JPH077960A - パルス幅変調制御方法およびパルス幅変調処理方法 - Google Patents

パルス幅変調制御方法およびパルス幅変調処理方法

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JPH077960A
JPH077960A JP6016624A JP1662494A JPH077960A JP H077960 A JPH077960 A JP H077960A JP 6016624 A JP6016624 A JP 6016624A JP 1662494 A JP1662494 A JP 1662494A JP H077960 A JPH077960 A JP H077960A
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JP
Japan
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voltage
output
time
command value
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Application number
JP6016624A
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English (en)
Inventor
Takahisa Maruyama
高央 丸山
Yoshinori Hatano
善範 波多野
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 相順が変わっても出力電流リップルが大きく
ならず、また電圧ベクトル指令値に対する出力電圧の誤
差を小さくでき、さらにスイッチングロスを低減できる
3相インバータのパルス幅変調制御方法を提供する。 【構成】 nサンプル目の電圧ベクトル指令値V
p(n)を入力する。次に、指令値Vp(n)に補正値Δ
pを加算して指令値Vpを得る。次に、3相インバータ
で出力可能な電圧ベクトルを平面上に表示して形成され
る三角形の中から指令値Vpの存在する三角形の頂点に
対応した電圧ベクトルを選択し、各電圧ベクトルの出力
時間を演算する。次に、ゼロ電圧ベクトル以外の電圧ベ
クトルの出力時間が全てゼロの場合はΔVp=Vpとし、
他の場合はΔVp=0とする。選択された電圧ベクトル
の出力順を相回転方向で決定する。Vpが存在する三角
形の1つの頂点に電圧ベクトルが複数存在するとき、ス
イッチング状態変化の最も少ない電圧ベクトルを選択す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、直流電力を交流電力
に変換する3相インバータ等に用いて好適なパルス幅変
調制御方法およびパルス幅変調処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図16は、3相3レベルインバータの1
相分を示す回路図である。なお、3レベルインバータは
中性点クランプ式インバータとも呼ばれる。図におい
て、1は直流電源(Ed)、2および3は直流電源1の
中性点出力を得るために正極Pと負極Nの間に直列接続
されたコンデンサ、S1〜S4は直流電源1の正極Pと
負極Nとの間に直列接続されたスイッチング素子(図で
はトランジスタ記号で示しているが、GTO、IGBT
等でもよい)である。
【0003】D1〜D4は、スイッチング素子S1〜S
4に逆並列に、すなわち高圧側にカソードが低圧側にア
ノードが接続されたダイオード、CD1はスイッチング
素子S1およびS2の接続点とコンデンサ2および3の
接続点(以下、「中性点」という)Oの間に接続された
ダイオード、CD2はスイッチング素子S3およびS4
の接続点と中性点Oの間に接続されたダイオードであ
る。なお、このインバータの出力点は、スイッチング素
子S2およびS3の接続点である。このインバータに
は、図17に示すように3種類のスイッチング状態が存
在し、それぞれのスイッチング状態に応じて3種類の電
圧を出力できる。この結果、図11のインバータ3組か
らなる3相インバータでは、通常の2レベルインバータ
と比較して、出力高調波を低減することができる。
【0004】図18は、3相3レベルインバータの回路
図を示している。図では、3相をそれぞれU,V,Wと
表わし、図16の例に対応する各相のダイオード、スイ
ッチング素子は、図18で付した符号にさらにU,V,
Wを付した符号をもって示している。3相3レベルイン
バータのスイッチング状態は、各相3種類のスイッチン
グ状態が存在するので、33=27種類存在する。
【0005】上述の3相インバータのパルス幅変調制御
方法は、ここ数年の研究課題であって様々な方法が研究
されている。これらのパルス幅変調制御方法の中には、
瞬時空間電圧ベクトル(以下、「電圧ベクトル」とい
う)の考え方を用いた方法がある。例えば、“CONTROL
OF THE NEUTRAL POINT OF A THREE-LEVEL-INVERTER”,
H.L.Klaver,EPE'91 Conference Record Vol.3 P.278-2
81 に一例が示されている。図19に、3レベルインバ
ータで出力できる電圧ベクトルを示している。図中の
「−」,「0」,「+」は、各相のスイッチング状態を
表わしている。「−」は出力電圧が負極Nの電位、
「0」は出力電圧が中性点Oの電位、「+」は出力電圧
が正極Pの電位となるスイッチング状態にそれぞれ対応
している。
【0006】上述したように27種類のスイッチング状
態に対応した電圧ベクトルがあるが、そのうち図19の
内側の六角形の頂点にはそれぞれ2つの電圧ベクトル
が、また原点には3つのベクトルが重なる。原点の電圧
ベクトルをゼロ電圧ベクトルと呼ぶ。上述した文献に
は、電圧ベクトル指令値E(文献ではEの代わりにUの
アンダーバーで示している)が与えられるとき、Eが存
在する三角形の頂点に対応する電圧ベクトル、例えば図
20では頂点A,B,Oに対応する電圧ベクトルを合成
することで平均的に電圧ベクトル指令値Eを得ることを
示している。
【0007】具体的には、サンプル時間をtpとし、そ
れぞれの頂点に対応した電圧ベクトルの出力時間(離散
系)をtA,tB,tOとすると、以下の(1)式でもって、
サンプル時間tpをtA,tB,tOに分割して、それぞれ
の時間、電圧ベクトル(頂点Aに対応した電圧ベクトル
をEA、頂点Bに対応した電圧ベクトルをEB、頂点Oに
対応した電圧ベクトルをEO)を出力すれば、電圧ベク
トル指令値Eを合成できる。
【0008】 E=(tA・EA+tB・EB)/tpO=tp−tA−tB ・・・・(1) tA=2√3・(|E|/Ec-nom)sin(60°-τ)・tpB=2√3・(|E|/Ec-nom)sin(τ)・tp
【0009】このようにサンプル時間毎に電圧ベクトル
指令値Eが存在する三角形の頂点に対応した電圧ベクト
ルE、E、Eを用いて、それぞれの電圧ベクトル
、E、Eの出力時間を決定して、平均的に電圧
を制御するパルス幅変調制御方法は、周知である。しか
し、三角形の頂点に対応した3つの電圧ベクトルの出力
順や、1つの頂点に2つまたは3つの電圧ベクトルが重
なって存在するとき、どの電圧ベクトルを選択するかに
ついては自由度があり、この点に関しても様々な方法が
提案されている。
【0010】また、一般に、パルス幅変調方式は、搬送
波と信号波の関係に着目すると、「半導体電力変換回
路」(電気学会半導体電力変換方式調査専門委員会編)
第108頁〜第112頁に記載されているように、非同
期形と同期形に分類されることは周知である。非同期形
は、さらに、搬送波周波数が一定の場合と可変の場合に
分類できる。搬送波周波数が可変の場合は、図21に示
すように、信号波周波数ω0に対して搬送波周波数ωS
変更する。
【0011】また、パルス幅変調制御(処理)をマイク
ロコンピュータやディジタルシグナルプロセッサ(DS
P)等を用いてソフトウエア処理で実現する場合には、
出力可能な最小時間tminが存在するが、この最小時間
minは、マイクロコンピュータ等の性能が良く、出力
可能な最小時間を十分小さくすることができたとして
も、実際にパルス幅変調制御によりスイッチングする半
導体素子の最小オン、オフ時間に制限される。このとき
の最小時間tmin,,サンプル時間tpとサンプル時間t
pを最小時間tminで分割した値Nは図22のように表さ
れる。
【0012】また、電圧ベクトル指令値を出力するため
の各電圧ベクトルの出力時間の演算結果がt0,tA,t
Bであるとき、実際の出力時間t0′,tA′,tB′は図
23のようになる。この図23より演算による出力時間
0,tA,tBと実際の出力時間t0′,tA′,tB′に
は誤差がある。つまり、パルス幅変調方式に応じた演算
結果求まる電圧ベクトルの出力時間より半導体素子の最
小オン、オフ時間が長い場合、すなわち出力可能な最小
時間tminが長いときには、電圧ベクトル指令値と実際
に出力される電圧ベクトルの間に誤差が生じることが分
かる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の3相インバータ
のパルス幅変調制御方法は以上のように構成されている
ので、以下のような問題点があった。すなわち、インバ
ータの相順と電圧ベクトルの出力順は固定されていない
ため、相順が変わる場合に出力電流リップルが大きくな
る等の問題点があった。また、サンプル時間処理であっ
て各電圧ベクトルの出力時間が離散的になるため、電圧
ベクトル指令値が小さい場合を含めて指令通りの電圧が
出力できない等の問題点があった。また、三角形の1つ
の頂点に対応した電圧ベクトルが複数存在する場合、ス
イッチング状態変化が大きい電圧ベクトルを出力すると
きには、スイッチング素子のスイッチング回数が多くな
