JP2512764B2 - 電気めっき用通電ロ―ル材 - Google Patents

電気めっき用通電ロ―ル材

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JP2512764B2
JP2512764B2 JP62221017A JP22101787A JP2512764B2 JP 2512764 B2 JP2512764 B2 JP 2512764B2 JP 62221017 A JP62221017 A JP 62221017A JP 22101787 A JP22101787 A JP 22101787A JP 2512764 B2 JP2512764 B2 JP 2512764B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
(産業上の利用分野) 本発明は、金属薄板表面に亜鉛めっき(亜鉛単体めっ
きのほか、亜鉛−鉄系,亜鉛−ニッケル系,その他各種
亜鉛合金系めっきを含む。),錫めっき,クロムめっ
き,銅めっき等を電気的に施す際に用いる電気メッキ用
コンダクタロールの改良に関するものである。 (従来の技術) 近年、例えば亜鉛めっき鋼板の製造に、電気めっきが
多用されるようになってきた。この電気亜鉛めっき鋼板
は横型ラインで製造されることが多く、その際亜鉛イオ
ンの存在するめっき液中に浸漬されたコンダクタロール
に薄板を接触させながら通過させることによって行なう
ものである。 すなわち、この電気めっきの際には、めっき液中で走
行する薄板に対向するように設けられた自溶性または不
溶性の陽極から直流電流が供給され、薄板,コンダクタ
ロールを介する回路を形成することになる。このとき、
高生産性を達成するため、めっき電流密度は、設備技
術,操業技術,めっきされた鋼板の品質等の観点より許
容される範囲内で、できるだけ高く設定されることにな
るので、このコンダクタロールは、通電下のめっき液中
において、高速で通過する薄板と接触することとなり、
高い耐摩耗性と耐食性とが同時に要求される。 従来、この種のコンダクタロールの素材としては、SU
S316やNi基合金、あるいはNi−Cr−Mo合金,Ni−Cr−Mo
−Nb合金などのNi−Cr系合金(例えば、特開昭57-60044
号,特開昭60-211030号,特開昭61-99650号)が使用さ
れてきた。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、SUS316やNi基合金は耐食性および耐摩
耗性が不十分であって、たとえば7日間程度の短期間の
使用でロール表面に著しい肌荒れが生じ、再研磨の必要
があるという問題点を有している。 一方、旧式の低速縦型の電気亜鉛めっき設備用ならば
上記の如き問題点は生しがたいが、高速(通板速度100m
/分程度以上)横型の設備用には不適である。 他方、上記従来のNi−Cr系合金ではより長期にわたっ
て使用できるが、とくにMoおよびNbなどの高価な元素を
多量に含む組成のものでは、コンダクタロールが著しく
高価なものになるという問題点があり、σ相の析出を避
けるためにCr含有量を30%以下としたものでは靱性は良
好であるものの耐摩耗耐食性に劣ったものになるという
問題点があった。 (発明の目的) 本発明は以上の問題点を解決すべくなされたものであ
って、その目的とするところは、耐摩耗耐食性にすぐれ
た電気めっき用コンダクターロール材を安価に提供する
ことにある。
【発明の構成】
(問題点を解決するための手段) 本発明者は耐摩耗耐食性に優れた安価な電気めっき用
コンダクターロール材の開発を目的に鋭意検討した結
果、従来のものよりCrを増量し、かつMoをある程度以上
添加すると共に、若干のTi,Alを添加することにより上
記目的が達成できしかも従来よりすぐれた耐食耐摩耗性
が得られるという知見を得た。 そして、さらに従来Ni−Cr系耐熱合金やFe−Cr系耐熱
