JPH0791312A - サイアミーズ型シリンダブロック及びその鋳造方法 - Google Patents
サイアミーズ型シリンダブロック及びその鋳造方法Info
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- JPH0791312A JPH0791312A JP23830893A JP23830893A JPH0791312A JP H0791312 A JPH0791312 A JP H0791312A JP 23830893 A JP23830893 A JP 23830893A JP 23830893 A JP23830893 A JP 23830893A JP H0791312 A JPH0791312 A JP H0791312A
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- F02F1/10—Cylinders; Cylinder heads having cooling means for liquid cooling
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- F02F2200/06—Casting
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 サイアミーズ型シリンダブロックの軽量化を
図るとともに、その鋳造時にシリンダスリーブ集合体の
隣接するシリンダスリーブを接合する接合部近傍におけ
る湯廻りを良好にして鋳造不良の発生を防止する。 【構成】 シリンダスリーブ集合体3の複数のシリンダ
スリーブ31 …を相互に接合する接合部32 …の下端に
側面視で三角形状の切欠き33 …を形成し、これにより
シリンダブロック1の軽量化を図る。鋳造時にシリンダ
ブロック本体2のクランクケース6側から注入された溶
湯は、前記切欠き33 …を通過してシリンダブロック本
体2のデッキ面側に流入し、これにより湯廻りが良好に
なる。
図るとともに、その鋳造時にシリンダスリーブ集合体の
隣接するシリンダスリーブを接合する接合部近傍におけ
る湯廻りを良好にして鋳造不良の発生を防止する。 【構成】 シリンダスリーブ集合体3の複数のシリンダ
スリーブ31 …を相互に接合する接合部32 …の下端に
側面視で三角形状の切欠き33 …を形成し、これにより
シリンダブロック1の軽量化を図る。鋳造時にシリンダ
ブロック本体2のクランクケース6側から注入された溶
湯は、前記切欠き33 …を通過してシリンダブロック本
体2のデッキ面側に流入し、これにより湯廻りが良好に
なる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数のシリンダスリー
ブを一体に接合してなるシリンダスリーブ集合体をシリ
ンダブロック本体の内部に鋳包んだサイアミーズ型シリ
ンダブロックと、その鋳造方法とに関する。
ブを一体に接合してなるシリンダスリーブ集合体をシリ
ンダブロック本体の内部に鋳包んだサイアミーズ型シリ
ンダブロックと、その鋳造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかるサイアミーズ型シリンダブ
ロックとして、実開昭55−104740号公報に記載
されたものが公知である。
ロックとして、実開昭55−104740号公報に記載
されたものが公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、サイアミー
ズ型シリンダブロックを軽量化する観点から、重量が嵩
む鋳鉄製のシリンダスリーブ集合体を可及的に小型化す
ることが望ましい。そのために、シリンダスリーブ集合
体のクランクケース側端部に切欠きを形成することが考
えられるが、このようにすると下死点に下降したピスト
ンのスカート部の支持が不充分になり、コネクティング
ロッドからのこじり荷重に対するピストンの耐久性低下
が問題となる。
ズ型シリンダブロックを軽量化する観点から、重量が嵩
む鋳鉄製のシリンダスリーブ集合体を可及的に小型化す
ることが望ましい。そのために、シリンダスリーブ集合
体のクランクケース側端部に切欠きを形成することが考
えられるが、このようにすると下死点に下降したピスト
ンのスカート部の支持が不充分になり、コネクティング
ロッドからのこじり荷重に対するピストンの耐久性低下
