JP4687851B2 - Pwmサイクロコンバータの入力電流制御方法とpwmサイクロコンバータ装置 - Google Patents

Pwmサイクロコンバータの入力電流制御方法とpwmサイクロコンバータ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,交流電動機を可変速駆動する電力変換装置に関し,特にパルス幅変調(PWM)制御方式の電力変換方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11はPWMサイクロコンバータの従来例のブロックである。PWMサイクロコンバータは、電力回路と制御系回路と駆動回路によって構成されている。
電力回路は三相交流電源1、入力LCフィルタ2、双方向半導体スイッチ群3、ACモータ4、負荷5を含んで構成されている。入力LCフィルタ2は高周波雑音を除去する。
【0003】
制御系回路は、A/D変換器6、位相検出器7、電流制御ブロック13入力電圧判断器10、PWM電圧制御回路9を備えている。
A/D変換器6は、入力電圧の瞬時値Er、Es、Etを検出する。位相検出器7は、3相入力電圧のR相の位相θiを検出する。入力電圧判断器10は、入力電圧の瞬時値Er、Es、Etを入力し、瞬時値として線間電圧最大値ΔEmaxと中間値ΔEmidを求め, PWM電圧制御器9へ出力する。
電流制御ブロック13は、3相正弦波波形発生器11と電流基準演算器12とを備えている。3相正弦波形発生器11は、位相検出器7によって検出されたθiから正弦波の電流指令を発生し、電流基準演算器12に出力する。電流基準演算器12は3相正弦波から電流基準波形Irefを出力する。PWM電圧制御器9は、例えばV/F制御から求められた出力電圧指令Vuc、Vvc、Vwcを入力し、PWM制御信号を生成する。駆動回路8はPWM制御信号に基づいて駆動信号を出力して双方向半導体スイッチ群3を動作させ、各相の電流Iu、Iv、IwをACモータ4に流してモータ4によって負荷5を駆動する。
【0004】
図11には、双方向半導体スイッチ群3が、模型的に1個のスイッチで表現されている。しかし、双方向半導体スイッチ群の従来例として、一方向だけに電流を流すことができて、かつ各々が独立にオン/オフ制御することができる片方向半導体スイッチを2個組み合わせた構成の双方向半導体スイッチを複数個組み合わせた双方向半導体スイッチ群が使用されている。
【0005】
このような双方向半導体スイッチ群の接続を制御する制御系回路において、従来は入力側の電流の制御器として次の電流制御ブロック13が一般的である。
図12は3相正弦波形発生器11の詳細図である。先ず入力電圧の位相角θiよりR、S、T相に対してそれぞれ120ずれた3相基準正弦波sinθi, sin[θi-(2π/3)]、sin[θi-(2π/3)]の値を蓄積したROMテーブルを参照してこれらの値を求め、電流基準演算器12に送る。電流基準演算器12では、入力された3相の中で最大値になる相電流(Nmaxと略す)、中間値になる相電流(Nmidと略す)、最小値になる相電流(Nminと略す)、絶対値が最大値になる相の相電流(Nbaseと略す)を判別し、電流基準Irefを次式(1)よりを求め、PWM電圧制御器に出力する。
Nmax がNbaseの場合には Iref =Nmid/Nmin
Nmin がNbaseの場合には Iref =Nmid/Nmax (1)
また、入力電圧判断器10は、瞬時値で、最大値になる相電圧(Emaxと略す)中間値の相電圧(Emidと略す)、最小値の相電圧(Eminと略す)、絶対値が最大値になる相電圧(Ebaseと略す)を求め、線間電圧最大値ΔEmaxと中間値ΔEmidを次式(2)、(3)によって演算し、その演算結果をPWM電圧制御器9に出力する。
ΔEmax = Emax-Emin (2)
Emax がEbaseの場合には ΔEmid = Emax-Emid (3)
Emin がEbaseの場合には ΔEmid = Emid-Emin (4)
PWM電圧制御器9は、スイッチングパターン作成部とスイッチ信号発生部とを備え、例えばV/F制御から求められた出力電圧指令Vuc、Vvc、Vwcを入力してPWM制御信号を算出する。
スイッチングパターン作成部は、キャリア1周期に出力相電圧指令が最大または最小の出力相と、入力電流指令の絶対値が最小の入力相、中間の入力相、および最大の入力相との間の3個の双方向スイッチをON/OFF する順番および各双方向スイッチをONする時間をこの出力相のスイッチングパターンとして作成して出力し、かつ、キャリア1周期に出力相電圧指令が中間の出力相と、入力電流指令の絶対値が最小の入力相、中間の入力相、および最大の入力相との間の3個の双方向スイッチをON/OFFする順番および各双方向スイッチをONする時間を出力相のスイッチングパターンとして作成する。
スイッチ信号発生部は、入力3相電流指令情報と3相出力電圧情報と前記スイッチングパターンによって、前記9個の双方向スイッチのキャリア一周期のON/OFF信号を発生して出力する。この演算法は、本出願人の出願に係る特願平11−341807号公報に記載されている。以下、この公報に記載されている技術を引用技術と記す。
駆動回路8はPWM制御信号に応答して双方向半導体スイッチ3を動作させ、各相の電流Iu、Iv、IwをACモータ4に流して負荷5を駆動する。
【0006】
図13は、電流基準演算器12の入出力波形の1例を示す波形図である。
上の図は、3相交流電流曲線で、下はIref曲線である。Iref曲線は、1と0との間で周期的に変化をしている。その周期は一定値60°である。このように、3相交流にアンバランスがない場合には、Iref曲線は一定周期で規則正しく変化するけれど、アンバランスがある場合には、この周期が不規則になる(後述の図5参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の方式は入力電圧の位相のみを用いて、各相入力電圧の位相と同じ位相の3相バランス正弦波を3相正弦波形発生器11で出力して制御する。しかし理想的3相入力電源の場合には各相の振幅が同一の正弦波であるが、一般に、入力電源の各相には振幅アンバランスが存在するので、理想的3相入力電源を仮定して作られた従来の方式の電流基準演算器12の出力は入力電圧の相アンバランスの存在下では所望の入力電流を得ることが困難になるという問題点がある。
【0008】
さらに入力電圧値の大きさのみを考慮して入力電圧を3つの制御電圧(Emax, Emid, Emin)に区分し、区分された制御電圧と出力電圧指令を用いて通電スイッチと通電スイッチの通電時間をきめ、出力電圧の制御を行うので、入力電圧のみによって通電スイッチが決定される。従って、様々な入力電流制御方式を実現することが困難になるという問題点がある。本発明はこのような従来の問題点を解決し、様々な高性能入力電流制御方式に対応出来るPWMサイクロコンバータの電流及び電圧制御方式を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明のPWMサイクロコンバータの電流制御方法は、入力交流電圧のアンバランスを、入力交流電圧の逆相成分で表し、この逆相成分を消去するように電流分配率Irefを定めて双方向半導体スイッチ群のスイッチタイミングを制御する。
【0010】
本発明においては、電流分配率(基準電流値)は、逆相成分について補正された入力3相電流指令によって生成される。
本発明は、補正された入力3相電流指令を生成する方法として2つの方法を提案している。
第1の方法は、入力3相交流電圧を2相交流電圧に変換した後、2相正相電圧成分と2相逆相電圧成分を抽出し、2相正相電圧成分と2相逆相電圧成分から3相正相電流指令と3相逆相電流指令を発生する。そして、この3相正相電流指令と3相逆相電流指令によって、補正された入力3相電流指令を生成する(請求項1、請求項2、請求項3参照)。
第2の方法は、入力3相交流電圧から3相交流電流を算出し、算出された3相交流電流から正相3相交流電流を抽出し、この正相3相交流電流を正相入力3相電流指令とし、算出された3相交流電流から正相入力3相電流指令を減算した結果を逆相入力3相電流指令として、補正された入力3相電流指令を生成する方法である(請求項5参照)。
