JP2813517B2 - 電気メッキ用通電ロール及びその製造方法 - Google Patents
電気メッキ用通電ロール及びその製造方法Info
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Description
薄板メッキ鋼板の製造ラインにおいて、鋼板表面に電気
亜鉛メッキを施すために使用する通電ロール及びその製
造方法に関する。
含む酸性度の高いメッキ浴中に浸漬された通電ロールに
より鋼板に通電されることによって行われるもので、こ
の通電ロールはメッキ液中での電気腐食と鋼板との接触
による摩耗という2つの主な損耗因子により消耗され
る。その損耗はメッキ液濃度,電流等の各操業条件の違
いから、電気腐食が中心となる場合と、摩耗が中心の場
合に分類され、通電ロール材料としては、耐電気腐食性
を中心とした特性を有するものと、耐摩耗性を中心とし
た特性を有するものに分類されている。
処するためにCr,Moによって高合金化したNi基鋳
鍛造材が使用されてきたが、高合金化に伴う偏析に起因
する耐電気腐食性,強度等の特性劣化や、耐摩耗性不足
から前記要求を十分満足していなかった。
ために、粉末冶金法による製造が試みられている。
は、耐摩耗性を中心とした改善を目的として金属間化合
物析出による高硬度化を具備させるため、25〜33C
r%、16〜23Mo%なる高Mo系のNi基合金粉末
を熱間等方圧プレス(HIP)し製造する、焼結通電ロ
ールの製造法が開示されている。
相とγ相の2相からなり、結晶粒径が20μm以下で出
発原料の粉末粒界には析出相を有せず耐食性と硬さに優
れたものであるとされている。
結通電ロールは、金属間化合物析出により高硬度化を図
っているものであるため、実際のメッキ作業に適用した
場合、従来の溶製鋳造ロールに比べ、耐摩耗性は改善さ
れているものの、金属間化合物そのものが比較的腐食し
やすいため耐電気腐食性の改善がみられず、電気腐食が
損耗機構の中心となる環境下での使用については、ロー
ル損耗の改善が不十分である。
耐摩耗性はむろん、耐電気腐食性においても格段に優れ
た焼結通電ロールを提供することにある。
%以下、Mo:12重量%以下、必要に応じてNb,F
e,W,Cu,V等の添加元素を5重量%含み、残部が
Niからなる合金粉末の焼結体からなり、かつ、500
μm以下の出発原料粉末を用いて、結晶粒径が15μm
以下で、結晶粒内、粒界に化合物を析出させない組織で
ある電気メッキ用通電ロールである。
は、粉末粒子径が500μm以下の合金粉末を50〜2
00MPaの圧力で、再結晶温度+50℃、−150℃
の温度範囲で熱間等方圧プレス(HIP)により焼結す
ることにより、理論密度の99.9%以上の密度を有す
る焼結体として得られる。
た耐食性を有し、析出化合物を利用せずに優れた耐摩耗
性を通電ロールに具備させたものである。すなわち、結
晶粒が小さいと粒界面積は増大し、その結果、粒界偏析
濃度は低下することにより、耐電気腐食性は向上すると
ともに、組織内の析出化合物は微量なため、耐電気腐食
性を損なうことはない。また粒界は転位密度が高いた
め、粒内より高硬度であり、従って結晶粒微細化に伴う
粒界面積の増加により素材硬度は向上し、耐摩耗性も向
上する。
晶粒を形成しやすくすることにより、微細な結晶粒を確
保でき、そのために、原料粉末として平均粒径500μ
m以下の急冷凝固アトマイズ粉末を使用し、焼結温度と
して粉末の再結晶温度+50℃、−150℃の温度範囲
内で焼結し、溶体化、析出時効熱処理を行わずに素材と
するものである。これにより出発原料粉末内に15μm
以下の微細な結晶粒が形成され、この微細結晶粒子によ
り粒界腐食が顕著に低減し、その上に表面硬さも増大す
るため摩耗量が激減する。
の場合、粉末粒子内結晶粒が大きく、粉末の再結晶温度
+50℃、−150℃の温度範囲内で焼結しても、焼結
組織の結晶粒は15μm超となり、耐電気腐食性,耐摩
耗性とも不十分となる。
した場合、結晶粒の粗大化がおこり、結晶粒は15μm
超となる。また、粉末の再結晶温度−150℃未満では
十分焼結しないばかりか、当成分範囲では金属間化合物
が時効析出して耐電気腐食性を低下させる。なお、焼結
時の圧力は焼結体の緻密度を十分とするため通常のHI
P処理圧力である50〜200MPaとする。
4.5Nb、2.3Fe−残Niの基本組成を有する平
均粒径が250μm以下のガスアトマイズ粉末を焼結し
て通電ロールを作成した。
び1100℃で3時間HIP処理して、60mm径で1
00mm長さの通電ロールを得た。なお、使用した粉末
