JPH0788213B2 - トリクロロシランの製造方法 - Google Patents

トリクロロシランの製造方法

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JPH0788213B2
JPH0788213B2 JP24020086A JP24020086A JPH0788213B2 JP H0788213 B2 JPH0788213 B2 JP H0788213B2 JP 24020086 A JP24020086 A JP 24020086A JP 24020086 A JP24020086 A JP 24020086A JP H0788213 B2 JPH0788213 B2 JP H0788213B2
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鏡悟 小泉
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は四塩化ケイ素と水素からトリクロロシランを製
造する方法に関する。
従来の技術 近年のエレクトロニクス産業の発展に伴ない多結晶シリ
コン,単結晶シリコン,モノシランガス等の需要は急激
に増大しており今後ますますその需要は増加の一途をた
どることが見込まれている。ここにおいてトリクロロシ
ランは上記シリコン物質の原料として最も大量に利用さ
れているものである。例えば高純度多結晶シリコンはト
リクロロシランの熱分解によって製造されており,現在
全世界での高純度多結晶シリコンの殆どがこの方法で製
造されている。また最近トリクロロシランの不均化反応
によってモノシランが製造される方法が実用化されつつ
あり極めてトリクロロシランの需要は今後その重要性が
増大する。しかしながら,これらの方法においては、ト
リクロロシランが消費されるとともに大量の四塩化ケイ
素が副生する。たとえばトリクロロシランの熱分解によ
る高純度多結晶シリコンの製造においては、トリクロロ
シランの約60%が四塩化ケイ素として副生し,また,ト
リクロロシランの不均化によるモノシランの製造におい
ては実質的にモノシランの3倍モルの四塩化ケイ素が副
生する事になる。従ってこの副生した四塩化ケイ素は例
えばアエロジル等の原料として利用することでトリクロ
ロシランの生産コストを低減する方法等が知られている
が,実質上最も優れた四塩化ケイ素の利用方法はこれを
再びトリクロロシランに変換し,上記方法の原料として
再利用することである。例えば四塩化ケイ素をトリクロ
ロシランに変換することによって,トリクロロシランの
不均化によるモノシランの製造は実質的には金属ケイ素
と水素によってモノシランを製造するプロセスに帰着
し,このプロセスは最近実用化されつつある。
従って四塩化ケイ素をトリクロロシランに変換する技術
はきわめて有用であり,特にこれを安価,簡便かつ効率
よく行うことはプロセスの経済上極めて重要である。
従来,四塩化ケイ素をトリクロロシランに変換する方法
としては次の方法が知られている。
(1)四塩化ケイ素と水素を1000℃前後またそれ以上の
温度で反応させトリクロロシランを製造する方法。
(2)四塩化ケイ素,水素および金属ケイ素を500℃付
近で反応させトリクロロシランを製造する方法。
(3)四塩化ケイ素,水素,金属ケイ素及び塩化水素を
500℃付近で反応させトリクロロシランを製造する方
法。
(1)の方法に関してはたとえば特開昭57−3711号にお
いては1100−1600℃で水素および四塩化ケイ素を上記温
度の発熱体に吹き付ける方法でトリクロロシランが60%
の収率で得られている。また特開昭57−156318号では第
一段目で900℃の温度において水素と四塩化ケイ素をモ
ル比H2/SiCl4=2で反応させ25%の収率でトリクロロシ
ランを得ている。また特開昭59−45920号においてはプ
