JPH0773483A - 光ディスク用対物レンズ駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ディスクの面振れや偏心に際し対物レンズ
を迅速に追従制御し且つ小型化を図った対物レンズ駆動
装置を提供すること。 【構成】 一端部に対物レンズ１を保持したＵ字状のレ
ンズホルダ本体２と、本体切除部２Ｂ内に配置され，レ
ンズ保持部２Ａ部分でレンズホルダ本体２を支持する二
軸ヒンジ機構４と、レンズホルダ本体の各側部２ａ，２
ｂに配設され，光ディスクの面振れに追従して対物レン
ズ１をフォーカシング方向に移動調整するフォーカシン
グ追従調整手段６，７と、光ディスクの偏心動作に追従
して対物レンズをトラッキング方向に移動調整するトラ
ッキング追従調整手段８，９とを設け、二軸ヒンジ機構
４を、８の字状ヒンジ本体４Ａと，その中央部のトラッ
クヒンジ部４Ｂと，そ両側のフォーカスヒンジ部４Ｃ，
４Ｄとで構成し、レンズホルダ本体２の重心を二軸ヒン
ジ機構４のトラックヒンジ部４Ｂに重ねて設定した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ディスク用対物レン
ズ駆動装置に係り、特に、光ディスクの信号を記録面に
対して外部から出射された光を対物レンズを通して照射
し且つ光ディスクの記録面からの反射光を対物レンズを
通し取り出す光ヘッドの一部として使用され、かつ、光
ヘッドの対物レンズを光ディスクに追従させるための光
ディスク用対物レンズ駆動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】光ディスク用の対物レンズ駆動装置（レ
ンズアクチュエータ）は、光ディスクに対する対物レン
ズを、光ディスクの面振れに対するフォーカシング方向
及び光ディスクの偏心に対するトラッキング方向に追従
させるための変位駆動を可能とした支持機構であって、
光ディスク装置に必要不可欠のものとして従来より組み
込まれ使用されている。

【０００３】図５乃至図６に、この種の対物レンズ駆動
装置の従来例を示す。ここで、図６（Ａ）は図５に示さ
れた平行リンク３４の部分平面図であり、図６（Ｂ）は
その正面図である。

【０００４】この図５乃至図６に示す従来例において、
対物レンズ駆動装置は、板状のアクチュエータベース３
１と、このアクチュエータベース３１に一端が固定ピン
３２により固定され広幅面がアクチュエータベース３１
の広幅面と平行である平行リンク３４と、対物レンズ３
６の光軸をアクチュエータベース３１の広幅面と垂直な
方向に保って保持すると共にフォーカスコイル３８Ａ，
３８Ｂ及びトラックコイル４１Ａ，４１Ｂを保持するレ
ンズホルダ３７と、このレンズホルダ３７の中央部を一
端部で固定支持すると共に他端部が固定ピン３２により
アクチュエータベース３１の広幅面である上面に固定さ
れ且つ広幅面がアクチュエータベース３１の広幅面と平
行である平行リンク３４を備えた構成となっている。

【０００５】更に、この対物レンズ駆動装置は、磁性材
料から成り直方体の外形を持ちその一端がアクチュエー
タベース３１の上部の広幅面に固定され広幅面がアクチ
ュエータベース３１の広幅面に垂直な方向に保たれてい
るヨーク４２Ａ，４２Ｂと、ヨーク４３Ａ，４３Ｂの広
幅面にそれぞれ個別に上述の広幅面が対面し底部がアク
チュエータベース３１の広幅面に固定されているマグネ
ット３９Ａ及び３９Ｂとを備えている。

【０００６】この内、ヨーク４２Ａ，４２Ｂはそれぞれ
フォーカスコイル３８Ａ，３８Ｂの空心部中央に配設さ
れ、また、ヨーク４３Ａ，４３Ｂは前述したトラックコ
イル４１Ａ，４１Ｂの外面に対向した位置に装備されて
いる。

【０００７】また、ヒンジ機構３５は、ヒンジ支持部３
３と、平行リンク部（樹脂製ヒンジ）３４の部分に分か
れており、そのヒンジ支持部３３からレンズを設置する
方向に平行リンク部３４が伸び、この平行リンク部３４
より先端部を上下方向すなわちフォーカス方向に可動可
能に支持する。また、上下方向への可動可能な支持方式
としてヒンジの変わりに板バネが使用される場合もあ
る。

