JPH0782464A - 写真感光材料用ポリエチレンナフタレート組成物 - Google Patents

写真感光材料用ポリエチレンナフタレート組成物

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JPH0782464A
JPH0782464A JP23328693A JP23328693A JPH0782464A JP H0782464 A JPH0782464 A JP H0782464A JP 23328693 A JP23328693 A JP 23328693A JP 23328693 A JP23328693 A JP 23328693A JP H0782464 A JPH0782464 A JP H0782464A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた透明性、熱安定性、表面平坦性、およ
び巻ぐせカール解消性を兼備した写真感光材料用フィル
ムを成形しうるポリエチレンナフタレート組成物を提供
する。 【構成】 ポリエチレンナフタレート中に、マグネシウ
ム化合物、カルシウム化合物、リン化合物及びアンチモ
ン化合物に由来するマグネシウム、カルシウム、リン及
びアンチモンの元素を下記式〜を満足する割合で含
有していることを特徴とする写真感光材料用ポリエチレ
ンナフタレート組成物。 2.6≦(Mg+Ca)≦4.0 …1.0 ≦(Mg/Ca)≦6.0 … 0.5≦(Mg+Ca)/P≦1.5 … 0.5≦Sb≦2.0 … (上記式中、Mgはマグネシウム元素の酸成分106
当たりのモル数、Caはカルシウム元素の酸成分106
g当たりのモル数、Pはリン元素の酸成分106 g当た
りのモル数、Sbはアンチモン元素の酸成分106 g当
たりのモル数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真感光材料用ポリエチ
レンナフタレート組成物に関し、更に詳しくは優れた透
明性、熱安定性、表面平坦性および巻ぐせカール解消性
を兼備した写真感光材料用フィルムを成形し得るポリエ
チレンナフタレート組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料に用いられる基材フィルム
としては、従来から、トリアセテートフィルムが広く使
用されてきた。このトリアセテートフィルムはその製造
工程において有機溶剤を使用することから、安全上、環
境上の課題がある。また、機械的強度、および寸法安定
性に限界がある等の課題がある。このため、代替素材と
して、ポリエチレンテレフタレートフィルムが一部使用
されるようになったが、巻ぐせカールが強く残留するた
め、現像処理後の取扱い性が悪く、その使用範囲が限定
されている。
【0003】これに対して、特開昭53―146773
号、特開平1―244446号等において、水蒸気透過
性の向上、含水率の向上等を図った改質ポリエチレンテ
レフタレートフィルムが提案されているが、これらは、
巻ぐせカールの減少の面では効果は認められるものの、
吸湿による寸法安定性の悪化、ガラス転移温度低下によ
るフィルム端面部の変形増大等の欠点を有しており、不
十分なものであった。
【0004】特に近年、写真感光材料の用途は多様化し
ており、撮影時のフィルム搬送の高速化、撮影装置の小
型化が進んでおり、写真感光材料用フィルムとしては、
優れた巻きぐせカール解消性と共に、強度、寸法安定
性、薄膜化の適応性等の性能が要求されている。この要
求に対して、トリアセテートフィルム、および改質ポリ
エチレンテレフタレートフィルムはともに十分対処でき
ず、優れた特性を有する写真感光材料用フィルムが望ま
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記実情
に鑑み、写真感光材料に適したフィルムを開発すべく鋭
意研究した結果、マグネシウム化合物、カルシウム化合
物、リン化合物およびアンチモン化合物を、特定量、特
定比率にて触媒等として添加する方法において製造した
ポリエチレンナフタレート組成物を用いれば、優れた特
性を有し、上記問題を解決できる写真感光材料用フィル
ムを製造し得ることを見い出し、本発明に到達した。
【0006】従って、本発明の目的は、優れた透明性、
熱安定性、表面平坦性および巻ぐせカール解消性を兼備
した写真感光材料用フィルムを成形し得るポリエチレン
ナフタレート組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
本発明によれば、ポリエチレンナフタレート中に、マグ
ネシウム化合物、カルシウム化合物、リン化合物及びア
ンチモン化合物に由来するマグネシウム、カルシウム、
リン及びアンチモンの元素を下記式〜を満足する割
合で含有していることを特徴とする写真感光材料用ポリ
エチレンナフタレート組成物によって達成される。
【0008】
【数2】 2.6≦(Mg+Ca)≦4.0 … 10≦(Mg/Ca)≦6.0 … 0.5≦(Mg+Ca)/P≦1.5 … 0.5≦Sb≦2.0 … (上記式中、Mgはマグネシウム元素の酸成分106
当たりのモル数、Caはカルシウム元素の酸成分106
g当たりのモル数、Pはリン元素の酸成分106g当た
りのモル数、Sbはアンチモン元素の酸成分106 g当
たりのモル数を示す。)
【0009】本発明においてポリエチレンナフタレート
を構成する酸成分は、主としてナフタレンジカルボン酸