が問題となる。
【0004】また、サイアミーズ型シリンダブロックは
シリンダスリーブ集合体が薄肉のアルミニューム合金よ
りなるシリンダバレル集合体の内部に鋳包まれているた
め、鋳造時にクランクケース側から注入されたアルミニ
ューム合金の溶湯が薄肉のシリンダバレル集合体の部分
に流れ込み難く、特にシリンダスリーブの接合部近傍に
形成されるシリンダバレル集合体の山形領域は断面積が
小さいために湯廻りが悪く、湯ジワや湯境等の鋳造不良
が発生し易い問題がある。
シリンダスリーブ集合体が薄肉のアルミニューム合金よ
りなるシリンダバレル集合体の内部に鋳包まれているた
め、鋳造時にクランクケース側から注入されたアルミニ
ューム合金の溶湯が薄肉のシリンダバレル集合体の部分
に流れ込み難く、特にシリンダスリーブの接合部近傍に
形成されるシリンダバレル集合体の山形領域は断面積が
小さいために湯廻りが悪く、湯ジワや湯境等の鋳造不良
が発生し易い問題がある。
【0005】本発明は、前述の事情に鑑みてなされたも
ので、サイアミーズ型シリンダブロックの軽量化を図る
とともに、その鋳造時における湯廻りを良好にして鋳造
不良の発生を防止することを目的とする。
ので、サイアミーズ型シリンダブロックの軽量化を図る
とともに、その鋳造時における湯廻りを良好にして鋳造
不良の発生を防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、複数のシリンダスリ
ーブをそれらの母線において一体に接合してなる鉄製の
シリンダスリーブ集合体を軽合金製のシリンダブロック
本体の内部に鋳包んだサイアミーズ型シリンダブロック
において、隣接するシリンダスリーブを相互に接合する
接合部のクランクケース側端部に切欠きを形成したこと
を特徴とする。
に、請求項1に記載された発明は、複数のシリンダスリ
ーブをそれらの母線において一体に接合してなる鉄製の
シリンダスリーブ集合体を軽合金製のシリンダブロック
本体の内部に鋳包んだサイアミーズ型シリンダブロック
において、隣接するシリンダスリーブを相互に接合する
接合部のクランクケース側端部に切欠きを形成したこと
を特徴とする。
【0007】また請求項2に記載された発明は、複数の
シリンダスリーブをそれらの母線において一体に接合し
てなるシリンダスリーブ集合体をシリンダブロック成形
型の内部に保持し、そのシリンダブロック成形型の内部
にシリンダスリーブ集合体の前記母線を挟む一方側から
他方側に溶湯を注入することにより前記シリンダスリー
ブ集合体をシリンダバレル集合体の内部に鋳包むサイア
ミーズ型シリンダブロックの鋳造方法において、隣接す
るシリンダスリーブを相互に接合する接合部のクランク
ケース側端部に切欠きを形成し、この切欠きを通してシ
リンダスリーブ集合体の前記母線を挟む一方側から他方
側に溶湯を流入させることを特徴とする。
シリンダスリーブをそれらの母線において一体に接合し
てなるシリンダスリーブ集合体をシリンダブロック成形
型の内部に保持し、そのシリンダブロック成形型の内部
にシリンダスリーブ集合体の前記母線を挟む一方側から
他方側に溶湯を注入することにより前記シリンダスリー
ブ集合体をシリンダバレル集合体の内部に鋳包むサイア
ミーズ型シリンダブロックの鋳造方法において、隣接す
るシリンダスリーブを相互に接合する接合部のクランク
ケース側端部に切欠きを形成し、この切欠きを通してシ
リンダスリーブ集合体の前記母線を挟む一方側から他方
側に溶湯を流入させることを特徴とする。
【0008】
【実施例】以下、図面により本発明の一実施例について
説明する。
説明する。
【0009】図1〜図4は多気筒内燃機関(実施例では
直列4気筒内燃機関)のシリンダブロック1を示すもの
で、そのシリンダブロック1はアルミニューム合金製の
シリンダブロック本体2と鋳鉄製のシリンダスリーブ集
合体3とよりなる。シリンダブロック本体2は、シリン
ダスリーブ集合体3を鋳包んだシリンダバレル集合体4
と、このシリンダバレル集合体4を囲繞する外壁体5
と、前記シリンダバレル集合体4及び外壁体5の下端に
連設されたクランクケース6と、5個のジャーナル部7
…とより構成される。シリンダバレル集合体4と外壁体
5との間にはウオータジャケット8が形成される。
直列4気筒内燃機関)のシリンダブロック1を示すもの
で、そのシリンダブロック1はアルミニューム合金製の