【０００８】平行リンク部３４の先端部にはトラックヒ
ンジ部３５ａが設けられており、対物レンズ３６が載せ
られたレンズホルダ３７が、トラックヒンジ部３５ａを
軸中心として左右方向，即ちトラッキング方向に回転可
能に支持されている。この平行リンク部３４とトラック
ヒンジ部３５ａの拡大図を図６（ａ）（ｂ）に示す。

【０００９】対物レンズ３６が装備されたレンズホルダ
３７の両側面には、前述したようにフォーカスコイル３
８Ａ，３８Ｂが二手に別れて装備されている。符号４２
Ａ，４２Ｂは、フォーカスコイル３８Ａ，３８Ｂ内にそ
れぞれ装備されたヨーク（鉄心）を示す。このフォーカ
スコイル３８Ａ，３８Ｂとヨーク（鉄心）４２Ａ，４２
Ｂとにより一対のフォーカシング追従調整手段が構成さ
れ且つ二手に別れて装備され、これにより、媒体である
光ディスクの面振れに追従して対物レンズ３６がフォー
カシング方向に可動調整されるようになっている。

【００１０】また、フォーカスコイル３８Ａ及び３８Ｂ
の外側面に、各々２個のトラックコイル４１Ａ，４１Ａ
又は４１Ｂ，４１Ｂが同一面上に所定間隔隔てて固着さ
れ、これに対向してマグネット３９Ａ，３９Ｂとこれを
支持するヨーク４３Ａ，４３Ｂが配置されている。この
トラックコイル４１Ａ，４１Ｂと、マグネット３９Ａ，
３９Ｂと、これを支持するヨーク４３Ａ，４３Ｂとによ
り、一対のトラッキング追従調整手段が構成され且つ二
手に別れて装備され、これにより、媒体である光ディス
クの偏心に追従して対物レンズ３６がトラッキング方向
に可動調整されるようになっている。

【００１１】この場合、図５では省略されているが、レ
ーザダイオード，偏光ビームスプリッタ等の光学ブロッ
クが、アクチュエータベース３１の下面に固定され、そ
の出射光が対物レンズ３６の下面より入射し、対物レン
ズ３６によって媒体のデータを読み取り得るようになっ
ている。

【００１２】ここで、特開昭６２−０２６８４０号公報
および実開昭６３−０４４２２０号公報等にもこれに近
似した技術の開示が見られるが、これらはいずれも板バ
ネを利用したヒンジの利用を主とした構成となってい
る。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、例えば特開昭６２−０２６８４０号公報およ
び実開昭６３−０４４２２０号公報等にあっては、フォ
ーカス方向上下可動のため、使用しているヒンジや板バ
ネの薄い均一な板特有のしなりやねじれの発生によって
対物レンズが傾いて振動を起こすという不都合が生じて
いた。具体的には、板バネのねじれにより対物レンズが
ローリング現象を起こし、また、レンズホルダが対物レ
ンズの上下方向に振動するピッチング現象を起こし、こ
れがため、装置全体の周波数特性や感度にバラツキが生
じ、装置の信頼性が悪いという欠点があった。

【００１４】また、上記従来例を改善するものとして採
用されている前述した図５に示す従来例にあっては、平
行リンク３４と薄肉ヒンジ部３５が離れた位置に配置さ
れているため、フォーカシング及びトラッキングに対す
る調整駆動時の駆動部の駆動中心位置と，対物レンズ駆
動中心位置とがずれていた。そのため、多くの場合、フ
ォーカシング及びトラッキングの駆動において制御量に
ずれが生じ駆動効率を低下させることとなり、また、平
行リンク３４とトラックヒンジ部３５ａが離れているこ
とにより、部品構成上の問題から装置の小型化が困難な
構成となっていた。

【００１５】

【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、とくに、光ディスクの面振れや偏心に際し対
物レンズを有効に且つ迅速に追従制御すると共に装置全
体の小型化を図った光ディスク用対物レンズ駆動装置を
提供することを、その目的とする。