り、スイッチング素子で発生するスイッチングロスが大
きくなる等の問題点があった。
【0014】さらに、従来のパルス幅変調制御(処理)
では、スイッチング素子としての半導体素子の最小オ
ン、オフ時間が長い場合、すなわち出力可能な最小時間
minが長いときには、電圧ベクトル指令値と実際に出
力される電圧ベクトルの間に誤差が生じるので、指令通
りのパルス幅変調が行えない等の問題点があった。
【0015】この発明はこのような問題点を解決するた
めになされたもので、相順が変わっても出力電流リップ
ルが大きくならず、また電圧ベクトル指令値に対する出
力電圧の誤差を小さくでき、さらにスイッチング素子で
発生するスイッチングロスを低減できるパルス幅変調制
御方法および電圧ベクトル指令値と実際の出力電圧ベク
トルの間の誤差が小さくして指令通りのパルス幅変調で
き、しかも、電圧ベクトル指令値あるいは変調率の小さ
い領域における出力電圧の分解能を向上できるをパルス
幅変調処理方法提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るパ
ルス幅変調制御方法は、所定のサンプル時間毎に電圧ベ
クトル指令値に基づき、3相インバータで出力可能な電
圧ベクトルを平面上に表示して形成される三角形の中か
ら電圧ベクトル指令値の存在する三角形の頂点に対応し
た3つの電圧ベクトルを選択し、これ等の3つの電圧ベ
クトルの出力時間を演算し、この演算結果に応じた電圧
ベクトル指令値に基づき、3相の相順に応じて3つの電
圧ベクトルの出力順を固定するようにしたものである。
【0017】請求項2の発明に係るパルス幅変調制御方
法は、所定のサンプル時間毎に電圧ベクトル指令値に基
づき、3相インバータで出力可能な電圧ベクトルを平面
上に表示して形成される三角形の中から電圧ベクトル指
令値の存在する三角形の頂点に対応した3つの電圧ベク
トルを選択し、これ等の3つの電圧ベクトルの出力時間
を演算し、この演算結果に応じた電圧ベクトル指令値に
基づいて、該電圧ベクトル指令値が小さくゼロ電圧ベク
トルだけ出力するときは、この電圧ベクトル指令値を電
圧ベクトル補正値とし、次のサンプル時間の電圧ベクト
ル指令値にこの電圧ベクトル補正値を加えて新たな電圧
ベクトル指令値とするようにしたものである。
【0018】請求項3の発明に係るパルス幅変調制御方
法は、所定のサンプル時間毎に電圧ベクトル指令値に基
づき、3相インバータで出力可能な電圧ベクトルを平面
上に表示して形成される三角形の中から電圧ベクトル指
令値の存在する三角形の頂点に対応した3つの電圧ベク
トルを選択し、これ等の3つの電圧ベクトルの出力時間
を演算し、この演算結果に応じた電圧ベクトル指令値に
基づいて、該電圧ベクトル指令値の存在する三角形の頂
点に対応した電圧ベクトルが複数存在する場合には、直
前に出力する電圧ベクトルからスイッチング状態変化の
最も少ない電圧ベクトルを選択するようにしたものであ
る。
【0019】請求項4の発明に係るパルス幅変調制御方
法は、所定のサンプル時間毎に電圧ベクトル指令値に基
づき、3相インバータで出力可能な電圧ベクトルを平面
上に表示して形成される三角形の中から電圧ベクトル指
令値の存在する三角形の頂点に対応した3つの電圧ベク
トルを選択し、これ等の3つの電圧ベクトルの出力時間
を演算し、この演算結果に応じた電圧ベクトル指令値に
基づいて、該電圧ベクトル指令値が小さくゼロ電圧ベク
トルだけ出力するときは、この電圧ベクトル指令値を電
圧ベクトル補正値とし、次のサンプル時間の電圧ベクト
ル指令値にこの電圧ベクトル補正値を加えて新たな電圧
ベクトル指令値とし、この新たな電圧ベクトル指令値に
基づき、3相の相順に応じて上記3つの電圧ベクトルの
出力順を固定するようにしたものである。
【0020】請求項5の発明に係るパルス幅変調制御方
法は、所定のサンプル時間毎に電圧ベクトル指令値に基
づき、3相インバータで出力可能な電圧ベクトルを平面
上に表示して形成される三角形の中から電圧ベクトル指
令値の存在する三角形の頂点に対応した3つの電圧ベク
トルを選択し、これ等の3つの電圧ベクトルの出力時間
を演算し、この演算結果に応じた電圧ベクトル指令値に
基づき、3相の相順に応じて3つの電圧ベクトルの出力
順を決定し、電圧ベクトル指令値の存在する三角形の頂
点に対応した電圧ベクトルが複数存在する場合には、直
前に出力する電圧ベクトルからスイッチング状態変化の
最も少ない電圧ベクトルを選択するようにしたものであ
る。
【0021】請求項6の発明に係るパルス幅変調制御方
法は、所定のサンプル時間毎に電圧ベクトル指令値に基
づき、3相インバータで出力可能な電圧ベクトルを平面
上に表示して形成される三角形の中から電圧ベクトル指
令値の存在する三角形の頂点に対応した3つの電圧ベク
トルを選択し、これ等の3つの電圧ベクトルの出力時間
を演算し、この演算結果に応じた電圧ベクトル指令値に
基づいて、該電圧ベクトル指令値が小さくゼロ電圧ベク
トルだけ出力するときは、この電圧ベクトル指令値を電
圧ベクトル補正値とし、次のサンプル時間の電圧ベクト
ル指令値にこの電圧ベクトル補正値を加えて新たな電圧
ベクトル指令値とし、この新たな電圧ベクトル指令値に
基づいて、該電圧ベクトル指令値の存在する三角形の頂
点に対応した電圧ベクトルが複数存在する場合には、直
前に出力する電圧ベクトルからスイッチング状態変化の
最も少ない電圧ベクトルを選択するようにしたものであ
る。
【0022】請求項7の発明に係るパルス幅変調制御方
法は、所定のサンプル時間毎に電圧ベクトル指令値に基
づき、3相インバータで出力可能な電圧ベクトルを平面
上に表示して形成される三角形の中から電圧ベクトル指
令値の存在する三角形の頂点に対応した3つの電圧ベク
トルを選択し、これ等の3つの電圧ベクトルの出力時間
を演算し、この演算結果に応じた電圧ベクトル指令値に
基づいて、該電圧ベクトル指令値が小さくゼロ電圧ベク
トルだけ出力するときは、この電圧ベクトル指令値を電
圧ベクトル補正値とし、次のサンプル時間の電圧ベクト
ル指令値にこの電圧ベクトル補正値を加えて新たな電圧
ベクトル指令値とし、この新たな電圧ベクトル指令値に
基づき、3相の相順に応じて上記3つの電圧ベクトルの
出力順を決定し、新たな電圧ベクトル指令値の存在する
三角形の頂点に対応した電圧ベクトルが複数存在する場
合には、直前に出力する電圧ベクトルからスイッチング
状態変化の最も少ない電圧ベクトルを選択するようにし
たものである。
【0023】請求項8の発明に係るパルス幅変調制御方
法は、所定のサンプル時間毎に電圧ベクトル指令値に基
づき、3相インバータで出力可能な電圧ベクトルを平面
上に表示して形成される三角形の中から電圧ベクトル指
令値の存在する三角形の頂点に対応した3つの電圧ベク
トルを選択し、これ等の3つの電圧ベクトルの出力時間
を演算し、この演算結果に応じた電圧ベクトル指令値に
基づいて、該電圧ベクトル指令値から上記選択された電
圧ベクトルとそれぞれの電圧ベクトルの出力時間とより
演算によって求まる実際に出力する電圧ベクトルを減算
することによって電圧ベクトル補正値を求め、この電圧
ベクトル補正値を次のサンプル時間に電圧ベクトル指令
値に加え合わせて電圧ベクトル指令値を補正するように
したものである。
【0024】請求項9の発明に係るパルス幅変調制御方
法は、所定のサンプル時間毎に電圧ベクトル指令値に基
づき、多相インバータで出力可能な電圧ベクトルを平面
上に表示して形成される三角形の中から電圧ベクトル指
令値の存在する三角形の頂点に対応した3つの電圧ベク
トルを選択し、これ等の3つの電圧ベクトルの出力時間
を演算し、この演算結果に応じた電圧ベクトル指令値に
基づき、多相の相順に応じて上記3つの電圧ベクトルの
出力順を固定するようにしたものである。
【0025】請求項10の発明に係るパルス幅変調処理
方法は、所定のパルス幅変調方式に応じて電力変換回路
で出力可能な電圧ベクトルの出力時間を演算し、パルス
幅変調方式が同期形のときは、演算した電圧ベクトルの
出力時間が電力変換回路を構成するスイッチング素子の
最小オンオフ時間より短い場合は電圧ベクトルの出力時
間として最小オンオフ時間を用い、電圧ベクトルの出力
時間が最小オンオフ時間より長い場合は電圧ベクトルの
出力時間を演算処理可能な最小の時間分解能で離散化す
るようにしたものである。
【0026】請求項11の発明に係るパルス幅変調処理
方法は、所定のパルス幅変調方式に応じて電力変換回路
で出力可能な電圧ベクトルの出力時間を演算し、パルス
幅変調方式が非同期形のときは、演算した電圧ベクトル
の出力時間が電力変換回路を構成するスイッチング素子
の最小オンオフ時間より短い場合は電圧ベクトルの出力
時間として最小オンオフ時間を用い、電圧ベクトルの出
力時間が最小オンオフ時間より長い場合は電圧ベクトル
の出力時間を演算処理可能な最小の時間分解能で離散化
するか、または電圧ベクトル指令値に対するサンプル時
間を電圧ベクトル指令値あるいは変調率に応じて変更す
るかの少なくとも一方を実行するようにしたものであ
る。
【0027】請求項12の発明に係るパルス幅変調処理
方法は、所定のパルス幅変調方式に応じて電力変換回路
で出力可能な電圧ベクトルの出力時間を演算し、パルス
幅変調方式として同期形と非同期形のパルス幅変調方式
を併用するとき、同期形のパルス幅変調方式使用時に
は、演算した電圧ベクトルの出力時間が電力変換回路を
構成するスイッチング素子の最小オンオフ時間より短い
場合は電圧ベクトルの出力時間として最小オンオフ時間
を用い、電圧ベクトルの出力時間が最小オンオフ時間よ
り長い場合は電圧ベクトルの出力時間を演算処理可能な
最小の時間分解能で離散化し、非同期形のパルス幅変調
方式使用時には、演算した電圧ベクトルの出力時間が電
力変換回路を構成するスイッチング素子の最小オンオフ
時間より短い場合は電圧ベクトルの出力時間として最小
オンオフ時間を用い、電圧ベクトルの出力時間が最小オ
