JP4893150B2 - 交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法 - Google Patents

交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4893150B2
JP4893150B2 JP2006221355A JP2006221355A JP4893150B2 JP 4893150 B2 JP4893150 B2 JP 4893150B2 JP 2006221355 A JP2006221355 A JP 2006221355A JP 2006221355 A JP2006221355 A JP 2006221355A JP 4893150 B2 JP4893150 B2 JP 4893150B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vector
vectors
output
axis
input
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006221355A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008048529A (ja
Inventor
裕吾 只野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meidensha Corp
Original Assignee
Meidensha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meidensha Corp filed Critical Meidensha Corp
Priority to JP2006221355A priority Critical patent/JP4893150B2/ja
Publication of JP2008048529A publication Critical patent/JP2008048529A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4893150B2 publication Critical patent/JP4893150B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ac-Ac Conversion (AREA)

Description

本発明は、多相の交流電源から任意の電圧または周波数に変換した多相出力を得る交流−交流直接変換装置(マトリックスコンバータ)に係り、特に時々刻々と大きさ・位相が変化する空間ベクトルを入力/出力それぞれで表現し、使用する基本ベクトルを選択してデューティ演算する空間ベクトル変調方法に関する。
従来から存在するこの種の交流−交流直接変換装置は、自己消弧形の半導体素子を用いた双方向スイッチを高速に切換え、単相または多相の交流入力を任意の電圧または周波数の電力に変換する変換装置であり、図1に基本構成を示す。三相交流電源1のR、S、Tの各相に入力フィルタ(InputFilter)2と双方向スイッチS1〜S9構成の交流−交流直接変換回路3を介挿し、制御装置(コントローラ)4によって各双方向スイッチを電源周波数よりも十分高い周波数でPWM制御することにより、入力電圧をモータなどの負荷Loadに直接に印加しながら任意の電圧または周波数に制御したU、V、Wの交流出力を得る。なお、双方向スイッチは、図示のように単方向スイッチを複数用いて構成する場合もある。
ここで、交流−交流直接変換装置の制御法には、大きく分けて仮想DCリンク形(間接変換法)と直接AC−AC変換形との2つの方式がある。仮想DCリンク方式では、仮想的に直流リンクを考えて仮想入力コンバータと仮想出力インバータを独立に制御できるように工夫したもので、従来の電流形PWMコンバータ+電圧形PWMインバータの構成に似ており、制御の考え方が容易になる。一方で、入力側と出力側の各相が1:1で全て異なる相に結線するような6つのスイッチングパターンが発生しないという制約条件がある。直接AC−AC変換形では、上記のスイッチングパターンに制約条件が無い。
また、PWM制御するスイッチングパターンを生成する変調方式としては、主にキャリア比較方式と空間ベクトル方式がある。キャリア比較方式は三角波キャリアと正弦波との大小比較によりスイッチングパターンを生成するもので、仮想DCリンク方式に適用したキャリア比較方式としては、仮想コンバータのキャリア及び仮想PWMパルスから仮想インバータキャリアを生成することで、PWM制御のスイッチング回数を少なくかつ同数にしてスイッチング損失やノイズを低減し、出力電圧の制御精度を向上させるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
仮想DCリンク形でキャリア比較による変調方式とする交流−交流直接変換装置で、仮想コンバータの仮想直流電圧の大きさをPAM(Pulse Amplitude Modulation)方式で制御することで出力電圧の大きさを調整し、仮想インバータでは出力周波数のみを制御する方法も提案されている(例えば、非特許文献1参照)。この制御方法では、出力電圧が低出力領域の時に、電圧高低差の少ないパルスを用いるため、電圧高低差が大きいパルスに比べて、パルス幅を広くできる。また、コモンモード電圧が入力中間相電圧を基準にして変動する。これらによって、出力電圧の高調波低減やコモンモード電圧を低減できる。
空間ベクトル方式は、交流−交流直接変換装置の出力電圧指令値に応じて瞬時空間ベクトルを選択する方式であり、この選択によりスイッチングパターンが決定される。この空間ベクトル方式を採用した交流−交流変換装置も提案されている(例えば、非特許文献2参照)。この空間ベクトル方式においては、時間積分した磁束鎖交数ベクトルの指令値軌跡に近づくように、回転ベクトル、最大単振動ベクトルおよび零ベクトルとを組み合わせて出力電圧の空間ベクトルを選ぶことにより、高調波成分の小さい出力電圧波形を得ると共に、高電圧出力時に誘導電動機駆動時の磁気騒音、トルクリップルを低減することができる。
さらに、変調方式が空間ベクトルではないが、直接AC/AC変換形の交流−交流直接変換装置で、空間ベクトルを用いて27つあるスイッチングパターンを適切に選ぶことで波形歪みを低減している(例えば、非特許文献3参照)。
特開2005−168198号公報 仮想AC/DC/AC変換方式に基づいたマトリックスコンバータのPAM制御法、平成17年電気学会産業応用部門大会、1−43、1−203〜1−206 石黒章夫、 古橋武、 石田宗秋、 大熊繁、 内川嘉樹:「空間ベクトルを用いたPWM制御サイクロコンバータの出力電圧制御法」、電学論D、 Vol.110、 No.6、 pp.655−663 (1990) P.Mutschler、M.Marcks:"A Direct Control Method for Matrix Converters" IEEE trans. on Industrial Electronics. Vol49、No.2、p362−(2002)
例えば、特許文献1や非特許文献1では、変調方式がキャリア比較方式で出力電圧の制御精度の向上、または出力電圧の高調波低減やコモンモード電圧の低減を行っているが、スイッチングによる位相、大きさの遷移を空間ベクトルの挙動によって把握することができる空間ベクトル方式ではスイッチングパターンを生成するプロセスが異なり、適用できない。