シリンダブロック本体2と鋳鉄製のシリンダスリーブ集
合体3とよりなる。シリンダブロック本体2は、シリン
ダスリーブ集合体3を鋳包んだシリンダバレル集合体4
と、このシリンダバレル集合体4を囲繞する外壁体5
と、前記シリンダバレル集合体4及び外壁体5の下端に
連設されたクランクケース6と、5個のジャーナル部7
…とより構成される。シリンダバレル集合体4と外壁体
5との間にはウオータジャケット8が形成される。
【0010】シリンダスリーブ集合体3は、4個の円筒
状のシリンダスリーブ31 …を各々の母線の全長に亘っ
て相互に結合したもので、各シリンダスリーブ31 …の
シリンダボア9…の中心線は同一平面内に位置するよう
に配設される。図2及び図4から明らかなように、シリ
ンダスリーブ集合体3の外表面には、円周方向に延びる
凸条311…と凹条312…とが軸方向に交互に形成され
る。4個のシリンダスリーブ31 …を相互に接合する3
個の接合部32 …近傍における前記凹条312…には、軸
方向に列をなす複数の突起313…が外向きに突設され、
各突起313…の先端は凸条311…の頂部よりも外側に延
びている。
状のシリンダスリーブ31 …を各々の母線の全長に亘っ
て相互に結合したもので、各シリンダスリーブ31 …の
シリンダボア9…の中心線は同一平面内に位置するよう
に配設される。図2及び図4から明らかなように、シリ
ンダスリーブ集合体3の外表面には、円周方向に延びる
凸条311…と凹条312…とが軸方向に交互に形成され
る。4個のシリンダスリーブ31 …を相互に接合する3
個の接合部32 …近傍における前記凹条312…には、軸
方向に列をなす複数の突起313…が外向きに突設され、
各突起313…の先端は凸条311…の頂部よりも外側に延
びている。
【0011】図2から明らかなように、前記3個の接合
部32 …の下端には側面視で三角形状の切欠き33 …が
形成されており、また両端に位置する2個のシリンダス
リーブ31 ,31 の相互に離反する端部の下端には、前
記切欠き33 …の片側半分の大きさの切欠き33 ,33
が形成される。各切欠き33 …の下部には、シリンダス
リーブ31 …の内周面をそのまま下方に延長した形状の
8個の凹部10…、がシリンダバレル集合体4からジャ
ーナル部7…にかけて形成される。前記凹部10…には
下死点に下降したピストン16のスカート部が嵌合す
る。また、ピストン16が下死点にあるとき、該ピスト
ン16の最も下側に装着されたオイルリング17は切欠
き33 …の上端よりも上方に位置するように設定されて
いる。前記切欠き33 …はシリンダスリーブ集合体3の
鋳造時に形成しても良く、また鋳造後に機械加工により
形成しても良い。
部32 …の下端には側面視で三角形状の切欠き33 …が
形成されており、また両端に位置する2個のシリンダス
リーブ31 ,31 の相互に離反する端部の下端には、前
記切欠き33 …の片側半分の大きさの切欠き33 ,33
が形成される。各切欠き33 …の下部には、シリンダス
リーブ31 …の内周面をそのまま下方に延長した形状の
8個の凹部10…、がシリンダバレル集合体4からジャ
ーナル部7…にかけて形成される。前記凹部10…には
下死点に下降したピストン16のスカート部が嵌合す
る。また、ピストン16が下死点にあるとき、該ピスト
ン16の最も下側に装着されたオイルリング17は切欠
き33 …の上端よりも上方に位置するように設定されて
いる。前記切欠き33 …はシリンダスリーブ集合体3の
鋳造時に形成しても良く、また鋳造後に機械加工により
形成しても良い。
【0012】図5〜図9は上記シリンダブロック1をダ
イカスト鋳造するための成形型Dを示すものである。成
形型Dは固定型11と、相互に接近・離間できるように
上下に移動可能な上面移動型12及び下面移動型13
と、前記固定型11、上面移動型12及び下面移動型1
3に対して横移動可能な側面移動型14とから構成され
る。固定型11にはクランクケース6の内面を成形する
成形面111 が形成されるとともに、上面移動型12及
び下面移動型13にはクランクケース6の外表面を成形
する成形面121 ,131 が形成される。また側面移動
型14には、前記シリンダスリーブ集合体3を嵌合保持
する4本の円筒状のボアピン141 …と、ウオータジャ
ケット8を形成するためのウオータジャケットピン14
2 とが突設される。各ボアピン141 …の先端には、シ
