JPH079206U - コンパクト容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 弾性部材の弾発力により蓋体をスムーズに開
放することでき、かつ外観を損なうことがないコンパク
ト容器を提供する。 【構成】 容器本体１０の後端部に、その外形輪郭の内
側位置に弾性部材１５を配設し、弾性部材１５に対向す
る蓋体２０に突起２５を設け、蓋体２０の閉止時に蓋体
２０を開方向に付勢すべく弾性部材１５の上端部後方１
５Ａを突起２５が押圧する。 【効果】 弾性部材の弾発力により蓋体をスムーズに開
放することできる。また、蓋体を開放した状態では、弾
性部材は、容器本体の上面より突出してはみ出すことが
なく、外観を損なうことがない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コンパクト容器に関するもので、より具体的には容器本体と容器本 体を開閉する蓋体とを有し、容器本体と蓋体の後端部にそれぞれ形成された蝶番 片に蝶番ピンを連通挿入して蝶番部を形成するとともに、容器本体と蓋体の前端 部に係合手段を設けてなるコンパクト容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のコンパクト容器の蝶番部に対しては、各種工夫が凝らされ、単 なる蝶番機能のみならず、弾性力によって蓋体をある程度自動的に回動させるこ とができるようにしたものがある。

【０００３】 例えば、実公昭５９−３９９２４号公報には、蓋体の閉止時に相互に対向する 容器本体上面部分と蓋体下面部分とのいずれか一方に弾性部材を突出して形成す るように構成されたものが開示されている。このコンパクト容器では、蓋体の閉 止状態においてこの弾性部材の頭部が対向面に弾接し、容器の係合手段を解除す ると、この弾性部材の弾発力により蓋体が浮き上がるようになっている。

【０００４】 また、実公昭６４−６７２１号公報には、蝶番ピンを容器本体または蓋体のい ずれか一方の後方に位置させ、この蝶番ピンを後方に位置させた一方の後端面の 少なくとも蝶番ピンより他方側に位置した箇所に蓋体の閉止時に相互の面の間に 形成された間隔より大きい長さの弾性部材を突出して形成するように構成された ものが開示されている。このコンパクト容器では、蓋体の閉止状態においてこの 弾性部材が相互の面の間で押潰され、弾性変形し、容器の係合手段を解除すると 、この弾性部材の弾発力により蓋体が容器本体に対して開放方向への回動するよ うになっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、かかる従来のコンパクト容器においては、弾性部材が容器本体 と蓋体との間に突出してはみ出すように形成されているため、蓋体を開いた際の 外観を損なうといった問題点が発生する。

【０００６】 本考案はかかる従来の問題に鑑みてなされたもので、その目的は、弾性部材の 弾発力により蓋体をスムーズに開放することでき、かつ外観を損なうことがない コンパクト容器を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するために本考案によれば、容器本体と容器本体を開閉する 蓋体とを有し、容器本体と蓋体のそれぞれの後端部に形成された蝶番片に蝶番ピ ンを連通挿入して蝶番部を形成するとともに、容器本体と蓋体の前端部に係合手 段を設けてなるコンパクト容器において、容器本体の後端部に、その外形輪郭の 内側位置に弾性部材を配設し、弾性部材に対向する蓋体に突起を設け、蓋体の閉 止時に蓋体を開方向に付勢すべく弾性部材を突起が押圧するよう構成したことを 特徴とする。

【０００８】

【作用】

上記構成を有する本考案のコンパクト容器によれば、蓋体の閉止状態において 蓋体に形成された突起が容器本体に配設された弾性部材を押圧し、蓋体は弾性部 材の弾発力により開方向に付勢される。そして、容器の係合手段を解除すると、 この弾性部材の弾発力により蓋体が容器本体に対して開放方向へ回動する。

【０００９】 また、弾性部材は、蓋体を開いた状態において、容器本体より突出してはみ出 すことがない。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の好適な実施例を図に基づいて詳細に説明する。図１ないし図５ は、本考案に係るコンパクト容器の第１実施例を示す。本実施例のコンパクト容 器は、図１に示されるように容器本体１０と、この容器本体１０とは別体に形成 された蓋体２０、およびプッシュピース３０とからなっている。

【００１１】 容器本体１０と蓋体２０とは、その外周を一致させた矩形状として形成され、 容器本体１０の上面には、化粧料を収納するための凹部１１が形成され、蓋体２ ０の下面には、鏡２１が貼着されている。そして、容器本体１０と蓋体２０の後 端部には蝶番部４０が形成されている。