ラズマ中で四塩化ケイ素と水素を反応させてトリクロロ
シランを得ている。また特開昭60−81010号においては1
200−1400℃の温度範囲で四塩化ケイ素と水素を反応さ
せて約30%の収率でトリクロロシランを得ている。
(2)の方法は(1)の方法に比較して比較的低温で反
応が進行し,エネルギー的に有利な方法であると云え
る。また(2)の方法でさらに有効に反応を進行させる
ために塩化水素ガスを使用する(3)の方法も当然のこ
とながら同様な特長を有している。(2)及び(3)の
方法に関しては触媒を用いることが有効であり銅化合物
または金属銅を触媒としている。例えば特開昭56−7361
7号においては銅粉を触媒として350−600℃で流動床反
応を行いトリクロロシランを得ている。又特開昭58−11
042号においては銅担持又は銅及びニッケルを担持した
触媒を用いて反応を行いトリクロロシランを得ている。
これらの方法において,例えば(1)の方法では,かな
り高い四塩化ケイ素の転化率でトリクロロシランが得ら
れているが,とりわけ30%以上の収率でトリクロロシラ
ンを得るためには1000℃以上の高温で反応を行わねばな
らずこれに費やすエネルギーは莫大なものである。加え
て,高温反応であるため,塩素化ケイ素による反応器等
の腐食が激しくさらに,望ましくない高分子量のクロロ
シラン類が不可避的に副生する等の欠点を有しており未
だ実用化には程遠いものである。
これに対し、(2)及び(3)の方法は熱力学的見地か
らも,トリクロロシランの製造に有用な方法であり,前
記した様にトリクロロシランの不均化によるモノシラン
を製造する方法で副生する四塩化ケイ素を変換しトリク
ロロシランを製造することは特に(2)の方法では実質
的にはケイ素と水素からモノシランを製造るることとな
るため、非常に有用な方法であると云える。なお,
(3)の方法に於いては,トリクロロシランの収量は多
いが,塩化水素は四塩化ケイ素のトリクロロシランへの
変換には関与せず,実質的には金属シリコンからトリク
ロロシランを合成することに過ぎない。従って,四塩化
ケイ素の再利用という観点からすれば(2)の方法より
は幾分有用性は劣るが,一方,トリクロロシランの収量
が多いと云う利点も有しており,塩化水素の使用量を少
量にして行うことにより,その特徴を発揮させることが
望ましい。
さらに、これら(2)及び(3)の方法を組合せたプロ
セスも知られている(特開昭60−36318号)。
以上の方法において,四塩化ケイ素の有効再利用という
観点からすれば(2)の方法が最も優れており,またト
リクロロシランの生成という観点からすれば(3)の方
法も優れた方法であり捨てがたい。すなわち,(2)ま
たは(3)の方法は経済性も高く特に(2)の方法は現
在本命の方法として実用化されつつある。
しかしながら,(2)の方法においては,反応温度が通
常500−600℃で行われており,300℃以下の反応温度にお
いては実質上トリクロロシランが生成した例はない。従
って当然のことながら,本発明におけるが如く,四塩化
ケイ素の臨界温度以下で四塩化ケイ素を液体状として気
体−液体−固体相の不均一反応によるトリクロロシラン
を製造した例は従来全く知られていない。
またこの(2)の方法においては,従来大量かつ連続的
にトリクロロシランを製造する場合には,気体−固体相
流動床装置が用いられている。しかしながら,その場
合,流動床を用いるため,反応により粒度の小さくなっ
たケイ素金属や触媒成分の輝散等による有効成分の損
失,高温反応による触媒成分の輝散,装置の腐食,更に
は高分子量のクロロシラン類の生成によるトリクロロシ
ランの選択率の低下,高温であるためエネルギーの大量
使用等といった,工業化するためにはさらに解決される
べき多くの欠点を有している。
本発明者らはこれらを鑑み鋭意検討した結果驚くべきこ
