JPH0774417B2 - 耐食性および被削性を改善したNi−Cr系ステンレス鋼 - Google Patents

耐食性および被削性を改善したNi−Cr系ステンレス鋼

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JPH0774417B2
JPH0774417B2 JP62107363A JP10736387A JPH0774417B2 JP H0774417 B2 JPH0774417 B2 JP H0774417B2 JP 62107363 A JP62107363 A JP 62107363A JP 10736387 A JP10736387 A JP 10736387A JP H0774417 B2 JPH0774417 B2 JP H0774417B2
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【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、Ni−Cr系SUS 304ステンレス鋼をベースと
してその耐食性と被削性を改善し、特に食品用機器の材
料として好ましく利用することができるNi−Cr系ステン
レス鋼に関するものである。
〈従来の技術〉 JISに定められたSUS 304の化学成分は表1のとおりであ
る。
SUS 304は耐食性材料として広く用いられているが、被
削加工性が非常に悪い、快削性が要求される場合には、
従来、耐食性を大幅に犠牲にして意図的に硫化物系介在
物(MnS)を生成させる方法が一般的に採られている。
しかし、耐食性を特に重視して、強腐食環境(例えば、
塩化物環境や酸性飲料環境等)にも対応させるようにす
るには、さらにMnSの主成分である鋼中のS及びMnの組
成比Mn/S比を低下させ、MnS中の固溶Cr量を多くするこ
とが有効とされている(「鉄と鋼」,70(1984),p.74
1)。
〈発明が解決しようとする問題点〉 上記したMnSの生成およびMn/S比の低下をバランスよく
調整することによって耐食性を損わず被削性を改善する
ことはある程度可能であるが、未だ充分満足できるもの
ではなかった。
そこでこの発明は、SUS 304をベースとして、耐食性と
被削性の両方がさらに優れたNi−Cr系ステンレス鋼を提
供することを目的としてなされたものである。
〈問題点を解決するための手段および作用〉 この発明による耐食性および被削性を改善した食品用機
器材料に用いるNi−Cr系ステンレス鋼は、SUS 304ステ
ンレス鋼を基本成分としてこれを一部変更した次のよう
な化学組成を有するものである: C0.08重量%以下、Si1.0重量%以下、Mn0.7重量%以
下、P0.04重量%以下、S0.005重量%以下、Ni8.0〜12.0
重量%、Cr17.0〜20.0重量%、Mo0.40〜0.80重量%、Cu
0.3重量%以下、Sn0.03〜0.5重量%、および残部がFe。
Snは被削性を改善するだけでなく、耐全面腐食性,耐隙
間腐食性を改善する。特に希硫酸水溶液中では、Snが鋼
表面に析出して水素過電圧を大きくし、耐硫酸性(この
場合、耐全面腐食性)を改善する。上述したようなSn添
加による耐食性改善効果は、0.03重量%以下では効果が
少なく、一方0.5重量%以上添加した場合には鍛造性を
害し、添加量の割には耐食性改善効果も少なくなってし
まう。
またMoおよびCuは耐食性全般において改善効果がある
が、Cuが多すぎると耐有機酸腐食性を低下させることが
ある。しかし、この発明のようにCuを0.3重量%以下に
抑えることで耐有機酸腐食性を高めることができる。ま
たMoは0.40重量%以下では耐食性に無効となる場合があ
り、また、0.80重量%以上では耐食性改善への効果が添
加量の割には少なくなり、さらにコスト高となるため、
この発明における0.40〜0.80重量%が最適である。
SおよびMnについては、前述したようにこれらの量を低
減すると耐食性が改善されるが、反面において被削加工
性を低下させる。この発明においてはSを0.005重量%
以下、Mnを0.7重量%以下として耐食性を改善する一
方、被削性の低下はSnを添加することによって補うこと
ができる。
Niはオーステナイト(γ)系ステンレス鋼の基本元素
で、γ相を安定にする。強度面では靭性の改善に寄与す
る。低Niではγ相が不安定となり加工によりマルテンサ
イトを誘発し、硬化して靭性を低下させる。NiはFe,Cr
に比較して電気化学的に貴であるため、活性態域での腐
食を抑制する。また、中性塩化物溶液や非酸化性酸によ
る腐食に対して、顕著な抵抗性を与え、かつ不働態を強
化する。この発明では、フェライト生成元素であるSnを
添加しているため、SUS 304規格よりもNiを多くしてγ
相を安定にしている。
Crはステンレス鋼の基本成分で、酸化性環境下において
ステンレス鋼の不働態化に寄与する。すなわち、ステン
レス鋼の耐食性はこの不働態皮膜によって維持されるも
