JPH06248493A - 電気メッキ用通電ロール及びその製造方法 - Google Patents

電気メッキ用通電ロール及びその製造方法

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JPH06248493A
JPH06248493A JP3823993A JP3823993A JPH06248493A JP H06248493 A JPH06248493 A JP H06248493A JP 3823993 A JP3823993 A JP 3823993A JP 3823993 A JP3823993 A JP 3823993A JP H06248493 A JPH06248493 A JP H06248493A
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Shingo Izumi
真吾 泉
Masatoshi Ayagaki
昌俊 綾垣
Yasuhiro Tsumura
康浩 津村
Junji Ohori
潤二 大堀
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶製ロールと比較しても、耐摩耗性は勿論、
耐食性においても格段に優れた電気メッキ用通電ロール
の提供。 【構成】 500μm以下のインコネルのような主とし
てNi,Cr,Moの合金のアトマイズ粉末を再結晶温
度近傍の温度で熱間静圧プレスして、出発原料粉末中
に、平均結晶粒径が15μm以下の微小粒子が存在する
電気メッキ用焼結通電ロールを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車,家電用などの
薄板メッキ鋼板の製造ラインにおいて、鋼板表面に電気
亜鉛メッキを施すために使用する通電ロール及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来技術】一般的な電気亜鉛メッキは、亜鉛イオンを
含む酸性度の高いメッキ浴中に浸漬された通電ロールに
より鋼板に通電されることによって行われるもので、こ
の通電ロールはメッキ液中での電気腐食と鋼板との接触
による摩耗という2つの主な損耗因子により消耗され
る。その損耗はメッキ液濃度,電流等の各操業条件の違
いから、電気腐食が中心となる場合と、摩耗が中心の場
合に分類され、通電ロール材料としては、耐電気腐食性
を中心とした特性を有するものと、耐摩耗性を中心とし
た特性を有するものに分類されている。
【0003】従来、この通電ロールはこれらの要求に対
処するためにCr,Moによって高合金化したNi基鋳
鍛造材が使用されてきたが、高合金化に伴う偏析に起因
する耐電気腐食性,強度等の特性劣化や、耐摩耗性不足
から前記要求を十分満足していなかった。
【0004】この鋳造通電ロールの偏析欠点を解消する
ために、粉末冶金法による製造が試みられている。
【0005】例えば特開平1−116098号公報に
は、耐摩耗性を中心とした改善を目的として金属間化合
物析出による高硬度化を具備させるため、25〜33C
r%、16〜23Mo%なる高Mo系のNi基合金粉末
を熱間等方圧プレス(HIP)し製造する、焼結通電ロ
ールの製造法が開示されている。
【0006】これによって得られた焼結通電ロールはσ
相とγ相の2相からなり、結晶粒径が20μm以下で出
発原料の粉末粒界には析出相を有せず耐食性と硬さに優
れたものであるとされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この焼
結通電ロールは、金属間化合物析出により高硬度化を図
っているものであるため、実際のメッキ作業に適用した
場合、従来の溶製鋳造ロールに比べ、耐摩耗性は改善さ
れているものの、金属間化合物そのものが比較的腐食し
やすいため耐電気腐食性の改善がみられず、電気腐食が
損耗機構の中心となる環境下での使用については、ロー
ル損耗の改善が不十分である。
【0008】本発明の目的は、溶製ロールと比較しても
耐摩耗性はむろん、耐電気腐食性においても格段に優れ
た焼結通電ロールを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はCr:30重量
%以下、Mo:12重量%以下、必要に応じてNb,F
e,W,Cu,V等の添加元素を5重量%含み、残部が
Niからなる合金粉末の焼結体からなり、かつ、500
μm以下の出発原料粉末を用いて、結晶粒径が15μm
以下で、結晶粒内、粒界に化合物を析出させない組織で
ある電気メッキ用通電ロールである。
【0010】そして、この電気メッキ用焼結通電ロール
は、粉末粒子径が500μm以下の合金粉末を50〜2
00MPaの圧力で、再結晶温度+50℃、−150℃
の温度範囲で熱間等方圧プレス(HIP)により焼結す
ることにより、理論密度の99.9%以上の密度を有す
る焼結体として得られる。
【0011】
【作用】本発明は結晶粒を超微細にすることにより優れ
た耐食性を有し、析出化合物を利用せずに優れた耐摩耗
性を通電ロールに具備させたものである。すなわち、結
晶粒が小さいと粒界面積は増大し、その結果、粒界偏析
濃度は低下することにより、耐電気腐食性は向上すると
ともに、組織内の析出化合物は微量なため、耐電気腐食
性を損なうことはない。また粒界は転位密度が高いた
め、粒内より高硬度であり、従って結晶粒微細化に伴う
粒界面積の増加により素材硬度は向上し、耐摩耗性も向
上する。
【0012】本発明は、急冷凝固された原料粉末内に結
晶粒を形成しやすくすることにより、微細な結晶粒を確
保でき、そのために、原料粉末として平均粒径500μ
m以下の急冷凝固アトマイズ粉末を使用し、焼結温度と
して粉末の再結晶温度+50℃、−150℃の温度範囲
内で焼結し、溶体化、析出時効熱処理を行わずに素材と
するものである。これにより出発原料粉末内に15μm
以下の微細な結晶粒が形成され、この微細結晶粒子によ