リンダブロック本体2に前記凹部10…を形成するため
の各一対の凸部143 …が突設される。固定型11と下
面移動型13との間には溶湯を注入するための湯道15
が形成される。
イカスト鋳造するための成形型Dを示すものである。成
形型Dは固定型11と、相互に接近・離間できるように
上下に移動可能な上面移動型12及び下面移動型13
と、前記固定型11、上面移動型12及び下面移動型1
3に対して横移動可能な側面移動型14とから構成され
る。固定型11にはクランクケース6の内面を成形する
成形面111 が形成されるとともに、上面移動型12及
び下面移動型13にはクランクケース6の外表面を成形
する成形面121 ,131 が形成される。また側面移動
型14には、前記シリンダスリーブ集合体3を嵌合保持
する4本の円筒状のボアピン141 …と、ウオータジャ
ケット8を形成するためのウオータジャケットピン14
2 とが突設される。各ボアピン141 …の先端には、シ
リンダブロック本体2に前記凹部10…を形成するため
の各一対の凸部143 …が突設される。固定型11と下
面移動型13との間には溶湯を注入するための湯道15
が形成される。
【0013】次に、前述したシリンダブロック1の鋳造
工程について説明する。
工程について説明する。
【0014】先ず、図5に示すように成形型Dの側面移
動型14のボアピン141 …にシリンダスリーブ集合体
3を嵌合させた後、図6及び図7に示すように固定型1
1、上面移動型12、下面移動型13及び側面移動型1
4を型締めする。続いて固定型11と下面移動型13と
の間に形成された湯道15を介してキャビティに溶湯を
注入する。このとき、シリンダスリーブ集合体3に施さ
れたメッキが溶湯によって溶かされて該溶湯との間で合
金化が起こり、シリンダスリーブ集合体3とシリンダバ
レル集合体4との密着性が向上する。溶湯が凝固する
と、図8に示すように成形型Dを型開きして、シリンダ
ブロック1を側面移動型14側に分離した後、側面移動
型14からシリンダブロック1を取り外す。
動型14のボアピン141 …にシリンダスリーブ集合体
3を嵌合させた後、図6及び図7に示すように固定型1
1、上面移動型12、下面移動型13及び側面移動型1
4を型締めする。続いて固定型11と下面移動型13と
の間に形成された湯道15を介してキャビティに溶湯を
注入する。このとき、シリンダスリーブ集合体3に施さ
れたメッキが溶湯によって溶かされて該溶湯との間で合
金化が起こり、シリンダスリーブ集合体3とシリンダバ
レル集合体4との密着性が向上する。溶湯が凝固する
と、図8に示すように成形型Dを型開きして、シリンダ
ブロック1を側面移動型14側に分離した後、側面移動
型14からシリンダブロック1を取り外す。
【0015】さて、上述のようにしてシリンダブロック
1を鋳造する際に、成形型Dのクランクケース6側下端
に形成された湯道15からキャビティ内に注入された溶
湯は、隣接するシリンダスリーブ31 ,31 を相互に接
合する母線L(図3参照)を右側から左側に越えてシリ
ンダブロック1のデッキ面に向けて流動する。そのと
き、鋳造姿勢においてシリンダスリーブ集合体3の接合
部32 …の上側に位置するシリンダバレル集合体4の山
形領域a(図1及び図3参照)は、その断面積が小さい
ために特に湯廻りが悪く、湯ジワや湯境等の欠陥が発生
する原因となる。しかしながら、本実施例の如くシリン
ダスリーブ集合体3の接合部32 …に切欠き33 …を形
成したことにより、従来ならば図3に鎖線で示すbの位
置まで延びている接合部32 …の下端が前記切欠き33
…によってcの位置に偏倚する。その結果、従来矢印A
の如く接合部32 …の下端を大きく迂回して流れていた
溶湯が、矢印Bの如くスムーズにシリンダバレル集合体
4の山形領域aに流入することが可能となり、湯廻り特
性が向上して湯ジワや湯境等の不具合が発生し難くな
る。
1を鋳造する際に、成形型Dのクランクケース6側下端
に形成された湯道15からキャビティ内に注入された溶
湯は、隣接するシリンダスリーブ31 ,31 を相互に接
合する母線L(図3参照)を右側から左側に越えてシリ
ンダブロック1のデッキ面に向けて流動する。そのと
き、鋳造姿勢においてシリンダスリーブ集合体3の接合
部32 …の上側に位置するシリンダバレル集合体4の山
形領域a(図1及び図3参照)は、その断面積が小さい
