側から後端側にかけてパネル補強板金８が配置され
るとともに、前記下面部２の下面にはストライカベース
4aを配置して、前記下面部２を挟み込むようにパネル補
強板金８と前記ストライカベース4aとがビス止め固定さ
れている。前記ストライカベース4aは断面略く字型状に
曲成してグローブボックス３のロック部６側に延設され
ており、その延設端にストライカループ4bを固定するこ
とによってストライカ４が構成されている。また前記ロ
ック部６内にはこのロック部６を補強するロック補強板
金９が内設されていて、自動車の衝突時には、乗員が前
方に移動して脚部Ａがグローブボックス３に衝突し、グ
ローブボックス３に設けられたロック補強板金９が裏蓋
部を介してストライカベース4aに当接して、衝突荷重を
ストライカベース4aに伝達し、開口部10近傍で座屈変形
することで衝撃荷重を吸収すると共に、ストライカベー
ス4aに一体に設けられたハウジングｂがインスツルメン
トパネル１の下面部２に当接して下面部２上面のパネル
補強板金８に衝突荷重を伝達し、インスツルメントパネ
ル１全体で受け止められる。

上記ストライカベース4aのグローブボックス側の下面板
には、ストライカベースの座屈程度を調整できる開口部
10が開口されていて、開口部10の大きさはストライカベ
ース4aの大きさ、形状、または照明具７の設置場所等に
より決められ、衝突時にこの開口部10近傍が座屈変形す
ることで衝突荷重を吸収することができる。この開口部
10の開口寸法によって衝突時のロック部を伴ったストラ
イカ４の移動変形を設定でき、突き出された脚部Ａに損
傷を与えない程度にストライカの移動変形を抑え込むよ
うに図られている。さらに前記開口部10の周縁には照明
具７が取り付けられ、このストライカベースでランプの
ハウジングｂおよびハーネスガイドｃを形成し、この開
口部10を介してクローブボックス内を照明できるように
設けられている。

〔考案の効果〕

以上照明したように、本考案によれば、インスツルメン
トパネルの下面部下方にグローブボックスを配置した収
納部において、前記下面部内側にパネル補強板金を配
し、ストライカループを備えてグローブボックスのロッ
ク部へ延設されたストライカベースを、前記パネル補強
板金とで挟持状態にして下面部下面に固定して、インス
ツルメントパネル下面部全体の強度を向上させるととも
に、前記ロック部にロック補強板金を配することによっ
て衝突による荷重を前記下面部に効率よく伝え、下面部
全体に荷重を分散させるとともに、ストライカを開口部
から移動変形させることで衝撃力を吸収し、乗員の脚部
の移動を極力抑え込むことができ、またこのストライカ
ベースでランプハウジングおよびハーネスガイドを共用
できるようにするなど、実用性にすぐれた効果を奏する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るインスツルメントパネルの収納部
の一実施例を示す説明図、第２図は一実施例において脚
部との衝突時を示す説明図、第３図は従来例を示す説明
図、第４図はインスツルメントパネルを示す説明図であ
る。 １……インスツルメントパネル ２……下面部 ３……グローブボックス ４……ストライカ 4a……ストライカベース ６……ロック部 ８……パネル補強板金 ９……ロック補強板金 10……開口部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】インスツルメントパネルの下面部下方に、
   グローブボックスを、該グローブボックスの下端部を中
   心にして車室側に回動可能に配置し、 該グローブボックスの上方の閉断面内にインスツルメン
   トパネル側に設けられたストライカループと係合するロ
   ック部を形成した収納部において、 前記下面部上面に前端から後端にかけて配置されたパネ
   ル補強板金と、 前記下面部下面に前記ロック部まで延設して前記ストラ
   イカループを取り付けたストライカベースとを有し、 前記下面部は前記パネル補強板金と前記ストライカベー
   スとから挟持固定され、 前記ロック部内面の少なくともストライカベースと対向
   する閉断面にロック補強板金を設けた ことを特徴とするインスツルメントパネルの収納部。
2. 【請求項２】上記ストライカベースは上記下面部との間
   に照明具を固定するためのランプハウジングと、 該照明具の配線を固定するためのハーネスガイドと、 該照明具によりグローブボックス内を照明するための開
   口部とを一体に形成するとともに、 該開口部を衝突時に座屈変形させて衝撃を吸収する 実用新案登録請求の範囲第１項に記載のインスツルメン
   トパネルの収納部。