JP3004449U - 椅子用キャスター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は体重が負荷された時、車輪が引っ込
んで、椅子を接床状態に安定させ、椅子に体重をかけな
い時は、車輪が突出して椅子の移動を軽快に行なわせる
為に使用される椅子用キャスターに関し、構造が簡単
で、組み付けも容易で、車輪を大型化し、移動もスムー
ズに行える椅子用キャスターを提供する事を目的とす
る。 【構成】 支持ケース１と支持ケース１内に上下動自在
に保持され、常にコイルバネ４にて下方に付勢された車
輪支持部材２と、支持ケースのスライド孔１６を貫挿し
て支持ケース１外に突出する車輪支持部材２の車輪取付
軸２３に回転自在に取付けられる車輪３と、支持ケース
１の裏面に取付けられる裏蓋５よりなる椅子用キャスタ
ー。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は体重が負荷された時、車輪が引っ込んで椅子を接床状態に安定させ、 椅子に体重をかけない時は、車輪が突出して椅子の移動を軽快に行わせる為に使 用される椅子用キャスターに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上記キャスターとしては、椅子の左右の接床横桟の下面に取付穴を形成 し、これにキャスターを嵌合して取付ける嵌合式のもの（例えば実開昭６０−１ ２７２０５号）と、前記接床横棧の外側面にキャスターをビス等でとりつける様 にした外付け式のもの（例えば実開昭５３−１６４４６９号）が知られている。

【０００３】 上記２種類のキャスターは、いずれも基本的には、合成樹脂製の下面を開放し た筐体を有し、この筐体内に車輪を昇降作動可能に支承し、且つバネで常時下方 に付勢せしめたもせのである。

【０００４】 しかしながら、前記嵌合式のものは、キャスターの取付け状態が外観されにく く椅子全体の美観は損なわれないが、前記椅子の接床横桟にキャスターに対応す る取付穴を形成しなければならない為、取付作業が煩雑であり、椅子の生産性を 低下させる難点があった。

【０００５】 また、前記外付け式のキャスターにあっては、当該キャスターが椅子の脚部側 面の外方に突出する為、邪魔になり、足を引っ掛けたり、椅子の移動時に机の脚 等に衝突して、損傷せしめる等の欠点があった。

【０００６】 そして、前記両方式のいずれも、筐体内に車輪を昇降自在におさめる構造であ り、筐体の大きさもその用途上制限されるから、車輪の直径は２０〜２５ｍｍ程 度の大きさに制約されていた。

【０００７】 その為、椅子を移動させる場合、カーペット敷の床面とか、畳敷きの床面上で は、必ずしも軽快に移動させる事が出来なかった。 また、キャスター自体の組み立てにおいても部品点数が多く、さらに車輪を揺 動アーム又は軸受部材にあらかじめ車軸で枢着した後、軸受部材を更に筐体内に 揺動自在、あるいは昇降自在に組付けなければならず、製造が厄介であり、コス ト高となっていた。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記問題を解決する事を課題とし、キャスターの構造が簡単で、組付 けも容易で、車輪を大型化し、移動もスムーズに行える椅子用キャスターを提供 する事を目的とする。

【０００９】

【課題を解決する為の手段】

支持ケースと、支持ケース内に上下動自在に保持される車輪支持部材と、支持 ケース外で車輪支持部材に回転自在に取付けられる車輪と、支持ケースの裏面に 取付けられる裏蓋が、それぞれ合成樹脂材にて形成されてなり、

【００１０】 支持ケースは、車輪支持部材の保持突部を有し、保持突部の表面壁に上下方向 に長いスライド孔が形成され、保持突部内にバネ保持部と、車輪支持部材の移動 空間部が形成されており、

【００１１】 車輪支持部材は、前記上下動空間内に上下動可能に嵌合するバネ支持部と、前 記スライド孔に嵌挿して外方に突出する車輪取付軸よりなり、車輪は前記車輪取 付軸に強制嵌合されて、回転自在、且つ抜脱阻止状態に取付けられ、

【００１２】 前記車輪支持部材のバネ支持凹部と、支持ケースのバネ保持部間に、コイルバ ネが配設され、支持部材を常に下方に付勢し、前記裏蓋は表面側の前後端部に、 先端の係止突起が支持ケースに係止する係止脚を有しているものである。

