JPH078503Y2 - カード位置検出部の構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は搬送路に案内されて搬送されるカードの位置を
光センサによって検出するカード位置検出部の構造に関
する。

［従来の技術］ 例えば、カード式電話機には挿入された磁気カードの位
置を検出して磁気カードの搬送及び停止を行うためのカ
ード位置検出部が設けられている。このカード位置検出
部は従来は第２図に示すように構成されていた。図にお
いて、内側の断面がほぼ矩形のスリット状に形成された
搬送路１の所定の位置には、それぞれフォトダイオード
よりなる発光素子２が収納されたハウジング３と、フォ
トトランジスタよりなる受光素子４が収納されたハウジ
ング５とが対向して設けられている。そしてこれらのハ
ウジング3,5は、不透光性の材料により形成され、その
対向する面には、発光素子２から発する可視光を受光素
子４に入射するためのスリット3a,5aが搬送路１の案内
部1aを貫通してそれぞれ形成されており、これらのスリ
ット3a,5aを通る光線を磁気カード６が遮断することに
よりこの磁気カード６の位置を検出するようになってい
る。また、搬送路３の周囲の外壁部を構成する搬送ガイ
ド11は、ハウジング3,5とは別部材により形成されて組
み付けられている。

［考案が解決しようとする課題］ 上記のようにカード位置検出部が設けられたカード式電
話機は屋外に設置される場合が多くあり、粉塵や異物な
どが案内部1a内に侵入したり、磁気カード６に付着した
異物などが持ち込まれたりして、スリット3a,5aがこれ
らの粉塵や異物などで閉塞され、カード位置検出機能が
低下するという問題があった。また、ハウジング3,5は
それぞれ独立して搬送路１に取り付けられているため、
特に複数対のセンサを所定の距離を介して搬送路１に設
ける場合には、これらのセンサ間の距離を高精度に維持
することが困難であるという欠点もあった。

本考案は上記事情に鑑みてなされたものであり、粉塵な
ど異物を確実に排除してカード位置検出機能の低下を防
止し、精度よくカード位置を検出することのできるカー
ド位置検出部の構造を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 上記の目的を達成するための構成を実施例に対応する図
面を参照して説明する。本考案に係るカード位置検出部
の構造は、カード搬送路１を形成する搬送ガイド11と、
前記カード搬送路１を挟んで対向するように設けられ、
前記カード搬送路１と直交する光路をカード６が遮光す
るか否かを検出するための発光素子２および受光素子４
と、該発光素子２および受光素子４を収容するハウジン
グ3,5とを備えたカード位置検出部の構造において、 前記発光素子２および前記受光素子４は、赤外線を授受
する素子であって、 前記搬送ガイド11および前記ハウジング3,5は、可視光
線を透過ぜず赤外線を透過する樹脂によって一体成形さ
れ、前記搬送ガイド11のカード搬送路１を形成する２平
面には、カード搬送方向に向かって接合部が存在せず、
前記２平面と反対側の面の少なくとも一方の面の前記光
路上に位置する部分が肉薄となるように凹孔111が形成
され、該凹孔111に前記発光素子２または受光素子４が
臨むように設けられ、前記発光素子２から発せられた赤
外線が前記カード搬送路１および前記肉薄部分を通過し
て前記受光素子４に到達することを特徴としている。

［作用］ 上記の構成によると、カード搬送路１を形成する搬送ガ
イド11と、発光素子２および受光素子４が収納されたハ
ウジング3,5とは、カード搬送路を形成する２平面にカ
ード搬送方向に向かって接合部が存在しない状態で、可
視光線を透過せず赤外線を透過する樹脂によって一体成
形されており、カード搬送路１の内面は平面状になって
いて、従来例のようなスリットは開口していないので、
この内面に付着した異物を磁気カード６の搬送にともな
って確実に排除することができる。しかも、光センサを
所定の間隔で複数対設ける場合に、これらの光センサ間
の間隔を高精度に設定することができる。カード搬送路
１を形成する２平面と反対側の面の少なくとも一方の面
の光路上に位置する部分が肉薄となるように凹孔111が
形成されており、この凹孔111に発光素子２または受光
素子４が臨むように設けられているので、この位置にお
いて通過光量が最大となり、磁気カード６の位置を精度
よく検出できる。カード６の検出時には、凹孔111によ
って肉薄となった個所を赤外線が通過するので、凹孔11
1の径を小さくすることで、発光素子２からの赤外線ビ
ームの太さに関係なく、位置検出のための実質的な赤外
線ビームの径を絞ることが可能となり、カード位置検出
精度が著しく向上する。