からなることが必要であり、例えば2,6―ナフタレン
ジカルボン酸、2,7―ナフタレンジカルボン酸、1,
5―ナフタレンジカルボン酸等を挙げることができる
が、これらの中特に2,6―ナフタレンジカルボン酸が
好ましい。該酸成分の主成分がナフタレンジカルボン酸
でない場合、例えばフィルムに成形したときの巻ぐせカ
ール解消性が不良となるため、好ましくない。
【0010】他の酸成分としては、芳香族ジカルボン酸
例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエタン
ジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカ
ルボン酸等;脂肪族ジカルボン酸例えばアジピン酸、セ
バチン酸等;脂環族ジカルボン酸例えばシクロヘキサン
―1,4―ジカルボン酸等などを例示することができ
る。これら他の酸成分の割合は、全酸成分当り、20モ
ル%以下であることが好ましい。
【0011】本発明においてポリエチレンナフタレート
を構成するグリコール成分は、主としてエチレングリコ
ールからなることが必要である。
【0012】他のグリコール成分としては、脂肪族グリ
コール例えばトリメチレングリコール、テトラメチレン
グリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレ
ングリコール、デカメチレングリコール等の如き炭素数
3〜10のポリメチレングリコール、シクロヘキサンジ
メタノール等;芳香族ジオール例えばハイドロキノン、
レゾルシン、2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)
プロパン等;芳香環を有する脂肪族ジオール例えば1,
4―ジヒドロキシメチルベンゼン等;ポリアルキレング
リコール(ポリオキシアルキレングリコール)例えばポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコール等などを例示することがで
きる。これら他のグリコール成分の割合は、全グリコー
ル成分当り、20モル%以下であることが好ましい。
【0013】また、本発明におけるポリエチレンナフタ
レートには、本発明の効果を損なわないかぎり、例えば
ヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω―ヒドロ
キシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシカルボ
ン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分及びオキシカ
ルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共重合ある
いは結合させることもできる。
【0014】さらに、本発明におけるポリエチレンナフ
タレートには実質的に線状である範囲の量であり、か
つ、本発明の効果を損なわないかぎり、例えば全酸成分
に対し2モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン
酸又はポリヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、
ペンタエルスリトール等を共重合させることもできる。
【0015】さらに本発明におけるポリエチレンナフタ
レートには、表面平坦性、および熱安定性を損なわない
程度であれば、例えば滑剤、顔料、染料、酸化防止剤、
光安定剤、遮光剤(例えばシリカ、架橋ポリスチレン、
テラゾールブルー、イルガノックス、コバルト等)の如
き添加剤を必要に応じて含有させることもできる。
【0016】本発明におけるポリエチレンナフタレート
は、ナフタレンジカルボン酸の低級アルキルエステルと
エチレングリコールとを反応させて製造するのが好まし
く、この反応においてナフタレンジカルボン酸の低級ア
ルキルエステルの一部(例えば20モル%以下)を他の
酸成分で置換して良く、またエチレングリコールの一部
(例えば20モル%以下)を他のグリコール成分で置換
してもよい。
【0017】かかるナフタレンジカルボン酸の低級アル
キルエステルとしては、例えば、ジメチルエステル、ジ
エチルエステル、ジプロピルエステル等を挙げることが
でき、特にジメチルエステルが好ましい。
【0018】本発明におけるポリエチレンナフタレート
の製造においては、ナフタレンジカルボン酸の低級アル
キルエステルとエチレングリコールとの反応で、まず酸
成分106 gに対して、マグネシウム及びカルシウムの
元素量が合計2.6〜4.0モルとなる量の反応系に可
溶なマグネシウム化合物、カルシウム化合物を添加し、
エステル交換反応を行う。この量は、酸成分106 g当
り、2.8〜3.5モルであることが好ましい。
【0019】エステル交換触媒として酸成分に対するカ
ルシウム化合物及びマグネシウム化合物の合計添加量が
上記の4.0モルを超えると、触媒残渣による析出粒子
の影響でフィルムに成形した場合に表面平坦性が悪化
し、その結果フィルムの透明性が不良となり好ましくな
い。一方、この添加量が2.6モル未満では、エステル
交換反応が不充分となるばかりか、その後の重合反応も
遅く好ましくない。
【0020】また、前述のカルシウム化合物のカルシウ
ム元素量に対するマグネシウム化合物のマグネシウム元
素量のモル比は1.0〜6.0であり、好ましくは1.