また、非特許文献2においては、出力電圧の高調波低減と高出力時のモータ負荷のトルクリップルを低減できるが、入力電流を任意の正弦波に制御することができないため、装置入力側の高調波が非常に大きくなる。したがって、この手法は、入力が系統電源に接続されないような用途に限定されてしまう。また、コモンモード電圧の低減はできない。
一方、非特許文献3は、直接トルク制御/直接電力制御/切り換え制御則等を用いているが、入出力電流を直接切り換え制御するため、出力電流だけでなく入力電流も検出する必要がある。また、基本ベクトルの電圧誤差や位相差が大きくなるスイッチングパターンもあり、この場合には制御が遅くなることやスイッチング回数、スイッチング順序に無駄が生じ、高速な制御に不向きであることやコモンモード電圧の低減ができない。
本発明の目的は、キャリア比較方式とスイッチングパターンを生成するプロセスが異なる空間ベクトル方式による変調方式で、入出力電圧の高調波低減およびコモンモード電圧の低減を図ることができ、または入出力の磁束ベクトルの脈動抑制を図ることができる交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法を提供することにある。
前記の課題を解決するための本発明は、以下の方法を特徴とする。
(1)多相の交流電源から交流−交流直接変換器の双方向スイッチを直接AC/AC変換形の空間ベクトルによる変調でPWM制御する交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法であって、
多相交流出力の線間電圧を2相の静止αβ軸上に展開したベクトルの状態を、線間電圧指令値ベクトルVo*が存在するセクターの位相が遅れている単振動ベクトル軸をX軸、進んでいる単振動ベクトル軸をY軸と定義して、それぞれの軸で最大のベクトルVXmax、VYmaxと、中間のベクトルVXmid、VYmidと、最小のベクトルVXmin、VYminと、相電圧の中間電圧となる零ベクトルVzと、セクター内に1つ存在する回転ベクトルVrotを基本ベクトルとし、このうち4つの単振動ベクトルVXmax、VXmid、VYmax、VYmidと1つの零ベクトルVzとを選択し、
前記選択した5つの基本ベクトルと、入力電流指令値Ii*および出力線間電圧指令値Vol*を静止αβ軸上に展開した入力電流指令値Iiα*、Iiβ*、出力線間電圧指令値Volα*、Volβ*および入力電圧検出値Vi、出力電流検出値Ioから、該5つの基本ベクトルのデューティを求めて入力と出力の波形を同時に正弦波化することを特徴とする。
(2)多相の交流電源から交流−交流直接変換器の双方向スイッチを直接AC/AC変換形の空間ベクトルによる変調でPWM制御する交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法であって、
多相交流出力の線間電圧を2相の静止αβ軸上に展開したベクトルの状態を、線間電圧指令ベクトルVo*が存在するセクターの位相が遅れている単振動ベクトル軸をX軸、進んでいる単振動ベクトル軸をY軸と定義して、それぞれの軸で最大のベクトルVXmax、VYmaxと、中間のベクトルVXmid、VYmidと、最小のベクトルVXmin、VYminと、相電圧の中間電圧となる零ベクトルVzと、セクター内に1つ存在する回転ベクトルVrotを基本ベクトルとし、このうち3つの単振動ベクトルと零ベクトルVzおよび回転ベクトルVrotとを選択し、
前記選択した5つの基本ベクトルと、入力電流指令値Ii*および出力線間電圧指令値Vol*を静止αβ軸上に展開した入力電流指令値Iiα*、Iiβ*、出力線間電圧指令値Volα*、Volβ*および入力電圧検出値Vi、出力電流検出値Ioから、該5つの基本ベクトルのデューティを求めて入力と出力の波形を同時に正弦波化することを特徴とする。
(3)多相の交流電源から交流−交流直接変換器の双方向スイッチを直接AC/AC変換形の空間ベクトルによる変調でPWM制御する交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法であって、
多相交流出力の線間電圧を2相の静止αβ軸上に展開したベクトルの状態を、線間電圧指令ベクトルVo*が存在するセクターの位相が遅れている単振動ベクトル軸をX軸、進んでいる単振動ベクトル軸をY軸と定義して、それぞれの軸で最大のベクトルVXmax、VYmaxと、中間のベクトルVXmid、VYmidと、最小のベクトルVXmin、VYminと、相電圧の中間電圧となる零ベクトルVzと、セクター内に1つ存在する回転ベクトルVrotを基本ベクトルとし、このうち2つの回転ベクトルと零ベクトルVz、および2つの回転ベクトルの位相に挟まれた2つの単振動ベクトルとを選択し、
前記選択した5つの基本ベクトルと、入力電流指令値Ii*および出力線間電圧指令値Vol*を静止αβ軸上に展開した入力電流指令値Iiα*、Iiβ*、出力線間電圧指令値Volα*、Volβ*および入力電圧検出値Vi、出力電流検出値Ioから、該5つの基本ベクトルのデューティを求めて入力と出力の波形を同時に正弦波化することを特徴とする。
(4)前記選択した5つの基本ベクトルのスイッチング状態において、スイッチング回数が最小化するようにスイッチ切換の遷移パターンを決定することを特徴とする。
(5)前記選択した5つの基本ベクトルのスイッチング状態において、スイッチング回数を最小化しつつ、最大相と最小相間の直接転流を防止するようにスイッチ切換の遷移パターンを決定することを特徴とする。
(6)前記デューティの演算は、Moore−Penroseの一般化逆行列を用いて演算することを特徴とする。
(7)前記デューティの演算は、Moore−Penroseの一般化逆行列の解が、ひとつでも負となる場合、または5つの基本ベクトルのデューティの加算値が1とならない場合に、正当な解が得られるまで基本ベクトルの選択を切り換えることを特徴とする。
(8)前記デューティの演算は、Moore−Penroseの一般化逆行列の解を予めテーブル展開して演算負荷を低減することを特徴とする。
(9)前記デューティの演算は、前記出力電流検出値Ioに代えて、該出力電流検出値Ioと入力電流指令値Iiα*、Iiβ*との係数比較によって計算的に該入力電流指令値Iiα*、Iiβ*を求めることを特徴とする。
以上のとおり、本発明によれば、入力・出力波形を正弦波に制御でき、出力電流センサ等を不要にし、演算負荷を軽減できる。また、双方向スイッチの最適化スイッチングにより入出力電圧の高調波低減およびコモンモード電圧の低減、脈動抑制を図ることができる。
図1の3相入力、3相出力の交流−交流直接変換装置を例に挙げ、以下に説明する。入力電源の短絡と出力電流の不連続を起こさないスイッチング条件を考えると、9つの双方向スイッチは表1に示す27(33)パターンの組み合わせに限定される。
Figure 0004893150
この表1中、空間ベクトル上に存在する個々のベクトル(以下、基本ベクトル)について説明すると、S1,S2,S3は3相のうち2相のみを使ったスイッチングになる単振動ベクトルのグループ、R1は反時計方向回転ベクトルのグループ、R2は時計方向回転ベクトルのグループ、Zは出力電圧が常に零になる零ベクトルのグループである。
