JP2005163197A - 金属被覆炭素繊維の製造方法 - Google Patents

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禎雄 鮫島
Satoshi Suzuki
敏 鈴木
Sadahito Nakahara
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Abstract

【課題】 公知技術の問題点を克服し、炭素繊維の毛羽立ちを抑え、ロールへの絡みつきを減少し、安定した連続メッキ製造工程を継続することが可能な金属被覆炭素繊維の製造方法及びその装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 炭素繊維マルチフィラメントを電極ロール周面に接触させ電気メッキ槽内でメッキする金属被覆炭素繊維の製造方法において、電極ロールの炭素繊維マルチフィラメントと接する部分の算術平均粗さ(Ra)が0.01〜25μmである、金属被覆炭素繊維の製造方法である。
【選択図】 図6

Description

本発明は、炭素繊維に連続にメッキを施す、金属被覆炭素繊維の製造方法に関する。
高度情報化社会の発展やマルチメディア社会の到来により、電子機器から発生する電磁波が他の機器に対し悪影響をもたらし社会問題となっている。金属メッキされた炭素繊維(金属被覆炭素繊維)は、電子機器等の電磁波遮蔽材料と使用され、いわゆるEMI(Electro Magnetic Interference)シールド材料として注目を浴びている。金属被覆炭素繊維は、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂のフィラーとして使用され、優れた機械特性と共に電磁波遮蔽特性にも優れたものである。
マトリックスに熱可塑性樹脂を用いた繊維強化複合材料(以下、Fiber Reinforced Plastic;FRPという。)を得ようとした時には、予め所定の長さに切断してチョップとし、これと熱可塑性樹脂ペレットあるいはパウダーとともに押出機に投入し、溶融混練して混合ペレットを得て、この混合ペレットを射出成形機等の成形機で目的とする形状のFRPを得て使用されている。
これらの金属被覆炭素繊維に用いられる炭素繊維は、製造工程にて製造された後、一旦ボビン等に巻き取られ供給されている。このため、炭素繊維に金属メッキする方法としては、ボビンに巻き取られたものを解舒して製造することが一般的である。
炭素繊維はそれ自体導電性があっても比抵抗は10−3Ω・cm程度であり、金属の10−6Ω・cmよりも大きい。しかも、炭素繊維のフィラメント径は、3.5〜12μm程度であり、フィラメント数は3、000〜50、000本単位で供給、製品化されている。このフィラメント1本1本に均一にかつ焼け等の欠陥のない金属メッキを施すことが必要でありさまざまな方法が提案されてきた。
金属被覆炭素繊維を製造する方法として、特許文献1〜9記載の方法が提案されている。
(1)金属を被覆する槽周りのロールへの炭素繊維の巻きつきを解決する方法として、
特許文献3には、炭素繊維として、電解処理やサイジング処理をしないものを使用するためにロールへの巻き付きが多発するので、送りゴムロールへの破断している炭素繊維のからみ付きを防止するために、送りゴムロールへ水のシャワーを行っている。それでも、一部の破断した炭素繊維が送りゴムロールにからみ付くことがあるため、送りゴムロールの上に、ブラシを設置するといった対策方法も記載されている。
また、 特許文献9には、炭素繊維トウに内在する毛羽がロールに巻き付くのを防ぐため、ロールと炭素繊維トウとの剥離位置の近傍であって、ロールと炭素繊維トウとにより挟まれる空間に配され、吹付けノズルが炭素繊維トウの反走行方向に向けられてなる流体吹付け手段を備え、空気、水、及びその混合流体、水蒸気などの流体を吹付けるといった対策方法が記載されている。
しかしながら、以上の対策は、搬送ローラーに絡みついた炭素繊維を除去する方法であって、金属メッキ炭素繊維の製造において問題となっている、炭素繊維がメッキされるのと同時に電極ロールもメッキされていき、電極ロールに炭素繊維が絡みつき、炭素繊維が毛羽立つことを解決しない。
(2)炭素繊維に金属被覆する際、炭素繊維のサイジング剤が金属被覆を阻害する対策として、
特許文献1や特許文献4には、適当なサイジング剤を塗布した炭素繊維マルチフィラメントを酸化雰囲気中で焼成処理した後に金属メッキする方法や不活性雰囲気中で焼成処理した後に金属メッキする方法が開示されている。
特許文献3には、炭素繊維として、電解処理やサイジング処理をしない0000ものを使用することが記載されている。
しかしながら、サイジング剤を付着させずに巻き取った炭素繊維はハンドリングが甚だ困難であり、これを避けるため炭素繊維に水を付与し巻き取った場合は、防水紙管に巻き取る必要があり高コストの要因となるばかりでなく。再び解舒する時には炭素繊維の単繊維が切断しやすく、解舒時にも水分を付与した場合には、メッキ工程前に水分や一緒に付着した異物等を除去する必要があり、メッキ前にアルカリ脱脂や酸による中和処理が必要となり工程が複雑となってしまう問題点があった。
(3)炭素繊維に均一な厚みの金属被覆を施すことについて、
特許文献2には、炭素繊維マルチフィラメントに連続的に電気メッキするに当たり、繊維束の走行方向に複数個の陰極を設け、全電流を各々の陰極での電流量がIn−1≦I≦In+1(Iはn番目陰極の電流量を表す。)の範囲になるよう分配し、多段で電気メッキする方法が開示されている。
特許文献3には、メッキ浴中において、連続に通過する炭素繊維マルチフィラメントに円弧状或いは円錐状に噴出するメッキ液流を衝突させることにより、前記炭素繊維マルチフィラメントをほぐしながら電気メッキする方法が開示されている。
特許文献5には、3本の固定ロールからなる開繊装置にて炭素繊維トウを開繊して、炭素繊維トウに垂直にメッキ液を上下から当てることを特徴とするメッキ方法が開示されている。
