JPH077937U - 印刷機シリンダ洗浄装置 - Google Patents

印刷機シリンダ洗浄装置

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    • B41P2235/10Cleaning characterised by the methods or devices
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷機シリンダ洗浄装置のスクレーパへの粉
塵付着を防止する。 【構成】 印刷シリンダに対面して接離移動可能とさ
れ、前記シリンダの表面に接触するブラシ繊維が植設さ
れたブラシロールと、このブラシロールを回転させる回
転駆動手段とを備え、前記ブラシロールをケーシングに
より取囲み配置し、ケーシング内には前記ブラシロール
に噛み込み接触するスクレーパを有し、当該スクレーパ
により除去された塵埃の収集部を設けた印刷シリンダ洗
浄装置において、前記ブラシロールに噛み込み接触する
スクレーパを回転可能にケーシングに取り付け、ブラシ
ロールの回転に連れ回り可能とした構成とした。あるい
はスクレーパを回転駆動できるようにする。スクレーパ
は多角形断面とし途中で捩るように構成し、あるいはス
プライン溝、ローレット溝を形成してもよい。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は印刷機シリンダ洗浄装置に係り、特にブランケットシリンダ等に回転 接触させる洗浄ブラシを備え、シリンダから取り除いてブラシロールに付着した 紙粉等をブラシロールから除去するスクレーパを有するタイプの印刷機シリンダ 洗浄装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、印刷機シリンダにはインキカスや紙粉が付着するために定期的に洗浄を 行うようにしている。洗浄方式には各種提案されているが、このうちブラシロー ルを用いて洗浄する装置は、ボックス状のケーシングに開口を形成しておき、こ の開口から一部が臨まれるように回転ブラシロールをケーシングに内蔵させてい る。ブラシロールはモータによって回転駆動され、開口部から臨んでいるブラシ ロールをブランケットシリンダに回転接触させ、シリンダ表面から紙粉やインキ カスをブラシによって掻き落とすようにしている。ケーシング内にはブラシに噛 み込み接触するスクレーパを設けておき、ブラシに付着した粉塵をブラシから取 除き、ケーシング内に収容するものとしている。
【0003】 ところで、従来のこの種の洗浄装置の場合、スクレーパはブラシロールから粉 塵を除去するために用いられ、これはケーシングの内部にて丁度ブラシロールに 一部が噛み込まれるように配置固定されている。このスクレーパは粉塵除去効果 を高めるために四角断面とされ、その頂部がブラシロールに入り込むように設定 されている。そして、その接触部の接線方向がケーシング下部の塵埃収容部に向 けられるようにして除去粉塵が飛散しないように配慮している。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、従来の印刷機シリンダ洗浄装置にて洗浄作業を行うと、スクレーパが ブラシロールのブラシに付着した粉塵を取り除いてケーシング下部の塵埃収容部 に落下させるが、スクレーパ自身に付着する粉塵もあり、したがって長時間の使 用後にはスクレーパへの粉塵堆積量が多くなる問題と、ケーシング下部へ粉塵が 固まりとなって落下し、ケーシング部での有効な粉塵搬送ができなくなる問題が 発生し、定期的にスクレーパの清掃作業を必要とする問題があった。また、ブラ シロールとスクレーパの接触部の接線方向に除去粉塵が飛ばされるように設定さ れているものの、固定スクレーパに付着した粉塵が邪魔になり、徐々に除去粉塵 の飛ぶ方向性が定まらず、したがって粉塵の多くの部分は所定のケーシング内収 容部に向かわず、ケーシングの壁面に付着することがあり、ケーシングの内部汚 れが多くなるおそれがあった。