【0011】
第1の方法をさらに説明する。この方法は、
入力3相交流電圧と、該3相電圧の第1の相の位相θiを検出し、
前記入力3相交流電圧を3相−2相変換して2相交流電圧を生成し、
前記2相交流電圧から、前記3相電圧の第1の相と同位相で回転する正相2次元座標軸を基準とする2相正相電圧を抽出する軸座標正変換処理を実行し、
軸座標正変換処理によって抽出された2相正相電圧の、前記正相2次元座標軸に対する位相θpに、設定された力率位相ψを加算して、2相正相電流の位相φpを算出し、
前記2相正相電流の位相φpに前記第1の相の位相θiを加算して、前記半導体スイッチ群に入力する電流を指定する入力電流指令の第1の相の正相成分の位相θ1を生成し、
前記2相正相電圧の絶対値に所定の定数を乗算して前記入力電流指令の第1の相の正相成分の振幅Epを定め、
Ep sin θ1を第1の相の正相電流指令I*p1とし、Ep sin[θ1-(2π/3)]およびEp sin[θ1+(2π/3)]をそれぞれ第2の相の正相電流指令I*p2、第3の相の正相電流指令I*p3と定める。
【0012】
逆相電流指令は次のように生成される。
前記2相交流電圧から、前記3相電圧の第1の相に対して逆相で回転する逆相2次元座標軸を基準とする2相逆相電圧を抽出する軸座標逆変換処理を実行し、
軸座標逆変換処理によって抽出された2相逆相電圧の、前記逆相2次元座標軸に対する位相θnに、前記設定された力率位相ψを加算して、2相逆相電流の位相φnを算出し、
前記2相逆相電流の位相φnに前記第1の相の位相θiを加算して、前記半導体スイッチ群に入力する電流を指定する入力電流指令の第1の相の逆相成分の位相θ2を生成し、
前記2相逆相電圧の絶対値に所定の定数を乗算して前記入力電流指令の逆相成分の振幅Enを定め、
En sin θ2を第1の相の逆相電流指令I*n1とし、En sin[θ2+(2π/3)]およびEn sin[θ2-(2π/3)]をそれぞれ第2の相の逆相電流指令I*n2、第3の相の正相電流指令I*n3と定める。
【0013】
そして、前記第1の相の正相電流指令I*p1、第2の相の正相電流指令I*p2、第3の相の正相電流指令I*p3から、前記第1の相の逆相電流指令I*n1、第2の相の逆相電流指令I*n2、第3の相の逆相電流指令I*n3を相毎に減算してそれぞれ第1の相、第2の相、第3の相の電流指令I*1、I*2、I*3(補正された入力3相電流指令)を生成する。
【0014】
次に、第2の方法は次のように説明される。
先ず、3相交流電圧Er,Es,Etを求め, 任意の陽の定数 を乗算することによって3相交流電流Ir,Is,Itを求める。正相分入力電流指令を次式(5)から求める。そして、その正相分入力電流指令を入力電流指令を生成するために用いる。
【0015】
【数3】
Figure 0004687851
ここでjは90度位相進みである。
更に逆相分入力電流指令を次式(6)から求める。
【0016】
【数4】
Figure 0004687851
入力電流指令として、次式(7)によって前記正相分入力電流指令から前記逆相分入力電流指令を減算して求めた値を用いる。
【0017】
【数5】
Figure 0004687851
第1の方法においても、第2の方法においても、半導体スイッチ群をPWMスイッチング制御するために必要な電流分配率IrefとΔEmax、ΔEmidは、次のようにして求められる(請求項4、請求項6参照)。
【0018】
第1の相、第2の相、第3の相の電流指令I*1、I*2、I*3のうち、電流指令値が最大の相、電流指令値が中間値の相、電流指令値が最小の相、および電流指令値の絶対値が最大の相の組合せ毎に、入力交流の1周期の位相を区分し、
前記区分された入力交流の位相領域に対応する入力3相交流電圧の位相領域において、交流電圧値が最大の相、交流電圧値が中間値の相、交流電圧値が最小の相、交流電圧値の絶対値が最大の相を設定しておき、
各相の電流指令値が与えられたとき、それらの電流指令値のうち、中間値の電流指令値Imidに対する最小の電流指令値Iminの比Irefを演算し、かつ、前記与えられた各相の電流指令値のうち、電流指令値が最大の相、電流指令値が中間値の相、電流指令値が最小の相、電流指令値の絶対値が最大の相の組合せに対応する電流指令の位相領域を判定し、
判定された電流指令の位相領域に対応する入力3相電圧の位相領域に設定されている交流電圧値が最大の相、交流電圧値が中間値の相、交流電圧値が最小の相、交流電圧値の絶対値が最大の相に対して、検出された交流電圧値の最大値Emax、中間値Emid、最小値Emin、最大の絶対値Ebaseを割り当て、
割り当てられた電圧値から次式に従ってΔEmax、ΔEmidを演算する。
【0019】
【数6】
Figure 0004687851
Emax がEbaseの場合には ΔEmid = Emax-Emid
Emin がEbaseの場合には ΔEmid = Emid-Emin (8)
第1の方法を実施するための3相PWMサイクロコンバータ装置は、複数の双方向半導体スイッチから成る半導体スイッチ群を通って3相電源の電力を負荷に伝達する電力回路と、電源電圧を検出する3相電圧検出部、電源電圧の第1の相の位相θiを検出する位相検出部、前記3相電圧検出部によって検出された3相交流電圧と位相検出部によって検出された位相に基づいて、入力3相電流の絶対値が中間値の相電流値の絶対値に対する、絶対値が最小の相電流値の絶対値の比、すなわち、電流分配率を生成する電流制御部、前記3相電圧検出部によって検出された3相交流電圧を入力して、3相交流電圧の大小を判断し、ΔEmaxとΔEmidとを生成する入力電圧判断部、および、前記電流分配率とΔEmaxおよびΔEmidを入力してPWMスイッチング制御信号を生成するPWM電圧制御部を有する制御部と、PWMスイッチング制御信号に応答して前記前記半導体スイッチ群をスイッチング制御する駆動部を有する3相PWMサイクロコンバータ装置であって、
制御部は、
入力3相交流電圧を3相−2相変換して2相交流電圧を生成する3相−2相変換部と、
前記2相交流電圧から、3相交流電圧の第1の相と同位相で回転する正相2次元座標軸を基準とする2相正相電圧を抽出する軸座標正変換処理を実行し、正相分振幅と、正相2次元座標軸に対する前記2相正相電圧の位相を出力する正相分検出部と、
前記2相交流電圧から、3相交流電圧の第1の相に対して逆相で回転する逆相2次元座標軸を基準とする2相逆相電圧を抽出する軸座標逆変換処理を実行し、逆相分振幅と、逆相2次元座標軸に対する前記2相逆相電圧の位相を出力する逆相分検出部と
を有する。
電流制御部は、入力電流制御部と電流基準演算部を有し、
前記入力電流制御部は、軸座標正変換処理によって抽出された2相正相電圧の、前記正相2次元座標軸に対する位相θpに、設定された力率位相ψを加算して、2相正相電流の位相φpを算出し、前記2相正相電流の位相φpに前記第1の相の位相θiを加算して、前記半導体スイッチ群に入力する電流を指定する入力電流指令の第1の相の正相成分の位相θ1を生成し、前記2相正相電圧の絶対値に所定の定数を乗算して前記入力電流指令の第1の相の正相成分の振幅Epを定め、Ep sin θ1を前記入力電流指令の第1の相の正相電流指令I*p1とし、Ep sin[θ1-(2π/3)]およびEp sin[θ1+(2π/3)]をそれぞれ第2の相の正相電流指令I*p2、第3の相の正相電流指令I*p3と定める。
前記入力電流制御部は、更に、軸座標逆変換処理によって抽出された2相逆相電圧の、前記逆相2次元座標軸に対する位相θnに、前記設定された力率位相ψを加算して、2相逆相電流の位相φnを算出し、前記2相逆相電流の位相φnに前記第1の相の位相θiを加算して、前記半導体スイッチ群に入力する電流を指定する入力電流指令の第1の相の逆相成分の位相θ2を生成し、前記2相逆相電圧の絶対値に所定に定数を乗算して前記入力電流指令の逆相成分の振幅Enを定め、En sin θ2を前記入力電流指令の第1の相の逆相電流指令I*n1とし、En sin[θ2+(2π/3)]およびEn sin[θ2-(2π/3)]をそれぞれ第2の相の逆相電流指令I*n2、第3の相の正相電流指令I*n3と定める。
