JPH0794506B2 - 透明性に優れたメタクリル系樹脂、その樹脂組成物およびそれらの製造方法 - Google Patents

透明性に優れたメタクリル系樹脂、その樹脂組成物およびそれらの製造方法

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JPH0794506B2
JPH0794506B2 JP1008863A JP886389A JPH0794506B2 JP H0794506 B2 JPH0794506 B2 JP H0794506B2 JP 1008863 A JP1008863 A JP 1008863A JP 886389 A JP886389 A JP 886389A JP H0794506 B2 JPH0794506 B2 JP H0794506B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、透明性に優れたメタクリル系樹脂、その樹脂
組成物およびそれらの製造方法に関し、より詳しくは近
紫外部から可視部にかけての透明性に優れたメタクリル
系樹脂、その樹脂組成物およびそれらの製造方法に関す
るものである。
〔従来の技術〕
一般に、メタクリル酸メチル単独またはメタクリル酸メ
チルを主成分としたメタクリル系樹脂は、透明性、表面
光沢、機械的強度、成形性などに優れた特性を有し、デ
ィスプレイ、光ディスク基盤、光ファイバー、ライトガ
イド、レンズ等の光学用素材として多用されている。こ
のように透明性が良いことで知られているメタクリル系
樹脂の製造方法は種々あるが、高度の透明性が要求され
る場合には、メタクリル酸メチル等の単量体から鋳込重
合により、メタクリル系樹脂を製造する方法がとられて
いる。通常、泡等の外観欠点の防止又は着色防止を目的
として、ガラスセルなどの鋳型に単量体溶液を注入した
後、減圧にて脱気したり、あるいはこの後重合炉内を窒
素雰囲気下としたりして重合する方法や、単独体中の酸
化物あるいは過酸化物を除く目的で単量体を精製したの
ちに前記方法で重合する方法などが従来からとられてき
た。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来行われている上記減圧脱気又は減圧
脱気後炉内を窒素雰囲気下として重合する方法では、泡
のない良品は得られるものの、わずかな着色もない高度
の透明性が要求される光学材料用としてはなお透明性が
十分でないという問題があり、更に改良する努力が要求
されていた。また、上記単量体を精製する方法ではある
程度の改良効果は認められているものの、重合中の着色
に対する対策が十分でないため要求される透明性が達成
できず、更にはコストと時間がかかるという問題点を有
していた。したがって本発明は、上記課題を解決すべ
く、透明性、特に近紫外部から可視部にかけての透明性
に優れたメタクリル樹脂およびメタクリル樹脂組成物の
提供ならびにそれらを簡便に製造する方法の提供を目的
とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、かかる問題点を解決し透明性の向上を図
るべく、その原因追求および解決方法について鋭意検討
した結果、単量体溶液中に溶存する酸素に起因して重合
中に生成するピルビン酸メチルがメタクリル系樹脂の近
紫外部領域での透明性を低下させていること、およびピ
ルビン酸メチルの生成を抑える方法として、メタクリル
樹脂を鋳込重合により製造する際に鋳型に単量体を仕込
んだ後、気体窒素で単量体溶液中の溶存酸素を置換する
こと、あるいは単量体中に亜リン酸エステルを添加する
こと、又は両者の方法を併用することにより着色が防止
され、本来の透明性が発現されることを見出し、本発明
に到達したものである。
すなわち、上記目的は本発明によれば (1) メタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチル
を50重量%以上を含有する単量体を鋳型重合してなるメ
タクリル系重合体であって、ピルビン酸メチルの含有量
が4ppm以下である透明性に優れたメタクリル系樹脂、お
よび (2) メタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチル
単位を50重量%以上を含有するメタクリル系重合体から
選ばれたメタクリル系樹脂100重量部に対して、〔I〕
(式中、R1およびR2はアルキル基またはアリール基を
示し、R3は水素原子、アルキル基またはアリール基を
示す。) で表わされる亜リン酸エステル0.01〜1.0重量部を含有