【００１６】

【課題が解決するための手段】本発明は、一端部中央に
対物レンズを保持するレンズ保持部を有すると共に，他
端部中央から本体中央部にわたって比較的大きい本体切
除部を備えたＵ字状のレンズホルダ本体と、このレンズ
ホルダ本体の本体切除部内に配置され，前記レンズ保持
部を介して当該レンズホルダ本体をその一端部で支持す
る二軸ヒンジ機構とを備えている。

【００１７】この二軸ヒンジ機構の両側に位置するレン
ズホルダ本体部分の一方と他方の各側部に配設され，前
記光ディスクの面振れに追従して前記対物レンズをフォ
ーカシング方向に移動調整するフォーカシング追従調整
手段と、このフォーカシング追従調整手段の近傍に配設
され，前記光ディスクの偏心動作に追従して前記対物レ
ンズをトラッキング方向に移動調整するトラッキング追
従調整手段とを備えている。

【００１８】二軸ヒンジ機構は、レンズホルダ本体に沿
って本体切除部内に配置された所定の厚さから成る８の
字状ヒンジ本体と，この８の字状ヒンジ本体の中央部に
設けられたトラックヒンジ部と，このトラックヒンジ部
を間にして前述した８の字状ヒンジ本体の各中空領域を
形成する部分に設定されたフォーカスヒンジ部とにより
構成する。そして、対物レンズを備えたレンズホルダ本
体の重心位置を二軸ヒンジ機構のトラックヒンジ部に重
ねて設定すると共に、前記二軸ヒンジ機構の他端部をア
クチュエータベースで支持する、という構成を採ってい
る。これによって前述した目的を達成しようとするもの
である。

【００１９】

【作 用】まず、媒体である光ディスクが面振れする
と、図示しない面振れ検出手段によってこれが検出され
直ちにフォーカシング追従調整手段６，７が作動し、こ
の光ディスクの面振れに追従して対物レンズ１を装備し
たレンズホルダ本体２がフォーカシング方向に可動調整
される。この場合、フォーカシング追従調整手段６，７
は、面振れの量に応じて対物レンズ１部分を示すように
フォーカシング１２の方向に変位させて追従させると共
に、レンズホルダ本体２が勝手にピッチングを起こさな
いようにその制御量が適度に随時可変設定される。

【００２０】また、媒体である光ディスクが偏心動作す
ると、図示しない偏心動作検出手段によってこれが検出
され直ちにトラッキング追従調整手段８，９が作動し、
この光ディスクの偏心動作に追従してレンズホルダ本体
２の対物レンズ１部分を、変位駆動（トラックヒンジ４
Ｂ部分を中心軸として光ディスク面に沿った回転駆動）
する。

【００２１】この場合、トラッキング追従調整手段８，
９は偏心動作の量に応じて対物レンズ１がローリングを
起こさないようにその両側で前述したフォーカシング追
従調整手段６，７と協働してその制御量が適度に可変制
御される。

【００２２】更に、フォーカシング追従調整手段６，７
とトラッキング追従調整手段８，９による調整制御は、
対物レンズ１を装備したレンズホルダ本体２の重心が二
軸ヒンジ機構４の中央部に設定されていることから、光
ディスク面の変位に対する追従動作が二軸ヒンジ機構４
の中央部を中心として機能する。このため、変位制御量
を比較的少なくすることができ、従って、フォーカシン
グ追従調整手段６，７とトラッキング追従調整手段８，
９とがカバーするレンズホルダ本体２の変位範囲を少な
くすることが可能となり、かかる点において装置全体の
小型化を図り得ることとなり、同時に少ない変位制御量
で光ディスク面の変位に追従し得ることから、当該追従
制御の迅速化を図ることができる。

【００２３】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１乃至図３に基
づいて説明する。

【００２４】図１ないし図３において、符号１は対物レ
ンズを示し、符号２は対物レンズ保持用のレンズホルダ
本体を示し、符号４は二軸ヒンジ機構を示す。

【００２５】レンズホルダ本体２は、一端部中央に対物
レンズ１を保持するレンズ保持部２Ａを有すると共に，
他端部中央から本体中央部にわたって比較的大きい本体
切除部２Ｂを備えたＵ字状の板状部材により構成されて
いる。また、二軸ヒンジ機構４は、全体的に樹脂により
一体的に形成され、レンズホルダ本体２の本体切除部２
Ｂ内に配置され，且つ前述したレンズ保持部２Ａを介し
て当該レンズホルダ本体２をその一端部で支持するよう
に構成されている。

