JPH0794184B2 - 感熱転写材料 - Google Patents

感熱転写材料

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JPH0794184B2
JPH0794184B2 JP63246592A JP24659288A JPH0794184B2 JP H0794184 B2 JPH0794184 B2 JP H0794184B2 JP 63246592 A JP63246592 A JP 63246592A JP 24659288 A JP24659288 A JP 24659288A JP H0794184 B2 JPH0794184 B2 JP H0794184B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は感熱転写材料に関するものである。
(従来の技術) カラーハードコピーに関する技術としては現在、感熱転
写法、電子写真法、インクジェット法等が精力的に検討
されている。感熱転写法は装置の保守や操作が容易で、
装置および消耗品が安価なため、他の方式に比べて有利
な点が多い。
感熱転写方式にはベースフィルム上に熱溶融性インク層
を形成させた感熱転写材料を熱ヘッドにより加熱して該
インクを溶融し、被転写シート上に記録する方式と、ベ
ースフィルム上に昇華性色素を含有する色材層を形成さ
せた感熱転写材料を熱ヘッドにより加熱して色素を被転
写シート上に昇華転写させる方式とがあるが、後者の昇
華転写方式は熱ヘッドに加えるエネルギーを変えること
により、色素の転写層を変化させることができるため、
階調記録が容易となり、高画質のフルカラー記録には特
に有利である。
しかし、この方式に用いる昇華性色素には種々の制約が
あり、必要とされる性能をすべて満たすものは極めて少
ない。
必要とされる性能としては例えば、色再現上好ましい分
光特性を有すること、昇華し易いこと、光や熱に強いこ
と、種々の化学薬品に強いこと、鮮鋭度が低下しにくい
こと、画像の再転写がしにくいこと、種々の化学薬品に
強いこと、合成が容易なこと、感熱転写材料をつくり易
いこと等があり、特にこれらを満足させるシアン色素の
開発が望まれていた。
(発明が解決しようとする課題) 感熱転写用シアン色素には種々のものが提案されている
が、なかでも特開昭60−239,289号、同61−22,993号、
同61−268493号、同62−191191号、同63−91287号等の
明細書に記載のインドアニリン系色素が比較的優れた性
能を有している。しかしながらこれらも色再現上好まし
い分光吸収および光堅牢性に関してまだまだ満足すべき
レベルではないという問題を有していた。
(発明の目的) 本発明は上記の欠陥を克服したシアン色素を含有する感
熱転写材料を提供すことを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は上記の目的は支持体上に下記一般式(I)で表
わされる色素を含有する色材層を有する感熱転写材料に
よって達成された。
式中、Q1は少なくとも1個の窒素原子を含み、結合する
炭素原子とともに5〜7員の含窒素複素環を形成するに
必要な原子群を表わし、R1はアシル基、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボ
ニル基又はスルホニル基を表わし、R2は水素原子又はア
ルキル基を表わし、R3〜R6は水素原子、アルキル基、ア
ルコキシ基又はハロゲン原子を表わし、R7は水素原子又
はアルキル基を表わし、R8、R9は水素原子、アルキル基
又はアリール基を表わし、Xはアルキル基、アルコキシ
基、アリールオキシ基又はアミノ基を表わす。R1とR
3が、R4とR8および/またはR5とR9が、あるいはR8とR9
が互いに結合して環を形成してもよい。
以下に一般式〔I〕について詳しく説明する。
Q1は少なくとも1個の窒素原子を含み、結合する炭素原
子とともに5〜7員の含窒素複素環を形成するに必要な
原子群を表わし、該窒素原子を除く環を形成する二価の
基の例としては、二価のアミノ基、エーテル結合、チオ
エーテル結合、アルキレン基、ビニレン結合、イミノ結
合、スルホニル基、カルボニル基、アリーレン基、二価
のヘテロ環基などを示し、これらのうちの複数を組み合
せた基でもよく、これらは更に置換基を有していてもよ
い。
