JPH07109549A - 耐海水用オーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents

耐海水用オーステナイト系ステンレス鋼

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JPH07109549A
JPH07109549A JP25128793A JP25128793A JPH07109549A JP H07109549 A JPH07109549 A JP H07109549A JP 25128793 A JP25128793 A JP 25128793A JP 25128793 A JP25128793 A JP 25128793A JP H07109549 A JPH07109549 A JP H07109549A
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JP
Japan
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stainless steel
less
steel
austenitic stainless
corrosion resistance
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JP25128793A
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English (en)
Inventor
Koji Oya
耕二 大矢
Tomohito Iikubo
知人 飯久保
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塩素イオンを含む腐食環境でも十分な耐食性
を有し、熱間加工性に優れ、かつ、肉厚あるいは太丸製
品を製造する場合にも耐食性、機械的性質を損うことの
ない耐海水用オーステナイト系ステンレス鋼を提供す
る。 【構成】 合金元素の含有率が重量%で、C:0.04
0%以下、Si:0.80%以下、Mn:5.00%以
下、P:0.040%以下、S:0.030%以下、C
u:1.00%以下、Ni:22.50〜27.00
%、Cr:17.00〜21.00%、Mo:6.00
〜8.00%、N:0.10〜0.25%、およびM
g:0.001〜0.10%であって、残部Feおよび
不可避的不純物からなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間加工性を改善した
耐海水用オーステナイト系ステンレス鋼に関する。
【従来の技術】ステンレス鋼は耐食性が優れているた
め、多くの分野で使用されている。しかしながら、海水
のごとき塩素イオンの存在化での使用にあたっては、例
えば、SUS316、SUS316Lなどでは孔食を発
生したり、隙間腐食が生じやすいなどの問題点がある。
このため、より耐孔食性を有する材料が求められてい
る。そこで、Mo、Crの含有量を高めるとともに、N
を添加して耐食性を高めたFe−20Cr−25Ni−
7Mo−0.1Nのようなステンレス鋼が開発されてい
る。しかし、Mo、Cr、N等の合金元素を多量に添加
し、高合金化することにより、熱間加工性を阻害すると
いう欠点をともない、分解圧延、分解鍛造等の高温にお
ける加工が困難となり、また、σ相、λ相等の金属間化
合物を生成しやすくなり、耐食性や機械的性質の劣化が
懸念される。
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような事情を背景としてなされたもので、塩素イオン
を含む環境でも十分な耐食性を有し、熱間加工性に優
れ、かつ、肉厚あるいは太丸製品を製造する場合にも耐
食性、機械的性質を損うことのない耐海水用オーステナ
イト系ステンレス鋼を提供することである。
【課題を解決するための手段】本発明の熱間加工性に優
れた耐海水用オーステナイト系ステンレス鋼は、合金元
素の含有率が重量%で、C :0.040%以下、S
i:0.80%以下、Mn:5.00%以下、P :
0.040%以下、S :0.030%以下、Cu:
1.00%以下、Ni:22.50〜27.00%、C
r:17.00〜21.00%、Mo:6.00〜8.
00%、N :0.10〜0.25%、およびMg:
0.001〜0.10%であって、残部Feおよび不可
避的不純物からなることを特徴とする。本発明のステン
レス鋼は上述の合金元素に加えて、下記の合金元素のい
ずれか一方または両方を含有することができる。 1)重量%で、Sn:0.02〜0.10%、Ti:
0.10〜2.00%、Nb:0.10〜2.00%、
Ta:0.10〜2.00%、Co:0.10〜3.0
0%、およびW :0.10〜3.00%のうち、いず
れか1種または2種以上、ならびに 2)重量%で、Ca:0.001〜0.020%、A
l:0.01〜0.07%、およびB :0.001〜
0.10%のうち、いずれか1種または2種以上。以下
に各合金成分の限定理由について説明する。 C:0.040%以下 Cは強力なオーステナイト形成元素であり、高価なNi
を省くのに有効であるが、炭化物を形成して鋼の耐食
性、靭性を劣化させるため、本発明では上限を0.04
0%とする。 Si:0.80%以下 Siは鋼の脱酸剤として有効であるが、金属間化合物の
形成を助長するため、上限を0.80%とする。 Mn:5.00%以下 Mnはオーステナイト形成元素として働くほか、鋼の脱
酸剤として有効である。しかし、Mnが過剰に添加され
ると耐食性を劣化させるので上限を5.00%とする。 P:0.040%以下 Pは応力腐食われを助長し、また耐食性を劣化させるた
め0.040%以下とする必要がある。望ましくは0.