とに四塩化ケイ素の臨界温度以下に於いて四塩化ケイ素
を液体状態で反応させしかも高収率でかつ四塩化ケイ素
の単位体積当たりの処理量を増大させてトリクロロシラ
ンを製造する極めて経済的利点の高い方法を見出し本発
明を完成するにいたった。
発明の目的 すなわち,本発明の目的は,上記トリクロロシランの熱
分解による多結晶シリコンの製造またはトリクロロシラ
ンの不均化反応によるモノシランの製造に於いて,副生
する四塩化ケイ素をトリクロロシランへ変換し,四塩化
ケイ素を有効に利用する極めて経済性の高い方法を提供
することにある。
本発明に従えば,四塩化ケイ素と金属ケイ素を,水素若
しくは水素及び塩化水素と反応せしめてトリクロロシラ
ンを製造する方法において,該四塩化ケイ素をその臨界
温度以下の液体状態として,該反応系を気−液−固相の
不均一反応とすると共に,該気−液−固相の不均一反応
を,金属銅及びハロゲン化アルミニウムの存在下に行う
ことを特徴とするトリクロロシランの製造方法が提供さ
れる。
発明の開示 以下本発明を詳細に説明する。
本発明で行う四塩化ケイ素のトリクロロシランへの変換
は基本的に次式 3SiCl4+2H2+Si→4HSiCl3Cl (I) で表わされる。この反応は平衡反応であり,温度が高い
ほど,圧力が高いほど,さらにH2/SiCl4モル比が高いほ
ど反応が右方向へ進行する。また,後述するように,四
塩化ケイ素の臨界温度である233.6℃(現実的には230℃
以下)以下の温度で四塩化ケイ素を液体状態としての低
温気相−液相−固体相反応でトリクロロシランを製造し
た例は今まで知られていなかったが,本発明においては
上記反応を金属銅及びハロゲン化アルミニウムと云う特
定の添加物の存在下に行うことで,四塩化ケイ素を液体
状態としてまたは反応状態において不活性な溶媒に溶解
させて液体状態で反応させてトリクロロシランを収率よ
く製造することも可能ならしめたものである。また当然
のことであるが塩化水素ガスを本発明反応系内に加える
ことによって明らかにトリクロロシランの収量を増大さ
せる結果をもたらす手段を採用しても良い。
本発明に使用する金属ケイ素の純度等はとくに限定する
ものではなく,冶金ケイ素の低純度品でも高純度ケイ素
でもいずれであっても構わない。経済的な観点からすれ
ば前者を使用することが好ましい。これら金属ケイ素の
形態は問わないが好ましくは反応速度の観点から表面積
の大きい粉末状で使用することが推奨される。勿論,粒
状等他の形態で使用することも可能である。
本発明においては,上記反応を金属銅及びハロゲン化ア
ルミニウムの存在下に行うが,本発明で使用する金属銅
は特に限定するものではなく,通常市販の電解銅が用い
られるがその他還元銅も使用可能である。純度に関して
はそれほど問題にする必要はない。金属銅の形態は問わ
ないが好ましくは反応速度の観点から表面積の大きい粉
末状で使用することが推奨される。勿論,粒状等他の形
態で使用することも可能である。
本発明で使用するハロゲン化アルミニウムとは塩化アル
ミニウム,臭化アルミニウム及びヨウ化アルミニウムで
あり,これらの1種または2種以上の混合物で使用す
る。
次に本発明に於ける四塩化ケイ素のトリクロロシランへ
の変換方法について述べる。
変換反応は基本的には上記(I)式に従って行われる
が,本発明においては,反応は,気体相−液体相−固体
相の所謂気−液−固相の不均一系で行う。通常四塩化ケ
イ素を液体状とし,かつ加熱反応を行うため加圧する。
当然のことであるが反応圧力は設定した反応温度に於け
る四塩化ケイ素の蒸気圧以上の圧力とする。また反応に
使用する水素はあらかじめ反応に不活性な媒体(気体)
たとえばアルゴン,ヘリウム及び/又は窒素等で稀釈し
て用いても構わないが,反応平衡,反応速度及び経済的
な観点から水素単独で使用することが好ましい。又通常
予期される程度の不純物を含んでいても差し支えなく