合金では、高温での長時間使用の間に結晶粒界に析出
し、機械的性質を劣化させる有害相とされていたσ相を
γ相中に積極的に分散析出させることによって適度な延
性を維持しつつ、硬さが増加できるということを見出す
に至った。 本発明は上記知見に基づくものであって、本発明電気
めっき用コンダクターロール材は、重量%で、C:0.10%
以下、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以下、Cr:30%超過40%
未満、Mo:4%以上12%以下、Al:3.0%以下、Ti:3.0%以
下、Fe:5.0%以下を含み、場合によってはNb:3.0%以
下,Ta:3.0%以下,W:3.0%以下,V:3.0%以下の群から選
ばれる1種または2種以上を含有し、同じく場合によっ
てはMg:0.05%以下,Zr:0.1%以下,B:0.01%以下の群か
ら選ばれる1種または2種以上を含有し、同じく場合に
よってはCu:2.0%以下,Co:5.0%以下の群から選ばれる
1種または2種以上を含有し、さらに必要に応じてOを
0.1%以下に規制し、残部実質的にNiからなり、かつ次
式で示すMdt値が0.920〜0.970の範囲であるNi−Cr系合
金を素材としていて、σ相が均質に分散析出している組
織を有するものとしたことを特徴としている。 Mdt=1.900(Al+Si)+2.271Ti+1.142Cr+0.957Mn
+ 0.858Fe+0.717Ni+1.550Mo+2.177Nb+2.224Ta +1.655W+1.543V+0.615Cu+0.777Co (但し各元素は原子分率) 本発明者は、Moを含むNi−Cr系合金において、パルス
通電腐食減量とCr,Mo量との関係を調べたところ、第1
図に示す結果が得られた。すなわち、第1図に示すよう
に、Cr含有量を高めることによって相対的に低いMo含有
量でも良好な耐食性が得られることを確かめた。この場
合、上記の「パルス通電腐食減量」とは、後述の実施例
においても説明しているように、亜鉛めっき液の模擬液
中で通電状態においたときの腐食減量である。第1図に
示すように、Cr含有量が27%のときは、Mo含有量が12%
と比較的多量であってもなお腐食減量が大きいが、Cr含
有量が31〜42%のときには、Mo含有量が4〜8%程度で
あってもかなり少ない腐食減量となっていることが明ら
かである。 また、本発明者は、Moを含むNi−Cr系合金において、
その硬さに及ぼすCr,Moの影響を調べたところ、第2図
に示す結果が得られた。第2図に示すように、Cr含有量
の増加に伴なって硬さは上昇し、Mo含有量が4〜12%で
あるときにさらに硬さが上昇していることが明らかであ
る。 次に、本発明者は、Cr,Moなど合金成分の検討によっ
て得られた上記合金のすぐれた耐食性を損うことなく、
耐摩耗性をさらに改善することを目的に硬さの増加につ
いて種々検討した結果、従来有害相とされていたσ相を
γ相マトリックス中に均質に分散析出させたものとする
ことによって合金の延性を害することなく適度な延性を
維持し、硬さを増加できることを見出した。また、耐食
性についてもσ相の析出による劣化はほとんど認められ
なかった。これはNi−Cr−Mo系合金のσ相がCrを50重量
%程度含んでいることによるものと考えられる。 そしてこのようなσ相を均質に分散析出させ硬度を増
すためには、後述するように、時効熱処理と共に合金の
Mdt値を0.920以上とすることが必要であることが判明し
た。なお、Mdt値は合金の相安定性の指標となるもの
で、母金属中の各合金元素のd電子軌道エネルギー準位
の平均値を示すものであるが、Mdt値が大きくなるとσ
相が多量に析出し著しく延性を害するため、鍛造加工が
不可能となるばかりか延性が低下し合金そのものの信頼
性が低下し使用できなくなるため、その上限を0.970と
した。 σ相を微細に析出させ、硬度増加を図るには過飽和固
溶体のγ相をσ相の析出温度領域で時効熱処理すること