ンオフ時間より長い場合は電圧ベクトルの出力時間を演
算処理可能な最小の時間分解能で離散化するか、または
電圧ベクトル指令値に対するサンプル時間を電圧ベクト
ル指令値または変調率に応じて変更するかの少なくとも
一方を実行するようにしたものである。
【0028】請求項13の発明に係るパルス幅変調処理
方法は、所定のパルス幅変調方式に応じて電力変換回路
で出力可能な電圧の出力時間を演算し、パルス幅変調方
式が同期形のときは、演算した電圧の出力時間が電力変
換回路を構成するスイッチング素子の最小オンオフ時間
より短い場合は電圧の出力時間として最小オンオフ時間
を用い、電圧の出力時間が最小オンオフ時間より長い場
合は電圧の出力時間を演算処理可能な最小の時間分解能
で離散化するようにしたものである。
【0029】請求項14の発明に係るパルス幅変調処理
方法は、所定のパルス幅変調方式に応じて電力変換回路
で出力可能な電圧の出力時間を演算し、パルス幅変調方
式が非同期形のときは、演算した電圧の出力時間が電力
変換回路を構成するスイッチング素子の最小オンオフ時
間より短い場合は電圧の出力時間として最小オンオフ時
間を用い、電圧の出力時間が最小オンオフ時間より長い
場合は電圧の出力時間を演算処理可能な最小の時間分解
能で離散化するか、または電圧指令値に対するサンプル
時間を電圧指令値あるいは変調率に応じて変更するかの
少なくとも一方を実行するようにしたものである。
【0030】請求項15の発明に係るパルス幅変調処理
方法は、所定のパルス幅変調方式に応じて電力変換回路
で出力可能な電圧の出力時間を演算し、所定のパルス幅
変調方式として同期形と非同期形のパルス幅変調方式を
併用するとき、同期形のパルス幅変調方式使用時には、
演算した電圧の出力時間が電力変換回路を構成するスイ
ッチング素子の最小オンオフ時間より短い場合は電圧の
出力時間として最小オンオフ時間を用い、電圧の出力時
間が最小オンオフ時間より長い場合は電圧の出力時間を
演算処理可能な最小の時間分解能で離散化し、非同期形
のパルス幅変調方式使用時には、演算した電圧の出力時
間が電力変換回路を構成するスイッチング素子の最小オ
ンオフ時間より短い場合は電圧の出力時間として最小オ
ンオフ時間を用い、電圧の出力時間が最小オンオフ時間
より長い場合は電圧の出力時間を演算処理可能な最小の
時間分解能で離散化するか、または電圧指令値に対する
サンプル時間を電圧指令値または変調率に応じて変更す
るかの少なくとも一方を実行するようにしたものであ
る。
【0031】
【作用】請求項1の発明においては、3相の相順に応じ
て三角形の頂点に対応する3種類の電圧ベクトルの出力
順を固定するため、相順が変わる場合に出力電流リップ
ルが大きくなるのを防止することが可能となる。
【0032】請求項2の発明においては、電圧ベクトル
指令値が小さくゼロ電圧ベクトルだけ出力するときは、
この電圧ベクトル指令値を次のサンプル時間の電圧ベク
トル指令値に加えて補正するため、電圧ベクトル指令値
が小さい場合であっても、電圧ベクトル指令値に対する
出力電圧の誤差を小さくすることが可能となる。
【0033】請求項3の発明においては、電圧ベクトル
指令値の存在する三角形の頂点に対応した電圧ベクトル
が複数存在する場合には、スイッチング状態変化が最も
少ない電圧ベクトルを出力するため、スイッチング素子
で発生するスイッチングロスを低減することが可能とな
る。
【0034】請求項4の発明においては、電圧ベクトル
指令値が小さくゼロ電圧ベクトルだけ出力するときは、
この電圧ベクトル指令値を次のサンプル時間の電圧ベク
トル指令値に加えて補正するため、電圧ベクトル指令値
が小さい場合であっても、電圧ベクトル指令値に対する
出力電圧の誤差を小さくすることが可能となり、また、
3相の相順に応じて三角形の頂点に対応する3種類の電
圧ベクトルの出力順を固定するため、相順が変わる場合
に出力電流リップルが大きくなるのを防止することが可
能となる。
【0035】請求項5の発明においては、3相の相順に
応じて三角形の頂点に対応する3種類の電圧ベクトルの
出力順を固定するため、相順が変わる場合に出力電流リ
ップルが大きくなるのを防止することが可能となり、ま
た、電圧ベクトル指令値の存在する三角形の頂点に対応
した電圧ベクトルが複数存在する場合には、スイッチン
グ状態変化が最も少ない電圧ベクトルを出力するため、
スイッチング素子で発生するスイッチングロスを低減す
ることが可能となる。
【0036】請求項6の発明においては、電圧ベクトル
指令値が小さくゼロ電圧ベクトルだけ出力するときは、
この電圧ベクトル指令値を次のサンプル時間の電圧ベク
トル指令値に加えて補正するため、電圧ベクトル指令値
が小さい場合であっても、電圧ベクトル指令値に対する
出力電圧の誤差を小さくすることが可能となり、また、
電圧ベクトル指令値の存在する三角形の頂点に対応した
電圧ベクトルが複数存在する場合には、スイッチング状
態変化が最も少ない電圧ベクトルを出力するため、スイ
ッチング素子で発生するスイッチングロスを低減するこ
とが可能となる。
【0037】請求項7の発明においては、電圧ベクトル
指令値が小さくゼロ電圧ベクトルだけ出力するときは、
この電圧ベクトル指令値を次のサンプル時間の電圧ベク
トル指令値に加えて補正するため、電圧ベクトル指令値
が小さい場合であっても、電圧ベクトル指令値に対する
出力電圧の誤差を小さくすることが可能となり、また、
3相の相順に応じて三角形の頂点に対応する3種類の電
圧ベクトルの出力順を固定するため、相順が変わる場合
に出力電流リップルが大きくなるのを防止することが可
能となり、しかも、電圧ベクトル指令値の存在する三角
形の頂点に対応した電圧ベクトルが複数存在する場合に
は、スイッチング状態変化が最も少ない電圧ベクトルを
出力するため、スイッチング素子で発生するスイッチン
グロスを低減することが可能となる。
【0038】請求項8の発明においては、電圧ベクトル
指令値と実際に出力される電圧ベクトルの差を次のサン
プル時間の電圧ベクトル指令値に加えて補正するため、
電圧ベクトル指令値に対する出力電圧ベクトルの誤差を
平均的に小さくすることが可能となる。
【0039】請求項9の発明においては、多相の相順に
応じて三角形の頂点に対応する3種類の電圧ベクトルの
出力順を固定するため、相順が変わる場合に出力電流リ
ップルが大きくなるのを防止することが可能となり、特
に3相以外の多相の場合に有用である。
【0040】請求項10の発明においては、パルス幅変
調方式が同期形のときに、演算した電圧ベクトルの出力
時間が電力変換回路を構成するスイッチング素子の最小
オンオフ時間より長い場合は電圧ベクトルの出力時間を
演算処理可能な最小の時間分解能で離散化するため、電
圧ベクトル指令値と実際の出力電圧ベクトルの間の誤差
が小さくなり、指令通りのパルス幅変調が可能となる。
【0041】請求項11の発明においては、パルス幅変
調方式が非同期形のときは、演算した電圧ベクトルの出
力時間が電力変換回路を構成するスイッチング素子の最
小オンオフ時間より長い場合は電圧ベクトルの出力時間
を演算処理可能な最小の時間分解能で離散化するか、ま
たは電圧ベクトル指令値に対するサンプル時間を電圧ベ
クトル指令値あるいは変調率に応じて変更するか、また
はこれらを同時に行うため、電圧ベクトル指令値と実際
の出力電圧ベクトルの間の誤差が小さくなり、指令通り
のパルス幅変調が可能となり、または、電圧ベクトル指
令値あるいは変調率の小さい領域における出力電圧の分
解能の向上が可能となり、あるいは両方を同時に行うこ
とにより双方の効果を同時に得ることが可能となる。
【0042】請求項12の発明においては、パルス幅変
調方式として同期形と非同期形のパルス幅変調方式を併
用するとき、同期形のパルス幅変調方式使用時には、演
算した電圧ベクトルの出力時間が電力変換回路を構成す
るスイッチング素子の最小オンオフ時間より長い場合は
電圧ベクトルの出力時間を演算処理可能な最小の時間分
解能で離散化し、非同期形のパルス幅変調方式使用時に
は、電圧ベクトルの出力時間を演算処理可能な最小の時
間分解能で離散化するか、または電圧ベクトル指令値に
対するサンプル時間を電圧ベクトル指令値または変調率
に応じて変更するか、またはこれらを同時に行うため、
同期形と非同期形のパルス幅変調方式を併用する際に、
同期形のパルス幅変調方式のときは、電圧ベクトル指令
値と実際の出力電圧ベクトルの間の誤差が小さくなり、
指令通りのパルス幅変調が可能となり、一方、非同期形
のパルス幅変調方式のときは、電圧ベクトル指令値と実
際の出力電圧ベクトルの間の誤差が小さくなり、指令通
りのパルス幅変調が可能となり、または、電圧ベクトル
指令値あるいは変調率の小さい領域における出力電圧の
分解能の向上が可能となり、あるいは両方を同時に行う
ことにより双方の効果を同時に得ることが可能となる。
【0043】請求項13の発明においては、パルス幅変
調方式が同期形のときに、演算した電圧の出力時間が電
力変換回路を構成するスイッチング素子の最小オンオフ
時間より長い場合は電圧の出力時間を演算処理可能な最
小の時間分解能で離散化するため、特に単相の電力変換
回路における電圧指令値と実際の出力電圧の間の誤差が
小さくなり、指令通りのパルス幅変調が可能となる。
【0044】請求項14の発明においては、パルス幅変
調方式が非同期形のときは、演算した電圧の出力時間が
電力変換回路を構成するスイッチング素子の最小オンオ
フ時間より長い場合は電圧の出力時間を演算処理可能な
最小の時間分解能で離散化するか、または電圧指令値に
対するサンプル時間を電圧指令値あるいは変調率に応じ
て変更するか、またはこれらを同時に行うため、特に単
相の電力変換回路における電圧指令値と実際の出力電圧
の間の誤差が小さくなり、指令通りのパルス幅変調が可
能となり、または、電圧指令値あるいは変調率の小さい
領域における出力電圧の分解能の向上が可能となり、あ