特許文献6には、炭素繊維マルチフィラメントに連続に電気メッキを行なうにあたり、繊維束にかかる断面積あたりの張力(T)を76g/mm≦T≦127g/mmの範囲とし、繊維束の開繊方法としてメッキ浴中でエアーバブリングを行ないながら、繊維束方向に設けた複数個の陰極ローラでの繊維断面積あたりの電流密度(I)を1番目の陰極ロールでは、1.3A/mm<I<13A/MM<SUP>2、2番目以降の陰極ローラではI<I≦・・・≦I(Iはn番目の陰極の電流密度を表す。)と1段目の電流密度より高電流密度の範囲となるよう配分し、多段でメッキする方法が開示されている。
特許文献7には、液体クロマトグラフィを用いた化学分析を自動的に実施できる装置を設置し、メッキ槽からサンプリングしたメッキ液中の添加剤成分を液体クロマトグラフィ装置で分離定量し、各添加剤成分毎の定量値と各添加剤成分毎に予め設定した所定濃度とを比較して管理する方法が開示されている。
特許文献8に示されるように、メッキ浴に作用電極、対向電極および参照電極を浸し、これらの電極とポテンショスタットとを接続し、このポテンショスタットを用いて、めっき浴の分極曲線を測定し、この分極曲線から作用電極と対向電極との間の限界電流密度を求めて、さらにこの限界電流密度からめっき成分の濃度を求める方法がある。
しかしながら、各特許文献記載の方法では、以下に挙げる不具合があった。
特許文献1や4の方法では、サイジング剤等の収束剤を付着された繊維束は確かにハンドリング性が良好となるが、メッキ工程の前に除去する工程が必要であり、高コストの要因となり工程も複雑となる。また、収束剤を十分除去できないとメッキ液へ不純物を持ち込み、メッキの品質を低下させる問題があった。
特許文献2の方法では、生産性が優れているが、陰極に接する繊維束の幅が一定にコントロールしないと各々での陰極の電流値が変動し、メッキ厚みが変動する問題がある。
特許文献3や9の方法では、確かに炭素繊維の単繊維1本1本の表面にメッキされ、架橋現象が生じないが、単繊維が切れやすく、切れた単繊維がメッキ浴中を浮遊する。そのため、この単繊維が炭素繊維に付着し、品質を低下したものとなる問題点があった。
特許文献5の方法では、メッキ液を炭素繊維の上下から当て、冷却することによりメッキの欠陥である焼けを防止する利点はあるが、3本以上の固定ロールからなる開繊装置での擦過による開繊方法では、単繊維切れが起こり易く、品質低下の問題があった。
特許文献6の方法では、普通の炭素繊維(12000本のフィラメントで繊維径7μm)の場合、炭素繊維に付与する張力が、165〜276g/本となるため、炭素繊維の幅が細くなり、内部までメッキ液が浸透しにくく内部まで均一にメッキできない、また、炭素繊維の幅が一定しないため、電極への分配が変動する問題点があった。
特許文献7に示されるような装置は、複雑で大型化しメッキのコストアップに繋がるという問題があった。
特許文献8に示される方法においては、メッキ液中に含まれる複数の成分の、それぞれの濃度を個別に測定することが出来ないという問題があった。
特開昭58−1086号公報 特開昭59−226195号公報 特開昭60−119269号公報 特開昭63−264968号公報 特開平2−210061号公報 特開平3−104984号公報 特開2002−167699号公報 特開2002−322598号公報 特開2003−64573号公報
本発明は、上記のような問題点を克服し、炭素繊維の毛羽立ちを抑え、ロールへの絡みつきを減少し、安定した連続メッキ製造工程を継続することが可能な金属被覆炭素繊維の製造方法及びその装置を提供することを目的とする。
本発明の第一の要旨は、炭素繊維マルチフィラメントを電極ロール周面に接触させ電気メッキ槽内でメッキする金属被覆炭素繊維の製造方法において、
電極ロールの炭素繊維マルチフィラメントと接する部分の算術平均粗さ(Ra)が0.01〜25μmである、金属被覆炭素繊維の製造方法にある。
また、本発明の第二の要旨は、炭素繊維マルチフィラメントを電極ロール周面に接触させ電気メッキ槽内でメッキする金属被覆炭素繊維の製造方法において、炭素繊維マルチフィラメントを電極ロール周面上でトラバースする、金属被覆炭素繊維の製造方法。
そして、本発明の第三の要旨は、炭素化炉から送り出される炭素繊維マルチフィラメントにサイジング剤を付与することなく、電極ロールに接触させ電気メッキ槽内でメッキする金属被覆炭素繊維の製造方法にある。
さらに、本発明の第四の要旨は、炭素繊維マルチフィラメントを電極ロール周面に接触させ電気メッキ槽内でメッキする金属被覆炭素繊維の製造方法において、炭素繊維マルチフィラメントを電極ロール周面に接触させるときの炭素繊維マルチフィラメントの幅W(mm)が、次式の範囲である金属被覆炭素繊維の製造方法にある。
W≧k・D
但し、W:炭素繊維マルチフィラメントの幅(mm)、K:比例係数(0.0025)、D:炭素繊維マルチフィラメントの繊度(tex)
さらに、本発明の第五の要旨は、炭素繊維マルチフィラメントを電極ロール周面に接触させ電気メッキ槽内でメッキする金属被覆炭素繊維の製造方法において、電気メッキ槽内のメッキ液を吸引することにより炭素繊維マルチフィラメント開繊拡幅する金属被覆炭素繊維の製造方法にある。
(1)第一、二の発明によれば、炭素繊維の毛羽立ちを抑え、ロールへの絡みつきを減少し、安定した連続メッキ製造工程を継続することを可能とする。
(2)第三の発明によれば、工程の簡略化ができ、工程間のロスがないので生産性が向上する。また、収束剤や巻取のための紙管が必要なく低コスト化が図れ、かつフィラメント切れによる品質低下がなく、
(3)第四の発明によれば、陰極ローラに接触する繊維束幅が一定とすることによって電流の分配が一定し、メッキ厚みのバラツキが少なくり、メッキ厚み精度が5%以下とすることが可能となる。
(4)第五の発明によれば、メッキ浴中での吸引による開繊によって毛羽などの欠陥のない高品位で安定したものが製造でき、EMIシールド性能材料として安定した性能が得られるものが製造可能となる。