が必要である。 第3図は、鋳造のままのNi−Cr系合金(35%Cr−8%
Mo−Ni,Mdt=0.93)をそれぞれの温度で時効熱処理した
後も硬さを示したものであるが、これによれば600℃お
よび700℃では時効硬化せず、800℃,900℃,1000℃で時
効硬化し、中でも900℃での時効熱処理が最も時効硬化
度が高く、25時間でビッカース硬さ300に達した。 一方、第4図は、第3図と同じ鋳造のままの合金を11
60℃で10時間以上均質化熱処理を行った後、鍛練比3の
鍛造加工を行った合金の時効硬化特性を示したものであ
るが、これで判るように鍛造のままですでにビッカース
硬さ260に達し、耐摩耗耐食合金部材として十分に使用
に耐え得る硬さを備えている。 さらにこれに、第3図の場合と同様900℃前後の時効
熱処理を施すことにより鍛造材に比べ短時間の時効処理
でビッカース硬さ300以上の高硬度が得られることが判
る。 このように、鍛造加工のような歪みを与え、同時に熱
処理を行う加工熱処理や冷間加工で歪みを与え、その後
時効熱処理を行っても同様にσ相の微細な析出が起こ
り、高硬度が得られることも明らかである。 以上に例示した種々の実験結果から、本発明者は上記
のような成分組成をもつNi−Cr−Mo系合金から成る耐摩
耗耐食合金部材を開発するに至ったのであるが、以下
に、上記の合金組成を選択した理由についてまず基本組
成から説明する。 C:0.10%以下 Cは合金の硬さを上昇させ、このC含有量が増加する
に従って硬さが高くなり、耐摩耗性はよくなるが、一方
では炭化物を形成して耐食性を低下させる傾向があるの
で、0.10%までとした。 Si:2.0%以下 Siは脱酸に有効な元素であるが、このSi含有量が2.0
%を越えると靱延性が劣化するようになるので、2.0%
以下とした。 Mn:2.0%以下 Mnは熱間加工性を向上させる元素であるが、2.0%を
超えると耐食性を損うので、2.0%以下とした。 Cr:30%超過40%未満 CrはNiおよびMoとともにマトリックスを構成し、強固
な不動態化皮膜を形成して高い耐食性を実現するのに有
効な元素である。そして、この効果は30%超過のCr添加
によってかなり高くなるが、40%以上となると靱延性が
低下し、各種部品への製造が著しく困難となるので、Cr
含有量は30%超過40%未満とした。 Mo:4%以上12%以下 Moは耐食性の向上にとって最も重要な元素であるが、
高価なため、なるべく低い含有量にとどめたいことは前
記のとおりである。本発明による合金は、30%を超える
Crを含有するので、Moの効果は、前述した第1図および
第2図に示したとおり、4%以上の含有量で得られる。
そして、第1図に示したように、耐食性はMoの増加とと
もに向上するが、12%前後で飽和し、かえって靱延性の
低下がはじまる。したがって、Mo含有量は4%以上12%
以下とした。 Al:3.0%以下 Ti:3.0%以下 AlおよびTiは脱酸剤として役立つとともに、金属間加
工物を形成し合金の硬さを増大して耐摩耗性を向上させ
るが、いずれの元素も3.0%を越える添加は耐食性と靱
延性を低下させるので、各々3.0%以下とした。 Fe:5.0%以下 Feは耐食性を低下させるので有用な存在ではないが、
5,0%まではさしつかえないので、その上限を5%とし
た。 Ni:残部 Niはマトリックスをオーステナイト組織とし、かつ耐
食性を向上させるために必要であるので残部とした。そ
して、Ni中には不純物としてCoが含有されることが多い
が、このCoもCuと同様に耐食性を向上させる効果がある
ので、5.0%以内は許容される。 次に、上記基本組成のほかに含有させることができる
任意添加元素の役割と組成範囲の限定理由について説明
する。 Nb:3.0%以下 Ta:3.0%以下 NbおよびTaはいずれも炭化物を形成し、結晶粒界への
Cr炭化物の析出を防止し、耐食性の向上に寄与する。ま
た、固溶硬化により耐摩耗性を向上させるためにも必要