Q1は好ましくは で表わされ、Q2は例としては二価のアミノ基、エーテル
結合、チオエーテル結合、アルキレン基、エチレン結
合、イミノ結合、スルホニル基、カルボニル基、アリー
レン基、二価のヘテロ環基、これらの複数を組み合せた
基が挙げられる。
R10は水素原子、アルキル基(置換基を有するものを含
む。好ましくは炭素数1〜10。例えばメチル、エチル、
イソピロピル、ブチル、シクロヘキシル、2−メトキシ
エチル、ベンジル、アリル)、アリール基(置換基を有
するものを含む。好ましくは炭素数6〜12。例えばフェ
ニル、p−トリル)または複数環(置換基を有するもの
を含む。好ましくは炭素数3〜10。例えば2−ピリジ
ル、2−イミダゾリル、2−フリル)を表わす。R10
中で好ましいものは水素原子である。
R1の中でアシル基はアルキルカルボニル基(置換基を有
するものを含む。好ましくは炭素数1〜10。例えばホル
ミル、アセチル、プロピオニル、イソブチリル、ヘキサ
ハイドロベンゾイル、ピパロイル、トリフルオロアセチ
ル、ヘプタフルオロブチリル、クロロプロピオニル、シ
アノアセチルアミノ、フェノキシアセチルアミノ)、ビ
ニルカルボニル基(置換基を有するものを含む。好まし
くは炭素数3〜10。例えばアクリロイル、メタクリロイ
ル、クロトノイル)、アリールカルボニル基(置換基を
有するものを含む。好ましくは炭素数7〜15。例えばベ
ンゾイル、p−トルイル、ペンタフルオロベンゾイル、
o−フルオロベンゾイル、m−メトキシベンゾイル、p
−トリフルオロメチルベンゾイル、2,4−ジクロロベン
ゾイル、p−メトキシカルボニルベンゾイル、1−ナフ
トイル)およびヘテリルカルボニル基(置換基を有する
ものを含む。好ましくは炭素数5〜13。例えばピコリノ
イル、ニコチノイル、ピロール−2−カルボニル、チオ
フェン−2−カルボニル、フロイル、ピペリジン−4−
カルボニル)を表わす。R1のアルコキシカルボニル基は
置換基を有するものを含む。好ましくは炭素数2〜10
の、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、
イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、メト
キシエトキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボ
ニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、クロロエトキ
シカルボニル、シアノエトキシカルボニル、ベンジルオ
キシカルボニル、アリルオキシカルボニルを表わす。R1
のアリールオキシカルボニル基は置換基を有するものを
含む。好ましくは炭素数7〜16の例えばフェノキシカル
ボニル、p−トリカルボニル、p−メトキシフェノキシ
カルボニル、m−クロロフェノキシカルボニル、2,4−
ジメチルフェノキシカルボニル、p−エチルフェノキシ
カルボニルを表わす。R1のアミノカルボニル基は置換基
を有するものを含む。好ましくは炭素数1〜11の例えば
メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、
イソプロピルアミノカルボニル、ブチルアミノカルボニ
ル、メトキシエチルアミノカルボニル、アニリノカルボ
ニル、チアゾリルアミノカルボニル、ベンゾチアゾリル
アミノカルボニルを表わす。R1のスルホニル基は好まし
くは炭素数1〜10の、例えばメタンスルホニル、エタン
スルホニル、イソブタンスルホニル、フェニルスルホニ
ル、p−メトキシフェニルスルホニルを表わす。
R1の中で好ましいものは炭素数2〜7のアシル基又はア
ルキルカルボニル基である。
R2は水素原子又はアルキル基(置換基を有するものを含
む。好ましくは炭素数1〜12。例えばメチル、エチル、
イソプロピル、ブチル、シクロヘキシル、2−メトキシ
エチル、ベンジル、アリル)を表わす。
R2の中で好ましいものは水素原子である。
R3〜R6は水素原子、アルキル基(R2と同意)、アルコキ
シ基(置換基を有するものを含む。好ましくは炭素数1
〜12。例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ブ
トキシ、メトキシエトキシ、シクロペンチルオキシ、シ
クロヘキシルオキシ、ベンジルオキシ、2−シアノエト
キシ、2−クロロエトキシ、アリルオキシ)又はハロゲ