020%以下とする。 S:0.030%以下 Sは耐食性、熱間加工性を著しく劣化させるため0.0
30%以下とする必要がある。望ましくは0.005%
とする。 Cu:1.00%以下 Cuは特に低pH領域における耐食性向上に有効である
が、pH8程度の海水環境ではそれほど多量に添加する
必要はなく、むしろ熱間加工性を劣化させるので、本発
明においては上限を1.00%とする。 Ni:22.50〜27.00% Niはオーステナイト形成元素として有効であり、必要
不可欠である。このNiは単にオーステナイト単相を確
保するためのみならば22.50%よりも少ない添加率
でよいが、本発明では金属間化合物の生成を抑制するた
めに、Ni添加率の下限を22.5%とする。この効果
は27.00%を超えてNiを添加しても飽和し、いた
ずらにコストの上昇を招くので、Ni含有率の上限は2
7.00%とする。 Cr:17.00〜21.00% Crは耐食性を向上させるために不可欠の元素である。
特に海水環境での孔食、隙間腐食に対して有効であり、
そのために17.00%以上が必要である。しかし過剰
に含有すれば、フェライト相や金属間化合物を形成して
鋼の脆化をもたらすので、含有率の上限を21.00%
とする。 Mo:6.00〜8.00% Moは耐食性に関してCr以上の効果があるので、本発
明では6.00%以上を含有せしめる。しかし、過剰の
添加は鋼の熱間加工性を害するうえ、コストの上昇を招
くので、含有率の上限は8.00%とする。 N:0.10〜0.25% Nは耐食性の向上に有効で、強度の向上にも効果があ
り、オーステナイト形成元素として強い働きを持つので
0.10%以上を含有させる。しかし、過剰に添加する
と、鋼の造塊時にブローホールを生じて製造性を損うの
で含有率の上限を0.25%とする。 Mg:0.001〜0.10% Mgは0.001%以上含有させることによって鋼の熱
間加工性を向上させる効果がある。この効果はMgを多
量に添加しても飽和するので、含有量の上限は0.10
%とする。 Sn:0.02〜0.10% Snはステンレス鋼の耐酸性を向上させるので、含有率
0.10%以下の範囲で添加してもよい。 Ti、NbおよびTa:0.10〜2.00%、 Ti、NbおよびTaはいずれも鋼中のCを炭化物とし
て固定し、鋼の耐食性を向上させる。特に、溶接部の耐
隙間腐食性の向上効果が大きいので、含有率0.10〜
2.00%の範囲で添加してもよい。 CoおよびW:0.10〜3.00% CoおよびWはステンレス鋼の耐食性を向上させるの
で、含有率0.10〜3.00%の範囲で添加してもよ
い。 Ca:0.001〜0.020% Caは鋼の脱酸、脱硫剤として働き、また熱間加工性を
向上させるので、含有率0.001〜0.020%の範
囲で添加してもよい。 Al:0.01〜0.07% Alは鋼の強力な脱酸剤として働くが、過剰に添加する
と鋼の耐食性、熱間加工性を劣化させるので、含有率
0.01〜0.07%の範囲で添加してもよい。 B:0.001〜0.10% Bは鋼の熱間加工性を改善するので含有率0.001〜
0.10%の範囲で添加してもよい。
【実施例】表1に示す化学組成の鋼を真空誘導炉で溶製
し、50kg鋼塊とした。
【表1】 上記の50kg鋼塊の表面近傍から直径6mm×長さ1
10mmの試験片を削出しグリーブル試験に供した。別
に、上記の50kg鋼塊(平均直径100mm)を12
00℃に加熱し、1000℃までの間に1ヒートで50
mm角に鍛延し、割れ発生の有無を調べて鍛造性を評価
した。さらに、上記50kg鋼塊を熱間鍛造により直径
20mmの棒鋼に加工し、固溶化処理を施し、これより
直径18mm×長さ25mmの試験片を削出し、端面を
1000番エメリーで研磨して耐食性試験に供した。耐
食性試験はpH1に調整した6%FeCl3 溶液中に試
験片を24hr浸漬し、腐食の発生がない場合には液温
を2.5℃づつ上昇して同様の操作を行い、腐食の発生
しない限界の温度、すなわち臨界孔食発生温度を調べる
方法(CPT)で行った。グリーブル試験結果の例を図
1に示す。Mgの適量添加により1050〜1200℃
における絞り値が向上していることが判る。鍛造性およ
び耐食性試験結果を表2に示す。
【表2】 表2において、 鍛造性○:鍛造割れなし、 鍛造性×:鍛造割れあり、 また、 耐食性○:臨界孔食発生温度50℃以上、 耐食性×:臨界孔食発生温度47.5℃以下、を表す。
【発明の効果】本発明によれば、固有の合金組成の選択
によって、熱間加工性が良好で、肉厚あるいは太丸製品
を製造する場合にも耐食性、機械的性質を損うことがな
く、塩素イオンを含む環境でも十分な耐食性を有し、海
水用のポンプ、シャフト、ボルト等の部品、海水用ワイ
ヤ等に適するオーステナイト系ステンレス鋼を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】グリーブル試験における試験片の試験温度と破
断絞り値との関係を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合金元素の含有率が重量%で、 C :0.040%以下、 Si:0.80%以下、 Mn:5.00%以下、 P :0.040%以下、 S :0.030%以下、 Cu:1.00%以下、 Ni:22.50〜27.00%、 Cr:17.00〜21.00%、 Mo:6.00〜8.00%、 N :0.10〜0.25%、および Mg:0.001〜0.10%であって、残部Feおよ
    び不可避的不純物からなることを特徴とする熱間加工性
    に優れた耐海水用オーステナイト系ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の合金元素に加えて、重量
    %で、 Sn:0.02〜0.10%、 Ti:0.10〜2.00%、 Nb:0.10〜2.00%、 Ta:0.10〜2.00%、 Co:0.10〜3.00%、および W :0.10〜3.00%のうち、いずれか1種また
    は2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物か
    らなることを特徴とする熱間加工性に優れた耐海水用オ
    ーステナイト系ステンレス鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の合金元素に加えて、重量
    %で、 Ca:0.001〜0.020%、 Al:0.01〜0.07%、および B :0.001〜0.10%のうち、いずれか1種ま
    たは2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物
    からなることを特徴とする熱間加工性に優れた耐海水用
    オーステナイト系ステンレス鋼。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の合金元素に加えて、重量
    %で、 Sn:0.02〜0.10%、 Ti:0.10〜2.00%、 Nb:0.10〜2.00%、 Ta:0.10〜2.00%、 Co:0.10〜3.00%、および W :0.10〜3.00%のうちいずれか1種または
    2種以上、ならびに、 Ca:0.001〜0.020%、 Al:0.01〜0.07%、および B :0.001〜0.10%のうち、いずれか1種ま
    たは2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物
    からなることを特徴とする熱間加工性に優れた耐海水用
    オーステナイト系ステンレス鋼。
JP25128793A 1993-10-07 1993-10-07 耐海水用オーステナイト系ステンレス鋼 Pending JPH07109549A (ja)

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JP (1) JPH07109549A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09217150A (ja) * 1996-02-14 1997-08-19 Nidatsuku Kk 耐塩化物局部腐食性に優れたオーステナイトステンレス鋼
WO2000024944A1 (en) * 1998-10-23 2000-05-04 Inco Alloys International, Inc. High strength corrosion resistant fe-ni-cr alloy
JP2013209834A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corp コンクリート構造物中における耐食性に優れたステンレス異形棒鋼

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