JPH079145U - キャスター付き椅子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 接地面７を脚の内外両側面８，９に亘って横
断する溝状に形成されている凹入部１０内に、車輪１３
が縦軸芯Ｙ周りで回転移動自在に設けられているキャス
ター１１を取り付け、車輪１３の移動経路を脚の外側面
９側から覆うカバー１２を設けて、着座状態においては
接地面７が接地し、非着座状態においては車輪１３が接
地面７よりも下方に突出して当該接地面７が浮上するよ
う構成した。 【効果】 脚と支持部材との取り付け強度を確保し易い
利点を活かしながら、家具等を傷つけにくい状態で、前
後左右のいずれの方向へも容易に移動させることでき、
しかも、椅子自体の外観を損なうことが少ない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、脚に当該脚の接地面と外側面とに亘る凹入部が形成され、前記接地 面よりも下方に突出するよう付勢されている車輪を備えたキャスターが前記凹入 部内に取り付けられているとともに、前記車輪を前記脚の外側面側から覆うカバ ーが設けられ、着座状態においては前記接地面が付勢力に抗して接地し、非着座 状態においては前記車輪が前記接地面よりも下方に突出して当該接地面が浮上す るキャスター付き椅子に関する。

【０００２】

【従来の技術】

冒記キャスター付き椅子は、脚とキャスターとが荷重方向に沿って上下に取り 付けられているから、脚とキャスターとの取り付け強度を確保し易く、しかも、 着座状態においては床面に作用する荷重を極力分散させる状態で使用でき、非着 座状態においては接地面が浮上して、車輪の転動で容易に移動できる利点がある が、従来、脚の接地面と外側面とが交差する角部を切り欠いて凹入部を形成する とともに、一方向に沿ってのみ転動可能な車輪が備えられているキャスターをこ の凹入部内に取り付け、凹入部を脚の外側面側から覆うカバーを設けて、脚の内 側面部分とカバーとで車輪を囲んでいる（例えば、実開平４−１０８４０２号公 報参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のキャスター付き椅子によれば、一方向に沿ってのみ転動可能な車輪 が備えられているキャスターを設けている為、車輪が転動可能な一方向には椅子 を容易に移動できるが、その他の方向には移動させずらい欠点がある。 この欠点を解決するためには、車輪が縦軸芯周りで回転移動自在に設けられて いるキャスターを取り付ければ良いが、車輪の移動経路が脚の外側面から外方に 大きくはみ出し易く、車輪を脚の外側面側から覆うカバーが脚の外側面から外方 に大きく膨出して、外観を損なう欠点があるとともに、その膨出部分が家具等に 接触して当該家具等を傷つけ易い欠点がある。 本考案は上記実情に鑑みてなされたものであって、脚とキャスターとの取り付 け強度を確保し易い利点を活かしながら、家具等を傷つけにくい状態で、前後左 右のいずれの方向へも容易に移動させることができ、しかも、椅子自体の外観を 損なうことが少ないキャスー付き椅子を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成する為の本考案の特徴構成は、冒記キャスター付き椅子であっ て、前記車輪が縦軸芯周りで回転移動自在に設けられ、前記凹入部が前記接地面 を前記脚の内外両側面に亘って横断する溝状に形成されているとともに、前記カ バーが前記車輪の移動経路を覆う状態で設けられている点にある。 前記カバーが、前記脚の外側面よりも外方に突出する状態で、かつ、前記脚の 外側面側に沿う前記接地面端縁を支点とする当該脚の傾動にともなって移動可能 に設けられていても良い。

【０００５】

【作用】

車輪が縦軸芯周りで回転移動自在に取り付けられているから、所望の方向に椅 子を移動させ易く、凹入部が接地面を脚の内外両側面に亘って横断する溝状に形 成されているから、凹入部内の空間を広く確保して、この凹入部内の空間に、車 輪の移動経路を脚の内外両側面側に突出させる状態で配置でき、従って、当該車 輪の移動経路の脚の外側面から外方へのはみだし量を少なくして、車輪の移動経 路を脚の外側面側から覆うカバーの脚の外側面から外方への膨出量を少なくする ことができる。 前記カバーが、前記脚の外側面よりも外方に突出する状態で、かつ、当該脚の 外側面側に沿う前記接地面端縁を支点とする前記脚の傾動にともなって移動可能 に設けられている場合は、カバーを破損するおそれが少ない。 つまり、単に、脚の外側面よりも外方に突出するカバーが当該脚に対して移動 不能に固定されているような場合、椅子がそのカバー側に向けて傾動すると、図 １の仮想線で示すように、カバー１２が床面Ｇとの接当で押圧されて、当該カバ ー１２を破損し易い欠点があるが、図６に示すように、脚６の外側面９側に沿う 接地面７端縁を支点とする脚６の傾動にともなってカバー１２が移動可能に設け られている場合、そのような破損を生じにくい。

【０００６】

【考案の効果】

請求項１のキャスター付き椅子は、脚と支持部材との取り付け強度を確保し易 い利点を活かしながら、家具等を傷つけにくい状態で、前後左右のいずれの方向 へも容易に移動させることができ、しかも、椅子自体の外観を損なうことが少な い。 請求項２のキャスター付き椅子は、椅子がカバー側に傾動しても、当該カバー を破損するおそれが少ない。