の再結晶温度は1050℃であって、再結晶温度よりも
10℃低い温度と、50℃高い温度でHIP処理した。
ち、溶体化処理を行なったものであり、比較例2はHI
P処理を行ったものであるが、処理工程として、HIP
処理温度の点で本実施例と相違するものである。また、
比較例3はHIP処理を行なったものであるが、粉末粒
径が本実施例と相違するものである。
本実施例とでは、製造ロール表面硬さと結晶粒径におい
て顕著に相違するものである。
る以下の条件で試験を行なった。
いて、1は供試ロールであり、これとゴムロール2との
間にSUS316ステンレス鋼板3をはさんで、鋼板3
とゴムロール2との間を通電しつつ回転して、その耐用
性を調べた。
n、75msec/offのパルス間隔を100時間継
続した。
及びH2 SO4 を含有する50℃の液を使用して試験前
後の表面粗度及びロール損耗量を測定した。
が得られた。特に同じHIP焼結材でありながら良好な
結果が得られた。
気腐食性、耐摩耗性を有する通電ロールを得ることがで
き、通電ロールの長期にわたる使用が可能である。この
結果、ロール交換によるライン停止時間の大幅な削減と
なり、製品コストの低下、ラインの安定稼働に大きく寄
与する。
粉末を使用しているので、再結晶温度直上の温度で焼結
した場合、再結晶粒を形成しやすく、比較的低温焼結す
ることで微細な結晶粒を確保でき、その上、緻密性も確
保できたものとなる。
粉末を使用しているので、再結晶温度直下の温度で焼結
した場合、出発原料内の微細な結晶粒が粗大化すること
なく保持できることにより微細な結晶粒を確保でき、そ
の上、緻密性も確保できたものとなる。
Claims (2)
- 【請求項1】 Cr:30重量%以下、Mo:12重量
%以下、必要に応じてNb,Fe,W,Cu,V等の添
加元素を5重量%含み、残部がNiからなる合金粉末の
焼結体であり、かつ、焼結体の平均結晶粒径が15μm
以下で、結晶粒内、粒界に化合物を析出させない組織で
ある電気メッキ用通電ロール。 - 【請求項2】 粉末粒子径が500μm以下の請求項1
に示す成分系の合金粉末を50〜200MPaの圧力の
もと、再結晶温度+50℃、−150℃以内の温度で焼
結する電気メッキ用通電ロールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3823993A JP2813517B2 (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | 電気メッキ用通電ロール及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3823993A JP2813517B2 (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | 電気メッキ用通電ロール及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06248493A JPH06248493A (ja) | 1994-09-06 |
JP2813517B2 true JP2813517B2 (ja) | 1998-10-22 |
Family
ID=12519757
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3823993A Expired - Fee Related JP2813517B2 (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | 電気メッキ用通電ロール及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2813517B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN101850422B (zh) * | 2010-04-30 | 2011-11-16 | 北京工业大学 | 热等静压法制备Ni基合金复合基带 |
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-
1993
- 1993-02-26 JP JP3823993A patent/JP2813517B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH06248493A (ja) | 1994-09-06 |
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