JPH0781336B2 - ユニット式建物の耐火構造 - Google Patents

ユニット式建物の耐火構造

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JPH0781336B2
JPH0781336B2 JP21010492A JP21010492A JPH0781336B2 JP H0781336 B2 JPH0781336 B2 JP H0781336B2 JP 21010492 A JP21010492 A JP 21010492A JP 21010492 A JP21010492 A JP 21010492A JP H0781336 B2 JPH0781336 B2 JP H0781336B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ユニット式建物の骨組
みを耐火被覆するための構造に関する。
【0002】
【背景技術】複数の建物ユニットを組み合わせることに
より建てられるユニット式建物が一定高さを越える場合
や共同住宅等の用途に供される場合には、法律上、ユニ
ット式建物の骨組みを耐火被覆材で被覆し、耐火構造と
しなければならない。ユニット式建物の骨組みを耐火被
覆材で被覆する従来の構造は、特公昭51−14806
号、特開昭64−39447号等に示されている。これ
らの従来の耐火構造では、耐火被覆材はケイカル(珪酸
カルシウム)板等の硬質面材からなり、この硬質面材製
の耐火被覆材をユニット式建物の骨組みである梁、柱等
の外面に取り付けていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ユニット式建物には、
例えば耐火性床材と耐火性床材との間、耐火性床材と耐
火性外壁材との間のように、耐火性材料間に隙間が生
じ、この隙間からユニット式建物の骨組みが露出する箇
所がある。この箇所の骨組みにも耐火被覆材を被覆し、
骨組みを耐火構造としなければならないが、そのため
に、従来のケイカル板等の硬質面材を使用して骨組みを
耐火被覆するためには、硬質面材を耐火性材料間の前記
隙間と正確に一致した幅寸法に切断してこの隙間に挿入
しなければならず、この隙間の幅寸法は必ずしも設計値
通りにはなっていないため、骨組みを耐火構造とするた
めの作業に多くの手間と時間がかかり、作業性の点で問
題が生ずる。
【0004】本発明の目的は、ユニット式建物の耐火性
材料間の隙間から露出するユニット式建物の骨組みを耐
火被覆するための作業を容易に行なえるようになるユニ
ット式建物の耐火構造を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ユニット式建
物の耐火性材料間の隙間から露出するユニット式建物の
骨組みに耐火被覆材を被覆するユニット式建物の耐火構
造であって、耐火被覆材として柔軟性を有する材料を使
用し、前記隙間の幅寸法より大きい自然幅寸法を有する
この耐火被覆材を圧縮して前記隙間に挿入したことを特
徴とするものである。
【0006】以上において、柔軟性を有する耐火被覆材
は、例えばロックウール、セラミックファイバ等によっ
て構成されているものである。
【0007】また、前記耐火性材料間の隙間とは、例え
ば耐火性床材と耐火性床材との間の隙間、耐火性床材と
耐火性外壁材との間の隙間等である。
【0008】
【作用】耐火被覆材は柔軟性を有するため、自然幅寸法
が耐火性材料間の隙間の幅寸法よりも大きくされた耐火
被覆材を幅方向に圧縮すると、この耐火被覆材は隙間の
幅寸法よりも小さくなり、この後、耐火被覆材を隙間に
挿入して骨組みに被覆し、幅方向の圧縮力を解除する
と、耐火被覆材はその弾性復元力によって幅方向に拡張
し、幅方向端部が耐火性材料に密接することになり、こ
れにより、骨組みが耐火被覆される。
【0009】
【実施例】以下に本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1は本実施例に係る耐火構造が適用され
たバルコニ付きユニット式建物を示す。このユニット式
建物は、居住スペースを形成する建物ユニット1〜4
と、屋根を形成するルーフユニット5〜7とを組み合わ
せることにより構成され、図面では、ユニット式建物は
2階建てに示されているが、3階建て以上でもよい。
【0010】建物ユニット1〜4の骨組みは、四隅の4
本の柱の上下端を各4本の下梁、上梁で連結することに
より直方体状に形成され、これらの柱、下梁、上梁のう
ち、図面では、建物ユニット1の柱8,9、下梁10,1
1、上梁12,13、建物ユニット2の柱14、下梁15、上梁1
6、建物ユニット3の柱17,18、下梁19,20、上梁21,2
2、建物ユニット4の柱23、下梁24、上梁25が示されて
いる。これらは建物ユニット1〜4の骨組みになってい
るとともに、ユニット式建物の骨組みにもなっている。
ルーフユニット5〜7は、四角枠状に組まれた4本の梁
の上部に下地材を介して屋根材を取り付けたものであ
り、図面では、ルーフユニット5の梁26,27、下地材2
8、屋根材29、ルーフユニット6の梁30,31、下地材3
2、屋根材33、ルーフユニット7の梁34、下地材35、屋
根材36が示されている。梁26,27,30,31,34は、ルー
フユニット5〜7の骨組みになっているとともに、ユニ
ット式建物の骨組みにもなっている。また、屋根材29,
33,36はセメント板からなり、耐火性を有する。
【0011】建物ユニット1の上梁12,13、建物ユニッ
ト2の上梁16、建物ユニット3の上梁21,22、建物ユニ
ット4の上梁25には、小梁37〜40が水平に架け渡され、
これらの小梁37〜40の下面には天井材41〜44が取り付け
られている。また、建物ユニット1の下梁10,11、建物
ユニット2の下梁15、建物ユニット3の下梁19,20、建
物ユニット4の下梁24には床材45〜48が水平に架け渡さ
れているとともに、建物ユニット1,3の外面には外壁
材49,50が垂直に取り付けられ、これらの床材45〜48、
外壁材49,50は軽量気泡コンクリート(ALC)による
大面積の面材からなり、従って、これらは耐火性材料と
なっている。
【0012】建物ユニット3の下梁19には、ブラケット
51が取り付けられ、このブラケット51にバルコニ床材52
の一端が結合され、バルコニ床材52の他端は、ルーフユ
ニット5の梁26を上端で支持する支柱53にブラケット54
を介して結合されている。
【0013】建物ユニット1の下梁10は耐火被覆材55で
被覆され、また、建物ユニット1の下梁11と建物ユニッ
ト2の下梁15は耐火被覆材56で、建物ユニット1の上梁
12と建物ユニット3の下梁19は耐火被覆材57,58で、建
物ユニット1の上梁13と建物ユニット3の下梁20と建物
ユニット2の上梁16と建物ユニット4の下梁24は耐火被
覆材59,60で、ルーフユニット5の梁27と建物ユニット
3の上梁21とルーフユニット6の梁30は耐火被覆材61,
62で、建物ユニット3の上梁22と建物ユニット4の上梁
25とルーフユニット6の梁31とルーフユニット7の梁34
は耐火被覆材63でそれぞれ被覆されており、ユニット式
建物の骨組みを形成しているこれらは耐火構造となって
いる。
【0014】以上の耐火被覆材55〜63は柔軟性を有し、
これらは例えばフレックスガード(商品名、ニチアス株
式会社製)からなり、順にロックウール、セラミックフ
ァイバ、不織布が積層された複合材料となっており、か
つ、その表面に亀甲金網が設けられている。
【0015】図2,図3は図1で示した耐火被覆材56の
被覆作業を示す拡大図である。隣り合う建物ユニット1
の下梁11と建物ユニット2の下梁15には当て部材64,65
が接合され、これらの当て部材64,65に設けられたブラ
ケット66,67に建物ユニット1の床材45、建物ユニット
2の床材46の各一端が載置固定されている。これらの床
材45,46の間には幅寸法がLの隙間S1 があり、この隙
間S1 から下梁11,15が露出している。
【0016】図2の通り、隙間S1 に挿入される前の耐
火被覆材56は幅寸法Lよりも大きい自然幅寸法L′を有
する。この耐火被覆材56を幅方向に圧縮変形させ、これ
により幅寸法をLよりも小さくしながら、耐火被覆材56
を隙間S1 に挿入する。この後、耐火被覆材56に加えて
いた幅方向圧縮力を解除すると、図3の通り、柔軟性を
有する耐火被覆材56はその弾性復元力によって幅方向に
拡張することになり、両端部が耐火性材料である床材4
5,46に密接する。
【0017】次いでワッシャ68A 付きのピン68を耐火被
覆材56の上から下梁11,15に打ち込み、このピン68によ
って耐火被覆材56を下梁11,15に固定する。これによ
り、床材45,46の間の隙間S1 から露出していた下梁1
1,15は耐火被覆材56で被覆されることになり、耐火構
造になる。
【0018】以上の実施例によれば、耐火性材料である
床材45,46の間の隙間S1 から露出するユニット式建物
の骨組みである下梁11,15を耐火被覆材56で被覆するこ