ために特に湯廻りが悪く、湯ジワや湯境等の欠陥が発生
する原因となる。しかしながら、本実施例の如くシリン
ダスリーブ集合体3の接合部32 …に切欠き33 …を形
成したことにより、従来ならば図3に鎖線で示すbの位
置まで延びている接合部32 …の下端が前記切欠き33
…によってcの位置に偏倚する。その結果、従来矢印A
の如く接合部32 …の下端を大きく迂回して流れていた
溶湯が、矢印Bの如くスムーズにシリンダバレル集合体
4の山形領域aに流入することが可能となり、湯廻り特
性が向上して湯ジワや湯境等の不具合が発生し難くな
る。
【0016】また、鋳鉄製のシリンダスリーブ集合体3
に切欠き33 …を形成し、その切欠き33 …を軽量なア
ルミニューム合金で補完しているので、シリンダブロッ
ク1全体として重量を軽減することができる。しかも、
エンジンの運転中にピストン16はコネクティングロッ
ド18の揺動方向(即ち、図2における紙面に垂直な方
向)にこじられるが、シリンダスリーブ集合体3の切欠
き33 …はコネクティングロッド18の揺動方向と直交
する位置に形成されているため、前記こじりに対するピ
ストン16の支持力に影響が及ぶことがない。
に切欠き33 …を形成し、その切欠き33 …を軽量なア
ルミニューム合金で補完しているので、シリンダブロッ
ク1全体として重量を軽減することができる。しかも、
エンジンの運転中にピストン16はコネクティングロッ
ド18の揺動方向(即ち、図2における紙面に垂直な方
向)にこじられるが、シリンダスリーブ集合体3の切欠
き33 …はコネクティングロッド18の揺動方向と直交
する位置に形成されているため、前記こじりに対するピ
ストン16の支持力に影響が及ぶことがない。
【0017】図11はシリンダスリーブ集合体3の変形
例を示すものである。
例を示すものである。
【0018】この変形例のシリンダスリーブ集合体3
は、隣接するシリンダスリーブ31 ,31 を相互に接合
する接合部32 の幅Wが、第1実施例の接合部32 の幅
W′に比べて小さく形成されている。このようにする
と、シリンダスリーブ集合体1とそれを鋳包むシリンダ
バレル集合体4との接触面積が増加して両者の密着性が
更に向上するだけでなく、鋳造時にシリンダバレル集合
体4を形成する溶湯の流路断面積が増加して湯廻り特性
も一層向上する。また、鋳鉄製のシリンダスリーブ集合
体3の接合部32 …の重量が軽減されてシリンダブロッ
ク1全体としての軽量化が可能になり、しかも接合部3
2 …の近傍に熱伝導率の高いアルミニューム合金部分が
増えるため、その部分の放熱性を向上させて温度を低下
させることが可能となる。
は、隣接するシリンダスリーブ31 ,31 を相互に接合
する接合部32 の幅Wが、第1実施例の接合部32 の幅
W′に比べて小さく形成されている。このようにする
と、シリンダスリーブ集合体1とそれを鋳包むシリンダ
バレル集合体4との接触面積が増加して両者の密着性が
更に向上するだけでなく、鋳造時にシリンダバレル集合
体4を形成する溶湯の流路断面積が増加して湯廻り特性
も一層向上する。また、鋳鉄製のシリンダスリーブ集合
体3の接合部32 …の重量が軽減されてシリンダブロッ
ク1全体としての軽量化が可能になり、しかも接合部3
2 …の近傍に熱伝導率の高いアルミニューム合金部分が
増えるため、その部分の放熱性を向上させて温度を低下
させることが可能となる。
【0019】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は前記実施例に限定されるものでなく、種々の設計変
更を行うことができる。
明は前記実施例に限定されるものでなく、種々の設計変
更を行うことができる。
【0020】例えば、シリンダスリーブ集合体3の切欠
き33 …の形状は実施例のものに限定されず、図10
(A)〜(E)に示すように種々の形状を採用すること
ができる。また、実施例では接合部32 …から離間した
シリンダスリーブ集合体3の両端部にも半分の大きさの
切欠き33 ,33 が形成されているが、シリンダスリー
ブ集合体3の両端部は比較的に湯廻りが良好なため、前
記切欠き33 ,33 は省略することも可能である。
き33 …の形状は実施例のものに限定されず、図10
(A)〜(E)に示すように種々の形状を採用すること
ができる。また、実施例では接合部32 …から離間した
