JPH0820891A - 通電用ロール - Google Patents

通電用ロール

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JPH0820891A
JPH0820891A JP17773894A JP17773894A JPH0820891A JP H0820891 A JPH0820891 A JP H0820891A JP 17773894 A JP17773894 A JP 17773894A JP 17773894 A JP17773894 A JP 17773894A JP H0820891 A JPH0820891 A JP H0820891A
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JP
Japan
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roll
chromium
platinum group
nickel
corrosion
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JP17773894A
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English (en)
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Akira Honda
田 昭 本
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Abstract

(57)【要約】 【構成】鉄及び/又はニッケル10〜50重量%、白金
族元素の一種以上を0.1〜10重量%含有し残部がク
ロムからなる素材で構成した通電用ロール 【効果】この通電用ロールは、腐食等による損耗が少な
く、長期の使用が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐蝕性、耐磨耗性に優
れた通電用ロールに関する。さらに詳しくは、鉄及び/
又はニッケルと白金族元素、特に白金、パラジウム、ル
テニウムの一種以上を含むクロム基合金素材からなる電
気鍍金などの際に用いる通電用ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】電気鍍金用通電用ロールは、自動車用、
家庭電気機器用、建材用、缶用などに用いられる薄板の
鍍金鋼板を製造するラインの通電用ロールとして用いら
れるものであり、最も一般的な電気亜鉛鍍金では、亜鉛
イオンを含む鍍金液中に浸漬された通電用ロールにより
鋼板に通電し鍍金を行う。この通電用ロールの特性とし
ては、鍍金液中での耐蝕性、電気化学的な安定性、良好
な電気伝導性および鋼板との接触に対する耐磨耗性等が
要求される。
【0003】従来、これらの要求に対してニッケル基合
金が主に通電用ロールの素材として用いられてきたが、
ニッケル基合金は鍍金液中での静的な耐蝕性はある程度
有するものの、通電状態における耐蝕性に対しては十分
な効果が得られていない。これは、通電用ロールの回転
に伴い周期的にロール表面に電流が印加され、電流が印
加されている領域では還元反応が生じ、被鍍金鋼板との
非接触領域では電気的腐食つまり金属の溶出が起こるた
めである。通電用ロールではこの現象が周期的に生じ、
さらに鋼板との接触による磨耗が進行する。
【0004】このような問題に対する対策として、ニッ
ケル基合金に種々の元素を添加して改良することがが試
みられているが(例えば特開昭58−176371、特
開昭62−71993号公報参照)必ずしも十分な効果
は得られていない。
【0005】そこで、純クロムに白金族元素を少量添加
したクロム基合金をロールの素材として用いてその耐蝕
性を向上させる試みがなされ、このようなロールは従来
のニッケル基合金の通電用ロールに対して3〜5倍の寿
命が伸びることが確認されている(例えば特開平5−1
56495、特開平5−156496号公報参照)。し
かし、このようなクロム基合金を用いる場合、大部分の
構成成分として使用する金属クロムは、酸素や窒素など
のガス成分を十分低減した高純度のものでなければなら
ず、経済的な面で課題が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、腐食などに
よる損耗が少なく、経済的な面についても十分対応が可
能な、鋼板に電気鍍金を施すため等に使用される通電用
ロールを提供するこを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
の解決のため種々検討を行った結果、ある種の組成の合
金を構成素材とするこにより目的とする通電用ロールを
得ることを見出し本発明を完成した。即ち本発明は、鉄
及び/又はニッケル10〜50重量%、白金族元素の一
種以上を0.1〜10重量%含有し残部が実質的にクロ
ムからなる素材で構成した通電用ロールに関するもので
ある。次に本発明をさらに詳述する。
【0008】前述したように、金属クロムはそれ自体耐
蝕性に優れた金属であるが、特に白金族元素、中でも白
金、パラジウム、ルテニウムなどを一定量含有するクロ
ム基合金は、一定濃度以上の塩酸水溶液中における腐食
や硫酸水溶液中における電流パルスによる電食に対し
て、純クロム以上の非常に高い耐蝕性を有していること
が見出だされている。
【0009】通電用ロールを浸漬する鍍金液は塩酸浴、
硫酸浴等があり、鍍金材としても亜鉛、鉄、ニッケル、
マンガン等の金属又は合金があるが、本発明は、耐蝕性
に優れた金属クロムの特性を利用し、これに少量の白金
族元素と、鉄及び/又はニッケルを添加したクロム基合
金を用いて通電用ロールとしたことが特徴である。
【0010】本発明の素材に含まれる白金族元素は、金
属クロムの耐蝕性をさらに向上させるのに効果があり、
その含量は0.1重量%以上で、好ましくは0.5重量
%以上である。この量が0.1重量%より少ないと十分
な耐蝕性が期待できず、又逆に多量であっても添加量に
対応した効果が得られず経済面でも問題となるので10
重量%以下が目安となる。白金族元素の中でも白金、パ
ラジウム、ルテニウムが効果が大きい。
【0011】又、鉄及び/又はニッケルの含有はクロム
基合金の機械加工性の改良に効果的であり、その含量は
10〜50重量%である。ニッケルの含有量が10重量
%より少ないと十分な機械加工性が得られず、50重量
%を越えると耐蝕性が低下するので好ましくない。