また特に、メッキに適した構造の炭素繊維マルチフィラメント〔単繊維の繊維断面の長径と短径との比(長径/短径)が1.05〜1.6でかつ、単繊維の表面の長手方向に延びる複数の皺を有し、単繊維の円周長さ2μmの範囲で最高部と最低部の高低差が、80nm以上である。〕を採用することにより、高品質な金属被覆炭素繊維が製造することが可能となる。
『炭素繊維マルチフィラメント』
本発明に共通して用いる炭素繊維マルチフィラメントは、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等であり、特に制限はされない。炭素繊維としては、高強度タイプ炭素繊維よりも、いわゆる、黒鉛繊維と称される高弾性タイプ炭素繊維の方が熱伝導性が高く、好ましい場合がある。
炭素繊維マルチフィラメントの構成本数に関しては、100〜50000フィラメントのものが多く使用される。特に、1000〜12000フィラメントのものが主として用いられる。1000フィラメントを下回るフィラメント数であると、得られる金属被覆炭素繊維の生産性が不十分なことから価格が高くなり、一方48000本を上回ると、金属メッキを施す際にフィラメント1本1本の間にメッキ液が入り込みにくくなるため、均質な金属被覆が困難になる傾向になる。
炭素繊維マルチフィラメントの単繊維直径に関しては、3〜10μmのものが多く使用される。
本発明では、供給される炭素繊維マルチフィラメントが、通常の出荷形態であるボビンに巻き取られた状態であっても、後での別発明のように焼成工程を終えてまだ巻き取られる前の形態であってもよい。
ボビンに巻き取られている場合は、一般的な巻き形態を適用することができ、巻き出し張力についても、用いられる炭素繊維マルチフィラメントのフィラメント数等により適宜調整すれば良い。
炭素繊維マルチフィラメントは、そのまま使用してもよいが、表面に付着した異物、サイジング剤を除去する目的で、洗浄槽により表面を洗浄されることが好ましい。洗浄槽は例えば、複数のロールと洗浄槽、洗浄液等からなり、連続的に炭素繊維マルチフィラメントを洗浄することができる。また、洗浄液の種類は例えば酸やアルカリ、水などを用いることが可能であり、被洗浄物に併せて適宜選定することができる。また、複数種類の洗浄液を用いる場合は、図示した洗浄槽を複数個使用することが可能である。
また、電極ロール6上の該炭素繊維マルチフィラメント2を構成する炭素繊維1000本当たりの巾が0.25〜2.5mmであることが好ましい。すなわち、前述の如く、炭素繊維の真円度や炭素繊維マルチフィラメントに与える張力を、所定の範囲とした場合に、更に、該炭素繊維マルチフィラメント2に与える電流値が一定となるように制御し、炭素繊維マルチフィラメント2の電極ロール6への接触面積を炭素繊維マルチフィラメント2のサイズに適した範囲とすることで、炭素繊維マルチフィラメント2への金属被覆精度がより向上する傾向にあるためである。
『電気メッキ』
本発明に共通して、炭素繊維マルチフィラメントに金属を被覆する方法として採用するのは、電気メッキ法である。被覆可能な金属としては、Cu、Ni、Cr、Zn、Cd、Pd、Sn、Au、Ag及びそれらの合金が挙げられる。
本発明において,メッキ液として使用する電解質溶液は,特に限定しないが,例えば、ニッケルメッキの場合、ニッケル塩類、塩化物、pH緩衝剤の三成分を含むものが普通である。電解質溶液の濃度は、本発明では特に重要でなく公知の濃度でよい。
『電極ロール周面』
本発明の電気メッキ槽、その中に配置した陽極及び陰極電極ロールからなる、図1のような装置を用いる。次に図面に沿って詳細に説明する。
図1において、炭素繊維マルチフィラメント2は、これに付着した異物等を除去する目的で、洗浄槽3により表面を洗浄される。この後、炭素繊維マルチフィラメント2は、メッキ工程に導入され、金属被覆が施され、その後、メッキ工程から送り出される。メッキ工程は例えば、複数のロール6とメッキ槽8、メッキ液9からなる。
メッキ工程は、施すメッキ厚さや炭素繊維マルチフィラメントの工程速度などによりその仕様を適宜決定すれば良く、例えば該工程速度を向上させるためには、メッキ工程を複数個用いることが可能である。
メッキ工程では、洗浄槽から送り出された炭素繊維マルチフィラメント2は電極ロール6に接触する。この電極ロールは陰極であり、メッキ液中に陽極7を配置しており、メッキ液中で炭素繊維マルチフィラメントを介して通電することにより、メッキ液中の金属成分を炭素繊維マルチフィラメント2の単繊維の表面に付着させるためのものである。炭素繊維マルチフィラメント2に通電する電流値は、金属メッキの種類や厚さ、炭素繊維マルチフィラメント2の工程速度等により適宜決定することができる。
炭素繊維マルチフィラメント2の電極ロール6の抱き角度は、小さいと両者間の接触抵抗が大きくなり、電気メッキを施すために通電される電流によりジュール熱が発生し、メッキ品質を低下させる、または、高い抵抗値により電流値が制限され、所望するメッキ厚みが得られないなどの不具合がおこる。この巻き付け角は90〜180°とするのが好ましい。
炭素繊維マルチフィラメント2は、前述した如く、電極ロール6に接した後にメッキ液9中でメッキが施され、その後、ロール対10を介してメッキ工程から排出される。炭素繊維マルチフィラメント2の張力は、弱い場合には炭素繊維マルチフィラメント2と電極ロール6の接触抵抗が大きくなり、先に述べたような問題が発生し、強い場合には炭素繊維マルチフィラメント2の破断、毛羽立ちを発生するので、適正な張力に調整されることが必要である。
メッキ液9から引き上げられた炭素繊維マルチフィラメント2は、メッキ液9を保持しており、メッキ槽8内のメッキ液9を持ち出し、減少させないように、ロール対10によってメッキ液9を絞ることが好ましい。炭素繊維マルチフィラメント2は、メッキ洗浄槽11内に導かれ、メッキ洗浄液12により洗浄される。続いて、炭素繊維マルチフィラメント2はニップロールによってメッキ洗浄液を絞られる。