シリンダスリーブ集合体3の両端部にも半分の大きさの
切欠き33 ,33 が形成されているが、シリンダスリー
ブ集合体3の両端部は比較的に湯廻りが良好なため、前
記切欠き33 ,33 は省略することも可能である。
【0021】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、サイアミーズ型シリンダブロックの隣接する
シリンダスリーブを相互に接合する接合部のクランクケ
ース側端部に切欠きを形成したことにより、鉄製で重量
が嵩むシリンダスリーブ集合体を小型化して重量を軽減
することができる。しかも、前記切欠きはコネクティン
グロッドからピストンに加わるこじり荷重が伝達されな
い位置に形成されるため、下死点に下降したピストンの
スカート部が切欠きに達しても、こじり荷重に対するピ
ストンの支持力が低下することがない。
によれば、サイアミーズ型シリンダブロックの隣接する
シリンダスリーブを相互に接合する接合部のクランクケ
ース側端部に切欠きを形成したことにより、鉄製で重量
が嵩むシリンダスリーブ集合体を小型化して重量を軽減
することができる。しかも、前記切欠きはコネクティン
グロッドからピストンに加わるこじり荷重が伝達されな
い位置に形成されるため、下死点に下降したピストンの
スカート部が切欠きに達しても、こじり荷重に対するピ
ストンの支持力が低下することがない。
【0022】また請求項2に記載された発明によれば、
サイアミーズ型シリンダブロックの鋳造時に、隣接する
シリンダスリーブを接合する接合部のクランクケース側
端部に形成した切欠きを介して前記接合部を通る母線を
挟む一方側から他方側に溶湯を流入させているので、溶
湯がシリンダスリーブに邪魔されずにシリンダバレル集
合体に流入することが可能となって湯廻りが良好にな
り、湯ジワや湯境等の鋳造不良の発生を未然に防止する
ことができる。
サイアミーズ型シリンダブロックの鋳造時に、隣接する
シリンダスリーブを接合する接合部のクランクケース側
端部に形成した切欠きを介して前記接合部を通る母線を
挟む一方側から他方側に溶湯を流入させているので、溶
湯がシリンダスリーブに邪魔されずにシリンダバレル集
合体に流入することが可能となって湯廻りが良好にな
り、湯ジワや湯境等の鋳造不良の発生を未然に防止する
ことができる。
【図1】シリンダブロックの全体平面図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】図1の3−3線断面図
【図4】図1の4−4線断面図
【図5】鋳造前における成形型の型開き状態を示す断面
図
図
【図6】鋳造前における成形型の型締め状態を示す断面
図
図
【図7】前記図6に対応する他の断面位置における断面
図
図
【図8】鋳造後における成形型の型開き状態を示す断面
図
図
【図9】図8の9−9線断面図
【図10】シリンダスリーブ集合体の切欠きの他の実施
例を示す図
例を示す図
【図11】シリンダスリーブ集合体の変形例を示す、図
1の要部拡大図
1の要部拡大図
2 シリンダブロック本体 3 シリンダスリーブ集合体 31 シリンダスリーブ 32 接合部 33 切欠き 4 シリンダバレル集合体 6 クランクケース D シリンダブロック成形型
Claims (2)
- 【請求項1】 複数のシリンダスリーブ(31 )をそれ
らの母線において一体に接合してなる鉄製のシリンダス
リーブ集合体(3)を軽合金製のシリンダブロック本体
(2)の内部に鋳包んだサイアミーズ型シリンダブロッ
クにおいて、 隣接するシリンダスリーブ(31 )を相互に接合する接
合部(32 )のクランクケース(6)側端部に切欠き
(33 )を形成したことを特徴とする、サイアミーズ型
シリンダブロック。 - 【請求項2】 複数のシリンダスリーブ(31 )をそれ
らの母線において一体に接合してなるシリンダスリーブ
集合体(3)をシリンダブロック成形型(D)の内部に
保持し、そのシリンダブロック成形型(D)の内部にシ
リンダスリーブ集合体(3)の前記母線を挟む一方側か
ら他方側に溶湯を注入することにより前記シリンダスリ
ーブ集合体(3)をシリンダバレル集合体(4)の内部
に鋳包むサイアミーズ型シリンダブロックの鋳造方法に
おいて、 隣接するシリンダスリーブ(31 )を相互に接合する接
合部(32 )のクランクケース(6)側端部に切欠き
(33 )を形成し、この切欠き(33 )を通してシリン
