JPH0782388A - 自己接着性フィルム及びそれを用いた積層体 - Google Patents

自己接着性フィルム及びそれを用いた積層体

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JPH0782388A
JPH0782388A JP5217477A JP21747793A JPH0782388A JP H0782388 A JPH0782388 A JP H0782388A JP 5217477 A JP5217477 A JP 5217477A JP 21747793 A JP21747793 A JP 21747793A JP H0782388 A JPH0782388 A JP H0782388A
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JP
Japan
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self
oligomer
adhesive film
acrylic acid
monomer
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Application number
JP5217477A
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English (en)
Inventor
Sana Fujii
さな 藤井
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3M Co
Original Assignee
Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J133/00Adhesives based on homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides, or nitriles thereof; Adhesives based on derivatives of such polymers
    • C09J133/04Homopolymers or copolymers of esters
    • C09J133/06Homopolymers or copolymers of esters of esters containing only carbon, hydrogen and oxygen, the oxygen atom being present only as part of the carboxyl radical
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J4/00Adhesives based on organic non-macromolecular compounds having at least one polymerisable carbon-to-carbon unsaturated bond ; adhesives, based on monomers of macromolecular compounds of groups C09J183/00 - C09J183/16
    • C09J4/06Organic non-macromolecular compounds having at least one polymerisable carbon-to-carbon unsaturated bond in combination with a macromolecular compound other than an unsaturated polymer of groups C09J159/00 - C09J187/00

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 タックを持たず、架橋したフィルム同士を接
着して剥がしても凝集破壊を起こすことなく繰り返しの
使用が可能で、簡単な原料から作れる、自己接着性フィ
ルムを提供する。 【構成】 アクリル酸エステルのモノマーと相互反応性
官能基を分子内に有するアクリル酸エステルのオリゴマ
ーの共重合体からなるフィルム。前記モノマーをホモポ
リマーにしたときのTg>20℃、前記オリゴマーを形
成するアクリル酸エステルのホモポリマーのTg<−2
0℃、下記式で定義される共重合体のF値は2.8×1
-3〜3.7×10-3。F=W1 /(Tg1 +273.
2)+W2/(Tg2 +273.2)+……+Wn
(Tgn +273.2)〔W1 〜Wnは、モノマー及び
オリゴマーからなる第1〜n成分の各重量分率、Tg1
〜Tg n は、モノマー及びオリゴマーからなる第1〜n
成分の各Tg(℃)〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は(メタ)アクリル酸エス
テルモノマー及び相互反応性官能基を分子内に有する
(メタ)アクリル酸エステルのオリゴマーから製造さ
れ、表面タック性を実質的に有しない自己接着性フィル
ムに関する。ここで、自己接着性フィルムとは、同じフ
