JPH0789909A - 新規アニリニウム塩化合物および重合開始剤 - Google Patents

新規アニリニウム塩化合物および重合開始剤

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JPH0789909A
JPH0789909A JP25931893A JP25931893A JPH0789909A JP H0789909 A JPH0789909 A JP H0789909A JP 25931893 A JP25931893 A JP 25931893A JP 25931893 A JP25931893 A JP 25931893A JP H0789909 A JPH0789909 A JP H0789909A
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JP
Japan
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phenethyl
compound
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bromide
polymerization initiator
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JP25931893A
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English (en)
Inventor
Eiji Takahashi
栄治 高橋
Hiroo Muramoto
博雄 村本
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Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】新規アニリニウム塩化合物の重合開始剤を提供
する。 【構成】一般式化1に示されるのアニリニウム塩化合物
及びその重合開始剤。 【化1】 (式中、R1 ,R2 は、それぞれアルキル基を表し、R
3 ,R4 は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子又は
アルコキシ基であり、Xは、SbF6 、AsF6、PF
6 又はBF4 を表す。但し、R1 ,R2 の少なくとも一
方は、窒素原子のβ位の炭素に置換基を有するアルキル
基である。) 【効果】本発明のアニリニウム塩化合物からなる重合開
始剤を用いることで、低温で短時間でカチオン重合性化
合物を硬化することができ、かつ、その硬化物特性に優
れた性能を与えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規アニリニウム塩化
合物およびそれを含有するカチオン重合開始剤に関する
ものである。該重合開始剤を含有するカチオン重合性組
成物は、加熱により短時間で硬化することができ、得ら
れた硬化物は、優れた物性を有しているため成型樹脂、
注型樹脂、塗料、接着剤、インキ等の材料として好適に
用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来、エポキシ樹脂の硬化剤として、二
液系で広く利用されている活性なアミン含有化合物、カ
ルボン酸無水物やメルカプト化合物がある。一方、エポ
キシ樹脂を一液系として硬化するのには、フッ化ホウ素
−モノエチルアミンがある。また、熱潜在性カチオン重
合開始剤及びその組成物が記載されているものとして、
特開昭56−152833号、特開平1−96169
号、特開平2−255646号、特開平3−11044
号、特開平3−115262号などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】熱潜在性カチオン重合
開始剤は、エポキシ樹脂やビニルエーテル化合物を短時
間で熱硬化でき、一液化も可能なカチオン重合性化合物
の有効な硬化剤である。熱潜在性カチオン重合開始剤に
は、特開昭56−152833号に記載されているよう
な硫黄系のオニウム塩化合物と特開平1−96169号
に記載されているような窒素系のオニウム塩化合物等が
ある。実際に使用する場合は、臭気の問題が少なく、化
合物の多様性がある窒素系のオニウム塩化合物の方が有
利でと考えられる。窒素系のオニウム塩化合物には、特
開平1−96169号に記載されているようなピリジニ
ウム塩化合物と特開平3−11044号に記載されてい
るようなアニリニウム塩化合物などがあり、コスト等か
ら考えるとアニリニウム塩化合物の方が有利である。し
かし、特開平3−11044号に記載されているアニリ
ニウム塩化合物では、活性が低く、高い温度でないと有
効に作用しないという欠点がある。
【0004】本発明は、上記の事情からみてなされたも
ので、カチオン重合性化合物を加熱により、低温で短時
間に硬化させることができる無臭の新規なカチオン重合
開始剤を提供することを目的としている。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため、鋭意検討したところ、特定のアニリニ
ウム塩化合物からなる重合開始剤を用いることで、低温
で短時間にてカチオン重合性化合物を硬化することがで
き、かつ、その硬化物特性に優れた性能を与える新規重
合開始剤を見出して本発明を完成するに至った。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、下記一般式化2で表されるアニリニウム塩化合物お
よび該化合物の少なくとも一種を含有することを特徴と
するカチオン重合開始剤である。
【0007】
【化2】
【0008】上記一般式化2において、R1 ,R2 は、
それぞれメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル等のアルキル基
であるが、R1 ,R2 の少なくとも一方が窒素原子のβ
位の炭素に置換基を有するアルキル基であり、ここに、
置換基とは、水酸基、シアノ基、F,Cl,Br,I等
のハロゲン原子、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、
メタクリロイルオキシ基等のエステル結合を有する基、
メトキシ基及びフェノキシ基等のエーテル結合を有する
基からなる群より選ばれた一種である。R3 ,R4 は、
それぞれ水素原子、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、t−ブチル等のアルキル基、F,C
l,Br,I等のハロゲン原子及びメトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ等のアル
コキシ基からなる群より選ばれた一種であり、Xは、S
bF6 ,AsF6 ,PF6 又はBF4 であり、この内、
SbF6 が好んで用いられる。
【0009】本発明のアニリニウム塩化合物は、例え
ば、次の方法で得ることができる。α−フェネチルブロ
マイド等のα−フェネチルハライド化合物とN−ヒドロ
キシエチル−N−エチルアニリン等のN−アルキル−N
−モノ置換アルキルアニリンまたはN,N−ジヒドロキ
シエチル−m−トルイジン等のN,N−ジ置換アルキル
アニリン誘導体とを等モルづつ、必要に応じてメタノー
ル、アセトン、アセトニトリル等の溶媒存在下にて室温
〜80℃で、数時間〜30日間反応させ、次いで、得ら
れた固形物または液状物を水もしくは水−メタノール系
等の水−有機溶媒系に溶解せしめ、六フッ化アンチモン
酸ナトリウムを加え激しく攪拌し、析出した液状または
固形物の生成物を分離、乾燥して得られる。
【0010】本発明の代表的なアニリニウム塩化合物と
して、次の式化3、化4及び化5に示される化合物群が
例示される。但し、式中のXはSbF6 ,AsF6 ,P
6又はBF4 等である。
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】本発明において、重合開始剤である前記ア
ニリニウム塩化合物は、カチオン重合性化合物と配合し
てカチオン重合組成物として用いられる。
【0015】カチオン重合性化合物としては、次のよう
な化合物が挙げられる。 (a)エポキシ基を有する化合物として、1,1,3−
テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイ
ド、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4
−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ
シクロヘキシルカルボキシレート、ジ(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)アジペート、フェニルグリシジルエ
ーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ハロゲン化
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、o−,m−,p−ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂、多価アルコールのポリグリシジル
エーテル等のエポキシ化合物
【0016】(b)ビニル化合物として、スチレン、α
−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン等のスチ
レン類;n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニル
エーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシ
ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;
アリルビニルエーテル、1−オクタヒドロナフチルビニ
ルエーテル等のアルケニルビニルエーテル類;エチニル
ビニルエーテル、1−メチル−2−プロペニルビニルエ
ーテル等のアルキニルビニルエーテル類;フェニルビニ
ルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテル等の
アリールビニルエーテル類;ブタンジオールジビニルエ
ーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル、シク
ロヘキサンジオールジビニルエーテル等のアルキルジビ
ニルエーテル類;1,4−ベンゼンジメタノールジビニ
ルエーテル、N−m−クロロフェニルジエタノールアミ
ンジビニルエーテル、m−フェニレンビス(エチレング
リコール)ジビニルエーテル等のアラルキルジビニルエ
ーテル類;ハイドロキノンジビニルエーテル、レゾルシ
ノールジビニルエーテル等のアリールジビニルエーテル
類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等
のカチオン重合性窒素含有化合物等
【0017】(c)ビシクロオルソエステル化合物とし
て、1−フェニル−4−エチル−2,6,7−トリオキ
サビシクロ〔2,2,2〕オクタン,1−エチル−4−
ヒドロキシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
〔2,2,2〕オクタン等
【0018】(d)スピロオルソカーボネート化合物と
して、1,5,7,11−テトラオキサスピロ〔5,
5〕ウンデカン、3,9−ジベンジル−1,5,7,1
1−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等や1,
4,6−トリオキサスピロ〔4,4〕ノナン,2−メチ
ル−1,4,6−トリオキサスピロ〔4,4〕ノナン,
1,4,6−トリオキサスピロ〔4,5〕デカン等のス
ピロオルソエステル化合物等である。
【0019】これらは、単独若しくは2種以上を併用し
て用いても差し支えない。(a)〜(d)の内で、殊に
(a)のエポキシ基を有する化合物が好んで使用され
る。
【0020】本発明において、前記アニリニウム塩化合
物とカチオン重合性化合物との配合割合は、カチオン重
合性化合物100部に対し、アニリニウム塩化合物0.
01〜20部、好ましくは0.1〜10部の割合で配合
する。このアニリニウム塩化合物量が少いと、カチオン
重合性化合物の硬化性が低下し、過剰であると硬化物の
特性が低下する。
【0021】本発明のアニリニウム塩化合物を含有する
カチオン重合組成物は、加熱により容易に硬化できる。
熱硬化する場合は、10〜200℃、好ましくは、30
〜180℃の範囲で使用される。
【0022】本発明のアニリニウム塩化合物を含有する
カチオン重合組成物は、α線、β線、γ線、中性子線、
X線、加速電子線のような電離性放射線によっても容易
に短時間で硬化することができる。電離性放射線による
硬化の場合は、通常0.5〜60Mradの線量の範囲
が使用でき、1〜50Mradの範囲が好ましい。な
お、電離性放射線および熱を併用して硬化させることも
可能である。
【0023】本発明のアニリニウム塩化合物は、一般に
単独で使用されるが、他のカチオン重合開始剤と併用し
て用いることもできる。
【0024】また、前記(a)のエポキシ基を有する化
合物を用いる場合は、エポキシ樹脂の硬化剤として通常
用いられている、フェノール系硬化剤、酸無水物類硬化
剤等の硬化剤を性能が損なわない範囲内で併用して用い
てもよい。
【0025】前記のカチオン重合性化合物に本発明の開
始剤を配合して使用する際に、必要に応じて反応性希釈
剤、硬化促進剤、溶剤、顔料、染料、カップリング剤、
無機充填剤、炭素繊維ガラス繊維、界面活性剤等を添加
して使用される。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により、更に
具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に
何等限定されるものではない。
【0027】(実施例1)N−(α−フェネチル)−N
−(2−ヒドロキシエチル)−N−エチル−m−メチル
アニリニウムヘキサフロロアンチモネートの合成 α−フェネチルブロマイド 5.55 gとN−(2−ヒドロ
キシエチル)−N−エチル−m−トルイジン 5.38 gを
混合し、50℃で21時間反応させた。得られた化合物
をエーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥し、前駆体のN
−(α−フェネチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)
−N−エチル−m−メチルアニリニウムブロマイドを得
た。 収率:98% N−(α−フェネチル)−N−(2−ヒドロキシエチ
ル)−N−エチル−m−メチルアニリニウムブロマイド
3.64 gを蒸留水5gとメチルエチルケトン(以下、M
EKと言う)2gの混合溶液に溶解させ、六フッ化アン
チモン酸カリウム3.30 gを加え、よく攪拌し、冷却し
た。この液に蒸留水45g加え、よく攪拌し、析出した
化合物を分離後、40℃で減圧乾燥した。 収率:83
% 得られたN−(α−フェネチル)−N−(2−ヒドロキ
シエチル)−N−エチル−m−メチルアニリニウムヘキ
サフロロアンチモネートのIRスペクトルデータは下記
のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):3573,1494,147
0,1453,1379,1061,705,661
【0028】(実施例2)N−(α−フェネチル)−
N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−m−メチルアニ
リニウムヘキサフロロアンチモネートの合成 α−フェネチルブロマイド 5.55 gとN,N−ジ(2−
ヒドロキシエチル)−m−トルイジン 5.86 gをメタノ
ール5gに溶解させ、50℃で26日間反応させた。得
られた化合物をエーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥
し、前駆体のN−(α−フェネチル)−N,N−ジ(2
−ヒドロキシエチル)−m−メチルアニリニウムブロマ
イドを得た。 収率:86% N−(α−フェネチル)−N,N−ジ(2−ヒドロキシ
エチル)−m−メチルアニリニウムブロマイド 3.80 g
を蒸留水5gとMEK2gの混合溶液に溶解させ、六フ
ッ化アンチモン酸カリウム 3.30 gを加え、よく攪拌
し、冷却した。この液に蒸留水45g加え、よく攪拌
し、析出した化合物を分離後、40℃で減圧乾燥した。
収率:53% 得られたN−(α−フェネチル)−N,N−ジ(2−ヒ
ドロキシエチル)−m−メチルアニリニウムヘキサフロ
ロアンチモネートのIRスペクトルデータは下記のとお
りであった。 IR(KBr,cm-1):3572,1495,145
3,1376,1079,705,661
【0029】(実施例3)N−(α−フェネチル)−N
−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−シアノエチ
ル)アニリニウムヘキサフロロアンチモネートの合成 α−フェネチルブロマイド 5. 55gとN−(2−ヒドロ
キシエチル)−N−(2−シアノエチル)アニリン 5.7
1 gを混合し、50℃で21時間反応させた。得られた
化合物をエーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥し、前駆
体のN−(α−フェネチル)−N−(2−ヒドロキシエ
チル)−N−(2−シアノエチル)アニリニウムブロマ
イドを得た。 収率:98% N−(α−フェネチル)−N−(2−ヒドロキシエチ
ル)−N−(2−シアノエチル)アニリニウムブロマイ
ド 3.75 gを蒸留水5gとMEK2gの混合溶液に溶解
させ、六フッ化アンチモン酸カリウム 3.30 gを加え、
よく攪拌し、冷却した。この液に蒸留水45g加え、よ
く攪拌し、析出した化合物を分離後、40℃で減圧乾燥
した。 収率:63% 得られたN−(α−フェネチル)−N−(2−ヒドロキ
シエチル)−N−(2−シアノエチル)アニリニウムヘ
キサフロロアンチモネートのIRスペクトルデータは下
記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):3561,2256,160
0,1494,14531372,1209,110
2,763,704,662
【0030】(実施例4)N−(α−フェネチル)−N
−(2−シアノエチル)−N−メチルアニリニウムヘキ
サフロロアンチモネートの合成 α−フェネチルブロマイド 7.40 gとN−(2−シアノ
エチル)−N−メチルアニリン 4.81 gを混合し、50
℃で3日間反応させた。得られた化合物をエーテルで洗
浄し、40℃で減圧乾燥し、前駆体のN−(α−フェネ
チル)−N−(2−シアノエチル)−N−メチルアニリ
ニウムブロマイドを得た。収率:98%N−(α−フェ
ネチル)−N−(2−シアノエチル)−N−メチルアニ
リニウムブロマイド 3.54 gを蒸留水20gに溶解さ
せ、六フッ化アンチモン酸カリウム 3.30 gを加え、よ
く攪拌し、冷却した。析出した化合物を分離後、40℃
で減圧乾燥した。 収率:57% 得られたN−(α−フェネチル)−N−(2−シアノエ
チル)−N−メチルアニリニウムヘキサフロロアンチモ
ネートのIRスペクトルデータは下記のとおりであっ
た。 IR(KBr,cm-1):2971,2257,160
1,1495,14531376,1120,764,
704,661
【0031】(実施例5)N−(α−フェネチル)−N
−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチ
ル)−m−メチルアニリニウムヘキサフロロアンチモネ
ートの合成 α−フェネチルブロマイド 7. 40gとN−(2−アセト
キシエチル)−N−(2−シアノエチル)−m−トルイ
ジン 7.39 gを混合し、50℃で4日間反応させた後、
85℃で12時間反応させた。得られた化合物をエーテ
ルで洗浄し、40℃で減圧乾燥し、前駆体のN−(α−
フェネチル)−N−(2−アセトキシエチル)−N−
(2−シアノエチル)−m−メチルアニリニウムブロマ
イドを得た。 収率:98% N−(α−フェネチル)−N−(2−アセトキシエチ
ル)−N−(2−シアノエチル)−m−メチルアニリニ
ウムブロマイド 4.31 gを蒸留水20gに溶解させ、六
フッ化アンチモン酸カリウム 3.30 gを加え、よく攪拌
し、冷却した。析出した化合物を分離後、40℃で減圧
乾燥した。 収率:84% 得られたN−(α−フェネチル)−N−(2−アセトキ
シエチル)−N−(2−シアノエチル)−m−メチルア
ニリニウムヘキサフロロアンチモネートのIRスペクト
ルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):2971,2256,174
5,1603,1495,1452,1371,123
3,1055,703,661
【0032】(実施例6)N−(α−フェネチル)−
N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−m−クロロアニ
リニウムヘキサフロロアンチモネートの合成 α−フェネチルブロマイド 7. 40gとN,N−ジ(2−
ヒドロキシエチル)−m−クロロアニリン 6.47 gを混
合し、50℃で3日間反応させた。得られた化合物をエ
ーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥し、前駆体のN−
(α−フェネチル)−N,N−ジ(2−ヒドロキシエチ
ル)−m−クロロアニリニウムブロマイドを得た。 収
率:97% N−(α−フェネチル)−N,N−ジ(2−ヒドロキシ
エチル)−m−クロロアニリニウムブロマイド 4.01 g
を蒸留水20gに溶解させ、六フッ化アンチモン酸カリ
ウム 3.30 gを加え、よく攪拌し、冷却した。析出した
化合物を分離後 、40℃で減圧乾燥した。 収率:6
5% 得られたN−(α−フェネチル)−N,N−ジ(2−ヒ
ドロキシエチル)−m−クロロアニリニウムヘキサフロ
ロアンチモネートのIRスペクトルデータは下記のとお
りであった。 IR(KBr,cm-1):3568,2976,174
5,1595,14941455,1375,108
3,764,704,661
【0033】(実施例7)N−(α−フェネチル)−N
−(2−アセトキシエチル)−N−エチル−m−メチル
アニリニウムヘキサフロロアンチモネートの合成 α−フェネチルブロマイド 7.40 gとN−(2−アセト
キシエチル)−N−エチル−m−トルイジン 6.64 gを
混合し、50℃で4日間反応させた後、85℃で12時
間反応させた。得られた化合物をエーテルで洗浄し、4
0℃で減圧乾燥し、前駆体のN−(α−フェネチル)−
N−(2−アセトキシエチル)−N−エチル−m−メチ
ルアニリニウムブロマイドを得た。 収率:99% N−(α−フェネチル)−N−(2−アセトキシエチ
ル)−N−エチルアニリニウムブロマイド 4.06 gを蒸
留水20gに溶解させ、六フッ化アンチモン酸カリウム
3.30 gを加え、よく攪拌し、冷却した。析出した化合
物を分離後、40℃で減圧乾燥した。 収率:82% 得られたN−(α−フェネチル)−N−(2−アセトキ
シエチル)−N−エチルアニリ ニウムヘキサフロロア
ンチモネートのIRスペクトルデータは下記のとおりで
あった。 IR(KBr,cm-1):2974,1747,159
7,1495,1454,1382,1229,106
4,788,699,666
【0034】(実施例8)N−(α−フェネチル)−N
−[2−(3−カルボキシプロピオニルオキシ)エチ
ル]−N−エチル−m−メチルアニリニウムヘキサフロ
ロアンチモネートの合成 α−フェネチルブロマイド 7. 40gとN−[2−(3−
カルボキシプロピオニルオキシ)エチル]−N−エチル
−m−トルイジン 8.38 gを混合し、50℃で3日間反
応させた。得られた化合物をエーテルで洗浄し、40℃
で減圧乾燥し、前駆体のN−(α−フェネチル)−N−
[2−(3−カルボキシプロピオニルオキシ)エチル]
−N−エチル−m−メチルアニリニウムブロマイドを得
た。収率:98% N−(α−フェネチル)−N−[2−(3−カルボキシ
プロピオニルオキシ)エチル]−N−エチル−m−メチ
ルアニリニウムブロマイド 4.64 gを蒸留水20gに溶
解させ、六フッ化アンチモン酸カリウム 3.30 gを加
え、よく攪拌し、冷却した。析出した化合物を分離後、
40℃で減圧乾燥した。 収率:91% 得られたN−(α−フェネチル)−N−[2−(3−カ
ルボキシプロピオニルオキシ)エチル]−N−エチル−
m−メチルアニリニウムヘキサフロロアンチモネートの
IRスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):2975,1742,160
0,1495,1452,1392,1208,115
9,1008,703,661
【0035】(実施例9)N−(α−フェネチル)−
N,N−ジ(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピ
ル)アニリニウムヘキサフロロアンチモネートの合成 α−フェネチルブロマイド 7.40 gとN,N−ジ(3−
フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)アニリン 11.80
gを混合し、50℃で3日間反応させた。得られた化合
物をエーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥し、前駆体の
N−(α−フェネチル)−N,N−ジ(3−フェノキシ
−2−ヒドロキシプロピル)アニリニウムブロマイドを
得た。 収率:98% N−(α−フェネチル)−N,N−ジ(3−フェノキシ
−2−ヒドロキシプロピル)アニリニウムブロマイド
5.79 gを蒸留水5gとMEK2gの混合溶液に溶解さ
せ、六フッ化アンチモン酸カリウム 3.30 gを加え、よ
く攪拌し、冷却した。この液に蒸留水45g加え、よく
攪拌し、析出した化合物を分離後、40℃で減圧乾燥し