【００１２】 容器本体１０の後端中央部には切欠凹所１２が形成され、この切欠凹所１２の 両側壁は後方に向かって延長する一対の第１蝶番片（図示せず）となっており、 ここに蝶番ピン挿通孔（図示せず）が形成されている。また切欠凹所１２の奥面 中央部には凹所１３を介して容器本体１０の高さより低い立壁１４が形成されて いる。そして、この凹所１３内に弾性部材１５が嵌入されている。弾性部材１５ は、凹所１３の形状とほぼ等しく形成された断面略逆Ｌ字形で、下端部１６がテ ーパ状に形成され、弾性部材１５を凹所１３に嵌入した状態では、凹所１３底面 １３Ａおよび立壁１４の上端面１４Ａと当接し、容器本体１０の上面および切欠 凹所１２の奥面と弾性部材１５の表面とは面一になり容器本体１０と一体の外観 形状をなしている。

【００１３】 蓋体２０の後方中央部には容器本体１０の切欠凹所１２に挿入可能な第２蝶番 片２２が垂下形成されている。この第２蝶番片２２の両側面には蝶番ピン挿通孔 ２３、２３が形成され、ここに蝶番ピン２４，２４を連通挿入し、これにより容 器本体１０との間に蝶番部４０が形成され、容器本体１０と蓋体２０とが開閉自 在に蝶着されている。また、蓋体２０の第２蝶番片２２の内面上方の前記容器本 体１０の弾性部材１５の上端部後方１５Ａに対応する位置には前後に延長する突 起２５が一体的に突設されている。

【００１４】 また、容器本体１０と蓋体２０との前端中央部には、このコンパクト容器の係 合手段５０が配設されている。この係合手段５０は、容器本体１０に形成された 凹所１７の奥壁１７Ａから前方に向かって突出する第１の係合突起１８と、蓋体 ２０の前端部下側から垂設された爪片２６の後面端部に形成された第２の係合突 起２７と、これら第１の係合突起１８と第２の係合突起２７との係合を解除する プッシュピース３０とから構成されている。そして、容器本体１０の凹所１７の 奥壁１７Ａの下方には後方に向かって延長する案内孔１９が形成されている。ま た、蓋体２０の爪片２６の外面２８は下方に行くにしたがって後方に傾斜する傾 斜面を構成している。さらに、プッシュピース３０は、側断面略Ｌ字状に形成さ れ、その上端部３１は、爪片２６の傾斜面２８に当接摺動するようになっている 。

【００１５】 上記のような構成のコンパクト容器において蓋体２０が閉止した状態では、図 １および図２に示されるように、容器本体１０の第１の係合突起１８と蓋体２０ の第２の係合突起２７とが係合して止錠状態となっている。一方、蓋体２０の突 起２５は、容器本体１０の弾性部材１５の上端部後方１５Ａを押圧し、弾性部材 １５は突起２５と立壁１４の上端面との間で弾性変形して、これにより弾性部材 １５に蓋体２０を回動しようとする方向の弾発力が発生する。

【００１６】 上記のようなコンパクト容器の蓋体２０の止錠位置から、図３に示されるよう にプッシュピース３０を内方に押し込むと、プッシュピース３０は、案内孔１９ により後方に移動し、爪片２６を上方に押圧して、第１の係合突起１８から第２ の係合突起２７を離脱させ、係合を解除し、これにより蓋体２０が開錠される。 そして、係合が解除されると同時に、弾性部材１５の弾発力により、蓋体２０は 開放方向へ回動する。

【００１７】 そして、さらに蓋体２０を開放した状態では、弾性部材１５の上面および後面 は、容器本体１０の上面および切欠凹所１２の後面より突出してはみ出すことが なく、弾性部材１５は容器本体１０の外観形状と面一で一体となり、コンパクト 容器の外観を損なうことがなくなる。

【００１８】 図４は、本考案の第１実施例に係るコンパクト容器の変形例を示す。この実施 例では、容器本体１０ａの上面の凹部１１ａに化粧料を収納するための中皿６０ が設けられている。この中皿６０の前後方向の長さは、凹部１１ａより短く形成 され、上端部外周には庇部６１が延出している。中皿６０の後端面６２と立壁１ ４ａとの間には、凹所１３ａが形成されている。そして、この凹所１３ａの中皿 ６０の庇部６１の下方には、弾性部材１５ａが嵌入され、容器本体１０ａの立壁 １４ａ外面と弾性部材１５ａの後端面とは面一になっている。さらに、蓋体２０ ａの第２蝶番片２２ａ内面上方には突起２５ａが形成され、蓋体２０ａの閉止状 態において弾性部材１５ａの上端部後方１５Ａを押圧している。その他の構成お よび作用は、上記第１実施例と同様である。