るいは両方を同時に行うことにより双方の効果を同時に
得ることが可能となる。
【0045】請求項15の発明においては、パルス幅変
調方式として同期形と非同期形のパルス幅変調方式を併
用するとき、同期形のパルス幅変調方式使用時には、演
算した電圧の出力時間が電力変換回路を構成するスイッ
チング素子の最小オンオフ時間より長い場合は電圧の出
力時間を演算処理可能な最小の時間分解能で離散化し、
非同期形のパルス幅変調方式使用時には、電圧の出力時
間を演算処理可能な最小の時間分解能で離散化するか、
または電圧指令値に対するサンプル時間を電圧指令値ま
たは変調率に応じて変更するか、またはこれらを同時に
行うため、特に単相の電力変換回路において同期形と非
同期形のパルス幅変調方式を併用する際に、同期形のパ
ルス幅変調方式のときは、電圧指令値と実際の出力電圧
の間の誤差が小さくなり、指令通りのパルス幅変調が可
能となり、一方、非同期形のパルス幅変調方式のとき
は、電圧指令値と実際の出力電圧の間の誤差が小さくな
り、指令通りのパルス幅変調が可能となり、または、電
圧指令値あるいは変調率の小さい領域における出力電圧
の分解能の向上が可能となり、あるいは両方を同時に行
うことにより双方の効果を同時に得ることが可能とな
る。
【0046】
【実施例】実施例1.図1は、この発明に係る3相3レ
ベルインバータのパルス幅変調制御方法の一実施例にお
ける処理手順を示すフローチャートである。まず、nサ
ンプル目の電圧ベクトル指令値V(n)を入力する
(ステップST1)。次に、電圧ベクトル指令値V
(n)に電圧ベクトル補正値ΔVを加算して、nサ
ンプル目の新たな電圧ベクトル指令値Vを演算する
(ステップST2)。次に、3相3レベルインバータで
出力可能な電圧ベクトルを平面上に表示して形成される
三角形(図21参照)の中から電圧ベクトル指令値V
の存在する三角形の頂点に対応した3種類の電圧ベクト
ルを選択する(ステップST3)。
【0047】次に、ステップST3で選択された各電圧
ベクトルの出力時間を、上述した(1)式でもって演算
する(ステップST4)。次に、ステップST4の演算
結果に基づいてゼロ電圧ベクトル以外の電圧ベクトルの
出力時間が全て0か否かを判断し、全てゼロの場合は上
述した電圧ベクトル補正値ΔVに電圧ベクトル指令値
pを設定し、他の場合は電圧ベクトル補正値ΔVpに0
を設定する(ステップST5〜ST7)。次に、選択さ
れた電圧ベクトルの出力順を後述するように相順(相回
転方向)により決定する(ステップST8)。次に、電
圧ベクトル指令値Vの存在する三角形の頂点に対応し
た電圧ベクトルが複数存在する場合には、スイッチング
状態変化の最も少ない電圧ベクトルを選択する(ステッ
プST9)。
【0048】図1の各ステップの動作をさらに詳細に説
明する。ステップST1では、所定のサンプル時間T
毎に、外部から電圧ベクトル指令値を入力する。nサン
プル目の電圧ベクトル指令値がV(n)である。ステ
ップST2では、電圧ベクトル指令値V(n)と、ス
テップST6で求まる電圧ベクトル補正値ΔVを加え
合わせて、nサンプル目の新たな電圧ベクトル指令値V
を演算する。なお、n=1の場合には、電圧ベクトル
補正値ΔVを0とする(ステップST7)。
【0049】ステップST3では、ステップST2で演
算される新たな電圧ベクトル指令値Vをnサンプル目
の電圧ベクトル指令値と考えて、この電圧ベクトル指令
値Vが、3相3レベルインバータが出力できる電圧ベ
クトルを示した図(図21参照)のどの三角形に存在す
るかを決定し、その三角形の頂点に対応した電圧ベクト
ルを選択する。ステップST4では、ステップST3で
選択された各電圧ベクトルを合成して、平均的に電圧ベ
クトル指令値Vを出力するという条件により、各電圧
ベクトルの出力時間を演算する。例えば、図2に示すよ
うに、ΔOAB内に電圧指令値Vが存在する場合、上
記(1)式でEをVと置くことにより、各電圧ベクトル
の出力時間t,t,tが求まる。
【0050】ステップST5〜ST7では、選択された
電圧ベクトルの内、ゼロ電圧ベクトルに着目して、以下
の処理を行う。図1で示した処理は全てサンプル時間t
毎に実行される。すなわち、マイコンまたはDSP等
でソフトウェアで処理することを前提としている。この
とき、ソフトウェアの処理時間のため、実際に出力可能
な最小時間tminが存在し、これ以上短い時間間隔で電
圧ベクトルの出力を変更することはできない。そのた
め、電圧ベクトル指令値Vが小さく、t<tmin
<tminの場合は、t=0、t=0となる。こ
のときには、t=tとなり出力電圧ベクトルは、ゼ
ロ電圧ベクトルだけとなり、電圧ベクトル指令値V
は異なる電圧ベクトルを出力していることとなり、電圧
ベクトル指令値Vと出力値の誤差が生じてしまう。
【0051】ステップST5〜ST7では、この誤差を
小さくするために、t=tとなった場合には、電圧
ベクトル補正値ΔVに電圧ベクトル指令値Vを設定
して、上述したように次のサンプル(n+1サンプル)
時に、ステップST2でこの補正値ΔVを電圧ベクト
ル指令値V(n)に加えることにより、(n+1)サ
ンプル時に出力電圧を大きくし、誤差を小さくしてい
る。t=t以外の場合は、電圧ベクトル補正値ΔV
は0とする。
【0052】ステップST8では、3相の相順(相回転
方向)により、電圧ベクトルの出力順を以下のように固
定する。図3に、図21に示したものと同一の電圧ベク
トルを示している。図3では、図21で示した「−」で
示したスイッチング状態を「−1」、「+」で示したス
イッチング状態を「1」と表すと同時に、出力できる電
圧ベクトルと、三角形およびその頂点に図示の記号と番
号を付けている。
【0053】図4に、相回転方向による電圧ベクトル出
力順を示している。例えば、三角形Aの場合、相順がU
→V→Wのときには、頂点4に対応した電圧ベクトル、
頂点1に対応した電圧ベクトル、頂点0に対応した電圧
ベクトルの順に出力順を固定する。逆に、相順がU→W
→Vのときには、頂点1に対応した電圧ベクトル、頂点
4に対応した電圧ベクトル、頂点0に対応した電圧ベク
トルの順に出力順を固定する。三角形B〜Xについても
同様に図4に示したように出力順を固定する。
【0054】ステップST9では、電圧ベクトル指令値
の存在する三角形の頂点に対応した電圧ベクトルが
複数存在する場合には、スイッチング状態変化の最も少
ない電圧ベクトルを選択する。例えば、相順をU→V→
Wとしnサンプル目の最後の出力時の電圧ベクトルが図
3の頂点0で02(111)であったとき、n+1サン
プル時に三角形Aを選択したとき、頂点4に対応した電
圧ベクトル06(101)と07(0−10)を比較す
ると、02(111)からスイッチング状態変化の少な
いのは06(101)の電圧ベクトルであることがわか
る。したがって、この場合は、06(101)を選択す
る。
【0055】同様に頂点1に対応した電圧ベクトル04
(0−1−1)と05(100)を比較すると、06
(101)からスイッチング状態変化が少ないのは05
(100)であり、この電圧ベクトルを選択する。次
に、頂点0に対応した電圧ベクトル00(−1−1−
1)、01(000)、02(111)を比較すると、
05(100)からスイッチング状態変化が最も少ない
のは01(000)であり、この電圧ベクトルを選択す
る。つまり、n+1サンプル時には、電圧ベクトル06
(101)、05(100)、01(000)を順番に
出力する。なお、ステップST3,ST4の具体的な処
理内容については、文献に多く記載されているが、いず
れでもよい。
【0056】実施例2.図1の例においては、ソフトウ
ェア処理のため、電圧ベクトルの出力可能な最小時間t
minが存在するため電圧ベクトル補正値Δを考えた
が、マイコン等の性能が良くtminを充分小さくできる
場合は、図5に示すように電圧ベクトル補正値に関する
処理すなわちステップST2,ST5〜ST7を省略し
てもよい。この場合は、V=V(n)と考えればよ
い。
【0057】実施例3.また、特願平2−96707号
で示した処理を行うものとすると、図6に示すように、
図1の例のステップST9で行っているスイッチング状
態の選択の代わりに、コンデンサ電圧のバランス条件に
応じてスイッチング状態の選択を行ってもよい(ステッ
プST10)。
【0058】実施例4.また、実施例2および実施例3
を考慮すると、図7に示すように、図1の例における電
圧ベクトル補正値に関する処理(ステップST2、ST
5〜ST7)を省略すると共に、図1の例のステップS
T9で行っているスイッチング状態の選択の代わりに、
コンデンサ電圧のバランス条件に応じてスイッチング状
態の選択を行ってもよい(ステップST10)。
【0059】実施例5.図8は、この発明に係る3相3
レベルインバータのパルス幅変調制御方法の別の実施例
における処理手順を示すフローチャートである。図にお
いて、ステップST1〜ステップST4に関しては図1
の例と同様であり、その説明は省略する。ステップST
4の後に、ステップST3で選択された電圧ベクトル
と、ステップ7で演算された各電圧ベクトルの出力時間
とから実際に出力される電圧ベクトルVrpを演算し(ス
テップST11)、新たな電圧ベクトル指令値Vから
実際に出力される電圧ベクトルVrpを減算して電圧ベク
トル補正値ΔVを演算する(ステップST12)。
【0060】図8のステップST11、ST12の動作
をさらに詳細に説明する。ステップST11、ST12
では、以下の処理を行う。図8で示した処理は全てサン
プル時間t毎に実行される。すなわち、マイコンまた
はDSP等でソフトウェアで処理することを前提として
いる。このとき、ソフトウェアの処理時間のため、実際
に出力可能な最小時間tminが存在し、これ以上短い時
間間隔で電圧ベクトルの出力を変更することはできな
い。したがって、電圧ベクトル指令値Vとは異なる電
