JPH11117179A - 金属被覆炭素繊維チョップドストランド、その製造方法、それを用いた繊維強化熱可塑性樹脂組成物、及び成形品 - Google Patents

金属被覆炭素繊維チョップドストランド、その製造方法、それを用いた繊維強化熱可塑性樹脂組成物、及び成形品

Info

Publication number
JPH11117179A
JPH11117179A JP29167397A JP29167397A JPH11117179A JP H11117179 A JPH11117179 A JP H11117179A JP 29167397 A JP29167397 A JP 29167397A JP 29167397 A JP29167397 A JP 29167397A JP H11117179 A JPH11117179 A JP H11117179A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
carbon fiber
coated carbon
chopped strand
fiber chopped
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29167397A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuki Onishi
祐輝 大西
Masayuki Kobayashi
政幸 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Toho Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toho Rayon Co Ltd filed Critical Toho Rayon Co Ltd
Priority to JP29167397A priority Critical patent/JPH11117179A/ja
Publication of JPH11117179A publication Critical patent/JPH11117179A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属被覆が剥がれ易いという欠点を改良し、
熱可塑性樹脂と金属被覆炭素繊維チョップドストランド
との濡れ性を向上させて良好なコンポジット性能を発揮
でき、しかもドライブレンド時に高い集束性を有し、成
形機内では繊維が容易に分散する性質を併せ持つ、金属
被覆炭素繊維チョップドストランド、その製造方法、そ
れを用いた繊維強化熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 表面に皺を有する炭素繊維に好ましくは
皺を残すように金属被覆されてなる金属被覆炭素繊維に
対して、共重合樹脂とノニオン界面活性剤を含む水エマ
ルジョンのサイジング剤でサイズ処理した金属被覆炭素
繊維チョップドストランドである。該金属被覆炭素繊維
チョップドストランドは、金属被覆表面において原料の
炭素繊維の皺が残っているため、皺による樹脂との接着
面積が増大し、そのためアンカー効果により樹脂との接
着性が向上し、熱可塑性樹脂に混入して成形された成形
品はコンポジット特性が良好となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂をマ
トリックスとする複合材料用の強化繊維に適し、集束性
の高い、また、分散性に優れた金属被覆炭素繊維チョッ
プドストランド、その製造方法、及びその金属被覆炭素
繊維チョップドストランドを用いた繊維強化熱可塑性樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のコンピューター、ワープロ、携帯
電話等の電子、電気機器の普及に伴い、電子、電気機器
から発生する電磁波が社会的な問題となっている。当
初、これらの機器の筐体には加工性、軽量化の観点から
プラスチック材料が用いられてきたが、プラスチックは
一般に電磁波シールド特性を有しておらず、そのためプ
ラスチックへの電磁波シールド特性の付与が必要とな
る。
【0003】プラスチック成形品に電磁波シールド特性
を付与する方法として、プラスチック成形品に亜鉛溶
射、導電性塗料の塗布等の方法により、導電性被膜を形
成する方法や、プラスチック成形材料にカーボンブラッ
ク、炭素繊維等の導電性材料を混入してプラスチック成
形品とする方法が提案されている。
【0004】一方、炭素繊維の周囲に金属が被覆された
金属被覆炭素繊維は、電気導電性が高いため、この金属
被覆炭素繊維に熱可塑性樹脂を母材として成形された繊
維強化熱可塑性樹脂複合材料は、電磁波シールド特性に
優れ、更に強度、剛性、電気特性、摺動特性、意匠性等
に優れているため、今後の用途展開が期待されている。
【0005】金属被覆炭素繊維は、金属と炭素繊維表面
との接着性が悪く、金属被覆が剥がれ易いという欠点を
有していた。
【0006】一方、炭素繊維を熱可塑性樹脂組成物に混
入強化して樹脂成形を行う場合に、良好なコンポジット
特性を得るために炭素繊維表面を酸化による表面エッチ
ング或いは含酸素官能基の導入等を行い樹脂と炭素繊維
の濡れ性/接着性を向上させる処理が行われているが、
金属被覆炭素繊維チョップドストランドでは、表面に金
属被覆されているために熱可塑性樹脂との濡れ性が悪
く、良好なコンポジット特性が得られないという問題を
有していた。
【0007】さらにまた、このような金属被覆炭素繊維
を強化繊維とした繊維強化熱可塑性樹脂複合材料の製造
方法の一つとして、金属被覆炭素繊維チョップドストラ
ンドとマトリックス樹脂をコンパウンドし、成形用材料
であるペレットを作製し、次いで該金属被覆炭素繊維チ
ョップドストランド入ペレットを射出成形或いは押出成
形することが知られていたが、該成形方法には次のよう
な問題点がある。
【0008】すなわち、成形材料として金属被覆炭素繊
維チョップドストランド入ペレットを用いた射出成形或
いは押出成形においては、ペレット作製時の押出スクリ