前記入力電流制御部は、更に、第1の相、第2の相、第3の相の正相電流指令I*p1、I*p2、I*p3から第1の相、第2の相、第3の相の逆相電流指令I*n1、I*n2、I*n3をそれぞれ減算して第1の相、第2の相、第3の相の電流指令I*1、I*2、I*3を生成する。
【0020】
前記電流基準演算部は、第1の相、第2の相、第3の相の電流指令I*1、I*2、I*3のうち、電流指令値が最大の相、電流指令値が中間値の相、電流指令値が最小の相、および電流指令値の絶対値が最大の相の組合せ毎に、入力交流の1周期の位相を12の位相領域に区分し、各相の電流指令値が与えられたとき、それらの電流指令値のうち、中間値の電流指令値Imidに対する最小の電流指令値Iminの比Irefを演算し、かつ、前記与えられた各相の電流指令値のうち、電流指令値が最大の相、電流指令値が中間値の相、電流指令値が最小の相、電流指令値の絶対値が最大の相の組合せに対応する電流指令の位相領域を判定して前記入力電圧判断部に出力する。
【0021】
入力電圧判断部は、前記電流基準演算部から12の位相領域の区分を入力し、前記区分された入力交流の位相領域に対応する入力3相交流電圧の位相領域において、交流電圧値が最大の相、交流電圧値が中間値の相、交流電圧値が最小の相、交流電圧値の絶対値が最大の相を設定しておき、判定された電流指令の位相領域に対応する入力3相電圧の位相領域に設定されている交流電圧値が最大の相、交流電圧値が中間値の相、交流電圧値が最小の相、交流電圧値の絶対値が最大の相に対して、検出された交流電圧値の最大値Emax、中間値Emid、最小値Emin、最大の絶対値Ebaseを割り当て、割り当てられた電圧値からΔEmax、ΔEmidを演算する。(請求項8参照)
第2の方法を実施するための3相PWMサイクロコンバータ装置においては、電流制御部は、入力電流制御部と電流基準演算部とを有し、
前記入力電流制御部は、入力3相電圧に定数を乗算して3相交流電流を生成し、前記3相交流電流から、正相3相入力電流指令を抽出し、前記正相3相入力電流指令の2倍から、前記3相交流電流を減算して3相入力電流指令を生成し、
前記電流基準演算部は、第1の相、第2の相、第3の相の電流指令I*1、I*2、I*3のうち、電流指令値が最大の相、電流指令値が中間値の相、電流指令値が最小の相、および電流指令値の絶対値が最大の相の組合せ毎に、入力交流の1周期の位相を12の位相領域に区分し、各相の電流指令値が与えられたとき、それらの電流指令値のうち、中間値の電流指令値Imidに対する最小の電流指令値Iminの比Irefを演算し、かつ、前記与えられた各相の電流指令値のうち、電流指令値が最大の相、電流指令値が中間値の相、電流指令値が最小の相、電流指令値の絶対値が最大の相の組合せに対応する電流指令の位相領域を判定して前記入力電圧判断部に出力し、
前記入力電圧判断部は、前記電流基準演算部から12の位相領域の区分を入力し、前記区分された入力交流の位相領域に対応する入力3相交流電圧の各位相領域において、交流電圧値が最大の相、交流電圧値が中間値の相、交流電圧値が最小の相、交流電圧値の絶対値が最大の相を設定しておき、前記判定された電流指令の位相領域に対応する入力3相電圧の位相領域に設定されている、交流電圧値が最大の相、交流電圧値が中間値の相、交流電圧値が最小の相、交流電圧値の絶対値が最大の相に対して、検出された交流電圧値の最大値Emax、中間値Emid、最小値Emin、最大の絶対値Ebaseを割り当て、割り当てられた電圧値からΔEmax、ΔEmidを演算する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図1に基づいて説明する。
【0023】
図1は本発明のPWMサイクロコンバータの第1の実施形態のブロックである。PWMサイクロコンバータは、電力回路と制御系回路と駆動回路によって構成されている。
電力回路は三相交流電源1、入力LCフィルタ2、双方向半導体スイッチ群3、ACモータ4、負荷5を含んで構成されている。入力LCフィルタ2は高周波雑音を除去する。
【0024】
制御系回路は、A/D変換器6、位相検出器7、入力電圧判断器10、PWM電圧制御回路9、3相−2相変換部13、逆相分検出器14、正相分検出器15、入力電流制御部16、電流基準演算部12を備えている。
【0025】
A/D変換器6は、入力電圧の瞬時値Er、Es、Etを検出する。入力電圧判断器10は、入力電圧の瞬時値Er、Es、Etを入力し、瞬時値として線間電圧最大値ΔEmaxと線間電圧中間値ΔEmidを求め, PWM電圧制御器9へ出力する。
【0026】
3相-2相変換器13は、A/D変換器6で検出された3相入力電圧の瞬時値Er、Es、Etを変換してEds、Eqsの2相電圧を生成し、得られたEds、Eqsを逆相分検出器14と正相分検出器15に出力する。逆相分検出器14は2相電圧を入力して逆相分電圧の振幅Enm、位相θnを生成し、入力電流制御器16に送る。同じ方法で、正相分検出器15は、正相分電圧の振幅Epm、位相θpを生成し、入力電流制御器16に送る。入力電流制御器16は正相分電圧および逆相分電圧と、設定された力率指令ψ*とから、アンバランス電圧の影響を相殺し、かつ、入力電流の力率を任意の値に制御することができる入力電流指令I*R、I*S、I*Tを生成して電流基準演算器12に入力する。
【0027】
電流基準演算器12は、I*R、I*S、I*Tから入力電流の基準値(電流分配率)Irefを求める。Irefは、入力3相電流指令I*R、I*S、I*Tの、中間値をもつ相の電流指令値に対する、最小値の相の電流指令値の比である。入力電圧判断器10は電圧瞬時値の中で線間最大値ΔEmaxと線間中間値ΔEmidとを演算し、PWM電圧制御器9に出力する。
【0028】
PWM電圧制御器9は、ΔEmax、ΔEmid、およびIrefと、例えば、V/F制御から求められた出力電圧指令Vuc、Vvc、Vwcとを入力して、前記引用技術を適用してスイッチングパターンを作成し、スイッチング信号を発生して、PWM制御信号として駆動回路8に出力する。駆動回路8は双方向半導体スイッチ3を動作させ、各相の電流Iu、Iv、IwをACモータ4に流して負荷5を駆動する。
【0029】
次に、本発明のPWMサイクロコンバータの 入力電流制御方式について説明する。
まず、3相入力電圧の瞬時値Er、Es、Etを3相-2相変換器13で変換してEds、Eqsの2相電圧を求める。ここで、次式(9)、式(10)は、3相交流座標系から2相交流座標系への3相−2相変換である。
【0030】
【数7】
Figure 0004687851
図2は正相分検出器15のブロック図である。軸座標正変換器15aは、2相交流座標系から2相直流座標系(3相交流の回転磁界と同じ角速度で回転する2次元直交座標系)に変換する軸座標正変換を行う。軸座標正変換は、次式(11)で表される2相交流座標系から2相直流座標系に変換する軸座標正変換行列C2によってEds、EqsからEd1、Eq1へ変換する。θiは、入力3相交流の位相角であり、回転磁界の角速度をωとするとき、θi=ωtである。これらを一次遅れフィルタ15b、15cに通過させることによって、2相直流座標系の正相分Edf1、Eqf1を求めることができる。振幅検出器15d、位相検出器15eは、Edf1、Eqf1を用いて式(12)で表される振幅及び位相演算式に従う演算を行い、正相分電圧の振幅及び位相Epm、θpを生成する。
【0031】
【数8】
Figure 0004687851
一次遅れフィルタ15b、15cを使用する理由は、もし、入力交流電圧にアンバランスが存在すると、その入力交流電圧を3相−2相変換して得られる2相交流電圧には逆相成分が含まれる。したがって、このような、逆相成分を含んだ2相交流に式(11)で表される軸座標正変換を施すと、その変換結果には、逆相成分による、角周波数2ωの高周波成分が含まれることになる。1次遅れフィルタ15b、15cは、この高周波成分を除去する。
【0032】
入力3相電圧が理想的波形であれば(すなわち、アンバランスが無ければ)、式(12)のq成分Eqf1は0になる。したがって、この場合には、θpは0になる。
【0033】