圧を出力することになり、電圧ベクトル指令値Vと出
力値に誤差が生じる。
【0061】ステップST11では、ステップST3で
選択された電圧ベクトルと、ステップST4で演算され
た各電圧ベクトルとその出力時間(離散系:最小時間t
minで離散化したもの)を、例えばE,E,E
′,t′,t′とすると、実際に出力される電
圧ベクトルVrpを、次の(2)式で演算する。
【0062】 Vrp=tO′・EO+tA′・EA+tB′・EB ・・・・・(2)
【0063】ここで、出力時間には、次の関係がある。 tO′=i・tmin i:整数 tA′=j・tmin j:整数 tB′=k・tmin k:整数 tP=(i+j+k)・tmin
【0064】そして、ステップST12において、ステ
ップST2で設定される新たな電圧ベクトル指令値V
から、上述したように演算で求まる実際に出力される電
圧ベクトルVrpを減算することで、電圧ベクトル補正値
ΔVを求める。
【0065】実施例6.なお、上記実施例では、図11
に示すような3レベルインバータに対するパルス幅変調
制御方法として説明したが、3相インバータであれば、
通常のブリッジ型インバータにも適用できる。図9に、
3相ブリッジ型インバータの回路図を示している。ま
た、このインバータで出力可能な電圧ベクトルを図10
に示している。この場合は、図10の電圧ベクトルを使
用して、上述した処理をすることになる。
【0066】実施例7.図12〜図14は、この発明に
係るパルス幅変調処理方法の一実施例における電圧ベク
トル出力時間の関係を示す図とその処理手順を示すフロ
ーチャートである。まず、マイクロコンピュータ等の処
理能力が良くソフトウエアで処理可能な電圧ベクトルの
最小の出力変更時間をtSWとすると、この出力変更時間
SWが実際に出力可能な最小時間tminに比べて十分小
さいときには(例えば最小時間tminが100msのと
きに最小の出力変更時間tSWが10〜20ms程度であ
るときには)、電圧ベクトル指令値VPを出力する電圧
ベクトルE0,EA,EBの演算結果求められた出力時間
0,tA,tBをtSW単位とすれば、実際に出力する時
間t0n,tAn,tBnはt0n≒t0,tAn≒tA,tBn≒t
Bとすることができる。図12は上述の方法による演算
結果求められた出力時間t0,tA,tBと実際に出力す
る時間t0n,tAn,tBnとの関係を示したもので、この
図では、出力変更時間tSWは実際に出力可能な最小時間
minに対して無視できるほど小さいものとして、t0n
=t0,tAn=tA,tBn=tBとしている。
【0067】図13は演算結果求められた出力時間
0,tA,tBに実際に出力可能な最小時間tmin以下の
ものがある場合の実際に出力する時間t0n,tAn,tBn
との関係を示したもので、図中、t0n′,tAn′,
Bn′は図12と同様にtSW単位に出力時間を分配した
ものである。この図13では、出力時間t0が最小時間
min以下の場合を示しており、このときには、t0n
minとする。また、(t0n−t0)の時間は、時間
An,tBnのいずれか、または両方で分配する。すなわ
ち、出力変更時間tSWは実際に出力可能な最小時間t
minに対して無視できるものとすると、次の3通りの処
理が可能であり、いずれを用いてもよい。
【0068】(1)tAnで修正する場合 tAn=tAn′−(t0n−t0) ・・・・・(3)
【0069】(2)tBnで修正する場合 tBn=tBn′−(t0n−t0) ・・・・・(4)
【0070】(3)tAn,tBnで修正する場合 tAn=tAn′−(1/2)(t0n−t0) ・・・・・(5) tBn=tBn′−(1/2)(t0n−t0) ・・・・・(6)
【0071】次に、図13における場合の処理の仕方を
図14を参照して説明する。図において、ステップST
1,ST3、ST4に関しては図1の例と同様であり、
その説明は省略する。ステップST4の後に、演算結果
による出力時間t0が最小時間tminより小さいかどうか
を判別し(ステップST13)、演算結果による出力時
間t0が最小時間tminより小さければ、演算結果による
出力時間t0に対応する実際に出力する時間t0nを最小
時間tminに置換する(ステップST14)。
【0072】そして、実際に出力する時間と演算結果に
よる出力時間の差の時間(t0n−t0)を演算し(ステ
ップST15)、この差の時間(t0n−t0)を他の実
際に出力する時間tAn,tBnの少なくとも一方に配分し
(ステップST16)、最後に各電圧ベクトルの出力時
間に対応した出力を発生する(ステップST17)。ま
た、ステップST13で演算結果による出力時間t0
最小時間tminより大きければ、ステップST17に進
んで、上述と同様に各電圧ベクトルの出力時間に対応し
た出力を発生する。なお、図14において、各電圧ベク
トルの出力時間を演算するのに、図1のステップST
1,ST3、ST4による手法を用いたが、これに限定
されず、所定のパルス幅変調方式に応じて各電圧ベクト
ルの出力時間を演算するようにしてもよい。
【0073】なお、図13では、出力時間t0が最小時
間tmin以下の場合について示したが、出力時間tA,t
Bのいずれかが最小時間tmin以下の場合も同様に処理す
ればよい。また、3つの出力時間の内2つの出力時間例
えばt0,tAが最小時間tmi n以下の場合には、t0n
min,tAn=tminとして
【0074】 tBn=tBn′−(t0n−t0)−(tAn−tA) =tp−2tmin ・・・・・(7)
【0075】とする。その他の2つの出力時間の場合も
同様に処理すればよい。ここで、サンプル時間tpは搬
送波周期に相当するが、非同期形のパルス幅変調方式の
場合は、このサンプル時間tpを電圧ベクトル指令値Vp
の振幅、すなわち変調率に応じて変更してもよく、この
場合も電圧ベクトル指令値Vpと実際に出力される電圧
ベクトルVrpの間の誤差を小さくすることができる。具
体的には、図15に示すように、変調率が小さい領域で
はサンプル時間tpを長くする。このようにすると、t
min/tpの値が変調率の小さい領域、つまり、出力電圧
の小さい領域では小さくなる。そして、tmin/tpの値
は出力できる電圧の最小値に相当するので、変調率の小
さい領域における出力電圧分解能が向上する。
【0076】実施例8.なお、上記実施例7では、非同
期形のパルス幅変調方式の場合には、電圧ベクトルの出
力時間の変更間隔つまり出力変更時間をtSWとすること
と、サンプル時間tpを変調率に応じて変更することを
併用する場合について説明したが、それぞれ個別に使用
するようにしてもよい。また、同期形のパルス幅変調方
式の場合には、サンプル時間tpは信号波ω0に同期して
変化するので、上述のごとく電圧ベクトルの出力時間の
変更間隔つまり出力変更時間をtSWとすることで、電圧
ベクトル指令値Vpと実際に出力される電圧ベクトルV
rpの間の誤差を小さくすることができる。また、実施例
7および8も上記実施例1〜6と同様に、図9に示した
3相ブリッジ型インバータ、図11に示した3レベルイ
ンバータ等直流電力と交流電力をスイッチング素子で構
成される電力変換回路を介して制御する際に共通して適
用できる。
【0077】実施例9.また、上記実施例では、多相の
電力変換回路として例えば3相のインバータの場合につ
いて説明したが、これに限定されることなく、多相とし
て3相以外の例えば6相や12相、また電力変換回路と
してインバータ以外の例えばチョッパにも同様に適用で
きる。また、多相の電力変換回路だけでなく、単相の電
力変換回路にも適用でき、この場合には、電圧ベクトル
の概念が使えないので、電圧ベクトル指令値VPの代わ
りに変調率または電圧指令を用いれば上記実施例と同様
に適用でき、同様の効果を奏する。ちなみに、図14の
フローチャートにおいて単相の電力変換回路の場合に
は、ステップST1における電圧ベクトル指令値の代わ
りに変調率または電圧指令値を用い、ステップST3を
削除し、ステップST4およびST17における各電圧
ベクトルを電圧に変更すればよい。
【0078】実施例10.また、同期形と非同期形のパ
ルス幅変調方式を併用する際のパルス幅変調処理方法に
おいて、非同期形のパルス幅変調方式使用時には、電圧
ベクトルの出力時間の変更間隔すなわち出力変更時間を
SW単位とするか変調率に応じてサンプル時間tpを変
更するかの少なくとも一方を採用し、同期形のパルス幅
変調方式使用時には、電圧ベクトルの出力時間の変更間
隔すなわち出力変更時間をtSW単位とすることを採用す
ればよい。
【0079】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、所定のサンプ
ル時間毎に電圧ベクトル指令値に基づき、3相インバー
タで出力可能な電圧ベクトルを平面上に表示して形成さ
れる三角形の中から電圧ベクトル指令値の存在する三角
形の頂点に対応した3つの電圧ベクトルを選択し、これ
等の3つの電圧ベクトルの出力時間を演算し、この演算
結果に応じた電圧ベクトル指令値に基づき、3相の相順
に応じて3つの電圧ベクトルの出力順を固定するように
したので、相順が変わっても出力電流リップルが大きく
なるのを防止することができる等の効果がある。
【0080】請求項2の発明によれば、所定のサンプル
時間毎に電圧ベクトル指令値に基づき、3相インバータ
で出力可能な電圧ベクトルを平面上に表示して形成され
る三角形の中から電圧ベクトル指令値の存在する三角形
の頂点に対応した3つの電圧ベクトルを選択し、これ等
の3つの電圧ベクトルの出力時間を演算し、この演算結
果に応じた電圧ベクトル指令値に基づいて、該電圧ベク
トル指令値が小さくゼロ電圧ベクトルだけ出力するとき
は、この電圧ベクトル指令値を電圧ベクトル補正値と
し、次のサンプル時間の電圧ベクトル指令値にこの電圧
ベクトル補正値を加えて新たな電圧ベクトル指令値とす
るようにしたので、電圧ベクトル指令値が小さい場合で