炭素繊維マルチフィラメント2は、各ロールを駆動して搬送するのが好ましく、その駆動ロールは適宜決定すれば良いが、炭素繊維マルチフィラメント2とすべりを生じない、予備洗浄槽のニップロール、メッキ槽のニップロール、メッキ洗浄槽のニップロールとするのが好ましい。また、電極ロールは、炭素繊維マルチフィラメントとすべりが生じるとメッキ品質を低下させることとなるので、駆動ロールとするのが好ましい。また、全ロールを駆動ロールとしても良いが、装置構成上、困難であり前記以外のロールはフリーロールとするのが好ましい。
更には、前述の電極ロール6の外周速度が、駆動機器により制御されることが好ましい。すなわち、特に、炭素繊維マルチフィラメント2の金属被覆状態を所定の状態とするためには、炭素繊維マルチフィラメント2のメッキ槽9中の滞在時間を制御することが好ましく、従って、炭素繊維マルチフィラメント2の移動速度は、所望される金属被覆状態を得るよう所定速度となるよう制御されることが好ましいが、一方、該炭素繊維マルチフィラメント2の電極ロール6の接触状態をも同時に制御されることが好ましく、電極ロール6の外周速度を制御し、該炭素繊維マルチフィラメント2の移動速度を該外周速度と合致させることによって、前述の所望された金属被覆状態を発現することができるためである。
ここで記載する、電極ロール6の外周速度の駆動機器を用いた制御方法については特に限定されるものでないが、例えば駆動機器にインバーターモーターを用い、制御部において周波数制御を行うことは、設備構成が簡便であるばかりではなく、簡易に該外周速度を変更可能とする上、速度変動もほとんど発生しない点で好ましい方法である。
メッキ工程から排出された炭素繊維マルチフィラメント2は、後洗浄槽11に導入され、付着したメッキ液を洗い流される。
以下、第一〜第五の発明を順に説明する。
『第1の発明』
本件発明では、前述の電極ロールの炭素繊維マルチフィラメントと接する部分の算術平均粗さ(Ra)が0.01〜25μmであることが必要である。
本発明においては、表面粗さ計を用いて電極ロールの表面粗さを測定する。表面粗さは算術平均粗さ(Ra)を用いて比較する。算術平均粗さ(Ra)はJIS B 0601:2001に規定されるものである。
一例を示すと、使用前に算術平均粗さ(Ra)が1〜2μmであった電極ロールを用いて、炭素繊維マルチフィラメントに電気メッキを施すと、図2に示すように、メッキを施した炭素繊維マルチフィラメント長が長くなるにつれて、電極ロールの算術平均粗さ(Ra)の数値が上昇するのが判る(尚、炭素繊維マルチフィラメントは電極ロール上を蛇行することなく、電極ロール上のロール軸方向で常に同じ位置に接している。)。
使用後の電極ロール上の表面粗さは、炭素繊維マルチフィラメントが接していた部分と、接しなかった部分では異なり、接していた部分の表面粗さの変化が大きくなる。
電極ロール上の炭素繊維マルチフィラメントが接している部分の算術平均粗さ(Ra)が粗くなるとともに、炭素繊維マルチフィラメントの毛羽立ちが目立つようになり,この毛羽が電極ロールを含む搬送ロールに付着し、炭素繊維マルチフィラメントに絡みつき易くなる。
そして、算術平均粗さ(Ra)が25μmを超えると、電極ロールを含む搬送ロールへの炭素繊維マルチフィラメントの絡みつきが顕著となり、炭素繊維マルチフィラメントのメッキ工程への投入を継続するためには、搬送ロールに絡みついた炭素繊維マルチフィラメント等の除去が必要となる。
算術平均粗さ(Ra)が25μmを超えてもなお炭素繊維マルチフィラメントのメッキ工程への投入を継続すると、算術平均粗さ(Ra)はさらに大きくなり、炭素繊維マルチフィラメントの絡みつきの頻度が高くなり、やがて継続することが困難となる。
したがって、安定し均一な炭素繊維マルチフィラメントへの電気メッキを続けるため、算術平均粗さ(Ra)が25μm以下とする必要がある。
しかし、算術平均粗さ(Ra)が25μmを超える範囲では安定した電気メッキを継続することができないので、工程を停止し、電極ロール表面の算術平均粗さ(Ra)を小さくするメンテナンスを実施した後、再度連続メッキ工程を開始することが必要となる。これによって、炭素繊維マルチフィラメントの毛羽立ち等の不具合がなくなる。
電極ロール表面の算術平均粗さ(Ra)をより小さくしておくことは、一方で電極ロールのメンテナンス作業の頻度を高めることにもなるので、算術平均粗さ(Ra)を8〜20μmの範囲で設定するのがより好ましい。
図2に示す通り、メッキを施した炭素繊維マルチフィラメント長と、電極ロール表面の算術平均粗さ(Ra)には相関があり、生産した金属被覆炭素繊維の長さから算術平均粗さ(Ra)を推定することが可能である。この相関は、電極ロールの外径、炭素繊維マルチフィラメント素性、メッキ厚み、メッキ液組成の条件により変化するため、推定においては、その条件における相関を求めることが必要である。しかしこの推定によって、電極ロールが回転中は困難な表面粗さ計を用いる電極ロール表面の算術平均粗さ(Ra)を測定を電極ロールの回転を停止せず、即ち、電気メッキを止めずに行なうことができる。
電極ロール上がメッキされ、表面の算術平均粗さ(Ra)が大きくなった電極ロールは、そのメッキを剥離することで、電極ロールの表面の算術平均粗さ(Ra)を小さくすることが可能である。
このメッキの剥離は、電極ロールを50〜80℃に調整した濃硫酸とメッキ剥離剤との混合液に4〜6時間浸けて処理した後、塩酸で洗浄することで可能である。上の例で使用した電極ロールの表面の算術平均粗さ(Ra)は、メッキ剥離後2μmに回復した。メッキを剥離し、表面の算術平均粗さ(Ra)を小さくした電極ロールを使用すると、本装置での炭素繊維2のメッキ工程で使用する前の表面の算術平均粗さ(Ra)が小さい電極ロールを使用した場合と同様に、炭素繊維マルチフィラメントの毛羽立ち等の弊害が少なく、安定した連続メッキ製造工程を継続することが可能となる。
『第二の発明』
第二の発明では、炭素繊維マルチフィラメントを電極ロール周面上でトラバースすることが必要である。