【００１３】

【作用】

コイルバネを除く、支持ケース、車輪、車輪支持部材、裏蓋の各部材がすべて 合成樹脂材で形成されてなり、互いの嵌合、接触状態が円滑となる。

【００１４】 支持ケースの保持突部内にバネ保持部と車輪支持部材の移動空間部が形成され 、車輪支持部材は、移動空間部内に位置するバネ支持部と、保持突部の表面壁に 形成されたスライド孔に嵌挿して外方に突出する車輪取付軸よりなり、車輪は前 記車輪取付軸に強制嵌合されて、回転自在、且つ抜脱阻止状態に取付けられるか ら、車輪は支持ケースの外部で上下動自在に支持される事となる。

【００１５】 前記、車輪支持部材のバネ支持凹部と支持ケースのバネ保持部間にコイルバネ が配設され、支持部材を常に下方に付勢し、前記裏蓋の表面側に、保持突部の表 面壁に形成された係止孔に係止する係止脚を有しているので、裏蓋を取付ける事 により、コイルバネ等の脱落が阻止される。

【００１６】

【実施例】

本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 符号１０は本考案の椅子用キャスターを示し、符号１は支持ケース、符号２は車 輪支持部材、符号３は車輪、符号４はコイルバネ、符号５は裏蓋を示している。

【００１７】 支持ケース１は合成樹脂材より一体に形成され、前後端部に所定寸法の幅を有 し、椅子の接床横桟にネジ止めする為の取付孔１１・・・が、左右の上下端部に 形成された取付用周縁１２と、取付用周縁１２の内方より連設して、表面側に突 出する周壁１３と、周壁１３の表面側端部に一体に形成された表面壁１４からな る車輪支持部材２の保持突部１５を有している。

【００１８】 そして、保持突部１５の表面壁１４に上下方向に長いスライド孔１６が形成さ れ、保持突部１５内に上部の間隔が狭く、下部の間隔が広い上下仕切り壁１７、 １７が前後に対向してもうける事により、上下仕切り壁１７、１７の上部間にバ ネ保持部１８が、下部間に車輪支持部材２の移動空間部１９が形成されている。 符号１９１は上下仕切り壁１７、１７と周壁１３間にもうけられた隔壁を示し ている。

【００１９】 車輪支持部材２は、合成樹脂材より一体に形成され、前後幅が前記移動空間部 １９の前後幅よりやや小さく、表裏方向の幅がほぼ周壁１３の幅よりやや小さく 、上面にバネ支持凹部２１を有し、移動空間部１９内に位置するバネ支持部２２ と、バネ支持部２２の表面側中央部に形成された前記スライド孔１６に嵌挿して 表面側に突出する円柱状の車輪取付軸２３より構成されている。

【００２０】 車輪３は、合成樹脂材より一体に形成され、外周縁に環状接床部３１を有する 偏平な断面コ字状で、内面中央に軸受筒部３２が一体に突設されている。 そして、軸受筒部３２の内面には、前記車輪取付軸２３の環状凹部２４に対応 して環状凸部３３が設けられている。

【００２１】 而して、車輪３は、その軸受筒部３２を前記車輪支持部材２の車輪取付軸２３ に強制嵌合し、その環状凹部２４に上記環状凸部３３を嵌合せしめる事によって 、回転自在、且つ抜脱阻止状態に取付けられている。

【００２２】 コイルバネ４は、上部が前記支持ケース１の保持突部１５内に形成されたバネ 保持部１８に保持され、下端部が車輪支持部材２のバネ支持凹部２１内に位置し て、常に車輪支持部材２を下方に付勢している。

【００２３】 裏蓋５は、合成樹脂材より一体に形成されており、表面側の前後端部の上下に 支持ケース１に係止する係止脚５１・・・を有している。 すなわち、係止脚５１の表面側端部に、周壁１３と上下仕切り壁１７、１７間 の表面壁１４の上下端部に形成された抜き孔１３０・・・に臨む周壁１３の下面 後端部の係止部１３１・・・と、隔壁１９１の後端部の係止部１９２・・・に係 止する係止突起５２・・・が形成されている。

【００２４】 本考案は上記の如く構成され、コイルバネ４の下端部を車輪支持部材２のバネ 支持凹部２１内に位置せしめ、コイルバネ４を押し縮めた状態を維持しながら、 車軸取付軸２３を支持ケース２のスライド孔１６に嵌挿せしめ、コイルバネ４の 上端部をバネ保持部１８内に位置せしめ、車輪支持部材２のバネ支持部２２を移 動空間部１９内に上下動自在に位置せしめる。

