JPH06321897A - 新規ピロリニウム塩化合物および重合開始剤 - Google Patents

新規ピロリニウム塩化合物および重合開始剤

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JPH06321897A
JPH06321897A JP13289593A JP13289593A JPH06321897A JP H06321897 A JPH06321897 A JP H06321897A JP 13289593 A JP13289593 A JP 13289593A JP 13289593 A JP13289593 A JP 13289593A JP H06321897 A JPH06321897 A JP H06321897A
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JP
Japan
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alkyl
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salt compound
bromide
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Eiji Takahashi
栄治 高橋
Hiroo Muramoto
博雄 村本
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Nippon Soda Co Ltd
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Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】新規ピロリニウム塩化合物の重合開始剤を提供
する。 【構成】一般式化1 【化1】 〔式中、R1 は、アルキル基または置換されていてもよ
いフェニル基を表し、R2 ,R3 は、各々水素原子、ア
ルキル基、シアノメチル基等を表し、R4 ,R5は、各
々水素原子、アルキル基、置換されていてもよいフェニ
ル基またはアルコキシカルボニル基を表し、R6 は、水
素原子またはアルキル基を表し、R7 は、水素原子、ア
ルキル基、ハロゲン原子等を表し、Xは、SbF6 ,A
sF6 ,PF6 またはBF4 を表す〕で表されるピロリ
ニウム塩化合物。 【効果】本発明の重合開始剤は、カチオン重合製化合物
の重合開始剤として有効であり、加熱処理により、極め
て迅速に重合、硬化させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なピロリニウム塩
化合物からなるカチオン重合開始剤に関するものであ
る。該重合開始剤を含むカチオン重合性組成物は、加熱
により短時間で硬化するすることができ、得られる硬化
物は、優れた物性を有しているため、型樹脂、注型樹
脂、塗料、接着剤、インキ等の材料として好適に用いら
れる。
【0002】
【従来の技術】従来、エポキシ樹脂の硬化剤として、二
液系で広く利用されている活性なアミン含有化合物、カ
ルボン酸無水物やメルカプト化合物が知られている。一
方、エポキシ樹脂を一液系として硬化するものには、フ
ッ化ホウ素−モノエチルアミンが知られている。
【0003】また、熱潜在性カチオン重合開始剤及びそ
の組成物が記載されているものとして、特開昭58−3
7003号、特開昭63−223002号、特開昭56
−152833号、特開平2−178319号、特開平
3−17119号などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】活性なアミン含有化合
物やカルボン酸無水物により、エポキシ樹脂を硬化する
所謂二液系では、完全に各成分を混合する必要があり、
硬化時間も数時間要する。また、反応が室温でも逐次的
に起こるので、ポットライフが数時間から数日と短く、
取り扱い上問題がある。
【0005】一方、エポキシ樹脂を一液系として硬化す
ることができるフッ化ホウ素−モノエチルアミン系で
は、取り扱い上が便利ではあるが、硬化温度が160℃
以上と高く、しかも完全硬化するのに1〜8時間要する
という問題がある。
【0006】また、特開昭58−37003号に記載さ
れているスルホニウム塩系の熱潜在性カチオン重合開始
剤および、特開開平2−178319号に記載されてい
るピリジニウム塩系の熱潜在性カチオン重合開始剤で
は、一液系とすることができ、硬化時間も短いが、スル
ホニウム塩系では臭いの問題があり、ピリジニウム塩系
では硬化温度が高いという問題点を持っている。
【0007】本発明は、前述の実情からみてなされたも
ので、カチオン重合性化合物を加熱により、低温で短時
間に硬化させることができる無臭の新規なカチオン重合
開始剤を提供することを目的とする。
【0008】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため、鋭意検討したところ、特定のピロリニ
ウム塩化合物を用いることで、低温で短時間にてカチオ
ン重合性化合物を硬化することができ、かつ、その硬化
物特性に優れた性能を与えることを見出して本発明を完