4〜4.0である。このモル比が6.0を超えても1.
0未満でも触媒残渣による析出粒子の影響でフィルムに
成形した場合に表面平坦性が悪化し、フィルムの透明性
が不良となっしまう。
【0021】次いで、エステル交換反応が実質的に完結
したときに、エステル交換反応触媒の一部を失活させる
ためにリン化合物を添加するが、リン化合物に対するエ
ステル交換反応触媒、すなわちカルシウム化合物及びマ
グネシウム化合物の合計添加量のモル比[(Ma+C
a)/P]は0.5〜1.5である。好ましくは0.7
〜1.2である。このモル比が0.5に満たない場合、
触媒残渣による析出粒子の影響でフィルムに成形した場
合に表面平坦性が悪化し好ましくなく、またこのモル比
が1.5を超える場合は、リン化合物により失活されな
いカルシウム化合物及びマグネシウム化合物の活性によ
り、ポリエチレンナフタレートの熱安定性が悪化し、フ
ィルムに成形した場合に色相が不良となり好ましくな
い。
【0022】その後、反応生成物を重縮合反応させてポ
リマーとするが、該反応生成物に重縮合反応の主たる触
媒としてアンチモン化合物を添加する。なお、アンチモ
ン化合物は、エステル交換反応開始前に添加してもよ
い。ここで、該アンチモン化合物の量はアンチモン元素
量として酸成分106 g当り0.5〜2.0モルの範囲
にあることが必要である。この添加量が2.0モルを超
えると、長時間のフィルム成形を行った場合、アンチモ
ン化合物に起因する析出物がフィルム欠点となり好まし
くない。一方、この添加量が0.5モル未満となると、
重縮合反応性に劣り、生産性不良となり、実質的に好ま
しくない。
【0023】尚、本発明に用いるカルシウム化合物及び
マグネシウム化合物は、特に限定されないが、酸化物、
塩化物、炭酸塩、カルボン酸塩等が好ましく、特に酢酸
塩、即ち酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムが好まし
い。
【0024】また、リン化合物としてはトリメチルホス
フェート、トリエチルホスフェート、トリ―n―ブチル
ホスフェート、リン酸等が好ましく例示できる。さらに
好ましくはトリメチルホスフェートおよび正リン酸であ
るが、特に限定されるものではない。
【0025】さらにアンチモン化合物としては、酢酸ア
ンチモン、三酸化アンチモン等が好ましくし用いられる
が、特に限定されるものではない。
【0026】本発明におけるポリエチレンナフタレート
組成物をフィルムに成形する手段としては、公知の方法
を用いることができる。例えば融点(Tm:℃)ないし
(Tm+60)℃の温度でポリエチレンナフタレート組
成物を押し出して、固有粘度0.35〜0.9dl/g
の未延伸フイルムを得、該未延伸フイルムを一軸方向
(縦方向又は横方向)に(Tg−10)〜(Tg+7
0)℃の温度(但し、Tg:ポリエチレンナフタレート
のガラス転移温度)で2〜5倍の倍率で延伸し、次いで
上記延伸方向と直角方向(一段目延伸が縦方向の場合に
は、二段目延伸は横方向となる)にTg〜(Tg+7
0)℃の温度で2〜5倍の倍率で延伸することで製造出
来る。この場合、二軸延伸フィルムの厚みは写真感光材
料としての使用態様によって適宜選択できるが、25〜
250μm、更には40〜15μmが好ましい。
【0027】かくして得られるポリエチレンナフタレー