ン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)を表わす。
R3〜R6の中で好ましいのは水素原子である。
R7は水素原子またはアルキル基(R2と同意)を表わす。
R7の中で好ましいものは水素原子である。
R8、R9は水素原子、アルキル基(置換基を有するものを
含む。好ましくは炭素数1〜12。例えばメチル、エチ
ル、イソプロピル、ブチル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、2−メトキシエチル、2−クロロエチル、2−
ヒドロキシエチル、2−シアノエチル、シアノメチル、
2−メチルスルファモイルエチル、2−メチルスルホニ
ルアミノエチル、2−メトキシカルボニルエチル、2−
アセトキシエチル、メトキシカルボニルメチル、ベンジ
ル、アリル)、アリール基(置換基を有するものを含
む。好ましくは炭素数6〜12。例えばフェニル、p−ト
リル、m−クロロフェニル)を表わす。
R8、R9の中で好ましいものは炭素数1〜6のアルキル基
である。
Xはアルキル基(R8、R9と同意)、アルコキシ基(R3
R6と同意)、アリールオキシ基(置換基を有するものを
含む。好ましくは炭素数6〜15。例えばフェノキシ、p
−メチルフェノキシ、p−メトキシフェノキシ、m−ク
ロロフェノキシ、2,4−ジメチルフェノキシ、p−エチ
ルフェノキシ)、アミノ基(置換基を有するものを含
む。好ましくは炭素数0〜10。例えばメチルアミノ、ジ
メチルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、メ
トキシエチルアミノ、アニリノ、チアゾリルアミノ、ベ
ンゾチアゾリルアミノ)を表わす。
Xの中で好ましいものは炭素数1〜4のアルキル基、又
はアルコキシ基である。
R1とR3が、R4とR8および/またはR5とR9が、あるいはR8
とR9が互いに結合して5又は6員環を形成してもよい。
一般式(I)で表わされる色素のうち一般式(II)で表
わされる色素が好ましい。
(ここで、R1、R3、R8、R9、X、Q2は前記と同意) 一般式(II)においてQ2は5〜7員環を形成するに必要
な原子群であることが好ましい。Q2の中で特に好ましい
原子群は を表わす。(ここでR11〜R14は水素原子又は炭素数1〜
4のアルキル基を表わす。) 以下に本発明に用いられる一般式(I)で表わされる色
素の具体例を示す。
本発明に用いられる色素は を塩基の存在下、酸化カップリングさせることにより合
成できる。
以下に合成例を示す。
色素No.2の合成 下記構造式で表わされる化合物3.5g 2−アセトアミド−4−ジエチルアミノアニリン3.0g、
酢酸エチル200ml、エタノール90mlおよび炭酸ナトリウ
ム17gを含む水溶液150mlを室温下かきまぜた。これえ過
硫酸アンモン3.1gを含む水溶液25mlを加えた。1時間反
応後分液し、酢酸エチル層を2回水洗した。10mlまで濃
縮後メタノール50mlを加えて晶析させた。濾過、メタノ
ール洗いにより目的の結晶4.5gを得た。
本発明の感熱転写材料は、上記の如く特定の色素を使用
することを主たる特徴としており、その第1の実施態様
としては、上記の如き色素を含有する感熱転写層が、熱
移行性の色素およびバインダー樹脂からなる感熱昇華転
写層である態様である。該態様の本発明の感熱転写材料
は、本発明の色素とバインダー樹脂とを適当な溶剤中に
溶解または分散させて塗工液を調製し、該塗工液を支持
体の一方の表面に、例えば約0.2〜5.0μm、好ましくは
0.4〜2.0μmの乾燥膜厚となる塗布量で塗布、乾燥して
感熱転写層を形成することによって得られる。
また、上記の色素とともに用いるバインダー樹脂として
は、このような目的に従来公知であるバインダー樹脂が
いずれも使用することができ、通常耐熱性が高く、しか
も加熱された場合に色素の移行を妨げないものが選択さ
れ、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、
エポキシ樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹
脂(例えばポリメチルメタクリレート、ポリアクリルア
マイド)、ポリビニルピロリドン等を始めとするビニル