ィルム同士を接触、加圧することによって、高い接着力
が得られるフィルム状接着剤をいう。
【0002】
【従来の技術】従来、物と物とを固定したり、保持した
り、あるいは仮止めしたりする用途に、接着剤、粘着
剤、自己融着物質等が広く用いられている。これらは、
一般に強い表面タック性を有し、かかる表面タック性に
より、接着機能を発揮するものである。しかし、これら
の接着剤等は、強い表面タック性を得るため、一般に凝
集力を低下させる必要があり、結果として、一度接着し
た後に、剥がすような用途、いわゆる面ファスナー等の
再剥離の用途には、接着剤等が凝集破壊するため、適用
することができなかった。また、表面タック性を有する
がゆえに、表面にほこりやゴミが付着しやすく、そのた
め、接着力等が大きく変化して、この点からも再剥離の
用途には不適当であった。
【0003】以下、先行技術における接着剤を具体例を
挙げて説明する。特開平2−102282号公報には、
基材物質に粘着剤を塗ったものを自己接着性物質とした
ものを開示している。しかしこの粘着剤はタックを持つ
ため埃などを付着して汚染され易いという欠点を持って
いる。
【0004】特開平2−6578号公報は未架橋ゴムと
架橋ゴムを混合した自己融着性テープを開示している。
しかしこの自己融着性テープは同じテープ同士を接触さ
せて一定時間放置することによって一体化するため剥が
す際に凝集破壊を起こし、再度の使用は不可能である。
また充分な接着強度を得るまでに長時間を必要とする。
【0005】特開平1−138280号公報は、スチレ
ン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体に粘着付与
剤を加えたものを接着層とする自己接着テープを開示し
ている。この接着テープは塗膜面相互はわずかの圧力に
よって接着するが、他の多くの物品表面には、ステンレ
スのような平滑な表面にさえ、強い圧力を掛けても接着
しない。更に、この接着層は未架橋系のため溶剤によっ
て溶解してしまう。また、塗布の際に溶剤に溶解して塗
布した後、溶剤を蒸発させる必要があるため、接着層の
厚みをさほど厚くできなく、また環境汚染の問題もあ
る。
【0006】したがって、かかる用途には、ベルクロU
SA社から入手可能な、“ベルクロ”(商標)フック・
ループファスナーや、米国スリーエム社から入手可能な
“スコッチメイト”(商標)、“デュアルロック”(商
標)などのマッシュルーム型面ファスナー等の機械的フ
ァスナーのみが使用されていた。
【0007】そこで、かかる従来の問題を解決すべく、
特開平3−191903号公報(対応米国特許番号42
7448号)には、再剥離可能なファスナーに使用可能
な特定の高分子材料が開示されている。この高分子材料
は、少なくとも1つの硬質セグメント、少なくとも1つ
の軟質セグメント及び輻射線官能性付加重合可能な官能
基を有する架橋性オリゴマー樹脂、エチレン系不飽和単
量体並びに光開始剤からなる組成物である。この組成物
の光硬化物は、表面タック性を有さず、互いに同じフィ
ルム同士を接触、加圧することによって、高い接着力を
得ることができる。しかしながら、この光硬化物は、主
としてウレタン化合物を使用しているため、耐候(光)
性、耐水性に乏しく、更には、少なくとも3つの成分が
必要であり、均一分散、混合が比較的困難であり、接着
力のバラツキが大きいなどの問題が見られた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、表面
タック性を有しないため、埃などの汚染を受けにくく、
同じフィルム同士を接着した後、剥がしても凝集破壊を
起こすことなく、繰り返しの使用が可能であり、また、
簡単かつ安価な材料で、耐候(光)、耐水性に優れた自
己接着性フィルムを提供することにあり、更にはかかる
自己接着性フィルムを用いて作った接着性積層体を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも1
種の(メタ)アクリル酸エステルのモノマーと相互反応
性官能基を分子内に少なくとも1つ有する少なくとも1
種の(メタ)アクリル酸エステルのオリゴマーの共重合
体からなるフィルムであって、前記モノマーをホモポリ
マーにしたときのTg(ガラス転移点)(以下、モノマ
ーのTgという。)が20℃を越え、かつ前記オリゴマ
ーを形成する(メタ)アクリル酸エステルのホモポリマ
ーのTg(以下オリゴマーのTgという。)が−20℃
未満であり、更に、下記式で定義される共重合体のF値
が2.8×10-3〜3.7×10 -3である、表面タック
性を有しないか、又は殆ど有しない自己接着性フィルム
に関する。
【0010】F=W1 /(Tg1 +273.2)+W2
/(Tg2 +273.2)+……+Wn /(Tgn +2
73.2)
【0011】但し、ここにW1 〜Wn は、モノマー及び
オリゴマーからなる第1〜n成分の各重量分率であり、
Tg1 〜Tgn は、モノマー及びオリゴマーからなる第
1〜n成分の各Tg(℃)である。
【0012】前記モノマー(Tg>20℃)の(メタ)
アクリル酸エステルの例としては、アクリル酸−ter
t−ブチル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ジシ
