JP4277186B2 - 電力変換器の制御装置 - Google Patents
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Description
この電力変換器においては、三相のPWM整流器1により入力電流を制御しながら所望の直流電圧を得ると共に、この直流電圧から三相の電圧形インバータ2により所望の出力電圧を得ている。
インバータ2についても同様に、出力電圧指令とキャリア波形とを比較し、その大小関係によりインバータ2のPWM信号を得るインバータ制御手段102により、インバータの各半導体スイッチング素子S21〜S2にゲートパルスを与えている。
しかし、直流リンク部に大形の電解コンデンサを備えていると、有効電力Pの脈動をこの電解コンデンサにより吸収することができるので、インバータ2の出力電圧波形に歪みを生じない。すなわち、大形のエネルギーバッファを備えることで、入力電流や出力電圧の波形歪みを抑制しながらPWM整流器1及びインバータ2をそれぞれ独立して制御することができる。
この特許文献1に記載された発明では、三相の電源電圧を検出して三相−二相変換により二相交流電圧を生成し、回転座標変換を行って電源電圧の正相分及び逆相分を抽出し、これらの正相分、逆相分に基づいて入力電流指令を作成している。
周知のように、入力電流波形の歪みは電源電圧の歪みを増加させ、系統の電圧低下や他の電気機器の誤動作を招く恐れがある。また、負荷として電動機を接続した場合、出力電圧波形に歪みを生じると電動機のトルク脈動が発生し、更には高調波電流による銅損が増加して効率の低下を招く。
前記整流器制御手段は、
電源電圧及び電源位相を検出する電源電圧/位相検出手段と、
前記電源電圧検出手段から出力された電源電圧から電圧ベクトルの大きさを算出して出力する電圧ベクトル変換手段と、
前記電圧ベクトルの大きさの最大値及び最小値を検出する最大/最小検出手段と、
前記電圧ベクトルの大きさが、最大値または最小値、もしくは、最大値及び最小値となる時の前記電源位相から求めた正相及び逆相電圧ベクトルの位相と、前記電圧ベクトルの大きさの最大値及び最小値から求めた正相及び逆相電圧ベクトルの大きさと、正相または逆相電流指令の大きさとを用いて、電力変換器の瞬時有効電力をほぼ一定にするようなPWM整流器の入力電流指令を作成する入力電流指令作成手段と、
前記入力電流指令に従って前記PWM整流器に対するPWM信号を作成するPWM信号作成手段と、
を備えたものである。
前記マトリクスコンバータ制御手段は、
電源電圧及び電源位相を検出する電源電圧/位相検出手段と、
前記電源電圧検出手段から出力された電源電圧から電圧ベクトルの大きさを算出して出力する電圧ベクトル変換手段と、
前記電圧ベクトルの大きさの最大値及び最小値を検出する最大/最小検出手段と、
前記電圧ベクトルの大きさが、最大値または最小値、もしくは、最大値及び最小値となる時の前記電源位相から求めた正相及び逆相電圧ベクトルの位相と、前記電圧ベクトルの大きさの最大値及び最小値から求めた正相及び逆相電圧ベクトルの大きさと、正相または逆相電流指令の大きさとを用いて、前記マトリクスコンバータの瞬時有効電力をほぼ一定にするような入力電流指令を作成する入力電流指令作成手段と、
前記入力電流指令に従って前記マトリクスコンバータに対するPWM信号を作成するPWM信号作成手段と、
を備えたものである。
前記整流器制御手段は、電源電圧に含まれる高調波成分の影響を除去するためのフィルタリング手段を備えたものである。
請求項4記載の発明は、請求項2に記載した電力変換器の制御装置において、
前記マトリクスコンバータ制御手段は、電源電圧に含まれる高調波成分の影響を除去するためのフィルタリング手段を備えたものである。
前記整流器制御手段は、 制御遅れを補償するために電源位相を補正する手段を備えたものである。
請求項6記載の発明は、請求項2または4に記載した電力変換器の制御装置において、