な元素である。そして、このような効果は各々3.0%を
越えると飽和するので、いずれも3.0%とした。 W:3.0%以下 V:3.0%以下 WおよびVは前記したNbやTaと同様の作用を有する
が、この場合もその効果は3.0%を越えると飽和するの
で、いずれも3.0%とした。 Mg:0.05% Zr:0.1%以下 MgおよびZrはともに脱酸作用を有すると同時に結晶粒
を微細化する効果を有し、熱間加工性を改善する。しか
し、それぞれ0.05%および0.1%を超える添加は、それ
以上の利益をもたらさない。 B:0.01%以下 Bは前記MgおよびZrと同様に結晶粒微細化効果があ
る。しかし、0.01%を越える添加は、硼化物を形成して
脆化をもたらすので、0.01%とした。 Cu:2.0%以下 Cuは耐食性向上の効果があるが、熱間加工性をそこな
うので、2.0%までの添加とした。 O:0.1%以下 Oは、非金属介在物生成の原因となる元素であって、
前記非金属介在物は孔食の起点となるので、その存在は
望ましくない。そして、Oが0.1%を越えると上記非金
属介在物が多量に発生するため、その上限を0.1%とし
た。 Mdt:0.920以上0.970以下 Mdtは前述のように合金の相安定性の指標であり、σ
相を均質に分散析出させ、適度な延性と高硬度を得るた
めには0.920以上必要である。しかし0.970を超えるとσ
相が多量に析出し著しく延性を低下させる。 本発明の電気めっき用通電ロール材は、上記した化学
成分組成およびMdt値を有するものであり、γ相マトリ
ックス中に従来有害相とされていたσ相が均質に分散析
出している組織を有するものであって、耐腐食摩耗性に
著しく優れたものとなっている。そして、上記したよう
にσ相は従来有害相とされていたものであるが、γ相マ
トリックス中にσ相を均質に分散析出した場合には、電
気めっき用通電ロール材に必要な靱性は確保され、かつ
また重要特性である耐食性および耐摩耗性はさらに向上
したものとなる。 (実施例) 次に、本発明に従って、MoおよびNbの使用量を減らし
て素材コストを低減し、時効熱処理によってσ相を微細
析出させた合金部材が、従来のNi−Cr−Mo合金に優る耐
食性および耐摩耗性を有することを実施例により比較例
とともに示す。 この実施例では、第1表のNo.1〜10に示す組成の本発
明合金を溶解し、鋳造した後、1160℃で10時間以上均質
化熱処理を行い、その一部を900℃で25時間時効熱処理
を施した合金部材(第2表のNo.1〜10の上段)と均質化
熱処理後鍛練比3に鍛造し、950℃で5時間時効熱処理
を施した合金部材(第2表のNo.1〜10の下段)の2種の
合金を用いた。 比較合金No.11および12は従来のNi−Cr−Mo−Nb合金
およびNi−Cr−Mo合金で、鍛造後1150℃で1時間溶体化
処理を行ったものである。一方比較合金No.13は鍛造後9
50℃で5時間時効熱処理を行った合金である。 また、本発明合金No.1および2と同じ組成の合金に対
し鍛造の後1150℃1時間の溶体化処理を行ない、合金成
分が本発明と一致してもσ相の微細析出がない場合を比
較例の合金部材No.1および2(第2表)とした。 これらの合金部材についてビッカース硬さ試験(荷重
1Kg)、常温引張試験、およびパルス通電腐食試験を実
施した。 なお、パルス通電腐食試験は、特に本発明合金部材の
主な用途のひとつである電気めっき用コンダクタロール
材としての性能評価に用いるもので、実機ロールの回転
にともなう腐食環境を再現するためのものであり、具体
的には液温50℃の亜鉛めっき液の模擬液(H2SO4:22g+F
e2(SO4)3:75g+H2O:1)中で、供試材に1サイクル0.7
秒のうち0.2秒間だけ通電(電流密度260A/dm2)し、24
時間の腐食減量を調査した。 これらの試験結果を第2表に示す。 また、これら合金部材のうち、本発明合金No.2の鍛造
後、950℃で5時間時効処理した合金部材(実施例No.