クロペンタニル、アクリル酸−2−t−ブチルフェニ
ル、アクリル酸−2−ナフチル、アクリル酸メトキシフ
ェニル、アクリル酸−n−ヘキサデシル、アクリル酸ジ
シクロペンテニル、アクリル酸−2−メトキシカルボニ
ルフェニル、アクリル酸−2−エトキシカルボニルフェ
ニル、アクリル酸−2−クロロフェニル、アクリル酸−
p−トリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−i−ブ
チル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸シクロ
ヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−
ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロ
ピル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒ
ドロフルフリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル
酸イソボルニル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、メ
タクリル酸−2,2,3,3−テトラ−フロロプロピ
ル、メタクリル酸−2,2,3,4,4−ヘキサ−フロ
ロブチル、メタクリル酸パーフロロオクチルエチル、メ
タクリル酸ジシクロペンテニル、メタクリル酸フェノキ
シエチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸−i−プロピル、ジ(メタ)アクリル
酸ポリアルキレンCH2 =CHCOO(CH2 n OC
OCH=CH2 、ジ(メタ)アクリル酸ポリオキシアル
キレンCH2 =CHCOO((CH2 n O)m COC
H=CH2 、ジ(メタ)アクリル酸ビスフェノールA、
ジ(メタ)アクリル酸変性ビスフェノールA、トリ(メ
タ)アクリル酸トリメチロールプロパン、トリ(メタ)
アクリル酸変性トリメチロールプロパン、トリ(メタ)
アクリル酸ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0013】前記オリゴマー(Tg<−20℃)を形成
する(メタ)アクリル酸エステルの例としては、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−i
−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル
酸−n−オクチル、アクリル酸−n−デシル、アクリル
酸−n−ヘプチル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリ
ル酸フェノキシエチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸−i−オクチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸
ブトキシエチル、アクリル酸メトキシエチレングリコー
ル、アクリル酸−2−メトキシエチル、アクリル酸−3
−メトキシプロピル、アクリル酸−3−メトキシブチ
ル、アクリル酸−2−エトキシメチル、アクリル酸−3
−エトキシプロピル、アクリル酸イソデシル、メタクリ
ル酸ラウリル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリ
ル酸−n−デシル、メタクリル酸−n−ドデシル、メタ
クリル酸−n−トリデシル、メタクリル酸−n−ウンデ
シル等が挙げられる。この内でもアクリル酸エチルが、
入手の容易さ及びF値を上記範囲に収めるのに都合が良
いため好ましい。
【0014】前記オリゴマーの分子量は1000〜20
000が好ましい。この分子量が小さ過ぎると本発明の
フィルムの接着性が出にくくなる。一方、この分子量が
大き過ぎるとオリゴマーの粘度が高くなりハンドリング
が難しくなる。
【0015】前記相互反応性官能基の例としては、(メ
タ)アクリロイル基、アリル基、ビニル基、エポキシ
基、ヒドロキシル基を挙げることができる。
【0016】また、前記相互反応性官能基の数の範囲
は、オリゴマー中のアクリル酸エステル単位10以上、
好ましくは50以上に対して1個が適当であり、一方前
記アクリル酸エステル単位1000以下、好ましくは2
00以下に対して1個が好ましい。この官能基の数が少
な過ぎると前記モノマーとオリゴマーの共重合体はペー
スト状になり、フィルムを形成しない。一方この官能基
が多すぎると自己接着力がなくなってしまう。
【0017】前記モノマーのTgは20℃以上であるこ
とがこのましい。このモノマーのTgを20℃未満にす
ると、本発明自己接着性フィルムのタックが無いこと又
は殆ど無いことという要請を満たすことができない。一
方前記オリゴマーのTgは−20℃未満であることが好
ましい。このTgが−20℃以上であると、本発明自己
接着性フィルムの接着性が不充分となり、又このフィル
ムに可撓性を付与できにくくなる。前記オリゴマーのT
gを20℃より高くし、モノマーのTgを−20℃より
低くすることも考えられるが、この場合には、得られる
