JPH0795430B2 - 高周波コイル巻回用の複合線およびこのような複合線を用いた偏向ユニット - Google Patents

高周波コイル巻回用の複合線およびこのような複合線を用いた偏向ユニット

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JPH0795430B2
JPH0795430B2 JP61078071A JP7807186A JPH0795430B2 JP H0795430 B2 JPH0795430 B2 JP H0795430B2 JP 61078071 A JP61078071 A JP 61078071A JP 7807186 A JP7807186 A JP 7807186A JP H0795430 B2 JPH0795430 B2 JP H0795430B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、互に絶縁された導電材料の多数の素線(sing
le wire strand)より成る高周波コイル巻回用の複合
線に関するものである。複合線はエレクトロニクスにお
いて高周波用のコイルを巻くのに用いられる。
偏向コイルがリッツ線、この場合には35本の細い捩られ
た素線より成るリッツ線より巻かれた偏向コイルを有す
るディスプレイ管より成る高解像度ディスプレイは、例
えば「ジャーナル・オブ・ジ・エレクトロニック・イン
ダストリー(Journal of the electronic Ind.)」
1985年1月、第64頁に開示されている。単線の代りに複
合線を使用する目的は、高周波において偏向コイルの動
作時に発生する渦電流を減少することにある。渦電流が
あると偏向コイルが許容以外に発熱する。
けれども、普通の複合(リッツ)線は、渦電流の減少と
いう利点の他に欠点も有する。この線の製造には可なり
複雑な機械を使用せねばならない。更に、複合線の導体
断面積(占有率)は同直径の単線(中実線)の導体断面
積よりも小さい。占有率が小さいことはオーム抵抗が大
きいことを意味する。
本発明の目的は、製造が簡単でその占有率が単線のそれ
とできるだけ等しいようにした冒頭記載のタイプの複合
線を得ることにある。この目的は複合線を次のようにす
ることによって達成することができる、すなわち、前記
複合線は、薄い絶縁層を有する多数の素線で取り囲まれ
た中心の裸素線を有し、前記中心の裸素線の直径d1と前
記取り囲む各素線の直径d2とはd1≧d2を満足し、前記の
素線は、複合線の長さに沿って、相互に関して予め決め
られた位置を有し、前記中心の裸素線は、複合線の長さ
に沿って、中心位置のままであり、これ等の素線は、絶
縁材料の層で被覆された固体アセンブリを形成するよう
に束ねられる。本発明では素線は一定のピッチを有して
もよく、このピッチは、用途および直径に左右される。
実際の場合このピッチは1cm当り1捩りと25cm当り1捩
りの間にある。けれども素線の相互位置は、本発明の一
実施例に従って素線を平行に延在させることによって極
めて有利に固定されることができる。
素線が複合線の長さに沿って予め決められた相互位置を
有することを保証することによって、1つまたはそれ以
上の裸線(絶縁層を有しない)を本発明の複合線に用い
ることができる。このことは、直径に影響を与えること
なしに導体の断面積の増加をきたす。この結果、同じ外
径の中実線の断面積より最大で20%減の導体断面積を有
する複合線を得ることが可能である。これは従来の複合
線では一般に不可能である。
本発明の範囲内において、束ねられた素線の数多くの異
なる形状が可能である。これ等の形状は、その周囲に残
りの素線が束ねられた1つの素線より形成されるのが好
ましい。けれども、何れの場合においても、素線は始め
から終り迄簡単に接触することが保証されねばならない
(一定の外径)。
中心の素線の周囲に束の形で別の素線が配設される場
合、この中心の素線は裸で残りの素線が薄い絶縁層を有
すれば、隣接した複合素線間の最小ブレークダウンの条
件に関して有利である。
実際には試験結果のよかった複合線の形は、中心の裸素
線の周囲を束の形で5つまたはそれ以上、特に6つの素
線で取囲んだ形である。5つの束ねた素線を有する中心
の裸素線または6つの束ねた素線を有する中心の裸素線
の形(この後者の場合中心の線の直径は束ねられる線と
同じである)は、製造がより簡単であるという利点を有
し、一方それ以上の数の素線を束ねた中心の裸素線の形
(この場合は中心の裸素線の直径は束ねられる線よりも
大きい)は、同じ外径では導体断面積が大きくまた円形
により近づくという利点を有する。
何れの場合にも、これ等の複合線よりつくられた偏向コ
イルの温度は16−100KHz間の周波数で付勢された場合は
許容限度以下に保たれる。
素線は、固体ユニットを形成するために種々の方法で結
合することができる。
第1の方法は、周囲の素線を中心の裸素線に接着するこ