【0005】 本考案は、上記従来の問題点に着目し、印刷機シリンダ洗浄装置の特にスクレ ーパによるブラシロールからの粉塵除去に際し、スクレーパへの粉塵付着を抑制 し、かつスクレーパにより除去される粉塵の方向性を一定にしてケーシング内部 での粉塵飛散角度を小さくするようにした印刷機シリンダ洗浄装置を提供するこ とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案に係る印刷機シリンダ洗浄装置は、第1に 印刷シリンダに対面して接離移動可能とされ、前記シリンダの表面に接触するブ ラシ繊維が植設されたブラシロールと、このブラシロールを回転させる回転駆動 手段とを備え、前記ブラシロールをケーシングにより取囲み配置し、ケーシング 内には前記ブラシロールに噛み込み接触するスクレーパを有し、当該スクレーパ により除去された塵埃の収集部を設けた印刷シリンダ洗浄装置において、前記ブ ラシロールに噛み込み接触するスクレーパを回転可能にケーシングに取り付け、 ブラシロールの回転に連れ回り可能としたものである。
【0007】 第2には印刷シリンダに対面して接離移動可能とされ、前記シリンダの表面に 接触するブラシ繊維が植設されたブラシロールと、このブラシロールを回転させ る回転駆動手段とを備え、前記ブラシロールをケーシングにより取囲み配置し、 ケーシング内には前記ブラシロールに噛み込み接触するスクレーパを有し、当該 スクレーパにより除去された塵埃の収集部を設けた印刷シリンダ洗浄装置におい て、前記ブラシロールに噛み込み接触するスクレーパを回転可能にケーシングに 取り付けるとともに、このスクレーパを回転駆動手段に連係して駆動回転可能と し、ブラシロールに対して駆動回転接触させるように構成した。
【0008】 これの場合において、前記スクレーパは多角形断面とし軸芯方向途中で軸芯回 りに捩り形成し、あるいは表面部に軸芯方向に沿う凹部を形成するように構成す ることができる。
【0009】
【作用】
上記構成によれば、スクレーパ自身がブラシロールと連れ回りあるいは駆動回 転されるため、粉塵はスクレーパに堆積することなく、ブラシロールとの接触部 接線方向に向けて飛ばされる。そして、ブラシロールおよびスクレーパ共に回転 し、なおかつ、常にスクレーパ面がきれいで一定な状態に保たれるため、粉塵の 飛ばされる方向も一定となり、飛散角度も小さくなる。これにより、スクレーパ への付着粉塵およびケーシング内壁面への付着粉塵を少なくしてこれらの清掃作 業を軽減することができるのである。
【0010】
【実施例】
以下に、本考案に係る印刷機シリンダ洗浄装置の具体的実施例を図面を参照し て詳細に説明する。
【0011】 図1に実施例に係る印刷機シリンダ洗浄装置の断面図を示す。この図に示すよ うに、この洗浄装置は印刷シリンダとしてのブランケットシリンダ10を洗浄対 象としており、このブランケットシリンダ10に対面して前後移動可能とされた 乾式ブラシロール12を備えている。このブラシロール12は円筒状のロール芯 14の外周面にブラシ繊維16を植設した基布を巻き付け接着することにより一 体化して構成されている。このような乾式ブラシロール12の各ブラシ繊維16 は0.2〜0.3φmm程度の直径をもつナイロン繊維から形成されている。したがって 、ブランケットシリンダ10に対向して回転接触するブラシ繊維16は、繊維端 によるブランケットシリンダ10表面の掻き取り摺動を行なって洗浄を行うよう になっている。乾式ブラシロール12は洗浄対象のブランケットシリンダ10と ほぼ同等なロール長さを有して、回転駆動されつつブランケットシリンダ10に 対して接離移動できるようにケーシング18に取付けられている。
【0012】 ケーシング18は前記ブラシロール12を内包するボックス容器であり、図示 しないエンゲージング装置によってブランケットシリンダ10に接近あるいは離 反方向に移動可能になっている。かかるケーシング18におけるブランケットシ リンダ10に対面する前面には窓20が開口されており、内包されたブラシロー ル12の一部をこの窓20から突出させるようにしている。また、ケーシング1 8の内部にはブラシロール12のブラシ内部に喰い込まれるスクレーパ22が設 置されている。このスクレーパ22はブラシロール12と同等以上の長さを有す る角形棒材により形成したもので、窓20の反対側の位置においてブラシロール 12と平行に配置され、その外周部をブラシロール12の表面部にオーバラップ させて喰い込ませたものである。したがって、スクレーパ22はそのコーナをブ ラシ表面部に喰い込ませた状態で回転駆動されるブラシロール12と接触するこ とによって、ブラシ繊維16中に混在した塵埃を叩き落とすようにしている。ま た、ケーシング18の下部は上部ケーシングに対し着脱可能とされたカセット容 器24とされ、ブラシロール12がブランケットシリンダ10の表面を剥離洗浄 してケーシング18内に取込み、前記スクレーパ22により叩き落とした紙粉、 インキカス等の集塵容器とされている。