成するに至った。即ち、本発明は下記の一般式化2
【0009】
【化2】 〔式中、R1 は、アルキル基または置換されていてもよ
いフェニル基を表し、R2 ,R3 は、各々水素原子、ア
ルキル基、ハロゲン原子、置換されていてもよいフェニ
ル基またはシアノメチル基を表し、R4 ,R5 は、各々
水素原子、アルキル基、置換されていてもよいフェニル
基またはアルコキシカルボニル基を表し、R6 は、水素
原子またはアルキル基を表し、R7 は、水素原子、アル
キル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、シア
ノ基またはビニル基を表し、Xは、SbF6 ,As
6 ,PF6 またはBF4 を表す〕で表されるピロリニ
ウム塩化合物および該化合物の少なくとも一種を含有す
ることを特徴とするカチオン重合開始剤である。以下、
本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明のピロリニウム塩化合物は、一般式
化3で表せるが、
【0011】
【化3】 かかる式において、R1 は、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基等の
低級アルキル基またはメチル基,エチル基等のアルキル
基やF、Cl、Br等のハロゲン原子等で置換されてい
てもよいフェニル基の群より選ばれた基を表し、R2
3 は、各々水素原子、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基等の低級
アルキル基、F、Cl、Br等のハロゲン原子、アルキ
ル基やF、Cl、Br等のハロゲン原子等で置換されて
いてもよいフェニル基、又はシアノメチル基の群より選
ばれた基を表し、R4 ,R5 は、水素原子、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t
−ブチル基等の低級アルキル基、メチル基、エチル基等
のアルキル基やF,Cl、Br等のハロゲン原子等で置
換されていてもよいフェニル基またはメトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル
基の群より選ばれた基を表し、R6 は、水素原子、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、t−ブチル基等のアルキル基の群より選ばれた基を
表し、R7 は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基等のア
ルキル基、F、Cl、Br、I等のハロゲン原子、メト
キシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、ニトロ基、シア
ノ基またはビニル基の群より選ばれた基を表し、Xは、
SbF6 ,AsF6 ,PF6 またはBF4 であり、この
内SbF6 が好んで用いられる。
【0012】本発明のピロリニウム塩化合物は、例え
ば、次の方法で得ることができる。ベンジルブロマイ
ド、α−フェネチルブロマイド等のα−置換ベンジルハ
ライド類とN−メチルピロール等のN−置換ピロール類
とを等モルづつ、必要に応じてメタノール、アセトン、
アセトニトリル等の不活性溶媒存在下にて室温〜80℃
で数時間〜30日間反応させ、次いで、得られた固形物
を水若しくは水−メタノール等の水−有機溶媒系に溶解
せしめ、六フッ化アンチモン酸ナトリウム等を加え激し
く攪拌し、析出した液状または固形物固形物の生成物を
分離、乾燥して得られる。
【0013】本発明の代表的なピロリニウム塩化合物と
して、下記化4、化5に示されるものが例示される。但
し、式中のXは、SbF6 ,AsF6 ,PF6 又はBF
4 である。
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】本発明において、重合開始剤である前記ピ
ラジニウム塩化合物は、カチオン重合性化合物と配合し
てカチオン重合組成物として用いられる。本発明に使用
されるカチオン重合性化合物としては、次のような化合
物が挙げられる。 (a)エポキシ基を有する化合物として、1,1,3−
テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイ
ド、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4
−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ
シクロヘキシルカルボキシレート、ジ(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)アジペート、フェニルグリシジルエ
ーテル、ビスフェノールA型エポシキ樹脂、ハロゲン化
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、o−,m−,p−ク
レゾールノボラック型エポシキ樹脂、フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂、多価アルコールのポリグリシジル
エーテル等のエポキシ化合物