したがって、図1の交流−交流直接変換装置を正常に動作させるには、この27パターンの中から任意の状態を選択して制御する必要がある。そこで、これら27のスイッチングパターンを、3相/2相変換により3相交流から2相の静止αβ軸上に展開すると、出力電圧の空間ベクトルは図2のように表現でき(図2は、入力相電圧位相θ=15度の例)、以下に本発明に適用する直接AC−AC変換形の空間ベクトルによる変調方式を簡単に説明する。。
交流−交流直接変換装置の出力UV間の線間電圧Vuvを静止α軸方向として基準にし、図2のような出力電圧の空間ベクトルを構成する。図2は、入力相電圧位相θが15度の例で、交流−交流直接変換装置はその瞬時の入力電圧の位相状態や大きさにより27つある基本ベクトルが変動し、入力電圧が3相交流電源であれば、電源周波数(例えば50Hz/60Hz)に同期して空間ベクトルも変動することになる。この点が、通常のインバータ制御と異なる点である(通常のインバータで用いられる空間ベクトルは、入力電圧が直流のため、長さや位相が固定された6角形となる)。
また、交流−交流直接変換装置において仮想的に直流リンクを考えて制御する方式では、仮想コンバータと仮想インバータに分離して考えることができるため、入力側と出力側で個別に6角形の固定長・固定位相の空間ベクトルを用いることができる。したがって、制御が従来通りに単純化して容易になるが、仮想直流リンクは仮想上2本の線で入力相と出力相を結線する必要があるので、入力3相と出力3相のすべてを用いて接続する状態(表1におけるSTATE19〜24の6つのスイッチング状態)が表現できない。そこで、本発明ではこの6つのスイッチング状態を有効活用するために、直接AC/AC変換形の空間ベクトルによる変調方式で制御を考えていく。
先述した基本ベクトルについて、表1に示すように6つのグループに分け、位相角30度の方向を正軸とした単振動ベクトルのグループを単振動ベクトルS1、位相角150度方向を正軸とした単振動ベクトルS2、位相角270度方向を正軸とした単振動ベクトルS3、長さは最大一定で反時計方向に回転する回転ベクトルR1、同じく長さ一定で時計方向に回転する回転ベクトルR2、および6角形の中心零点で固定された零ベクトルZ、以上6つのグループに分ける。これら各々の基本ベクトルは、入力電圧の位相θに依存、つまり入力電圧の角速度ωiに同期して変動する。また、ベクトルの長さ(6角形の大きさ)は入力線間電圧の大きさに対応する。
一方、入力電流の空間ベクトルについても同様の考え方で定義することができる。図3は、出力電流位相φ=15度のときの入力電流の空間ベクトルを示しており、入力R相電流を静止α軸基準としている。交流−交流直接変換装置(マトリックスコンバータのような電源周波数より十分高い周波数でスイッチの切り替え制御するもの)は、出力電圧制御は入力電圧を切り刻んでPWM制御する電圧形インバータの要領で行い、入力電流制御は誘導性負荷を想定した出力電流(負荷電流)を切り刻んでPWM制御する電流形コンバータと同様になる。したがって、入力電流の空間ベクトルは出力電流位相φ、つまり出力電流の角速度ωoに依存して変動する基本ベクトルによって表現される。また、ベクトルの長さはそのときの負荷(出力電流の大きさ)に依存する。
ここで、図2の出力電圧の空間ベクトルと、図3の入力電流の空間ベクトルの違いに着目する。表1で示したグループ分けは、図2の出力電圧の空間ベクトルを形成する基本ベクトルの種類に対応しており、図3の入力電流には対応していない。図4は、入力電流の空間ベクトル(左)と、出力電圧の空間ベクトル(右)を比較した例である(入力電圧位相θ=15度、出力電流位相φ=15度の場合)。図4(b)の出力電圧の空間ベクトルで単振動する基本ベクトルのグループは、図4(a)の入力電流の空間ベクトルでは同じ長さの基本ベクトルに展開される。図4の負荷条件/位相条件で例えると、出力電圧の基本ベクトルで30度方向の単振動ベクトルS1軸は、入力側では6方向の軸それぞれにおける最大長の基本ベクトルに展開されている(図中のiRTT,iSTT,iSRR,iTRR,iTSS,iRSS)。また、回転ベクトルに関しては、出力電流位相に従って回転し、軸の基準がずれているものの出力側と同様に、固定長ベクトルで表現される。
以下、本発明の実施形態になる直接AC−AC変換形の空間ベクトル変調方式について述べる。
(実施形態1)
非特許文献2のような手法を用いて出力線間電圧波形の改善およびスイッチング回数とコモンモード電圧の低減を制御目的とした場合、スイッチング回数低減により高調波が抑制されるものの入力電流は正弦波とならずに高調波を発生して、系統連系システムであれば電力系統に悪影響を与える。したがって、前記手法は系統連系システムでない用途や、別途高調波を減少させる何らかの装置を要するシステムに限定される。
本実施形態では、直接AC/AC変換形の空間ベクトル変調方式で、入力と出力の波形を同時に正弦波化する手法を提案する。
非特許文献2では、3つの基本ベクトルを用いて出力のみ空間ベクトル変調している。3つの出力電圧の基本ベクトルを調整することで、出力電圧の静止α軸方向、β軸方向の成分抽出、および前記3つの基本ベクトルのパルス出力時間(デューティ加算値)が演算周期時間Tに等しくなるように制御している。
一方で、入力電流も制御するためには、入力側のα軸とβ軸方向を制御する2つの自由度がさらに必要と考える。したがって、入出力両方の波形を任意に制御するためには、合計5つの基本ベクトルの制御が最低でも必要である。図5に示す入力および出力空間ベクトルのセクター領域分けの定義において、入力位相指令値θIi*の存在するセクターが「1」、かつ、出力線間電圧指令値Vol*の存在するセクターが「1」のときを代表例として以下に説明する。
図6は、出力側空間ベクトルセクター「1」について、単振動ベクトルと回転ベクトル、および零ベクトルの合計8つを定義したものである。図に示すように単振動ベクトルX軸とY軸を定義し、回転ベクトル方向軸をR軸とする。X軸、Y軸に関しては、1セクター内にそれぞれ3つのベクトルが存在するので、瞬時値の大きい順にmax、mid、minの添え字を与えて表現する(VXmax、VXmid、VXmin、VYmax、VYmid、VYmin)。回転ベクトル方向軸(R軸)は1セクター内に必ず1つのみ存在し、回転ベクトルVrotとおく。零ベクトルVzは、入力相電圧の中間相を用いて表現し(例:入力相電圧の大きさの関係がR>S>Tの関係であるならば、S相が中間相なので表1のスイッチングステートZ2:双方向スイッチの接続状態がSSSを用いる)、零ベクトルVzに用いる中間相は入力位相指令値θIi*が存在する入力セクター「1〜12」の領域によって決定される(入力セクター3、4、9、10→RRR、1、2、7、8→SSS、5、6、11、12→TTT)。入力相電圧の中間相を零ベクトルVzとすることにより、出力側の波形制御の電圧基準となる相が常に中間相となることから、コモンモード電圧の低減が可能となる。また、単振動ベクトルと回転ベクトルは、入力位相指令値θIi*が存在する入力セクターの領域とその位相状態から、スイッチングステートとそのベクトルの大きさ・位相が決定される。
ところで、入出力波形を正弦波化するためには、図6で定義した基本ベクトル8つの中から5つを選択して空間ベクトル変調する必要がある。1セクター内における基本ベクトルの選択パターンは、85=56パターン存在することになり、この中から適宜、入出力波形が正弦波となるように基本ベクトルを選択して変調制御する。
