JPH0788874B2 - 流体封入型エンジンマウント - Google Patents

流体封入型エンジンマウント

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JPH0788874B2
JPH0788874B2 JP62005077A JP507787A JPH0788874B2 JP H0788874 B2 JPH0788874 B2 JP H0788874B2 JP 62005077 A JP62005077 A JP 62005077A JP 507787 A JP507787 A JP 507787A JP H0788874 B2 JPH0788874 B2 JP H0788874B2
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vibration
absorbing
fluid chamber
cross
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克芳 新井
亨 佐々木
功 臼倉
浩 時本
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F13/00Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs
    • F16F13/04Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper
    • F16F13/26Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper characterised by adjusting or regulating devices responsive to exterior conditions
    • F16F13/262Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper characterised by adjusting or regulating devices responsive to exterior conditions changing geometry of passages between working and equilibration chambers, e.g. cross-sectional area or length

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、エンジンを防振支持するために用いられる自
動車用エンジンマウントに関するもので、特に、弾性体
の弾性と内部に封入された流体の流動とによって振動を
吸収するようにした、流体封入型エンジンマウントに関
するものである。
(従来の技術) 自動車においては、その運転状態、例えばエンジンの回
転数に応じて、周波数や振幅の大きく異なる種々の振動
が発生する。したがって、自動車には、広範囲の振動を
吸収し得るエンジンマウントを用いることが求められ
る。
そのようなエンジンマウントとしては、流体封入型エン
ジンマウントが知られている。この流体封入型エンジン
マウントというのは、室壁の一部がエンジンを支持する
厚肉ゴム等の弾性体によって形成され、エンジンの振動
に応じて容積が変化するようにされた主流体室と、その
主流体室にオリフィスを介して連通する副流体室とから
なり、これら主副流体室内に油等の非圧縮性流体を封入
したものである。副流体室は、室壁の一部が容易に変形
し得るダイヤフラムによって形成され、主流体室の容積
変化に伴う流体の流入あるいは流出によって、自由に容
積が変化するようにされている。
このような流体封入型エンジンマウントによれば、高周
波生振幅の振動は弾性体の弾性変形によって吸収され、
低周波大振幅の振動はオリフィスを流動する流体の流通
抵抗によって減衰される。したがって、周波数や振幅の
異なる振動が吸収されるようになる。
ところで、このような流体封入型エンジンマウントにお
いても、そのオリフィスが一定断面積の固定オリフィス
とされている場合には、十分に広い範囲の振動が吸収さ
れるようにすることはできない。すなわち、高周波小振
幅の振動が効果的に吸収されるようにするためには、オ
リフィスの断面積を大きくして流体の流通抵抗を小さく
することが求められる。一方、低周波大振幅の振動が効