系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂(例えば塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体等)、ポリカーボネート系樹脂、ポリ
スルホン、ポリフエニレンオキサイド、セルロース系樹
脂(例えばメチルセルロース、エチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、セルロースアセテート水素フ
タレート、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロ
ピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロ
ーストリアセテート等)、ポリビニルアルコール系樹脂
(例えばポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール
などの部分ケン化ポリビニルアルコール等)、石油系樹
脂、ロジン誘導体、クマロン−インデン樹脂、テルペン
系樹脂、ノボラック型フエノール系樹脂、ポリスチレン
系樹脂、ポリオレフイン系樹脂(例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン)などが用いられる。
このようなバインダー樹脂は、例えば色素100重量部あ
たり約80〜600重量部の割合で使用するのが好ましい。
本発明において上記の色素およびバインダー樹脂は溶解
または分散するためのインキ溶剤としては、従来公知の
インキ溶剤が自由に使用でき、具体的には、水、アルコ
ール系としてメタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール、ブタノール、イソブタノール等、エステル系
として酢酸エチル、酢酸ブチル等ケトン系としてメチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン等、芳香族系としてトルエン、キシレン、クロロベ
ンゼン等、ハロゲン系としてジクロルメタン、トリクロ
ルエタン、クロロホルム等、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン等、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどの
セロソルブ系また上記の溶媒の混合物があげられる。こ
れらの溶剤は、使用する前記色素を所定濃度以上に、且
つ前記バインダー樹脂を十分に溶解または分散するもの
として選択して使用することが重要である。例えば、前
記色素とバインダー樹脂との合計重量の約9〜20倍の量
の溶剤を使用するのが好ましい。
本発明に用いる色素は単独で使用してもよいし2種以上
混合してもよい。また本発明に用いる色素を公知の色素
と混合してもよい。
本発明に用いる色素は公知の退色防止剤と併用してもよ
い。
本発明の感熱転写材料の構成に使用する支持体として
は、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するもので
あればいずれものもでもよい。例えば0.5〜50μm、好
ましくは3〜10μm程度の厚さの紙、各種加工紙、ポリ
エステル(たとえばポリエチレンテレフタレート);ポ
リアミド;ポリカーボネート;グラシン紙;コンデンサ
ー紙;セルロースエステル;弗素ポリマー;ポリエーテ
ル:ポリアセタール;ポリオレフイン;ポリイミド、ポ
リフエニレンサルフアイド、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、アロフアン、ポリイミド等が挙げられる。特に好
ましいものはポリエステルフィルムである。
インクをベースフィルムに塗布する方法としては、リバ
ースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラ
ビアコーター、ロッドコーター、エアドクタコーターな
どを使用して実施することができる。
上記の如き感熱転写材料は、そのままで十分な本発明に
おいて有用であるが、更にその色素担持層表面に粘着防
止層、すなわち離型層を設けてもよく、このような層を
設けることにより、熱転写時における感熱転写材料と被
記録材の粘着を防止し、更に高い熱転写温度を使用し、
一層優れた温度の画像を形成することができる。
この離型層としては、単に粘着防止性の無機粉末を付着
させたのみでも相当の効果を示し、更に、例えばシリコ