本実施形態では、5つの基本ベクトルの選択手法として、図6の定義における単振動ベクトルVXmax、VXmid、VYmax、VYmid、零ベクトルVo*Vzの5つを常時使用する。この手法は、回転ベクトルVrotを使用せずに電圧利用率の良い単振動ベクトル4つと零ベクトルのみで構成するため、結果的に従来の仮想DCリンク形の空間ベクトル変調方式と同様に4つの単振動ベクトルと1つの零ベクトルである。図7は、入力相電圧位相θ=15度、出力電流位相φ=15度の場合を例として、この実施形態の入出力基本ベクトルの選択状態を表示したものである(入出力の各指令は、斜線で示すセクター領域に存在する)。入力側、出力側ともに、指令値ベクトル(電圧指令値ベクトルVo*と入力位相指令値θIi*)領域をまたぐ60度位相差内の空間に5つの基本ベクトルが存在する。
上記のように選択した5つの基本ベクトルを用いた空間ベクトルのデューティ演算(空間ベクトル変調)に関しては、三角公式等を用いて幾何学的に解く手法や、逆行列を演算する手法で計算できる。
以下にデューティ演算について、逆行列を演算する手法を例に説明する。上述のように5つの基本ベクトルを選択した上で、入力電流指令値Ii*を入力側空間ベクトルの静止αβ軸上に展開したIiα*、Iiβ*を与え、出力線間電圧指令値Vo*を出力が空間ベクトルの静止αβ軸上に展開したVolα*、Volβ*を与える。また、便宜上、5つの基本ベクトル「VXmax、VXmid、VYmax、VYmid、Vz」を出力側で「V1、V2、V3、V4、V5」、入力側で「I1、I2、I3、I4、I5」と定義し直す(例:図8)。入出力それぞれで、5つの基本ベクトルを静止αβ軸に分解し、「I1α、I2α、I3α、I4α、I5α」「I1β、I2β、I3β、I4β、I5β」、「V1α、V2α、V3α、V4α、V5α」「V1β、V2β、V3β、V4β、V5β」とする。求めるべき5つの基本ベクトルのデューティを「d1、d2、d3、d4、d5」とし、これらの加算値はd1+d2+d3+d4+d5=1となるから、以上より数式(1)を導くことができる。
Figure 0004893150
ここで、出力線間電圧指令値Vol*に関しては駆動したい負荷に合わせて任意に与えればよいが、入力電流指令値Ii*に関しては、交流−交流直接変換装置の原理上、その大きさは出力する負荷電流に依存して決定される。したがって、入力電流指令値Ii*の大きさについては出力電圧指令値Vol*の大きさと独立に制御することはできない。そこで、交流−交流直接変換装置の入力−出力間の三相瞬時有効電力は等しいという関係と、入力相電圧位相に対する入力電流位相の差(θIi−θVi)である入力位相指令θ*で入力側の無効電力を調整する条件から、(2)式のようにIiα*、Iiβ*に関する連立方程式を導く。
Figure 0004893150
なお、Viは入力相電圧検出値、Vo*は出力電圧指令の相電圧、Ioは出力電流検出値で、それぞれαβ軸成分に変換している。
(2)式を解くと、(3)式のようになり、入力相電圧検出値Vi、出力線間電圧指令値Vol*、出力電流検出値Ioの情報を用いて、(1)式左辺のIiα*、Iiβ*を計算的に求めることができる。
Figure 0004893150
なお、Vilは入力線間電圧である。
以上の手順から、5つの基本ベクトルのデューティd1〜d5は、(1)式の逆行列を演算することで、(4)式のように求めることができる。
Figure 0004893150
本実施形態では、上述の手順により、5つの基本ベクトルを決定し、デューティを演算(空間ベクトル変調)する手段を備えることで、直接AC−AC変換形の空間ベクトル変調の交流−交流直接変換装置で入力と出力の両方の波形を同時に正弦波に制御することができる。本実施形態における制御装置4の制御ブロックを図9に示すが、転流制御等の本制御内容自体に関連のない制御ブロックは省略している。
(実施形態2)
本実施形態では、実施形態1と同様に任意の5つの基本ベクトルを選択した上で、出力電流検出値Ioを用いなくとも入出力波形を正弦波に制御できる手法を提案する。すなわち、入力相電圧検出値Viのみを用いて、出力はオープンループ制御とする。
デューティ演算までの手順は実施形態1と同様であるが、(3)式における出力電流検出値Ioα、Ioβを使用しない点が異なる。まず、(1)式の係数行列中の「I1α、I2α、I3α、I4α、I5α」「I1β、I2β、I3β、I4β、I5β」を、すべてIoα、Ioβの関係式に変換して係数比較する。以下、(1)式の3行目Ioαに関する式に着目して、図7のスイッチング状態(I1=RSS、I2=RSR、I3=RTT、I4=RTR、I5=SSS)を代表例として説明する。この状態における(1)式を展開すると、(5)式のように表現できる。
Figure 0004893150
I1〜I5に適用されるスイッチング状態がどのような場合でも、(5)式のように静止αβ軸上に展開した出力電流検出値Ioα、Ioβの係数で表現できる。(5)式の左辺Iiα*に、(3)式のIiα*を代入すると、左辺と右辺がIoα、Ioβでそれぞれ係数比較できるため、出力電流検出値Ioα、Ioβを消去でき、(6)式を導くことができる。
Figure 0004893150
このように、求めるべきd1〜d5の他はすべて既知の数となり、Iiβ*についても同様に求めることができる。これにより、Vo*に関する行も含めて行列形式で表現すると(7)式となる。
Figure 0004893150
ここで、Kva1〜Kva5は、それぞれKvaan(係数:n=1〜5)・Vi1a+Kvabn(係数:n=1〜5)・Vi1bである。Kvb1〜Kvb5は、それぞれKvban(係数:n=1〜5)・Vi1a+Kvbbn(係数:n=1〜5)・Vi1bである。nはベクトル番号1〜5、d1〜d5は5つの基本ベクトルを用いた空間ベクトルのデューティ、Volα*とVolβ*は出力線間電圧指令、Iixx(Iiaa:Iiα*を求める式のIoαの項に掛ける係数、Iiab:Iiα*を求める式のIoβの項に掛ける係数、Iiba:Iiβ*を求める式のIoαの項に掛ける係数、Iibb:Iiβ*を求める式のIoβの項に掛ける係数)は入力電流指令計算値((3)式より代入)、Kixx1〜Kixx5(xxはaa,ab,ba,bb)は係数である。
(7)式に示すように、デューティ係数行列は7×5の非正方行列となるので、Moore−Penroseの一般化逆行列の計算手法を用いて(8)式のようにデューティを演算する。
Figure 0004893150
なお、デューティ係数逆行列の「+」は、Moore−Penroseの一般化逆行列を意味する。
以上がデューティ演算(空間ベクトル変調)の手順である。本実施形態によれば、実施形態1に比べて、出力電流を検出せずにデューティ演算することが可能な手段を備えた直接AC−AC変換形の交流−交流直接変換装置になり、高精度な出力電流センサ等を不要にして、入出力波形を同時に正弦波化することができる。本実施形態における制御装置4の制御ブロックを図10に示す。
なお、この手法は実施形態1のような5ベクトル選択手法(VXmax、VXmid、VYmax、VYmid、Vz)に限定されない。したがって、そのほかのベクトル選択であっても、このデューティ演算手法は成立する(後述する他の実施形態の選択手法にも適用できる)。
(実施形態3)
実施形態2のMoore−Penroseの一般化逆行列はアルゴリズム実装上複雑となる場合が多く、演算にも時間を要する可能性がある。そこで、本実施形態では想定される5つの基本ベクトルの全組み合わせについて、演算数式を予めパターンテーブル化しておき、演算アルゴリズムの簡略化・高速化を図る。