既に述べたように、電極ロール表面の算術平均粗さ(Ra)が25μmを超える範囲では安定した電気メッキを継続することができないので、電極ロール上で炭素繊維マルチフィラメントが接触する位置を軸方向に移動して、それまで炭素繊維マルチフィラメントが接触していなかった算術平均粗さ(Ra)が小さい位置へ変更することで、電極ロールの表面粗さによる炭素繊維マルチフィラメントの毛羽の発生を抑制することが可能である。
接触位置の変更は、連続的に行っても(トラバース)、間欠的に行っても良いが、連続的に行う方が間欠的の行う場合に比べ、電極ロール6表面をより有効的に使用でき、より長期的に安定した運転を継続でき好ましい。
接触位置の変更を、連続的に行う場合、炭素繊維マルチフィラメントの搬送速度をα1(m/s)とし、炭素繊維マルチフィラメントの電極ロール上軸方向の移動速度をα(m/s)とし、電極ロール上での炭素繊維マルチフィラメントの幅をW(m)としたとき、電極ロール上のある点を通る周回上に炭素繊維マルチフィラメントが接触する時間T(秒)は、下式(1)で表される。
T=W/α (1)
そして、その間に搬送される炭素繊維マルチフィラメントの長さL(m)、下式(2)で表される。
L=α×W/α (2)
したがって、電極ロール上のある点を通る周回上の炭素繊維マルチフィラメントの通過長は、α×W/αであらわされる。図2に示す通り、電極ロール表面の算術平均粗さ(Ra)とメッキを施した炭素繊維マルチフィラメント長には相関があり、α×W/αの値は、電極ロール表面の算術平均粗さ(Ra)が25μm以下となる、メッキを施した炭素繊維マルチフィラメント長の範囲とするのが好ましく、α×W/α<(電極ロールの表面の算術平均粗さ(Ra)が25μmとなるメッキを施した炭素繊維マルチフィラメント長とするのが好ましい。
また、炭素繊維マルチフィラメントの電極ロールの軸方向の移動速度αが速ければ、電極ロールの表面の算術平均粗さ(Ra)が小さい状態で炭素繊維マルチフィラメントの連続メッキ工程を行なうことができるので、炭素繊維マルチフィラメントの毛羽立ち等の不具合発生のをより小さくすることができ、連続メッキ工程の安定性を高めることができる。
しかし、αを速くすることは、電極ロール表面全体の使用時間を短くし、電極ロールの交換・メッキの剥離の頻度を高くすることでもある。よって、αは電極ロール表面の算術平均粗さ(Ra)が8〜20μmの範囲となるメッキを施した炭素繊維マルチフィラメント長の範囲になる速度がより好ましく、電極ロール表面の算術平均粗さ(Ra)が8μmとなる、メッキを施した炭素繊維マルチフィラメント長)<α×W/α<(電極ロール表面の算術平均粗さ(Ra)が20μmとなる、メッキを施した炭素繊維マルチフィラメント長)とするのがより好ましい。
ただし、上述のように、電極ロール6表面の算術平均粗さ(Ra)とメッキを施した炭素繊維マルチフィラメント長との相関は、電極ロールの外径、炭素繊維マルチフィラメントの素性、メッキ厚み、メッキ液組成の条件により変化するため、実施においては、これら条件における相関関係を求めたのち、同条件において電極ロールの表面の算術平均粗さ(Ra)に対するメッキを施した炭素繊維マルチフィラメント長を求め、上記の関係に代入し、このα、Wにおける、炭素繊維マルチフィラメントの電極ロールの軸方向への移動速度αを決定する必要がある。
次に、接触位置の移動を間欠的に行なう場合について述べる。
この移動量は、電極ロール上での算術平均粗さ(Ra)が大きくなった幅以上であれば良い。電極ロール表面全体を有効に使用するために、この移動量を算術平均粗さ(Ra)が大きくなった幅の1〜1.5倍の範囲とするのが好ましい。
さらに、接触位置の移動を実施する間隔は、電極ロール表面の算術平均粗さ(Ra)が25μm以下の範囲内で移動することが好ましい。また、連続的に移動する場合と同様の理由から、電極ロール表面の算術平均粗さ(Ra)が8〜20μmの範囲で移動するのが、より好ましい。
接触位置の移動は、電極ロールの直前に、炭素繊維マルチフィラメントの糸道を決定するガイドロールを設置(図3)し、これを連続的または間欠的に移動することによって行なう。ガイドロールをその軸方向に移動すると、炭素繊維マルチフィラメントの糸道を変更でき、電極ロール上での炭素繊維マルチフィラメントの接触部分の位置を変更することができる。ガイドロールは、電極ロールと離れた位置にあっても良いが、ガイドロールの位置が電極ロールに近いほど、ガイドロールを移動した時に、電極ロール上の炭素繊維マルチフィラメントの接触位置の移動が早く、好ましい。電極ロール上で炭素繊維マルチフィラメントが接する位置を変更するには電極ロールを軸方向に移動しても良いが、電極ロールは陰極とするための電気配線が接続されていること、電極ロールが複数本ある場合には全ての電極ロールを軸方向に移動する必要があることなどから、前記のようにガイドロールをその軸方向に移動する方が装置構成が簡便で好ましい。
『第三の発明』
第三の発明では、炭素繊維マルチフィラメントにサイジング剤を付与することなく、電極ロールに接触させ電気メッキ槽内でメッキすることを必要とする。
炭素繊維マルチフィラメントは、通常、プレカーサー巻出工程、耐炎化工程及び炭素化(黒鉛化)工程より構成される。さらに、これら工程を経て得られた炭素繊維マルチフィラメントは、電解処理工程で炭素繊維マルチフィラメントを構成する単繊維表面に官能基が導入され、引き続きサイジング剤付与工程で取り扱い性を向上するためサイジング剤を付与される。しかし、サイジング剤の付与は、メッキ工程では、メッキの厚みの斑等の不具合を発生させる原因となる。そこで、前述のように洗浄槽を設け、異物とともにサイジング剤を取り除いている。この発明では、炭素繊維マルチフィラメントの製造とメッキ工程を直結することによりサイジング剤の付与工程および巻き取り工程を取り除き、これとともにサイジング剤の付与による不具合の解消を計るものである。
電解処理に用いられる電解液は、塩酸、硝酸、硫酸等の酸や塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム等アンモニウムイオンを含むものが好ましい。電解処理を行なうことは、一般的なメッキでのアルカリ脱脂や酸による中和処理である前処理工程が省略可能できるため好ましい。
『第四の発明』
