JP2577965B2 - 不溶性アノード用材料 - Google Patents

不溶性アノード用材料

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は種々の水溶液電解に使用される不溶性アノー
ド用材料に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に水溶液電解例えばZn,Cd,Cr,Co,Mn,Cu,Ni等の非
鉄金属の電解採取では、鉛合金、黒鉛、チタン上の白金
めっき、あるいは白金クラッドが不溶性アノード用材料
として用いられている。また、他の水溶液電解の例であ
る電気めっきにおいても不溶性アノードが用いられるこ
とがある。
一般には、亜鉛、錫、ニッケル、銅等の電気めっきに
おいて、アノード材料としてはめっきされる金属と同じ
金属、すなわち例えば亜鉛めっきにおいては亜鉛が、錫
めっきにおいては錫が用いられる。これらのアノードは
前記不溶性アノードに対し可溶性アノードと呼ばれてい
る。しかしこの可溶性アノードはめっき時における電解
による溶解により消耗するので、めっき素材とアノード
との間隔(極間距離)が広がり浴電圧が上昇する。これ
による電力損失を防ぐため極間距離を一定に保つための
調整あるいはアノードの取り代えという工程上の煩雑さ
を生じている。
このような欠点を解決するための方法に、電解による
溶解の非常に少ない不溶性アノードを使う方法がある。
最近、電気めっき工程における生産性の点から高速め
っきの必要性が高まっており、この場合可溶性アノード
であるとアノードの消耗は非常に速くアノードの調整お
よび取り代え作業を頻繁に行なわねばならずこれは電気
めっき工程における生産性の大きな障害となるので、不
溶性アノードの採用が活発である。また、可溶性アノー
ドを採用した場合、アノード電流効率がカソード電流効
率より高いめっき液中にアノード金属のイオン濃度が増
加し液バランスがくずれ、めっき品の品質低下あるいは
めっきの継続が不可能となることがある。このような場
合には不溶性アノードを採用し液バランスの調整は必要
な金属イオンを含む溶液の補給により行なうか、あるい
は可溶性アノードと不溶性アノードの併用により解決す
る場合が多く、このような不溶性アノードとしては前記
電解採取の場合と同様の材料が用いられている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、このような電解採取あるいは電気めっ
きにおける不溶性アノード材料に、現在完全に性能上満
足できるものが少なく種々の欠点を有している。
例えば、電解液が硫酸−硫酸塩溶液の場合、不溶性ア
ノードとして鉛合金を用いることが多いが、このアノー
ドから電解液中に微量溶出する鉛イオンが蓄積される
と、得られた電析物に鉛が含有され種々の悪影響を及ぼ
すことが知られている。
また、不溶性アノードとして黒鉛を採用した場合、黒
鉛の酸化あるいは黒鉛の脆さに起因する電解液中への脱
落により消耗し黒鉛の寿命が短く、さらに電解液中に脱
落した黒鉛粉により電解液が汚染され種々の悪影響を及
ぼすという問題がある。
また、白金めっきあるいは白金クラッドについてはそ
のコストが高く、さらに白金が軟質なため電解液中のス
ラッジ等により摩耗し電解による溶解と加え消耗するた
め予想外に寿命が短いという欠点もある。
また、不溶性アノード電極基材として比強度および耐
食性に優れたチタンを使用するとチタン表面に不働態膜
が厚く形成され浴電圧の上昇を招き、ついては通電不能
となるという問題がある。
ただし、電流密度が小さい場合にはチタンをアノード
として使用できる場合があり、例えば特殊なケースとし
て、電解二酸化マンガン製造においてはアノードとして
現在はほとんど純チタンが使用されている。
電解二酸化マンガンは主に乾電池の減極剤として使用
されるが、一般には硫酸マンガン0.5〜1.0mol/l、遊離
硫酸濃度0.2〜0.6mol/lよりなる硫酸・硫酸マンガン水
溶液の電解により製造されている。すなわち、この水溶
液を1A/dm2前後の直流にて電解することにより陽極に二