図3は逆相分検出器14のブロック図である。軸座標逆変換器14aは、2相交流座標系から2相逆相直流座標系(3相交流の回転磁界と同じ角速度で逆回転する2次元直交座標系)に変換する軸座標逆変換を行う。軸座標逆変換部14aは、次式(13)で表される軸座標逆変換行列C3によってEds、EqsをEd2、Eq2へ変換する。軸座標逆変換された電圧Ed2、Eq2を一次遅れフィルタ14b、14cに通過させることによって、2相直流座標系の逆相分Edf2、Eqf2を求めることができる。振幅検出器14d、位相検出器14eは、Edf2、Eqf2を用いて式(14)で表される振幅及び位相演算式に従う演算を行い、逆相分電圧の振幅及び位相Epm、θnをそれぞれ生成する。
【0034】
【数9】
Figure 0004687851
3相アンバランス電圧の一般式は、空間ベクトルを記号<>で表して次の空間ベクトル式(15)で表すことができる。
<ERST> = <Eps> + <Ens> (15)
式(15)でにおいて<Eps>、<Ens>はそれぞれ正相分電圧ベクトルと逆相分電圧ベクトルで、これらのベクトルは次式(16)のように定義される。
【0035】
【数10】
Figure 0004687851
式(16)でEpmは正相分電圧の振幅、Enmは逆相分電圧の振幅、は回転角速度、tは時間、θpおよびθnはそれぞれ遅延角である。
【0036】
本発明では3相入力電圧のアンバランスに対応するように、3相入力側の電流指令値として、次式(17)に示されているようなアンバランス電流指令値<I*RST>を用いる。
<I*RST> = <I*ps> + <I*ns> (17)
式(16)で<I*ps> および<I*ns>は、それぞれ正相分電流ベクトルと逆相分電流ベクトルであって次式(18)のように定義される。
【0037】
【数11】
Figure 0004687851
上記式(17)でI*pmは正相分電流指令の振幅、I*nmは逆相分電流指令の振幅、φ*pとφ*nはそれぞれ遅延角である。
さらに、定常状態における有効電力Pの一般式は次式(19)のようになる。
【0038】
【数12】
Figure 0004687851
上記式(19)の有効電力Pは、次式(20)のように2つの成分に分けることができる。
P = 一定電力成分+リプル電力成分 (20)
本実施形態においては定常状態における有効電力を一定に維持させながら力率=cos(ψ*pf)になるように正相分電流指令の振幅を次式(21)、遅延角を次式(22), 逆相分電流指令の振幅を次式(23)、遅延角を次式(24)のように出力する。
【0039】
【数13】
Figure 0004687851
上記式(21),(23)において、は任意の定数である。
【0040】
図4は本実施形態の入力電流制御器16を示すブロック図である。
図1を参照して前記したように、入力電流制御器16は、設定された力率指令、位相検出器7から出力された入力3相交流の位相θi、正相分電圧および逆相分電圧の振幅Epm、Enm、正相分電圧および逆相分電圧の遅延角θp、θnからアンバランス補正電流指令値
【0041】
【数14】
Figure 0004687851
を出力する。
【0042】
そのために、入力電流制御器16は、正相処理部と逆相処理部とこれらの処理部の出力を加算する加算部を備えている。正相処理部は、図4中でpを含む参照番号で表示されたブロックを備えている。逆相処理部は、図4中でnを含む参照番号で表示されたブロックを備えている。加算部は、図中、R、S、T相に対応する3個の加算器45R、45S、45Tを有する機能部分である。
【0043】
正相処理部は、乗算器42p、加算器43pおよび44p、3相正弦波発生器41p、乗算器44Rp、44Sp、44Tpを備えている。
乗算器42pは、正相分電圧の振幅Epmを入力して任意の陽な定数1/Kfを乗算し、正相分電流指令の振幅I*pmを出力する。この演算は式(21)に対応する。
加算器43pは正相分電圧の遅延角θpと力率位相指令ψ*pfとを加算して正相分位相指令φ*p(正相分電流指令の遅延角φ*p)を生成する。この加算は、式(22)に対応する。加算器44pは、遅延角φ*pに、入力3相交流電圧のR相の位相角θi=ωtを加算して正相分位相θ1(R相3相交流電流指令の位相角)を生成する。
3相正弦波発生器41pは、正相分位相角θ1を変数として振幅1の3相電流指令を生成する。乗算器44Rp、44Sp、44Tpは、それぞれ振幅1の3相電流指令に乗算器42pから出力された正相分電流指令の振幅I*pmを乗算してR相、S相、T相の正相分電流指令I*Rp、I*Sp、I*Tpを生成する。
これらの演算は、式(18)の左側の式に対応する。
【0044】
同様に、逆相処理部は、乗算器42n、加算器43nおよび44n、乗算器46、47、3相正弦波発生器41n、乗算器44Rn、44Sn、44Tnを備えている。
乗算器42nは、正相分電圧の振幅Epmを入力して任意の陽な定数1/Kfを乗算し、逆相分電流指令の振幅I*nmを出力する。この演算は式(23)に対応する。
加算器43nは逆相分電圧の遅延角θnと力率位相指令ψ*pfとを加算して逆相分位相指令φ*n(逆相分電流指令の遅延角φ*n)を生成する。この加算は、式(24)に対応する。加算器44nは、逆相分位相指令φ*nに、入力3相交流電圧のR相の位相角θi=ωtを加算して逆相分正弦波位相θ2を生成する。乗算器46、47は逆相分電流指令の振幅I*nmおよび逆相分位相θ2にそれぞれゲイン−1を乗算する。
3相正弦波発生器41nは、位相角−θ2を変数として振幅1の3相電流指令を生成する。乗算器44Rn、44Sn、44Tnは、それぞれ振幅1の3相電流指令に−I*nmを乗算してR相、S相、T相の逆相分電流指令I*Rn、I*Sn、I*Tnを生成する。
これらの演算は、式(18)の右側の式に対応する。
最後に、加算器45R、45S、45Tによって3つの正相分電流指令と3つの逆相分電流指令をそれぞれ加算さrて入力電流指令(アンバランス補正電流指令)I*R、I*S、I*Tが得られる。この加算は、式(17)に対応する。
【0045】
電流基準演算器12では、入力された3相の電流指令値の中で最大値になる相電流(Imaxと略す)、中間値の相電流(Imidと略す)、最小値の相電流(Iminと略す)、絶対値が最大値になる相電流(Ibaseと略す)を判別し、電流基準Irefを次式(26)よりを求め、PWM電圧制御器に出力する。
Imax がIbaseの場合には Iref =Imid/Imin
Imin がIbaseの場合には Iref =Imid/Imax (26)
図5は電流基準演算器12の入出力波形の一例である。通常のPWMサイクロコンバータでは絶対値が最大値の相を基準電圧として通電させ、他の2相をPWM制御する。電流基準Iref はPWM制御されている2相(Ibase相を除外した2つの相)に流れる電流の比率を意味する。
図5の電流基準波形は、0と1の間において周期的に変動することに関しては図13の従来技術の場合と同様である。しかし、図13の場合には、電流基準波形が1定の周期(60°)で変動しているのに対して、図5の場合には、3相入力電流指令のアンバランスに対応して電流基準波形の周期が変動している点が図13の場合と異なっている。
PWM電圧制御回路9は、図5の電流基準Irefを状態変数の1つとして制御を実行するので、本実施形態のPWM電圧制御回路は、3相入力電流指令のアンバランスの影響を補償したPWM制御を実行することができる。
【0046】
入力電圧判断器10では電圧瞬時値の中で最大になる相電圧(Emaxと略す)、中間値の相(Emidと略す)、最小値の相(Eminと略す)、絶対値が最大値になる相電圧(Ebaseと略す)を求め、ΔEmaxとΔEmidとを式(2)よりを求め、PWM電圧制御器9に出力する。
【0047】
PWM電圧制御器9は、ΔEmaxおよびΔEmidとIrefと、例えばV/F制御から求められた出力電圧指令Vuc、Vvc、Vwcを入力してPWM制御信号を算出する。
PWM電圧制御器9は、キャリアの1周期に出力相電圧指令が最大または最小の出力相と、入力電流指令の絶対値が最小の入力相、中間の入力相、および最大の入力相との間の3個の双方向スイッチをON/OFF する順番および各双方向スイッチをONする時間をこの出力相のスイッチングパターンとして作成して出力し、かつ、キャリア1周期に出力相電圧指令が中間の出力相と、入力電流指令の絶対値が最小の入力相、中間の入力相、および最大の入力相との間の3個の双方向スイッチをON/OFFする順番および各双方向スイッチをONする時間を出力相のスイッチングパターンとして作成する。