せしめてなり、ピルビン酸メチルの含有量が4ppm以下で
ある透明性に優れたメタクリル系樹脂組成物。
により達成することができる。
また、上記目的は本発明によれば (3) メタクリル酸メチル単独またはメタクリル酸メ
チルを50重量%以上含有する重合性不飽和単量体混合物
を、ラジカル重合開始剤の存在下で重合するに際し、該
単量体溶液中に気体窒素を吹き込み、該単量体中の溶存
酸素量を1ppm以下とすることを特徴とする透明性に優れ
たメタクリル系樹脂の製造方法、および (4) メタクリル酸メチル単独またはメタクリル酸メ
チルを50重量%以上含有する重合性不飽和単量体混合物
100重量部に対して〔I〕式 (式中、R1およびR2はアルキル基またはアリール基を
示し、R3は水素原子、アルキル基またはアリール基を
示す。) で表わされる亜リン酸エステル0.01〜1.0重量部を共存
せしめてなる組成物をラジカル重合開始剤の存在下で気
体窒素を鋳型内の該組成物に、吹き込み、該組成物中の
溶存酸素量を1ppm以下とすることを特徴とする透明性に
優れたメタクリル系樹脂組成物の製造方法によって達成
することができる。
本発明のメタクリル系樹脂の製造において使用される重
合性原料としては、メタクリル酸メチル単独またはメタ
クリル酸メチルを50重量%以上含む重合性不飽和単量体
混合物である。メタクリル酸メチルと共重合可能な重合
性不飽和単量体の例としては、(メタ)アクリル酸(ア
クリル酸あるいはメタアクリル酸を意味する。以下同
様)、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エ
チルヘキシル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、(メタ)アク
リル酸アリル、(メタ)アクリル酸2−ビロキシエチル
で代表される(メタ)アクリル酸とアルコールとのエス
テル、(メタ)アクリルアミドとその誘導体、スチレン
とその誘導体、および酢酸ビニル等を挙げることができ
る。本発明において、重合性原料としてメタクリル酸メ
チル50重量%以上含む重合性不飽和単量体混合物を使用
する場合、メタクリル酸メチルを50重量%以上、好まし
くは60重量%以上、さらに80重量%以上含むことが好ま
しい。透明性の点からはメタクリル酸メチル単独である
場合が最も好ましい。また本発明の重合性原料として
は、メタクリル酸メチルあるいはメタクリル酸メチル50
重量%以上含む重合性不飽和単量体混合物を塊状予備重
合して得られる部分重合物を用いることもできるが、窒
素吹入による溶存酸素追出が難しい点、予備重合に起因
する着色を避ける点などから、単量体を使用することが
好ましい。
本発明に用いられる、次式 (式中、R1およびR2はアルキル基またはアリール基を
示し、R3は水素原子、アルキル基またはアリール基を
示す。) で表わされる亜リン酸エステルは着色原因の物質の生成
を抑える目的で添加されるものであり、その具体例とし
ては (a) トリエチルホスファイト、トリブチルホスファ
イト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘ
キシル)ホスファイト、トリス(2,4−ジt−ブチル)
ホスファイト等; (b) ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト、ジラウリルペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファ
イト等; (c) トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフ
ェニル)ホスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘ
キシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファ
イト、ジフェニルトリデシルホスファイト、トリス(2,
4−ジt−ブチルフェニル)ホスファイト等; (d) ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトール
ジホスファイト、ジフェニルペンタエリスリトールジホ
スファイト等; を挙げることができ、これらの中で(a)の例で示され
た〔II〕式の亜リン酸エステル (RO3P …〔II〕 (式中、Rは炭素数1〜18のアルキル基を示す。) が好ましく、特にトリデシルホスファイトが好ましい。
亜リン酸エステルの含有量は、前記メタクリル酸メチル