第四の発明では、炭素繊維マルチフィラメントを電極ロール周面に接触させるときの炭素繊維マルチフィラメントの幅W(mm)が、次式の範囲であることを必要とする。
W≧k・D
但し、W:炭素繊維マルチフィラメントの幅(mm)、K:比例係数(0.0025)、D:炭素繊維マルチフィラメントの繊度(tex)
比例係数kが0.0025未満では、十分に開繊できておらず、繊維束内部までメッキ液が浸透することができない。一方、超える場合は、繊維束の撚りや交絡程度により、その繊維束幅に安定して開繊することが困難となる。また、炭素繊維マルチフィラメントの単繊維切れも発生しやすくなる。
本発明では、先ず、炭素繊維マルチフィラメントの幅を1.05×W(mm)に開繊拡幅した後、電極ロール周面に接触させる前に、炭素繊維マルチフィラメントを幅規制ガイドローラに接触させ、炭素繊維マルチフィラメントの幅をW(mm)とすることが好ましい。
『第五の発明』
さらに、第五の発明では、電気メッキ槽内のメッキ液を吸引することにより炭素繊維マルチフィラメントを開繊拡幅することが必要である。
炭素繊維マルチフィラメントは、多数のフィラメントより構成されており、フィラメント切れが発生しやすく、炭素繊維の製造工程においても、フィラメント切れが発生することがある。メッキ槽内でもフィラメント切れにより、毛羽が発生し、メッキ槽内に堆積、浮遊するため、メッキの品質を低下させる。このため、メッキ槽上部よりメッキ液を供給し、メッキ槽内の繊維束下部より吸引しながらメッキ液を循環させることが好ましい。更には、1m/分以上の流速にて吸引して繊維束を開繊することが好ましい。1m/分未満の流速では、浮遊している毛羽の吸引が十分でなく品質を低下するため好ましくない。
第1電極ローラに繊維束が接する時に繊維束幅が一定の幅にコントロールする必要があり、メッキ槽の前に溝付ガイドローラにより繊維束幅を調整するローラにて繊維束幅をコントロールすることが好ましい。第2陰極ローラ以降のローラにおいても同様であり、陰極ローラに接する時の繊維束幅をコントロールさせるため、メッキ槽の液中で、繊維束幅を調整するローラにより繊維束幅をコントロールすることが好ましい。しかし、メッキ浴中で繊維束を開繊されコントロールされても、メッキ液上に繊維束が上がった時に、繊維束が表面張力により、収束する。このため、メッキ槽内で繊維束幅を幅規制ガイドロールにて繊維束幅をコントロールした後、メッキ液上に繊維束が上がる時に繊維束幅が収束をしないようメッキ液面に水没しているローラが1本以上あることが好ましい。
炭素繊維マルチフィラメントに連続的にメッキを行なうにあたり、陰極ローラとの接触抵抗を一定とするため、繊維束幅を幅規制ローラ幅に対して1.0倍以上拡幅し、幅規制ローラにてW≧k・Dの範囲内にて繊維束幅をコントロールする。
メッキ槽に入る前の繊維束の拡幅する方法は、図4にような繊維束幅を水流の勢いにより拡幅して幅規制ローラで幅調整する方法が好ましく用いられる。
図5のような水中によるエア及び水流による流体を利用する方法が好ましい。繊維幅の規制は、液中でも液上に上がってからでもよく、液中で開繊して液上に上がる前に幅規制ローラによってすることが更に好ましい。幅規制ローラは、繊維束を所定の幅にするため、所定の繊維束幅に規制する機能を有するツバ付きのローラの使用が好ましく、ローラ形状は平ロールのみでなくラジアルクラウンのようにクラウンをつけてもよい。炭素繊維マルチフィラメントは、毛羽が発生しやすいため、繊維束の移動に対し、同期して回転することが好ましく、固定されたローラは、毛羽が発生するため、好ましくない。
図6は、本発明でのメッキ方法での好ましい形態を示すものである。炭素繊維マルチフィラメントは、繊維束調整槽液中で開繊され、繊維束幅規制ローラにより繊維束を調整し、ニップロールに持ち出し量を最小限とするため、水切りされる。幅を維持し、次の工程にハンドリングするためには、水分率50質量%以下とすることが好ましく、15質量%以下とすればより好ましい。メッキ槽に入る前に張力調整用ローラで繊維束の張力を0.001〜0.015CN/dtexに調整することが好ましい。
炭素繊維マルチフィラメントは電極ローラに接し、通電させる。通電された繊維束は、ジュール熱のために過熱され焼け等の欠陥が発生するため、シャワーにより冷却することが好ましい。メッキ槽に入り順次第2以降の電極ローラに繊維束が接触する前に繊維束幅規制ローラにより幅コントロールされた繊維束幅を維持するために、ニップロールを会して陰極ローラに接触さる。メッキする時に繊維束は、ジュール熱により発熱するため、焼け等のメッキの欠陥が発生するが、メッキ液を公知の方法により、繊維束幅が収束しないよう帯状または棒状に噴霧しながらメッキすることは焼け等の欠陥を防ぐ上で好ましい。開繊した炭素繊維マルチフィラメントを収束しないようにしてメッキ液中を移動させる。このとき、メッキ液中では張力を0.001〜0.015CN/dtexとし、メッキ液の流動により繊維束を開繊させる。更に、液中での毛羽の流動していたものが、再付着して品質を低下させることから、メッキ槽下部よりメッキ液を吸引することによりメッキ液を流動させ、同時に繊維束を開繊させる。吸引させることにより繊維束から脱落した毛羽も吸引でき、毛羽の発生も少なくすることができる。
張力が0.015CN/dtexを超えるときは、炭素繊維マルチフィラメントが収束し、ガイド幅以上に拡幅しないことがあり好ましくない。一方、0.001CN/dtex未満の張力では、液中の流動により繊維束が必要以上に開繊しすぎ、フィラメント切れが発生し、蛇行やねじれも発生しやすく開繊した繊維束幅が安定しないので好ましくない。
炭素繊維マルチフィラメントが液上に引き上げられる前に幅規制ローラにてW≧k・Dの範囲内にて繊維束をコントロールし、水没したローラを介して液中より引き上げれば繊維束幅は、収束しないで引き上げることができる。このときの比例係数Kは上述した範囲とする。