【0017】(b)ビニル化合物として、スチレン、α
−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン等のスチ
レン類;n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニル
エーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシ
ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;
アリルビニルエーテル、1−オクタヒドロナフチルビニ
ルエーテル等のアルケニルビニルエーテル類;エチニル
ビニルエーテル、1−メチル−2−プロペニルビニルエ
ーテル等のアルキニルビニルエーテル類;フェニルビニ
ルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテル等の
アリールビニルエーテル類;ブタンジオールジビニルエ
ーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル、シク
ロヘキサンジオールジビニルエーテル等のアルキルジビ
ニルエーテル類;1,4−ベンゼンジメタノールジビニ
ルエーテル、N−m−クロロフェニルジエタノールアミ
ンジビニルエーテル、m−フェニレンビス(エチレング
リコール)ジビニルエーテル等のアラルキルジビニルエ
ーテル類;ハイドロキノンジビニルエーテル、レゾルシ
ノールジビニルエーテル等のアリールジビニルエーテル
類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等
のカチオン重合性窒素含有化合物等
【0018】(c)ビシクロオルソエステル化合物とし
て、1−フェニル−4−エチル−2,6,7−トリオキ
サビシクロ〔2,2,2〕オクタン,1−エチル−4−
ヒドロキシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
〔2,2,2〕オクタン等
【0019】(d)スピロオルソカーボネート化合物と
して、1,5,7,11−テトラオキサスピロ〔5,
5〕ウンデカン、3,9−ジベンジル−1,5,7,1
1−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等や1,
4,6−トリオキサスピロ〔4,4〕ノナン,2−メチ
ル−1,4,6−トリオキサスピロ〔4,4〕ノナン,
1,4,6−トリオキサスピロ〔4,5〕デカン等のス
ピロオルソエステル化合物等である。
【0020】これらは、単独若しくは2種以上を併用し
て用いても差し支えない。(a)〜(d)の内で、殊に
(a)のエポキシ基を有する化合物が好んで使用され
る。
【0021】本発明において、前記ピロリニウム塩化合
物とカチオン重合性化合物との配合割合は、カチオン重
合性化合物100部に対し、ピロリニウム塩化合物0.
01〜20部、好ましくは0.1〜10部の割合で配合
する。このピロリニウム塩化合物量が少いと、カチオン
重合性化合物の硬化性が低下し、過剰であると硬化物の
特性が低下する。
【0022】本発明のピロリニウム塩化合物を含有する
カチオン重合組成物は、加熱により容易に硬化できる。
熱硬化する場合は、30〜200℃、好ましくは、50
〜180℃の範囲で使用される。
【0023】本発明のピロリニウム塩化合物を含有する
カチオン重合組成物は、α線、β線、γ線、中性子線、
X線、加速電子線のような電離性放射線によっても容易
に短時間で硬化することができる。電離性放射線による
硬化の場合は、通常0.5〜60Mradの線量の範囲
が使用でき、1〜50Mradの範囲が好ましい。な
お、電離性放射線および熱を併用して硬化させることも
可能である。
【0024】本発明のピロリニウム塩化合物は、一般に
単独で使用されるが、他のカチオン重合開始剤と併用し
て用いることもできる。
【0025】また、前記(a)のエポキシ基を有する化
合物を用いる場合は、エポキシ樹脂の硬化剤として通常
用いられている、フェノール系硬化剤、酸無水物類硬化
剤等の硬化剤を性能が損なわない範囲内で併用して用い
てもよい。前記のカチオン重合性化合物に本発明の開始
剤を配合して使用する際に、必要に応じて反応性希釈
剤、硬化促進剤、溶剤、顔料、染料、カップリング剤、
無機充填剤、炭素繊維ガラス繊維、界面活性剤等を添加
して使用される。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により、更に
具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に
何等限定されるものではない。
【0027】(実施例1)N−ベンジル−N−メチルピ
ロリニウムヘキサフロロアンチモネートの合成 ベンジルブロマイド17.10gとN−メチルピロール
8.11gを混合し、50℃で13日間反応させた。得
られた固形物をエーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥
し、前駆体のN−ベンジル−N−メチルピロリニウムブ
ロマイドを得た。収率:95% N−ベンジル−N−メチルピロリニウムブロマイド2.
