JPS6344283Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、緩衝機構を備えた自動車用ドアミラ
ーに関するものである。

自動車用ドアミラーは、自動車車体の外側に突
出して装着されるので、外部物体と衝突した場
合、外部物体の損傷を軽減するとともにドアミラ
ー自体の損傷を防止するため、緩衝機構付のもの
が望ましい。

第１図は従来の緩衝機構を備えた自動車用ドア
ミラーの一例を示す水平断面図、第２図は同じく
一部を破断した正面図である。

ミラーベース１は自動車車体に固着して用いら
れる。ミラー２はミラーハウジング３によつて支
承されている。

ミラーハウジング３はミラーベース１に対して
当接面Ａ−Ａで接している。そしてミラーハウジ
ング３をミラーベース１に向けて押しつけるよう
に両部材の間にテンシヨンスプリング４が介装さ
れている。５はスプリングハンガで、軸６により
ミラーベース１に回動自在に軸着されている。

ミラーハウジング３はミラーベース１に対して
位置ぎめするため、ミラーハウジング３の周縁に
枠状の突条３ａを連設して雌型の係合部を構成す
るとともに、ミラーベース１の当接縁に突起１
ａ，１ｂよりなる雄型の係合部を構成し、上記
雌、雄の係合部が係脱自在に嵌合されている。

以上のように構成された従来形の緩衝機構付自
動車用ドアミラーは、正常時にはテンシヨンスプ
リング４の作用により第１図及び第２図に示した
正常姿勢を保つている。

ミラーハウジング３に矢印Ｃ方向の外力が作用
すると、ミラーハウジング３はテンシヨンスプリ
ング４の付勢力に抗しつつ矢印Ｄのごとく傾倒し
て外力Ｃの衝撃を緩和する。同様に、矢印Ｅ方向
の外力に対しては矢印Ｆのごとく傾倒して緩衝す
る。

第３図はミラーハウジング３が矢印Ｄ方向に傾
倒した状態を実線で示し、矢印Ｆ方向に傾倒した
状態を仮想線で示してある。このように傾倒した
状態において、ミラーハウジング３の枠状突条３
ａよりなる雌型係合部と、ミラーベース１の突起
１ａ，１ｂよりなる雄型の係合部とは離脱してい
るが、テンシヨンスプリング４の付勢力によつて
枠状突条３ａが突起１ａ，１ｂの側面に押しつけ
られているので、第３図の紙面と平行な方向につ
いては両部材の関係位置が拘束されている。しか
し、紙面と垂直な方向（実際使用状態における上
下方向）については、前記雌、雄係合部の離脱に
よつて位置決めが無くなる。このためミラーハウ
ジング３は傾倒した際ミラーベース１に対して上
下方向にずれてしまう虞れがある。ミラーハウジ
ング３が上下方向にずれると、該ミラーハウジン
グ３を傾倒させていた外力が消失してもテンシヨ
ンスプリング４の付勢力によつて正常姿勢（第１
図）に復元することが困難になる。

本考案は、以上の如き従来技術の問題点を改善
し、ミラーハウジングが緩衝作動によつて傾倒し
てもミラーベースに対する上下方向の位置がずれ
ることなく、外力の消失に伴つて自動的に正常姿
勢に復元し得る自動車用ドアミラーを提供するこ
とを目的とする。

上記の目的を達成するため、本考案は、緩衝機
構を備えた自動車用ドアミラーにおいて、ミラー
ベースおよびミラーハウジングの当接縁の内方に
それぞれ当接面から外方に向つて突出する突起を
設け、上記双方の突起を互いに上下方向に係合す
る如く対向せしめ、上記の突起が当接面よりも相
手部材側に突出されていることによりミラーハウ
ジングが傾倒したときもミラーベースに対するミ
ラーハウジングの上下方向のずれを防止すべくな
したことを特徴とする。

次に、本考案の一実施例を第４図乃至第６図に
ついて説明する。

第４図は本実施例のドアミラーの水平断面図
で、従来装置における第１図に対応する図であ
る。第１図と同一の図面参照番号を付したミラー
ベース１、ミラー２、ミラーハウジング３、及び
テンシヨンスプリング４は、それぞれ第１図にお
けると同様の構成部材である。８はミラー２を支
承するピボツト接手、９は上記のミラー２を回動
操作するためのレバー、１０は操作用のリンクで
ある。本図のＧ部付近の拡大詳細図を第５図に示
す。

Ａ−Ａはミラーベース１とミラーハウジング３
との当接面である。ミラーベース１の当接縁の内
方に突起１２を形成して、その突起１２を当接面
Ａ−Ａよりもミラーハウジング側に突出せしめ
る。この突起１２は第６図に示すように上下方向
に並べて２個設ける。本実施例においては上記の
突起１２を軽合金ダイカストによりミラーベース
１と一体成形してある。