PWM電圧制御器9は、更に、入力3相電流指令情報と3相出力電圧情報と前記スイッチングパターンによって、9個の双方向スイッチのキャリア1周期のON/OFF 信号、すなわち、PWM制御信号を発生して出力する。
駆動回路9はPWM制御信号に応答して、双方向半導体スイッチ3を動作させ、各相の電流Iu、Iv、IwをACモータ4に流し負荷5を駆動する。
【0048】
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。
図6は、本実施形態のPWMサイクロコンバータのフロック図である。
本実施形態のサイクロコンバータ電力回路と制御系回路と駆動回路によって構成されている。
電力回路は三相交流電源1、入力LCフィルタ2、双方向半導体スイッチ群3、ACモータ4、負荷5を含んで構成されている。入力LCフィルタ2は高周波雑音を除去する。
【0049】
制御系回路は、A/D変換器6、位相検出器7、入力電流制御器15、電流基準演算部12、入力電圧判断器14、PWM電圧制御回路9を備えている。
A/D変換器6は、入力電圧の瞬時値Er、Es、Etを検出する。位相検出器7は、3相入力電圧のR相電圧位相θiを検出する。入力電流制御器15は、設定された力率指令ψpf*と入力電圧の瞬時値Er、Es、Etと、入力電圧位相θiとを入力し、後述する動作によって入力電流の力率を制御し、および入力電圧のアンバランスを補正することができる3相電流指令基準値I*R、I*S、I*Tを生成して電流基準演算器12に送る。3相電流指令基準値とは、振幅1の3相電流指令ということである。電流基準演算器12は3相電流指令基準値I*R、I*S、I*Tを入力して電流基準波形IrefをPWM電圧制御器9に出力する。入力電圧判断器14は電圧瞬時値Er、Es、Etを入力し、電圧瞬時値Er、Es、Etの中で線間最大値ΔEmaxと線間中間値ΔEmidとを求め、PWM電圧制御器9に出力する。PWM電圧制御器9は、ΔEmaxおよびΔEmidとIrefと、例えばV/F制御から求められた出力電圧指令Vuc、Vvc、Vwcとを入力してPWM制御を行うためのPWM制御信号を生成する。駆動回路8はPWM制御信号に応答して駆動信号を出力し、双方向半導体スイッチ3を動作させ、各相の電流Iu、Iv、IwをACモータ4に流して負荷5を駆動する。
【0050】
次に、本発明のPWMサイクロコンバータの 入力電流制御方式について説明する。
まず、3相入力電圧の位相θiと力率指令ψ*pfとを入力電流制御器15に送る。入力電流制御器15は、基準値I*R、I*S、I*Tを求める。基準値I*R、I*S、I*Tは制御目的によって決められる。例えば、入力力率を任意の値に設定する時には、次式(27)に従って基準値I*R、I*S、I*Tを計算する。式(27)の計算は、図7の回路によって行われる。
【0051】
【数15】
Figure 0004687851
図7は本発明の入力電流制御器の第1の実施例のブロック図である。
この実施例は、入力電圧位相θiに力率位相指令ψ*pfを加算して、入力3相電圧から理想正弦波形の3相電流指令を生成する入力電流制御器の実施例である。
【0052】
本実施例の入力電流制御器15は、加算器71および73、減算器72、ROMテーブル74R、74S、74Tを備えている。加算器71は力率位相指令ψ*pfを入力電圧位相θiに加算して電流指令位相を求める。減算器72および加算器73は、それぞれ電流指令位相θi+ψ*pfをR相の位相としてS相およびT相電流指令の位相を生成する。ROMテーブル74R、74S、74Tは、三角関数テーブルが蓄積されていて3相正弦波形発生器として機能するROMである。これらのROMは、それぞれ加算器71、減算器72、加算器73から与えられる位相に対応してR相、S相、T相の3相電流指令基準値I*R、I*S、I*Tを発生する。
【0053】
図8は本実施形態の入力電流制御器の第2の実施例のブロック図である。本実施例は、入力3相電圧のアンバランスを補正することを目的として電流制御を行う場合の入力電流制御器のブロックである。
本実施例においては、入力3相電圧に定数を乗算して3相交流電流に変換した後、その正相分を抽出し、3相入力電流指令の正相分から3相交流電流の逆相分を差し引いてアンバランス補正用の電流指令を生成する。
【0054】
本実施例の入力電流制御器は、乗算器81R、81S、81Tと、90度位相変換フィルター82R、82S、82Tと、減算器83a、83b、乗算器84a、84b、84c、84d、減算器85a、85b、乗算器86a、86b、減算器87a、87b、および乗加算器88を備えている。
【0055】
乗算器81R、81S、81Tは、A/D変換器から検出された入力電圧Er,Es,Etに任意の陽の定数Imを乗算して入力3相電流値Ir、Is、Itを生成する。90度位相変換フィルター82R、82S、82Tは、それぞれIr、Is、Itを90度位相変換してIr∠90, Is∠90, It∠90を生成する。ここで、∠90は位相を90°回転したベクトルを表し、複素表示のjを乗算することに該当する。
【0056】
減算器83aは、90度位相変換フィルター82Rの出力から90度位相変換フィルター82Sの出力を減算する。減算器83bは、90度位相変換フィルター82Tの出力から90度位相変換フィルター82Sの出力を減算する。
【0057】
乗算器84bおよび84cは、それぞれ乗算器83a、83bの出力に[2・31/2-1を乗算して出力する。また、乗算器84aおよび84dは、それぞれ乗算器81R、81Tの出力に1/2を乗算して出力する。
【0058】
減算器85aは、乗算器84aの出力から乗算器84cの出力を減算する。減算器85bは、乗算器84dの出力から乗算器84bの出力を減算する。
【0059】
乗算器86a、86bは、それぞれ減算器85aおよび85bの出力に2を乗算してその乗算結果を出力する。減算器87a、87bは、それぞれ乗算器86a、86bの出力からR相電流値Ir、T相電流値Itを減算して、その結果をそれぞれR相電流指令I*R、T相電流指令I*Tとして出力する。乗加算器88は、減算器87a、87bの出力I*R、I*Tに−1を乗算して、その乗算結果を加算してS相電流指令I*Sとして出力する。
【0060】
図8の減算器85a、85bの出力IrpおよびItpは、次式(28)で表される。これは、R相およびT相の正相分入力電流指令である。
【0061】
【数16】
Figure 0004687851
式(28)は、式(5)の第1、第3行と等価である。
【0062】
図8の乗算器86a、86b、減算器87a、87b、乗加算器88による演算によって、R相およびT相の正相分入力電流指令からR相およびT相入力電流を減算して、入力電流指令I*R、I*S、I*Tとして次式(29)によって求められる値が得られる。
【0063】
【数17】
Figure 0004687851
このようにして、入力電流指令I*R、I*S、I*Tが得られる。
【0064】
電流基準演算器12は、入力された3相電流指令の中で最大値になる相電流(Imaxと略す)、中間値の相電流(Imidと略す)、最小値の相電流(Iminと略す)、絶対値が最大値になる相電流(Ibaseと略す)を判別し、電流基準Irefを式(30)よりを求め、PWM電圧制御器に出力する。
Imax がIbaseの場合には Iref =Imid/Imin
Imin がIbaseの場合には Iref =Imid/Imax (30)
更にImax、Imid、Iminから図9の規則に従って3相電流指令の位相領域Siを出力する。
【0065】
図9は、相電流がImax、Imid、Imin、Ibaseである相の組と位相領域Siとの対応表である。例えば、図13においては、3相電流指令はバランスした理想的な形状である。この場合には、電流指令の1周期を30°ずつ等分すると、各位相領域における各相電流指令の大小関係は定まっている。例えば、図13の位相区間i(位相角0〜30°の区間)においては、Imax、Imid、Iminの相は、T相、R相、S相でIbaseの相はS相である。また、図13の位相区間iv(位相角90〜120°の区間)においては、Imax、Imid、Iminの相は、R相、S相、T相でIbaseの相はR相である。