フィルムは自己接着性を持たない。
【0018】前記モノマー及びオリゴマーを含む混合物
から前記共重合体を作るには、これらを含む混合物に紫
外線や電子線等の活性エネルギー線を照射し、該混合物
を硬化させればよい。
【0019】前記混合物を紫外線を照射して硬化させる
場合は、この混合物に予め光重合開始剤を添加しておく
ことが好ましい。光重合開始剤の例としては、ベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾイン
−n−ブチルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p
−メチルベンゾフェノン、ジアセチル、エオシン、チオ
ニン、ミヒラーズケトン、アセトフェノン、2−クロロ
チオキサントン、アンスラキノン、クロロアンスラキノ
ン、2−メチルアンスラキノン、α−ヒドロキシイソブ
チルフェノン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソ
ブチルフェノン、α,α’−ジクロル−4−フェノキシ
アセトフェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシル
アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルア
セトフェノン、メチルベンゾインフォルメイト、2−メ
チル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モル
フォリノプロベン、ジクロルチオキサントン、ジイソプ
ロピルチオキサントン、フェニルジスルフィド−2−ニ
トロソフルオレン、ブチロイン、アニソインエチルエー
テル、アゾビスイソブチロニトリル、テトラメチルチウ
ラムジスルフィド等を挙げることができ、これらの1種
又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】光重合開始剤の使用量は、前記モノマー及
びオリゴマーの合計100重量部当たり、通常約0.1
〜5重量部程度とすることが好ましい。更に、前記光重
合開始剤による硬化反応を促進させる目的で光重合促進
剤を前記開始剤に併用することができ、その代表例とし
て、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、2−ジ
メチルアミノエタノール等の第三級アミン類、トリフェ
ニルホスフィンで代表されるアルキルフォスフィン類、
β−チオグリコールで代表されるチオール類等を挙げる
ことができる。
【0021】前記紫外線照射の照射源としては、例えば
水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセ
ノンランプ、カーボンアーク、メタルハライドランプ、
太陽光等を挙げることができる。紫外線を照射するとき
の雰囲気は、空気又は不活性気体であることが好まし
い。照射する雰囲気が空気であるときは、高圧水銀ラン
プを照射源として用いるのが好ましい。紫外線の照射強
度は0.1〜100mW/cm2 が好ましく、照射量は1
00〜20,000mJ/cm2 が好ましい。
【0022】前記電子線照射により硬化させる場合に用
いる電子線の加速器としては、例えばコッククロフト
型、コッククロフトワルトン型、共振変圧器型、変圧器
型、絶縁コア変圧器型、ダイナミトロン型、リニアフィ
ラメント型、ブロードビーム型、エリアビーム型、カソ
ード電子型、高周波型等が挙げられる。電子線照射の加
速電圧は100〜500kVが好ましく、照射量は10
〜1000kGyが好ましい。
【0023】前記F値は2.8×10-3〜3.7×10
-3である。この値が2.8×10-3よりも小さいとき
は、接着性が小さく好ましくない。一方この値が3.7
×10 -3よりも大きいと、タックがあり好ましくない。
【0024】本発明でいうタックの有無の基準はフィン
ガータックによるもので、これが実質的に無いものが本
発明の自己接着性フィルムの範囲に属するものである。
【0025】本発明の自己接着フィルムは厚みが20〜
5000μm であることが好ましい。これより薄過ぎる
と自己接着性が悪くなる。一方、これより厚すぎると硬
化性が悪い。又このフィルムは、表面平滑であってもよ
いが、2つの面を合わせて自己接着するときは相互には
まり合う表面凹凸を有していてもよい。この場合、凹凸
の高さは、10〜1000μm が好ましい。高さが10
μm 未満では接着力向上に乏しく、一方、1000μm
を越えるとフィルム相互のかん合が困難となるためであ
る。
【0026】更には、本発明の自己接着性フィルムは何
らかの基体に貼り付け積層して利用すると利用価値が増
大する。この基体としては、プラスチック、ガラス、金
属等の板、テープ又はそれ以外の何らかの形状を有する
成形体を用いうる。
【0027】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明の範
囲はこれらによって限定されるものではない。以下の例
において、「部」とは特に断らない限り重量部を表す。
【0028】(例1) (1)アクリル酸エステルオリゴマーの合成:アクリル