またはメタクリル酸メチル単位を50重量%以上を含有す
るメタクリル系重合体から選ばれたメタクリル系樹脂10
0重量部に対して、0.01〜1.0重量部、好ましくは0.03〜
0.3重量部である。亜リン酸エステルの含有量が0.01重
量部未満の場合には、ピルビン酸メチル生成の抑制効果
に乏しく、一方1.0重量部を超える場合には得られた樹
脂組成物の重合率の低下を招くおそれがあると共に抑制
効果の向上がほとんどみられない。
既述のごとき各成分の他に、本発明の実施にあたって
は、通常のメタクリル樹脂材料を製造する際に用いられ
る可塑剤、酸化防止剤、安定剤等を透明性に阻害しない
程度において添加することができる。
本発明において透明性に優れるとは、近紫外部からの可
視部の波長領域において透明性が高いこと、すなわち34
0〜440nm、好ましくは340〜400nmの波長領域において光
の透過率が高いことを意味するものであり、透明性を阻
害しない限度とは、上記波長領域の光の透過率に対して
重大な影響を与えない限度ということである。
さらに本発明のメタクリル系樹脂およびメタクリル系樹
脂組成物を重合によって製造する際に、アゾ化合物ある
いは有機過酸化物等のラジカル重合開始剤を、メタクリ
ル酸メチルあるいはメタクリル酸メチルを50重量%以上
含む重合性不飽和単量体100重量部に対して、0.0001〜
0.5重量部、好ましくは0.001〜0.1重量部添加する必要
がある。ラジカル重合開始剤として用いられるアゾ化合
物の具体例としては、2,2′−アゾビス(イソブチロニ
トリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキ
シバレロニトリル)等をあげることができ、また有機過
酸化物の具体例としては、ターシャリブチルパーオキシ
アセテート、ターシャリブチルパーオキシピバレート、
ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド
等をあげることができる。
本発明に係る透明性に優れたメタクリル系樹脂およびメ
タクリル系樹脂組成物は、前記単量体または前記単量体
と亜リン酸エステルとの組成物を塊状重合、好ましくは
鋳型重合して得ることができる。たとえば鋳型重合で得
る方法としては、上記単量体溶液または組成物溶液とラ
ジカル重合開始剤の共存下に、周辺をガスケットでシー
ルし対向させた2枚の強化ガラスの間にできたセルに注
入した後、気体窒素をセル内の溶液中に吹き込み、溶液
中の溶存酸素量を低下させて加熱重合させる方法、上記
組成物をラジカル重合開始剤の共存下に、周辺をガスケ
ットでシールし、対向させた2枚の強化ガラスの間に注
入して加熱重合する方法等が具体的な重合方法としてあ
げられる。気体窒素をセル内の溶液中に吹き込む方法と
しては、溶液中にほぼ均質に気体窒素が分散するような
方法が好ましく、例えばシャワー状に気体窒素が溶液中
に放出できる装置によりなすことができる。このように
して、初期10数ppm程度溶液中の溶存していた酸素が数
分間後乃至10分後には溶存酸素を1ppm好ましくは0.5ppm
に低下することができ、重合中のピルビン酸メチルの生
成を抑えることができ、透明性に好ましい結果を与え
る。
重合温度は使用するラジカル重合開始剤の種類によって
異なるが、一般に40〜140℃であり、第1段目を40〜90
℃、第2段目を90〜140℃とする2段階の重合温度で重
合することが好ましい。
鋳型重合で得られる樹脂成形品または樹脂板の厚さは特
に制限はないが、樹脂板としては通常市販されているメ
タクリル樹脂板の厚みすなわち1〜70mmの範囲内である
ことが好ましい。また鋳型重合で得られる分子量につい
ても特に制限はなく、架橋されているものでもかまわな
いが、熱加工性の点から考えれば分子量100万〜500万の
ものが好ましく使用される。
以上述べたように、このような製造方法によって得られ
たメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルを50重
量%以上含有する単量体を鋳型重合してなるメタクリル
系重合体であってピルビン酸メチルの含有量が4ppm以
下、好ましくは2ppm以下であるメタクリル系樹脂は透明
性にすぐれたメタクリル系樹脂であり、またメタクリル
酸メチル単位を50重量%以上を含有するメタクリル系重
合体から選ばれたメタクリル系樹脂100重量部に対し
て、前記式〔I〕で表わされる亜リン酸エステル0.01〜
1.0重量部含有せしめてなり、ピルビン酸メチルの含有
量が4ppm以下、好ましくは2ppm以下であるメタクリル系