果的に吸収されるようにするためには、オリフィスの断
面積を小さくして流体の流通抵抗を大きくし、減衰力を
高めることが求められる。したがって、固定オリフィス
では両方を満足させることができず、吸収し得る振動の
範囲が限られてしまう。
このようなことから、特に広範囲の振動を吸収すること
が求められる自動車用エンジンマウントの場合には、例
えば実開昭60−95244号公報に示されているように、主
流体室と副流体室とを連通させるオリフィスを、断面積
可変のオリフィスとすることが考えられている。このエ
ンジンマウントは、主流体室と副流体室との間を区画す
る隔壁を、それぞれ大断面積の開口を有する固定板及び
回動板によって構成し、回動板を回動させて各開口の重
なり合う部分の面積を変化させることにより、オリフィ
スの断面積を変化させるようにしたものである。
このようにすることによって、自動車の通常走行中にお
けるエンジンの比較的低回転域から高回転域に至るまで
の振動に対応させることができるようになる。
ところで、自動車においては、更に、アイドル時におけ
る低周波大振幅の振動やカーシェイクのように極めて振
幅の大きい振動も発生する。そのような振動は、オリフ
ィスの断面積を絞るだけでは吸収することができない。
そのような振動が確実に吸収されるようにするために
は、流体が流動するオリフィスを、断面積の小さいもの
とするとともに十分に長いものとして、そのオリフィス
部に位置して共振する流体の質量が十分に確保されるよ
うにする必要がある。
そこで、上記公報にも示されているように、主流体室と
副流体室との間の隔壁に、大振幅振動吸収用の細くて長
いオリフィスを更に設けるようにすることが多い。この
ようなオリフィスを設けることにより、アイドル時やシ
ェイク時に可変オリフィスを閉じれば、流体は細くして
長いオリフィスを通して流動するようになる。
そのような場合、従来は、その大振幅振動吸収用オリフ
ィスは主流体室と副流体室とを常に連通状態に保つもの
とされていた。
(発明が解決しようとする問題点) そのような大振幅振動吸収用の細くて長いオリフィス
は、流通抵抗が大きいので、通常走行時の振動吸収用の
可変オリフィスが大きく開いているときには、その大振
幅振動吸収用オリフィスが開いていてもほとんど影響は
ない。しかしながら、低速走行時、エンジンが低回転と
なって可変オリフィスの断面積が絞られたときには、そ
の大振幅振動吸収用オリフィスによる影響が表れること
になる。そのために、その領域ではエンジンマウントの
動ばね定数の制御が困難となり、振動の効果的な吸収が
行われなくなってしまう。
また、アイドル時における振動とシェイク時における振
動とでは、その周波数及び振幅が大きく異なっている。
したがって、上記公報に示されたもののように2種類の
オリフィスを設けただけでは、特性の異なるすべての振
動に対応させることはできない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は、車両の運転状態等に応じて生ずる種々
の振動を、すべての領域にわたって確実に吸収すること
のできる流体封入型エンジンマウントを得ることであ
る。
(問題点を解決するための手段) この目的を達成するために、本発明では、主流体室と副
流体室とを連通させるオリフィスとして、断面積及び長
さがそれぞれ異なり、それぞれ開閉可能な3種類のオリ
フィスを設けるようにしている。そして、主流体室と副
流体室との間の隔壁を構成する回動板を、車両の運転状
態等に応じて所定の角度だけ回動させることにより、そ
の3種類のオリフィスのうちのいずれか1種類のみが開
かれ、他の2種類のオリフィスは閉じられるようにして
いる。
(作用) このように構成することにより、車両の通常走行時に
は、そのときの高周波小振幅振動を吸収するのに適した
短いオリフィスのみが開かれ、アイドル振動吸収用オリ
フィス及びシェイク振動吸収用オリフィスは閉じられ
る。したがって、エンジンの比較的低回転域においてオ
リフィスの開口面積が絞られたときにも、アイドル振動
吸収用オリフィスやシェイク振動吸収用オリフィスの影
響を受けることはなくなる。
また、アイドル時やシェイク時には、それぞれそのとき
の振動を吸収するのに適した断面積及び長さのオリフィ
スのみが開かれる。
(実施例) 以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図は、本発明による自動車用エンジンマウントの一実施
例を示すもので、第1図はその縦断面図であり、第2図