酸化マンガンを析出させこれがある程度アノードである
チタン面上に蓄積した段階で剥離し二酸化マンガンを採
取する。なお、その際陰極からは水素が発生する。
近年、電解二酸化マンガン製造において、チタンをア
ノードとして用いるようになったのは、耐食性に優れた
チタンを用いることにより、アノード側からの電解二酸
化マンガンへの汚染がまったくなくなり、高品質の製品
が得られるからである。また、析出した電解二酸化マン
ガンをアノードから剥離する作業に対しても、強度、延
性のあるチタンを使用しているため外部より強力が力を
加え、電解二酸化マンガンを剥離しても何らチタン製ア
ノードには変形、破損等の問題を起こさないため、優れ
た耐食性と合わせ半永久的にアノードとして使用できる
メリットもある。
しかしながら、前記したように高電流密度を流すこと
がチタン製アノードではできないため現状では1A/dm2
後の電流密度で操業を行なわなければならない。より多
くの電流を流すために、電極表面に貴金属メッキ、貴金
属クラッドを行った電極およびTi2Ni,TiNi,TiNi3を表層
に形成した電極も試みられたが、高価であることや、電
解二酸化マンガンを剥離する際に、貴金属や金属間化合
物が一緒にはがれてしまうという重大な欠点があり、採
用されるに至っていない。もし、電流密度を高くするこ
とができれば、このような電解工業においては直接生産
性に結びつき、同じ電解槽であれば電流密度が高い程大
量生産が可能となり、また、生産量一定とすれば電流密
度が高い程電解槽を小さくすることができ電解槽建設の
ための設備費を小さくすることができるという利点があ
るため、一刻も早く高電流が流せる新しいアノード用材
料の開発が望まれていた。
本発明は上記の事情に鑑みなされたものであり、ニッ
ケルを合金化することにより通電中の不働態膜形成を抑
制できるチタン不溶性アノード用材料を提供することを
目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記目的を達成するためニッケルが0.5wt%
以上、25wt%以下で残部がチタンおよび不可避的不純物
からなることを特徴とし、またはニッケルが40wt%以
上、45wt%未満で残部がチタンおよび不可避的不純物か
らなることを特徴とする不溶性アノード用材料を供給す
る。
次に、本発明について詳細に述べる。
チタンは比強度および耐食性に優れる材料であるが、
チタンをアノードとして通電すると、チタン表面に不働
態膜が厚く形成され浴電圧の上昇を招き、ついには通電
不能となる。
これを解決するため本発明者らは多くの研究を行い、
チタンとニッケルを合金化することにより、通電中の不
働態膜形成を抑制できることを見出した。
一般にチタンとニッケルの金属間化合物には、Ti2Ni,
TiNi,TiNi3の3種類が存在するが、これらはいずれもア
ノードとして通電した場合、浴電圧の上昇が認められな
いことが知見された。ところが、不溶性アノードには成
分金属が溶出しないことも要求されるが、この点に関し
ては各種溶液において、腐食の有無及び陽分極挙動の調
査をTi2Ni,TiNi,TiNi3について行ったところ、Ti2Niが
最も優れ、特に、第1図に示すようにきびしい酸性水溶
液においてもTi2Niだけは酸性発生電位まで溶出が起き
ず、高電流密度を流せることがわかった。
このように、Ti2Niは不溶性アノードとしての特性に
非常に優れていることが判明したが、Ti2Niは非常に脆
い金属間化合物であるためアノード材料として製造する
ことがむづかしく、しかも酸素ガス、塩素ガス等の気体
が長時間電気分解により発生する場合には、ガス発生時
の衝撃によりTi2Niが脱落してしまう欠点を有してい
る。この欠点を補うためTiとNiの組成範囲をより詳細に
調べた結果、Ti2Niの組成よりチタン含有量を多く合金
化した場合には、ミクロ組織上TiとTi2Niが共存するこ
とにより脆いTi2NiをTiが補い、その脱落を防ぐことが
わかった。またチタン表面には、不働態皮膜が形成され
自らの溶出を防止するため、溶出の心配は全くする必要
がなく残りのTi2Ni表面で不溶性アノードとしての特性
が生かせることが判明した。ただし、Ti2Niの量があま
り少ないと高い電流密度がとれないため、Ni量の下限
が、ここから限定される。
Ti2Niの組成よりNi含有量を多く合金化する場合に
は、Ti2NiとTiNiが共存し、Ti2Niより延性があるTiNiが
Ti2Niの脱落を防ぐと同時に、TiNiも多くの電流を流せ
ることよりTiNiの量を増しても最大に流せる電流密度は
ほとんどわからない特長を有している。しかしながら、
あまり多くTiNiが存在すると、TiNiの溶出が起こるた
め、Ni量の上限、45wt%は、溶出されない範囲に限定さ
れる。
以上の理由より、本発明は合金化によりミクロ組織上
Ti,Ti2Ni,TiNiより構成されるアノード材料であること
を特徴とし、その用途ごとにTiとNiの組成を適時変化さ
せるものである。
〔実施例〕
以下、実施例に基づき本発明の有効性を説明してゆ
く。
まず、不溶性アノードとして一般的用途である電解採
取や電気めっき用不溶性アノードについて説明する。
電解採取や電気めっき用不溶性アノードとしては、ニ
ッケル含有量は10wt%以上好ましくは15wt%以上必要で
ある。ニッケル含有量が10wt%未満であるとTi2Niの析
出物の量が少なすぎるため本材料を電解採取や電気めっ
き用不溶性アノードとして用いた場合電解が進むに従っ
て浴電圧の上昇・通電不能という事態を招く。
また、ニッケル含有量が10wt%以上15wt%未満の場合
は、電流密度が小さい時には浴電圧の上昇が認められな
いが、電流密度を大きくすると浴電圧が上昇してしま
う。
ニッケル含有量が45wt%を超すとTiNiの量が多くなり
過ぎるため、アノードとして通電した場合、成分金属の
溶出が起こる。また本発明合金は白金のような高価な金
属を用いないので、経済的な観点からも非常に遊離であ
る。
次に、本発明材料の特殊な用途として電解二酸化マン
ガン製造用アノードについて説明する。
電解二酸化マンガン製造時には、電解が進むにしたが
って陽極表面に二酸化マンガンが析出するため電気めっ
き、あるいは電解採取時のように不溶性陽極に何も析出
しない場合とは異なり低い電流密度であれば陽極材料に
純チタンを用いても電圧の上昇が認められない。このこ
とが不溶性陽極として一般には用いえない純チタンを電
解二酸化マンガン製造用不溶性陽極としては用いうる理
由である。ところがこの場合においても電流密度は0.8A
/dm2か、せいぜい1.0A/dm2が上限で、これ以上であると
電解が進むにしたがって徐々に浴電圧の上昇を招く。し
かしニッケルをチタンに合金化することによりこの限界
の電流密度を上げることができる。
したがって、電解二酸化マンガン製造用アノードとし
ては、ニッケル含有量は0.5wt/%以上必要である。0.5w
t%未満ではニッケルを添加しても浴電圧上昇に対する
抑制効果が認められない。またニッケル含有量の上限は
電解二酸化マンガン用電極として20wt%以下、好ましく
は15wt%未満にする必要がある。電解二酸化マンガン用
電極は一般的には2〜10mm厚さの板であるが、このよう
な板は真空アーク溶解後緞造、熱間圧延、冷間圧延の加
工工程により製造するのが一般的である。ところがニッ
ケル含有量が、20wt%以上の合金材で同様な工程での製
造を試みたところ熱間圧延および冷間圧延でわれてしま
い製造できない。また15wt%以上でもほとんどわれてし
まい製造が難しい。
次に、本発明に係る不溶性アノード用材料を用いて電
解採取や電気めっきの場合と二酸化マンガンの電解の場
合において行った実験について説明する。
(実施例1) まず、本発明材料を電解採取や電気めっきの不溶性ア
ノードとして用いる場合の実験は第1表に示す各種供試
材を硫酸30vol%溶液中でアノードとして通電して行っ
た。供試材はアーク溶解にて100g程度のインゴットを溶
製し1000℃に5時間真空焼純し均質化をはかった後約10
mm立方に切断し作製した。これにリード線を接続し樹脂
埋めした後研磨して約10mm×10mm(1cm2)の電極面と
した。
この実験で硫酸を電解液としたのは電解採取あるいは
電気めっきにおける電解液としては硫酸浴が、一般的だ