ューによるせん断作用、及び該ペレットを成形材料とし
た射出成形時或いは押出成形時のスクリューによるせん
断作用からなる2度に渡るせん断作用が金属被覆炭素繊
維チョップドストランドに負荷され、繊維長が短くなる
という不都合がある。このため、アスペクト比が小さく
なって、繊維強化熱可塑性樹脂複合材料の各種特性が低
下するという問題がある。
【0009】このような金属被覆炭素繊維チョップドス
トランドのアスペクト比の減少の問題を回避するため
に、成形材料として金属被覆炭素繊維チョップドストラ
ンド入ペレットを使用しない射出成形法である、ダイレ
クト成形法が近年増加しつつある。該ダイレクト成形法
は、射出成形機或いは押出成形機のホッパに樹脂ペレッ
トと金属被覆炭素繊維チョップドストランドを供給し、
ドライブレンドして、射出成形機内或いは押出成形機内
に導入する成形法である。
【0010】このダイレクト成形法では、金属被覆炭素
繊維チョップドストランドは、ペレット作製工程を経て
いないため、繊維が剪断を受ける工程が成形時の1回で
済む。従って、このダイレクト成形法により成形された
成形品は、その成形品中の繊維のアスペクト比が大き
く、その結果、金属被覆炭素繊維チョップドストランド
入ペレットを使用した方法に比べ、より少ない繊維含有
率で高い電磁波シールド特性に優れ、更に強度、剛性、
電気特性、摺動特性、意匠性等の高い性能を持つ成形品
を得ることができる利点を持っている。
【0011】ところで、ダイレクト成形法では、樹脂中
に金属被覆炭素繊維チョップドストランドを均一に分散
させることが次のような理由で困難である。即ち、ドラ
イブレンド時に金属被覆炭素繊維チョップドストランド
とマトリックス樹脂を十分混合させるためには、まず金
属被覆炭素繊維チョップドストランドの集束性が高くな
ければならない。集束性が不十分であると、チョップド
ストランドが割れやすく、端部から繊維が抜け落ち易く
なり、嵩密度が低くなるとともに、樹脂との混練時に樹
脂やチョップドストランド等との摩擦力により開繊(ば
らけ)して、綿状の遊離繊維(フリーファイバー)にな
りやすいという問題がある。その結果、射出成形機や押
出成形機のホッパー内で繊維のみが浮き上がり、定量的
に供給されなくなり、樹脂と金属被覆炭素繊維が均一に
混合された樹脂組成物を定常的に得るのが困難になり、
作業効率も低下する。
【0012】さらに、ドライブレンド工程を経た成形材
料は射出成形機内或いは押出成形機内では、金属被覆炭
素繊維チョップドストランドは溶融している樹脂に容易
に分散されなければならない。金属被覆炭素繊維チョッ
プドストランドが溶融樹脂に均一に分散されていない
と、成形品が十分に補強されず、成形品の物性が低下し
てしまう。
【0013】このように、金属被覆炭素繊維チョップド
ストランドと熱可塑性樹脂とをドライブレンドして射出
成形或いは押出成形して繊維強化熱可塑性樹脂複合材料
を成形する場合に、ドライブレンド時においては、金属
被覆炭素繊維チョップドストランドは、集束性、嵩密度
が高く、且つフリーファイバーの発生が少なくなければ
ならず、一方、射出成形機内或いは押出成形機内におい
ては、溶融している樹脂中に容易に分散するという相反
する性質を同時に満足しなければならない。
【0014】このような要求に答えるのに、金属被覆炭
素繊維にサイジング剤を付与することにより、金属被覆
炭素繊維チョップドストランドの集束性を高めることが
行われている。このようなサイジング剤として、例え
ば、特開平4−212810号公報や特開平6−322
665号公報にはスチレンとアクリル酸、メタクリル酸
からなる共重合樹脂を使用することが提案されている。
特に、特開平6−322665号公報には金属被覆炭素
繊維の溶剤を使用したサイジング剤処理に加えて、サイ
ズ剤浴中あるいは該サイズ剤浴から引出し中に金属被覆
炭素繊維を仮撚し、解撚或いはそのままの状態で乾燥し
た集束性を高めたサイズ剤処理金属被覆炭素繊維チョッ
プドストランドが示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来のサイズ剤処理金属被覆炭素繊維チョップドストラ
ンドは前記した金属被覆が剥がれ易いという欠点や、熱
可塑性樹脂との濡れ性が悪く、良好なコンポジット性能
を発揮することが困難であるという問題があった。
【0016】そこで本発明は、金属被覆炭素繊維チョッ
プドストランドを混入した繊維強化樹脂成形において、
金属被覆が剥がれ易いという欠点を改良し、熱可塑性樹
脂との金属被覆炭素繊維チョップドストランドとの濡れ
性を向上させて良好なコンポジット性能を発揮すること
ができ、しかも金属被覆炭素繊維チョップドストランド
と熱可塑性樹脂をドライブレンドして、射出成形等によ
り繊維強化熱可塑性樹脂複合材料を成形するのに、金属
被覆炭素繊維チョップドストランドに高い集束性を付与
し、そのドライブレンド時に金属被覆炭素繊維チョップ
ドストランドがばらけることなく、安定的に成形機に供
給でき、且つ該成形機内では繊維が容易に分散する性質
を併せ持つ、金属被覆炭素繊維チョップドストランド、
その製造方法、及びその金属被覆炭素繊維チョップドス
トランドを用いた繊維強化熱可塑性樹脂組成物を提供す
ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記した問題点を解決す
るために本発明の金属被覆炭素繊維チョップドストラン
ドは、表面に皺を有する炭素繊維の表面に金属皮膜が被
着され、該金属皮膜には共重合樹脂とノニオン界面活性
剤が付着していることを特徴とする。
【0018】前記本発明の金属被覆炭素繊維チョップド
ストランドにおいて、金属皮膜は、炭素繊維の表面の皺
を残すよう被着されたものであることが好ましい。この
ような構成を持つ金属被覆炭素繊維チョップドストラン
ドは、金属被覆表面において原料の炭素繊維の皺が残っ
ているため、皺による樹脂との接着面積が増大し、その
ためアンカー効果により樹脂との接着性が向上するの
で、本発明の金属被覆炭素繊維チョップドストランドを
熱可塑性樹脂に混入して成形された成形品はコンポジッ