【００２５】 次に裏面側より裏蓋５を表面側に押しやって、係止脚５１・・・の係止突起５ ２・・・を係止部１９２・・・、１３１・・・に係止せしめ、支持ケース１と裏 蓋５を連結する。 これによって、コイルバネ４は支持ケース１内に隠蔽されると共に脱落する恐 れがない。

【００２６】 次に裏蓋５の裏面側をおさえながら、支持ケース１から表面側に突出した車輪 取付軸２３に車輪３を強制嵌合し、その環状凹部２４に環状凸部３３を嵌合せし める事によって回転自在、且つ抜脱阻止状態に取付けられる。 この状態で部品在庫され、適宜取付用周縁１２を椅子の接床横桟と連結する事 により使用される。

【００２７】

【考案の効果】

本考案は、上記の如くコイルバネを除く、支持ケース、車輪、車輪支持部材、 裏蓋の各部材がすべて合成樹脂材で形成されているので、互いの部材同士の嵌合 、接触状態が円滑となり、支持ケースに対する車輪支持部材の上下動がスムーズ に行なわれる。

【００２８】 支持ケースの保持突部内にバネ保持部と車輪支持部材の移動空間部が形成され 、車輪支持部材は、移動空間部内に位置するバネ支持部と、保持突部の表面壁に 形成されたスライド孔に嵌挿して外方に突出する車輪取付軸よりなり、車輪は前 記車輪取付軸に強制嵌合されて、回転自在、且つ抜脱阻止状態に取付けられる。 すなわち、車輪は支持ケースの外側に回転自在にとりつけられるから、従来の 様に筐体によって車輪の大きさが制限される事がない。 従って比較的大きな車輪を用いる事が可能で、椅子等に装備した場合に、カー ペット敷きの床面上等でも、一層軽快に椅子の移動を行わせる事が出来る。

【００２９】 前記、車輪支持部材のバネ支持凹部と支持ケースのバネ保持部間にコイルバネ が配設され、支持部材を常に下方に付勢し、前記裏蓋の表面側に、支持ケースに 係止する係止脚を有しているので、裏蓋の取付けが非常に容易であり、部品在庫 の状態であってもコイルバネが脱落する恐れが一切ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の分解斜視図

【図２】要部縦断面図

【図３】要部横断面図

【図４】係止脚部分の要部縦断面図

【符号の説明】

１ 支持ケース １０ 椅子用キャスター １１ 取付孔 １２ 取付用周縁 １３ 周壁 １４ 表面壁 １５ 保持突部 １６ スライド孔 １７ 上下仕切り壁 １８ バネ保持部 １９ 移動空間部 ２ 車輪支持部材 ２１ バネ支持凹部 ２２ バネ支持部 ２３ 車輪取付軸 ３ 車軸 ４ コイルバネ ５ 裏蓋 ５１ 係止脚 ５２ 係止突起

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 支持ケースと、支持ケース内に上下動自
   在に保持される車輪支持部材と、支持ケース外で車輪支
   持部材に回転自在に取付けられる車輪と、支持ケースの
   裏面に取付けられる裏蓋が、それぞれ合成樹脂材にて形
   成されてなる椅子用キャスターにおいて、支持ケース
   は、前後端部に位置し、取付孔が形成された取付用周縁
   を有し、取付用周縁の内方より連設されて表面側に突出
   する周壁と、周壁の表面側の端部に一体に形成された表
   面壁からなる車輪支持部材の保持突部を有しており、前
   記表面壁に上下方向に長いスライド孔が形成され、保持
   突部内に上部の間隔が狭く、下部の間隔が広い上下仕切
   り壁が前後に対向して形成され、上下仕切り壁間の上部
   間にバネ保持部が、その下方に車輪支持部材の移動空間
   部が形成されていると共に、車輪支持部材は前後幅が移
   動空間部の前後巾よりやや小さく、表裏方向の幅がほぼ
   周壁の幅よりやや小さく、上面にバネ支持凹部を有する
   バネ支持部と、バネ支持部の表面側中央部に、前記スラ
   イド孔に嵌挿して表面側に突出する車輪取付軸より形成
   され、車輪は前記車輪取付軸に強制嵌合されて、回転自
   在、且つ抜脱阻止状態に取付けられ、前記車輪支持部材
   のバネ支持凹部と、支持ケースのバネ保持部間にコイル
   バネが配設され、車輪支持部材は常に下方に付勢されて
   おり、前記裏蓋は表面側の前後端部に前記支持ケースに
   係止突起が係止する係止脚を有している事を特徴とする
   椅子のキャスター。