【0066】
このように、3相電流指令はバランスしているときには、等間隔で区切られた各位相区間で、各相電流指令は、それぞれ固有の大小関係をもつ。しかし、3相電流指令はバランスしていないときには、図5を参照して前記したように、各相電流指令がそれぞれ固有の大小関係をもつ位相区間は、必ずしも等間隔にはならない。しかし、それぞれの位相区間の電流指令が固有の大小関係をもつように、位相区間を区切ることができる。
図9の表は、このように区切られた位相領域Siと、各相電流指令の大小関係との対応を示す表である。したがって、電流基準演算器12によってImax、Imid、Imin、Ibaseを判別することによって該当する位相領域Siを出力することができる。
次に、入力電圧判断器14について説明する。
【0067】
図10は、各位相領域Siと、入力電圧の最大値Emax、中間値Emid、最小値Emin、絶対値が最大の相の入力電圧の絶対値Ebaseをもつ相との対応を示す表である。入力電圧と電流指令とは、一定の関係(例えば、電流指令の振幅は入力電圧に陽の定数を乗算して求められ、電流指令の位相は、入力電圧の位相に力率位相指令を加算して求められる)にあるので、位相領域Siと入力電圧の大小関係の対応表を予め作成することができる。図10は、その表である。
【0068】
入力電圧判断器14は、3相入力電圧Er,Es,Etと電流基準演算器12から入力された3相電流指令の領域 Si を用いて、図10の規則に従ってEmax、Emid、Emin、Ebaseの相をもとめる。さらに電圧瞬時値の中で線間最大値と線間中間値を次式(30)、(31)から求め、PWM電圧制御器に出力する。
【0069】
【数18】
Figure 0004687851
Emax(Si) がEbase(Si)の場合には
Emin(Si) がEbase(Si)の場合には (31)
ここでEmax(Sj)は3相指令の領域Siによってきまる Emaxに該当する相の入力電圧、Emid(Sj)はEmidに該当する相の入力電圧、Emin(Sj)はEminに該当する相の入力電圧である。
【0070】
PWM電圧制御器9では出力電圧指令Vuc、Vvc、Vwcと電流基準Irefを使って双方向半導体スイッチ3のPWM制御を行って駆動信号を出力する。例えばV/F制御から求められた出力電圧指令Vuc、Vvc、VwcはPWM電圧制御器9に入力される。駆動回路9は双方向半導体スイッチ3を動作させ、各相の電流Iu、Iv、IwをACモータ4に流して負荷5を駆動する。
【0071】
【発明の効果】
以上述べたように,本発明によれば,入力電源の相アンバランスが発生する時もその影響を抑制して、入力電流の波形の歪曲なしに制御をすることが出来る。更に、出力電圧の制御時、従来は入力電圧値の大きさのみに通電スイッチが決定されていたので、入力電圧の相アンバランス補正や入力力率制御などの様々な制御方式を実現する時には入力電流制御が困難となる問題点があったが、本発明は入力電流指令を基準として電圧を区分するので、入力電流波形を歪ませることなしに入力電流制御ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPWMサイクロコンバータの第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示されている正相分検出器14の本発明の一実施例を示す回路図である。
【図3】図1に示されている逆相分検出器15の本発明の一実施例を示す回路図である。
【図4】図1に示されている入力電流制御器16の本発明の一実施例を示す回路図である。
【図5】本発明の図1に示されている電流基準演算器12の入出力波形の1例を示す波形図である。
【図6】本発明のPWMサイクロコンバータの第2の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示されている入力電流制御器15の本発明の一実施例の構成を示す回路図である。
【図8】図6に示されている入力電流制御器15の本発明の一実施例の構成を示す回路図である。
【図9】本発明の図6に示されている入力電流制御器12の中で位相領域Siの具体的な選定方式の1例を示す図である。
【図10】本発明の図6に示されている電流基準演算器14の中で電圧区分をする方式の具体的な1例を示す図である。
【図11】PWMサイクロコンバータの従来例の構成を示すブロック図である。
【図12】従来例の図11に示されている3相正弦波形発生器11の一実施例を示す回路図である。
【図13】従来例の図11に示されている電流基準演算器12の入出力波形の1例を示す波形図である。
【符号の説明】
1 3相交流電源
2 3相入力フィルタ
3 双方向半導体スイッチマトリクス
4 交流電動機
5 負荷
6 A/D変換器
7 位相検出器
8 駆動回路
9 PWM電圧制御器
10 入力電圧判断器
11 3相正弦波形発生器
11a ROMテーブル
12 電流基準演算器
13 電流制御ブロック
14 入力電圧判断器
15 入力電流制御制御器
41p,41n 3相正弦波発生器
42p,42n 乗算器
43p,43n 加算器
44p,44n 加算器
44Rp,44Sp,44Tp 乗算器
44Rn,44Sn,44Tn 乗算器
45R,45S,45T 加算器
46,47 乗算器(ゲイン−1)
71 加算器
72 減算器
74R,74S,74T ROMテーブル
81R,81S,81T 乗算器
82R,82S,82T 90度位相変換フィルター
83a,83b,85a,85b 減算器
84a,84b,84c,84d 乗算器
86a,86b 乗算器
87a,87b 減算器
88 乗加算器

Claims (11)

  1. 複数の双方向半導体スイッチから成る半導体スイッチ群をPWMスイッチング制御して3相電源の電力を負荷に伝達する3相PWMサイクロコンバータの電流制御方法において、
    前記電流制御方法は、前記半導体スイッチ群に入力する電流を指定する入力電流指令を生成する電流指令生成手順を有し、前記電流指令生成手順は、正相電流指令生成手順を含み、該正相電流指令生成手順は、
    入力3相電圧と、該3相電圧の第1の相の位相θiを検出し、
    前記入力3相電圧を3相−2相変換して2相交流電圧を生成し、
    前記2相交流電圧から、前記3相電圧の第1の相と同位相で回転する正相2次元座標軸を基準とする2相正相電圧を抽出する軸座標正変換処理を実行し、
    軸座標正変換処理によって抽出された2相正相電圧の、前記正相2次元座標軸に対する位相θpに、設定された力率位相ψを加算して、2相正相電流の位相φpを算出し、
    前記2相正相電流の位相φpに前記第1の相の位相θiを加算して、前記半導体スイッチ群に入力する電流を指定する入力電流指令の第1の相の正相成分の位相θ1を生成し、
    前記2相正相電圧の絶対値に所定の定数を乗算して前記入力電流指令の第1の相の正相成分の振幅Epを定め、
    Ep sin θ1を第1の相の正相電流指令I*p1とし、Ep sin[θ1-(2π/3)]およびEp sin[θ1+(2π/3)]をそれぞれ第2の相の正相電流指令I*p2、第3の相の正相電流指令I*p3と定める
    手順を含んでいる
    ことを特徴とするPWMサイクロコンバータの入力電流制御方法。
  2. 前記電流指令生成手順は、逆相電流指令生成手順を含み、該逆相電流指令生成手順は、
    前記2相交流電圧から、前記3相電圧の第1の相に対して逆相で回転する逆相2次元座標軸を基準とする2相逆相電圧を抽出する軸座標逆変換処理を実行し、
    軸座標逆変換処理によって抽出された2相逆相電圧の、前記逆相2次元座標軸に対する位相θnに、前記設定された力率位相ψを加算して、2相逆相電流の位相φnを算出し、
    前記2相逆相電流の位相φnに前記第1の相の位相θiを加算して、前記半導体スイッチ群に入力する電流を指定する入力電流指令の第1の相の逆相成分の位相θ2を生成し、
    前記2相逆相電圧の絶対値に所定の定数を乗算して前記入力電流指令の逆相成分の振幅Enを定め、