【0013】 上記集塵容器として構成されているカセット容器24には、収集した粉塵を良 好に排出するための粉塵排出装置が形成されており、これは図示しないが、カセ ット容器24における背面板26の端部寄りの位置に粉塵排出口を形成し、これ にエジェクターを取付けて吸引負圧を発生させることによりカセット容器24内 の粉塵を吸引排出するようにしている。吸引負圧を発生させるためエジェクター 装置を接続するようにしている。これによって排出口の通路中央に負圧を発生さ せて、カセット容器24から粉塵含有空気を排出するようにしている。また、粉 塵排出口に粉塵を導くために、カセット容器24にはブラシロール12やスクレ ーパ22と直交する方向に伸びる複数のノズルパイプ38を取り付けており、こ のノズルパイプ38からの吹出し空気によって前記排出口に向けて流れる搬送エ ア層を形成するものとしている。
【0014】 このような構成において、実施例に係る洗浄装置のスクレーパ22は、ケーシ ング18に回転自在に取り付けられ、モータの回転動力により回転しているブラ シロール12との接触によって連れ回りするように構成したものである。この詳 細を図2に示す。スクレーパ22をケーシング18に取り付けるためにホルダ4 0が設けられ、これは次のように構成されている。すなわち、このホルダ40は ケーシング18の背面への取付プレート42を有し、取付プレート42にはスク レーパ22がブラシロール12に対面する位置となるように取付位置を調整する アーム43を介してホルダ本体44が設けられている。ホルダ本体44は直接ス クレーパ22を支持するものであるが、これはスクレーパ22の両端に対応して 一対設けられ、スクレーパ22が回転できるように両端を軸支するブラケット4 6をそれぞれ設けている。一対のブラケット46には同一軸線上に支軸突起48 を取り付けており、この支軸突起48をスクレーパ22の端面に形成した軸受穴 50に挿通し、これによりスクレーパ22の自由回転ができるようにしている。
【0015】 ここで、スクレーパ22は実施例では図3(1)に示すように構成されている 。すなわち、スクレーパ22は多角形断面の棒材によって形成されており、この 例では6角断面の棒材となっている。そして、このスクレーパ22の長手方向中 央部にて左右の6角断面部を軸芯回りに30度捩って形成している。このため、 スクレーパ22は中央で左右の稜線51が円周方向に半ピッチだけずれるように 形成されているのである。このためスクレーパ22を軸芯方向から見ると図3( 1)の左図に示されるように、後方半部の稜線51が手前の稜線51の間から臨 まれるようになる。これにより、ブラシロール12との接触状態ではスクレーパ 22の稜線51の食い込み状態が左右で異なるようになっている。
【0016】 このように構成された洗浄装置では、ブラシロール12をモータによって回転 駆動させることによりブラシ繊維16がブランケットシリンダ10の表面に付着 しているインキカスや紙粉を掻き落とし、ブラシ繊維16中に混入させた状態で ケーシング18の内部に取り込まれる。ケーシング内部に設けられたスクレーパ 22はホルダ40に回転できるように支持されており、ブラシロール12の回転 に伴って同時に回転される。そして回転時にスクレーパ22の多角形断面の稜線 部分の食い込み振動によりブラシ繊維16中の粉塵が叩き落とされる。そして、 スクレーパ22自身が回転するため、スクレーパ22の表面への塵埃付着が防止 され、塵埃の堆積を極めて少なくすることができる。また、ブラシロール12と スクレーパ22とは接触部では同一方向に回転するため、従来のようにスクレー パ自身がブラシロールの回転障害となることがなく、したがって除去粉塵の飛散 方向は図1に示すように確実に両者の共通接線方向に一致し、飛散角度も小さく なる。これによってケーシング18の広い範囲に分離塵埃が飛散拡大することが ない。また特にスクレーパ22は中央で左右断面を捩った構造とすることにより より高い粉塵除去作用が得られたことが確認され、これはブラシ繊維16に対し て左右領域の叩き落とし周期が異なるために、有効な塵埃分離除去作用が得られ るものと考えられる。
【0017】 なお、上記スクレーパ22の構造としては、表面部に軸芯方向に沿う凹部を形 成した構造としてもよく、これは例えば図3(2)に示すようにスクレーパ22 の外表面にスプライン52を形成し、あるいは図3(3)に示すようにスクレー パ22の外表面をローレット加工してメッシュ部54を形成した構造とすること ができる。これによっても自由回転するスクレーパ22によるブラシロール12 から効果的に塵埃を分離除去することができる。