【００１９】 図５は、本考案の第１実施例に係るコンパクト容器の他の変形例を示す。この 実施例では、上記変形例と同様に弾性部材１５ｂが容器本体１０ｂの外形輪郭の 内側に位置されるように凹所１３ｂ内に嵌入している。殊に、弾性部材１５ｂの 上面は容器本体１０ｂの上面より低い位置に位置し、また、蓋体２０ｂの第２蝶 番片２２ｂの内面から、弾性部材１５ｂの後端部上面に対応する位置に、前方に 向かって突出する突起２５ｂが形成されている。この突起２５ｂは、図４の突起 ２５ａと異なり、蓋体２０ｂから隙間を空けて形成されるものなので、樹脂成形 技術の面で、ひけの防止を図ることができる形態のものである。その他の構成お よび作用は、上記第１実施例と同様である。

【００２０】 図６ないし図８は、本考案に係るコンパクト容器の第２実施例を示す。本実施 例のコンパクト容器は、図６に示されるように、容器本体１０ｃの後端中央部に 切欠凹所１２ｃが形成され、その奥面下方中央部には凹所１３ｃが形成されてい る。凹所１３ｃは、図７に示されるように蓋体２０ｃの蝶番ピン２４ｃの位置と ほぼ同一か若干下方に形成され、底壁が切欠凹所１２ｃの奥面より突出した形状 で、ここに弾性部材１５ｃが容器本体１０ｃの外形輪郭の内側に位置されるよう に嵌入されている。

【００２１】 蓋体２０ｃの後方中央部には容器本体１０ｃの切欠凹所１２ｃに挿入可能な第 ２蝶番片２２ｃが垂下形成され、その下方部内面の前記容器本体１０ｃの弾性部 材１５ｃの後端部上面に対応する位置には前方に突出する突起２５ｃが形成され ている。この突起２５ｃの下面は後方に向かって傾斜面となっている。

【００２２】 上記のような構成のコンパクト容器において蓋体２０ｃが閉止した状態では、 図６および図７に示されるように、容器本体１０ｃの第１の係合突起１８ｃと蓋 体２０ｃの第２の係合突起２７ｃとが係合して止錠状態となり、一方、蓋体２０ ｃの突起２５ｃは、容器本体１０ｃの弾性部材１５ｃの上端部後方１５Ａを押圧 する。そして、弾性部材１５ｃは、突起２５ｃと底壁との間で弾性変形し、これ により蓋体２０ｃを回動しようとする方向の弾発力が発生する。

【００２３】 上記のようなコンパクト容器の蓋体２０ｃの止錠位置から、図８に示されるよ うにプッシュピース３０を内方に押し込むことにより第１の係合突起１８ｃと第 ２の係合突起２７ｃの係合を解除すると、蓋体２０ｃが開錠され、同時に、弾性 部材１５ｃの弾発力により、蓋体２０ｃは開放方向へ回動する。

【００２４】 そして、さらに蓋体２０ｃを開放した状態では、弾性部材１５ｃは、容器本体 １０ｃの上面より突出してはみ出すことがなく、コンパクト容器の外観を損なう ことがない。

【００２５】 図９は、本考案の第２実施例に係るコンパクト容器の変形例を示す。この実施 例では、容器本体１０ｄの上面に形成された凹部１１ｄは後壁が切欠され、ここ に化粧料を収納するための中皿６０ｄが設けられている。この中皿６０ｄの前後 方向の長さは凹部１１ｄより短く形成され、その庇部６１ｄの後端部は下方に向 かって延長している。弾性部材１５ｄは、凹部１１ｄの底壁と中皿６０ｄの後端 面６２ｄおよび庇部６１ｄの下端面との間に挟持された状態で嵌入されている。 そして、この状態では、容器本体１０ｄの凹部１１ｄの後端面と弾性部材１５ｄ の後端面とは面一になっている。また、蓋体２０ｄの後方中央部には容器本体１ ０ｄの切欠凹所１２ｄに挿入可能な第２蝶番片２２ｄが垂下形成され、その下方 部内面の前記容器本体１０ｄの弾性部材１５ｄの後端部上面に対応する位置には 前方に突出する突起２５ｄが形成され、蓋体２０ｄの突起２５ｄが、弾性部材１ ４ｃの上端部後方１５Ａを押圧している。その他の構成および作用は、上記第２ 実施例と同様である。