い。また反応条件に於いて原料,生成物,および金属
銅,ハロゲン化アルミニウム等の添加物等にたいして不
活性な溶媒,例えばn−ヘキサン,n−ヘプタンに代表さ
れる脂肪族炭化水素,シクロヘキサン,シクロオクタン
に代表される脂環式炭化水素及びベンゼン,トルエンに
代表される芳香族炭化水素等を使用することも可能であ
る。
次に本発明における最も特筆すべき点である四塩化ケイ
素を液体状態として反応させる意義について述べる。
四塩化ケイ素を液体状態に保持したまま反応させること
は,液体状の四塩化ケイ素と固体金属ケイ素と,および
該液体状四塩化ケイ素中に溶解等によってまたは気液接
触によって取り込まれた水素と,が反応することを意味
するものであり,従って反応場は殆ど実質的に液体−固
体相である。そこで生成したトリクロロシランはまず液
体相で生成し液体に溶存するが更に気体相に移行する。
この際当然のことであるが四塩化ケイ素も同様に気体相
へ移行する。トリクロロシランと四塩化ケイ素の同一温
度に於ける蒸気圧はトリクロロシランの方がより高いた
め液体相に於けるSiHCl3/SiCl4濃度比よりも気体相に於
けるSiHCl3/SiCl4濃度比の方が高くなる。かくして該反
応を連続的に行わしめれば常に液相に於けるSiHCl3/SiC
l4濃度比は減少の方向に向かうから,反応平衡の観点か
ら該反応の反応速度を高める事となり,トリクロロシラ
ンの製造に関してより有利な方向へ反応が進む事とな
る。従って,通常の流動床反応の如く,生成ガス組成が
そのままの組成で排出されるのと比較して,反応平衡上
常に生成物の組成が生成物に有利になるように作用させ
る効果が期待出来るのである。
更に該反応に於いて無水塩化水素ガスを使用することで
トリクロロシランの生成量もより増大させる事ができ
る。
以上の如くして,本発明においては,反応温度は四塩化
ケイ素の臨界温度以下で行い,好ましくは230℃以下100
℃以上で行う。100℃未満の温度ではトリクロロシラン
の実質的な生成は望めない。なお本反応を行うに際して
原料として仕込む四塩化ケイ素中に反応平衡量以下のト
リクロロシランが混在していても構わなく,このことは
反応によって生成したトリクロロシランを蒸留等により
分離した際四塩化ケイ素中にトリクロロシランが残存し
ているものも使用可能であることを意味するが,好まし
くは反応平衡上なるべくトリクロロシランを含まない若
しくはトリクロロシラン含有量が出来るだけ少ない四塩
化ケイ素を使用することが実質的にトリクロロシランの
生成量が最も多くなる事となり望ましい。
次に本発明における原料,金属銅,ハロゲン化アルミニ
ウム等の添加物の使用量について述べる。本発明に於け
る,金属ケイ素の使用量は特に限定はしないが,バッチ
式で行う場合は四塩化ケイ素に対して1重量%以上で行
うことが好ましくこの値未満であると反応とともに金属
ケイ素が消費され有効に反応が行いえなくなる恐れがあ
る。又金属銅及びハロゲン化アルミニウム等の添加物の
使用量は特に限定はしないが,金属ケイ素に対して金属
原子比で各々金属銅は0.5%以上,ハロゲン化アルミニ
ウムは0.1%以上で行うことが反応速度上好ましい。
次に本発明を実際に実施するための具体的な態様につい
て述べる。前記した様に本発明における反応は100℃以
上を必要とするため加圧(水素加圧が好ましい)状態で
行われ,また流通式反応法もしくはバッチ式反応のいず
れの方法で行うことも可能である。
本発明に於ける実施方法に関しては特に規定はしないが
実施し易い方法として以下の方法が挙げられる。もちろ
んこれらの方法に本発明は限定されるものではない。
(1)オートクレーブ中に所定量の四塩化ケイ素,金属
ケイ素,金属銅及びハロンゲ化アルミニウムを入れたの
ち所定の圧力に水素で加圧しその後加熱攪拌反応を行う
方法。