    En sin θ2を第1の相の逆相電流指令I*n1とし、En sin[θ2+(2π/3)]およびEn sin[θ2-(2π/3)]をそれぞれ第2の相の逆相電流指令I*n2、第3の相の正相電流指令I*n3と定める
    手順を含んでいる、請求項1に記載のPWMサイクロコンバータの入力電流制御方法。
  3. 前記第1の相の正相電流指令I*p1、第2の相の正相電流指令I*p2、第3の相の正相電流指令I*p3から、前記第1の相の逆相電流指令I*n1、第2の相の逆相電流指令I*n2、第3の相の逆相電流指令I*n3を相毎に減算してそれぞれ第1の相、第2の相、第3の相の電流指令I*1、I*2、I*3を生成する、請求項2に記載のPWMサイクロコンバータの入力電流制御方法。
  4. 第1の相、第2の相、第3の相の電流指令I*1、I*2、I*3のうち、電流指令値が最大の相、電流指令値が中間値の相、電流指令値が最小の相、および電流指令値の絶対値が最大の相の組合せ毎に、入力交流の1周期の位相を区分し、
    前記区分された入力交流の位相領域に対応する入力3相交流電圧の位相領域において、交流電圧値が最大の相、交流電圧値が中間値の相、交流電圧値が最小の相、交流電圧値の絶対値が最大の相を設定しておき、
    各相の電流指令値が与えられたとき、それらの電流指令値のうち、中間値の電流指令値Imidに対する最小の電流指令値Iminの比Irefを演算し、かつ、前記与えられた各相の電流指令値のうち、電流指令値が最大の相、電流指令値が中間値の相、電流指令値が最小の相、電流指令値の絶対値が最大の相の組合せに対応する電流指令の位相領域を判定し、
    判定された電流指令の位相領域に対応する入力3相電圧の位相領域に設定されている、交流電圧値が最大の相、交流電圧値が中間値の相、交流電圧値が最小の相、交流電圧値の絶対値が最大の相に対して、検出された交流電圧値の最大値Emax、中間値Emid、最小値Emin、最大の絶対値Ebaseを割り当て、
    割り当てられた電圧値から次式に従ってΔEmax、ΔEmidを演算し、
    比Irefを電流分配率として、電流分配率とΔEmax、ΔEmidに基づいて前記半導体スイッチ群をPWMスイッチング制御する、
    請求項3に記載のPWMサイクロコンバータの入力電流制御方法。
    Figure 0004687851
    Emax がEbaseの場合には ΔEmid = Emax-Emid
    Emin がEbaseの場合には ΔEmid = Emid-Emin
  5. 複数の双方向半導体スイッチから成る半導体スイッチ群をPWMスイッチング制御して3相電源の電力を負荷に伝達する3相PWMサイクロコンバータの電流制御方法において、
    前記電流制御方法は、前記半導体スイッチ群に入力する電流を指定する入力電流指令を生成する電流指令生成手順を有し、該電流指令生成手順は、
    入力3相電圧に定数を乗算して3相交流電流を生成し、
    前記3相交流電流から、正相3相入力電流指令を抽出し、
    前記正相3相入力電流指令の2倍から、前記3相交流電流値を減算して3相入力電流指令を生成し、
    前記3相入力電流指令を用いて前記半導体スイッチ群のPWMスイッチング制御を実行する、PWMサイクロコンバータの入力電流制御方法。
  6. 第1の相、第2の相、第3の相の3相入力電流指令I*1、I*2、I*3のうち、電流指令値が最大の相、電流指令値が中間値の相、電流指令値が最小の相、および電流指令値の絶対値が最大の相の組合せ毎に、入力交流の1周期の位相を区分し、
    前記区分された入力交流の位相領域に対応する入力3相交流電圧の位相領域において、交流電圧値が最大の相、交流電圧値が中間値の相、交流電圧値が最小の相、交流電圧値の絶対値が最大の相を設定しておき、
    各相の電流指令値が与えられたとき、それらの電流指令値のうち、中間値の電流指令値Imidに対する最小の電流指令値Iminの比Irefを演算し、かつ、前記与えられた各相の電流指令値のうち、電流指令値が最大の相、電流指令値が中間値の相、電流指令値が最小の相、電流指令値の絶対値が最大の相の組合せに対応する電流指令の位相領域を判定し、
    判定された電流指令の位相領域に対応する入力3相電圧の位相領域に設定されている交流電圧値が最大の相、交流電圧値が中間値の相、交流電圧値が最小の相、交流電圧値の絶対値が最大の相に対して、検出された交流電圧値の最大値Emax、中間値Emid、最小値Emin、最大の絶対値Ebaseを割り当て、
    割り当てられた電圧値から次式に従ってΔEmax、ΔEmidを演算し、
    比Irefを電流分配率として、電流分配率とΔEmax、ΔEmidに基づいて前記半導体スイッチ群をPWMスイッチング制御する、
    請求項5に記載のPWMサイクロコンバータの入力電流制御方法。
    Figure 0004687851
    Emax がEbaseの場合には ΔEmid = Emax-Emid
    Emin がEbaseの場合には ΔEmid = Emid-Emin
  7. 複数の双方向半導体スイッチから成る半導体スイッチ群をPWMスイッチング制御して3相電源の電力を負荷に伝達する3相PWMサイクロコンバータの電流制御方法において、
    前記電流制御方法は、前記半導体スイッチ群に入力する電流を指定する入力電流指令を生成する電流指令生成手順を有し、前記電流指令生成手順は、
    入力3相交流電圧の第1の相の位相を検出し、
    入力3相交流電圧の第1の相の位相に力率位相指令を加算して入力3相電流指令の第1の相の位相を生成し、
    該入力3相電流指令の第1の相の位相をもつ正弦波を生成し、該正弦波を第1の相の電流指令とし、第1の相の電流指令に対して120°ずつ位相を遅らせて3相電流指令を生成する、
    手順を含んでいるPWMサイクロコンバータの入力電流制御方法。
  8. 複数の双方向半導体スイッチから成る半導体スイッチ群を通って3相電源の電力を負荷に伝達する電力回路と、電源電圧を検出する3相電圧検出部、電源電圧の第1の相の位相θiを検出する位相検出部、前記3相電圧検出部によって検出された3相交流電圧と位相検出部によって検出された位相に基づいて、入力3相電流の電流値が中間値の相の相電流値に対する、最小値の相の相電流値の比、すなわち、電流分配率を生成する電流制御部、前記3相電圧検出部によって検出された3相交流電圧を入力して、3相交流電圧の大小を判断し、ΔEmaxとΔEmidとを生成する入力電圧判断部、および、前記電流分配率とΔEmaxおよびΔEmidを入力してPWMスイッチング制御信号を生成するPWM電圧制御部を有する制御部と、PWMスイッチング制御信号に応答して前記前記半導体スイッチ群をスイッチングする駆動部を有する3相PWMサイクロコンバータ装置において、前記制御部は、
    入力3相交流電圧を3相−2相変換して2相交流電圧を生成する3相−2相変換部と、
    前記2相交流電圧から、3相交流電圧の第1の相と同位相で回転する正相2次元座標軸を基準とする2相正相電圧を抽出する軸座標正変換処理を実行し、正相分振幅と、正相2次元座標軸に対する前記2相正相電圧の位相を出力する正相分検出部と、
    前記2相交流電圧から、3相交流電圧の第1の相に対して逆相で回転する逆相2次元座標軸を基準とする2相逆相電圧を抽出する軸座標逆変換処理を実行し、逆相分振幅と、逆相2次元座標軸に対する前記2相逆相電圧の位相を出力する逆相分検出部と
    を有し、
    前記電流制御部は、入力電流制御部と電流基準演算部を有し、
    前記入力電流制御部は、軸座標正変換処理によって抽出された2相正相電圧の、前記正相2次元座標軸に対する位相θpに、設定された力率位相ψを加算して、2相正相電流の位相φpを算出し、前記2相正相電流の位相φpに前記第1の相の位相θiを加算して、前記半導体スイッチ群に入力する電流を指定する入力電流指令の第1の相の正相成分の位相θ1を生成し、前記2相正相電圧の絶対値に所定の定数を乗算して前記入力電流指令の第1の相の正相成分の振幅Epを定め、Ep sin θ1を前記入力電流指令の第1の相の正相電流指令I*p1とし、Ep sin[θ1-(2π/3)]およびEp sin[θ1+(2π/3)]をそれぞれ第2の相の正相電流指令I*p2、第3の相の正相電流指令I*p3と定め、