はその隔壁部分の平面図である。また、第3,4及び5,6図
は、それぞれ異なる作動状態を示す第1,2図と同様の図
である。
第1図から明らかなように、このエンジンマウント1
は、厚肉ゴムからなる円錐筒状の弾性体2と、金属ある
いはプラスチック等の剛性材料からなり、下端側が開放
された有底円筒状のハウジング3とを備えている。弾性
体2の上端部には、振動体であるエンジンを取り付ける
ための取付金具4が加硫接着されている。また、弾性体
2の下端にはリング状のフランジ部材5が加硫接着され
ており、このフランジ部材5によって弾性体2がハウジ
ング3の上端面上に取り付けられるようになっている。
フランジ部材5の下面にはシールリング6が取り付けら
れており、それによってフランジ部材5とハウジング3
の周壁3a上端面との間が液密にシールされるようになっ
ている。
ハウジング3は、その下端に設けられたフランジ7によ
って車体フレームに取り付けられるようになっている。
こうして、弾性体2は、振動体であるエンジンを支持
し、その振動に応じて弾性変形し得るようにされてい
る。
ハウジング3の上底壁は、固定板8として形成されてい
る。そして、その固定板8の上面に、円板状の回動板9
が重ね合わされている。この回動板9は、固定板8の中
心部に回転自在に支持された支持軸10により、その下面
を固定板8の上面に摺接させながら、中心軸線のまわり
に回動させ得るように支持されている。こうして、これ
ら固定板8と回動板9とによって、弾性体2及びハウジ
ング3内の空間を上下に区画する隔壁11が構成されてい
る。
ハウジング3の下端開口は、薄肉ゴムからなる柔軟なダ
イヤフラム12によって液密に閉塞されている。そのダイ
ヤフラム12は、その周縁をハウジング3の下端面とその
下端面に取り付けられるカバー13との間で挟着すること
によって支持されている。そして、そのダイヤフラム12
の下面側は大気に開放されている。したがって、そのダ
イヤフラム12は、内部の圧力によて容易に変形し得るよ
うになっている。
このようにして、エンジンマウント1の内部には、弾性
体2、ハウジング3、及びダイヤフラム12によって取り
囲まれる液密の空間が形成されている。その空間内に
は、油あるいは水等の非圧縮性流体が封入されている。
そして、その空間が隔壁11によって上下の室14,15に区
画されている。
隔壁11の上方に形成される主流体室14は、室壁の一部が
弾性体2によって形成され、エンジンの振動に伴う弾性
体2の変形によってその容積が変化するようになってい
る。また、隔壁11の下方に形成される副流体室15は、室
壁の一部がダイヤフラム12によって形成されており、そ
のダイヤフラム12が容易に変形するので、その容積が自
由に変化するようになっている。
固定板8の外周部、すなわちハウジング3の周壁3aの内
周上部には、全周にわたって延びるリング状のガイド溝
16が設けられている。このガイド溝16には、回動板9の
外周縁から下方に突出するリング状の突起部17が挿入さ
れるようになっている。この突起部17の下端面にはラッ
ク18が形成されている。そして、そのラック18に、ピニ
オンギヤ19がかみ合わされている。このピニオンギヤ19
は、ハウジング3の周壁3aを貫通する駆動軸20を介し
て、ハウジング3の外部に設置されるアクチュエータ
(図示せず)によって回転駆動されるようになってい
る。そのアクチュエータは、エンジンの回転数や車体の
上下方向の加速度等に基づく制御信号によって制御され
るものとされている。こうして、回動板9は、固定板8
に対して制御された角度だけ回動されるようになってい
る。
第1,2図から明らかなように、ハウジング周壁3aの内周
面よりやや内側には、固定板8の下面からハウジング3
の下端面にまで延びる円筒状の壁部21が設けられてい
る。そして、この壁部21とハウジング周壁3aの内周面及
び固定板8の下面とによって、上下二重の螺旋状通路22
が形成されている。したがって、この通路22は長さの長
いものとなっている。また、その断面積は小さいものと
されている。この通路22は、上端が固定板8の外周部に
設けられた小断面積の開口23に連なっており、下端は開
口24を介して副流体室15に連通している。
一方、回動板9には、固定板8の開口23に対応する径方
向位置に、同様な開口25が設けられている。したがっ
て、これらの開口23,25を一致させたときには、主流体
室14と副流体室15とが螺旋状通路22を介して連通し、開
