JP2599668B2 - シリンダブロック半製品、シリンダブロックの製造方法及びシリンダブロック半製品の成形型 - Google Patents
シリンダブロック半製品、シリンダブロックの製造方法及びシリンダブロック半製品の成形型Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、複数のシリンダスリー
ブをそれらの母線に沿って一体に結合したシリンダスリ
ーブ集合体をシリンダブロック本体の内部に鋳込んでな
るシリンダブロック半製品に関し、更にそのシリンダブ
ロックを製造するための製造方法と成形型とに関する。
ブをそれらの母線に沿って一体に結合したシリンダスリ
ーブ集合体をシリンダブロック本体の内部に鋳込んでな
るシリンダブロック半製品に関し、更にそのシリンダブ
ロックを製造するための製造方法と成形型とに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、この種のシリンダブロックとし
て、シリンダスリーブの周壁外周面に、周方向に延びる
複数の凸条を母線方向に沿って所定の間隔で配列したも
のが知られている（実開昭５５−１０４７４０号公報参
照）。
て、シリンダスリーブの周壁外周面に、周方向に延びる
複数の凸条を母線方向に沿って所定の間隔で配列したも
のが知られている（実開昭５５−１０４７４０号公報参
照）。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】シリンダスリーブに形
成された前記凸条はシリンダスリーブ集合体の表面積を
増加させてシリンダブロック本体に対する密着性を向上
させる機能を有するが、次のような特定領域においては
シリンダブロック本体とシリンダスリーブ集合体間の密
着性向上には寄与しない。
成された前記凸条はシリンダスリーブ集合体の表面積を
増加させてシリンダブロック本体に対する密着性を向上
させる機能を有するが、次のような特定領域においては
シリンダブロック本体とシリンダスリーブ集合体間の密
着性向上には寄与しない。
【０００４】即ち、複数のシリンダスリーブを一体に結
合したシリンダスリーブ集合体は、相隣るシリンダスリ
ーブの結合部両側に母線に沿って延びる谷形領域を有す
ることになる。かかる谷形領域を有するシリンダスリー
ブ集合体を内部に配設したシリンダブロック鋳造用成形
型に溶湯を注入すると、その溶湯が凝固収縮する際に発
生する収縮力が前記谷形領域においてシリンダスリーブ
集合体からシリンダブロック本体を引き離すように作用
する。しかしながら、前記凸条はこの凝固収縮力に充分
に対抗し得ないため、シリンダスリーブ集合体とシリン
ダブロック本体との間の密着性が低下して圧力洩れが発
生する可能性がある。
合したシリンダスリーブ集合体は、相隣るシリンダスリ
ーブの結合部両側に母線に沿って延びる谷形領域を有す
ることになる。かかる谷形領域を有するシリンダスリー
ブ集合体を内部に配設したシリンダブロック鋳造用成形
型に溶湯を注入すると、その溶湯が凝固収縮する際に発
生する収縮力が前記谷形領域においてシリンダスリーブ
集合体からシリンダブロック本体を引き離すように作用
する。しかしながら、前記凸条はこの凝固収縮力に充分
に対抗し得ないため、シリンダスリーブ集合体とシリン
ダブロック本体との間の密着性が低下して圧力洩れが発
生する可能性がある。
【０００５】本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたも
ので、シリンダスリーブ集合体とシリンダブロック本体
との密着性を向上させて圧力洩れを防止することを目的
とする。
ので、シリンダスリーブ集合体とシリンダブロック本体
との密着性を向上させて圧力洩れを防止することを目的
とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、複数のシリンダスリーブをそれらの母線
に沿って一体に結合したシリンダスリーブ集合体をシリ
ンダブロック本体の内部に鋳込んでなるシリンダブロッ
ク半製品であって、隣接するシリンダスリーブの結合部
両側をシリンダブロック本体のデッキ面において架橋す
るように、前記シリンダスリーブの配列方向と交差する
方向に延びる架橋部をシリンダブロック本体に一体に形