ダスリーブ集合体(3)の前記母線を挟む一方側から他
方側に溶湯を流入させることを特徴とする、サイアミー
ズ型シリンダブロックの鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5238308A JP2813947B2 (ja) | 1993-09-24 | 1993-09-24 | サイアミーズ型シリンダブロック及びその鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5238308A JP2813947B2 (ja) | 1993-09-24 | 1993-09-24 | サイアミーズ型シリンダブロック及びその鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0791312A true JPH0791312A (ja) | 1995-04-04 |
JP2813947B2 JP2813947B2 (ja) | 1998-10-22 |
Family
ID=17028280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5238308A Expired - Fee Related JP2813947B2 (ja) | 1993-09-24 | 1993-09-24 | サイアミーズ型シリンダブロック及びその鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2813947B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5711365A (en) * | 1995-04-03 | 1998-01-27 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Shell molding apparatus |
US5732761A (en) * | 1995-04-03 | 1998-03-31 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Shell mold for casting a cylindrical product, apparatus for molding the shell mold, and casting method using the shell mold |
WO2014061086A1 (ja) * | 2012-10-15 | 2014-04-24 | トヨタ自動車株式会社 | ブローバイガス還流装置を備える内燃機関 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10837399B2 (en) | 2016-07-19 | 2020-11-17 | Tpr Co., Ltd. | Method of manufacturing internal combustion engine, internal combustion engine, and connected cylinder |
JPWO2019142270A1 (ja) | 2018-01-17 | 2020-11-19 | Tpr株式会社 | 内燃機関の製造方法、内燃機関および連結シリンダ |
-
1993
- 1993-09-24 JP JP5238308A patent/JP2813947B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US5732761A (en) * | 1995-04-03 | 1998-03-31 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Shell mold for casting a cylindrical product, apparatus for molding the shell mold, and casting method using the shell mold |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2813947B2 (ja) | 1998-10-22 |
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