2)と、これに1150℃1時間の溶体化処理を施した合金
部材(比較例No.2)、および比較合金No.11の鍛造後115
0℃1時間の溶体化処理を施した合金部材を用いて各々
電気亜鉛めっき用コンダクタロールを製作し、実機テス
トとして実際に電気亜鉛めっきライン使用し、通板量が
7000tonを超えたのち取り出してロール中央部の最大腐
食摩耗量を測定した。この結果を第3表に示す。 各表に示す結果より明らかなように、従来タイプのNi
−Cr−Mo−Nb系およびNi−Cr−Mo系の比較合金部材No.1
1および12では、Cr量が低く、またMdt値も低いため、σ
相の析出はなく、耐食性に劣ると共に、硬さも低い結果
となった。 また、成分的には本発明と一致する比較例の合金部材
No.1および2でも鍛造の後溶体化処理を行ないσ相を完
全に固溶させることによってσ相の微細析出効果がなく
なり、従来タイプの合金以下の低い硬さしか得られてい
ない。 さらにMdt値の低い比較合金部材No.13では、時効熱処
理を行っても微細なσ相は析出せず、高硬度は得られな
かった。 これに対し各成分値およびMdt値が特定範囲内にある
本発明合金No.1〜10を用いて、これに時効熱処理を施す
ことによって微細なσ相を均質に析出させた合金部材N
o.1〜10では、高い硬度とすぐれた耐食性を示すことが
明らかとなった。 また、本発明合金部材を電気めっき用コンダクタロー
ルに適用した実機テストにおいても本発明品は比較例と
比較し、通板量が多いにもかかわらず、腐食摩耗量が少
なく、優れた耐摩耗耐食性を示した。
【発明の効果】
以上説明して来たように、本発明は、従来のNi−Cr−
Mo系合金の耐食性、耐摩耗性を損なうことなく、Moを減
らしてコストを低減すると共に、Mdt値を特定し、かつ
時効熱処理を施すことによって、従来有害相とされてい
たσ相を微細,均一に析出させ、耐摩耗性をさらに高め
たNi−Cr−Mo系合金であって、電気めっき用コンダクタ
ロールに使用した場合の耐腐食摩耗に著しく優れたもの
であるという著大なる効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図はMoを含むNi−Cr−Mo系合金におけるパルス通電
腐食減量とCr,Mo含有量との関係を調べた結果の一例を
示すグラフ、第2図はMoを含むNi−Cr−Mo系合金におけ
る硬さとCr,Mo含有量との関係を調べた結果の一例を示
すグラフ、第3図は鋳造のままのCr35%,Mo8%を含むNi
−Cr−Mo系合金を時効熱処理した場合の硬さと処理温度
・時間との関係を調べた結果の一例を示すグラフ、第4
図は鍛造後のCr35%,Mo8%を含むNi−Cr−Mo系合金を時
効熱処理した場合の硬さと処理温度・時間との関係を調
べた結果の一例を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 磯部 晋 愛知県名古屋市昭和区滝川町122―1 ライオンズマンション杁中ガーデン508 号 (72)発明者 野田 俊治 愛知県名古屋市中村区諏訪町1―8―13 (56)参考文献 特開 昭60−211030(JP,A) 特開 昭61−99650(JP,A)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.10%以下、Si:2.0%以下、
    Mn:2.0%以下、Cr:30%超過40%未満、Mo:4%以上12%
    以下、Al:3.0%以下、Ti:3.0%以下、Fe:5.0%以下、残
    部実質的にNiよりなり、かつ次式で示すMdt値が0.920〜
    0.970の範囲であるNi−Cr系合金を素材としていて、σ
    相が均質に分散析出していることを特徴とする電気めっ
    き用通電ロール材。 Mdt=1.900(Al+Si)+2.271Ti+1.142Cr +0.957Mn+0.858Fe+0.717Ni+1.550Mo (但し各元素は原子分率)
  2. 【請求項2】不純物中において、O:0.1重量%以下に規
    制したことを特徴とする特許請求の範囲第(1)項に記
    載の電気めっき用通電ロール材。
  3. 【請求項3】重量%で、C:0.10%以下、Si:2.0%以下、