ト特性が良好となる。
【0019】前記本発明の金属被覆炭素繊維チョップド
ストランドにおいて、共重合樹脂とノニオン界面活性剤
の付着形態は、共重合樹脂とノニオン界面活性剤を含む
水エマルジョンのサイジング剤でサイズ処理されてなる
ことが望ましい。
【0020】本発明の金属被覆炭素繊維チョップドスト
ランドは、高い集束性を有し、フリーファイバーの発生
がないので、熱可塑性樹脂とドライブレンドする際に繊
維がばらけることがなく、安定的に射出成形機に供給で
きる。
【0021】本発明の金属被覆炭素繊維チョップドスト
ランドは、射出成形機内での繊維の分散性が良好なた
め、成形品の物性も良好となる。
【0022】本発明の金属被覆炭素繊維チョップドスト
ランドは、サイジング剤でサイズ処理する際に溶剤を使
用しないため、環境に優しく、人体への危険性を回避で
きる。
【0023】本発明の金属被覆炭素繊維チョップドスト
ランドにおいて、炭素繊維の径は5〜10μmが好まし
く、さらに好ましくは7〜8μmであり、被覆されてい
る金属の鍍金厚は、0.2〜0.3μmが好ましい。該
金属の鍍金厚みが0.3μmを超えると金属被覆炭素繊
維チョップドストランド表面の皺が消え、熱可塑性樹脂
との接着性の向上が発揮できず、しかも比重が大となっ
て強化繊維としての特性が低下するので好ましくない。
また、該金属の鍍金厚みが0.2μm未満であると、金
属被覆が完全でなくなり、炭素繊維表面が露出し、金属
被覆部分が孤立した被覆斑が発生して、得られた成形品
の電気抵抗が増大することになり、電磁波シールド特性
も低くなるという問題を有する。
【0024】本発明の金属被覆炭素繊維チョップドスト
ランドに使用されるサイズ剤には、スチレンとアクリル
酸、メタクリル酸及びその誘導体からなる共重合樹脂と
ノニオン界面活性剤からなるサイジング剤が好ましく使
用される。
【0025】本発明の金属被覆炭素繊維チョップドスト
ランドに使用されるサイジング剤に含まれる共重合樹脂
の配合比率は、好ましくは、スチレンが10〜50重量
%、アクリル酸、メタクリル酸及びその誘導体が90〜
50重量%である。
【0026】本発明の金属被覆炭素繊維チョップドスト
ランドに使用されるサイジング剤の配合比率は、好まし
くは、共重合樹脂が80〜99重量%、ノニオン界面活
性剤が20〜1重量%である。
【0027】本発明の金属被覆炭素繊維チョップドスト
ランドに付着されているサイジング剤の付着量は、好ま
しくは、2〜40重量%である。
【0028】本発明の金属被覆炭素繊維チョップドスト
ランドに使用されるサイジング剤に含まれる共重合樹脂
は、アクリル酸、メタクリル酸及びその誘導体が好まし
く、さらに好ましくはメチルメタクリルレートである。
【0029】本発明の金属被覆炭素繊維チョップドスト
ランドに使用されるサイジング剤に含まれるノニオン界
面活性剤は、好ましくはポリエチレン・オキサイド縮合
物である。
【0030】本発明の金属被覆炭素繊維チョップドスト
ランドの製造方法は、スチレンと、アクリル酸、メタク
リル酸およびその誘導体から選ばれた1種類以上の化合
物とを含む共重合樹脂、並びにノニオン界面活性剤を含
む水エマルジョンのサイジング剤浴中に、表面に皺を有
する炭素繊維に皺を残すように金属被覆されてなる金属
被覆炭素繊維ストランドを導入し、引き上げることによ
りサイジング剤を被覆させ、次いで乾燥し、切断するこ
とを特徴とする。
【0031】本発明の金属被覆炭素繊維チョップドスト
ランドの製造方法に使用されるサイジング剤は水エマル
ジョンタイプであるので、有機溶剤を使用した溶剤タイ
プのサイジング剤に比べて、環境汚染を防止でき、安全
性が高い。
【0032】前記本発明の金属被覆炭素繊維チョップド
ストランドの製造方法において、サイジング剤の粘度は
20〜300センチポイズが好ましく、さらに好ましく
は60〜200センチポイズである。
【0033】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、
前記したサイズ剤処理された金属被覆炭素繊維チョップ
ドストランドと熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする。
【0034】本発明の成形品は、該繊維強化熱可塑性樹
脂組成物により射出成形或いは押出成形された成形品で
あることを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0036】本発明で使用される金属被覆炭素繊維の種
類には、ポリアクリロニトリル系、レーヨン系、ピッチ
系等の各炭素繊維や黒鉛繊維に金属を被覆した炭素繊維
のいずれも利用可能である。炭素繊維への金属の被覆方
法は電気メッキ、無電解メッキ、溶射、真空蒸着、イオ
ンプレーティングのいずれの方法でも良く、特に、生産
性に優れた電気メッキが好ましい。
【0037】本発明で使用される金属被覆炭素繊維に被
覆される金属の種類は、Ni、Cu、Cr、Fe、Z
n、Cd、Pb、Sn、Au、Ag、Al、Mg、Co
及びそれらの合金等が挙げられ、中でも耐食性に優れ且
つ安価なNiの電気メッキが好ましい。それらの金属で
被覆された皮膜の厚さは0.2〜0.3μmが好まし
い。
【0038】本発明において、サイジング剤の一成分と
して使用されるアクリル酸、メタクリル酸及びその誘導
体とはメチルアクリレート、エチルアクリレート、フェ
ニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、アク
リル酸クロライド等のアクリル酸及びアクリル酸エステ
ル及びそれらの共重合体、並びにメチルメタクリレー
ト、エチルメタクリルレート、n−ブチルメタクリレー
ト、i−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレー
ト、デシルオクチルメタクリレート、ラウリルメタクリ
レート、ステアリルメタクリレート、グラシアルメタク
リレート、ソジュウムメタクリレート、メタクリルアミ
ド、メタクリルニトリル、2-エチルヘキシルメタクリレ
