JPH0789812B2 - 釣竿およびその製造方法 - Google Patents

釣竿およびその製造方法

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JPH0789812B2
JPH0789812B2 JP21691A JP21691A JPH0789812B2 JP H0789812 B2 JPH0789812 B2 JP H0789812B2 JP 21691 A JP21691 A JP 21691A JP 21691 A JP21691 A JP 21691A JP H0789812 B2 JPH0789812 B2 JP H0789812B2
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rod
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賢一 黒須
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Daiwa Seiko Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、釣竿に係わり、特に、
前側竿管の後端部に形成される内側継合部を、後側竿管
の前端部に形成される外側継合部に挿入し、前側竿管と
後側竿管とを連結してなる釣竿、および、この釣竿の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、振出竿等の釣竿は、例えば、実
公昭58−41831号公報に開示されるように、前側
竿管の後端部に形成される内側継合部を、後側竿管の前
端部に形成される外側継合部に嵌挿し、前側竿管と後側
竿管とを連結して構成されている。
【0003】そして、この実公昭58−41831号公
報に開示される釣竿では、前側竿管の内側継合部の外周
面に、円周方向に凹溝が形成されているため、前側竿管
と後側竿管との接合時に、過度の嵌合がなされても、前
側竿管の内側継合部と後側竿管の外側継合部とが密着す
ることがなく、その着脱を円滑確実に行うことが可能に
なる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の釣竿では、単に、前側竿管形成用のプリプレ
グシートの内側継合部形成位置の外側に、所定間隔を置
いて凸部形成用の補助プリプレグシートを巻回して、こ
れにより形成される肉盛部の間に凹溝を形成しているた
め、前側竿管の内側継合部の剛性が比較的高くなり、前
側竿管と後側竿管との継合部の剛性が他の部分より大き
くなり、全体としての釣竿のしなり(撓み)バランスを
高めることが困難になるという問題があった。
【0005】すなわち、例えば、鮎竿のような釣竿で
は、特に、釣竿全体が円滑な円弧状にしなることが要望
されるが、従来の釣竿では、継合部の剛性が他の部分よ
り大きいために、釣竿が継合部でへの字状に折曲し、充
分なしなりバランスを得ることが困難であるという問題
があった。本発明は、かかる従来の問題を解決するため
になされたもので、釣竿全体のしなりバランスを従来よ
り大幅に向上することのできる釣竿およびその製造方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の釣竿は、前側竿
管の後端部に形成される内側継合部を、後側竿管の前端
部に形成される外側継合部に挿入し、前側竿管と後側竿
管とを連結してなる釣竿において、前記前側竿管の内側
継合部の肉厚を本体肉厚よりも薄く、かつ剛性が低くな
るように形成し、少なくとも前記内側継合部の後端部
に、前記後側竿管の外側継合部に嵌合する肉盛部を一体
形成してなるものである。
【0007】本発明の釣竿の製造方法は、マンドレルの
外周に、前側竿管形成用のプリプレグシートを巻回し、
このプリプレグシートの外周にテーピングを行い、これ
を焼成した後、前記マンドレルを引き抜き、前側竿管を
形成する釣竿の製造方法において、前記プリプレグシー
トを、前記前側竿管の内側継合部に位置する部分におい
て軸長方向強化繊維量を少なくした本体プリプレグシー
トと、この本体プリプレグシートに直接または間接的に
形成され前記前側竿管の内側継合部の後端部の肉盛部を
形成するための補助プリプレグシートとから形成してな
るものである。
【0008】
【作用】本発明の釣竿では、前側竿管の内側継合部の肉
厚を本体肉厚よりも薄く、かつ剛性が低くなるように形
成し、少なくとも内側継合部の後端部に、後側竿管の外
側継合部に嵌合する肉盛部を一体形成したので、前側竿
管と後側竿管との継合部の剛性が継合部において極端に
増大することがなくなる。