口23,25の位置をずらせたときには、その通路22が閉じ
られるようになっている。
こうして、螺旋状通路22及び開口23〜25によって、主流
体室14と副流体室15との間の開閉可能なオリフィス26が
形成されている。このオリフィス26は、エンジンマウン
ト1にシェイクのような極めて振幅の大きい振動が加え
られたとき、そこを流動する流体が共振して、その振動
を確実に減衰させるように設定されている。すなわち、
そのオリフィス26は、シェイク振動吸収用オリフィスと
されている。
第3,4図から明らかなように、固定板8の下面側には、
更に、その下面からハウジング3の下端面にまで延びる
上下方向の壁部27が設けられている。この壁部27は円筒
状の壁部21の内周面に取り付けられるもので、それによ
ってその間に上下方向の通路28が形成されるようになっ
ている。したがって、その通路28の長さは、ハウジング
3の高さに対応するものとなっている。また、その断面
積は螺旋状通路22の断面積より大きいものとされてい
る。この通路28の上端は固定板8に設けられた開口29に
連なっており、その下端は副流体室15に向けて開口して
いる。
一方、回動板9には、固定板8の開口29に対応する径方
向位置に、同様な開口30が設けられている。したがっ
て、これらの開口29,30を一致させたときには、主流体
室14と副流体室15とが上下方向の通路28を介して連通
し、開口29,30の位置をずらせたときには、その通路29
が閉じられるようになっている。
こうして、上下方向の通路28及び開口29,30によって、
主流体室14と副流体室15との間の開閉可能なオリフィス
31が形成されている。このオリフィス31は、エンジンマ
ウント1にアイドル時の低周波大振幅振動が加えられた
とき、そこに位置する流体が共振して、その振動を吸収
するように設定されている。すなわち、そのオリフィス
31は、アイドル振動吸収用オリフィスとされている。
第5,6図から明らかなように、固定板8の中央部には、
中心角度の大きい扇形状の大面積領域に、厚肉部32が設
けられている。この厚肉部32の領域は、開口29より半径
の小さい部分とされている。また、その厚肉部32の厚さ
は、ハウジング3の高さよりもかなり小さいものとされ
ている。そして、その厚肉部32には、それを上下に貫通
する多数の小径の円形開口33,33,…が設けられている。
したがって、その開口33の長さは、アイドル振動吸収用
オリフィス31を構成する通路28より短いが、ある程度の
長さを有するものとなっている。また、開口33,33,…の
総断面積は、十分に大きいものとされている。
一方、回動板9には、固定板8の開口33,33,…が設けら
れている扇形領域に対応する径方向位置に、扇形状の開
口34が設けられている。したがって、その開口34を固定
板8の開口領域に重ね合わせると、主流体室14と副流体
室15とが開口33,34を介して連通し、開口34を固定板8
の開口領域からずらせると、開口33が閉じられるように
なっている。しかも、回動板9の開口34と固定板8の開
口領域との重合面積に応じて、開かれる開口33の数が変
化するようになっている。
こうして、固定板8の開口33と回動板9の開口34とによ
って、主流体室14と副流体室15との間の開閉可能かつ開
口面積調整可能なオリフィス35が形成されている。この
オリフィス35は、エンジン回転数に応じてその開口面積
を調整することにより、自動車の通常走行時における高
周波小振幅振動がエンジンマウント1に加えられたと
き、そのオリフィス35を流動する流体が共振して、その
振動を吸収するように設定されている。すなわち、この
オリフィス35は、高周波振動吸収用オリフィスとされて
いる。
このように、このエンジンマウント1の隔壁11には、断
面積及び長さのそれぞれ異なる3種類のオリフィス26,3
1,35が設けられている。そして、固定板8の各開口23,2
9,33と回動板9の各開口25,30,34とは周方向の相対位置
がそれぞれ異なるものとされており、それによって、3
種類のオリフィス26,31,35のうちのいずれかが開いてい
るときには、他の二つが閉じるようにされている。この
オリフィス26,31,35の開閉は回動板9の回動によって行
われる。したがって、このエンジンマウント1において
は、回動板9及びそれを回動させるアクチュエータによ
って、オリフィス26,31,35の開閉を制御する制御装置が
構成されている。
次にこのように構成された流体封入型エンジンマウント
1の作用について説明する。