ート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチ
ルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、グリシジルメタクリレート、エチレングリコ
ールジメタクリレート、ノニルメタクリレート、2-エト
キシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリ
レート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルメ
タクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルメタク
リレート、フェニルメタクリレート、メタクリル酸クロ
ライド等のメタクリル酸及びメタクリル酸エステル及び
それらの共重合体を言う。
【0039】本発明において、前記したアクリル酸、メ
タクリル酸及びその誘導体とスチレンからなる共重合樹
脂がサイジング剤の一成分として使用されるが、中でも
スチレンとメチルメタクリルレートの共重合樹脂が好ま
しい。
【0040】本発明において、サイジング剤の一成分と
して使用されるノニオン界面活性剤は、前記したスチレ
ンとアクリル酸、メタクリル酸及びその誘導体からなる
共重合樹脂を水エマルジョンサイジング剤として使用す
るための界面活性剤として作用する。
【0041】本発明において使用できるノニオン界面活
性剤はポリエチレン・オキサイド縮合物、ポリオキシ化
合物(ポリオール)の脂肪酸エステルがあるが、中でも
ポリエチレン・オキサイド縮合物が好ましい。
【0042】ポリエチレン・オキサイド縮合物として
は、高級アルコール縮合物、高級脂肪酸縮合物、高級ア
ルキル・アミン縮合物、高級脂肪酸アミド縮合物、高級
アルキル・メルカプタン縮合物、アルキル・フェノール
縮合物、ポリプロピレン・オキサイド縮合物が使用でき
る。
【0043】ポリオキシ化合物の脂肪酸エステルとして
は、脂肪酸グリセリンエステル、脂肪酸グリコールエス
テル、脂肪酸ペンタエリスリットールエステル、脂肪酸
蔗糖エステル、脂肪酸ソルビタン及びマンニタンエステ
ルが使用できる。
【0044】なお、本発明において、水エマルジョンサ
イジング剤の安定性を向上させるために、乳化安定剤を
付与しても構わない。
【0045】乳化安定剤としては、植物ゴム、澱粉、ア
ルギン酸塩等の天然品、繊維素エーテル、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン等の合成品が使用でき
る。本発明において、スチレンとアクリル酸、メタクリ
ル酸及びその誘導体からなる共重合樹脂の各成分の配合
比率は、スチレンは10〜50重量%が好ましく、さら
に好ましくは20〜40重量%、アクリル酸、メタクリ
ル酸及びその誘導体は90〜50重量%である。スチレ
ン含有量が10重量%未満であると金属被覆炭素繊維チ
ョップドストランドの収束性が劣り、フリーファイバー
が増加して好ましくなく、また50重量%を超えるとコ
ンポジット中において分散性が不良となりストランド束
が残り、得られた成形品は均一な機械的強度は発揮でき
ず、全体として機械的強度が悪くなる。
【0046】本発明において、スチレンとアクリル酸、
メタクリル酸及びその誘導体からなる共重合樹脂とノニ
オン界面活性剤からなるサイジング剤の各成分の配合比
率は、共重合樹脂は80〜99重量%、ノニオン界面活
性剤は20〜1重量%が好ましい。ノニオン界面活性剤
が20重量%を越えると、界面活性剤の影響で成形品の
物性が低下する。
【0047】本発明において、スチレンとアクリル酸、
メタクリル酸及びその誘導体からなる共重合樹脂とノニ
オン界面活性剤からなるサイジング剤の金属被覆炭素繊
維チョップドストランドへの付着量は2〜40重量%が
好ましい。付着量が2重量%未満では金属被覆炭素繊維
チョップドストランドの集束性が十分ではなく、熱可塑
性樹脂とのドライブレンド時に繊維がばらけて絡み合
い、成形機への供給不良となる。また、付着量が40重
量%を越えるとサイジング剤の影響で成形品の物性が低
下する。
【0048】次に、本発明の金属被覆炭素繊維チョップ
ドストランドの製造方法について説明する。
【0049】始めに、スチレンとアクリル酸、メタクリ
ル酸及びその誘導体からなる共重合樹脂とノニオン界面
活性剤からなる濃度3〜50重量%の水エマルジョンサ
イジング剤を作製する。
【0050】本発明において、金属被覆炭素繊維ストラ
ンドへのサイズ処理時の前記水エマルジョンサイジング
剤の粘度は20〜300センチポイズであることが好ま
しい。その時の前記水エマルジョンサイジング剤の温度
は5〜50℃である。300センチポイズを越えるとサ
イジング剤がストランド内部まで十分含浸されない。そ
の結果、金属被覆炭素繊維ストランドを切断して金属被
覆チョップドストランドとするときに、該ストランドが
割れて未含浸フィラメントが現れ、このようなチョップ
ドストランドは、ドライブレンド時に絡み合い、成形機
への供給不良の原因となる。
【0051】次に、前記水エマルジョンサイジング剤中
に、表面に皺を有する炭素繊維に皺を残すように金属被
覆されてなる金属被覆炭素繊維ストランドを導入し、金
属被覆炭素繊維ストランドにサイジング剤を被覆させ、
後に乾燥処理を行う。
【0052】なお、乾燥処理後に、サイジング剤に含ま
れる共重合樹脂の融点以上の温度で熱処理して樹脂を溶
融させ、樹脂を金属被覆炭素繊維ストランド全体に均一
に含浸させることもできる。この熱処理により、金属被
覆炭素繊維ストランドの樹脂の含浸斑がなくなり、フリ
ーファイバーの発生を少なくすることができる。
【0053】こうして乾燥処理された金属被覆炭素繊維
ストランドは、カッターで2〜30mmの長さに切断さ
れ、最終的に本発明の金属被覆炭素繊維チョップドスト
ランドが製造される。
【0054】本発明の金属被覆炭素繊維チョップドスト
ランドは、各種熱可塑性樹脂、例えば、ポリプロピレン
樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロ
ニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂、アクリル
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリア
セタール樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレー
ト樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアリレ
ート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド
樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリサルフォン樹脂、
ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹
脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等の1種または2
種以上と混合され、射出成形、押出成形等により成形さ
れ、複合材料用の成形材料である繊維強化熱可塑性樹脂
組成物が得られる。
【0055】本発明の複合材料用の成形材料である繊維
強化熱可塑性樹脂組成物には、サイジング剤でサイズ処
理した金属被覆炭素繊維チョップドストランドが5〜7
0重量%含まれていることが望ましい。
【0056】金属被覆炭素繊維チョップドストランドが
5重量%未満だと、体積抵抗率が10Ω・cm以上にな
り、成形物としたときに、電磁波シールド効果が不十分
となる。
【0057】一方、金属被覆炭素繊維チョップドストラ
ンドが70重量%超の場合は、成形性が著しく低下す
る。
【0058】
【実施例】以下の各実施例において示した金属被覆炭素
繊維チョップドストランドの嵩密度及びフリーファイバ
ー発生率は以下の測定法に従った。各実施例において使
用したニッケルで被覆された炭素繊維(東邦レーヨン
(株)製 ベスファイト−MC:登録商標)の形状を示
す写真を図1に示す。また、該金属被覆炭素繊維につい
てニッケル被覆する前の炭素繊維の形状を示す写真を図
2に示す。図2によれば、本実施例で用いる炭素繊維の
表面には明瞭な皺が多数形成されている。また図1によ
れば、ニッケル被覆後の炭素繊維の表面には、皺が残っ
ている。
【0059】金属被覆炭素繊維チョップドストランドの
嵩密度の測定法 予め乾燥した、質量(W1 g)及び容積(Vml)の透
明プラスチック製円筒容器に、空間を作らないように且
つ、振動充填を起こさないように、上部5cmより金属
被覆炭素繊維チョップドストランドを落として山盛り状
態まで自然充填を行う。その後、円筒容器の上面以上の
金属被覆炭素繊維チョップドストランドをガラス棒で除
去し、このときの質量(W2 g)を測定し、次の式
(1)より算出する。
【0060】 嵩密度(g/l)=(W2 −W1 )/V 式(1)フリーファイバー発生率測定法 500mlのビーカーに、上部30cmより金属被覆炭
素繊維チョップドストランドを落として山盛り状態まで
充填する。その後、500mlのビーカーの上面以上の
金属被覆炭素繊維チョップドストランドをガラス棒を用
いてすり切りまで除去し、このときの金属被覆炭素繊維
チョップドストランド(W1 g)の質量を測定する。さ
らに、この金属被覆炭素繊維チョップドストランドを2
000mlのメスシリンダーに移し、メスシリンダーの
中央を軸に20分間25rpmで攪拌する。メスシリン
ダーの回転が停止したら、試料を#4の篩に移し、試料
が篩の目から落下しなくなるまで前後左右に動かして篩
分けする。
【0061】篩に残った遊離繊維(フリーファイバー)
を採取し、その質量(W2 g)を測定する。試料全体の
質量とフリーファイバーの質量からフリーファイバー発
生率を(%)で表す。
【0062】〔実施例1〕スチレン・メチルメタクリレ
ート共重合樹脂(スチレン・メチルメタクリレート重量
比:40/60)90重量部とノニオン界面活性剤10
重量部を含有した32重量%濃度の水溶液をサイズ剤溶
液として調製した。このサイズ剤溶液の粘度は160c
psであった。
【0063】このサイズ剤の溶液中に膜厚0.25μm
のニッケルで被覆された炭素繊維(東邦レーヨン(株)
製 ベスファイト−MC:登録商標)を連続的に浸漬さ
せた。次いで乾燥した後、220℃で樹脂を溶融させ
た。冷却後、カッターにて5mmに切断し、スチレン・
メチルメタクリレート共重合樹脂でサイズされたニッケ
ル被覆炭素繊維チョップドストランドを得た。サイズ剤
付着量は29重量%、嵩密度は379g/lであり、フ
リーファイバー発生率が0.14重量%と非常に少な
く、集束性に優れたものであった。
【0064】このスチレン・メチルメタクリレート共重
合樹脂でサイズされたニッケル被覆炭素繊維チョップド
ストランド(MCと略記)とポリカーボネート/ABS
アロイ樹脂(PC/ABSと略記、住友ダウ(株)製、
テクニエースF−725:商品名)をMCが15重量%
になるようにドライブレンドし、射出成形機(東芝機械
(株)製、IS−100E:商品名)で成形した場合の
MCの供給性及び分散性を下記の表1に示す。
【0065】本実施例1で得られたニッケル被覆炭素繊
維チョップドストランド強化樹脂成形品の表面における
繊維の形状の分散状態を示す写真を図3に示す。図3に
よればニッケル被覆炭素繊維が均一に分散していること
がわかる。
【0066】〔実施例2〜11〕スチレン・メチルメタ
クリレート比、樹脂/界面活性剤比、濃度、粘度及びサ
イズ剤付着量を変化させた以外は前記実施例1と同じ条
件のスチレン・メチルメタクリレート共重合樹脂でサイ
ズされた実施例2〜11のMCを作製した。得られた各
MCの嵩密度、フリーファイバーの発生率を下記の表1
に示し、さらに、この各MCを用いて前記実施例1と同
じ方法で射出成形した場合の実施例2〜11のMCの供
給性及び分散性を併せて下記の表1に示す。
【0067】実施例4で得られたニッケル被覆炭素繊維