図6は、本発明の好ましいメッキ方法でのメッキ液の循環方法の形態を示す。メッキ液貯槽からフィルターでろ過したメッキ液をポンプにより、メッキ槽上部から繊維束にシャワーすることにより繊維束の収束と繊維束の加熱を防止する。炭素繊維マルチフィラメントは、毛羽立ちやすいため、槽下部に毛羽が堆積し易いため、ガイドローラ下部の吸引口よりメッキ液を循環ポンプにより吸引し、槽内でのメッキ液の循環、毛羽等の不純物の吸引や吸引による繊維束の開繊を行なう。メッキ槽で発生した毛羽等の不純物等と共にメッキ液はメッキ液貯槽に戻される。メッキ液貯槽よりメッキ槽に循環される時には、フィルターでろ過されるため、清浄なメッキ液がメッキ槽に供給される。メッキ槽の液面をコントロールするために槽側より、オーバーフローにより戻される。
『好ましい炭素繊維マルチフィラメント』
第一〜第五の発明に共通して好ましく用いられる炭素繊維マルチフィラメントについて説明する。
メッキ用途に好ましい炭素繊維マルチフィラメントは、これを構成する単繊維断面の長径と短径との比(長径/短径)が1.05〜1.6でかつ、単繊維の表面の長手方向に延びる複数の皺を有し、単繊維の円周長さ2μmの範囲で最高部と最低部の高低差が、80nm以上である。より好ましくは100nm以上であり、さらに好ましくは150nm以上であり、メッキの密着性も向上する。皺の深さが80nm未満では、単繊維間の空隙が減少し、繊維束内部へのメッキ液の含浸性が悪くなるため、好ましくない。皺の数は繊維軸方向に少なくとも10本以上、より好ましくは20本以上が好ましく、炭素繊維と被覆した金属の密着性も良くなる。
また、炭素繊維マルチフィラメントを構成する単繊維の繊維断面の長径と短径との比(長径/短径)は、1.05〜1.6であり、好ましくは1.1〜1.4であり、より好ましくは、1.15〜1.30である。長径/短径比がこの範囲にあれば、メッキ液の含浸性と強度が高い炭素繊維マルチフィラメントとなる。長径/短径比が1.05未満では、単繊維間の隙間が減少し、得られる炭素繊維マルチフィラメントの開繊性が悪くなりメッキ液の含浸性が悪く、繊維束内部までメッキされにくくなる。長径/短径比が1.6を超えると、繊維束の集束性が低下するために、均一な開繊が得られなくなるため、毛羽が発生しやすく炭素繊維マルチフィラメントを製造する際の焼成工程での通過性が悪化し、炭素繊維マルチフィラメントを安定して得ることができなくなる。炭素繊維マルチフィラメントにおける単繊維表面の皺の深さは、好ましくは80nm以上である。
『好ましい炭素繊維マルチフィラメントの張力』
第一〜第五の発明に共通して好ましい、炭素繊維マルチフィラメントの張力について説明する。
炭素繊維マルチフィラメントには、0.001〜0.015cN/dtexの範囲の張力を付与することが好ましい。特にメッキ槽中の炭素繊維マルチフィラメントの張力を調整することが好ましい。繊維束張力が0.001cN/dtex未満では、炭素繊維マルチフィラメントが蛇行し、電極ローラに十分に接触できないため、好ましくない。0.015cN/dtexを超えると、炭素繊維マルチフィラメント内部まで十分にメッキ液が浸透しにくくなるため、好ましくない
『金属被覆炭素繊維の巻き取り等』
金属被覆炭素繊維は、メッキ工程にて金属被覆する製造方法した後に、連続して乾燥工程にて乾燥する。乾燥温度は100〜400℃の範囲で設定することが好ましい。続いて、サイジング剤付与工程7にてサイジング剤に含浸させ付着させ、乾燥工程にて水などの溶媒を除去して収束したストランドを得て、巻取工程にて巻き取る。サイズ剤の付着率は0.5〜5重量%が好ましい。
金属被覆炭素繊維のチョップドストランドを製造する時の好ましい形態として、前記巻取り工程に経ずに、乾燥後、連続して収束したストランドを切断工程でストランドロービングカッターやギロチンカッター等を用いて所定の長さに切断する。チョップドストランド16でのチョップ長さは、1〜12mm、扁平率が12以下であることが好ましい。
実施例
以下、本発明を実施例により、説明する。
なお、線密度は、JIS R7605に準拠して測定を行ない、最大及び最小の線密度から次式により算出した値の和をメッキ厚み精度として算出した。
メッキ厚み精度(%)=(Mmax−Mmin)/M×100
max:最大線密度(g/m)
min:最小線密度(g/m)
:平均線密度(g/m)
炭素繊維マルチフィラメントとして、単繊維の繊維断面の長径と短径との比(長径/短径)は、1.2、皺の深さ120nm、フィラメント数12000本、繊度800texの炭素繊維を用いた。
また、メッキ液として硫酸ニッケル280g/L、塩化ニッケル130g/L、ほう酸50g/L、光沢剤10mL/L、ピット防止剤2mL/Lの混合液を用いた。
図1の装置を用い、メッキ液温度は60℃、pH4.2の条件にて金属被覆を行なった。
走査型電子顕微鏡にて金属被覆した厚みを測定すると、0.15±0.02μmで毛羽等の欠陥のない良好な状態であった。また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂水系エマルジョンの混合物で、固形物8wt%に調整したサイジング剤を質量3.5%付与した後、150℃の雰囲気で約1分乾燥後、ギロチンカッターにて6mmの長さのチョップドストランドとした。扁平率は6で、割れや毛羽もなく等もなく良好なチョップドストランドが得られ、押出機に投入する時にも良好なフィード性を有した。
以下の実施例・比較例には、炭素繊維マルチフィラメントとして、繊度800tex、フィラメント数12000本(三菱レイヨン株式会社パイロフィルTR50S12K)をサイジング剤が付与していない状態で用いた。
また、メッキ液として硫酸ニッケル280g/L、塩化ニッケル130g/L、ほう酸50g/L、光沢剤10mL/L、ピット防止剤2mL/Lの混合液を用いた。メッキ液温度は60℃、pH3.8〜4.6の状態で連続電気メッキを行った。
図6の装置を用いて、処理速度1.5m/分でメッキ前の炭素繊維マルチフィラメントの幅を5mmまで開繊して、メッキ液を800mL/マルチフィラメント2本噴霧し、張力0.015cN/dTex、とし電極ローラ4本、槽電流300Aにてメッキを実施した。
メッキの欠陥はなく、繊維束の線密度は、1.192〜1.225g/mの範囲(平均1.205g/m)で、メッキ厚み精度は、2.7%であり、メッキ厚みのバラツキも少なく、欠陥も観察されなかった。
メッキ前の炭素繊維マルチフィラメントの幅を12mmまで開繊すること、張力を0.001cN/dTexにした以外は、実施例2と同じ条件にてメッキを実施した。
メッキの欠陥はなく、繊維束の線密度は、1.173〜1.214g/mの範囲(平均1.1915g/m)で、メッキ厚み精度は、3.4%であり、メッキ厚みのバラツキも少なく、欠陥も観察されなかった。
(比較例1)
図6の装置から幅調整ローラをはずし、メッキ前の炭素繊維マルチフィラメントの幅を1mmとし、メッキ槽の液中の幅調整ローラをはずした以外は、実施例2と同じ条件にてメッキを実施した。
メッキの欠陥はなかったが、繊維束の線密度は、1.183〜1.286g/mの範囲で平均1.261g/mとあり、メッキ厚み精度は、8.2%となり、炭素繊維マルチフィラメント内部にメッキされていない部分が観察された。
(比較例2)
メッキ前の炭素繊維マルチフィラメントの幅を20mmまで開繊し、張力を0.0005cN/dTexとし、メッキ槽の液中の幅調整ローラをはずした以外は、実施例2と同じ条件にてメッキを実施した。
繊維束の線密度は、1.131〜1.295g/mの範囲で平均1.191g/mとなりメッキ厚み精度は13.8%となり、開繊が過大となったため、フィラメント切れを起こし、毛羽の多いものとなった。
(比較例3)
張力を0.03cN/dTexとした以外は、実施1と同じ条件にてメッキを実施した。繊維束の線密度は1.169〜1.301g/mの範囲で平均1.241g/mとなりメッキ厚み精度は10.6%となり、メッキは繊維束内部にメッキされていない部分が観察された。
(比較例4)
メッキ液の循環をオーバーフロ−のみと以外は、実施1と同じ条件にてメッキを実施した。繊維束の線密度は1.197〜1.296g/mの範囲で平均1.238g/mとなり、メッキ厚み精度は8.0%であったが浮遊していた毛羽が付着し、毛羽の多いものとなった。
Figure 2005163197
本発明の製造方法に適用可能な連続繊維の金属メッキ方法の一例を示す概略図である。 電極ロール表面の算術平均粗さ(Ra)の炭素繊維マルチフィラメントにメッキを施した長さ依存性を示すグラフである。 炭素繊維、ガイドロール、電極ロールを装置上部から見た概略図である。(a):炭素繊維位置を移動する前の概略図 (b):炭素繊維位置を移動した後の概略図 流水による繊維束を拡幅する装置の好ましい形態を示す図 水中で繊維束を拡幅し、繊維束を水中より引き上げる時に収束を防止する好ましい形態を示す図 本発明の好ましいメッキ方法でのメッキ液の好ましい循環の形態を示す図
符号の説明
1 ボビン
2 炭素繊維マルチフィラメント
3 予備洗浄槽
4 予備洗浄液
5 ニップロール
6 電極ロール
7 陽極
8 メッキ槽
9 メッキ液
10 ニップロール
11 メッキ洗浄槽
12 メッキ洗浄液
13 ニップロール
14 ガイドロール
15 電極ロール表面の算術平均粗さ(Ra)が25μm以上となった場所
16 開繊ガイドプレート
17 張力調整用ローラ
18 水
19 繊維束幅規制ローラ
20 水噴出口
21 繊維束幅調整槽
22 噴射口
23 補助ローラ
24 シャワー
25 循環ポンプ
26 メッキ液貯留槽
27 ポンプ
28 フィルター
29 吸引口

Claims (9)

  1. 炭素繊維マルチフィラメントを電極ロール周面に接触させ電気メッキ槽内でメッキする金属被覆炭素繊維の製造方法において、
    電極ロールの炭素繊維マルチフィラメントと接する部分の算術平均粗さ(Ra)が0.01〜25μmである、金属被覆炭素繊維の製造方法。
  2. 炭素繊維マルチフィラメントを電極ロール周面に接触させ電気メッキ槽内でメッキする金属被覆炭素繊維の製造方法において、炭素繊維マルチフィラメントを電極ロール周面上でトラバースする、金属被覆炭素繊維の製造方法。
  3. 炭素化炉から送り出される炭素繊維マルチフィラメントにサイジング剤を付与することなく、電極ロールに接触させ電気メッキ槽内でメッキする金属被覆炭素繊維の製造方法
  4. 炭素繊維マルチフィラメントを電極ロール周面に接触させ電気メッキ槽内でメッキする金属被覆炭素繊維の製造方法において、炭素繊維マルチフィラメントを電極ロール周面に接触させるときの炭素繊維マルチフィラメントの幅W(mm)が、次式の範囲である金属被覆炭素繊維の製造方法。
    W≧k・D
    但し、W:炭素繊維マルチフィラメントの幅(mm)、K:比例係数(0.0025)、D:炭素繊維マルチフィラメントの繊度(tex)
  5. 炭素繊維マルチフィラメントを電極ロール周面に接触させ電気メッキ槽内でメッキする金属被覆炭素繊維の製造方法において、電気メッキ槽内のメッキ液を吸引することにより炭素繊維マルチフィラメント開繊拡幅する金属被覆炭素繊維の製造方法。
  6. 電極ロールに接触させ電気メッキ槽内でメッキすることに先立って、電解処理を行なう請求項1〜5のいずれか一項記載の金属被覆炭素繊維の製造方法。
  7. 炭素繊維マルチフィラメントの幅を1.05×W(mm)に開繊拡幅した後、電極ロール周面に接触させる前に、炭素繊維マルチフィラメントを幅規制ガイドローラに接触させ、炭素繊維マルチフィラメントの幅をW(mm)とする、請求項4記載の金属被覆炭素繊維の製造方法。
  8. 炭素繊維マルチフィラメントの張力を0.001〜0.015cN/dtexに制御する請求項1〜7のいずれか一項記載の金属被覆炭素繊維の製造方法。
  9. 炭素繊維マルチフィラメントを構成する単繊維の繊維断面の長径と短径との比(長径/短径)が1.05〜1.6でかつ、単繊維の表面の長手方向に延びる複数の皺を有し、単繊維の円周長さ2μmの範囲で最高部と最低部の高低差が、80nm以上である請求項1〜8のいずれか一項記載の金属被覆炭素繊維の製造方法。
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