のであり、Crはステンレス鋼にとって必須の元素であ
る。
この発明におけるその他の合金元素、すなわち、C,Si,P
については、JIS(SUS 304)規格どおりの組成範囲で使
用することができる。
〈実施例〉 表2に示した化学組成をもつこの発明の実施例の試料2
〜6(Sn添加鋼種)および比較用の試料1(Sn無添加鋼
種)を調製した。すなわち、試料2〜6は試料別にSnの
含有量が異なり、Cuは試料4のみが0.3重量%以下(0.2
8重量%)でその他は0.02重量%以下とした。またSn,Cu
以外の成分は各試料とも実質的に同量とした。比較用の
試料1はSnを添加せず、Cuを0.02重量%以下、その他の
成分は試料2〜6と実質的に同量とした。
(1)耐全面腐食性の改善 第1図は試料1〜6の希塩酸(0.5%および0.8%塩酸,
沸騰)中での腐食速度を示す。全般的にみて、Sn添加鋼
種はSn無添加鋼種より腐食速度が小さく、耐食性が向上
している。特に、0.5%塩酸においては、試料3,4は腐食
していない。
第2図は、試料1〜6の希硫酸(5%硫酸,沸騰)中及
び〔乳酸+食塩〕溶液(50%乳酸+1%食塩,沸騰)中
での腐食速度を示す。希硫酸中の場合、Sn添加鋼種はSn
無添加鋼種より腐食速度が著しく小さく、耐食性が大幅
に向上している。〔乳酸+食塩〕溶液中の場合も、希硫
酸中の場合ほどではないが、Sn添加鋼種は耐食性が向上
している。
第3図は、試料1と6の〔希硫酸+食塩〕溶液(5%硫
酸+1%食塩,30℃)中でのアノード分極曲線である。
図中,で示された不働態化限界電流密度(icrit
はSn添加鋼種である試料6の方が小さく、活性態溶解域
が減少している。したがって、Snを添加すると、〔希硫
酸+食塩〕溶液中での耐食性が改善される。
(2)Fe,Cr溶出量からの評価 第4図は、試料1〜6を〔乳酸+食塩)溶液(10%乳酸
+0.3%食塩)中に浸漬させ、40℃で55日間放置した後
でFe,Cr溶出量を測定した結果を示す。Fe溶出量におい
て、試料1は50ppmの溶出量であるが、Sn添加鋼種はい
ずれも試料1の半分以下の溶出量である。またCr溶出量
においても、溶出量の程度差はあるが、Feの場合と同様
の傾向がある。このように、Sn添加鋼種は、Fe,Cr溶出
量からみても、耐食性を向上させている。
(3)耐隙間腐食性の改善 第5図は、食塩溶液(3%食塩,30℃)中において、試
料1,2,4,6の再不働態化電位(ER)を測定した結果であ
る。一般にこの値は高い方がその試料が隙間腐食を起し
た場合に再不働態化し易いことを示す。すなわち、隙間
腐食の停止し易さを示すことになる。第5図によれば、
Sn添加鋼種のERは試料1のそれよりも高く、Sn添加が耐
隙間腐食性を改善させることがわかる。
(4)被削性の改善 第6図は、この発明の鋼種に対して高速度鋼SKH−51
(φ4)によりドリル穴あけ加工をした場合の工具寿命
を示している。Snを添加した鋼種に対する工具寿命は、
Sn無添加鋼種に対するそれと比べ2倍以上の値を示し、
Sn含有量が増加すると、さらに工具寿命が延びる傾向が
ある。したがって、Sn添加は被削性を改善することがわ
かる。
〈発明の効果〉 以上の説明からわかるようにこの発明のステンレス鋼
は、SUS 304ステンレス鋼の耐食性と被削性の両方を大
幅に改善でき、耐食性を重視する食品用機器の材料とし
て特に好ましく使用できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、希塩酸中における試料1〜6と腐食速度との
関係図である。第2図は、希硫酸、〔乳酸+食塩〕の各
溶液中における試料1〜6と腐食速度との関係図であ
る。第3図は、〔希硫酸+食塩〕溶液中における試料1
と6のアノード分極特性図である。第4図は、〔乳酸+
食塩〕溶液中における試料1〜6とFe,Cr溶出量との関
係図である。第5図は、食塩溶液中における試料1,2,4,
6と再不働態化電位(ER)との関係図である。第6図
は、この発明の鋼種に対して高速度鋼によりドリル穴あ
けをした場合のSn含有量と工具寿命との関係図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C0.08重量%以下、Si1.0重量%以下、Mn0.
    7重量%以下、P0.04重量%以下、S0.005重量%以下、Ni
    8.0〜12.0重量%、Cr17.0〜20.0重量%、Mo0.40〜0.80
    重量%、Cu0.3重量%以下、Sn0.03〜0.5重量%、および
    残部がFeからなることを特徴とする耐食性および被削性
    を改善した食品用機器材料に用いるNi−Cr系ステンレス
    鋼。
JP62107363A 1987-04-30 1987-04-30 耐食性および被削性を改善したNi−Cr系ステンレス鋼 Expired - Fee Related JPH0774417B2 (ja)

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