通常、Moore−Penroseの一般化逆行列を解く際には特異値分解法を用いることが多いが、ここでは(7)式のデューティ係数行列が最大列階数であるという前提の基で、Moore−Penrose条件から(9)式を用いて演算する。
Figure 0004893150
なお、Aはデューティ係数行列、ATはAの転置行列、A+はAのMoore−Penrose一般化逆行列である。
したがって、デューティ係数行列の階数が5のとき、(7)式は(10)式のように表現できる。
Figure 0004893150
(10)式の各係数Kxxx(Kvaan、Kvabn、Kvban、Kvbbn)は、選択した任意の5つの基本ベクトルの係数が代入されるが、全27パターンあるスイッチング状態から5つのパターンを選択する組み合わせは制御方針により予めパターン数が決まっている。例えば、実施形態1のように基本ベクトル「VXmax、VXmid、VYmax、VYmid、Vz」を常に選択するようにした場合は、出力側の空間ベクトルの各セクター(セクター1〜セクター6)で12パターンずつ存在するので、合計72パターンの組み合わせに限られる。また、基本ベクトルの選択パターンによっては同じ係数を持つ場合があるので、さらに組み合わせ数を低減できる。
そこで、本実施形態では上述のように制御方針に従って限定された基本ベクトルの選択パターンを予め導き、それぞれにおいて(10)式に示す演算式をテーブル展開した上でMoore−Penroseの一般化逆行列演算を簡単化するデューティ演算手段を備えた直接AC−AC変換形の交流−交流直接変換装置となる。演算式を選択するための分岐数は増加するが、選択作業自体は入出力の空間ベクトルのセクター判別のみであり、分岐後の演算負荷は軽減され、演算の信頼性向上やCPU性能・コスト節約に繋がる。本実施形態における制御装置4の制御ブロックを図11に示す。
(実施形態4)
実施形態1のように基本ベクトル「VXmax、VXmid、VYmax、VYmid、Vz」を常に選択するようにした場合において、1制御周期内のスイッチング順序を考慮する。例えば、図7のような入力セクター1、出力セクター1の時、使用する基本ベクトルはRTR、RSR、RTT、RSS、SSSの5つのスイッチングステートとの切り分け状態となる。これら5つの基本ベクトルのデューティ演算(空間ベクトル変調)を1制御周期内で切り換えて、1制御周期の平均値を入出力各指令値となるように制御している。
これら5つのスイッチング状態の切換は、できる限り少ない相数で切り換えることが望ましい。図7の事例で考えると、RTT→RTR→RSR→RSS→SSS、もしくはその反転であるSSS→RSS→RSR→RTR→RTTのどちらかの遷移パターンを用いると、スイッチの切換は4回のスイッチングで必ず1相ごと(各相トータルで4つの切換)に行うことができる。上記2つの遷移パターン以外の配列であると、無駄な切換(2相以上の切換)にスイッチング回数が増加し、損失増加や高調波ノイズ増加に繋がる。また、上記2つの遷移パターンは1制御周期毎に交互に折り返して行う(・・・→RTT→RTR→RSR→RSS→SSS→SSS→RSS→RSR→RTR→RTT→・・・)ことで、任意セクター内におけるスイッチングを常に最適化することができる。
図7の事例以外のそのほかのセクターも同様に、4回のスイッチングで1相毎に切り換える2つの遷移パターンを導くことで、常にスイッチングの最小化パターンを選択できる。
本実施形態によれば、実施形態1〜3に比べて、1制御周期内の5つのスイッチング状態の配列を、スイッチングする素子数が最小化するようにスイッチ切換の遷移パターンを決定することにより、スイッチング損失の低減が可能なデューティ演算手段を備えた直接AC−AC変換形の交流−交流直接変換装置となる。
(実施形態5)
実施形態1の基本ベクトルの選択手法は、従来の仮想DCリンク方式と結果的に同じ基本ベクトルを用いている。すなわち回転ベクトルを使用していないため、直接AC/AC変換形空間ベクトル変調法を用いることなく、仮想DCリンク方式で表現できるスイッチング状態の選択パターンである。本実施形態では、この冗長とも考えられる回転ベクトルを用いて、実施形態1の選択手法よりも性能を改善できることを示す。
図12は、入力セクター1、出力セクター1の状態を示している。図7の実施形態1と異なり、時計方向回転ベクトルVrotであるスイッチング状態RTSを用いている。出力空間ベクトル側においては、必ず1セクター内に1つの回転ベクトルVrotが存在するため、そのベクトルを必ず選択する。また、実施形態1と同様にコモンモード電圧低減が可能な入力相電圧の中間相を用いた零ベクトルVzを選択する。残り3つのベクトルに関しては、セクター領域を挟む2つの単振動ベクトル軸にある6つのベクトル(図6でいうVXmax、VXmid、VXmin、VYmax、VYmid、VYmin)から選択するが、その選択パターンは63=20パターン考えられる。ただし、単振動ベクトルのうち最も小さいベクトル(VXmin、VYmin)に関しては、入力空間ベクトル側で入力指令値に対して大きな位相差を持つ基本ベクトルとなるため、入力リプル低減のためには使用しない。例えば、図12の例で説明すると、出力側のSTT、STSを選択した場合、入力空間では90度方向のベクトルとなり、入力セクター領域に対して、比較的に大きな位相差となってしまう。
したがって、実質は43=4パターン「RTS、SSS、RTR、RSR、RTT」、「RTS、SSS、RTR、RSR、RSS」、「RTS、SSS、RTR、RTT、RSS」、「RTS、SSS、RSR、RTT、RSS」の組み合わせとこれらの反転パターンに限られる。この反転パターンも含めた8つの遷移パターンのうちいずれかを選択して制御すれば良いが、これらのパターン判別を決定づける要素は、入力位相θ、出力位相l、出力電圧指令Vの大きさ等、複雑な条件を有する。
そこで、本実施形態では前記8つの遷移パターンすべてについて係数行列およびそのMoore−Penroseの一般化逆行列を演算しておき、そのデューティd1〜d5の解を求めておく。求めたデューティ解のうち一つでも負となったり、デューティ解の加算値が1とならないようなパターンがある場合は、選択された5つの基本ベクトルのスイッチング状態に無理があり、入出力波形を正弦波化することができないことを意味する。
したがって、そのようなパターンは除外し、正当な解が得られるパターンを4つの中から判別する。交流−交流直接変換装置の制御には、最終的に判別されたスイッチングパターンを適用する。なお、デューティ演算手法は実施形態1〜3と同様である。
本実施形態では、単振動ベクトルと比較して指令値との位相差が小さい回転ベクトルを利用することができるため、実施形態1や仮想DCリンク方式の手法よりも、入力・出力波形の脈動低減や高調波低減が可能な基本ベクトルの選択手段を備えた直接AC−AC変換形の交流−交流直接変換装置となる。
(実施形態6)
本実施形態では、実施形態5の手法におけるスイッチングパターンを最適化する。実施形態5の入力セクター「1」、出力セクター「1」におけるスイッチング状態が「RTS、SSS、RTR、RSR、RTT」、「RTS、SSS、RTR、RSR、RSS」、「RTS、SSS、RTR、RTT、RSS」、「RTS、SSS、RSR、RTT、RSS」およびこれらの遷移パターンの反転とを合わせて8つの遷移パターンである場合に着目する。いま、この8つの遷移パターンを仮に以下のようにモード分けする。