52gを蒸留水、メタノール、メチルエチルケトン(以
下、MEKと言う)の10:7:7の混合溶液24gに
溶解させ、六フッ化アンチモン酸ナトリウム3.10g
を加え、よく攪拌した。この溶液に蒸留水を50g加
え、よく攪拌して冷却した。二層分離した上澄み液を除
去後、残留物を40℃で減圧乾燥した。 収率:60% 得られた本発明のN−ベンジル−N−メチルピロリニウ
ムヘキサフロロアンチモネートのIRスペクトルデータ
は下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1631,1603,149
6,1456,742,705,661
【0028】(実施例2)N−(p−ニトロベンジル)
−N−メチルピロリニウムヘキサフロロアンチモネート
の合成 p−ニトロベンジルブロマイド10.80gとN−メチ
ルピロール4.87gをアセトニトリル5mlに溶解さ
せ、50℃で25日間反応させた。得られた固形物をエ
ーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥し、前駆体のN−
(p−ニトロベンジル)−N−メチルピロリニウムブロ
マイドを得た。 収率:75% N−(p−ニトロベンジル)−N−メチルピロリニウム
ブロマイド2.97gを蒸留水3gとMEK5gの混合
溶液に溶解させ、六フッ化アンチモン酸ナトリウム3.
10gを5mlのを蒸留水に溶解させた溶液を加え、よ
く攪拌した。この溶液に蒸留水を40g加え、よく攪拌
して冷却した。二層分離した上澄み液を除去後、残留物
を40℃で減圧乾燥した。 収率:82% 得られたN−(p−ニトロベンジル)−N−メチルピロ
リニウムヘキサフロロアンチモネートのIRスペクトル
データは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1606,1520,146
2,1349,1111859,737,662
【0029】(実施例3)N−(2−メチルベンジル)
−N−メチルピロリニウムヘキサフロロアンチモネート
の合成 2−メチルベンジルブロマイド7.40gとN−メチル
ピロール3.24gを混合し、50℃で2日間反応させ
た。得られた固形物をエーテルで洗浄し、40℃で減圧
乾燥し、前駆体のN−(2−メチルベンジル)−N−メ
チルピロリニウムブロマイドを得た。 収率:83% N−(2−メチルベンジル)−N−メチルピロリニウム
ブロマイド2.66gを蒸留水10gとMEK5gの混
合溶液に溶解させ、六フッ化アンチモン酸ナトリウム3.
10gを加え、よく攪拌した。さらに、この溶液に蒸留水
を40g加え、よく攪拌し冷却した後、析出した化合物
を濾別し、40℃で減圧乾燥した。 収率:75% 得られたN−(2−メチルベンジル)−N−メチルピロ
リニウムヘキサフロロアンチモネートのIRスペクトル
データは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1628,1603,149
2,1463,748,662
【0030】(実施例4)N−(p−ブロモベンジル)
−N−メチルピロリニウムヘキサフロロアンチモネート
の合成 p−ブロモベンジルブロマイド7.50gとN−メチル
ピロール2.43gをアセトニトリル3mlに溶解さ
せ、50℃で6日間反応させた。得られた固形物をエー
テルで洗浄し、40℃で減圧乾燥し、前駆体のN−(p
−ブロモベンジル)−N−メチルピロリニウムブロマイ
ドを得た。 収率:82% N−(p−ブロモベンジル)−N−メチルピロリニウム
ブロマイド3.31gを蒸留水10gとMEK5gの混
合溶液に溶解させ、六フッ化アンチモン酸ナトリウム3.
10gを加え、よく攪拌した。この溶液に蒸留水を40g
加え、よく攪拌して冷却した。二層分離した上澄み液を
除去後、残留物を40℃で減圧乾燥した。 収率:82
% 得られたN−(p−ブロモベンジル)−N−メチルピロ
リニウムヘキサフロロアンチモネートのIRスペクトル
データは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1631,1489,146
0,1407,10731012,800,733,6
62
【0031】(実施例5)N−ベンジル−N−メチル−
2−シアノメチルピロリニウムヘキサフロロアンチモネ
ートの合成 ベンジルブロマイド8.55gとN−メチルメチルピロ
ール−2−アセトニトリル4.81gを混合し、50℃
で6日間反応させた。得られた固形物をエーテルで洗浄
し、40℃で減圧乾燥し、前駆体のN−ベンジル−N−
メチル−2−シアノメチルピロリニウムブロマイドを得
た。 収率:84% N−ベンジル−N−メチル−2−シアノメチルピロリニ
ウムブロマイド2.91gを蒸留水10gとMEK5g
の混合溶液に溶解させ、六フッ化アンチモン酸ナトリウ
ム3.10gを加え、よく攪拌した。さらに、この溶液
に蒸留水を50g加え、よく攪拌し冷却した。二層分離
した上澄み液を除去後、残留物を40℃で減圧乾燥し
た。 収率:66% 得られたN−ベンジル−N−メチル−2−シアノメチル
ピロリニウムヘキサフロロアンチモネートのIRスペク
トルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):2252,1602,149
6,1456,1409,745,705,661
【0032】(実施例6)N−(4−メトキシベンジ
ル)−N−メチルピロリニウムヘキサフロロアンチモネ
ートの合成 4−メトキシベンジルクロライド4.70gとN−メチ
ルメチルピロール2.43gを混合し、50℃で19時
間反応させた。得られた固形物をエーテルで洗浄し、4
0℃で減圧乾燥し、前駆体のN−(4−メトキシベンジ
ル)−N−メチルピロリニウムクロライドを得た。 収
率:74% N−(4−メトキシベンジル)−N−メチルピロリニウ
ムクロライド2.38gを蒸留水5gとMEK3gの混
合溶液に溶解させ、六フッ化アンチモン酸カリウム3.