からである。液温を50℃に保ち、対極(カソード)とし
てSUS304板、極間距離5cmとし、種々の電流密度にて電
解し浴電圧の経時変化を測定した。さらに、この試験で
浴電圧の上昇が、認められなかったものについて、電解
前後のアノード物質重量変化を求めた。
また、製造性の評価も行なった。上記実験の結果を第
1表および第2表に示す。第2図においてAは供試材N
o.2〜4、No.7、BはNo.5、6、CはNo.2、5、6、D
はNo.7を示している。本発明材料は板への製造が可能で
アノードとして電解した場合長期にわたり浴電圧が安定
しており、また重量変化が小さいことがわかる。このよ
うに本発明材料は不溶性アノードとして極めて優れた特
性を示すことが判る。
注1) チタン板に5μmの白金めっきを施した不溶性
アノード。
注2) 黒鉛 注3) Pb−1wt%Ag。
以上の実験結果から次の事実が明らかとなった。
供試材No.2〜No.4は電流密度100A/dm2100日間通電
後の重量減が0.4g/cm2以下の微量であり、長期にわたり
浴電圧も安定している。ただし、No.3は板への製造が不
可能であり、本特許より除外される。
Ni45wt%を超す供試材No.1は電流密度5A/dm2でも溶
出量が大きい。したがって、本特許より除外される。
Ni15wt%未満である本発明材料である供試材No.5お
よびNo.6は電流密度100A/dm2では通電中の浴電圧の上昇
が認められるが、5A/dm2では浴電圧の上昇も認められ
ず、通電後の重量減も0.04g/cm2と非常に微量である。
Ni10wt%未満である供試材No.7は電流密度5A/dm2
も通電による電圧上昇が起る。
チタン板に5μmの白金めっきを5μm施したNo.7
は重量減は0.16g/cm2で本発明材料と同等であるが高価
なため経済的に問題がある。
比較材料である黒鉛・鉛のNo.9およびNo.10は重量
減が大きく電解液の汚染が著しく進んだ。
以上のとおり上記実験により合金化で板製造が可能に
なり、ニッケルが10wt%以上、25wt%以下、または40wt
%以上、45wt%未満で残部がチタンおよび不可避的不純
物からなる本発明の実施品であるNo.2およびNo.4乃至N
o.6の供試材は、電流密度5A/dm2ではいずれも100日間通
電後の重量減が微量であり長期にわたり不働態膜が形成
されることがなく浴電圧が安定しており、また電解液中
への脱落がないため電解液に悪影響を及ぼすこともな
い。特にNo.4の場合には電流密度100A/dm2でも100日間
通電後の重量減が微量であり長期にわたり不働態膜が形
成されることがなく浴電圧が安定しており、また電解液
中への脱落がないため電解液に悪影響を及ぼすこともな
い。
(実施例2) 次に、本発明材料を電解二酸化マンガン用アノードと
して用いた場合について説明する。各ニッケル含有率の
Ti-Ni合金を各電流密度で電解し浴電圧の経時変化を測
定した。
この実験結果を表したグラフを第3図乃至第5図に示
す。
このグラフは、供試材として幅200×長さ1000×厚さ
3(mm)の寸法の純チタン及びNi含有量を変化させたTi
-Ni合金を用い、両面をショットブラスト処理した後、
硫酸マンガン0.5〜1.0mol/l遊離硫酸濃度0.2〜0.6mol/l
よりなる95℃の水溶液中に浸漬し、定電流電解により浴
電圧の変化を調べた結果である。これらの図において No.は純チタン、 No.はTi− 0.1wt%Ni、 No.はTi− 0.5wt%Ni、 No.はTi− 3.0wt%Ni、 No.はTi− 5.0wt%Ni、 No.はTi− 7.0wt%Ni、 No.はTi−11.0wt%Ni、 を表している。上記実験のNo.〜No.の供試材は真空
アーク溶解を行った後、鍛造、熱間圧延、冷間圧延の加
工工程により製造されたものであるがTi-15wt%Ni以上
で同様な工程を試みたところ熱圧、冷圧でほとんどわれ
てしまい、製造できなかった。
したがって、電解二酸化マンガン用のアノードとして
は、好ましくはその上限を15wt%Ni未満にする必要があ
る。第3図は通常行われている電解条件よりやや高い1.