前記マトリクスコンバータ制御手段は、制御遅れを補償するために電源位相を補正する手段を備えたものである。
まず、図1は本発明の第1実施形態を示すブロック図であり、主回路がPWM整流器1と電圧形インバータ2とからなる電力変換器の制御装置に関するものである。なお、この電力変換器の直流リンク部には、図8のようなフィルタ3が接続されていない。
数式1で表される電源電圧viに対し、数式2で表される平衡電流を流すと、瞬時有効電力Pは数式3となる。
数式3より、瞬時有効電力Pはcos(2θ)で脈動することになり、例えば負荷が電動機の場合には、トルク脈動が発生する。
前述した図9から明らかな如く、電源電圧不平衡時に三相平衡電流を流すと出力電圧波形に歪みが生じ、瞬時有効電力Pも脈動する。
そこで、この瞬時有効電力Pを一定にするため、数式4のごとく、電力変換器(PWM整流器1)の入力電流指令ii *に逆相分を重畳する。
この場合、瞬時有効電力Pは、数式5となる。
ここで、入力力率を1とすると(φp *=αp)、In *及びφn *は数式6で表される。
まず、電源電圧ベクトルviは、正相電圧ベクトルvpと逆相電圧ベクトルvnとの和である。
図2にvpとvnとが同位置になった時のベクトル図を、図3にvpとvnとの位相差がπになった時のベクトル図をそれぞれ示す。
図2から明らかなように、vpとvnが同位置となった時に、viの大きさは最大値となる。一方、図3に示すように、vpとvnとの位相差がπとなった時に、viの大きさは最小値となる。従って、viの最大値をVmax、最小値をVminとすると、これらは数式8によって表される。
正相電圧ベクトルvpを基準とし(αp=0)、図2に示すように電源電圧ベクトルviが最大となる位相をθlとすると、逆相電圧ベクトルの位相αnは数式10となる。
電源電圧/位相検出手段10は、電源4の三相電圧vR,vS,vTと電源位相θとを検出する。また、電圧ベクトル変換手段11は、数式14に基づいて三相電圧を二相量に変換すると共に、電源電圧ベクトルの大きさViを数式15に基づいて算出し、最大/最小検出手段12へ出力する。
マトリクスコンバータ5は、R,S,T相の入力端子とU,V,W相の出力端子との間に双方向スイッチ51〜59を接続して構成されており、各双方向スイッチ51〜59は、例えばIGBT等の2個の半導体スイッチング素子を逆方向に直列接続すると共に、各スイッチング素子に還流ダイオードをそれぞれ逆並列に接続して構成されている。
すなわち、図8のようなPWM整流器1及びインバータ2からなる電力変換器の入力電圧及び出力電圧の関係は、これらのPWM整流器1及びインバータ2を構成するスイッチング素子のオン、オフ状態を示すスイッチング関数のマトリクス(スイッチングマトリクス)によって一意的に決まり、電力変換器の内部構成が異なっても、同一のスイッチングマトリクスを有していれば、入出力電圧や入出力電流の関係は同一になる。
なお、マトリクスコンバータ5の制御に当たっては、電源短絡及び負荷側のリアクトルのエネルギーの還流経路を確保するため、負荷端開放が生じないようにスイッチングする必要がある。
この実施形態では、電圧ベクトル変換手段11と最大/最小検出手段12との間に、ローパスフィルタやバンドパスフィルタからなるフィルタリング手段15が設けられている。このフィルタリング手段15は、電源電圧/位相検出手段10と電圧ベクトル変換手段11との間に挿入することもできる。
この実施形態は、第1実施形態のようなPWM整流器1及びインバータ2からなる電力変換器や、第2実施形態のようなマトリクスコンバータ5からなる電力変換器を問わず、適用可能である。
この整流器制御手段101Cは、図6の整流器制御手段101Bに位相補償手段16を付加して構成されている。位相補償手段16は補償用位相θcomを出力し、このθcomと最大/最小検出手段12から出力される電源位相θ1との和θ1’を入力電流指令作成手段13に入力する。すなわち、θ1’は数式16によって算出される。