ミラーハウジング３の当接縁の内方に突起１１
を形成して、その突起１１を当接面Ａ−Ａよりも
ミラーベース側に突出せしめる。この突起１１
も、第６図に示すごとく上下方向に並べて２個設
け、かつ、これら２個の突起１１をそれぞれ前記
ベース側の２個の突起１２の上方と下方とに接す
るようにし対向させる。

第６図はミラーハウジング３を矢印Ｆ方向に傾
倒せしめた状態を描いてある。本図に示すごと
く、ミラーハウジング３が矢印Ｆ方向に傾倒した
場合にも２個の突起１２の上下を２個の突起１１
で挟持した形を維持するよう、突起１１，１２の
形状を設定する。

ミラーハウジング３が矢印Ｄ方向に傾倒したと
き、上記と同様に上下方向の対向当接を維持させ
るため、第６図に示すように、ミラーベース１の
当接縁の内方に突起１６，１７，１８を一体成形
するとともに、ミラーハウジングの当接縁の内方
に突起１３，１４，１５を一体成形し、ミラーハ
ウジング３が正常姿勢にあるとき、突起１３，１
５がそれぞれミラーベース１に形成した凹部１
９，２０に嵌合してミラーハウジング３とミラー
ベース１との位置決めをなし、これと共に突起１
６，１７が突起１４を上下から挟持し、突起１６
と同１３、突起１８と同１５もそれぞれ上下に対
向して当接するようにする。

なお、図示を省略したが、ミラーハウジング３
が矢印Ｄ方向に傾倒した場合、突起１６は突起１
３と同１４との間に、突起１４は突起１６と同１
７との間にそれぞれ挟持された形を維持し、突起
１８と同１５も上下方向の対向当接を維持するよ
うにする。

本考案の自動車用ドアミラーは、以上説明した
ように、ミラーハウジング３が矢印Ｆ，Ｄいずれ
の方向に傾倒しても、ミラーベース１とミラーハ
ウジング３に設けた突起が上下方向の対向当接を
保ち、ミラーベース１とミラーハウジング３との
上下方向の相対的位置ずれを規制する。このため
両部材は位置ずれを生じる虞れなく正規の上下方
向位置関係を保つ。従つて、ミラーハウジング３
を傾倒せしめた外力が消失すると該ミラーハウジ
ング３はテンシヨンスプリング４の付勢力によつ
て復元回動せしめられ、自動的に正常姿勢に復元
する。

以上詳述したように、本考案は、緩衝機構を備
えた自動車用ドアミラーにおいて、ミラーハウジ
ングの当接縁およびミラーベースの当接縁の内方
にそれぞれ当接面から外方に向つて突出する突起
を設け、上記双方の突起が互いに上下方向から係
合するように対向せしめたので、ミラーハウジン
グが緩衝作動によつて傾倒してもミラーベースに
対する上下方向の位置ずれを起こすおそれがな
く、従つて外力の消失に伴つて自動的に正常姿勢
に復元することができ、かつ、前記の各突起は当
接縁の内方に設けたので、正常姿勢時には外観に
あらわれることがなく、外観上も有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の緩衝機構付き自動車用ドアミラ
ーの水平断面図、第２図は同じく一部を破断して
示した正面図、第３図は同じく緩衝作動を説明す
るための傾倒状態における水平断面図である。第
４図乃至第６図は本考案に係る自動車用ドアミラ
ーの一実施例を示し、第４図は水平断面図、第５
図は第４図に示したＧ部の拡大詳細図、第６図は
ミラーハウジングが傾倒した状態の斜視図であ
る。 １……ミラーベース、２……ミラー、３……ミ
ラーハウジング、４……テンシヨンスプリング、
５……スプリングハンガー、６……軸、８……ピ
ボツト接手、９……レバー、１０……リンク、１
１，１２，１３，１４，１５，１６，１７，１８
……突起、１９，２０……ミラーベースに形成し
た凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ミラーを支承したミラーハウジングと自動車車
   体に固着したミラーベースとにそれぞれ当接縁を
   形成し、上記双方の当接縁を介してミラーハウジ
   ングをミラーベースに当接せしめ、これら両部材
   の間にテンシヨンスプリングを介装してなる緩衝
   機構付の自動車用トアミラーにおいて、ミラーハ
   ウジング側の当接縁およびミラーベース側の当接
   縁の内方に当接面から外方に向つて突出する突起
   をそれぞれ設け、かつ、上記ミラーハウジング側
   の突起とミラーベース側の突起とを互いに上下方
   向から係合するように対向せしめたことを特徴と
   する自動車用ドアミラー。