(2)予め所定温,及び水素で所定圧に保たれた加圧反
応器中に所定量の四塩化ケイ素,銅及びハロゲン化アル
ミニウムを連続的に導入しかつ生成ガス及び/又は生成
液を連続的に抜出し反応を行う方法。
(3)予め金属ケイ素,銅及びハロゲン化アルミニウム
を反応器中に入れ所定温度に保ち乍ら水素加圧で四塩化
ケイ素及び水素を連続的に導入し且つ生成ガス及び/又
は生成液を連続的に抜出しながら反応を行い必要に応じ
て金属ケイ素,金属銅及びハロゲン化アルミニウムを間
歇的に導入する方法。
とりわけ大量にトリクロロシランを製造する方法として
(2)又は(3)の方法が望ましい。加えて連続反応を
行うことで,反応によって金属ケイ素は消費されるが,
銅及びハロゲン化アルミニウムは実質上消費されない。
従って反応を低温で行えばこれらの輝散を防ぐことがで
きるので反応器中で金属ケイ素に対する銅及びハロゲン
化アルミニウムとの比率が高くても,更にこれらを継足
す必要はそれほどないため充分経済的に成立しうる方法
として行える。
作用効果 本発明は四塩化ケイ素をトリクロロシランへ経済的に変
換する極めて有効な方法である。従来不可能であった四
塩化ケイ素の臨界温度以下で操作することにより,四塩
化ケイを液体状態で反応器中に導入しかつ液体状態で反
応を行うことができる。従って反応容器を容易に小型化
することが可能となり経済的である。加えて当然のこと
ながら低温で反応を行うことを可能とした結果,反応装
置等の腐蝕を抑制することが可能となり,加えて低エネ
ルギーでトリクロロシランを製造することが可能となり
経済的効果は非常に大きく工業的にきわめて有用であ
る。すなわち,従来高温反応のため多大のエネルギーを
要していたものが,これにより大幅のエネルギーの削減
が可能となり,低温下,液相(四塩化ケイ素)反応が可
能となったため,反応容器を小型化出来,反応装置の腐
食を抑制し,かつスチーム等の低温の熱媒体が使用出来
るなど,大幅な設備の削減が可能となるのである。
実施例 以下本発明を実施例によって更に具体的に説明する。
実施例 1 耐圧300kg/cm2G,耐温500℃SUS316製200mlオートクレー
ブに,金属ケイ素(200メッシュ,純度99.9%)9.00g
(320mg−atm),塩化アルミニウム5.00g(37.5mmol)
市販の金属銅粉末B7.00g(110mg−atm)及び四塩化ケイ
素130g(765mmol)を入れた後室温で水素を圧入し圧力1
10kg/cm2Gとした後(H2/SiCl4〜0.75mol比)300rpmで攪
拌し乍ら230℃に加熱し(昇温時間20分)230℃で5時間
反応を行った。反応終了後オートクレーブを5℃に冷却
し,降圧後反応液をガスクロマトグラフ法により分析し
た結果反応液組成はトリクロロシラン18.1モル%及び四
塩化ケイ素81.9モル%でありこれは四塩化ケイ素の転化
率14.1%に相当し低温度にかかわらず非常に高収率でト
リクロロシランを得ることが出来た。
実施例 2 反応時間を2.5及び1時間とした以外は実施例1と全く
同一の反応条件を行い反応液をガスクロマトグラフ法に
より分析した。結果は第1表に示した。
上記より,短時間で反応を行っても非常に高い四塩化ケ
イ素の塩化率が得られることが分かった。
実施例3 実施例1と同一量の金属銅,金属ケイ素,塩化アルミニ
ウム及び四塩化ケイ素を実施例1と同一のオートクレー
ブに入れ水素仕込圧55kg/cm2G(仕込H2/CiCl4モル比〜
0.38)で水素を圧入した後230℃で攪拌しながら加熱し
当該温度で2.5時間反応を行った後実施例1と同様に冷
却後降圧し,反応液を分析した。反応液組成はトリクロ
ロシラン7.8%,四塩化ケイ素92.2%であった。
実施例 4 実施例1と同一のオートクレーブに実施例1と同一量の
金属銅粉末B,塩化アルミニウム,四塩化ケイ素及び金属
ケイ素(純度98%,150メッシュに変更した)を入れ水素