トフィルムは、触媒に起因するポリマー不溶物が極めて
少なく、優れた透明性、色相、熱安定性、表面平坦性お
よび巻ぐせカール解消性を有する写真感光材料用フィル
ムを提供することができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない範囲で実施例
に限定されるものではない。尚、実施例での「部」は重
量部を意味する。また実施例での各特性値の測定は下記
の方法による。
【0029】(1)熱安定性―1 窒素雰囲気中、310℃のもとでポリマーを溶融させ、
再溶融20分後のポリマー固有粘度より下記式を用いて
切断点を求め、ポリマーの熱安定性評価を行う。
【0030】
【数3】
【0031】(2)熱安定性―2、色相 窒素雰囲気中、310℃のもとでポリマーを溶融させ、
再溶融10分後、および20分後のポリマーをそれぞれ
200℃に加熱したSUS板上にて直径50mm、厚さ
2mmのプレートに成形し、2℃の水中にて急冷させ、
ミノルタ色彩色差計CR―100(CIE国際照明委員
会表色系L,a,b表記)によりポリマー色相を測定
し、下記判定基準により評価を行う。
【0032】(3)フィルムヘーズ(曇り度) JIS―K6714に準じ、日本精密光学社製、積分球
式HTRメーターにより、フイルムのヘーズを求める。 判断基準:○…ヘーズ2%以下で良好 △…ヘーズ2〜5% ×…ヘーズ5%以上で、用途が限定される
【0033】(4)カール回復率 フィルムサンプルを120mm×35mmにカットし、
直径10mmの巻芯に長手方向に巻いた後、80℃で2
時間処理した後巻芯から解放する。その後40℃の蒸留
水に15分間浸漬した後、サンプルを長手方向に垂直に
垂らし、5gの荷重下55℃の空気恒温槽で3分間乾燥
する。続いて荷重を除いて、フィルムの上端部と下端部
の距離(A:mm)を求める。
【0034】カール回復率を下記の式で表わす。
【0035】
【数4】
【0036】
【実施例1】2,6―ナフタレンジカルボン酸ジメチル
エステル100部とエチレングリコール60部とを、エ
ステル交換触媒として酢酸カルシウム1水塩0.014
部(カルシウム元素量0.8モル/酸成分106 g)及
び酢酸マグネシウム4水塩0.045部(マグネシウム
元素量2.1モル/酸成分106 g)を使用して、常法
に従ってエステル交換反応させた後、トリメチルフォス
フェート0.045部(リン元素量3.2モル/酸成分
106 g)を添加し、実質的にエステル交換反応を終了
させた。
【0037】更に三酸化アンチモン0.023部(アン
チモン元素量0.8モル/酸成分106 g)を添加後、
引き続き高温真空下で常法通り重縮合反応を行ない、固
有粘度(o―クロロフェノール、35℃)0.6dl/
gのポリエチレンナフタレート組成物を得た。このポリ
マーの特性を表1に示すが、熱安定性および色相とも良
好であった。
【0038】このポリエチレンナフタレート組成物のペ
レットを180℃で3時間乾燥後、押出ホッパーに供給
し、溶融温度280〜300℃で溶融し、この溶融ポリ
マーを1mmのスリット状ダイを通して表面温度20℃
の回転冷却ドラム上に押出し、未延伸フィルムを得た。
このようにして得られた未延伸フィルムを75℃にて予
熱し、更に低速、高速のロール間で15mm上方より9
00℃の表面温度のIRヒーター1本にて加熱して3.