あっても、電圧ベクトル指令値に対する出力電圧の誤差
を小さくできる等の効果がある。
【0081】請求項3の発明によれば、所定のサンプル
時間毎に電圧ベクトル指令値に基づき、3相インバータ
で出力可能な電圧ベクトルを平面上に表示して形成され
る三角形の中から電圧ベクトル指令値の存在する三角形
の頂点に対応した3つの電圧ベクトルを選択し、これ等
の3つの電圧ベクトルの出力時間を演算し、この演算結
果に応じた電圧ベクトル指令値に基づいて、該電圧ベク
トル指令値の存在する三角形の頂点に対応した電圧ベク
トルが複数存在する場合には、直前に出力する電圧ベク
トルからスイッチング状態変化の最も少ない電圧ベクト
ルを選択するようにしたので、スイッチング素子のスイ
ッチング回数を減らすことができ、スイッチング素子で
発生するスイッチングロスを低減できる等の効果があ
る。
【0082】請求項4の発明によれば、所定のサンプル
時間毎に電圧ベクトル指令値に基づき、3相インバータ
で出力可能な電圧ベクトルを平面上に表示して形成され
る三角形の中から電圧ベクトル指令値の存在する三角形
の頂点に対応した3つの電圧ベクトルを選択し、これ等
の3つの電圧ベクトルの出力時間を演算し、この演算結
果に応じた電圧ベクトル指令値に基づいて、該電圧ベク
トル指令値が小さくゼロ電圧ベクトルだけ出力するとき
は、この電圧ベクトル指令値を電圧ベクトル補正値と
し、次のサンプル時間の電圧ベクトル指令値にこの電圧
ベクトル補正値を加えて新たな電圧ベクトル指令値と
し、この新たな電圧ベクトル指令値に基づき、3相の相
順に応じて3つの電圧ベクトルの出力順を固定するよう
にしたので、電圧ベクトル指令値が小さい場合であって
も、電圧ベクトル指令値に対する出力電圧の誤差を小さ
くすることができ、また、相順が変わる場合に出力電流
リップルが大きくなるのを防止することができる等の効
果がある。
【0083】請求項5の発明によれば、所定のサンプル
時間毎に電圧ベクトル指令値に基づき、3相インバータ
で出力可能な電圧ベクトルを平面上に表示して形成され
る三角形の中から電圧ベクトル指令値の存在する三角形
の頂点に対応した3つの電圧ベクトルを選択し、これ等
の3つの電圧ベクトルの出力時間を演算し、この演算結
果に応じた電圧ベクトル指令値に基づき、3相の相順に
応じて3つの電圧ベクトルの出力順を決定し、電圧ベク
トル指令値の存在する三角形の頂点に対応した電圧ベク
トルが複数存在する場合には、直前に出力する電圧ベク
トルからスイッチング状態変化の最も少ない電圧ベクト
ルを選択するようにしたので、相順が変わる場合に出力
電流リップルが大きくなるのを防止することができ、ま
た、スイッチング素子のスイッチング回数を減らすこと
ができ、スイッチング素子で発生するスイッチングロス
を低減できることができる等の効果がある。
【0084】請求項6の発明によれば、所定のサンプル
時間毎に電圧ベクトル指令値に基づき、3相インバータ
で出力可能な電圧ベクトルを平面上に表示して形成され
る三角形の中から電圧ベクトル指令値の存在する三角形
の頂点に対応した3つの電圧ベクトルを選択し、これ等
の3つの電圧ベクトルの出力時間を演算し、この演算結
果に応じた電圧ベクトル指令値に基づいて、該電圧ベク
トル指令値が小さくゼロ電圧ベクトルだけ出力するとき
は、この電圧ベクトル指令値を電圧ベクトル補正値と
し、次のサンプル時間の電圧ベクトル指令値にこの電圧
ベクトル補正値を加えて新たな電圧ベクトル指令値と
し、この新たな電圧ベクトル指令値に基づいて、該電圧
ベクトル指令値の存在する三角形の頂点に対応した電圧
ベクトルが複数存在する場合には、直前に出力する電圧
ベクトルからスイッチング状態変化の最も少ない電圧ベ
クトルを選択するようにしたので、電圧ベクトル指令値
が小さい場合であっても、電圧ベクトル指令値に対する
出力電圧の誤差を小さくすることができ、また、スイッ
チング素子のスイッチング回数を減らすことができ、ス
イッチング素子で発生するスイッチングロスを低減でき
ることができる等の効果がある。
【0085】請求項7の発明によれば、所定のサンプル
時間毎に電圧ベクトル指令値に基づき、3相インバータ
で出力可能な電圧ベクトルを平面上に表示して形成され
る三角形の中から電圧ベクトル指令値の存在する三角形
の頂点に対応した3つの電圧ベクトルを選択し、これ等
の3つの電圧ベクトルの出力時間を演算し、この演算結
果に応じた電圧ベクトル指令値に基づいて、該電圧ベク
トル指令値が小さくゼロ電圧ベクトルだけ出力するとき
は、この電圧ベクトル指令値を電圧ベクトル補正値と
し、次のサンプル時間の電圧ベクトル指令値にこの電圧
ベクトル補正値を加えて新たな電圧ベクトル指令値と
し、この新たな電圧ベクトル指令値に基づき、3相の相
順に応じて上記3つの電圧ベクトルの出力順を決定し、
新たな電圧ベクトル指令値の存在する三角形の頂点に対
応した電圧ベクトルが複数存在する場合には、直前に出
力する電圧ベクトルからスイッチング状態変化の最も少
ない電圧ベクトルを選択するようにしたので、電圧ベク
トル指令値が小さい場合であっても、電圧ベクトル指令
値に対する出力電圧の誤差を小さくすることができ、ま
た、相順が変わる場合に出力電流リップルが大きくなる
のを防止することができ、しかも、スイッチング素子の
スイッチング回数を減らすことができ、スイッチング素
子で発生するスイッチングロスを低減できることができ
る等の効果がある。
【0086】請求項8の発明によれば、所定のサンプル
時間毎に電圧ベクトル指令値に基づき、3相インバータ
で出力可能な電圧ベクトルを平面上に表示して形成され
る三角形の中から電圧ベクトル指令値の存在する三角形
の頂点に対応した3つの電圧ベクトルを選択し、これ等
の3つの電圧ベクトルの出力時間を演算し、この演算結
果に応じた電圧ベクトル指令値に基づいて、該電圧ベク
トル指令値から上記選択された電圧ベクトルとそれぞれ
の電圧ベクトルの出力時間とより演算によって求まる実
際に出力する電圧ベクトルを減算することによって電圧
ベクトル補正値を求め、この電圧ベクトル補正値を次の
サンプル時間に電圧ベクトル指令値に加え合わせて電圧
ベクトル指令値を補正するようにしたので、電圧ベクト
ル指令値に対する出力電圧ベクトルの誤差を平均的に小
さくできる等の効果がある。
【0087】請求項9の発明によれば、所定のサンプル
時間毎に電圧ベクトル指令値に基づき、多相インバータ
で出力可能な電圧ベクトルを平面上に表示して形成され
る三角形の中から電圧ベクトル指令値の存在する三角形
の頂点に対応した3つの電圧ベクトルを選択し、これ等
の3つの電圧ベクトルの出力時間を演算し、この演算結
果に応じた電圧ベクトル指令値に基づき、多相の相順に
応じて上記3つの電圧ベクトルの出力順を固定するよう
にしたので、相順が変わる場合に出力電流リップルが大
きくなるのを防止することができ、特に3相以外の多相
の場合に有用である等の効果がある。
【0088】請求項10の発明によれば、所定のパルス
幅変調方式に応じて電力変換回路で出力可能な電圧ベク
トルの出力時間を演算し、パルス幅変調方式が同期形の
ときは、演算した電圧ベクトルの出力時間が電力変換回
路を構成するスイッチング素子の最小オンオフ時間より
短い場合は電圧ベクトルの出力時間として最小オンオフ
時間を用い、電圧ベクトルの出力時間が最小オンオフ時
間より長い場合は電圧ベクトルの出力時間を演算処理可
能な最小の時間分解能で離散化するようにしたので、電
圧ベクトル指令値と実際の出力電圧ベクトルの間の誤差
が小さくして指令通りのパルス幅変調ができる等の効果
がある。
【0089】請求項11の発明によれば、所定のパルス
幅変調方式に応じて電力変換回路で出力可能な電圧ベク
トルの出力時間を演算し、パルス幅変調方式が非同期形
のときは、演算した電圧ベクトルの出力時間が電力変換
回路を構成するスイッチング素子の最小オンオフ時間よ
り短い場合は電圧ベクトルの出力時間として最小オンオ
フ時間を用い、電圧ベクトルの出力時間が最小オンオフ
時間より長い場合は電圧ベクトルの出力時間を演算処理
可能な最小の時間分解能で離散化するか、または電圧ベ
クトル指令値に対するサンプル時間を電圧ベクトル指令
値あるいは変調率に応じて変更するかの少なくとも一方
を実行するようにしたので、電圧ベクトル指令値と実際
の出力電圧ベクトルの間の誤差が小さくして指令通りの
パルス幅変調ができ、電圧ベクトル指令値あるいは変調
率の小さい領域における出力電圧の分解能を向上できる
等の効果がある。
【0090】請求項12の発明によれば、所定のパルス
幅変調方式に応じて電力変換回路で出力可能な電圧ベク
トルの出力時間を演算し、パルス幅変調方式として同期
形と非同期形のパルス幅変調方式を併用するとき、同期
形のパルス幅変調方式使用時には、演算した電圧ベクト
ルの出力時間が電力変換回路を構成するスイッチング素
子の最小オンオフ時間より短い場合は電圧ベクトルの出
力時間として最小オンオフ時間を用い、電圧ベクトルの
出力時間が最小オンオフ時間より長い場合は電圧ベクト
ルの出力時間を演算処理可能な最小の時間分解能で離散
化し、非同期形のパルス幅変調方式使用時には、演算し
た電圧ベクトルの出力時間が電力変換回路を構成するス
イッチング素子の最小オンオフ時間より短い場合は電圧
ベクトルの出力時間として最小オンオフ時間を用い、電
圧ベクトルの出力時間が最小オンオフ時間より長い場合
は電圧ベクトルの出力時間を演算処理可能な最小の時間
分解能で離散化するか、または電圧ベクトル指令値に対
するサンプル時間を電圧ベクトル指令値または変調率に
応じて変更するかの少なくとも一方を実行するようにし
たので、同期形と非同期形のパルス幅変調方式を併用す
る際に、同期形のパルス幅変調方式のときは、電圧ベク
トル指令値と実際の出力電圧ベクトルの間の誤差が小さ
くして指令通りのパルス幅変調ができ、非同期形のパル
ス幅変調方式のときは、電圧ベクトル指令値と実際の出
