JP3437668B2 - 耐溶融亜鉛合金鋼 - Google Patents

耐溶融亜鉛合金鋼

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融亜鉛めっき設備用
部品・部材、例えば、シンクロール、コーティングロー
ル、ロールフレーム、およびスナウトなどの素材として
利用される溶融亜鉛に対して優れた耐食性を有する材料
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼材を溶融亜鉛めっきする装置の
部品・部材、例えば、シンクロール、コーティングロー
ル、ロールフレーム、およびスナウトなどは、SUS309S
(SAE 30309S) 、SUS316(SAE 30316) 、SUS316L(SAE3031
6 L) などのステンレス鋼を素材として、遠心鋳造、砂
型鋳造あるいは鍛造して製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、鋼材の溶融亜鉛
めっきにおいては、通常、Zn−0.2 wt%Alからな
る溶融亜鉛浴が使用されていたが、近年になって、亜鉛
めっき層の耐食性をより一層向上させるために、例え
ば、溶融亜鉛浴中に5〜55wt%Alおよびその他の元
素を添加し、溶融亜鉛中のAl含有量を多くする傾向が
みられるようになってきた。
【0004】このようなAl添加量を多くした溶融亜鉛
浴を使用した場合には、溶融亜鉛めっき設備用部品・部
材に対する腐食環境がより厳しくなり、従来の材料では
腐食減量が多く、耐久性に劣るという問題があった。そ
こで、この発明は、上述した従来の問題点に着目してな
されたもので、溶融亜鉛浴中のAl含有量が多くなった
ときでも、腐食減量が少なく耐久性に優れている溶融亜
鉛めっき設備用部品を得ることができる材料を提供する
ことを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは、Al含有量
の高い亜鉛によるステンレス鋼の腐食メカニズムを鋭意
研究した結果、特に亜鉛中のAlがFeと反応して溶融
亜鉛めっき設備用部品部材を腐食することが判明した。
そこで、上記部品・部材に高いCrとNを含有させる
と、上記腐食反応を阻止することができるとの知見を得
て、下記の発明をするに至った。 (1)請求項1の発明は下記の成分組成(成分組成はw
t%である)を有することを特徴とする耐溶融亜鉛合金
鋼である。主成分として、C:0.17%以下、 S
i:0.3 〜2%。Mn:0.3 〜2%、 Ni:10〜
20%、Cr:20〜35%、 Mo:0.5 〜5%、
N:0.3 超〜0.75%を含有し、残部が実質的にFeより
成る。 (2)請求項2の発明は下記の成分組成(成分組成はw
t%である)を有することを特徴とする耐溶融亜鉛合金
鋼である。主成分として、C:0.17%以下、 S
i:0.3 〜2%。Mn:0.3 〜2%、 Ni:10〜
20%、Cr:20〜35%、 Mo:0.5 〜5%、
N:0.3 超〜0.75%、 W:5%以下を含有し、残部
が実質的にFeより成る。
【0006】
【作用】本発明の耐溶融亜鉛合金鋼を構成する成分範囲
の限定理由について説明する。 C:0.17%以下とする。Cは合金の強度を高めるのに必
要な元素であり、0.17%を超えると粒界に炭化物が析出
して、耐食性を劣化させるので、0.17%以下とした。
【0007】Si:0.3 〜2%とする。Siは溶製時に
脱酸剤として添加されるとともに、耐食性を向上させる
のに効果的な元素であり、0.3 %以上必要であるが、2
%を超えると鋼の延性が劣化するため、その範囲を0.3
〜2%とした。
【0008】Mn:0.3 〜2%とする。Mnは溶製時に
脱酸および脱硫剤として添加されるとともに、オーステ
ナイトの形成に寄与する元素であり、0.3 %以上必要で
あるが、2%を超えると耐食性を劣化させるので、その
範囲を0.3 〜2%とした。
【0009】Ni:10〜20%とする。Niはオーステナ
イトを安定化し、耐食性を向上させるのに効果的な元素
であるが、10%未満ではその効果がなく、20%を超えて
添加してもコスト高を招くだけで、改善の効果が得られ
ないので、その範囲を10〜20%とした。
【0010】Cr:20〜35%とする。Crはこの合金鋼
をオーステナイト単相とし、耐食性を高める作用があ
る。更に窒化フェロクロムを添加すると、Cr含有量を
高めると同時に、溶融亜鉛腐食に対して効果的なNを多
量に固溶せしめる元素であるため添加する。20%未満で
はその効果が少なく、35%を超えると延性が劣化するた
め、その範囲を20〜35%とした。
【0011】Mo:0.5 〜5 %とする。Moは耐食性を
向上させるのに効果的な元素であり、0.5 %未満ではそ
の効果がなく、5%を超えると合金鋼の延性が劣化する
ほか、コスト高となるため、その範囲を0.5 〜5%とし
た。経済的な面からは0.5 〜3.0 %未満が好ましい。
【0012】N:0.3 超〜0.75%とする。Nは強力なオ