【００２６】 図１０は、本考案の第２実施例に係るコンパクト容器の他の変形例を示す。こ の実施例では、容器本体１０ｅの後端部に切欠凹部１２ｅが形成され、その奥面 下方部に切欠溝７０が形成されている。そして、この切欠溝７０に弾性部材１５ ｅが容器本体１０ｅの外側輪郭の内側に位置されるように前方から嵌入され、さ らに上方から中皿６０ｅが嵌着されている。また、容器本体１０ｅの弾性部材１ ５ｅの後端部上面に対応する位置の蓋体２０ｅの第２蝶番片２２ｅの内面には角 部２５ｅが形成され、この角部２５ｅが弾性部材１５ｅの上端部後方１５Ａを押 圧している。その他の構成および作用は、上記第２実施例と同様である。

【００２７】 なお、上記突起２５〜２５ｅは、リブまたは突条であってもよい。

【００２８】

【考案の効果】

以上のように、本考案によれば、容器本体と容器本体を開閉する蓋体とを有し 、容器本体と蓋体のそれぞれの後端部に形成された蝶番片に蝶番ピンを連通挿入 して蝶番部を形成するとともに、容器本体と蓋体の前端部に係合手段を設けてな るコンパクト容器において、容器本体の後端部に、その外形輪郭の内側位置に弾 性部材を配設し、弾性部材に対向する蓋体に突起を設け、蓋体の閉止時に蓋体を 開方向に付勢すべく弾性部材を突起が押圧するよう構成されているので、容器本 体と蓋体との係合を解除すると、弾性部材の弾発力により蓋体をスムーズに開放 することできる。また、蓋体を開放した状態では、弾性部材は、容器本体の上面 より突出してはみ出すことがなく、外観を損なうことがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例に係るコンパクト容器の蓋
体の閉止状態を示す側断面図である。

【図２】本考案の第１実施例に係るコンパクト容器の蓋
体の閉止状態を示す要部側断面図である。

【図３】本考案の第１実施例に係るコンパクト容器を開
錠した状態を示す要部側断面図である。

【図４】本考案の第１実施例に係るコンパクト容器の変
形例を示す要部側断面図である。

【図５】本考案の第１実施例に係るコンパクト容器の他
の変形例を示す要部側断面図である。

【図６】本考案の第２実施例に係るコンパクト容器の蓋
体の閉止状態を示す側断面図である。

【図７】本考案の第２実施例に係るコンパクト容器の蓋
体の閉止状態を示す要部側断面図である。

【図８】本考案の第２実施例に係るコンパクト容器を開
錠した状態を示す要部側断面図である。

【図９】本考案の第２実施例に係るコンパクト容器の変
形例を示す要部側断面図である。

【図１０】本考案の第２実施例に係るコンパクト容器の
他の変形例を示す要部側断面図である。

【符号の説明】

１０，１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄ，１０ｅ 容器
本体 １５，１５ａ，１５ｂ，１５ｃ，１５ｄ，１５ｅ 弾性
部材 １５Ａ 上端部後方 ２０，２０ａ，２０ｂ，２０ｃ，２０ｄ，２０ｅ 蓋体 ２２，２２ａ，２２ｂ，２２ｃ，２２ｄ，２２ｅ 第２
蝶番片 ２４，２４ｃ 蝶番ピン ２５，２５ａ，２５ｂ，２５ｃ，２５ｄ，２５ｅ 突起 ４０ 蝶番部 ５０ 係合手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器本体と該容器本体を開閉する蓋体と
   を有し、該容器本体と該蓋体のそれぞれの後端部に形成
   された蝶番片に蝶番ピンを連通挿入して蝶番部を形成す
   るとともに、該容器本体と該蓋体の前端部に係合手段を
   設けてなるコンパクト容器において、該容器本体の後端
   部に、その外形輪郭の内側位置に弾性部材を配設し、該
   弾性部材に対向する該蓋体に突起を設け、該蓋体の閉止
   時に該蓋体を開方向に付勢すべく該弾性部材を該突起が
   押圧するよう構成したことを特徴とするコンパクト容
   器。