仕込圧110kg/cm2Gで230℃2.5時間(反応最高圧力180kg/
cm2G)で加圧攪拌を行った後5℃に冷却後反応液をガス
クロマトグラフ法によって分析を行った。反応液組成は
トリクロロシラン15.1%,四塩化ケイ素84.9%であっ
た。従って金属ケイ素の純度は98%程度の市販のもので
充分であることが判明した。
比較例 1(ブランク試験) 実施例4と同様の反応条件で塩化アルミニウムを加えな
いで金属ケイ素を99.9%純度のもの又は98%純度のもの
を各々実施例1〜4と同一量使用し,実施例4と同一の
反応器,同一量の銅粉末,四塩化ケイ素及び水素仕込圧
及び同一の反応条件で反応を行った。後実施例1〜4と
同様に冷却降圧後反応液を分析した。又同様に上記2種
類の純度の金属ケイ素を同一量用いて,金属銅を用いず
に実施例4と同一の反応器,同一量の塩化アルミニウ
ム,金属系ケイ素及び四塩化ケイ素,同一水素仕込圧及
び同一反応条件で反応を行った後同様に冷却,降圧して
反応液を分析した。それぞれの結果を第2表に示す。
以上実施例1〜4及び比較例1の結果から銅及び塩化ア
ルミニウムの相互作用によって極めて高い反応活性があ
らわれることが判明した。加えて,比較例の結果からも
明らかなように,トリクロロシランへの従来の変換触媒
である銅よりも極めて活性が高く,従って銅触媒のみの
様な高温反応を必要としなくても充分低温液相でトリク
ロロシランへの高い転化率及び収率が認められた。又原
料金属ケイ素の純度は本発明においては反応収率等に実
質的に影響を及ぼさないことが明らかになった。
実施例 5 実施例1〜4と同一のオートクレーブに,塩化アルミニ
ウム37.5mmol又は臭化アルミニウム37.5mmolを金属ケイ
素(純度99.9%,200メッシュ),金属銅粉末B7.0g(110
mg/atm)及び四塩化ケイ素176.7g(1.04mol)とともに
入れ室温で水素を110kg/cm2Gに圧入し,それぞれ230℃
で2.5時間反応を行った後前記実施例1〜4と同様に冷
却降圧後反応液を分析した。結果は第3表に示した様
に,ハロゲン化アルミニウムを塩化アルミニウムないし
臭化アルミニウムに換えても活性は充分に認められるこ
とが判明した。更にこの方法に於いては低温かつ短時間
に於いても非常に高収率でトリクロロシランが得られ,
また四塩化ケイ素の量を増加させることによりトリクロ
ロシランの生成量が増加することが分かった。
実施例 6 塩化アルミニウム5.0g(37.5mmol)を実施例5と同一の
金属銅,金属ケイ素及び四塩化ケイ素とともに実施例1
〜5と同一のオートクレーブに入れ反応温度215及び200
℃としてそれぞれ5時間加熱攪拌反応を行った後同様に
してオートクレーブを冷却,降圧後反応液を分析した。
結果を第4表に示した。低温度にかかわらず各温度でト
リクロロシランが良い収率で得られることがわかった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】四塩化ケイ素と金属ケイ素を,水素若しく
    は水素及び塩化水素と反応せしめてトリクロロシランを
    製造する方法において,該四塩化ケイ素をその臨界温度
    以下の液体状態として,該反応系を気−液−固相の不均
    一反応とすると共に,該気−液−固相の不均一反応を,
    金属銅及びハロゲン化アルミニウムの存在下に行うこと
    を特徴とするトリクロロシランの製造方法。
  2. 【請求項2】ハロゲン化アルミニウムがフッ化アルミニ
    ウム,塩化アルミニウム,臭化アルミニウムおよびヨウ
    化アルミニウムからなる群より選択されるハロゲン化ア
    ルミニウムである特許請求の範囲第1項に記載の方法。
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