り粒界腐食が顕著に低減し、その上に表面硬さも増大す
るため摩耗量が激減する。
【0013】ここで原料粉末の平均粒径が500μm超
の場合、粉末粒子内結晶粒が大きく、粉末の再結晶温度
+50℃、−150℃の温度範囲内で焼結しても、焼結
組織の結晶粒は15μm超となり、耐電気腐食性,耐摩
耗性とも不十分となる。
【0014】一方、粉末の再結晶温度+50℃超で焼結
した場合、結晶粒の粗大化がおこり、結晶粒は15μm
超となる。また、粉末の再結晶温度−150℃未満では
十分焼結しないばかりか、当成分範囲では金属間化合物
が時効析出して耐電気腐食性を低下させる。なお、焼結
時の圧力は焼結体の緻密度を十分とするため通常のHI
P処理圧力である50〜200MPaとする。
【0015】
【実施例】焼結用の粉末として、22Cr−9Mo−
4.5Nb、2.3Fe−残Niの基本組成を有する平
均粒径が250μm以下のガスアトマイズ粉末を焼結し
て通電ロールを作成した。
【0016】120MPaの圧力の下で、1040℃及
び1100℃で3時間HIP処理して、60mm径で1
00mm長さの通電ロールを得た。なお、使用した粉末
の再結晶温度は1050℃であって、再結晶温度よりも
10℃低い温度と、50℃高い温度でHIP処理した。
【0017】比較例の1は、通常の溶製鋳鍛造したの
ち、溶体化処理を行なったものであり、比較例2はHI
P処理を行ったものであるが、処理工程として、HIP
処理温度の点で本実施例と相違するものである。また、
比較例3はHIP処理を行なったものであるが、粉末粒
径が本実施例と相違するものである。
【0018】表1から明らかなように、比較例1〜3と
本実施例とでは、製造ロール表面硬さと結晶粒径におい
て顕著に相違するものである。
【0019】
【表1】 この通電ロールを用いて、損耗形態が電気腐食中心とな
る以下の条件で試験を行なった。
【0020】図1は試験状態を示す図である。同図にお
いて、1は供試ロールであり、これとゴムロール2との
間にSUS316ステンレス鋼板3をはさんで、鋼板3
とゴムロール2との間を通電しつつ回転して、その耐用
性を調べた。
【0021】通電は250ampで、17msec/o
n、75msec/offのパルス間隔を100時間継
続した。
【0022】メッキ模擬液としてはFe2 (SO4 3
及びH2 SO4 を含有する50℃の液を使用して試験前
後の表面粗度及びロール損耗量を測定した。
【0023】その結果を表2に示す。
【0024】
【表2】 この結果、本発明の場合、比較例と対比して良好な結果
が得られた。特に同じHIP焼結材でありながら良好な
結果が得られた。
【0025】
【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏する。
【0026】(1)従来の焼結ロールよりも優れた耐電
気腐食性、耐摩耗性を有する通電ロールを得ることがで
き、通電ロールの長期にわたる使用が可能である。この
結果、ロール交換によるライン停止時間の大幅な削減と
なり、製品コストの低下、ラインの安定稼働に大きく寄
与する。
【0027】(2)出発原料として急冷凝固された原料
粉末を使用しているので、再結晶温度直上の温度で焼結
した場合、再結晶粒を形成しやすく、比較的低温焼結す
ることで微細な結晶粒を確保でき、その上、緻密性も確
保できたものとなる。
【0028】(3)出発原料として急冷凝固された原料
粉末を使用しているので、再結晶温度直下の温度で焼結
した場合、出発原料内の微細な結晶粒が粗大化すること
なく保持できることにより微細な結晶粒を確保でき、そ
の上、緻密性も確保できたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 通電ロールの試験状態を示す図である。
【符号の説明】
1 供試ロール 2 ゴムロール 3 鋼板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大堀 潤二 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr:30重量%以下、Mo:12重量
    %以下、必要に応じてNb,Fe,W,Cu,V等の添
    加元素を5重量%含み、残部がNiからなる合金粉末の
    焼結体であり、かつ、焼結体の平均結晶粒径が15μm
    以下で、結晶粒内、粒界に化合物を析出させない組織で
    ある電気メッキ用通電ロール。
  2. 【請求項2】 粉末粒子径が500μm以下の請求項1
    に示す成分系の合金粉末を50〜200MPaの圧力の
    もと、再結晶温度+50℃、−150℃以内の温度で焼
    結する電気メッキ用通電ロールの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005163197A (ja) * 2003-11-28 2005-06-23 Mitsubishi Rayon Co Ltd 金属被覆炭素繊維の製造方法
CN101850422A (zh) * 2010-04-30 2010-10-06 北京工业大学 热等静压法制备Ni基合金复合基带
US10112254B2 (en) 2014-08-21 2018-10-30 Huntington Alloys Corporation Method for making clad metal pipe
WO2019116632A1 (ja) * 2017-12-15 2019-06-20 富山住友電工株式会社 金属多孔体の製造方法、及びめっき処理装置

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WO2019116632A1 (ja) * 2017-12-15 2019-06-20 富山住友電工株式会社 金属多孔体の製造方法、及びめっき処理装置

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