とである。この目的で、中心の裸素線に例えば熱可塑性
外層の形で接着剤を設けてもよい。
第2の方法は、素線全体を絶縁ラツカで被覆することで
ある。これを行うために、素線を正しい形に供給しなが
らエナメル炉を通して引張るようにしてもよい。
この第2の方法の利点は、導体断面積が大きいというこ
とである。中心の素線の直径は、第1の方法の接着剤の
層を有する素線の全体としての直径と同じ大きさでよ
い。
サドル形の偏向コイルに使用される場合には、固体アセ
ンブリを形成するために素線を結合する方法とは関係な
く、複合線は熱可塑性の外被を有する。
本発明はまた前述したタイプの複合線より巻回されたコ
イルに関するものである。このようなコイルは、例えば
スイッチ電源、直線性コレクタ,ブリッジコイル,正確
に駆動されるモータおよび偏向ユニットに有利に用いる
ことができる。後者の場合には、(偏向)コイルが熱可
塑性材料の外被によって取巻かれるのが有利であろう。
前記の複合線より自己保持形のコイルを巻回する場合に
は、このような外被は不可欠である。自己支持形コイル
の一例はサドル形偏向コイルである。本発明はまた前述
した複合線より巻回された少なくとも一対のサドル形偏
向コイルを有する陰極線管の偏向コイルに関するもので
ある。
実際のところ従来の複合線は種々の理由によってサドル
形偏向コイルを巻回するのに適していない。これは特
に、素線よりサドル形偏向コイルを巻回するのに用いら
れる現在の素線技術(および現在の巻線機)を複合線よ
りのサドル形偏向コイルの巻回にも使用する場合に当嵌
る。0.2mmよりも細い線はダイスと巻線治具の壁の間に
はさまれ易く、この結果ブレークダウン(絶縁が損傷さ
れて)または更に線の破断をきたすことさえある。素線
が個々に或いはまたリッツ線(数本の素線がよられて1
つの線束を形成した)の形で治具内で巻かれても変りは
ない。
現在の巻線機で作業できるように、複合線は更に、取っ
て代られる単線の直径とできるだけ違わない全体直径を
もたねばならない。線が太いと治具への充填に問題を生
じる。これ等の問題は前述した複合線を用いることによ
って解決される。
以下に本発明を図面の実施例を参照して更に詳しく説明
する。
素線9−14は銅線より成り、例えば120μmの直径dを
有し、例えば6μmの厚さの例えばポリウレタンまたは
ポリエステルイミドの絶縁外被を有する。絶縁外被を有
する前記の6本の線は、例えば直径132μmの中心の裸
線15を線束の形で取囲む。平行に延在する線9−15は、
例えばやはりポリウレタンの接着剤16の層によって固体
アセンブリを形成するように結合される。このアセンブ
リは合成樹脂の外被17によって取囲まれている。
素線9−14の絶縁外被の厚さは、複合線セグメントの素
線間の電圧が小さいので、薄くてよい。(素線相互間の
最小ブレークダウンに対する必要条件は例えば100Vであ
る)。偏向コイルに使用される複合線の隣接セグメント
間の電圧は遥かに大きく、通常の絶縁値を維持せねばな
らない。(隣接の複合線セグメント間の最小ブレークダ
ウンに対する必要条件は例えば3000Vである)。このよ
うな場合、複合線を絶縁材料の層に加えて熱可塑性材料
の層で取囲むと有利である。
第2図は、第1図の断面で示した複合線の製造を示す。
素線は点Aにおいて正しい形で供給され、次いでラッカ
ジェット(lacquer jet)30とエナメル炉31を連続的に
通される。
束ねる代りの方法は、中心の線15の周囲に接着層例えば
熱可塑性樹脂(材料)の層を設け、ラッカジェットおよ
びエナメル炉の代りに加熱によって線を束ねることであ
る。この場合は中心の線15は132μmよりも小さな直径
を有し、例えば接着層の厚さが10μmの場合112μmで
ある。
第3図は9本の素線を有する複合線の断面図である。素
線19−26は銅より成り、100μmの直径d′を有し、厚
さ6μmのポリウレタン絶縁層を有する。前記の素線19
−26は、直径180μmの中心の裸線27を束の形で取囲
む。9本の平行に延在する線は、ラッカ28の層によって
固体(solid)アセンブリを形成するように結合され
る。このアセンブリは、例えばフェノキシ樹脂のような
熱可塑性外被29で被覆される。
第3図と第5図の断面で示した複合線の直径DとD′
は、現在の巻線機にしばしば用いられる単線の直径に相
当し(銅線直径355μm,絶縁層の厚さ20μm,熱可塑性外
被の厚さ8.5μm;全体直径412μm),408から418μmに
変わる。けれども、本発明はこれ等の直径を有する複合
線の使用に限定されるものではない。
第4図は、合成樹脂支持体2を有する陰極線管の偏向ユ
ニット1を示す。前記の支持体は、その内側に一対の偏
向コイル3,4をまたその外側に磁性材料の環状心5を支
持し、この環状心には一対の偏向コイル6,7(7は図面
には見えない)がトロイダル状に巻かれている。第5図
は、自己支持形所謂サドル形の偏向コイル3を単独に示