0倍に延伸し、続いてステンターに供給し、135℃に
て横方向に3.3倍に延伸した。得られた二軸配向フィ
ルムを210℃の温度で5秒間熱固定し、厚み75μm
のポリエチレンナフタレートフィルムを得た。
【0039】得られたフィルムを100℃にて2日間熱
処理し、フィルム特性を測定したが、表1に示す通り良
好であった。
【0040】
【実施例2〜5】実施例1における触媒量および触媒比
率を表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様
に行ってポリマーおよびフィルムを得た。これらの各特
性は表1に示すとおり、いずれも良好であった。
【0041】
【実施例6】実施例1におけるトリメチルフォスフェー
トを正リン酸に変更する以外は、実施例1と同様に行っ
てポリマー及びフィルムを得た。このものの各特性は表
1に示すようにいずれも良好であった。
【0042】
【実施例7】フィルム走行性を向上させるべく、直径
0.3μmの真球状シリカを酸成分に対して、0.01
重量%添加する以外は実施例1と同様に行ってポリマー
およびフィルムを得た。このものの各特性は表1に示す
ようにいずれも要求特性の範囲内であり問題なかった。
【0043】
【比較例1】触媒比率[(Mg+Ca)/P]を1.9
とする以外は、実施例1と同様に行ったが、リン化合物
により失活されていないマグネシウム化合物およびカル
シウム化合物の活性により、ポリエチレンナフタレート
の熱安定性および色相が悪化し、またフィルムとした場
合の透明性も不良であった。
【0044】
【比較例2】触媒比率[(Mg+Ca)/P]を0.4
とする以外は、実施例1と同様に行ったが、過剰なリン
化合物により、ポリエチレンナフタレートの熱安定性お
よび色相が悪化し、またフィルムとした場合の透明性も
不良であった。
【0045】
【比較例3】触媒量(Mg+Ca)を5.0とする以外
は、実施例1と同様に行った。触媒比率[(Mg+C
a)/P]を1.0としているため、ポリエチレンナフ
タレートの熱安定性については問題ないが、過剰なマグ
ネシウム化合物およびカルシウム化合物により、フィル
ムとした場合の透明性が不良であった。
【0046】
【比較例4】触媒量(Mg+Ca)を2.0とする以外
は、実施例1と同様に行った。この場合、エステル交換
反応が不良となるため、重合工程においても固有粘度が
上昇せず、フィルムとした場合のカール回復性が損なわ
れ、写真感光材料用フィルムとしての要求特性を満足す
ることができなかった。
【0047】
【比較例5】触媒比率(Mg/Ca)を0.5とする以
外は、実施例1と同様に行ったが、過剰なカルシウム化
合物により、フィルムとした場合の透明性が不良であっ
た。
【0048】
【比較例6】触媒比率(Mg/Ca)を8.7とする以
外は、実施例1と同様に行ったが、過剰なマグネシウム
化合物により、フィルムとした場合の透明性が不良であ
った。
【0049】
【比較例7】三酸化アンチモン触媒量をSb元素量とし
て1.6モル/酸成分106 gとする以外は、実施例1
と同様に行ったが、過剰なアンチモンにより、ポリエチ
レンナフタレートの熱安定性および色相が悪化し、また
フィルムとした場合の透明性も不良であった。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、優れた透明性、熱安定
性、表面平坦性および巻ぐせカール解消性を兼備した写
真感光材料用フィルムを成形し得るポリエチレンナフタ
レート組成物を提供することができる。
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【数1】 2.6≦(Mg+Ca)≦4.0 …1.0 ≦(Mg/Ca)≦6.0 … 0.5≦(Mg+Ca)/P≦1.5 … 0.5≦Sb≦2.0 … (上記式中、Mgはマグネシウム元素の酸成分106
当たりのモル数、Caはカルシウム元素の酸成分106
g当たりのモル数、Pはリン元素の酸成分106g当た
りのモル数、Sbはアンチモン元素の酸成分106 g当
たりのモル数を示す。)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【数2】 2.6≦(Mg+Ca)≦4.0 …1.0 ≦(Mg/Ca)≦6.0 … 0.5≦(Mg+Ca)/P≦1.5 … 0.5≦Sb≦2.0 … (上記式中、Mgはマグネシウム元素の酸成分106
当たりのモル数、Caはカルシウム元素の酸成分106
g当たりのモル数、Pはリン元素の酸成分106g当た
りのモル数、Sbはアンチモン元素の酸成分106 g当
たりのモル数を示す。)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 1/76

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンナフタレート中に、マグネ
    シウム化合物、カルシウム化合物、リン化合物及びアン
    チモン化合物に由来するマグネシウム、カルシウム、リ
    ン及びアンチモンの元素を下記式〜を満足する割合
    で含有していることを特徴とする写真感光材料用ポリエ
    チレンナフタレート組成物。 【数1】 2.6≦(Mg+Ca)≦4.0 … 10≦(Mg/Ca)≦6.0 … 0.5≦(Mg+Ca)/P≦1.5 … 0.5≦Sb≦2.0 … (上記式中、Mgはマグネシウム元素の酸成分106
    当たりのモル数、Caはカルシウム元素の酸成分106
    g当たりのモル数、Pはリン元素の酸成分106g当た
    りのモル数、Sbはアンチモン元素の酸成分106 g当
    たりのモル数を示す。)
  2. 【請求項2】 ポリエチレンナフタレートがナフタレン
    ジカルボン酸の低級アルキルエステルとエチレングリコ
    ールとの反応で製造されたポリエチレンナフタレートで
    ある請求項1記載のポリエチレンナフタレート組成物。
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Cited By (3)

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