エンジンが停止しているときには、回動板9は、その開
口25,30,34のいずれもが固定板8の開口23,29.33から位
相のずれた位置で保持される。したがって、3種類のオ
リフィス26,31,35はすべて閉じられている。
エンジンが始動され、アイドル状態に入ると、そのアイ
ドル回転数に応じてアクチュエータが作動し、回動板9
が所定角度だけ回動される。それによって、第3,4図に
示されているように、回動板9の開口30が固定板8の開
口29と重なり合い、アイドル振動吸収用オリフィス31が
開かれる。このとき、他のオリフィス26,35は閉じられ
ている。したがって、主流体室14と副流体室15とは、そ
のオリフィス31のみを介して連通する。
アイドル時には、エンジンは低周波大振幅の振動をす
る。したがって、その振動に伴って弾性体2が比較的大
きく変形し、主流体室14が膨張収縮する。その結果、オ
リフィス31を通して主流体室14と副流体室15との間で流
体が流動する。このとき、副流体室15は、室壁の一部が
ダイヤフラム12によって形成され、そのダイヤフラム12
が容易に変形するようにされているので、その容積が拡
大縮小し、主流体室14の容積変化が吸収される。
このように、アイドル時には流体はオリフィス31のみを
通して流動する。そして、そのオリフィス31は一定断面
積で比較的長いものとされている。したがって、そのオ
リフィス31内に存在する流体の質量は大きいことにな
り、その流体にそのときの振動を吸収し得るだけの共振
が生じるようになる。
こうして、アイドル時におけるエンジン振動が吸収され
る。
エンジンの回転数が増大すると、回動板9がその回転数
に応じて更に大きく回動され、固定板8の開口33の領域
と回動板9の開口34とが重なり合う第5,6図のような状
態となる。この状態では、固定板8の複数個の開口33,3
3,…が開かれる。すなわち、高周波小振幅振動用吸収用
オリフィス35が開かれる。また、他のオリフィス26,31
は完全に閉じられる。したがって、主流体室14と副流体
室15とは、このオリフィス35のみを介して連通すること
になる。そして、主副流体室14,15間を連通させる連通
路の総断面積は大きなものとなる。しかも、そのオリフ
ィス35を構成する開口33,33,…は、それぞれが一定断面
積の比較的長いオリフィスとして作用することになる。
その結果、主副流体室14,15間を連通させるオリフィス3
5内で流体の共振が生ずるようになり、エンジンマウン
ト1の動ばね定数が低減されて、そのときの高周波小振
幅振動が効果的に吸収されるようになる。
この場合、回動板9の回動角度に応じて、開かれる開口
33の数が変化し、オリフィス35の総断面積が変化して、
動ばね定数が変化する。したがって、エンジン回転数の
変動に伴って回動板9を回動させることにより、自動車
の通常走行中においてエンジン回転数に応じて変化する
振動を吸収することが可能となる。そして、低速走行中
などのようにエンジン回転数が低く、オリフィス35の断
面積が小さく絞られているときにも、他のオリフィス2
6,31は完全に閉じられているので、それらによって影響
が及ぼされることはない。
シェイクのように極めて振幅の大きい振動が発生したと
きには、加速度センサあるいは変位センサ等によってそ
れが検出され、アクチュエータが作動して、第1,2図に
示されているように回動板9の開口25が固定板8の開口
23と重なり合う位置まで回動板9が回動される。それに
よって、シェイク振動吸収用オリフィス26が開かれると
ともに、他のオリフィス31,35が閉じられる。したがっ
て、主流体室14と副流体室15とは、そのオリフィス26の
みを介して連通する。そして、そのオリフィス26は、シ
ェイクのように極めて振幅の大きい振動が発生したとき
そこを流動する流体に共振を起こさせるように設定され
ているので、その流体の流動によってそのときの振動が
吸収される。
このように、このエンジンマウント1によれば、断面積
及び長さのそれぞれ異なるシェイク振動吸収用オリフィ
ス26、アイドル振動吸収用オリフィス31、及び高周波振
動吸収用オリフィス35がそれぞれ開閉可能なものとさ
れ、シェイク時にはシェイク振動吸収用オリフィス26の
みが、アイドル時にはアイドル振動吸収用オリフィス31
のみが、また、通常走行時には高周波振動吸収用オリフ
ィス35のみが開かれるので、運転状態に応じて特性の異
なる振動が確実に吸収されるようになる。そして、それ
ぞれの運転状態にあるときに他のオリフィス26,31、あ