モード1:「RTS、SSS、RTR、RSR、RTT」
モード2:「RTS、SSS、RTR、RSR、RSS」
モード3:「RTS、SSS、RTR、RTT、RSS」
モード4:「RTS、SSS、RSR、RTT、RSS」
これらについて、実施形態4のように、スイッチングする素子を1制御周期内で最小化し、スイッチ切り換えを1相ごとに行うような遷移パターンを考える。すると、モード1、モード4に関してはどのように並び替えても1相ごとのスイッチ切り換えが実現できない。そこで、モード1、モード4に関しては、零相ベクトルSSSをRRRもしくはTTTに切り換える。零相ベクトルは、RRR、SSS、TTTのいずれを用いても零電圧を出力するので、相互に置き換えが可能である。ただし、本実施形態では、コモンモード電圧は犠牲にしている。
モード1:
「RTS、RRR、RTR、RSR、RTT」のときは、RRR→RSR→RTR→RTS→RTT、RTT→RTS→RTR→RSR→RRRの遷移パターンとする。
「RTS、TTT、RTR、RSR、RTT」のときは、TTT→RTT→RTS→RTR→RSR、RSR→RTR→RTS→RTT→TTTの遷移パターンとする。
モード2:
「RTS、SSS、RTR、RSR、RSS」は、SSS→RSS→RSR→RTR→RTS、RTS→RTR→RSR→RSS→SSSの遷移パターン、またはSSS→RSS→RTS→RTR→RSR、RSR→RTR→RTS→RSS→SSSの遷移パターンのどちらでもよい。
モード3:「RTS、SSS、RTR、RTT、RSS」は、SSS→RSS→RTS→RTR→RTT、RTT→RTR→RTS→RSS→SSSの遷移パターンとなる。
モード4:
「RTS、RRR、RSR、RTT、RSS」のときは、RRR→RSR→RSS→RTS→RTT、RTT→RTS→RSS→RSR→RRRの遷移パターンとする。
「RTS、TTT、RSR、RTT、RSS」のときは、TTT→RTT→RTS→RSS→RSR、RSR→RSS→RTS→RTT→TTTの遷移パターンとする。
以上のように、本実施形態では、実施形態5に示す5ベクトル選択手法を用いた場合において、使用する零ベクトルを切り換えることにより1相ごとのスイッチングを実現して、1制御周期内のスイッチングする素子を最小化することができる手段を備えた直接AC−AC変換形の交流−交流直接変換装置となる。
なお、本実施形態で示したセクター状態以外の事例であっても、同様の作業で最小化が可能である。
(実施形態7)
実施形態6は、実施形態5の手法におけるスイッチング回数の最小化のみを考慮して、遷移パターンを最適化した手段を備えた直接AC−AC変換形の交流−交流直接変換装置となる。しかし、コモンモード電圧、すなわちPWM制御する際に基準とするが入力相電圧および中間相の方が、スイッチ切り換え時のPWMパルスの電圧落差を低減できるため、スイッチングノイズやスイッチング損失の低減が可能となる。
そこで、本実施形態では実施形態6の1相ごとのスイッチング効果に加え、入力相電圧の中間相を介したスイッチング遷移パターンを制約条件として与える。図12の入力セクター「1」、出力セクター「1」の例では、入力相電圧の大きさ関係はVr>Vs>Vtであるので、中間相はVs、すなわちS相である。したがって、上述の制約条件を満たすためにはR相とT相間の直接的なスイッチング遷移は回避しなければならない(必ずS相を介してスイッチングする)。
ここで、実施形態6で示した4つのモードについて、この制約条件を考慮して再度、零ベクトルの選択と遷移パターンを考えると、以下のように決定できる。
モード1:
「RTS、RRR、RTR、RSR、RTT」のときは、RRR→RSR→RTR→RTS→RTT、RTT→RTS→RTR→RSR→RRRの遷移パターンとする。
モード2:
「RTS、SSS、RTR、RSR、RSS」のときは、SSS→RSS→RSR→RTR→RTS、RTS→RTR→RSR→RSS→SSSの遷移パターン、またはSSS→RSS→RTS→RTR→RSR、RSR→RTR→RTS→RSS→SSSの遷移パターンとする。
モード3:
「RTS、RRR、RTR、RTT、RSS」、「RTS、SSS、RTR、RTT、RSS」、「RTS、TTT、RTR、RTT、RSS」のいずれの零ベクトルを用いてスイッチング順序を考慮しても、制約条件に抵触するため、このモードは不可。
モード4:
「RTS、RRR、RSR、RTT、RSS」のときは、RRR→RSR→RSS→RTS→RTT、RTT→RTS→RSS→RSR→RRRの遷移パターンとする。
したがって、入力セクター「1」、出力セクター「1」のセクター領域ではモード3を使用してはならないが、結果的にこの領域範囲ではモード3を使用せずとも制御できる(他のモードでデューティ正当解が存在する)ため、モード3を禁止モードとすることにより、上記制約条件を満たすことができる。また、他のセクター領域では禁止すべきモードが変化するため、入力・出力セクターから禁止モードを判別して制御すればよい。
本実施形態では、任意の入出力セクターにおいて、4つのうち1つを禁止モードとすることで、1相ごとのスイッチングと最大相と最小相間の切換を防止することができるため、実施形態6よりも更に低ノイズ・低損失なスイッチングが可能な手段を備えた直接AC−AC変換形の交流−交流直接変換装置となる。
(実施形態8)
入出力の空間ベクトルが図4の状態で、入力指令値が入力セクター「1」に存在し、かつ、出力指令値の位相が回転ベクトルRTSより大きく、RSTより小さい領域に存在するとき、すなわち図13の状態の時は、出力空間において位相差のより小さい「RST、RTS、RTT、RSS、零ベクトル」の5つを選択すると良い。
したがって、本実施形態では、図13のように位相差が60度より小さくなる可能性のある出力領域においては、単振動軸1つをまたいで回転ベクトル2つを使用するモードを適用する手段を備えた直接AC−AC変換形の交流−交流直接変換装置となる。そのほか、デューティ演算等は上述までの実施形態と同様である。この実施形態を併用することで、出力電圧の脈動の更なる低減が期待できる。
(実施形態9)
実施形態8のスイッチング最適化について、実施形態7と同様に考慮すると、以下の遷移パターンとすれば、最大相と最小相間の直接転流防止と1相ごとのスイッチングを実現できる。
「SSS→RSS→RTS→RST→RTT」、「RTT→RST→RTS→RSS→SSS」
本実施形態によれば、回転ベクトル2つを用いる場合のスイッチング順序を最適化することにより、スイッチング損失・ノイズの低減が可能な手段を備えた直接AC−AC変換形の交流−交流直接変換装置となる。
(実施形態10)
上述の実施形態の手法において、Moore−Penroseの一般化逆行列を用いてきたが、出力電圧が過変調領域であったり、想定外の動作や指令値が供給されて、すべてのモードにおいて正当なデューティ解が得られない場合は、次の手順でフェールセーフとして、故障や不安定動作を回避する。なお、どのような指令値入力であっても、表1の27あるスイッチング状態の内、いずれかのスイッチング状態を出力するので、入力電源短絡防止や出力不連続を回避できるが、指令値であるデューティ指令が想定外の動作をすると、入出力波形にとっては過渡的な状態(無駄にスイッチングパターンの遷移を引き起こす、遷移前後の基本ベクトルの位相差やベクトルの大きさの変動が大きいなど)が続く可能性があり、交流−交流直接変換装置の動作が不安定になる可能性がある。