30gを加え、よく攪拌した。さらに、この溶液に蒸留
水を50g加え、よく攪拌し冷却した。二層分離した上
澄み液を除去後、残留物を40℃で減圧乾燥した。 収
率:62% 得られたN−(4−メトキシベンジル)−N−メチルピ
ロリニウムヘキサフロロアンチモネートのIRスペクト
ルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1611,1512,146
4,1249,1179,1032,818,661
【0033】<硬化性テスト>実施例1〜6で合成した
化合物をプロピレンカーボネートに溶解させ、ERL−
4221(UCC社製脂環型エポキシ)に、純分として
2.5部になるように加え、配合物を調製した。この配
合物について、DSC測定を行い、発熱ピークのトップ
温度を求めた。なお、DSCの測定条件は下記の通りで
あり、その測定結果を表1に示した。
【0034】DSCの測定機器 : DSC220C
(セイコー電子工業社製) 雰 囲 気 : 窒素ガス気流中 30ml/分 昇 温 速 度 : 10℃/分 サンプル量 : 0.3〜0.8mg
【0035】
【表1】
【0036】(比較例1)本発明の比較試料1として、
ベンジル−4−シアノピリニウムヘキサフロロアンチモ
ネートを開始剤として、実施例と同様にDSC測定を行
った。
【0037】(比較例2)本発明の比較試料2として、
N−(α−フェネチル)−N,N−ジメチル−N−(2
−ヒドロキシエチル)アンモニウムヘキサフロロアンチ
モネートを開始剤として用い、実施例と同様にしてER
L−4221(UCC社製脂環型エポキシ)に添加して
配合物を調製し、(比較例1、2)DSC測定を行い、
発熱ピークのトップ温度を求めた。これらの結果を纏め
て前記の表1に示した。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のピロリニ
ウム塩化合物は、カチオン重合性化合物の重合開始剤と
して有効であり、表1に示すように、加熱処理により、
極めて迅速かつ低温で重合、硬化させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 4/32 MFJ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式化1 【化1】 〔式中、R1 は、アルキル基または置換されていてもよ
    いフェニル基を表し、R2 ,R3 は、各々水素原子、ア
    ルキル基、ハロゲン原子、置換されていてもよいフェニ
    ル基又はシアノメチル基を表し、R4 ,R5 は、各々水
    素原子、アルキル基、置換されていてもよいフェニル基
    またはアルコキシカルボニル基を表し、R6 は、水素原
    子またはアルキル基を表し、R7 は、水素原子、アルキ
    ル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ
    基またはビニル基を表し、Xは、SbF6 ,AsF6
    PF6 またはBF4 を表す〕で表されるピロリニウム塩
    化合物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載された化合物の少なくとも
    一種を含有することを特徴とするカチオン重合開始剤。
JP13289593A 1993-05-11 1993-05-11 新規ピロリニウム塩化合物および重合開始剤 Pending JPH06321897A (ja)

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JP (1) JPH06321897A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101097045B1 (ko) * 2005-05-31 2011-12-22 동우 화인켐 주식회사 디스플레이 칼라필터 보호용 경화성 수지 조성물

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