成したことを第１の特徴とする。
に、本発明は、複数のシリンダスリーブをそれらの母線
に沿って一体に結合したシリンダスリーブ集合体をシリ
ンダブロック本体の内部に鋳込んでなるシリンダブロッ
ク半製品であって、隣接するシリンダスリーブの結合部
両側をシリンダブロック本体のデッキ面において架橋す
るように、前記シリンダスリーブの配列方向と交差する
方向に延びる架橋部をシリンダブロック本体に一体に形
成したことを第１の特徴とする。
【０００７】また本発明は、複数のシリンダスリーブを
それらの母線に沿って一体に結合したシリンダスリーブ
集合体をシリンダブロック本体の内部に鋳込んでなるシ
リンダブロックの製造方法において、シリンダスリーブ
集合体をシリンダブロック本体の内部に鋳込む際に、隣
接するシリンダスリーブの結合部両側をシリンダブロッ
ク本体のデッキ面において架橋するように、前記シリン
ダスリーブの配列方向と交差する方向に延びる架橋部を
シリンダブロック本体に一体に形成し、シリンダブロッ
ク本体が凝固した後に前記架橋部を切除することを第２
の特徴とする。
それらの母線に沿って一体に結合したシリンダスリーブ
集合体をシリンダブロック本体の内部に鋳込んでなるシ
リンダブロックの製造方法において、シリンダスリーブ
集合体をシリンダブロック本体の内部に鋳込む際に、隣
接するシリンダスリーブの結合部両側をシリンダブロッ
ク本体のデッキ面において架橋するように、前記シリン
ダスリーブの配列方向と交差する方向に延びる架橋部を
シリンダブロック本体に一体に形成し、シリンダブロッ
ク本体が凝固した後に前記架橋部を切除することを第２
の特徴とする。
【０００８】また本発明は、複数のシリンダスリーブを
それらの母線に沿って一体に結合したシリンダスリーブ
集合体をシリンダブロック本体の内部に鋳込んでなるシ
リンダブロック半製品の成形型であって、シリンダブロ
ック本体のデッキ面を成形する型に、隣接するシリンダ
スリーブの結合部両側を架橋するように、前記シリンダ
スリーブの配列方向と交差する方向に延びる架橋部形成
溝を形成したことを第３の特徴とする。
それらの母線に沿って一体に結合したシリンダスリーブ
集合体をシリンダブロック本体の内部に鋳込んでなるシ
リンダブロック半製品の成形型であって、シリンダブロ
ック本体のデッキ面を成形する型に、隣接するシリンダ
スリーブの結合部両側を架橋するように、前記シリンダ
スリーブの配列方向と交差する方向に延びる架橋部形成
溝を形成したことを第３の特徴とする。
【０００９】
【実施例】以下、図面により本発明の一実施例について
説明する。
説明する。
【００１０】図１〜図４は多気筒内燃機関（実施例では
直列４気筒内燃機関）のシリンダブロック１の完成品を
示すもので、そのシリンダブロック１はアルミニウム合
金製のシリンダブロック本体２と鋳鉄製のシリンダスリ
ーブ集合体３とよりなる。シリンダブロック本体２は、
シリンダスリーブ集合体３を鋳ぐるんだシリンダバレル
集合体４と、このシリンダバレル集合体４を囲繞する外
壁体５と、前記シリンダバレル集合体４及び外壁体５の
下端に連設されたクランクケース６と、５個のジャーナ
ル部７とより構成される。シリンダバレル集合体４と外
壁体５との間にはウオータジャケット８が形成される。
直列４気筒内燃機関）のシリンダブロック１の完成品を
示すもので、そのシリンダブロック１はアルミニウム合
金製のシリンダブロック本体２と鋳鉄製のシリンダスリ
ーブ集合体３とよりなる。シリンダブロック本体２は、
シリンダスリーブ集合体３を鋳ぐるんだシリンダバレル
集合体４と、このシリンダバレル集合体４を囲繞する外
壁体５と、前記シリンダバレル集合体４及び外壁体５の
下端に連設されたクランクケース６と、５個のジャーナ
ル部７とより構成される。シリンダバレル集合体４と外
壁体５との間にはウオータジャケット８が形成される。
【００１１】シリンダスリーブ集合体３は、４個の円筒
状のシリンダスリーブ３1 …を各々の母線の全長に亘っ
て相互に結合したもので、各シリンダスリーブ３1 …の
シリンダボア９…の中心線は同一平面内に位置するよう
に配設される。図２、図４及び図１４から明らかなよう
に、シリンダスリーブ集合体３の外表面には、円周方向