【0009】本発明の釣竿の製造方法では、プリプレグ
シートを、前側竿管の内側継合部に位置する部分におい
て軸長方向強化繊維量を少なくした本体プリプレグシー
トと、この本体プリプレグシートに直接または間接的に
形成され前側竿管の内側継合部の後端部の肉盛部を形成
するための補助プリプレグシートとから形成したので、
前側竿管の内側継合部の剛性が低下し、前側竿管と後側
竿管との継合部の剛性が継合部において極端に増大する
ことがなくなる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の詳細を図面に示す実施例につ
いて説明する。図1は、本発明の釣竿の一実施例を示し
ており、図において符号11は、釣竿の前側に配置され
る前側竿管を、符号13は、この前側竿管11の後側に
配置される後側竿管を示している。
【0011】前側竿管11の後端部には、内側継合部1
5が形成され、後側竿管13の前端部には、外側継合部
17が形成されている。そして、前側竿管11を、後側
竿管13の図示しない後端開口から挿入して、後側竿管
13の外側継合部17に、前側竿管11の内側継合部1
5を嵌合することにより前側竿管11と後側竿管13と
が連結されている。
【0012】しかして、この実施例では、前側竿管11
の内側継合部15の肉厚が、前側竿管11の本体19肉
厚よりも薄く、かつ剛性が低くなるように形成され、薄
肉厚部21とされている。そして、前側竿管11の内側
継合部15の前端部および後端部に、後側竿管13の外
側継合部17に嵌合する肉盛部23,25が一体形成さ
れている。
【0013】以上のように構成された釣竿は、以下述べ
るようにして製造される。すなわち、先ず、図2の
(a)に示すような前側竿管11形成用のマンドレル2
7が用意される。この後、このマンドレル27の外周
に、(b)に示すようなプリプレグシート29が巻回さ
れる。
【0014】このプリプレグシート29は、本体プリプ
レグシート31と補助プリプレグシート33,35とか
ら構成されている。本体プリプレグシート31は、第1
のプリプレグシート37と第2のプリプレグシート39
とからなり、これ等のプリプレグシート37,39は、
周方向強化繊維41上に軸長方向強化繊維43を配置し
て形成されている。
【0015】第1のプリプレグシート37は、矩形状を
しており、前側竿管11の全長に対応する長さを有して
いる。第2のプリプレグシート39は、図の上端を第1
のプリプレグシート37の下端に重合され、図の下端を
テーパとされる台形状をしており、前側竿管11の薄肉
厚部21までの長さを有している。
【0016】そして、第1および第2のプリプレグシー
ト37,39の後端部には、肉盛部23,25を形成す
るための矩形状の補助プリプレグシート33,35が配
置されている。このようなプリプレグシート29をマン
ドレル27に巻回した後、(c)に示すように、プリプ
レグシート29の外周にテープ45を巻回するテーピン
グが行なわれ、これを焼成した後、マンドレル27を引
き抜くことにより、(d)に示すような前側竿管11が
製造される。
【0017】しかして、以上のように構成された釣竿で
は、前側竿管11の内側継合部15の肉厚を本体19肉
厚よりも薄く、かつ剛性が低くなるように形成し、少な
くとも内側継合部15の後端部に、後側竿管13の外側
継合部17に嵌合する肉盛部25を一体形成したので、
前側竿管11と後側竿管13との継合部の剛性が継合部
において極端に増大することがなくなり、釣竿全体のし
なりバランスを従来より大幅に向上することが可能とな
る。
【0018】すなわち、以上のように構成された釣竿で
は、前側竿管11と後側竿管13とを継ぎ合わせた時
に、継合部の剛性が継合部において極端に増大すること
がないため、釣竿の全体として曲げ剛性が、釣竿の先端
側に向けて非常に円滑に減少することになり、釣竿全体
のしなりバランスを従来より大幅に向上することがで
き、しなり具合の良い、高強度の釣竿を提供することが
できる。
【0019】また、前側竿管11の内側継合部15に薄
肉厚部21を形成したので、前側竿管11の重量を軽減
することが可能となる。そして、以上述べた釣竿の製造
方法では、プリプレグシート29を、前側竿管11の内
側継合部15に位置する部分において軸長方向強化繊維
43量を少なくした本体プリプレグシート31と、この
本体プリプレグシート31に直接形成され前側竿管11
の内側継合部15の後端部の肉盛部25を形成するため
の補助プリプレグシート35とから形成したので、前側
竿管11の内側継合部15の剛性が低下し、前側竿管1
1と後側竿管13との継合部の剛性が継合部において極
端に増大することがなくなり、釣竿全体のしなりバラン