チョップドストランド強化樹脂成形品の表面におけるニ
ッケル被覆炭素繊維の形状の分散状態を示す写真を図4
に示す。
【0068】〔実施例12〕前記実施例1のサイズ剤溶
液中に前記実施例1のニッケル被覆炭素繊維を連続的に
浸漬した後、引き続きサイズ剤容器中のサイズ剤の溶液
に浸漬されている表面が平滑な浸漬ローラと、該サイズ
剤容器の出口付近に位置する溝付きの出口ローラとの間
において走行角度(θ)が30°になるように斜行走行
させて、9回の仮撚を付与し、サイズ剤の溶液の均一付
着と、ニッケル被覆炭素繊維ストランド外周への均一被
覆を行い、該出口付近の溝付きの出口ローラから平行走
行させることによって解撚した。
【0069】次いで乾燥した後、220℃で樹脂を溶融
させた。冷却後、前記実施例1と同じ条件でカットし、
MCを作製した。得られたMCの嵩密度、フリーファイ
バーの発生率を下記の表1に示し、さらにこのMCを用
いて前記実施例1と同じ方法で射出成形した場合のMC
の供給性及び分散性を併せて下記の表1に示す。
【0070】〔実施例13〕前記実施例6のサイズ剤溶
液中に、予め撚を3回/m加えた前記実施例1のニッケ
ル被覆炭素繊維を連続的に浸漬させた。次いで乾燥した
後、220℃で樹脂を溶融させた。冷却後、前記実施例
1と同じ条件でカットし、MCを作製した。得られたM
Cの嵩密度、フリーファイバーの発生率を下記の表1に
示し、さらに、このMCを用いて前記実施例1と同じ方
法で射出成形した場合のMCの供給性及び分散性を併せ
て下記の表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】〔比較例1〕スチレン・メチルメタクリレ
ート共重合樹脂(スチレン・メチルメタクリレート重量
比:40/60)を塩化メチレンに溶解して20重量%
のサイズ剤の溶液を調製した。このサイズ剤溶液の粘度
は300cpsであった。
【0073】このサイズ剤の溶液中に前記実施例1のニ
ッケル被覆炭素繊維を連続的に浸漬した後、引き続きサ
イズ剤容器中のサイズ剤の溶液に浸漬されている表面が
平滑な浸漬ローラと、該サイズ剤容器の出口付近に位置
する溝付きの出口ローラとの間において走行角度(θ)
が30°になるように斜行走行させて、9回の仮撚を付
与し、サイズ剤の溶液の均一付着と、ニッケル被覆炭素
繊維ストランド外周への均一被覆を行い、該出口付近の
溝付きの出口ローラから平行走行させることによって解
撚した。
【0074】次いで乾燥した後、220℃で樹脂を溶融
させた。冷却後、前記実施例1と同じ条件でカットし、
MCを作製した。得られたMCの嵩密度、フリーファイ
バーの発生率を下記の表2に示し、さらに、このMCを
用いて前記実施例1と同じ方法で射出成形した場合のM
Cの供給性及び分散性を併せて下記の表2に示す。
【0075】本比較例1おいて得られた成形品につい
て、前記実施例1及び前記実施例4で得られた成形品の
物性を比較したものを下記の表3に示す。
【0076】表3によれば、本比較例1の成形品は、引
張り強さ及び引張弾性率が共に本発明のものより低く、
機械的強度が劣ることが分かる。このことは、比較例1
の金属被覆炭素繊維チョップドストランドの成形品中に
おける分散性が悪いことを示している。
【0077】本比較例1で得られた金属被覆炭素繊維チ
ョップドストランド強化樹脂成形品の表面における繊維
の形状の分散状態を示す写真を図5に示す。
【0078】〔比較例2〕スチレン・メチルメタクリレ
ート共重合樹脂(スチレン・メチルメタクリレート重量
比:80/20)を塩化メチレンに溶解して16重量%
のサイズ剤の溶液を調製した。このサイズ剤溶液の粘度
は210cpsであった。
【0079】このサイズ剤の溶液中に前記実施例1のニ
ッケル被覆炭素繊維を連続的に浸漬させた。次いで乾燥
した後、220℃で樹脂を溶融させた。冷却後、前記実
施例1と同じ条件でカットし、MCを作製した。得られ
たMCの嵩密度、フリーファイバーの発生率を下記の表
2に示し、さらに、このMCを用いて前記実施例1と同
じ方法で射出成形した場合のMCの供給性及び分散性を
併せて下記の表2に示す。
【0080】〔比較例3〜6〕スチレン・メチルメタク
リレート比、樹脂/界面活性剤比、濃度、粘度及びサイ
ズ剤付着量を変化させた以外は前記実施例1と同じ条件
のスチレン・メチルメタクリレート共重合樹脂でサイズ
されたMCを作製した。得られたMCの嵩密度、フリー
ファイバーの発生率を下記の表2に示し、さらに、この
MCを用いて前記実施例1と同じ方法で射出成形した場
合のMCの供給性及び分散性を併せて下記の表2に示
す。
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【発明の効果】本発明の金属被覆炭素繊維チョップドス
トランドは、金属被覆が剥がれ難く、熱可塑性樹脂との
濡れ性が良いので、熱可塑性樹脂に混入して繊維強化樹
脂成形した場合に、良好なコンポジット性能を発揮する
ことができる。
【0084】本発明の金属被覆炭素繊維チョップドスト
ランドを熱可塑性樹脂とドライブレンドして、射出成形
或いは押出成形等により繊維強化熱可塑性樹脂複合材料
を成形した場合、金属被覆炭素繊維チョップドストラン
ドに高い集束性を付与し、そのドライブレンド時に金属
被覆炭素繊維チョップドストランドがばらけることな
く、安定的に成形機に供給でき、且つ該成形機内では繊
維が容易に分散する性質を併せ持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実施例に使用するニッケルで被覆された炭素
繊維(東邦レーヨン(株)製ベスファイト−MC:登録
商標)の形状を示す顕微鏡写真である。
【図2】各実施例に使用する金属被覆炭素繊維について
ニッケル被覆する前の炭素繊維の形状を示す顕微鏡写真
である。
【図3】実施例1で得られた金属被覆炭素繊維チョップ
ドストランド強化樹脂成形品の表面における繊維の形状
の分散状態を示す写真である。
【図4】実施例4で得られた金属被覆炭素繊維チョップ
ドストランド強化樹脂成形品の表面における繊維の形状