に延びる凸条３11…と凹条３12…が軸方向に交互に形成
される。隣接するシリンダスリーブ３1 …の接続部近傍
における前記凹条３12…には、互いに平行な複数の突起
３13…が外向きに突設され、各突起３13…の先端は凸条
３11…の頂部よりも外側に延びている。
状のシリンダスリーブ３1 …を各々の母線の全長に亘っ
て相互に結合したもので、各シリンダスリーブ３1 …の
シリンダボア９…の中心線は同一平面内に位置するよう
に配設される。図２、図４及び図１４から明らかなよう
に、シリンダスリーブ集合体３の外表面には、円周方向
に延びる凸条３11…と凹条３12…が軸方向に交互に形成
される。隣接するシリンダスリーブ３1 …の接続部近傍
における前記凹条３12…には、互いに平行な複数の突起
３13…が外向きに突設され、各突起３13…の先端は凸条
３11…の頂部よりも外側に延びている。
【００１２】図５〜図９は上記シリンダブロック１をダ
イカスト鋳造するための成形型１０を示すものである。
成形型１０は固定型１１と、相互に接近・離間できるよ
うに上下に移動可能な上面移動型１２及び下面移動型１
３と、前記固定型１１、上面移動型１２及び下面移動型
１３に対して横移動可能な側面移動型１４とから構成さ
れる。固定型１１にはクランクケース６の内面を成形す
る成形面１１1 が形成されるとともに、上面移動型１２
及び下面移動型１３にはクランクケース６の外表面を成
形する成形面１２1 ，１３1 が形成される。また側面移
動型１４には、前記シリンダスリーブ集合体３を嵌合保
持する４本の円筒状のボアピン１４1 …と、ウオータジ
ャケット８を形成するためのウオータジャケットピン１
４2 が突設される。固定型１１と下面移動型１３との間
には溶湯を注入するための湯道１５が形成される。
イカスト鋳造するための成形型１０を示すものである。
成形型１０は固定型１１と、相互に接近・離間できるよ
うに上下に移動可能な上面移動型１２及び下面移動型１
３と、前記固定型１１、上面移動型１２及び下面移動型
１３に対して横移動可能な側面移動型１４とから構成さ
れる。固定型１１にはクランクケース６の内面を成形す
る成形面１１1 が形成されるとともに、上面移動型１２
及び下面移動型１３にはクランクケース６の外表面を成
形する成形面１２1 ，１３1 が形成される。また側面移
動型１４には、前記シリンダスリーブ集合体３を嵌合保
持する４本の円筒状のボアピン１４1 …と、ウオータジ
ャケット８を形成するためのウオータジャケットピン１
４2 が突設される。固定型１１と下面移動型１３との間
には溶湯を注入するための湯道１５が形成される。
【００１３】図５及び図６から明らかなように、側面移
動型１４には４個のボアピン１４1…の間を横切るよう
に３本の第１架橋部形成溝１４3 …が刻設され、この第
１架橋部形成溝１４3 …によってシリンダバレル集合体
４を形成するキャビティがシリンダスリーブ集合体３の
シリンダヘッド側端面において相互に連通する。また、
各架橋部形成溝１４3 …には、それぞれ２本の押出ピン
１４4 ，１４4 の先端が対向する。
動型１４には４個のボアピン１４1…の間を横切るよう
に３本の第１架橋部形成溝１４3 …が刻設され、この第
１架橋部形成溝１４3 …によってシリンダバレル集合体
４を形成するキャビティがシリンダスリーブ集合体３の
シリンダヘッド側端面において相互に連通する。また、
各架橋部形成溝１４3 …には、それぞれ２本の押出ピン
１４4 ，１４4 の先端が対向する。
【００１４】図５及び図７から明らかなように、固定型
１１には４個のシリンダボア９…の中央を直径方向に横
切るように４本の第２架橋部形成溝１１2 …が刻設さ
れ、この第２架橋部形成溝１１2 …によってシリンダバ
レル集合体４を形成するキャビティがシリンダスリーブ
集合体３のクランクケース６側端面において相互に連通
する。
１１には４個のシリンダボア９…の中央を直径方向に横
切るように４本の第２架橋部形成溝１１2 …が刻設さ
れ、この第２架橋部形成溝１１2 …によってシリンダバ
レル集合体４を形成するキャビティがシリンダスリーブ
集合体３のクランクケース６側端面において相互に連通
する。
【００１５】図１０〜図１３は前記成形型１０から取り
出したシリンダブロック半製品１′を示すものである。