【0012】又、母材となる金属クロムは純度99%以
上であることが好ましく、不純物が多いと加工性に劣
り、加工時に割れが発生したり溶接時の材料の劣化が起
きることがあるなど好ましくない。
【0013】金属クロムの製造法には、酸化クロムを金
属アルミニウムで熱還元するいわゆるテルミット法と、
高炭素フェロクロムを硫酸で溶解して得られるクロム明
礬精製液から電解採取する電解法がある。金属クロムは
耐熱性、耐蝕性の向上を目的として超合金などの添加材
として主に用いられているが、耐熱性、耐蝕性に優れた
特性を持ちながら主に添加材として用いられているの
は、金属クロムの脆性による機械加工性に劣るためであ
る。しかし、金属クロムに含まれる不純物、特に酸素お
よび窒素などのガス成分を低減させることによってその
機械加工性が著しく向上するため高純度金属クロムを主
原料としてその良好な耐熱性、耐蝕性を生かした用途が
広がりつつある。特に硫酸、塩酸などの酸性水溶液に対
して金属クロムは良好な耐蝕性を示すが、さらに高温度
条件が加わるなど過酷な環境下においては、白金族元素
を含むクロム基合金が金属クロム単体より一段と優れた
耐蝕性を示す。
【0014】金属クロム以外の鉄、ニッケル、白金族元
素についても純度の高いものが好ましく通常は純度99
%以上のものが好ましい。
【0015】本発明の製造方法については特に制限はな
いが、以下にその製造方法の一例を示す。純度99%以
上の電解金属クロム、電解鉄及び/又は電解ニッケル、
白金族元素の所定量を真空高周波溶解炉等で溶解し、溶
湯をノズルよりアルゴンガスとともに噴霧し、平均粒径
が100〜200μm の合金粉末を得る。次にこの粉末
を、耐真空性、耐熱性を有しロールの外周形状に近い円
筒状の容器に均一に充填し、真空排気して封止して10
00〜1200℃、800〜1000気圧で熱間静水圧
加工して均一で緻密な組成の成型体とする。この成型体
をロール外周部の形状に加工して内周部と焼ばめによっ
て組立て、表面研磨して通電用ロールとする。
【0016】又、他の製造方法の一例として、高周波溶
解炉又はアーク溶解炉等の種々の溶解炉を用いて合金イ
ンゴットを作製し、焼鈍、鍛造等の熱加工により直接ロ
ール外周部を得る方法がある。
【0017】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。表1に示した組成の合金粉末を、上記した熱間
静水圧加工して得た通電用ロールの材料片を用いてその
ものの腐食状況を調べた。腐食試験の条件は次のとおり
である。
【0018】腐食液:Fe2 (SO4 3 75g/l +H
2 SO4 22g/l 、電流密度:260A/dm2 、パルス条
件:ON 0.2sec. OFF 0.5sec.、温度:5
0℃、試験時間:8時間。
【0019】各種材料による試験結果を表1に示す。表
中No1〜4は本発明のロールに用いた素材で、5〜9
は比較のために用いたロールの素材である。
【0020】又、加工性の目安となるDBTT(延性脆
性遷移温度)を各種材料について測定した結果、本発明
の素材はいずれも室温(18℃)以下で高純度クロム
(200℃)およびCr−0.5Ru合金(250℃)
と比較して優れた加工性を有していた。
【0021】
【表1】 次に、実機の電気亜鉛鍍金ラインを用いて、ロールの腐
食試験を行った。使用ロールは表1の材質の組成の合金
粉末を前記した方法で加工したものを用いた。ロールの
形状は、径:360×長さ1800(mm)、鋼板厚さ:
0.4〜1.6(mm)である。鍍金浴はZnSO4 75
g/l の硫酸亜鉛鍍金浴を用いた。結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明の電気鍍金用通電ロールは、腐食
等による損耗が少なく、長期の使用が可能である。その
結果、ロール交換による鍍金ラインの停止期間が短縮さ
れ、製品コストの低減、ラインの安定稼働に寄与し、鍍
金鋼板の品質も一定となり好結果をもたらす。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄及び/又はニッケル10〜50重量%、
    白金族元素の一種以上を0.1〜10重量%含有し残部
    が実質的にクロムからなる素材で構成した通電用ロー
    ル。
  2. 【請求項2】白金族元素が白金、パラジウム、ルテニウ
    ムである請求項1記載の通電用ロール。
JP17773894A 1994-07-07 1994-07-07 通電用ロール Pending JPH0820891A (ja)

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JP17773894A JPH0820891A (ja) 1994-07-07 1994-07-07 通電用ロール

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JP17773894A JPH0820891A (ja) 1994-07-07 1994-07-07 通電用ロール

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Publication Number Publication Date
JPH0820891A true JPH0820891A (ja) 1996-01-23

Family

ID=16036263

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JP17773894A Pending JPH0820891A (ja) 1994-07-07 1994-07-07 通電用ロール

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JP (1) JPH0820891A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6774804B2 (en) * 2001-02-16 2004-08-10 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Passenger determination device

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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