2:電圧形インバータ
4:三相交流電源
5:マトリクスコンバータ
10:電源電圧/位相検出手段
11:電圧ベクトル変換手段
12:最大/最小検出手段
13:入力電流指令作成手段
14:PWM信号作成手段
15:フィルタリング手段
16:位相補償手段
51〜59:双方向スイッチ
101A,101B,101C:整流器制御手段
102:インバータ制御手段
103:PWMパルス合成手段
Claims (6)
- 交流電源に接続されて交流電力を直流電力に変換するPWM整流器と、このPWM整流器の直流側に接続されて直流電力を交流電力に変換するインバータとからなる電力変換器の制御装置であって、前記PWM整流器を制御する整流器制御手段と、前記インバータを制御するインバータ制御手段とを備えた制御装置において、
前記整流器制御手段は、
電源電圧及び電源位相を検出する電源電圧/位相検出手段と、
前記電源電圧検出手段から出力された電源電圧から電圧ベクトルの大きさを算出して出力する電圧ベクトル変換手段と、
前記電圧ベクトルの大きさの最大値及び最小値を検出する最大/最小検出手段と、
前記電圧ベクトルの大きさが、最大値または最小値、もしくは、最大値及び最小値となる時の前記電源位相から求めた正相及び逆相電圧ベクトルの位相と、前記電圧ベクトルの大きさの最大値及び最小値から求めた正相及び逆相電圧ベクトルの大きさと、正相または逆相電流指令の大きさとを用いて、電力変換器の瞬時有効電力をほぼ一定にするようなPWM整流器の入力電流指令を作成する入力電流指令作成手段と、
前記入力電流指令に従って前記PWM整流器に対するPWM信号を作成するPWM信号作成手段と、
を備えたことを特徴とする電力変換器の制御装置。 - 交流電源に接続される交流−交流直接変換器としてのマトリクスコンバータの制御装置であって、前記マトリクスコンバータ内の半導体スイッチング素子を制御するためのマトリクスコンバータ制御手段を備えた制御装置において、
前記マトリクスコンバータ制御手段は、
電源電圧及び電源位相を検出する電源電圧/位相検出手段と、
前記電源電圧検出手段から出力された電源電圧から電圧ベクトルの大きさを算出して出力する電圧ベクトル変換手段と、
前記電圧ベクトルの大きさの最大値及び最小値を検出する最大/最小検出手段と、
前記電圧ベクトルの大きさが、最大値または最小値、もしくは、最大値及び最小値となる時の前記電源位相から求めた正相及び逆相電圧ベクトルの位相と、前記電圧ベクトルの大きさの最大値及び最小値から求めた正相及び逆相電圧ベクトルの大きさと、正相または逆相電流指令の大きさとを用いて、前記マトリクスコンバータの瞬時有効電力をほぼ一定にするような入力電流指令を作成する入力電流指令作成手段と、
前記入力電流指令に従って前記マトリクスコンバータに対するPWM信号を作成するPWM信号作成手段と、
を備えたことを特徴とする電力変換器の制御装置。 - 請求項1に記載した電力変換器の制御装置において、
前記整流器制御手段は、
電源電圧に含まれる高調波成分の影響を除去するためのフィルタリング手段を備えたことを特徴とする電力変換器の制御装置。 - 請求項2に記載した電力変換器の制御装置において、
前記マトリクスコンバータ制御手段は、
電源電圧に含まれる高調波成分の影響を除去するためのフィルタリング手段を備えたことを特徴とする電力変換器の制御装置。 - 請求項1または3に記載した電力変換器の制御装置において、
前記整流器制御手段は、
制御遅れを補償するために電源位相を補正する手段を備えたことを特徴とする電力変換器の制御装置。 - 請求項2または4に記載した電力変換器の制御装置において、
前記マトリクスコンバータ制御手段は、
制御遅れを補償するために電源位相を補正する手段を備えたことを特徴とする電力変換器の制御装置。
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