(手順1)まず、実施形態5および実施形態8のモードにおいてデューティ解が得られないときは、仮想DCリンク方式と同様の実施形態2を適用する。
(手順2)上記の(手順1)でもデューティ解が得られないときは、一般的な従来の仮想DCリンク形の空間ベクトル変調手法を並列に動作させておき、そちらの制御に切り換える。入出力の正弦波化はできないが連続的な動作(デューティ解が得られないときに仮想リンク形空間ベクトル変調に切り替え制御に空白を与えない)をさせることができる。
(手順3)上記の手順でも不安定な動作を引き起こす場合は、故障と判断して運転を停止する。
交流−交流直接変換装置の基本構成図。 出力電圧の基本空間ベクトル図。 入力電流の基本空間ベクトル図。 入力側空間ベクトル図(a)と出力側空間ベクトル図(b)。 空間ベクトルの「入力側」セクターと「出力側」セクターの定義例。 出力セクター「1」における基本空間ベクトルの状態図。 入力側空間ベクトルと出力側空間ベクトルの状態図。 入力側と出力側の空間ベクトルの定義し直し例。 制御ブロック図(実施形態1)。 制御ブロック図(実施形態2)。 制御ブロック図(実施形態3)。 入力セクター1、出力セクター1の状態図。 入力セクター1、出力セクター1の状態図。
符号の説明
1 交流電源
2 入力LCフィルタ
3 交流−交流直接変換回路
4 制御装置

Claims (9)

  1. 多相の交流電源から交流−交流直接変換器の双方向スイッチを直接AC/AC変換形の空間ベクトルによる変調でPWM制御する交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法であって、
    多相交流出力の線間電圧を2相の静止αβ軸上に展開したベクトルの状態を、線間電圧指令値ベクトルVo*が存在するセクターの位相が遅れている単振動ベクトル軸をX軸、進んでいる単振動ベクトル軸をY軸と定義して、それぞれの軸で最大のベクトルVXmax、VYmaxと、中間のベクトルVXmid、VYmidと、最小のベクトルVXmin、VYminと、相電圧の中間電圧となる零ベクトルVzと、セクター内に1つ存在する回転ベクトルVrotを基本ベクトルとし、このうち4つの単振動ベクトルVXmax、VXmid、VYmax、VYmidと1つの零ベクトルVzとを選択し、
    前記選択した5つの基本ベクトルと、入力電流指令値Ii*および出力線間電圧指令値Vol*を静止αβ軸上に展開した入力電流指令値Iiα*、Iiβ*、出力線間電圧指令値Volα*、Volβ*および入力電圧検出値Vi、出力電流検出値Ioから、該5つの基本ベクトルのデューティを求めて入力と出力の波形を同時に正弦波化することを特徴とする交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法。
  2. 多相の交流電源から交流−交流直接変換器の双方向スイッチを直接AC/AC変換形の空間ベクトルによる変調でPWM制御する交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法であって、
    多相交流出力の線間電圧を2相の静止αβ軸上に展開したベクトルの状態を、線間電圧指令ベクトルVo*が存在するセクターの位相が遅れている単振動ベクトル軸をX軸、進んでいる単振動ベクトル軸をY軸と定義して、それぞれの軸で最大のベクトルVXmax、VYmaxと、中間のベクトルVXmid、VYmidと、最小のベクトルVXmin、VYminと、相電圧の中間電圧となる零ベクトルVzと、セクター内に1つ存在する回転ベクトルVrotを基本ベクトルとし、このうち3つの単振動ベクトルと零ベクトルVzおよび回転ベクトルVrotとを選択し、
    前記選択した5つの基本ベクトルと、入力電流指令値Ii*および出力線間電圧指令値Vol*を静止αβ軸上に展開した入力電流指令値Iiα*、Iiβ*、出力線間電圧指令値Volα*、Volβ*および入力電圧検出値Vi、出力電流検出値Ioから、該5つの基本ベクトルのデューティを求めて入力と出力の波形を同時に正弦波化することを特徴とする交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法。
  3. 多相の交流電源から交流−交流直接変換器の双方向スイッチを直接AC/AC変換形の空間ベクトルによる変調でPWM制御する交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法であって、
    多相交流出力の線間電圧を2相の静止αβ軸上に展開したベクトルの状態を、線間電圧指令ベクトルVo*が存在するセクターの位相が遅れている単振動ベクトル軸をX軸、進んでいる単振動ベクトル軸をY軸と定義して、それぞれの軸で最大のベクトルVXmax、VYmaxと、中間のベクトルVXmid、VYmidと、最小のベクトルVXmin、VYminと、相電圧の中間電圧となる零ベクトルVzと、セクター内に1つ存在する回転ベクトルVrotを基本ベクトルとし、このうち2つの回転ベクトルと零ベクトルVz、および2つの回転ベクトルの位相に挟まれた2つの単振動ベクトルとを選択し、
    前記選択した5つの基本ベクトルと、入力電流指令値Ii*および出力線間電圧指令値Vol*を静止αβ軸上に展開した入力電流指令値Iiα*、Iiβ*、出力線間電圧指令値Volα*、Volβ*および入力電圧検出値Vi、出力電流検出値Ioから、該5つの基本ベクトルのデューティを求めて入力と出力の波形を同時に正弦波化することを特徴とする交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法。
  4. 前記選択した5つの基本ベクトルのスイッチング状態において、スイッチング回数が最小化するようにスイッチ切換の遷移パターンを決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法。
  5. 前記選択した5つの基本ベクトルのスイッチング状態において、スイッチング回数を最小化しつつ、最大相と最小相間の直接転流を防止するようにスイッチ切換の遷移パターンを決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法。
  6. 前記デューティの演算は、Moore−Penroseの一般化逆行列を用いて演算することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法。
  7. 前記デューティの演算は、Moore−Penroseの一般化逆行列の解が、ひとつでも負となる場合、または5つの基本ベクトルのデューティの加算値が1とならない場合に、正当な解が得られるまで基本ベクトルの選択を切り換えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法。
  8. 前記デューティの演算は、Moore−Penroseの一般化逆行列の解を予めテーブル展開して演算負荷を低減することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法。
  9. 前記デューティの演算は、前記出力電流検出値Ioに代えて、該出力電流検出値Ioと入力電流指令値Iiα*、Iiβ*との係数比較によって計算的に該入力電流指令値Iiα*、Iiβ*を求めることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法。