【００２６】この二軸ヒンジ機構４の両側に位置するレ
ンズホルダ本体２の一方と他方の各側部２ａ，２ｂ部分
には、光ディスクの面振れに追従して前述した対物レン
ズをフォーカシング方向に移動調整するフォーカシング
追従調整手段６，７が装備され、この各フォーカシング
追従調整手段６，７の近傍には、前述した光ディスクの
偏心動作に追従して対物レンズ１をトラッキング方向に
移動調整するトラッキング追従調整手段８，９が装備さ
れている。

【００２７】二軸ヒンジ機構４は、レンズホルダ本体２
に沿ってその本体切除部２Ｂ内に配置された所定の厚さ
から成る８の字状ヒンジ本体４Ａと，この８の字状ヒン
ジ本体４Ａの中央部に設けられたトラックヒンジ部４Ｂ
と，このトラックヒンジ部４Ｂを間にして前述した８の
字状ヒンジ本体４Ａの各中空領域を形成する部分に設定
されたフォーカスヒンジ部４Ｃ，４Ｄ（図２参照）とに
より構成されている。

【００２８】また、このフォーカスヒンジ部４Ｃ，４Ｄ
は、具体的には、図２（Ｂ）に示すように前述した８の
字状ヒンジ本体４Ａの側壁部中央に当該８の字状ヒンジ
本体４Ａの長手方向に沿って形成された貫通切除部４ａ
の切除面部分に形成されている。

【００２９】二軸ヒンジ機構４は、その他端部がアクチ
ュエータベース１１によって固定されている。符号３
は、二軸ヒンジ機構４の他端部をアクチュエータベース
１１に固定する支持ピンを示す。また、符号１２は光デ
ィスクの面振れに対するフォーカシング方向を示し、符
号１３は光ディスクの偏心に対するトラッキング方向を
示す。

【００３０】更に、符号１０は、レンズホルダ本体２の
本体切除部２Ｂの開口端部に装備され装置全体の重心位
置を調整するバランサを示す。このバランサ１０によっ
て、レンズホルダ本体２の重心位置が二軸ヒンジ機構４
の中央部に位置するトラックヒンジ部４Ｂ若しくはその
周囲に設定されるように調整される。

【００３１】ここで、フォーカシング追従調整手段６，
７とトラッキング追従調整手段８，９とについて更に詳
述する。

【００３２】対物レンズ１が装備されたレンズホルダ本
体２の一方と他方の各側部２ａ，２ｂ部分には、フォー
カスコイル６Ａ，７Ａが二手に別れて装備されている。
符号６ａ，７ａは、フォーカスコイル６Ａ，７Ａ内にそ
れぞれ装備されたヨーク（鉄心）を示す。このフォーカ
スコイル６Ａ，７Ａとヨーク（鉄心）６ａ，７ａとによ
り一対のフォーカシング追従調整手段６，７が構成され
且つ二手に別れて装備され、これにより、媒体である光
ディスクの面振れに追従して対物レンズ１がフォーカシ
ング方向に可動調整されるようになっている。

【００３３】また、フォーカスコイル６Ａ及び７Ａの外
側面に、各々２個のトラックコイル８Ａ，８Ａ又は９
Ａ，９Ａが同一面上に所定間隔隔てて固着され、これに
対向してマグネット８Ｂ，９Ｂとこれを支持するヨーク
８Ｃ，９Ｃが配置されている。このトラックコイル８
Ａ，９Ａと、マグネット８Ｂ，９Ｂとこれを支持するヨ
ーク８Ｃ，９Ｃとにより、一対のトラッキング追従調整
手段８，９が構成され且つ二手に別れて装備され、これ
により、媒体である光ディスクの偏心に追従して対物レ
ンズ３６がトラッキング方向に可動調整されるようにな
っている。