【0018】 また、上記実施例において、スクレーパ22を強制回転するように構成するこ とができる。これはブラケット46の一方の支持突起48(ブラシ回転モータ設 置側)をブラシモータに回転伝達機構を介して回転させるように構成し、この駆 動支持突起48をスクレーパ22の端面にスプライン嵌合させることで容易に実 現できる。このようにすることにより、スクレーパ22は独立して回転させるこ とができ、ブラシロール12の回転と一定の比率で強制回転できる。回転比を最 大効果が得られるように実験的に求めて設定すれば、より高い塵埃分離作用を行 わせることができる。この場合でも、図3に示すスクレーパ22のいずれの構造 も採用することができる。
【0019】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案に係る印刷機シリンダ洗浄装置によれば、印刷シ リンダに対面して接離移動可能とされ、前記シリンダの表面に接触するブラシ繊 維が植設されたブラシロールと、このブラシロールを回転させる回転駆動手段と を備え、前記ブラシロールをケーシングにより取囲み配置し、ケーシング内には 前記ブラシロールに噛み込み接触するスクレーパを有し、当該スクレーパにより 除去された塵埃の収集部を設けた印刷シリンダ洗浄装置において、前記ブラシロ ールに噛み込み接触するスクレーパを回転可能にケーシングに取り付け、ブラシ ロールの回転に連れ回り可能とし、あるいはスクレーパを駆動回転できるように 構成したので、スクレーパにインキカスや紙粉等の粉塵が付着することが防止で き、もってメンテナンス作業の軽減化を図ることができるという優れた効果が得 られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る印刷機シリンダ洗浄装置の断面図
である。
【図2】スクレーパホルダの構成平面図および図1のA
矢視図である。
【図3】スクレーパの構造例を示す端面図および側面図
である。
【符号の説明】
10 ブランケットシリンダ 12 ブラシロール 14 ロール芯 16 ブラシ繊維 18 ケーシング 20 窓 22 スクレーパ 24 カセット容器 26 背面板 38 ノズルパイプ 40 スクレーパホルダ 42 取付プレート 43 アーム 44 ホルダ本体 46 ブラケット 48 支軸突起 50 軸受穴 51 稜線 52 スプライン 54 メッシュ部

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷シリンダに対面して接離移動可能と
    され、前記シリンダの表面に接触するブラシ繊維が植設
    されたブラシロールと、このブラシロールを回転させる
    回転駆動手段とを備え、前記ブラシロールをケーシング
    により取囲み配置し、ケーシング内には前記ブラシロー
    ルに噛み込み接触するスクレーパを有し、当該スクレー
    パにより除去された塵埃の収集部を設けた印刷シリンダ
    洗浄装置において、前記ブラシロールに噛み込み接触す
    るスクレーパを回転可能にケーシングに取り付け、ブラ
    シロールの回転に連れ回り可能としたことを特徴とする
    印刷機シリンダ洗浄装置。
  2. 【請求項2】 印刷シリンダに対面して接離移動可能と
    され、前記シリンダの表面に接触するブラシ繊維が植設
    されたブラシロールと、このブラシロールを回転させる
    回転駆動手段とを備え、前記ブラシロールをケーシング
    により取囲み配置し、ケーシング内には前記ブラシロー
    ルに噛み込み接触するスクレーパを有し、当該スクレー
    パにより除去された塵埃の収集部を設けた印刷シリンダ
    洗浄装置において、前記ブラシロールに噛み込み接触す
    るスクレーパを回転可能にケーシングに取り付けるとと
    もに、このスクレーパを回転駆動手段に連係して駆動回
    転可能とし、ブラシロールに対して駆動回転接触させる
    ことを特徴とする印刷機シリンダ洗浄装置。
  3. 【請求項3】 前記スクレーパは多角形断面とし軸芯方
    向途中で軸芯回りに捩り形成したことを特徴とする請求
    項1または2に記載の印刷機シリンダ洗浄装置。
  4. 【請求項4】 前記スクレーパは表面部に軸芯方向に沿
    う凹部を形成したことを特徴とする請求項1または2に
    記載の印刷機シリンダ洗浄装置。
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