JP2006221355A 2006-08-15 2006-08-15 交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法 Expired - Fee Related JP4893150B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006221355A JP4893150B2 (ja) 2006-08-15 2006-08-15 交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006221355A JP4893150B2 (ja) 2006-08-15 2006-08-15 交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008048529A JP2008048529A (ja) 2008-02-28
JP4893150B2 true JP4893150B2 (ja) 2012-03-07

Family

ID=39181714

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006221355A Expired - Fee Related JP4893150B2 (ja) 2006-08-15 2006-08-15 交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4893150B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108233755A (zh) * 2018-02-12 2018-06-29 武汉大学 一种抑制多相电机共模电压的空间矢量脉宽调制方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5964616B2 (ja) * 2012-03-09 2016-08-03 株式会社ダイヘン マトリクスコンバータ回路の制御回路、および、当該制御回路を備えたマトリクスコンバータ装置
KR101825451B1 (ko) * 2016-07-28 2018-02-05 엘지전자 주식회사 인버터 제어장치
CN112886849B (zh) * 2019-11-29 2022-08-16 北京华航无线电测量研究所 一种七相电流源型变流器输出电流谐波抑制方法
CN113483478A (zh) * 2021-06-30 2021-10-08 珠海拓芯科技有限公司 直流风机控制方法、装置、空调及计算机可读存储介质

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101137576B1 (ko) * 2002-07-31 2012-04-19 에스엠씨 일렉트리칼 프로덕츠, 인크 중간 내지 고 전압의 3레벨 이상의 ac 구동 인버터 브리지를 구동하는 저 전압 2레벨 6펄스 인덕션 모터 제어기
JP4277186B2 (ja) * 2003-08-25 2009-06-10 富士電機ホールディングス株式会社 電力変換器の制御装置
JP4423950B2 (ja) * 2003-12-03 2010-03-03 富士電機ホールディングス株式会社 交流交流直接変換器の制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108233755A (zh) * 2018-02-12 2018-06-29 武汉大学 一种抑制多相电机共模电压的空间矢量脉宽调制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008048529A (ja) 2008-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4957304B2 (ja) 交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法
KR101460458B1 (ko) 매트릭스 컨버터
KR101621994B1 (ko) 회생형 고압 인버터의 제어장치
JP4862477B2 (ja) 交流−交流直接変換装置の入出力デューティ制御方法
CA2285846C (en) Power converting system multiplexed with voltage dividing transformers, the voltage transformers, and controller for the system
JP4862475B2 (ja) 交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン生成方法
JP3636098B2 (ja) 電力変換装置の制御回路
JP4893150B2 (ja) 交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法
JP4893151B2 (ja) 交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法
WO2019039168A1 (ja) 電力変換装置
JP2004304868A (ja) モーター制御装置
JP4893152B2 (ja) 交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法
JP2004120979A (ja) 電力変換装置
JP2733724B2 (ja) 多巻線交流電動機の電流制御装置
JP3674323B2 (ja) 電力変換器の制御装置
JP2005020799A (ja) 交流/交流直接形電力変換装置の出力電圧補償方法
JP5498664B2 (ja) インバータ制御装置
JP2007306677A (ja) 交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン生成方法
JP2019041562A (ja) 電力変換装置
Sekhar A novel five-level inverter topology for DTC induction motor drive
JP7040077B2 (ja) 電力変換装置
Chandorkar et al. Control techniques for multiple current source GTO converters
Malinowski et al. Control of three-phase PWM rectifiers
JP3821270B2 (ja) Pwm整流装置
Zhiqiang et al. Based on space-vector pulse-width modulated reversible rectifier

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111122

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4893150

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150106

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees