JP2816984B2 - 高硬度耐食合金 - Google Patents

高硬度耐食合金

Info

Publication number
JP2816984B2
JP2816984B2 JP9173389A JP9173389A JP2816984B2 JP 2816984 B2 JP2816984 B2 JP 2816984B2 JP 9173389 A JP9173389 A JP 9173389A JP 9173389 A JP9173389 A JP 9173389A JP 2816984 B2 JP2816984 B2 JP 2816984B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
high hardness
corrosion
hardness
resistant alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP9173389A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02270939A (ja
Inventor
元昭 今村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
Priority to JP9173389A priority Critical patent/JP2816984B2/ja
Publication of JPH02270939A publication Critical patent/JPH02270939A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2816984B2 publication Critical patent/JP2816984B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Coating With Molten Metal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は高硬度耐食合金に関する。
(従来の技術) 近年、機械部品の中には、耐食性と高硬度とを同時に
要求されるものがある。具体的には、亜鉛メッキ用の通
電部材として使用されるコンダクタロール、プラスチッ
クの射出成形機用シャフト、ディーゼルエンジンにおけ
る燃料噴射ノズル等をあげることができる。コンダクタ
ロールは亜鉛メッキ浴に浸漬して用いられ、通電中に腐
食が発生する。又、被メッキ材との摺接部分に摩耗が生
じる。プラスチックの射出成形機用シャフトにおいて
は、特に、フッ素系の樹脂等腐食性の樹脂の成形時には
シャフトが腐食する場合がある。更に、樹脂中にガラス
繊維等を混入させる所謂繊維強化型の樹脂の成形時には
シャフトの摩耗を考慮する必要がある。ディーゼルエン
ジンの燃料噴射ノズルはニードル弁との摺動面を有する
ため耐摩耗性が要求されるのは勿論のこと、燃料残渣に
よる腐食を防止することが必要である。
従来このような機械部品の要求特性を満たす材料とし
ては、例えば、インコネル625、ハステロイC等の耐食
合金が用いられていた。しかし、これらの耐食合金は、
表面硬度が充分ではなく、耐摩耗性に劣るため、一般
に、冷間加工によりその表面を加工硬化させて実用に供
していた。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記したような耐食合金を冷間加工す
ることにより表面硬度を上げた機械部品においては、硬
化深さに限界があり、過酷な摩耗条件下で使用される機
械部品に適用することが困難であると共に、特に大型の
部品や複雑形状の部品を製造することが容易ではないと
いう問題がある。
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、
耐食性と高硬度を兼ね備えると共に、大型或いは複雑形
状の部品を容易に適用することが可能な高硬度耐食合金
を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段および作用) 本発明はCr、Niを多量に含有するFe系合金に所定量の
Alを添加すると、熱処理、具体的には時効硬化処理を行
うことによって、Alの金属間化合物γ′(Ni3Al)相が
析出し、合金の基地を硬化させることができるという事
実に着目してなされたものである。
即ち、本発明の高硬度耐食合金は、重量%で、C:0.20
%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、Cu:3.0%以下、
Ni:30〜45%、Cr:25〜35%、B:0.001〜0.010%、Mg:0.0
05〜0.030%、Al:1.0〜5.0%、Ti:0.10〜3.00%または
/およびZr:0.005〜0.10%、ならびに、残部実質的にFe
と不可避不純物からなり、時効硬化処理により高硬度を
発揮することを特徴とし、好ましくは更に、Mo:5%以下
またはNb:5%以下を含有するものである。
以下に、本発明の高硬度耐食合金の成分元素含有量の
範囲の限定理由を述べる。
C:0.20%以下 Cは母相に固溶して基地を強化させるために必要な元
素であるが、0.20%を超えて添加する耐食性が低下する
ため上限を0.20%とした。
Si:1.0%以下 Siは製鋼時の脱酸剤として有効な元素であるが、1.0
%を超えて添加するとフェライトが生成し易くなるので
その上限を1.0%とした。
Mn:1.0%以下 Mnは製鋼時の脱酸及び脱硫剤として有効な成分元素で
あるが、1.0%を超えて添加すると加工性が低下し、し
かも、耐食性が劣化するので、その上限を1.0%とし
た。
Cu:3.0%以下 Cuは耐食性を向上させ、加工硬化率を低下すると共
に、冷間加工性を向上させるために有効な成分元素であ
るが、余り多量に添加すると熱間加工性を低下させるた
め、その上限を3.0%とした。
Ni:30〜45% Niは安定なオーステナイト組織を得るために重要な元
素であり、Crの含有量に応じてその含有量を決定するこ
とが好ましい。例えば、Crの含有量が35%の場合、要求
されるNiの含有量は少なくとも30%である。一方、Niの
含有量が45%を超えると、性能面では略飽和に達する反
面コストを徒に上昇させるので、その上限を45%とし
た。
Cr:25〜35% CrはFe−Niと共にオーステナイト組織を形成するため
に重要な元素である。Crの含有量が25%未満では充分な
耐食性を得ることが困難であり、一方、35%を超えると
熱間加工性が低下すると共に、時効硬化処理により得ら
れる硬度は低くなるという不具合がある。
B:0.001〜0.010% Bは熱間加工性を向上させるために資する元素であ
る。その含有量が0.001%未満では、その効果を充分に
発揮させることができず、又、0.010%を超えて添加す
ると逆に加工性が低下してしまう。
Mg:0.001〜0.030% MgはBと共に熱間加工性の向上に資する元素である。
その含有量が0.001%未満では充分な効果を得ることが
できず、又、0.030%を超えて添加すると、Niとの低融
点共晶化合物が生成して加工性を低下させる。
Al:1.0〜5.0% AlはFe−Ni−Crのオーステナイト基地から金属間化合
物γ′(Ni3Al)相を析出させて上記基地全体を硬化さ
せるために必須の元素である。Alの含有量が1.0%未満
では充分な硬度が得られず、又、5.0%を超えると熱間
加工性が低下し、加工が困難になるという問題が生じ
る。
Ti:0.10〜3.00%または/およびZr:0.005〜0.10% Ti,Zrは、いずれも粒界に析出するCrカーバイドの析
出を防止する作用を有し、また耐食性の向上にも寄与す
る。更には、合金の熱間加工性の向上に寄与して、Alの
多量添加に伴う熱間加工性の低下をカバーする。しか
し、Ti,Zrを多量に添加しすぎると、逆に合金の熱間加
工性は低下しはじめるので、Tiは0.10〜3.00%、Zrは0.
005〜0.10%の範囲にする。
本発明の高硬度耐食合金においては、上記した各成分
元素に加えて、更に、所定量のMo及びNbを添加してもよ
い。これらの元素の限定理由は以下の通りである。
Mo:5.0%以下 MoはCrと共に耐食性を向上させる上で重要な元素であ
る。耐食性の向上効果は、例えば、次のように判断する
ことができる。即ち、 Cr当量=Cr+3.3Mo として、Cr当量が30以上の場合に充分な効果を得ること
ができる。しかし、Moの含有量の増大に伴って熱間加工
性が損なわれ、しかも、コストの上昇を招来するので上
限値を5%とした。
Nb:5.0%以下 Nbは耐食性を損なわずに基地を強化すると共に、γ′
相の析出による硬化量の増大に資する元素である。Nbの
含有量が増大するに伴い硬度は増加するが、逆に、熱間
加工性が低下し、更に、コストも上昇するため、その上
限値を5.0%とした。
本発明の高硬度耐食合金は、固溶化処理後に時効硬化
処理を行うことにより、耐食性を損なうことなく硬度を
増大させることができる。固溶化処理は、1100〜1150℃
で行い、時効硬化処理は、650〜750℃で行うことが好ま
しい。
(実施例) 第1表に示した各成分組成を有する合金A〜Nを小型
真空溶解炉にて溶製して、各々30kgのインゴットを得
た。しかるのち、このインゴットを鍛伸して40mm×40mm
の角棒を製造した。夫々表に示したような条件で熱処理
を行った。尚、合金Kはインコネル625を示す。
このようにして得られた各合金角棒について、以下に
述べる耐食性試験及び熱間加工性試験を行い、その結果
を第1表中に示した。
耐食性試験 電気亜鉛メッキ浴中におけるパルス通電腐食試験を行
い、その際の腐食減量(mg/M2)で耐食性を評価した。
熱間加工試験 直接通電加熱後、高速で引張破断させ、破断後の絞り
によって熱間加工性を評価し、その良否を、◎:割れな
し、○:割れは軽微、×:割れが多く屑化する、として
第1表中に示した。
尚、第1表中には、各合金の硬度(HRC)を併せて示
してある。
第1図は、合金A〜F及びKについて、上記の腐食減
量と硬度との関係を示したものである。
第1表から明らかなように、本発明の合金A〜Hは何
れも高い硬度を有すると共に、耐食性にも優れ、しか
も、熱間加工性を損なうことがない。そして、Mo、Nbを
含有するものは、更に硬度が高くなる(実施例4〜6)
ことが確認された。一方、Al含有量が5%を超えた合金
Iは硬度は高い反面熱間加工性が低下してしまう(比較
例1)。更に、Alの含有量が本発明の限定範囲を下回る
合金Jは(比較例2)は耐食性は向上するものの硬度が
著しく低下することが確認された。
更に、第1図によれば、硬度の増大に伴って、腐食減
量が増加する傾向にあることが確認された。
(発明の効果) 以上説明したように本発明の高硬度耐食合金によれ
ば、重量%で、C:0.20%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%
以下、Cu:3.0%以下、Ni:30〜45%、Cr:25〜35%、B:0.
001〜0.010%、Mg:0.001〜0.030%、Al:1.0〜5.0%、T
i:0.10〜3.00%または/およびZr:0.005〜0.10%、なら
びに、残部実質的にFeと不可避不純物からなり、時効硬
化処理により高硬度を発揮することとしたので、腐食環
境下での使用にとって充分な耐食性を保持すると共に、
従来材に比べて極めて高い硬度を有し、更に、熱処理を
行うだけでこのような高い硬度を実現することが可能で
あるため、大型或いは複雑形状の部品を容易に製造する
ことができる。従って、例えば、亜鉛メッキ装置用のコ
ンダクタロール、プラスチックの射出成形機用シャフ
ト、燃料噴射装置の噴射ノズル等の機械部品に適用する
と極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例に示した合金の硬度と腐食減量との関係
を示すグラフである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.20%以下、Si:1.0%以下、
    Mn:1.0%以下、Cu:3.0%以下、Ni:30〜45%、Cr:25〜35
    %、B:0.001〜0.010%、Mg:0.001〜0.030%、Al:1.0〜
    5.0%、Ti:0.10〜3.00%または/およびZr:0.005〜0.10
    %、ならびに、残部実質的にFeと不可避不純物からな
    り、時効硬化処理により高硬度を発揮することを特徴と
    する高硬度耐食合金。
  2. 【請求項2】更に、Mo:5.0%以下または/およびNb:5.0
    %以下を含有することを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の高硬度耐食合金。
JP9173389A 1989-04-13 1989-04-13 高硬度耐食合金 Expired - Lifetime JP2816984B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9173389A JP2816984B2 (ja) 1989-04-13 1989-04-13 高硬度耐食合金