したものである。この第5図は、動作時表示スクリーン
に面する前フランジ32と動作時表示スクリーンと反対方
向に向いている後フランジ33を有する自己支持形偏向コ
イル3を示す。けれども、本発明は、前フランジだけを
有する自己支持形偏向コイルにも関するものである。偏
向コイル3並びに4は、本発明によれば、以下に説明す
るタイプの複合線8より巻回される。束ねられた素線
は、例えばブチラール、変性(modified)エポキシ樹脂
またはナイロン等より成る熱可塑性外被17で取囲まれ
る。この熱可塑性外被17は、偏向コイル(第5図)を形
成するために所定のパターンに巻回され得ると直ちにこ
のようにできた偏向コイルの形を固定するために巻線の
隣接セグメントを結着するのに役立つ。この目的で、コ
イルが未だ巻線治具にある時に通常は巻線に電流を流
し、熱可塑性外被の軟化温度迄コイルを加熱する。熱可
塑性外被の材料は、その軟化温度が、動作時に偏向コイ
ルが到達する温度よりも高いという条件を満たすもので
なければならない。これ等の温度は、例えば夫々200゜
と95℃である。治具内で冷却後第5図に示したような自
己支持形コイルが得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の複合線の一実施例の断面図、 第2図は第1図に示した複合線の製法の図解、 第3図は本発明の複合線の別の実施例の断面図、 第4図は陰極線管の偏向コイルの一部切欠斜視図、 第5図は偏向コイルの一つの斜視図である。 3,4……偏向コイル、5……環状心 8……複合線、9−14,19−26……素線 15,27……中心の裸素線、16……接着剤 17,29……熱可塑性外被 28……ラツカ層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互に絶縁された導電材料の多数の素線より
    成る高周波コイル巻回用の複合線において、前記複合線
    は、薄い絶縁層を有する多数の素線で取り囲まれた中心
    の裸素線を有し、前記中心の裸素線の直径d1と前記取り
    囲む各素線の直径d2とはd1≧d2を満足し、前記素線は、
    複合線の長さに沿って、相互に関して予め決められた位
    置を有し、前記中心の裸素線は、複合線の長さに沿っ
    て、中心位置のままであり、これ等の素線は、絶縁材料
    の層で被覆された固体アセンブリを形成するように束ね
    られたことを特徴とする高周波コイル巻回用の複合線。
  2. 【請求項2】素線は平行に延在する特許請求の範囲第1
    項記載の高周波コイル巻回用の複合線。
  3. 【請求項3】中心の裸素線は5つまたは6つの素線で取
    囲まれた特許請求の範囲第1項記載の高周波コイル巻回
    用の複合線。
  4. 【請求項4】中心の裸素線は6つより多い素線で取囲ま
    れた特許請求の範囲第1項記載の高周波コイル巻回用の
    複合線。
  5. 【請求項5】素線は、1つのアセンブリを形成するよう
    にラッカ層によって束ねられた特許請求の範囲第1項か
    ら第4項の何れかの1項記載の高周波コイル巻回用の複
    合線。
  6. 【請求項6】複合線は、同じ外形を有する単線の導体断
    面積より最大でも20%減である特許請求の範囲第1項か
    ら第5項の何れかの1項記載の高周波コイル巻回用の複
    合線。
JP61078071A 1985-04-04 1986-04-04 高周波コイル巻回用の複合線およびこのような複合線を用いた偏向ユニット Expired - Lifetime JPH0795430B2 (ja)

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NL8600341A NL8600341A (nl) 1986-02-12 1986-02-12 Meervoudige draad voor h.f. toepassingen, spoel gewikkeld uit een dergelijke draad en afbuigeenheid met een dergelijke spoel.
NL8600341 1986-02-12

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JPS62186446A JPS62186446A (ja) 1987-08-14
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US (1) US4692731A (ja)
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JP (1) JPH0795430B2 (ja)
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