［実施例］ 以下、本考案に係るカード位置検出部の構造の一実施例
を図面を参照して説明する。

第１図に本考案の一実施例を示す。図において、第２図
に示す従来例と同一または同等部分には同一符号を付し
て示す。内側に断面がほぼ矩形のスリット状に形成され
た搬送路１の外側には、所定の間隔を介して２対のハウ
ジング3,5が対向して一体に形成されている。これらの
搬送路１周囲の外壁部を形成する搬送ガイド11及びハウ
ジング3.5は可視光線を通過させず赤外線を通過させる
樹脂、例えばPC,ABS,POMなどの樹脂で、赤外線を反射す
る白色や灰色の顔料を含まないもので、成形加工により
一体に形成されている。そしてハウジング３内に赤外線
を発光するフォトダイオードよりなる発光素子２が収納
され、ハイジング５内には赤外線を受光して作動するフ
ォトトランジスタよりなる受光素子４が収納されてい
る。また発光素子２と受光素子４とを結ぶ光路上の搬送
路１のハウジング５内の面には、所定の直径ｄの凹孔11
1が形成されている。この凹孔111の直径ｄ及び深さｈ
は、発光素子２から発する赤外線がこの凹孔111を通っ
て受光素子４を作動させるに必要な寸法となっている。

次に本実施例の作用を説明する。搬送路１の各面は凹凸
部のない平面状となっているので、これらの面に付着し
た粉塵や異物などは磁気カード６が案内部1aに沿って搬
送されるときに、この磁気カード６によって排除され
る。従って光センサによるカード位置検出機能がこれら
の粉塵や異物などにより低下することはない。また搬送
ガイド11及びハウジング3,5が可視光線を通過せず赤外
線を通過する樹脂で形成されているので、受光素子４は
発光素子２から発する赤外線を受光することによっての
み作動する。このとき発光素子２と受光素子４とを結ぶ
光軸上のハウジング５の内側には凹孔111が形成されて
おり、この部分でハウジング５の肉厚が薄くなっている
ので通過光量は最大となる。従ってこの最大光量の赤外
線を受光したときに受光素子４が作動するように調整し
ておけば、搬送路１内を移動する磁気カード６の位置を
高精度に検出することができる。また２対のハウジング
3,5とガイド11とは成形加工によって一体に形成されて
いるので、光センサ間の間隔も高精度に設定することが
できる。

本実施例によれは、搬送路１内に侵入しや粉塵や異物は
磁気カード６の搬送によって排除されるので、これらに
よるカード位置検出機能の低下を防止することができ
る。また光軸上のハウジング５の内側に凹孔111が形成
されているので、磁気カード６の位置を高精度に検出す
ることができる。さらに搬送ガイド11とハウジング3,5
が一体に形成されているので２対の光センサ間の間隔も
高精度に設定することができる。

上記実施例では光センサが２対設けられた場合について
説明したが、この光センサは２対に限定されず、１対で
も３対以上であってもよい。また上記実施例はカード式
電話機に設けられたカード位置検出部の構造について説
明したが、他の機器に応用しても同様の効果を得ること
ができる。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案によれば、搬送ガイドおよ
びハウジングは、搬送ガイドのカード搬送路を形成する
２平面にカード搬送方向に向かって接合部が存在しない
状態で継ぎ目なく一体成形されているので、搬送路の内
面に付着した異物をカードの搬送にともなって確実に排
除することができる。しかも、光センサを所定の間隔で
複数対設ける場合に、これらの光センサ間の間隔を高精
度に設定して搬送ガイドおよびハウジングを成形するこ
とができる。

一体成形された搬送ガイドおよびハウジングにおいて、
カード搬送路を形成する２平面と反対側の面の少なくと
も一方の面の光路上に位置する部分が肉薄となるように
凹孔が形成されており、この凹孔に発光素子または受光
素子が臨むように設けられているので、この位置におい
て通過光量が最大となり、カードの位置を精度よく検出
することができる。

カードの検出時には、凹孔によって肉薄となった個所を
赤外線が通過するので、凹孔の径を小さくすることによ
って、発光素子から発せられる赤外線ビームの太さに関
係なく、位置検出のための実質的な赤外線ビームの径を
絞ることが可能となり、カード位置検出精度を著しく向
上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るカード位置検出部の構造の一実施
例を示す縦断面図、第２図は従来のカード位置検出部の
構造を示す縦断面図である。 １…カード搬送路、２…発光素子、3,5…ハウジング、
４…受光素子、11…搬送ガイド、111…凹孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カード搬送路を形成する搬送ガイドと、前
   記カード搬送路を挟んで対向するように設けられ、前記
   カード搬送路と直交する光路をカードが遮光するか否か
   を検出するための発光素子および受光素子と、該発光素
   子および受光素子を収容するハウジングとを備えたカー
   ド位置検出部の構造において、 前記発光素子および前記受光素子は、赤外線を授受する
   素子であって、 前記搬送ガイドおよび前記ハウジングは、可視光線を透
   過せず赤外線を透過する樹脂によって一体成形され、前
   記搬送ガイドのカード搬送路を形成する２平面には、カ
   ード搬送方向に向かって接合部が存在せず、前記２平面
   と反対側の面の少なくとも一方の面の前記光路上に位置
   する部分が肉薄となるように凹孔が形成され、該凹孔に
   前記発光素子または受光素子が臨むように設けられ、前
   記発光素子から発せられた赤外線が前記カード搬送路お
   よび前記肉薄部分を通過して前記受光素子に到達するこ
   とを特徴とするカード位置検出部の構造。