    Mn:2.0%以下、Cr:30%超過40%未満、Mo:4%以上12%
    以下、Al:3.0%以下、Ti:3.0%以下、Fe:5.0%以下、お
    よびNb:3.0%以下,Ta:3.0%以下,W:3.0%以下,V:3.0%
    以下の群から選ばれる1種または2種以上を含有し、残
    部実質的にNiよりなり、かつ次式で示すMdt値が0.920〜
    0.970の範囲であるNi−Cr系合金を素材としていて、σ
    相が均質に分散析出していることを特徴とする電気めっ
    き用通電ロール材。 Mdt=1.900(Al+Si)+2.271Ti+1.142Cr +0.957Mn+0.858Fe+0.717Ni+1.550Mo +2.177Nb+2.224Ta+1.655W+1.543V (但し各元素は原子分率)
  4. 【請求項4】不純物中において、O:0.1重量%以下に規
    制したことを特徴とする特許請求の範囲第(3)項に記
    載の電気めっき用通電ロール材。
  5. 【請求項5】重量%で、C:0.10%以下、Si:2.0%以下、
    Mn:2.0%以下、Cr:30%超過40%未満、Mo:4%以上12%
    以下、Al:3.0%以下、Ti:3.0%以下、Fe:5.0%以下、お
    よびMg:0.05%以下,Zr:0.1%以下,B:0.01%以下の群か
    ら選ばれる1種または2種以上を含有し、残部実質的に
    Niよりなり、かつ次式で示すMdt値が0.920〜0.970の範
    囲であるNi−Cr系合金を素材としていて、σ相が均質に
    分散析出していることを特徴とする電気めっき用通電ロ
    ール材。 Mdt=1.900(Al+Si)+2.271Ti+1.142Cr +0.957Mn+0.858Fe+0.717Ni+1.550Mo (但し各元素は原子分率)
  6. 【請求項6】不純物中において、O:0.1重量%以下に規
    制したことを特徴とする特許請求の範囲第(5)項に記
    載の電気めっき用通電ロール材。
  7. 【請求項7】重量%で、C:0.10%以下、Si:2.0%以下、
    Mn:2.0%以下、Cr:30%超過40%未満、Mo:4%以上12%
    以下、Al:3.0%以下、Ti:3.0%以下、Fe:5.0%以下、お
    よびCu:2.0%以下,Co:5.0%以下の群から選ばれる1種
    または2種以上を含有し、残部実質的にNiよりなり、か
    つ次式で示すMdt値が0.920〜0.970の範囲であるNi−Cr
    系合金を素材としていて、σ相が均質に分散析出してい
    ることを特徴とする電気めっき用通電ロール材。 Mdt=1.900(Al+Si)+2.271Ti+1.142Cr +0.957Mn+0.858Fe+0.717Ni+1.550Mo +0.615Cu+0.777Co (但し各元素は原子分率)
  8. 【請求項8】不純物中において、O:0.1重量%以下に規
    制したことを特徴とする特許請求の範囲第(7)項に記
    載の電気めっき用通電ロール材。
  9. 【請求項9】重量%で、C:0.10%以下、Si:2.0%以下、
    Mn:2.0%以下、Cr:30%超過40%未満、Mo:4%以上12%
    以下、Al:3.0%以下、Ti:3.0%以下、Fe:5.0%以下、お
    よびNb:3.0%以下,Ta:3.0%以下,W:3.0%以下,V:3.0%
    以下の群から選ばれる1種または2種以上を含有し、さ
    らにMg:0.05%以下,Zr:0.1%以下,B:0.01%以下の群か
    ら選ばれる1種または2種以上を含有し、残部実質的に
    Niよりなり、かつ次式で示すMdt値が0.920〜0.970の範
    囲であるNi−Cr系合金を素材としていて、σ相が均質に
    分散析出していることを特徴とする電気めっき用通電ロ
    ール材。 Mdt=1.900(Al+Si)+2.271Ti+1.142Cr +0.957Mn+0.858Fe+0.717Ni+1.550Mo +2.177Nb+2.224Ta+1.655W+1.543V (但し各元素は原子分率)