このシリンダブロック半製品１′は、シリンダスリーブ
集合体３のシリンダヘッド側の端面に前記第１架橋部形
成溝１４3 …によって形成された３本の第１架橋部１６
…を一体に備える。またシリンダブロック半製品１′に
おけるシリンダスリーブ集合体３のクランクケース６側
端面には、前記第２架橋部形成溝１１2 …によって形成
された４本の第２架橋部１８…が一体に形成される。
出したシリンダブロック半製品１′を示すものである。
このシリンダブロック半製品１′は、シリンダスリーブ
集合体３のシリンダヘッド側の端面に前記第１架橋部形
成溝１４3 …によって形成された３本の第１架橋部１６
…を一体に備える。またシリンダブロック半製品１′に
おけるシリンダスリーブ集合体３のクランクケース６側
端面には、前記第２架橋部形成溝１１2 …によって形成
された４本の第２架橋部１８…が一体に形成される。
【００１６】次に、前述のシリンダブロックの鋳造工程
について説明する。
について説明する。
【００１７】先ず、図５に示すように成形型１０の側面
移動型１４のボアピン１４1 にシリンダスリーブ集合体
３を嵌合させた後、図８に示すように固定型１１、上面
移動型１２、下面移動型１３及び側面移動型１４を型締
めする。続いて固定型１１と下面移動型１３との間に形
成された湯道１５を介してキャビティに溶湯を注入す
る。このとき、シリンダスリーブ集合体３に施されたメ
ッキが溶湯によって溶かされて該溶湯との間で合金化が
起こり、シリンダスリーブ集合体３とシリンダバレル集
合体４との密着性が向上する。
移動型１４のボアピン１４1 にシリンダスリーブ集合体
３を嵌合させた後、図８に示すように固定型１１、上面
移動型１２、下面移動型１３及び側面移動型１４を型締
めする。続いて固定型１１と下面移動型１３との間に形
成された湯道１５を介してキャビティに溶湯を注入す
る。このとき、シリンダスリーブ集合体３に施されたメ
ッキが溶湯によって溶かされて該溶湯との間で合金化が
起こり、シリンダスリーブ集合体３とシリンダバレル集
合体４との密着性が向上する。
【００１８】溶湯が凝固すると、図９に示すように成形
型１０を型開きして、シリンダブロック半製品１′を分
離する。このシリンダブロック半製品１′に鋳込まれた
シリンダスリーブ集合体３のシリンダヘッド側端面には
３本の第１架橋部１６…が一体に形成され、またクラン
クケース６側端面には４本の第２架橋部１８…が一体に
形成される。シリンダブロック半製品１′に一体に形成
された前記第１架橋部１６…及び第２架橋部１８…は機
械加工により切除され、シリンダブロック１が完成す
る。
型１０を型開きして、シリンダブロック半製品１′を分
離する。このシリンダブロック半製品１′に鋳込まれた
シリンダスリーブ集合体３のシリンダヘッド側端面には
３本の第１架橋部１６…が一体に形成され、またクラン
クケース６側端面には４本の第２架橋部１８…が一体に
形成される。シリンダブロック半製品１′に一体に形成
された前記第１架橋部１６…及び第２架橋部１８…は機
械加工により切除され、シリンダブロック１が完成す
る。
【００１９】次に、鋳造時における前記第１架橋部１６
…の機能を図１４に基づいて説明する。
…の機能を図１４に基づいて説明する。
【００２０】シリンダブロック１のダイカスト鋳造に当
たり、成形型１０のキャビティに注入されたアルミニウ
ム合金の溶湯１９は冷却に伴って凝固収縮する。シリン
ダスリーブ集合体３の外周を覆うシリンダバレル集合体
４の溶湯１９が凝固収縮する時、その収縮力は一般的に
シリンダバレル集合体４をシリンダスリーブ集合体３に
密着させるように作用するが、図１４にＡで示した特定
の領域においては、前記収縮力はシリンダバレル集合体
４をシリンダスリーブ集合体３から引き離すように作用
する。即ち、シリンダバレル集合体４のＡ領域に矢印ａ
で示すような凝固収縮力が作用すると、この凝固収縮力
はシリンダバレル集合体４を外向きに引いてシリンダス
リーブ集合体３との間に隙間を発生させるように作用す
る。
たり、成形型１０のキャビティに注入されたアルミニウ
ム合金の溶湯１９は冷却に伴って凝固収縮する。シリン
ダスリーブ集合体３の外周を覆うシリンダバレル集合体
４の溶湯１９が凝固収縮する時、その収縮力は一般的に