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9173389A JP2816984B2 (ja) 1989-04-13 1989-04-13 高硬度耐食合金

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02270939A JPH02270939A (ja) 1990-11-06
JP2816984B2 true JP2816984B2 (ja) 1998-10-27

Family

ID=14034717

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9173389A Expired - Lifetime JP2816984B2 (ja) 1989-04-13 1989-04-13 高硬度耐食合金

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2816984B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102364291A (zh) * 2011-06-27 2012-02-29 苏州方暨圆节能科技有限公司 抗菌耐蚀的不锈钢热交换板

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02270939A (ja) 1990-11-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3951943B2 (ja) 耐過時効特性にすぐれた高強度の排気バルブ用耐熱合金
US5567383A (en) Heat resisting alloys
JP3412234B2 (ja) 排気バルブ用合金
JP2002327246A (ja) 耐溶損性・高温強度に優れた熱間工具鋼および該熱間工具鋼からなる高温用部材
JP2816984B2 (ja) 高硬度耐食合金
JPH06142980A (ja) 高温強度の優れたオーステナイト鋼用溶接材料
JP2909089B2 (ja) マルエージング鋼およびその製造方法
JPS61238942A (ja) 耐熱合金
JP2819906B2 (ja) 室温および高温強度に優れた工具用Ni基合金
JP3581028B2 (ja) 熱間工具鋼及びその熱間工具鋼からなる高温用部材
JP2002161342A (ja) 強度、耐疲労性及び耐食性に優れた構造用鋼
JP3617591B2 (ja) Tig溶接方法及びtig溶接材料
JPS5974266A (ja) エンジンバルブおよび同バルブシ−ト用高硬度Fe−Ni−Cr系合金
JPH0547611B2 (ja)
JP2776103B2 (ja) 耐食性と耐摩耗性に優れたNi−W合金
CN106944763A (zh) 一种高强度锰系耐磨钢焊丝
JPH1036944A (ja) マルテンサイト系耐熱鋼
JP3779043B2 (ja) 二相ステンレス鋼
KR920006827B1 (ko) 고강도-고인성-고내식성 스테인레스 마르에이징강과 그 제조방법
JP3836977B2 (ja) 低温靱性に優れるクラッド鋼板
JPH0639656B2 (ja) 加工性および溶接性に優れた耐摩耗複合鋼板
JPH0533092A (ja) ニツケル基耐熱合金
JPH01100239A (ja) 高硬度耐食合金
JP3396372B2 (ja) 高温強度と溶接性に優れた低Crフェライト鋼
JP2002060907A (ja) 熱間プレス金敷用鋼および鋳鋼