の分散状態を示す写真である。
【図5】比較例1で得られた金属被覆炭素繊維チョップ
ドストランド強化樹脂成形品の表面における繊維の形状
の分散状態を示す写真である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に皺を有する炭素繊維の表面に金属
    皮膜が被着され、該金属皮膜には共重合樹脂とノニオン
    界面活性剤が付着している金属被覆炭素繊維チョップド
    ストランド。
  2. 【請求項2】 前記金属皮膜は、炭素繊維の表面の皺を
    残して被着されてなる請求項1記載の金属被覆炭素繊維
    チョップドストランド。
  3. 【請求項3】 前記共重合樹脂とノニオン界面活性剤
    は、水エマルジョンのサイジング剤の形態で付与され、
    付着したものである請求項1記載の金属被覆炭素繊維チ
    ョップドストランド。
  4. 【請求項4】 前記炭素繊維の径が5〜10μmで、且
    つ該炭素繊維を金属被覆してなる金属被覆炭素繊維の鍍
    金厚が0.2〜0.3μmである請求項1記載の金属被
    覆炭素繊維チョップドストランド。
  5. 【請求項5】 前記共重合樹脂は、 (1)スチレンが10〜50重量%、並びに(2)アク
    リル酸、メタクリル酸およびその誘導体の1種類以上の
    化合物が90〜50重量%の配合比率である請求項1記
    載の金属被覆炭素繊維チョップドストランド。
  6. 【請求項6】 前記共重合樹脂とノニオン界面活性剤の
    配合比率は、80〜99重量%対20〜1重量%である
    ことを特徴とする請求項1記載の金属被覆炭素繊維チョ
    ップドストランド。
  7. 【請求項7】 前記共重合樹脂とノニオン界面活性剤
    の、金属被覆炭素繊維チョップドストランドにおける付
    着量は、2〜40重量%であることを特徴とする請求項
    1記載の金属被覆炭素繊維チョップドストランド。
  8. 【請求項8】 前記アクリル酸、メタクリル酸及びその
    誘導体の1種類以上の化合物が、メチルメタクリルレー
    トであることを特徴とする請求項5記載の金属被覆炭素
    繊維チョップドストランド。
  9. 【請求項9】 前記ノニオン界面活性剤が、ポリエチレ
    ン・オキサイド縮合物およびポリアルコール縮合物から
    選ばれたものであることを特徴とする請求項1記載の金
    属被覆炭素繊維チョップドストランド。
  10. 【請求項10】 スチレンと、アクリル酸、メタクリル
    酸およびその誘導体から選ばれた1種類以上の化合物と
    を含む共重合樹脂、並びにノニオン界面活性剤を含む水
    エマルジョンのサイジング剤浴中に、表面に皺を有する
    炭素繊維に金属被覆されてなる金属被覆炭素繊維ストラ
    ンドを導入し、引き上げることによりサイジング剤を被
    覆させ、次いで乾燥し、切断することを特徴とする金属
    被覆炭素繊維チョップドストランドの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記サイジング剤浴の粘度が20〜3
    00センチポイズであることを特徴とする請求項10記
    載の金属被覆炭素繊維チョップドストランドの製造方
    法。
  12. 【請求項12】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8または9記載の金属被覆炭素繊維チョップドストラン
    ドと熱可塑性樹脂を含む繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の繊維強化熱可塑性樹
    脂組成物により射出成形或いは押出成形された成形品。
JP29167397A 1997-10-08 1997-10-08 金属被覆炭素繊維チョップドストランド、その製造方法、それを用いた繊維強化熱可塑性樹脂組成物、及び成形品 Pending JPH11117179A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29167397A JPH11117179A (ja) 1997-10-08 1997-10-08 金属被覆炭素繊維チョップドストランド、その製造方法、それを用いた繊維強化熱可塑性樹脂組成物、及び成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29167397A JPH11117179A (ja) 1997-10-08 1997-10-08 金属被覆炭素繊維チョップドストランド、その製造方法、それを用いた繊維強化熱可塑性樹脂組成物、及び成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11117179A true JPH11117179A (ja) 1999-04-27

Family

ID=17771954

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29167397A Pending JPH11117179A (ja) 1997-10-08 1997-10-08 金属被覆炭素繊維チョップドストランド、その製造方法、それを用いた繊維強化熱可塑性樹脂組成物、及び成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11117179A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002180372A (ja) * 2000-12-15 2002-06-26 Toho Tenax Co Ltd 金属酸化物被覆炭素繊維、及びその製造方法
JP2005163197A (ja) * 2003-11-28 2005-06-23 Mitsubishi Rayon Co Ltd 金属被覆炭素繊維の製造方法