【００３４】ここで、上述したフォーカシング追従調整
手段６，７の一部を成すフォーカスコイル６Ａ，７Ａと
トラッキング追従調整手段８，９の一部を成すトラック
コイル８Ａ，８Ａ又は９Ａ，９Ａは、前述したレンズホ
ルダ本体２の一方と他方の各側部２ａ，２ｂ部分に分か
れて装備されている。また、これに対応して装備された
フォーカシング追従調整手段６，７の一部を成すヨーク
（鉄心）６ａ，７ａと、トラッキング追従調整手段８，
９の一部を成すマグネット８Ｂ，９Ｂおよびこれを支持
するヨーク８Ｃ，９Ｃは、前述したアクチュエータベー
ス１１に固定装備されている。

【００３５】そして、前述したフォーカシング追従調整
手段６，７とトラッキング追従調整手段８，９は、その
各調整駆動力の出力の中心部が、前述した８の字状ヒン
ジ本体のトラックヒンジ部に対向した位置に設定されて
いる。

【００３６】二軸ヒンジ機構４について更に詳述する
と、この二軸ヒンジ機構４は、対物レンズ１に対するフ
ォーカシング方向１２及びトラッキング方向１３の可動
支持機構であり、トラックヒンジ部４Ｂとフォーカスヒ
ンジ部４Ｃ，４Ｄを備えて構成され、その二軸ヒンジ４
が支持されている２つの支持ピン３から対物レンズ１を
設置する方向に樹脂製のヒンジ部４Ｂ，４Ｃ，４Ｄが伸
びている。

【００３７】この樹脂製二軸ヒンジ機構４は、当該二軸
ヒンジ機構４の先端部を上下方向，即ちフォーカシング
方向１２へ可動可能なように、片切り欠きヒンジである
フォーカスヒンジ部４Ｃ，４Ｄが当該二軸ヒンジ機構４
の先端及び支持部付近に２箇所づつ、それぞれフォーカ
シング方向１２に上下に設けられている。

【００３８】また、そのフォーカスヒンジ部の先端側と
支持側の対角線上の中心位置に、両切り欠きヒンジであ
るトラックヒンジ部４Ｂがそれぞれフォーカシング方向
１２上下に設けられており、対物レンズ１を載せたレン
ズホルダ本体２が両切り欠きヒンジ部を中心として左右
方向すなわちトラッキング方向１３へ可動可能となるよ
う支持されている。そして、前述した二軸ヒンジ機構４
はトラックヒンジ部４Ｂ及びフォーカスヒンジ部４Ｃ，
４Ｄを配置した一体成形となっている。

【００３９】次に、上記実施例の動作等について説明す
る。

【００４０】まず、媒体である光ディスクが面振れする
と、図示しない面振れ検出手段によってこれが検出され
直ちにフォーカシング追従調整手段６，７が作動し、こ
の光ディスクの面振れに追従して対物レンズ１を装備し
たレンズホルダ本体２がフォーカシング方向に可動調整
される。この場合、フォーカシング追従調整手段６，７
は、面振れの量に応じて対物レンズ１部分を図３（Ｂ）
に示すようにフォーカシング１２の方向に変位させて追
従させると共に、レンズホルダ本体２が勝手にピッチン
グを起こさないようにその制御量が適度に随時可変設定
される。

【００４１】また、媒体である光ディスクが偏心動作す
ると、図示しない偏心動作検出手段によってこれが検出
され直ちにトラッキング追従調整手段８，９が作動し、
この光ディスクの偏心動作に追従してレンズホルダ本体
２の対物レンズ１部分を、図３（Ａ）に示すように変位
駆動（トラックヒンジ４Ｂ部分を中心軸として光ディス
ク面に沿った回転駆動）する。

【００４２】この場合、トラッキング追従調整手段８，
９は偏心動作の量に応じて対物レンズ１がローリングを
起こさないようにその両側で前述したフォーカシング追
従調整手段６，７と協働してその制御量が適度に可変制
御される。ここで、図３の動作はわかりやすくするため
誇張して描かれている。

【００４３】更に、フォーカシング追従調整手段６，７
とトラッキング追従調整手段８，９による調整制御は、
対物レンズ１を装備したレンズホルダ本体２の重心が二
軸ヒンジ機構４の中央部に設定されていることから、光
ディスク面の変位に対する追従動作が二軸ヒンジ機構４
の中央部を中心として機能する。このため、変位制御量
を比較的少なくすることができ、従って、フォーカシン
グ追従調整手段６，７とトラッキング追従調整手段８，
９とがカバーするレンズホルダ本体２の変位範囲を少な
くすることが可能となり、かかる点において装置全体の
小型化を図り得ることとなり、同時に少ない変位制御量
で光ディスク面の変位に追従し得ることから、当該追従
制御の迅速化を図ることができる。