力電圧ベクトルの間の誤差が小さくして指令通りのパル
ス幅変調ができ、電圧ベクトル指令値あるいは変調率の
小さい領域における出力電圧の分解能を向上できる等の
効果がある。
【0091】請求項13の発明によれば、所定のパルス
幅変調方式に応じて電力変換回路で出力可能な電圧の出
力時間を演算し、パルス幅変調方式が同期形のときは、
演算した電圧の出力時間が電力変換回路を構成するスイ
ッチング素子の最小オンオフ時間より短い場合は電圧の
出力時間として最小オンオフ時間を用い、電圧の出力時
間が最小オンオフ時間より長い場合は電圧の出力時間を
演算処理可能な最小の時間分解能で離散化するようにし
たので、特に単相の電力変換回路における電圧指令値と
実際の出力電圧の間の誤差が小さくし指令通りのパルス
幅変調ができる等の効果がある。
【0092】請求項14の発明によれば、所定のパルス
幅変調方式に応じて電力変換回路で出力可能な電圧の出
力時間を演算し、パルス幅変調方式が非同期形のとき
は、演算した電圧の出力時間が電力変換回路を構成する
スイッチング素子の最小オンオフ時間より短い場合は電
圧の出力時間として最小オンオフ時間を用い、電圧の出
力時間が最小オンオフ時間より長い場合は電圧の出力時
間を演算処理可能な最小の時間分解能で離散化するか、
または電圧指令値に対するサンプル時間を電圧指令値あ
るいは変調率に応じて変更するかの少なくとも一方を実
行するようにしたので、特に単相の電力変換回路におけ
る電圧指令値と実際の出力電圧の間の誤差が小さくして
指令通りのパルス幅変調ができ、電圧指令値あるいは変
調率の小さい領域における出力電圧の分解能を向上がで
きる等の効果がある。
【0093】請求項15の発明によれば、所定のパルス
幅変調方式に応じて電力変換回路で出力可能な電圧の出
力時間を演算し、所定のパルス幅変調方式として同期形
と非同期形のパルス幅変調方式を併用するとき、同期形
のパルス幅変調方式使用時には、演算した電圧の出力時
間が電力変換回路を構成するスイッチング素子の最小オ
ンオフ時間より短い場合は電圧の出力時間として最小オ
ンオフ時間を用い、電圧の出力時間が最小オンオフ時間
より長い場合は電圧の出力時間を演算処理可能な最小の
時間分解能で離散化し、非同期形のパルス幅変調方式使
用時には、演算した電圧の出力時間が電力変換回路を構
成するスイッチング素子の最小オンオフ時間より短い場
合は電圧の出力時間として最小オンオフ時間を用い、電
圧の出力時間が最小オンオフ時間より長い場合は電圧の
出力時間を演算処理可能な最小の時間分解能で離散化す
るか、または電圧指令値に対するサンプル時間を電圧指
令値または変調率に応じて変更するかの少なくとも一方
を実行するようにしたので、同期形と非同期形のパルス
幅変調方式を併用する際に、同期形のパルス幅変調方式
のときは、電圧指令値と実際の出力電圧の間の誤差が小
さくして指令通りのパルス幅変調ができ、非同期形のパ
ルス幅変調方式のときは、電圧指令値と実際の出力電圧
の間の誤差が小さくして指令通りのパルス幅変調がで
き、電圧指令値あるいは変調率の小さい領域における出
力電圧の分解能を向上できる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るパルス幅変調制御方法の一実施
例を示すフローチャートである。
【図2】電圧ベクトル指令値の合成を説明するための図
である。
【図3】3相3レベルインバータの出力可能な電圧ベク
トルを示した図である。
【図4】相回転方向による電圧ベクトルの出力順を示す
図である。
【図5】この発明に係るパルス幅変調制御方法の他の実
施例を示すフローチャートである。
【図6】この発明に係るパルス幅変調制御方法の他の実
施例を示すフローチャートである。
【図7】この発明に係るのパルス幅変調制御方法の他の
実施例を示すフローチャートである。
【図8】この発明に係るパルス幅変調制御方法の他の実
施例を示すフローチャートである。
【図9】3相ブリッジ型インバータの回路図である。
【図10】3相ブリッジ型インバータの出力可能な電圧
ベクトルを示した図である。
【図11】3相3レベルインバータの回路図である。
【図12】この発明に係るパルス幅変調処理方法の一実
施例の電圧ベクトルの出力時間の関係を示す図である。
【図13】この発明に係るパルス幅変調処理方法の一実
施例の電圧ベクトルの出力時間の関係を示す図である。
【図14】この発明に係るパルス幅変調処理方法の一実
施例を示すフローチャートである。
【図15】この発明に係るパルス幅変調処理方法の一実
施例における非同期形パルス幅変調時の変調率とサンプ
ル時間の関係を示す図である。
【図16】3相3レベルインバータの1相分の回路図で
ある。
【図17】3相3レベルインバータの1相分のスイッチ
ング状態を示す図である。
【図18】3相3レベルインバータの回路図である。
【図19】3相3レベルインバータの出力可能な電圧ベ
クトルを示した図である。
【図20】電圧ベクトル指令値の合成を説明するための
図である。
【図21】非同期形パルス幅変調時の信号波周波数と搬
送波周波数の関係を示す図である。
【図22】従来のパルス幅変調処理方法における電圧ベ
クトル変更最小時間とサンプル時間の関係を示す図であ
る。
【図23】従来のパルス幅変調処理方法における電圧ベ
クトルの出力時間の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 直流電源 2,3 コンデンサ D1〜D4,CD1,CD2 ダイオード S1〜S4 スイッチング素子

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のサンプル時間毎に電圧ベクトル指
    令値に基づき、3相インバータで出力可能な電圧ベクト
    ルを平面上に表示して形成される三角形の中から上記電
    圧ベクトル指令値の存在する三角形の頂点に対応した3
    つの電圧ベクトルを選択し、 これ等の3つの電圧ベクトルの出力時間を演算し、 この演算結果に応じた電圧ベクトル指令値に基づき、3
    相の相順に応じて上記3つの電圧ベクトルの出力順を固
    定するようにしたことを特徴とするパルス幅変調制御方
    法。
  2. 【請求項2】 所定のサンプル時間毎に電圧ベクトル指
    令値に基づき、3相インバータで出力可能な電圧ベクト
    ルを平面上に表示して形成される三角形の中から上記電
    圧ベクトル指令値の存在する三角形の頂点に対応した3
    つの電圧ベクトルを選択し、 これ等の3つの電圧ベクトルの出力時間を演算し、 この演算結果に応じた電圧ベクトル指令値に基づいて、
    該電圧ベクトル指令値が小さくゼロ電圧ベクトルだけ出
    力するときは、この電圧ベクトル指令値を電圧ベクトル
    補正値とし、 次のサンプル時間の電圧ベクトル指令値にこの電圧ベク
    トル補正値を加えて新たな電圧ベクトル指令値とするよ
    うにしたことを特徴とするパルス幅変調制御方法。
  3. 【請求項3】 所定のサンプル時間毎に電圧ベクトル指
    令値に基づき、3相インバータで出力可能な電圧ベクト
    ルを平面上に表示して形成される三角形の中から上記電
    圧ベクトル指令値の存在する三角形の頂点に対応した3
    つの電圧ベクトルを選択し、 これ等の3つの電圧ベクトルの出力時間を演算し、 この演算結果に応じた電圧ベクトル指令値に基づいて、
    該電圧ベクトル指令値の存在する三角形の頂点に対応し
    た電圧ベクトルが複数存在する場合には、直前に出力す
    る電圧ベクトルからスイッチング状態変化の最も少ない
    電圧ベクトルを選択するようにしたことを特徴とするパ
    ルス幅変調制御方法。
  4. 【請求項4】 所定のサンプル時間毎に電圧ベクトル指
    令値に基づき、3相インバータで出力可能な電圧ベクト
    ルを平面上に表示して形成される三角形の中から上記電
    圧ベクトル指令値の存在する三角形の頂点に対応した3
    つの電圧ベクトルを選択し、 これ等の3つの電圧ベクトルの出力時間を演算し、 この演算結果に応じた電圧ベクトル指令値に基づいて、
    該電圧ベクトル指令値が小さくゼロ電圧ベクトルだけ出
    力するときは、この電圧ベクトル指令値を電圧ベクトル
    補正値とし、 次のサンプル時間の電圧ベクトル指令値にこの電圧ベク
    トル補正値を加えて新たな電圧ベクトル指令値とし、 この新たな電圧ベクトル指令値に基づき、3相の相順に
    応じて上記3つの電圧ベクトルの出力順を固定するよう
    にしたことを特徴とするパルス幅変調制御方法。
  5. 【請求項5】 所定のサンプル時間毎に電圧ベクトル指
    令値に基づき、3相インバータで出力可能な電圧ベクト
    ルを平面上に表示して形成される三角形の中から上記電
    圧ベクトル指令値の存在する三角形の頂点に対応した3
    つの電圧ベクトルを選択し、 これ等の3つの電圧ベクトルの出力時間を演算し、 この演算結果に応じた電圧ベクトル指令値に基づき、3
    相の相順に応じて上記3つの電圧ベクトルの出力順を決
    定し、 上記電圧ベクトル指令値の存在する三角形の頂点に対応
    した電圧ベクトルが複数存在する場合には、直前に出力
    する電圧ベクトルからスイッチング状態変化の最も少な
    い電圧ベクトルを選択するようにしたことを特徴とする
    パルス幅変調制御方法。
  6. 【請求項6】 所定のサンプル時間毎に電圧ベクトル指
    令値に基づき、3相インバータで出力可能な電圧ベクト
    ルを平面上に表示して形成される三角形の中から上記電
    圧ベクトル指令値の存在する三角形の頂点に対応した3
    つの電圧ベクトルを選択し、 これ等の3つの電圧ベクトルの出力時間を演算し、 この演算結果に応じた電圧ベクトル指令値に基づいて、
    該電圧ベクトル指令値が小さくゼロ電圧ベクトルだけ出