酸エチル250g、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル
5.8g、1−オクタンチオール0.4gをメチルエチ
ルケトン1L中にて窒素気流下で還流させ(約80
℃)、ここにアゾビスイソブチロニロリル0.8gをメ
チルエチルケトンに溶かしたものを滴下し、攪拌還流を
6時間続けて重合した。加熱、窒素導入を止め、室温ま
で冷却した後ピリジン4.8gを加えて攪拌し、そこに
アクリル酸クロリド5.4gをメチルエチルケトンに溶
かしたものを滴下して3時間攪拌した。生じたピリジニ
ウムクロリドの白色沈殿を吸引ろ過によって除去し、メ
チルエチルケトンを減圧除去することによってアクリロ
イル基を含むオリゴマーを得た。
【0029】(2)UV照射によるフィルム作成:
(1)で合成したアクリル酸エチルオリゴマー50部、
アクリル酸イソボルニル50部、光開始剤(メルク社
製,商品名ダロキュア1173(以下「D1173」と
記す)1部の混合物を厚さ100μm のPET(ポリエ
チレンテレフタレート)フィルムに挟み、ナイフコータ
ーを用いてフィルム厚さ300μm になるように制御し
た後、UV照射(Ushio社製UVL−N高圧水銀ラ
ンプ,積分強度:900mJ/cm2 ,ORC社製UV−
350で測定)によって硬化させフィルムとした。
【0030】(3)0度ピール力の測定:厚み1mmのア
クリル板の上にシアノアクリレート系接着剤を塗布し、
その上に(2)で作成したフィルムの片面のPETフィ
ルムを剥がしたものを接着した。この積層サンプルを1
cm四方に切り出し、厚み2mmのアクリル板の把手を接着
して図1のような把手付きサンプルを作成した。図1に
おいて、1は把手、2はアクリル板、3は接着剤、4は
自己接着性フィルム、5はPETフィルムである。測定
は図1のサンプル2つのPETフィルムを取り去った後
の自己接着フィルム面同士を接触させ、1分間500g
の荷重をかけた後テンシロン100により、把手を挟ん
で接着面と垂直方向に引っ張り、剥がれた際にかかった
力を測定する。この力を0度ピール力と呼ぶことにす
る。
【0031】(2)で得られたアクリル酸エステルオリ
ゴマー50部、アクリル酸イソボルニル50部、D11
73 1部から得られたフィルムを自己接着層とした場
合の0度ピール力は8.7kgf/cm2 であった(5つ
の測定結果の平均値)。
【0032】(例2〜8)反応性希釈剤として種々のア
クリル酸エステルモノマーを用いた他は例1と同様の実
験を行った。これらの場合のモノマーのTg、F値、タ
ックの有無及び0度ピール力(kgf/cm2 )を表1に
示す。尚、タックの有無は、裸にした自己接着性フィル
ムに手で触ったときにべたつきの有無で判断した。
【0033】 〔表1〕例No. モノマー1) Tg(℃) F値 タック性2) 0度ピール 2 EHA −50 4.26×10-3 有 − 3 EA −24 4.02×10-3 有 2.8 4 BzA 6 3.80×10-3 有 2.3 5 tBA 43 3.58×10-3 無 7.4 6 IBA 94 3.37×10-3 無 8.7 7 DCPA 120 3.28×10-3 無 7.8 8 HDDA 120 3.28×10-3 無 2.8 1)EHA:2−エチルヘキシルアクリレート EA:エチルアクリレート BzA:ベンジルアクリレート tBA:t−ブチルアクリレート IBA:イソボロニルアクリレート DCPA:ジシクロペンタニルアクリレート HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 2)有:指で触ってべたつきがある。 無:指で触ってべたつきがない。
【0034】(例9〜19)オリゴマーとして例1
(1)で合成したアクリル酸エチルオリゴマーを用い、
反応性希釈剤としてDCPAを用いて組成比を変え、U
V硬化の際のPETフィルムとして厚さ50μm のもの
を用いる他は、例1と同様な実験を行った。尚、タック
性の有無は、裸にした自己接着性フィルムに手で触った
ときのべたつきの有無で判断した。その結果を表2に示
す。
【0035】 〔表2〕例No. X/Y F値 タック性 0度ピール 9 100/0 4.02×10-3 有 2.0 10 90/10 3.88×10-3 有 2.4 11 80/20 3.72×10-3 有 3.4 12 70/30 3.57×10-3 無 4.3 13 60/40 3.42×10-3 無 4.8 14 50/50 3.28×10-3 無 5.1 15 40/60 3.13×10-3 無 4.8 16 30/70 2.99×10-3 無 3.9 17 20/80 2.84×10-3 無 1.9 18 10/90 2.69×10-3 無 0 19 100/0 2.54×10-3 無 0 注)オリゴマー/DCPA/D1173=X/Y/1,
(X+Y=100) 0度ピールの単位:kgf/cm2
【0036】表2の結果をグラフ上にプロットしたもの
を図2に示す。0度ピール力はある組成比をピークにす
る分布を持つことが分かる。
【0037】(例21〜25)オリゴマーとして例1
(1)で合成したアクリル酸エチルオリゴマーを用い、
反応性希釈剤としてIBAを用いて自己接着性フィルム
の厚さを変えたときの0度ピール力(例1と同様にして