2A/dm2の電流密度における浴電圧の変化を表している
が、3日目をすぎたあたりより純チタン及びTi-0.1%Ni
は浴電圧の上昇が若干見られた。本発明材料であるNo.
〜No.は全く浴電圧の上昇は見られなかった。
第4図は、1.5A/dm2の電流密度で電解を行ったもので
あり、純チタンTi-0.1%Niは6時間程度で電圧上昇がお
こり操業を中止せざるをえなくなった。一方、Ti-0.5%
Niは約2倍の12時間もつことが確認され、No.、、
、においてはほとんど浴電圧上昇はみられなかっ
た。
第5図は2.4A/dm2電流密度で電解を行ったものであ
り、その傾向は第3図、第4図に示した場合と同様であ
った。
以上の結果よりチタンにニッケルを含有させたことに
より高電流を流せることが可能であることが理解できた
が、ニッケルの含有量が0.1%Ni程度の供試材No.では
純チタンとあまり変わらず、十分の効果が得られないた
め本発明ではニッケル含有量の下限は0.5%Noiとした。
また、Ti-0.5%NiからTi-11.0%Niの範囲の合金につ
いて、析出した二酸化マンガンを剥離させるため実操業
とほぼ同様な工程にしたがい、アノードをたたき二酸化
マンガンを取り去ったが、その時に板の変形や破損、表
面脱落は一切起きなかった。
以上のとおり上記2つの実験結果から明らかなよう
に、ニッケルが10wt%以上、25wt%以下、または40wt%
以上、45wt%未満で残部がチタンおよび不可避的不純物
からなる本発明の実施品は電解採取や電気めっきの不溶
性アノードとして使用した場合、いずれも100日間通電
後の重量減が微量であり、長期にわたり不働態膜が形成
されることがなく浴電圧が安定しており、また電解液中
への脱落がないため電解液に悪影響を及ぼさないのが判
る。
また、ニッケルが0.5wt%以上、15wt%未満で残部が
チタンおよび不可避的不純物からなる本発明の実施品は
電解二酸化マンガン用アノードとして使用した場合に浴
電圧の上昇はほとんど見られず、析出した二酸化マンガ
ンの剥離も容易であることが判った。
〔発明の効果〕
上記の本発明によれば、ニッケルが0.5wt%以上、25w
t%以下、または40wt%以上、45wt%未満で残部をチタ
ンおよび不可避的不純物とすることにより電解採取、あ
るいは電気めっきにおける不溶性アノード用材料とし
て、あるいは電解二酸化マンガン採取用アノードとして
使用しても長期にわたり不働態膜が形成されることなく
浴電圧が安定しており、電流効率、エネルギー効率のよ
い極めて優れた不溶性アノード用材料が得られる。この
ように一般に使用される不溶性アノード材としてはもと
より電極に二酸化マンガンを析出させる電解二酸化マン
ガン製造用等のアノード材としても好適に使用できる効
果は大きい。
また、本発明によれば板状の不溶性アノードとして製
造できるためアノード材に要求される品質としての耐久
性が優れ、衝撃を受けても表面が損耗せずに初期と同等
の品質が維持でき、Ti2Niの組成よりチタン含有量を多
く合金化したことにより、ミクロ組織上TiとTi2Niが共
存して脆いTi2NiをTiが補い、その脱落を防ぐことがで
きる。したがって、アノード材として使用中に溶出の心
配は全くなく、浴電圧が安定しており、合金化した構造
のアノード表面で不溶性アノードとしての特性が常に有
効に生かせる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は5%塩酸水溶液中におけるTiNiとTi2Niとの分
極挙動を示すグラフ、第2図は本発明材料および比較材
料を不溶性アノードとして用いた場合の通電日数に対す
る浴電圧の変化を示す実験結果のグラフ、第3図乃至第
5図は本発明材料および比較材料を電解二酸化マンガン
用アノードとして用いた場合の通電日数に対する浴電圧
の変化を示す実験結果のグラフである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニッケルが0.5wt%以上、25wt%以下で残
    部がチタンおよび不可避的不純物からなることを特徴と
    する不溶性アノード用材料。
  2. 【請求項2】ニッケルが40wt%以上、45wt%未満で残部
    がチタンおよび不可避的不純物からなることを特徴とす
    る不溶性アノード用材料。
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