【００４４】次に、他の実施例を図４に基づいて説明す
る。

【００４５】この図４に示す実施例は、前述した図１に
示す実施例の二軸ヒンジ機構４をワイヤを使用して構成
した二軸ヒンジ機構２４とした点に特長を有する。即
ち、この二軸ヒンジ機構２４は、前述したレンズホルダ
本体２に沿って本体切除部２Ｂ内に配置された一方と他
方のワイヤ支持部２４Ａ，２４Ｂと、このワイヤ支持部
２４Ａ，２４Ｂ相互間に上下二層にわたってそれぞれＸ
字状に連結装備された複数本（図４では４本）の弾性ワ
イヤ２４Ｃとにより構成され、これによって前述した二
軸ヒンジ機構４とほぼ同等に機能し得るようになってい
る。

【００４６】また、前述したフォーカシング追従調整手
段６，７とトラッキング追従調整手段８，９は、その各
調整駆動力の出力の中心部が、前述した弾性ワイヤ２４
Ｃの交差部分に対向した位置に配置されている。その他
の構成は、前述した図１の実施例と同一となっている。

【００４７】ヒンジ４の構造をワイヤ１５で実現した場
合を図２に示した。前述の２軸ヒンジ４と同じ役割を果
たすものとしてワイヤ１５を設けるが、ワイヤ１５は対
物レンズ駆動装置において支持ピン３から対物レンズ１
に伸びた方向にワイヤ１５を２本のクロス状態で設置
し、そのクロス位置は前述のトラックヒンジ５の位置に
一致している。

【００４８】また、上記各実施例における対物レンズ駆
動装置のトラッキング方向１３およびフォーカシング方
向１２の駆動における駆動中心位置は、前述した対物レ
ンズ駆動装置１４の重心位置と一致して設定されてい
る。

【００４９】更に、対物レンズ駆動装置の周辺には光学
ブロック（図示せず）が配置され、その出射光が反射ミ
ラー（図示せず）により反射した後に対物レンズ１に入
射し、当該対物レンズ１によって光ディスク上のデータ
が読み取られる。

【００５０】

【発明の効果】本発明は以上のように構成され機能する
ので、これによると、フォーカシング追従調整手段とト
ラッキング追従調整手段の作用により装置の要部を成す
レンズホルダ本体のローリングとピッチングとピッチン
グの発生を有効に抑えることができ、二軸ヒンジ機構の
中央部にトラックヒンジ部を設置すると共に対物レンズ
を含むレンズホルダ本体全体の重心位置をトラックヒン
ジの中心位置に設定するようにしたので、少ない制御量
で光ディスクの面振れに対するフォーカシング方向の駆
動及び光ディスクの偏心に対するトラッキング方向の駆
動をムダなく効率良く行うことが可能となり、従ってフ
ォーカシング追従調整手段とトラッキング追従調整手段
の小型化が可能となり、これがため装置全体を小型化す
ることが出来るという従来にない優れた光ディスク用対
物レンズ駆動装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す斜視図である。

【図２】図１に開示した実施例の一部である二軸ヒンジ
機構を示し、図２（Ａ）はその平面図、図２（Ｂ）はそ
の正面図である。

【図３】図１の動作の一例を示す説明図で、図３（Ａ）
は光ディスクの偏心に対するトラッキング方向の動作制
御状態を示し、図３（Ｂ）は光ディスクの面振れにに対
するフォーカシング方向の動作制御状態を示す。

【図４】他の実施例を示す斜視図である。

【図５】従来例を示す平面図である。

【図６】図５に開示した従来例の一部である二軸ヒンジ
機構を示し、図５（Ａ）はその平面図、図５（Ｂ）はそ
の正面図である。

【符号の説明】

１ 対物レンズ ２ レンズホルダ本体 ２Ａ レンズ保持部 ２ａ レンズホルダ本体の一方の側部 ２ｂ レンズホルダ本体の他方の側部 ２Ｂ 本体切除部 ４ 二軸ヒンジ機構 ４Ａ ８の字状ヒンジ本体 ４Ｂ トラックヒンジ部 ４Ｃ，４Ｄ フォーカスヒンジ部 ６，７ フォーカシング追従調整手段 ６Ａ，７Ａ フォーカスコイル ８，９ トラッキング追従調整手段 ８Ａ，９Ａ トラックコイル １０ バランサ １１ アクチュエータベース １２ フォーカシング方向 １３ トラッキング方向