樹脂組成物は透明性に優れたメタクリル系樹脂であり、
このため高度の透明性を要求する光学材料として有用で
ある。
〔実施例〕
以下の実施例により本発明を具体的に説明する。
なお、実施例中の評価は以下の方法によって測定した。
分光光線透過率の測定方法 鋳型注型法により製造した厚さ8mmの樹脂板を390mmに裁
断し、分光光線透過率装置(日本分光(株)製)によっ
て、340〜440nmの波長範囲で長手方向の透過率を測定
し、370nmにおける空気中での透過率を基準(100)とし
て、各波長での透過率をパーセントで示した。
溶存酸素量の測定方法 DOメーター(セントラル科学(株)製;UL-12型)を用
い、単量体溶液または組成物溶液中に溶存している酸素
の量を測定し、mg/l(ppm)で示した。
ピルビン酸メチルの定量方法 製造した樹脂板の切断片から試料として10gを精秤し、
これをクロロホルム300mlに溶液後、その溶液を2lのメ
タノール中に投じて、ポリマーを分離した液をロータ
リーエバポレーターにて40℃、−600〜−700mmHgで約1g
まで濃縮して、過、精秤し、ガスクロマトグラフにて
ピルビン酸メチル濃度を定量した。ガスクロマトグラフ
の分析条件は以下の通りである。
機器;島津製 GC-7AG C−R3A、 カラム;PEGS+ベントン34 条件;カラム温度80℃、注入温度110℃、 キャリャーガス:N2=50ml/min H2、Air=0.7kg/cm2、サ
ンプル量=2μl 重合率 重合体中の残存モノマー量はガスクロマトグラフィー法
で測定し、100より残存モノマー量を減算して重合率
(%)とした。
重合度 所定量のポリマーをクロロホルムに溶解させ20℃のクロ
ロホルム溶液とし、粘度法により極限粘度〔η〕を求
め、Houwink、Mark、桜田の式(〔η〕=K×Mα)に
より粘度平均重合度を算出した。
実施例1 メタクリル酸メチル100部にアゾビスイソブチルニトリ
ル0.0035部を撹拌溶解した溶液を、600×500×10mmの2
枚の強化ガラスの間にポリ塩化ビニル製ガスケットをセ
ットしたガラスセル内に注入した後、2.5kg/cm2Gの窒
素を1.5l/minの流量で単量体と窒素をよく接触させるた
め単量体溶液の入ったガラスセル内部よりチューブを用
いて20分間バブリングし溶存酸素量を1ppm以下とした。
この後、55℃、−620mHgに減圧し、30分間脱気の後窒素
で真空解放し80℃で10時間、120℃で1時間重合し、70
℃に冷却後、メタクリル樹脂板を取り出した。この樹脂
板のピルビン酸メチル含有量は2ppmであった。この樹脂
板を390×10mmに切断後、390mmの長手方向のエッジを研
磨したものについて、390mm長手方向における分光光線
透過率を測定した。結果を第1表に示す。
実施例2 メタクリル酸メチル100部に対して、トリデシルホスフ
ァイト0.1部、アゾビスイソブチルニトリル0.0035部を
加え混合撹拌の後、実施例1と同様のガラスセルに注入
し55℃で30分間減圧脱気後80℃で10時間、120で1時間
重合し、70℃に冷却してメタクリル系樹脂板を取り出し
た。この樹脂板のピルビン酸メチルの含有量は3ppmであ
った。実施例1と同様にして分光光線透過率を測定し、
その結果を第1表に示す。
実施例3 メタクリル酸メチル100部に対して、トリデシルホスフ
ァイト0.1部加える以外は実施例1と同様にして窒素で
置換、脱気、重合してメタクリル樹脂板を得た。この樹
脂板のピルビン酸メチル含有量は、1ppm以下であった。
この樹脂板を実施例1と同様に分光光線透過率を測定
し、その結果を第1表に合せて示した。
比較例1 単量体溶液組成をメタクリル酸メチル100部、アゾビス
インブチルニトリル0.0035部とする以外は実施例2と同
様にして減圧脱気後重合して樹脂板を得た。この樹脂板
のピルビン酸メチル含有量は14ppmであった。この樹脂
板を実施例1と同様にして分光光線透過率を測定し、そ
の結果を第1表に示した。この結果から分るように分光
光線透過率は実施例1〜3に比べてかなり低い値を示し
た。
比較例2 メタクリル酸メチルを精製する目的で、棚段蒸溜塔を使
用し油温50℃の油浴中で減圧蒸留し、このメタクリル酸
メチルを使用して比較例1と同様に重合し樹脂板を得
た。この得られた樹脂板を測定した結果も第1表に示し
た。340〜380nmでは透明性の向上はみられるが長波長側
の透過率は低い。すなわち重合中の影響がでており、全
般的に効果は低く、コスト的な面も考慮すると、優位性
に劣ることがわかる。
実施例4〜7 亜リン酸エステルの種類を変える以外は実施例2と同様