た。 収率:92% 得られたN−(α−フェネチル)−N,N−ジ(3−フ
ェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)アニリニウムヘキ
サフロロアンチモネートのIRスペクトルデータは下記
のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):3543,2975,159
9,1495,1457,1377,1293,124
4,1050,758,694,661
【0036】<硬化性テスト> (1)DSC測定 実施例1〜9で合成した化合物をプロピレンカーボネー
トに溶解させ、ERL−4221(UCC社製脂環型エ
ポキシ)およびUVR−6410(UCC社製グリシジ
ル型エポキシ)に純分として2.5部になるように各エ
ポキシ化合物に添加し、配合物を調整した。この配合物
についてDSC測定を行い、発熱開始温度とピークのト
ップ温度を求めた。なお、DSCの測定条件は下記の通
りであり、その測定結果を表1および表2に示した。 DSC測定機器 : DSC220C(セイコー電子工
業社製) 雰囲気 : 窒素ガス気流中 30ml/分 昇温速度 : 10℃/分 サンプル量 : 0.3〜0.8mg
【0037】(比較試料1)本発明の対比用試料とし
て、ベンジル−4−シアノピリジニウムヘキサフロロア
ンチモネートを開始剤に用い、実施例と同様にDSC測
定を行った。
【0038】(比較試料2)N−(α−フェネチル)−
N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アン
モニウムヘキサフロロアンチモネートを開始剤に用い、
実施例と同様にしてERL−4221(UCC社製脂環
型エポキシ)およびUVR−6410(UCC社製グリ
シジル型エポキシ)エポキシ化合物に添加して配合物を
調整し、DSC測定を行い、発熱ピークのトップ温度を
求めた。これらの結果を纏めて前記の表1および表2に
示した。
【0039】(比較試料3)N−(α−フェネチル)−
N,N−ジメチル−p−ブロモアニリニウムヘキサフロ
ロアンチモネートを開始剤に用い、実施例と同様に配合
物を調整し、粘弾性測定を行った。
【0040】(2)粘弾性測定 上記で調整した配合物を130℃で30分硬化させ、そ
の試験片を粘弾性測定を行った。得られたスペクトルの
tanδのピークを試験片のガラス転移温度とした。そ
の測定結果を表3に示した。
【0041】
【作 用】本発明の重合開始剤は、カチオン重合性化合
物を重合、硬化を開始させる働きを持つα−フェネチル
カチオンを放出する重合開始剤と考えられる。N,N−
ジアルキル置換のアルキル部(R 1またはR2 )の少な
くとも一方に置換基を導入したことにより、α−フェネ
チルカチオンを放出しやすくなり、カチオン重合性化合
物を低温で、重合、硬化させるもの(表1、表2)と考
えられる。また、このことにより、アニリンの塩基性が
低下または立体的障害が大きくなり、硬化性を向上させ
るとともに、より短時間で硬化が可能(表3)になった
ものと思われる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の新規アニ
リニウム塩化合物は、表1〜表3に見られるカチオン重
合開始剤として極めて有効であり、従前のアニリニウム
塩化合物に比べて、充分実用可能な低温温度で迅速に硬
化することができるとともに、硬化物特性にも優れてい
る。
【表1】
【表2】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 4/00 MFJ C08G 59/68 NKQ // C07C 255/24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式化1で表されるアニリニウム塩化合
    物。 【化1】 〔式中、R1 ,R2 は、それぞれアルキル基を表し、R
    3 ,R4 は、それぞれ水素原子、アルキル基、ハロゲン
    原子及びアルコキシ基からなる群から選ばれた一種を表
    し、Xは、SbF6 、AsF6 、PF6 又はBF4 を表
    す。但し、R1 ,R2 の少なくとも一方は窒素原子のβ
    位の炭素に置換基を有するアルキル基である。〕
  2. 【請求項2】請求項1に記載のアニリニウム塩化合物の
    少なくとも一種を含有することを特徴とするカチオン重
    合開始剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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