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端部中央に対物レンズを保持するレン
   ズ保持部を有すると共に，他端部中央から本体中央部に
   わたって比較的大きい本体切除部を備えたＵ字状のレン
   ズホルダ本体と、 このレンズホルダ本体の前記本体切除部内に配置され，
   前記レンズ保持部を介して当該レンズホルダ本体をその
   一端部で支持する二軸ヒンジ機構と、 この二軸ヒンジ機構の両側に位置する前記レンズホルダ
   本体部分の一方と他方の各側部に配設され，前記光ディ
   スクの面振れに追従して前記対物レンズをフォーカシン
   グ方向に移動調整するフォーカシング追従調整手段と、 このフォーカシング追従調整手段の近傍に配設され，前
   記光ディスクの偏心動作に追従して前記対物レンズをト
   ラッキング方向に移動調整するトラッキング追従調整手
   段とを設け、 前記二軸ヒンジ機構を、前記レンズホルダ本体に沿って
   前記本体切除部内に配置された所定の厚さから成る８の
   字状ヒンジ本体と，この８の字状ヒンジ本体の中央部に
   設けられたトラックヒンジ部と，このトラックヒンジ部
   を間にして前記８の字状ヒンジ本体の各中空領域を形成
   する部分に設定されたフォーカスヒンジ部とにより構成
   し、 前記対物レンズを備えたレンズホルダ本体の重心位置を
   前記二軸ヒンジ機構の前記トラックヒンジ部に重ねて設
   定すると共に、前記二軸ヒンジ機構の他端部をアクチュ
   エータベースで支持する構成としたことを特徴とする光
   ディスク用対物レンズ駆動装置。
2. 【請求項２】 前記フォーカシング追従調整手段と前記
   トラッキング追従調整手段は、その各調整駆動力の出力
   の中心部が、前記８の字状ヒンジ本体のトラックヒンジ
   部に対向した位置に設定されていることを特徴とした請
   求項１記載の光ディスク用対物レンズ駆動装置。
3. 【請求項３】 一端部中央に光ディスク用の対物レンズ
   保持するレンズ保持部を有すると共に，他端部中央から
   本体中央部にわたって比較的大きい本体切除部を備えた
   Ｕ字状のレンズホルダ本体と、 このレンズホルダ本体の前記本体切除部内に配置され，
   前記レンズ保持部を介して当該レンズホルダ本体をその
   一端部で支持する二軸ヒンジ機構と、 この二軸ヒンジ機構の両側に位置する前記レンズホルダ
   本体部分の一方と他方の各側部に配設され，前記光ディ
   スクの面振れに追従して前記対物レンズをフォーカシン
   グ方向に移動調整するフォーカシング追従調整手段と、 このフォーカシング追従調整手段の近傍に配設され，前
   記光ディスクの偏心動作に追従して前記対物レンズをト
   ラッキング方向に移動調整するトラッキング追従調整手
   段とを設け、 前記二軸ヒンジ機構を、前記レンズホルダ本体に沿って
   前記本体切除部内に配置された一方と他方のワイヤ支持
   部と、このワイヤ支持部相互間に上下二層にわたってＸ
   字状に連結装備された複数本の弾性ワイヤとにより構成
   し、 前記対物レンズを備えたレンズホルダ本体の重心位置
   を、前記二軸ヒンジ機構の弾性ワイヤの交差領域に重ね
   て設定すると共に、前記二軸ヒンジ機構の他端部をアク
   チュエータベースで支持する構成としたことを特徴とす
   る光ディスク用対物レンズ駆動装置。
4. 【請求項４】 前記フォーカシング追従調整手段と前記
   トラッキング追従調整手段は、その各調整駆動力の出力
   の中心部が、前記一方と他方のワイヤ支持部の中間部分
   に対向した位置に設定されていることを特徴とした請求
   項３記載の光ディスク用対物レンズ駆動装置。