るいは35によって影響を受けることがなくなるので、そ
のときの振動が効果的に吸収されるようになるととも
に、そのオリフィス26,31,35の開閉制御も容易となり、
きめ細かい制御が可能となる。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、エン
ジンマウントの主流体室と副流体室とを区画する隔壁
に、車両の通常走行時における高周波小振幅振動を吸収
するのに適した断面積及び長さを有するオリフィスと、
アイドル時における低周波大振幅振動を吸収するのに適
した断面積及び長さを有するオリフィスと、シェイクの
ような極めて振幅の大きい振動を吸収するのに適した断
面積及び長さを有するオリフィスと、の3種類のオリフ
ィスを設け、その隔壁を構成する回動板を車両の運転状
態等に応じて回動させることにより、それら3種類のオ
リフィスのうちの最適のもののみが開かれるようにして
いるので、他のオリフィスの影響を受けることがなくな
り、特性の異なる種々の振動を効果的に吸収させること
が可能となる。したがって、例えば高周波振動吸収用の
オリフィスが断面積調整可能とされている場合、その断
面積を小さく絞っても、そのオリフィスの特性が他のオ
リフィスによって損なわれることはなくなるので、エン
ジンの低回転域における振動も確実に吸収されるように
なり、すべての振動領域において効果を発揮するエンジ
ンマウントとすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による流体封入型エンジンマウントの
一実施例を、シェイク振動吸収時の状態で示す縦断面
図、 第2図は、第1図の状態におけるエンジンマウントの隔
壁部分の平面図、 第3図は、そのエンジンマウントのアイドル振動吸収時
の状態を示す縦断面図、 第4図は、第3図の状態における隔壁部分の平面図、 第5図は、そのエンジンマウントの高周波振動吸収時の
状態を示す縦断面図、 第6図は、第5図の状態における隔壁部分の平面図であ
る。 1……流体封入型エンジンマウント 2……弾性体、3……ハウジング 8……固定板 9……回動板(制御装置) 11……隔壁、12……ダイヤフラム 14……主流体室、15……副流体室 26……シェイク振動吸収用オリフィス 31……アイドル振動吸収用オリフィス 35……高周波振動吸収用オリフィス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 時本 浩 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−73146(JP,A) 特開 昭59−140932(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】室壁の一部がエンジンを支持する弾性体に
    よって形成され、エンジンの車体に対する相対振動に応
    じてその弾性体が変形することにより容積が変化するよ
    うにされた主流体室と、 その主流体室との間がオリフィスを有する隔壁によって
    区画され、室壁の一部がダイヤフラムによって形成され
    ていて、前記主流体室の容積変化に伴う内部封入流体の
    流動に応じてそのダイヤフラムが変形することにより容
    積が変化するようにされた副流体室と、 を備えた流体封入型エンジンマウントにおいて; 前記隔壁が、固定板とその固定板に摺接しながら回動す
    る回動板とによって構成されるとともに、 その隔壁に設けられる前記オリフィスが、車両の通常走
    行時に生ずる高周波小振幅振動を吸収するのに適した断
    面積及び長さを有する高周波振動吸収用オリフィスと、
    アイドル時に生ずる低周波大振幅振動を吸収するのに適
    した断面積及び長さを有するアイドル振動吸収用オリフ
    ィスと、シェイクのような極めて振幅の大きい振動を吸
    収するのに適した断面積及び長さを有するシェイク振動
    吸収用オリフィスとの、断面積及び長さのそれぞれ異な
    る3種類の開閉可能なオリフィスとされ、 前記回動板を回動させたとき、その回動角度に応じて、
    前記3種類のオリフィスのうちのいずれか1種類のみが
    開かれ、他の2種類のオリフィスは閉じられるようにさ
    れていることを特徴とする、 流体封入型エンジンマウント。
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