WO2012044281A1 (en) 2010-09-28 2012-04-05 E. I. Du Pont De Nemours And Company Conductive paste for solar cell electrode
KR101645944B1 (ko) * 2016-03-09 2016-08-05 (주)다인스 물리증착법에 의한 편조용 탄소섬유다발의 제조방법
KR102212026B1 (ko) * 2019-09-03 2021-02-05 효성첨단소재 주식회사 탄소섬유의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 탄소섬유

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002180372A (ja) * 2000-12-15 2002-06-26 Toho Tenax Co Ltd 金属酸化物被覆炭素繊維、及びその製造方法
JP2005163197A (ja) * 2003-11-28 2005-06-23 Mitsubishi Rayon Co Ltd 金属被覆炭素繊維の製造方法
WO2012044281A1 (en) 2010-09-28 2012-04-05 E. I. Du Pont De Nemours And Company Conductive paste for solar cell electrode
KR101645944B1 (ko) * 2016-03-09 2016-08-05 (주)다인스 물리증착법에 의한 편조용 탄소섬유다발의 제조방법
KR102212026B1 (ko) * 2019-09-03 2021-02-05 효성첨단소재 주식회사 탄소섬유의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 탄소섬유
WO2021045462A1 (ko) * 2019-09-03 2021-03-11 효성첨단소재 주식회사 탄소섬유의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 탄소섬유
EP4026942A4 (en) * 2019-09-03 2023-10-25 Hyosung Advanced Materials Corporation METHOD FOR PRODUCING CARBON FIBERS AND CARBON FIBERS PRODUCED THEREFROM

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103013075B (zh) Pet复合材料、其制备方法和应用
KR960008124B1 (ko) 사출성형용 성형재료
KR20120023490A (ko) 고강성 전자파 차폐 복합재
US5091255A (en) Molding granules, their manufacture and their use in the production of molded articles
US4944965A (en) Elongated molding granules and injection-molding process employing them
GB2150936A (en) Plastics articles containing electrically conductive fibers
JPH11117179A (ja) 金属被覆炭素繊維チョップドストランド、その製造方法、それを用いた繊維強化熱可塑性樹脂組成物、及び成形品
CN104603191B (zh) 与碳纳米材料结合的热塑性聚合物及其制备方法
WO2007050467A1 (en) Long fiber thermoplastic process for conductive composites and composites formed thereby
CN106380806A (zh) 用于热熔型3d打印的导电聚乳酸复合材料组合物及其制备方法
CN102181121B (zh) 高耐疲劳度abs树脂组合物及其制备方法
JP4581181B2 (ja) 炭素繊維強化樹脂複合体および成形品、ならびに炭素繊維の回収方法
JP3186778B2 (ja) 成型用顆粒、その製造方法及び成型品製造におけるその使用
CN109021533A (zh) 一种复合导电塑料及其制备方法
AU595205B2 (en) Elongated molding granules and injection-molding process employing them
JPH0416309A (ja) ガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形材料の製造方法
WO2021077849A1 (zh) 玻璃纤维组及玻纤增强树脂基复合材料
JPH04316807A (ja) 長繊維強化樹脂ペレット
TW511406B (en) Granular composite comprising metal fibers and manufacture thereof
JP2991891B2 (ja) 金属被覆炭素繊維チョップドストランド、その製造方法および繊維強化樹脂組成物
JP2000072492A (ja) ガラス繊維及びそれを用いたガラス繊維強化熱可塑性樹脂
JPH0725935B2 (ja) 導電性プラスチック成形材料
JPS6297911A (ja) 銅アンモニアセルロース導電性繊維
JP2003160673A (ja) 電磁波シールド用樹脂組成物及びその利用
JPS62230829A (ja) 成形材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040624

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060222

A02 Decision of refusal

Effective date: 20070410

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02