スを従来より大幅に向上することのできる釣竿を容易に
製造することが可能となる。
【0020】図3は、本発明の釣竿の他の実施例を示す
もので、この実施例では、前側竿管11の内側継合部1
5の薄肉厚部21の外周全体に、周方向強化繊維41か
らなる肉盛部47が形成されている。以上のように構成
された釣竿は、以下述べるようにして製造される。すな
わち、この実施例では、図4の(b)に示すように、第
1のプリプレグシート37の後部下方と、第2のプリプ
レグシート39の後端との間に形成される空間に、肉盛
部47を形成するための周方向強化繊維41からなる補
助プリプレグシート49が配置され、この補助プリプレ
グシート49に肉盛部25を形成するための補助プリプ
レグシート35が配置されている。
【0021】このようなプリプレグシート51をマンド
レル27に巻回した後、(c)に示すように、プリプレ
グシート51の外周にテープ45を巻回するテーピング
が行なわれ、これを焼成した後、マンドレル27を引き
抜くことにより、(d)に示すような前側竿管11が製
造される。以上のように構成された釣竿においても図1
に示した実施例とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0022】なお、この実施例においては、前側竿管1
1の内側継合部15の薄肉厚部21に、肉盛部47を形
成したが、肉盛部47が周方向強化繊維41により形成
されているため、継合部の軸長方向のしなり剛性が増大
することが比較的少なく、逆に、釣竿のしなりバランス
を維持しながら、薄肉厚部21の強度を向上することが
可能となる。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の釣竿では、
前側竿管の内側継合部の肉厚を本体肉厚よりも薄く、か
つ剛性が低くなるように形成し、少なくとも内側継合部
の後端部に、後側竿管の外側継合部に嵌合する肉盛部を
一体形成したので、前側竿管と後側竿管との継合部の剛
性が継合部において極端に増大することがなくなり、釣
竿全体のしなりバランスを従来より大幅に向上すること
ができる。
【0024】また、本発明の釣竿の製造方法では、プリ
プレグシートを、前側竿管の内側継合部に位置する部分
において軸長方向強化繊維量を少なくした本体プリプレ
グシートと、この本体プリプレグシートに直接または間
接的に形成され前側竿管の内側継合部の後端部の肉盛部
を形成するための補助プリプレグシートとから形成した
ので、前側竿管の内側継合部の剛性が低下し、前側竿管
と後側竿管との継合部の剛性が継合部において極端に増
大することがなくなり、釣竿全体のしなりバランスを従
来より大幅に向上することのできる釣竿を容易に製造す
ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の釣竿の一実施例を示す縦断面図であ
る。
【図2】図1の釣竿の製造方法の一実施例を示す説明図
である。
【図3】本発明の釣竿の他の実施例を示す縦断面図であ
る。
【図4】図3の釣竿の製造方法の一実施例を示す説明図
である。
【符号の説明】 11 前側竿管 13 後側竿管 15 内側継合部 17 外側継合部 25 肉盛部 27 マンドレル 31 本体プリプレグシート 35 補助プリプレグシート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前側竿管の後端部に形成される内側継合
    部を、後側竿管の前端部に形成される外側継合部に挿入
    し、前側竿管と後側竿管とを連結してなる釣竿におい
    て、前記前側竿管の内側継合部の肉厚を本体肉厚よりも
    薄く、かつ剛性が低くなるように形成し、少なくとも前
    記内側継合部の後端部に、前記後側竿管の外側継合部に
    嵌合する肉盛部を一体形成してなることを特徴とする釣
    竿。
  2. 【請求項2】 マンドレルの外周に、前側竿管形成用の
    プリプレグシートを巻回し、このプリプレグシートの外
    周にテーピングを行い、これを焼成した後、前記マンド
    レルを引き抜き、前側竿管を形成する釣竿の製造方法に
    おいて、前記プリプレグシートを、前記前側竿管の内側
    継合部に位置する部分において軸長方向強化繊維量を少
    なくした本体プリプレグシートと、この本体プリプレグ
    シートに直接または間接的に形成され前記前側竿管の内
    側継合部の後端部の肉盛部を形成するための補助プリプ
    レグシートとから形成してなることを特徴とする釣竿の
    製造方法。
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