ーンポリマー、アクリルポリマー、フッ素化ポリマーの
如き離型性に優れた樹脂から0.01〜5μm、好ましくは
0.05〜2μmの離型層を設けることによって形成するこ
とができる。
尚、上記の如き無機粉体あるいは離型性ポリマーは色素
担持層中に含有されても十分な効果を奏するものであ
る。
更に、このような本発明の感熱転写材料の表面に、サー
マルヘッドの熱による悪影響を防止するために耐熱層を
設けてもよい。
親水性のポリマーよりなる色素−バリヤー層をまた色素
−供与体部材中その支持体と色素層との間に用いてもよ
く、これによって色素の転移濃度が改良される。
以上の如くして得られる好ましい態様の本発明の感熱転
写材料は、従来公知の被感熱転写材料と重ね合せ、いず
れかの面から、好ましくは感熱転写材料の表面から、例
えばサーマルヘッド等の加熱手段により画像信号に従っ
て加熱することにより、感熱転写層中の色素は比較的低
エネルギーで容易に被感熱転写材料の受容層に、加熱エ
ネルギーの大小に従って移行転写され、優れた鮮明性、
解像性の階調のあるカラー画像を形成できる。
本発明の好ましい態様によれば、感熱転写材料はシート
状、または連続したリボン状もしくはロール状の形態を
有している。その上には本発明のシアン色素の層だけを
設けてもよいし、それに加えて公知のイエロー、マゼン
タさらに場合によっては黒の色素の層を別々の部分に設
けてもよい。好ましい態様においては、支持体上に、イ
エロー、マゼンタ、シアン(および場合によって黒)の
各昇華性染料を有する各色の色材層、すなわちイエロ
ー、マゼンタ、シアン(および場合によって黒)の領域
を順次繰り返し配列して感熱転写材料を構成する。
このような感熱転写材料を用いてフルカラーの記録を行
うには、例えばそのシアン色材層(シアン色素領域)が
被感熱転写材料に圧接された状態において、シアンに対
応する色信号によってサーマルヘッドの各ヘッド素子に
1走査線分の絵素に対応する加熱パターンを発生させこ
の加熱パターンに応じて色材層のシアン色素を被感熱転
写材料の受容層に転写する操作を感熱転写材料と被感熱
転写材料とを1走査線分毎移動させつつ実施して1画面
分のシアンの転写を行い、次に同じ画面に順次イエロ
ー、マゼンタ(場合によって黒)の各色について同様の
転写処理を繰り返せばよい。この記録に用いられる装置
は公知であり、例えば特開昭62−1585号公報に記載され
ている。
本発明に用いる色素は昇華転写方式以外の感熱転写材料
にも利用できる。すなわち、本発明の好ましい第2の実
施態様は、感熱転写材料の感熱転写層が本発明の色素お
よびワックスからなる感熱溶融転写層である態様であ
る。該態様の感熱転写材料は、前述の如き特定の支持体
の一方の表面に、色素を含むワックスからなる感熱転写
層形成用インキを用意し、該インクから感熱溶融転写層
を形成することによって得られる。該インクは、適当な
融点をもったワックス類たとえば、パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワック
ス、ウレタン系ワックス等などをバインダーとし、色素
を配合し分散してなるものである。使用する色素とワッ
クスの割合は、形成する感熱溶融転写層中で色素が約10
〜65重量%を占める範囲がよく、また形成する層の厚さ
は約1.5〜6.0μmの範囲が好ましい。その製造および支
持体上への適用は、既知の技術に従って実施できる。
以上の如き第2の好ましい態様の本発明の感熱転写材料
は、前記の第1の態様と同様に使用すると、感熱溶融転
写層が被転写材料に転写され、すぐれた印字を与える。
(発明の効果) 本発明の前記一般式〔I〕で示される色素は鮮明なシア
ン色を有するため、適当なマゼンタ色およびイエロー色
と組み合せることにより色再現性の良好なフルカラー記
録を得るのに適しており又昇華し易く、分子吸光係数が
大きいため感熱ヘッドに大きな負担をかけることなく、
高速で色濃度の高い記録を得ることができる。更に熱、
光、湿気、薬品などに対して安定であるため、転写記録
中に熱分解することなく、得られた記録の保存性も優れ
ている。又本発明の色素は有機溶剤に対する溶解性及び
水に対する分散性が良好であるため均一に溶解あるいは
分散して高濃度のインクを調製することが容易でありそ
れらのインクを用いることにより、色素が均一に高濃度
で塗布された転写シートを得ることができる。したがっ