ーステナイト形成元素であり、耐食性を向上させるのに
最も効果的な元素であり、合金鋼の強度を高めるので添
加する。本発明の合金鋼中のNと後述する試験方法によ
る腐食減量厚さ(mm)との関係を図1に示した。この
図からNが0.1 %を超えると効果があるが、0.3 %超え
ると、腐食量が著しく低下していることが判明した。
【0013】図に示すように0.3 %以下ではその効果が
少なく、また、フェライトが一部析出して溶融亜鉛によ
る割れが発生しやすくなり0.75%を超えると窒化物の析
出が著しくなって延性および溶接性が劣化し、また製品
の健全性を害するので、その範囲を0.3 超〜0.75%とし
た。Nがステンレス鋼の耐溶融亜鉛腐食性に与える影響
のメカニズムは明らかではないが、耐腐食性を著しく高
くしている。恐らく、部品・部材表面でAlNを生成
し、耐腐食性を高めると推定される。
【0014】W:5%以下とする。Wは固溶強化作用に
より合金の強度を高め、特に溶融亜鉛浴の流れのある環
境での耐食性を向上させるのに効果的な元素であるが、
5%を超えても、コストに見合った効果が得られないた
め、5%以下とした。
【0015】脱酸剤としてのAl、およびP,S等の不
純物は通常、鋼に含まれる範囲(例えば0.040 %以下)
ならばよい。またオーステナイト系ステンレスの性質を
変更しないかぎり、Cu,Ti,Nb,Ta,Zr,
V,Bその他の微量元素を含むことも差しつかえない。
【0016】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。表1
及び表2に示す成分の材料を高周波誘導溶解炉により溶
製したのち鋳造して、60×310 ×30(厚み)mmの試験
片の素材を作成した。次いで、上記素材を機械加工によ
り50×300 ×20(厚み)mmの試験片に加工した。
【0017】耐食性の評価方法としては、表3に示すよ
うに、600℃に保持したZn−55wt%Al浴に上
記試験片を336時間浸漬し、腐食試験を行い、試験片
の片面の肉厚減量(mm)を調べた。この結果を表1及
び表2に合わせて示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】表1および表2に示すように、発明鋼は従
来鋼および比較鋼よりも腐食減量が少ないことが明らか
である。試験No1〜12は、肉厚減量が1.5mm以
上で腐食減量が大きい。試験No13は腐食減量は少な
いが、材料の延性が低いので望ましくない。本発明例に
おいて、Wを含む材料はWを含まない材料よりも腐食減
量が少ない。
【0022】更に、上記試験片を顕微鏡で観察した結
果、本発明のステンレス鋼と表層部に付着している亜鉛
との境界には多くのAlNが観察され、溶融亜鉛による
合金鋼の腐食を阻止していることが推定できた。
【0023】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明の耐
溶融亜鉛合金鋼は、溶融亜鉛に対する耐食性が優れ、溶
融亜鉛めっき浴のAl含有量が多い場合の溶融亜鉛めっ
き設備の部品・部材、例えば、シンクロール、コーティ
ングロール、ロールフレーム、およびスナウトなどの材
料として好適であり、極めて工業的価値が高いものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】腐食減量とN量の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−54393(JP,A) 特開 昭61−227152(JP,A) 特開 昭56−112447(JP,A) 特開 平6−228711(JP,A) 特開 平6−41694(JP,A) 特開 昭59−123744(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 C23C 2/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分組成(成分組成はwt%であ
    る)を有することを特徴とする耐溶融亜鉛合金鋼。主成
    分として、 C:0.17%以下、 Si:0.3 〜2%。 Mn:0.3 〜2%、 Ni:10〜20%、 Cr:20〜35%、 Mo:0.5 〜5%、 N:0.3 超〜0.75%を含有し、 残部が実質的にFeより成る。
  2. 【請求項2】下記の成分組成(成分組成はwt%であ
    る)を有することを特徴とする耐溶融亜鉛合金鋼。主成
    分として、 C:0.17%以下、 Si:0.3 〜2%。 Mn:0.3 〜2%、 Ni:10〜20%、 Cr:20〜35%、 Mo:0.5 〜5%、 N:0.3 超〜0.75%、 W:5%以下を含有し、 残部が実質的にFeより成る。
JP04366795A 1994-02-18 1995-02-09 耐溶融亜鉛合金鋼 Expired - Fee Related JP3437668B2 (ja)

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