にしてメタクリル系樹脂板を製造し、分光光線透過率を
測定し、第2表に示した。
参考例1,2 実施例1と同様のガラスセルを組みたて、これにメタク
リル酸メチルを注入し、室温−730mmHgに減圧した場合
と、室温1.5l/minの流量でシャワー状に気体窒素を吹き
込んだ場合の溶存酸素量の変化の違いを測定した。この
結果を第3表に示した。
〔発明の効果〕 以上述べたように、本発明は、メタクリル酸メチルまた
はメタクリル酸メチルを50重量%以上含む単量体を鋳型
重合してなるメタクリル系重合体であって、ピルビン酸
メチルの含有量が4ppm以下のメタクリル系樹脂およびメ
タクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチル単位を50重
量%以上を含有するメタクリル系重合体から選ばれたメ
タクリル系樹脂100重量部に対して、前記式〔I〕で表
わされる亜リン酸エステル0.01〜1.0重量部含有せしめ
てなり、ピルビン酸メチルの含有量が4ppm以下であるメ
タクリル系樹脂組成物であるから、透明性特に近紫外部
から可視部にかけての透明性に優れており、高度の透明
性が要求される光学材料として有用であり、ディスプレ
イ、光ディスク基盤、光ファイバー、ライトガイド、レ
ンズ用材料に好適である。また本発明は前記の如く、メ
タクリル酸メチル単独またはメタクリル酸メチルを50重
量%以上含有する重合性不飽和単量体混合物をラジカル
重合開始剤の存在下で重合するに際し、該単量体溶液中
に気体窒素を吹き込み、該単量体溶液中の溶存酸素量を
1ppm以下とする透明性に優れたメタクリル系樹脂の製造
方法およびメタクリル酸メチル単独またはメタクリル酸
メチルを50重量%以上含有する重合性不飽和単量体混合
物100重量部に対して、前記式〔I〕で表わされる亜リ
ン酸エステル0.01〜1.0重量部を共存せしめてなる組成
物をラジカル重合開始剤の存在下で重合するに際し、該
組成物中に気体窒素を吹き込み、該組成物中の溶存酸素
量を1ppm以下とする透明性に優れたメタクリル系樹脂組
成物の製造方法であるから、簡便でありかつ重合中の着
色を抑えることができるので、透明性の優れたメタクリ
ル系樹脂及び樹脂組成物の製造方法として有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メ
    チルを50重量%以上含有する単量体を鋳型重合してなる
    メタクリル系重合体であって、ピルビン酸メチルの含有
    量が4ppm以下である透明性に優れたメタクリル系樹脂。
  2. 【請求項2】メタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メ
    チル単位を50重量%以上含有するメタクリル系重合体か
    ら選ばれたメタクリル系樹脂100重量部に対して、
    〔I〕式 (式中、R1およびR2はアルキル基またはアリール基を
    示し、R3は水素原子、アルキル基またはアリール基を
    示す。) で表わされる亜リン酸エステル0.01〜1.0重量部含有せ
    しめてなり、ピルビン酸メチルの含有量が4ppm以下であ
    る透明性に優れたメタクリル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】メタクリル酸メチル単独またはメタクリル
    酸メチルを50重量%以上含有する重合性不飽和単量体混
    合物を、ラジカル重合開始剤の存在下で重合する際に、
    該単量体溶液中に気体窒素を吹き込み、該単量体溶液の
    溶存酸素量を1ppm以下とすることを特徴とする透明性に
    優れたメタクリル系樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】メタクリル酸メチル単独またはメタクリル
    酸メチルを50重量%以上含有する重合性不飽和単量体10
    0重量部に対して、〔I〕式 (式中、R1およびR2はアルキル基またはアリール基を
    示し、R3は水素原子、アルキル基またはアリール基を
    示す。) で表わされる亜リン酸エステル0.01〜1.0重量部を共存
    せしめてなる組成物をラジカル重合開始剤の存在下で重
    合する際に、該組成物中に、気体窒素を吹き込み、該組
    成物中の溶存酸素量を1ppm以下とすることを特徴とする
    透明性に優れたメタクリル系樹脂組成物の製造方法。
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