て、それらの転写シートを用いることにより均一性及び
色濃度の良好な記録を得ることができる。
〔実施例〕
以下の実施例および比較例において熱転写材料および被
熱転写材料の製造、両材料を用いた印字、被熱転写材料
の試験は次のように行った。
実施例1 (熱転写材料(1)の作成) 支持体として片面にコロナ処理が施された厚み6μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製、ルミラ
ー)を使用し、フィルムのコロナ処理面上に、下記組成
の熱転写層用塗料組成物(1)をワイヤーバーコーティ
ングにより、乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布形
成し、部材の裏側に、ポリビニルブチラル(ブトパール
ー76 モンサイト)(0.45g/m2)中のポリ(ステアリン
酸ビニル)(0.3g/m2)のスリッピング層をテトラヒド
ロフラン溶剤から被覆した。
熱転写層用塗料組成物(1) 色素(No.−2) 4g ポリビニルブチラール樹脂(電気化学製 デカンブチラ
ール5000−A) 4g トルエン 40ml メチルエチルケトン 40ml ポリイソシアネート(武田薬品製 タケネートD110N)
0.2ml 色素の他のものに置き換えて、表−1の熱転写材料
(2)〜(6)、及び比較用材料(a)を作成した。
(被熱転写材料の作成) 基材として厚み150μmの合成紙(王子油化製、YUPO−F
PG−150)を用い、表面に下記組成の受容層用塗料組成
物(1)をワイヤーバーコーティングにより乾燥時の厚
さが5μmとなるように塗布して被熱転写材料(1)を
形成した。乾燥はドライヤーで仮乾燥後、温度100℃の
オープン中で30分間行った。
受容層用塗料組成物(1) ポリエステル樹脂(東洋紡製 バイロン−290) 20g アミノ変性シリコーンオイル(信越シリコーン製KF−85
7) 0.5g メチルエチルケトン 85ml トルエン 85ml シクロヘキサノン 30ml 上記のようにして得られた熱転写材料と被熱転写材料と
を、熱転写層と受容層とが接するようにして重ね合わ
せ、熱転写材料の支持体側からサーマルヘッドを使用
し、サーマルヘッドの出力0.25W/ドット、パルス巾0.15
〜15m sec、ドット密度6ドット/mmの条件で印字を行
い、被熱転写材料の受容層にシアン色の色素を像状に染
着させことろ、転写むらのない鮮明な画像記録材料が得
られた。
得られた記録済の被熱転写材料の反射スペクトルを日立
分光光度計340に積分球をとりつけて測定した。吸収濃
度ピーク位置の波長と、ピーク波長の1/2の波長を与え
るピーク波長より短波長側の波長との差を半値巾として
シアン色画像の鮮明度を評価した。
また得られた記録済の熱転写材料を7日間、12000Luxの
蛍光灯耐光性試験機に入れ、色像の安定性を調べた。試
験の前後でステータスA反射濃度を測定し、その比で明
保存時の耐光度を評価した。結果を表−1に記した。
本発明に用いられる色素が比較例の色素(a)より吸収
がシャープで色再現性に優れていることおよび耐光性に
優れていることが明らかである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に色材層を有する感熱転写材料に
    おいて、色材層が一般式(I)で表される色素を含有す
    ることを特徴とする感熱転写材料。 式中、Q1は少なくとも1個の窒素原子を含み、結合する
    炭素原子とともに5〜7員の含窒素複素環を形成するに
    必要な原子群を表わし、R1はアシル基、アルコキシカル
    ボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボ
    ニル基又はスルホニル基を表わし、R2は水素原子又はア
    ルキル基を表わし、R3〜R6は水素原子、アルキル基、ア
    ルコキシ基又はハロゲン原子を表わし、R7は水素原子又
    はアルキル基を表わし、R8、R9は水素原子、アルキル基
    又はアリール基を表わし、Xはアルキル基、アルコキシ
    基、アリールオキシ基又はアミノ基を表わす。R1とR
    3が、R4とR8および/またはR5とR9が、あるいはR8とR9
    が互いに結合して環を形成してもよい。
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