とができるとともに、この耐火被覆材56は圧縮可能な柔
軟性を有するため、耐火被覆材56を幅方向に圧縮するこ
とにより、隙間S1 に挿入することができ、隙間S1
幅寸法Lと正確に一致した幅寸法に耐火被覆材56を切断
形成する必要がなく、幅寸法Lよりも大きいラフな幅寸
法L′に切断形成すればよいため、下梁11,15の耐火被
覆作業を容易に行なえる。
【0019】図4は、図1で示した耐火被覆材58の部分
の拡大図である。建物ユニット3の床材47と外壁材50と
の間には隙間S2 があり、この隙間S2 から露出する建
物ユニット3の下梁19に耐火被覆材58が被覆されてい
る。この耐火被覆材58は、耐火被覆材56の場合と同様
に、本来、隙間S2 の幅寸法よりも大きい自然幅寸法を
有し、幅方向に圧縮されて隙間S2 に挿入され、ワッシ
ャ68A 付きのピン68で下梁19に固定されている。
【0020】なお、耐火被覆材56,58を下梁11,15,19
に固定するためには、下梁11,15,19に予め溶接でピン
を立設し、幅方向に圧縮された耐火被覆材56,58をこれ
らのピンに押し込んでピン先端を耐火被覆材56,58の表
面から突出させ、このピン先端にワッシャを挿入してか
ら先端を折り曲げるようにしてもよい。
【0021】図2,図3および図4で示した耐火構造と
同様な耐火構造は、図1で示した耐火被覆材60,55の箇
所においても施工されている。
【0022】以上説明した実施例は、耐火性床材45と46
との間の隙間S1 、耐火性床材47と耐火性外壁材50との
間の隙間S2 の場合であったが、本発明に係る耐火構造
はこれ以外の耐火性材料間の隙間についても実施でき、
例えば、二つの耐火性外壁材間の隙間にも適用可能であ
る。また、耐火被覆材で被覆されるユニット式建物の骨
組みは梁に限定されず、例えば柱でもよい。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、ユニット式建物の耐火
性材料間の隙間から露出するユニット式建物の骨組みに
被覆する耐火被覆材を柔軟性を有する材料としたため、
自然幅寸法が隙間の幅寸法よりも大きい耐火被覆材を幅
方向に圧縮することによってこの隙間に容易に挿入する
ことができ、耐火被覆材がケイカル板等の硬質面材であ
る場合と異なり、耐火被覆材の幅寸法を隙間の幅寸法と
正確に一致させる必要が無くなり、このため、耐火被覆
材の切断作業等が容易となり、耐火被覆材の被覆作業の
簡単化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る耐火構造が適用された
ユニット式建物を示す断面図である。
【図2】耐火被覆材による被覆前を示す図1の一部拡大
図である。
【図3】耐火被覆材による被覆後を示す図1の一部拡大
図である。
【図4】他の被覆箇所を示す図1の一部拡大図である。
【符号の説明】
1〜4 建物ユニット 5〜7 ルーフユニット 8,9,14,17,18,23 ユニット式建物の骨組みであ
る柱 10,11,15,19,20,24 ユニット式建物の骨組みであ
る下梁 12,13,16,21,22,25 ユニット式建物の骨組みであ
る上梁 45〜48 耐火性材料である床材 49,50 耐火性材料である外壁材 55〜63 耐火被覆材 S1 ,S2 隙間 L 幅寸法 L′ 自然幅寸法

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ユニット式建物の耐火性材料間の隙間か
    ら露出する前記ユニット式建物の骨組みに耐火被覆材を
    被覆するユニット式建物の耐火構造であって、前記耐火
    被覆材を柔軟性を有するものとし、前記隙間の幅寸法よ
    りも大きい自然幅寸法を有するこの耐火被覆材が圧縮さ
    れてこの隙間に挿入されていることを特徴とするユニッ
    ト式建物の耐火構造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001098662A (ja) * 1999-09-30 2001-04-10 Sekisui Chem Co Ltd ユニット建物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001098662A (ja) * 1999-09-30 2001-04-10 Sekisui Chem Co Ltd ユニット建物

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