【０００７】

【実施例】

〔第１実施例〕 図３は学習用のキャスター付き椅子を示し、背もたれ１を備えた平面視で矩形 の座板２に、座板２の四隅から下向きに固定されている四本の木製縦桟３と、こ れらの縦桟３の下端どうしを水平方向に連結している四本の木製横桟４，５とを 備えた脚６が設けられ、四本の縦桟３の下端面と四本の横桟４，５の下端面とで 矩形枠状の接地面７が形成されている。 前記脚６の横桟４，５のうち、前後方向に沿って設けられている側部横桟４の 前後二箇所に、この側部横桟４の下端面を当該側部横桟４の内外両側面８，９に 亘って横断する溝状の凹入部１０が形成され、キャスター１１がこの凹入部１０ 内に取り付けられている。 前記キャスター１１は、図１，図２に示すように、側部横桟４の下端面にビス 止めされている樹脂製カバー１２を介して凹入部１０内に取り付けられ、車輪１ ３を横軸芯Ｘ周りで回転自在に支承している支持部材１４を、カバー１２内に固 定した縦軸部材１５に回転自在、かつ、抜け止め状態で軸芯方向に沿って摺動自 在に支承して、車輪１３が縦軸芯Ｙ周りで回転移動自在に設けられ、カバー１２ 側と支持部材１４側とに亘って圧縮スプリング１６を装着して、車輪１３が側部 横桟４の接地面７よりも下方に突出するよう付勢されている。 前記カバー１２はその下端が側部横桟４の接地面７より若干上方に位置する下 向き椀状に形成され、車輪１３の回転移動経路を横方向から覆う状態で設けられ ている。 そして、着座状態においては、図１に示すように、接地面７が圧縮スプリング １６の付勢力に抗して床面Ｇに接地し、非着座状態においては、図２に示すよう に、車輪１３が接地面７よりも下方に突出して当該接地面７が床面Ｇから浮上す るよう構成されている。

【０００８】 〔第２実施例〕 図４，図５はカバー１２の別実施例を示し、このカバー１２は、側部横桟４の 下端面にビス止めされている第１カバー部材１２ａと、側部横桟４の外側面９よ りも外方に突出する状態で設けられている第２カバー部材１２ｂとが、側部横桟 ４の長手方向に沿う横軸芯Ｚ周りで相対揺動自在に連結され、第１カバー部材１ ２ａの内周面１７と第２カバー部材１２ｂの外周面１８との各々が横軸芯Ｚを中 心軸とする球面状に形成され、第２カバー部材１２ｂに、当該第２カバー部材１ ２ｂの上向き揺動にともなってキャスター１１の取付け軸部１９が嵌まり込む切 欠部２０を形成して、側部横桟４に接地面７の外側面９側に沿う端縁を支点とす る椅子の傾動にともなって、第２カバー部材１２ｂが横軸芯Ｚ周りで上向きに揺 動移動できるよう構成されている。 従って、図６に示すように、椅子が第２カバー部材１２ｂ側に向けて傾動する と、第２カバー部材１２ｂが床面Ｇとの接当で上向きに揺動移動するので、カバ ー１２を破損するおそれが少ない。 その他の構成は第１実施例と同様である。

【０００９】 〔別実施例〕 １．本発明によるキャスター付き椅子の用途は、学習用に限定されない。 ２．キャスターの車輪を覆うカバーは、車輪の移動経路を脚の外側面側からのみ 覆う状態で設けられていても良い。 ３．キャスターとカバーとが脚に対して格別に取付けられていても良い。 ４．請求項２のキャスター付き椅子は、脚の傾動にともなって、カバーがキャス ターとともに移動可能に設けられていても良い。

【００１０】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】要部断面図

【図２】横桟の長手方向に沿う断面図

【図３】斜視図

【図４】第２実施例を示す要部断面図

【図５】横桟の長手方向に沿う断面図

【図６】第２実施例の作用を示す要部断面図

【符号の説明】

６ 脚 ７ 接地面 ８ 内側面 ９ 外側面 １０ 凹入部 １１ キャスター １２ カバー １３ 車輪 Ｙ 縦軸芯

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 脚（６）に当該脚（６）の接地面（７）
   と外側面（９）とに亘る凹入部（１０）が形成され、前
   記接地面（７）よりも下方に突出するよう付勢されてい
   る車輪（１３）を備えたキャスター（１１）が前記凹入
   部（１０）内に取り付けられているとともに、前記車輪
   （１３）を前記脚（６）の外側面（９）側から覆うカバ
   ー（１２）が設けられ、着座状態においては前記接地面
   （７）が付勢力に抗して接地し、非着座状態においては
   前記車輪（１３）が前記接地面（７）よりも下方に突出
   して当該接地面（７）が浮上するキャスター付き椅子で
   あって、前記車輪（１３）が縦軸芯（Ｙ）周りで回転移
   動自在に設けられ、前記凹入部（１０）が前記接地面
   （７）を前記脚（６）の内外両側面（８，９）に亘って
   横断する溝状に形成されているとともに、前記カバー
   （１２）が前記車輪（１３）の移動経路を覆う状態で設
   けられているキャスター付き椅子。
2. 【請求項２】 前記カバー（１２）が、前記脚（６）の
   外側面（９）よりも外方に突出する状態で、かつ、当該
   脚（６）の外側面（９）側に沿う前記接地面（７）端縁
   を支点とする前記脚（６）の傾動にともなって移動可能
   に設けられている請求項１記載のキャスター付き椅子。