  10. 【請求項10】不純物中において、O:0.1重量%以下に
    規制したことを特徴とする特許請求の範囲第(9)項に
    記載の電気めっき用通電ロール材。
  11. 【請求項11】重量%で、C:0.10%以下、Si:2.0%以
    下、Mn:2.0%以下、Cr:30%超過40%未満、Mo:4%以上1
    2%以下、Al:3.0%以下、Ti:3.0%以下、Fe:5.0%以
    下、およびNb:3.0%以下,Ta:3.0%以下,W:3.0%以下,V:
    3.0%以下の群から選ばれる1種または2種以上を含有
    し、さらにCu:2.0%以下,Co:5.0%以下の群から選ばれ
    る1種または2種以上を含有し、残部実質的にNiよりな
    り、かつ次式で示すMdt値が0.920〜0.970の範囲であるN
    i−Cr系合金を素材としていて、σ相が均質に分散析出
    していることを特徴とする電気めっき用通電ロール材。 Mdt=1.900(Al+Si)+2.271Ti+1.142Cr +0.957Mn+0.858Fe+0.717Ni+1.550Mo +2.177Nb+2.224Ta+1.655W+1.543V +0.615Cu+0.777Co (但し各元素は原子分率)
  12. 【請求項12】不純物中において、O:0.1重量%以下に
    規制したことを特徴とする特許請求の範囲第(11)項に
    記載の電気めっき用通電ロール材。
  13. 【請求項13】重量%で、C:0.10%以下、Si:2.0%以
    下、Mn:2.0%以下、Cr:30%超過40%未満、Mo:4%以上1
    2%以下、Al:3.0%以下、Ti:3.0%以下、Fe:5.0%以
    下、およびMg:0.05%以下,Zr:0.1%以下,B:0.01%以下
    の群から選ばれる1種または2種以上を含有し、さらに
    Cu:2.0%以下,Co:5.0%以下の群から選ばれる1種また
    は2種以上を含有し、残部実質的にNiよりなり、かつ次
    式で示すMdt値が0.920〜0.970の範囲であるNi−Cr系合
    金を素材としていて、σ相が均質に分散析出しているこ
    とを特徴とする電気めっき用通電ロール材。 Mdt=1.900(Al+Si)+2.271Ti+1.142Cr +0.957Mn+0.858Fe+0.717Ni+1.550Mo +0.615Cu+0.777Co (但し各元素は原子分率)
  14. 【請求項14】不純物中において、O:0.1重量%以下に
    規制したことを特徴とする特許請求の範囲第(13)項に
    記載の電気めっき用通電ロール材。
  15. 【請求項15】重量%で、C:0.10%以下、Si:2.0%以
    下、Mn:2.0%以下、Cr:30%超過40%未満、Mo:4%以上1
    2%以下、Al:3.0%以下、Ti:3.0%以下、Fe:5.0%以
    下、およびNb:3.0%以下,Ta:3.0%以下,W:3.0%以下,V:
    3.0%以下の群から選ばれる1種または2種以上を含有
    し、さらにMg:0.05%以下,Zr:0.1%以下,B:0.01%以下
    の群から選ばれる1種または2種以上を含有し、さら
    に、Cu:2.0%以下,Co:5.0%以下の群から選ばれる1種
    または2種以上を含有し、残部実質的にNiよりなり、か
    つ次式で示すMdt値が0.920〜0.970の範囲であるNi−Cr
    系合金を素材としていて、σ相が均質に分散析出してい
    ることを特徴とする電気めっき用通電ロール材。 Mdt=1.900(Al+Si)+2.271Ti+1.142Cr +0.957Mn+0.858Fe+0.717Ni+1.550Mo +2.177Nb+2.224Ta+1.655W+1.543V +0.615Cu+0.777Co (但し各元素は原子分率)
  16. 【請求項16】不純物中において、O:0.1重量%以下に
    規制したことを特徴とする特許請求の範囲第(15)項に
    記載の電気めっき用通電ロール材。
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