シリンダバレル集合体４をシリンダスリーブ集合体３に
密着させるように作用するが、図１４にＡで示した特定
の領域においては、前記収縮力はシリンダバレル集合体
４をシリンダスリーブ集合体３から引き離すように作用
する。即ち、シリンダバレル集合体４のＡ領域に矢印ａ
で示すような凝固収縮力が作用すると、この凝固収縮力
はシリンダバレル集合体４を外向きに引いてシリンダス
リーブ集合体３との間に隙間を発生させるように作用す
る。
【００２１】しかしながら、シリンダスリーブ集合体３
の両側面に位置するシリンダバレル集合体４の溶湯１９
は第１架橋部１６を介して相互に連結されており、この
第１架橋部１６にも矢印ｂで示す凝固収縮力が作用す
る。そして、第１架橋部１６に作用する矢印ｂ方向の凝
固収縮力が前記シリンダバレル集合体４に作用する矢印
ａ方向の凝固収縮力に対抗することにより、前記Ａ領域
でシリンダバレル集合体４とシリンダスリーブ集合体３
とが密着し、これにより燃焼室からクランクケース６へ
の圧力洩れの発生が防止され、しかもシリンダスリーブ
集合体３からシリンダバレル集合体４への熱伝達を良好
に行わせて冷却性を向上させることができる。
の両側面に位置するシリンダバレル集合体４の溶湯１９
は第１架橋部１６を介して相互に連結されており、この
第１架橋部１６にも矢印ｂで示す凝固収縮力が作用す
る。そして、第１架橋部１６に作用する矢印ｂ方向の凝
固収縮力が前記シリンダバレル集合体４に作用する矢印
ａ方向の凝固収縮力に対抗することにより、前記Ａ領域
でシリンダバレル集合体４とシリンダスリーブ集合体３
とが密着し、これにより燃焼室からクランクケース６へ
の圧力洩れの発生が防止され、しかもシリンダスリーブ
集合体３からシリンダバレル集合体４への熱伝達を良好
に行わせて冷却性を向上させることができる。
【００２２】また、本実施例のシリンダスリーブ集合体
３のように外周に多数の突起３13…を形成したもので
は、溶湯１９の凝固収縮時に前記突起３13…に応力が集
中することになるが、その応力を第１架橋部１６…の作
用によって分散することが可能となる。
３のように外周に多数の突起３13…を形成したもので
は、溶湯１９の凝固収縮時に前記突起３13…に応力が集
中することになるが、その応力を第１架橋部１６…の作
用によって分散することが可能となる。
【００２３】次に、鋳造時における前記第２架橋部１８
…の機能を図１５に基づいて説明する。
…の機能を図１５に基づいて説明する。
【００２４】成形型１０のキャビティに注入したアルミ
ニウム合金の溶湯１９が冷却する時、シリンダスリーブ
集合体３の外周に位置するシリンダバレル集合体４の溶
湯１９の収縮率が円周方向に不均一になる。即ち、シリ
ンダバレル集合体４の溶湯１９のうち、マスが大きいジ
ャーナル部７…に隣接する部分は収縮率が大きくなるの
に対し、前記ジャーナル部７…から離れた部分は収縮率
が小さくなる。その結果、シリンダスリーブ集合体３の
外周に位置するシリンダバレル集合体４の溶湯１９に矢
印ｃで示す凝固収縮力が発生し、この凝固収縮力はシリ
ンダスリーブ集合体３の各シリンダスリーブ３1 を、そ
れらの配列方向に対して直交する方向に縦長の楕円状に
変形させるように作用する。
ニウム合金の溶湯１９が冷却する時、シリンダスリーブ
集合体３の外周に位置するシリンダバレル集合体４の溶
湯１９の収縮率が円周方向に不均一になる。即ち、シリ
ンダバレル集合体４の溶湯１９のうち、マスが大きいジ
ャーナル部７…に隣接する部分は収縮率が大きくなるの
に対し、前記ジャーナル部７…から離れた部分は収縮率
が小さくなる。その結果、シリンダスリーブ集合体３の
外周に位置するシリンダバレル集合体４の溶湯１９に矢
印ｃで示す凝固収縮力が発生し、この凝固収縮力はシリ
ンダスリーブ集合体３の各シリンダスリーブ３1 を、そ
れらの配列方向に対して直交する方向に縦長の楕円状に
変形させるように作用する。
【００２５】しかしながら、シリンダバレル集合体４の
溶湯１９は第２架橋部１８を介して相互に連結されてい
るため、この第２架橋部１８に矢印ｄで示す凝固収縮力
が作用し、この矢印ｄ方向の凝固収縮力がシリンダスリ
ーブ３1 を縦長の楕円状に変形させようとする前記矢印
ｃ方向の凝固収縮力に対向する。而して、シリンダスリ
ーブ集合体３の変形を防止して、シリンダボア９の真円