    力するときは、この電圧ベクトル指令値を電圧ベクトル
    補正値とし、 次のサンプル時間の電圧ベクトル指令値にこの電圧ベク
    トル補正値を加えて新たな電圧ベクトル指令値とし、 この新たな電圧ベクトル指令値に基づいて、該電圧ベク
    トル指令値の存在する三角形の頂点に対応した電圧ベク
    トルが複数存在する場合には、直前に出力する電圧ベク
    トルからスイッチング状態変化の最も少ない電圧ベクト
    ルを選択するようにしたことを特徴とするパルス幅変調
    制御方法。
  7. 【請求項7】 所定のサンプル時間毎に電圧ベクトル指
    令値に基づき、3相インバータで出力可能な電圧ベクト
    ルを平面上に表示して形成される三角形の中から上記電
    圧ベクトル指令値の存在する三角形の頂点に対応した3
    つの電圧ベクトルを選択し、 これ等の3つの電圧ベクトルの出力時間を演算し、 この演算結果に応じた電圧ベクトル指令値に基づいて、
    該電圧ベクトル指令値が小さくゼロ電圧ベクトルだけ出
    力するときは、この電圧ベクトル指令値を電圧ベクトル
    補正値とし、 次のサンプル時間の電圧ベクトル指令値にこの電圧ベク
    トル補正値を加えて新たな電圧ベクトル指令値とし、 この新たな電圧ベクトル指令値に基づき、3相の相順に
    応じて上記3つの電圧ベクトルの出力順を決定し、 上記新たな電圧ベクトル指令値の存在する三角形の頂点
    に対応した電圧ベクトルが複数存在する場合には、直前
    に出力する電圧ベクトルからスイッチング状態変化の最
    も少ない電圧ベクトルを選択するようにしたことを特徴
    とするパルス幅変調制御方法。
  8. 【請求項8】 所定のサンプル時間毎に電圧ベクトル指
    令値に基づき、3相インバータで出力可能な電圧ベクト
    ルを平面上に表示して形成される三角形の中から上記電
    圧ベクトル指令値の存在する三角形の頂点に対応した3
    つの電圧ベクトルを選択し、 これ等の3つの電圧ベクトルの出力時間を演算し、 この演算結果に応じた電圧ベクトル指令値に基づいて、
    該電圧ベクトル指令値から上記選択された電圧ベクトル
    とそれぞれの電圧ベクトルの出力時間とより演算によっ
    て求まる実際に出力する電圧ベクトルを減算することに
    よって電圧ベクトル補正値を求め、 この電圧ベクトル補正値を次のサンプル時間に電圧ベク
    トル指令値に加え合わせて電圧ベクトル指令値を補正す
    るようにしたことを特徴とするパルス幅変調制御方法。
  9. 【請求項9】 所定のサンプル時間毎に電圧ベクトル指
    令値に基づき、多相インバータで出力可能な電圧ベクト
    ルを平面上に表示して形成される三角形の中から上記電
    圧ベクトル指令値の存在する三角形の頂点に対応した3
    つの電圧ベクトルを選択し、 これ等の3つの電圧ベクトルの出力時間を演算し、 この演算結果に応じた電圧ベクトル指令値に基づき、多
    相の相順に応じて上記3つの電圧ベクトルの出力順を固
    定するようにしたことを特徴とするパルス幅変調制御方
    法。
  10. 【請求項10】 電力変換回路の出力電圧の処理を行う
    パルス幅変調処理方法において、 所定のパルス幅変調方式に応じて上記電力変換回路で出
    力可能な電圧ベクトルの出力時間を演算し、 上記パルス幅変調方式が同期形のときは、上記演算した
    電圧ベクトルの出力時間が上記電力変換回路を構成する
    スイッチング素子の最小オンオフ時間より短い場合は上
    記電圧ベクトルの出力時間として上記最小オンオフ時間
    を用い、上記電圧ベクトルの出力時間が上記最小オンオ
    フ時間より長い場合は上記電圧ベクトルの出力時間を演
    算処理可能な最小の時間分解能で離散化するようにした
    ことを特徴とするパルス幅変調処理方法。
  11. 【請求項11】 電力変換回路の出力電圧の処理を行う
    パルス幅変調処理方法において、 所定のパルス幅変調方式に応じて電力変換回路で出力可
    能な電圧ベクトルの出力時間を演算し、 上記パルス幅変調方式が非同期形のときは、上記演算し
    た電圧ベクトルの出力時間が上記電力変換回路を構成す
    るスイッチング素子の最小オンオフ時間より短い場合は
    上記電圧ベクトルの出力時間として上記最小オンオフ時
    間を用い、上記電圧ベクトルの出力時間が上記最小オン
    オフ時間より長い場合は上記電圧ベクトルの出力時間を
    演算処理可能な最小の時間分解能で離散化するか、また
    は電圧ベクトル指令値に対するサンプル時間を上記電圧
    ベクトル指令値あるいは変調率に応じて変更するかの少
    なくとも一方を実行するようにしたことを特徴とするパ
    ルス幅変調処理方法。
  12. 【請求項12】 電力変換回路の出力電圧の処理を行う
    パルス幅変調処理方法において、 所定のパルス幅変調方式に応じて電力変換回路で出力可
    能な電圧ベクトルの出力時間を演算し、 上記パルス幅変調方式として同期形と非同期形のパルス
    幅変調方式を併用するとき、同期形のパルス幅変調方式
    使用時には、上記演算した電圧ベクトルの出力時間が上
    記電力変換回路を構成するスイッチング素子の最小オン
    オフ時間より短い場合は上記電圧ベクトルの出力時間と
    して上記最小オンオフ時間を用い、上記電圧ベクトルの
    出力時間が上記最小オンオフ時間より長い場合は上記電
    圧ベクトルの出力時間を演算処理可能な最小の時間分解
    能で離散化し、 非同期形のパルス幅変調方式使用時には、上記演算した
    電圧ベクトルの出力時間が上記電力変換回路を構成する
    スイッチング素子の最小オンオフ時間より短い場合は上
    記電圧ベクトルの出力時間として上記最小オンオフ時間
    を用い、上記電圧ベクトルの出力時間が上記最小オンオ
    フ時間より長い場合は上記電圧ベクトルの出力時間を演
    算処理可能な最小の時間分解能で離散化するか、または
    電圧ベクトル指令値に対するサンプル時間を上記電圧ベ
    クトル指令値または変調率に応じて変更するかの少なく
    とも一方を実行するようにしたことを特徴とするパルス
    幅変調処理方法。
  13. 【請求項13】 電力変換回路の出力電圧の処理を行う
    パルス幅変調処理方法において、 所定のパルス幅変調方式に応じて電力変換回路で出力可
    能な電圧の出力時間を演算し、 上記パルス幅変調方式が同期形のときは、上記演算した
    電圧の出力時間が上記電力変換回路を構成するスイッチ
    ング素子の最小オンオフ時間より短い場合は上記電圧の
    出力時間として上記最小オンオフ時間を用い、上記電圧
    の出力時間が上記最小オンオフ時間より長い場合は上記
    電圧の出力時間を演算処理可能な最小の時間分解能で離
    散化するようにしたことを特徴とするパルス幅変調処理
    方法。
  14. 【請求項14】 電力変換回路の出力電圧の処理を行う
    パルス幅変調処理方法において、 所定のパルス幅変調方式に応じて電力変換回路で出力可
    能な電圧の出力時間を演算し、 上記パルス幅変調方式が非同期形のときは、上記演算し
    た電圧の出力時間が上記電力変換回路を構成するスイッ
    チング素子の最小オンオフ時間より短い場合は上記電圧
    の出力時間として上記最小オンオフ時間を用い、上記電
    圧の出力時間が上記最小オンオフ時間より長い場合は上
    記電圧の出力時間を演算処理可能な最小の時間分解能で
    離散化するか、または電圧指令値に対するサンプル時間
    を上記電圧指令値あるいは変調率に応じて変更するかの
    少なくとも一方を実行するようにしたことを特徴とする
    パルス幅変調処理方法。
  15. 【請求項15】 電力変換回路の出力電圧の処理を行う
    パルス幅変調処理方法において、 所定のパルス幅変調方式に応じて電力変換回路で出力可
    能な電圧の出力時間を演算し、 上記所定のパルス幅変調方式として同期形と非同期形の
    パルス幅変調方式を併用するとき、同期形のパルス幅変
    調方式使用時には、上記演算した電圧の出力時間が上記
    電力変換回路を構成するスイッチング素子の最小オンオ
    フ時間より短い場合は上記電圧の出力時間として上記最
    小オンオフ時間を用い、上記電圧の出力時間が上記最小
    オンオフ時間より長い場合は上記電圧の出力時間を演算
    処理可能な最小の時間分解能で離散化し、 非同期形のパルス幅変調方式使用時には、上記演算した
    電圧の出力時間が上記電力変換回路を構成するスイッチ
    ング素子の最小オンオフ時間より短い場合は上記電圧の
    出力時間として上記最小オンオフ時間を用い、上記電圧
    の出力時間が上記最小オンオフ時間より長い場合は上記
    電圧の出力時間を演算処理可能な最小の時間分解能で離
    散化するか、または電圧指令値に対するサンプル時間を
    上記電圧指令値または変調率に応じて変更するかの少な
    くとも一方を実行するようにしたことを特徴とするパル
    ス幅変調処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013519342A (ja) * 2010-01-25 2013-05-23 アーベーベー・リサーチ・リミテッド 電気変換器を制御する方法
CN103715926A (zh) * 2013-11-27 2014-04-09 北京机械设备研究所 一种基于映射原理的空间矢量脉冲宽度调制方法

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