    前記入力電流制御部は、更に、軸座標逆変換処理によって抽出された2相逆相電圧の、前記逆相2次元座標軸に対する位相θnに、前記設定された力率位相ψを加算して、2相逆相電流の位相φnを算出し、前記2相逆相電流の位相φnに前記第1の相の位相θiを加算して、前記半導体スイッチ群に入力する電流を指定する入力電流指令の第1の相の逆相成分の位相θ2を生成し、前記2相逆相電圧の絶対値に所定に定数を乗算して前記入力電流指令の逆相成分の振幅Enを定め、En sin θ2を前記入力電流指令の第1の相の逆相電流指令I*n1とし、En sin[θ2+(2π/3)]およびEn sin[θ2-(2π/3)]をそれぞれ第2の相の逆相電流指令I*n2、第3の相の正相電流指令I*n3と定め、
    前記入力電流制御部は、更に、第1の相、第2の相、第3の相の正相電流指令I*p1、I*p2、I*p3から第1の相、第2の相、第3の相の逆相電流指令I*n1、I*n2、I*n3をそれぞれ減算して第1の相、第2の相、第3の相の電流指令I*1、I*2、I*3を生成し、
    前記電流基準演算部は、第1の相、第2の相、第3の相の電流指令I*1、I*2、I*3のうち、電流指令値が最大の相、電流指令値が中間値の相、電流指令値が最小の相、および電流指令値の絶対値が最大の相の組合せ毎に、入力交流の1周期の位相を12の位相領域に区分し、各相の電流指令値が与えられたとき、それらの電流指令値のうち、中間値の電流指令値Imidに対する最小の電流指令値Iminの比Irefを演算し、かつ、前記与えられた各相の電流指令値のうち、電流指令値が最大の相、電流指令値が中間値の相、電流指令値が最小の相、電流指令値の絶対値が最大の相の組合せに対応する電流指令の位相領域を判定して前記入力電圧判断部に出力し、
    前記入力電圧判断部は、前記電流基準演算部から12の位相領域の区分を入力し、前記区分された入力交流の位相領域に対応する入力3相交流電圧の位相領域において、交流電圧値が最大の相、交流電圧値が中間値の相、交流電圧値が最小の相、交流電圧値の絶対値が最大の相を設定しておき、判定された電流指令の位相領域に対応する入力3相電圧の位相領域に設定されている交流電圧値が最大の相、交流電圧値が中間値の相、交流電圧値が最小の相、交流電圧値の絶対値が最大の相に対して、検出された交流電圧値の最大値Emax、中間値Emid、最小値Emin、最大の絶対値Ebaseを割り当て、割り当てられた電圧値からΔEmax、ΔEmidを演算する
    ことを特徴とするPWMサイクロコンバータ装置。
  9. 前記正相分検出部は、2相交流電圧から、3相交流電圧の第1の相と同位相で回転する正相2次元座標軸を基準とする2相正相電圧を抽出する軸座標正変換処理を実行する軸座標正変換部と、軸座標正変換部から出力された2相正相電圧の成分から高周波雑音成分を除去する1次遅れフィルタと、2相正相電圧の絶対値を検出する振幅検出部と、2相正相電圧の、正相2次元座標軸に対する位相を検出する位相検出部を有し、
    前記逆相分検出部は、2相交流電圧から、3相交流電圧の第1の相に対して逆位相で回転する逆相2次元座標軸を基準とする2相逆相電圧を抽出する軸座標逆変換処理を実行する軸座標逆変換部と、軸座標逆変換部から出力された2相逆相電圧の成分から高周波雑音成分を除去する1次遅れフィルタと、前記1次遅れフィルタから出力された2相逆相電圧の絶対値を検出する振幅検出部と、2相逆相電圧の、逆相2次元座標軸に対する位相を検出する位相検出部を有する、請求項8に記載のPWMサイクロコンバータ装置。
  10. 複数の双方向半導体スイッチから成る半導体スイッチ群を通って3相電源の電力を負荷に伝達する電力回路と、電源電圧を検出する3相電圧検出部、電源電圧の第1の相の位相θiを検出する位相検出部、前記3相電圧検出部によって検出された3相交流電圧と位相検出部によって検出された位相に基づいて、入力3相電流の電流値が中間値の相の相電流値に対する、電流値が最小の相の相電流値の比、すなわち、電流分配率を生成する電流制御部、前記3相電圧検出部によって検出された3相交流電圧を入力して、3相交流電圧の大小を判断し、ΔEmaxとΔEmidとを生成する入力電圧判断部、および、前記電流分配率とΔEmaxおよびΔEmidを入力してPWMスイッチング制御信号を生成するPWM電圧制御部を有する制御部と、PWMスイッチング制御信号に応答して前記前記半導体スイッチ群をスイッチングする駆動部を有する3相PWMサイクロコンバータ装置において、
    前記電流制御部は、入力電流制御部と電流基準演算部とを有し、
    前記入力電流制御部は、入力3相電圧に定数を乗算して3相交流電流を生成し、前記3相交流電流から、正相3相入力電流指令を抽出し、前記正相3相入力電流指令の2倍から、前記3相交流電流を減算して3相入力電流指令を生成し、
    前記電流基準演算部は、第1の相、第2の相、第3の相の電流指令I*1、I*2、I*3のうち、電流指令値が最大の相、電流指令値が中間値の相、電流指令値が最小の相、および電流指令値の絶対値が最大の相の組合せ毎に、入力交流の1周期の位相を12の位相領域に区分し、各相の電流指令値が与えられたとき、それらの電流指令値のうち、中間値の電流指令値Imidに対する最小の電流指令値Iminの比Irefを演算し、かつ、前記与えられた各相の電流指令値のうち、電流指令値が最大の相、電流指令値が中間値の相、電流指令値が最小の相、電流指令値の絶対値が最大の相の組合せに対応する電流指令の位相領域を判定して前記入力電圧判断部に出力し、
    前記入力電圧判断部は、前記電流基準演算部から12の位相領域の区分を入力し、前記区分された入力交流の位相領域に対応する入力3相交流電圧の各位相領域において、交流電圧値が最大の相、交流電圧値が中間値の相、交流電圧値が最小の相、交流電圧値の絶対値が最大の相を設定しておき、前記判定された電流指令の位相領域に対応する入力3相電圧の位相領域に設定されている、交流電圧値が最大の相、交流電圧値が中間値の相、交流電圧値が最小の相、交流電圧値の絶対値が最大の相に対して、検出された交流電圧値の最大値Emax、中間値Emid、最小値Emin、最大の絶対値Ebaseを割り当て、割り当てられた電圧値からΔEmax、ΔEmidを演算する
    ことを特徴とするPWMサイクロコンバータ装置。
  11. 入力電流制御部は、第1、第2、第3の乗算器と、第1、第2、第3の90度位相変換フィルターと、第1および第2の減算器、第4、第5、第6、第7の乗算器、第3および第4の減算器、第8および第9の乗算器、第5および第6の減算器、および乗加算器を備え、
    第1、第2、第3の乗算器は、それぞれ、第1の相、第2の相、第3の相の交流電圧の瞬時値に所定の定数を乗算して交流電流を生成し、
    第1、第2、第3の90度位相変換フィルターは、それぞれ、第1、第2、第3の乗算器から出力された第1の相、第2の相、第3の相の交流電流の位相を90°変換し、
    第1の減算器は、第1の90度位相変換フィルターの出力から第2の90度位相変換フィルターの出力を減算し、第2の減算器は、第3の90度位相変換フィルターの出力から第2の90度位相変換フィルターの出力を減算し、
    第5および第6の乗算器は、それぞれ第1、第2の減算器の出力に[2・31/2-1を乗算して出力し、また、第4および第7の乗算器は、それぞれ第1、第3の乗算器の出力に1/2を乗算して出力し、
    第3の減算器は、第4の乗算器の出力から第6の乗算器84cの出力を減算し、第4の減算器は、第7の乗算器の出力から第5の乗算器の出力を減算し、
    第8、第9の乗算器は、それぞれ第3および第4の減算器の出力に2を乗算してその乗算結果を出力し、第5、第6の減算器は、それぞれ第8および第9の乗算器の出力から第1の相の電流値、第3の相の電流値を減算して、その結果をそれぞれ第1の相の電流指令、第3の相の電流指令として出力し、乗加算器は、第5および第6の減算器の出力に−1を乗算して、その乗算結果を加算して第2の相の電流指令I*Sとして出力する、請求項10に記載のPWMサイクロコンバータ装置。
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