度を保持することが可能となる。
溶湯１９は第２架橋部１８を介して相互に連結されてい
るため、この第２架橋部１８に矢印ｄで示す凝固収縮力
が作用し、この矢印ｄ方向の凝固収縮力がシリンダスリ
ーブ３1 を縦長の楕円状に変形させようとする前記矢印
ｃ方向の凝固収縮力に対向する。而して、シリンダスリ
ーブ集合体３の変形を防止して、シリンダボア９の真円
度を保持することが可能となる。
【００２６】前記第２架橋部１８の平面形状及び断面形
状は溶湯１９の凝固収縮力の大きさ及び方向に基づいて
適宜変更可能であり、図１６に示すような種々の変形例
が考えられる。また図１６に示すもの以外に、１つのシ
リンダに２本の架橋部１８を設けたり、特定のシリンダ
に架橋部１８を設けないことも可能である。
状は溶湯１９の凝固収縮力の大きさ及び方向に基づいて
適宜変更可能であり、図１６に示すような種々の変形例
が考えられる。また図１６に示すもの以外に、１つのシ
リンダに２本の架橋部１８を設けたり、特定のシリンダ
に架橋部１８を設けないことも可能である。
【００２７】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は前記実施例に限定されるものでなく、種々の小設計
変更を行うことができる。
明は前記実施例に限定されるものでなく、種々の小設計
変更を行うことができる。
【００２８】
【発明の効果】以上のように本発明の第１又は第３の特
徴によれば、シリンダスリーブ集合体をシリンダブロッ
ク本体の内部に鋳込む際に、隣接するシリンダスリーブ
の結合部近傍においてシリンダスリーブ集合体とシリン
ダブロック本体との間に隙間が発生する問題が、型に設
けた架橋部形成溝により形成される架橋部の作用で防止
される。これによりシリンダスリーブ集合体とシリンダ
ブロック本体とを強固に密着させ、燃焼室からクランク
ケースへの圧力洩れを確実に防止することができる。
徴によれば、シリンダスリーブ集合体をシリンダブロッ
ク本体の内部に鋳込む際に、隣接するシリンダスリーブ
の結合部近傍においてシリンダスリーブ集合体とシリン
ダブロック本体との間に隙間が発生する問題が、型に設
けた架橋部形成溝により形成される架橋部の作用で防止
される。これによりシリンダスリーブ集合体とシリンダ
ブロック本体とを強固に密着させ、燃焼室からクランク
ケースへの圧力洩れを確実に防止することができる。
【００２９】また本発明の第２の特徴によれば、架橋部
によってシリンダスリーブ集合体とシリンダブロック本
体とを強固に密着させることができ、しかも前記架橋部
を切除することにより使用に支障の無いシリンダブロッ
クの完成品を得ることができる。
によってシリンダスリーブ集合体とシリンダブロック本
体とを強固に密着させることができ、しかも前記架橋部
を切除することにより使用に支障の無いシリンダブロッ
クの完成品を得ることができる。
【図１】シリンダブロックの完成品の全体平面図
【図２】図１の２−２線断面図
【図３】図１の３−３線断面図
【図４】図１の４−４線断面図
【図５】シリンダブロックの成形型の断面図
【図６】図５の６−６線矢視図
【図７】図５の７方向矢視図
【図８】成形型を型締め状態を示す図
【図９】成形型を型開き状態を示す図
【図１０】シリンダブロックの半製品の断面図
【図１１】図１０の１１−１１線断面図
【図１２】図１０の１２方向矢視図
【図１３】図１０の１３方向矢視図
【図１４】第１架橋部の作用の説明図
【図１５】第２架橋部の作用の説明図
【図１６】第２架橋部の変形例を示す図
２ シリンダブロック本体 ３ シリンダスリーブ集合体 ３1 シリンダスリーブ １４ 側面移動型（型） １４3 第１架橋部形成溝（架橋部形成溝） １６ 第１架橋部（架橋部）
Claims (3)
- 【請求項１】 複数のシリンダスリーブ（３1 ）をそれ
らの母線に沿って一体に結合したシリンダスリーブ集合
体（３）をシリンダブロック本体（２）の内部に鋳込ん
でなるシリンダブロック半製品であって、 隣接するシリンダスリーブ（３1 ）の結合部両側をシリ
ンダブロック本体（２）のデッキ面において架橋するよ
うに、前記シリンダスリーブ（３1 ）の配列方向と交差
する方向に延びる架橋部（１６）をシリンダブロック本
体（２）に一体に形成したことを特徴とする、シリンダ
ブロック半製品。 - 【請求項２】 複数のシリンダスリーブ（３1 ）をそれ
らの母線に沿って一体に結合したシリンダスリーブ集合
体（３）をシリンダブロック本体（２）の内部に鋳込ん
でなるシリンダブロックの製造方法において、 シリンダスリーブ集合体（３）をシリンダブロック本体
（２）の内部に鋳込む際に、隣接するシリンダスリーブ
（３1 ）の結合部両側をシリンダブロック本体（２）の
デッキ面において架橋するように、前記シリンダスリー
ブ（３1 ）の配列方向と交差する方向に延びる架橋部
（１６）をシリンダブロック本体（２）に一体に形成
し、シリンダブロック本体（２）が凝固した後に前記架
橋部（１６）を切除することを特徴とする、シリンダブ
ロックの製造方法。 - 【請求項３】 複数のシリンダスリーブ（３1 ）をそれ
らの母線に沿って一体に結合したシリンダスリーブ集合
体（３）をシリンダブロック本体（２）の内部に鋳込ん
でなるシリンダブロック半製品の成形型であって、 シリンダブロック本体（２）のデッキ面を成形する型
（１４）に、隣接するシリンダスリーブ（３1 ）の結合
部両側を架橋するように、前記シリンダスリーブ
（３1 ）の配列方向と交差する方向に延びる架橋部形成
溝（１４3 ）を形成したことを特徴とする、シリンダブ
ロック半製品の成形型。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18067692A JP2599668B2 (ja) | 1992-07-08 | 1992-07-08 | シリンダブロック半製品、シリンダブロックの製造方法及びシリンダブロック半製品の成形型 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18067692A JP2599668B2 (ja) | 1992-07-08 | 1992-07-08 | シリンダブロック半製品、シリンダブロックの製造方法及びシリンダブロック半製品の成形型 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0623514A JPH0623514A (ja) | 1994-02-01 |
| JP2599668B2 true JP2599668B2 (ja) | 1997-04-09 |
Family
ID=16087362
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18067692A Expired - Fee Related JP2599668B2 (ja) | 1992-07-08 | 1992-07-08 | シリンダブロック半製品、シリンダブロックの製造方法及びシリンダブロック半製品の成形型 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2599668B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5711365A (en) * | 1995-04-03 | 1998-01-27 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Shell molding apparatus |
| US5732761A (en) * | 1995-04-03 | 1998-03-31 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Shell mold for casting a cylindrical product, apparatus for molding the shell mold, and casting method using the shell mold |
-
1992
- 1992-07-08 JP JP18067692A patent/JP2599668B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0623514A (ja) | 1994-02-01 |
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