測定した)を、図3に示す(フィルム厚さ:25μm
(例21)、50μm (例22)、100μm (例2
3)、200μm (例24)、300μm (例2
5))。この図より、フィルム厚さが200μm 程度ま
では厚くなる程自己接着力が大きくなり、それ以上厚く
なっても殆ど変化が無いことが分かる。
【0038】(例26)例1(1)で合成したアクリル
酸エチルオリゴマー50部、アクリル酸イソボルニル5
0部の混合物を100μm PETフィルムに挟み、ナイ
フコーターを用いてフィルム厚さ300μm になるよう
に制御した後、EB照射(EB加速器:日新ハイボルテ
ージ社製エリアビーム型電子線照射装置、窒素雰囲気
下、加速電圧300kV、電子電流30mA、照射線量
100kGy)によって硬化させ、フィルムとした。例
1と同様にして把手付きサンプルを作成し、0度ピール
力を測定したところ、5.5kgf/cm2 であった。
【0039】(例27)例1で作ったものと同じ把手付
きサンプルを、PETフィルムを剥がして室内に1週間
放置した後、例1と同様にして0度ピール力を測定した
ところ、8.6kgf/cm2 であった。これは、例1の
結果とほぼ同じであり、本発明の自己接着性フィルムが
埃等の影響を受けにくいことを示している。
【0040】(例28)例1で作成した把手付きサンプ
ルについて、自己接着性フィルム面同士を例1の方法に
従って接着した後一旦剥がし、再度同じ方法で接着し、
0度ピール力を測定したところ、8.6kgf/cm2
あった。これは、例1の結果とほぼ同じであり、本発明
の自己接着性フィルムは繰り返しの接着が可能であるこ
とを示している。
【0041】
【発明の効果】本発明は、タックを持たないため埃など
の汚染を受けにくく、更には架橋したフィルム同士を接
着して剥がしても凝集破壊を起こすことなく繰り返しの
使用が可能で、簡単かつ安価な原料から作れる、耐候
(光)性、耐水性に優れた自己接着性フィルムを提供す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】例1で得た本発明の自己接着剤を有する把手付
きサンプルの斜視図。
【図2】本発明自己接着剤フィルムのオリゴマーとモノ
マーの組成に対応する自己接着力(0度ピール力)の変
化を示すグラフ。
【図3】本発明自己接着剤フィルムのフィルム厚さに対
応する自己接着力(0度ピール力)の変化を示すグラ
フ。
【符号の説明】
1…把手 2…アクリル板 3…接着剤 4…自己接着フィルム 5…PETフィルム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エ
    ステルのモノマーと相互反応性官能基を分子内に少なく
    とも1つ有する少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エ
    ステルのオリゴマーの共重合体からなるフィルムであっ
    て、前記モノマーをホモポリマーにしたときのTg(ガ
    ラス転移点)が20℃を越え、かつ前記オリゴマーを形
    成する(メタ)アクリル酸エステルのホモポリマーのT
    gが−20℃未満であり、更に、下記式で定義される共
    重合体のF値が2.8×10-3〜3.7×10-3であ
    る、表面タック性を実質的に有しない自己接着性フィル
    ム。 F=W1 /(Tg1 +273.2)+W2 /(Tg2
    273.2)+……+Wn /(Tgn +273.2) 但し、ここにW1 〜Wn は、モノマー及びオリゴマーか
    らなる第1〜n成分の各重量分率であり、Tg1 〜Tg
    n は、モノマー及びオリゴマーからなる第1〜n成分の
    各Tg(℃)である。
  2. 【請求項2】 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合
    体が前記(メタ)アクリル酸エステルのモノマー及びオ
    リゴマーを電子線重合させたもの、又は前記モノマー及
    びオリゴマーの合計量100重量部に対して光重合開始
    剤0.1〜5重量部添加して光重合させたものである請
    求項1の自己接着性フィルム。
  3. 【請求項3】 前記(メタ)アクリル酸エステルのオリ
    ゴマーの数平均分子量が1000〜20000である請
    求項1又は2の自己接着性フィルム。
  4. 【請求項4】 前記(メタ)アクリル酸エステルのオリ
    ゴマーがアクリル酸エチルから形成されたものである請
    求項1、2又は3の自己接着性フィルム。
  5. 【請求項5】 前記フィルムの厚さが20〜5000μ
    m である請求項1、2、3又は4の自己接着性フィル
    ム。
  6. 【請求項6】 前記フィルムの表面に、高さ10〜10
    00μm の凹凸を有する請求項1〜5のいずれか1項の
    自己接着性フィルム。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項の自己接着
    性フィルムが基体に積層されている積層体。
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