JPH0773409B2 - 電力系統事故判定装置 - Google Patents

電力系統事故判定装置

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JPH0773409B2
JPH0773409B2 JP60061844A JP6184485A JPH0773409B2 JP H0773409 B2 JPH0773409 B2 JP H0773409B2 JP 60061844 A JP60061844 A JP 60061844A JP 6184485 A JP6184485 A JP 6184485A JP H0773409 B2 JPH0773409 B2 JP H0773409B2
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憲雄 和田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は電力系統監視制御システムにおいて電力系統か
ら観測される情報に基づき電力系統の事故の区間,様
相,内容を自動的に判定する電力系統事故判定装置に関
する。
〔発明の技術的背景とその問題点〕
従来の電力系統監視制御システムにおいては、電力系統
に事故が発生した時、運転員は電力系統から観測される
引き外しされた遮断器情報や動作した保護継電器情報等
を基に、電力系統に関する知識や過去の経験的な知識を
利用して思考錯誤を行いながら事故の起きた区間や事故
の様相等を判定している。この判定にはかなりの専門知
識と経験が必要であり、人為的な判断であるため間違も
入りやすい。特に、多重に起きた事故や保護継電器,遮
断器の誤不動作,誤動作を伴つた事故の場合、その判定
は非常に難しく、判定に長時間要したり、誤判定を犯す
ことがある。このような場合には事故の復旧が遅れ、事
故範囲を拡大することがあり、広範囲にわたる停電を引
き起こす恐れがある。
〔発明の目的〕
本発明は、電力系統に事故が発生した時、単純事故の判
定はもち論、多重事故や誤不動作,誤動作を伴う事故等
の複雑事故の判定を自動的に行う装置を提供することを
目的としている。
〔発明の概要〕
電力系統の保護継電器の動作原理に関する知識や多重事
故,誤不動作・誤動作を伴う事故に関する知識を蓄えた
知識ベースと知識ベースの知識を選択し組合せて必要な
結論を得る推論エンジンを備えた電子計算機において、
電力系統事故発生時に情報伝送装置を介して電子計算機
に入力される引き外しされた遮断器の情報、動作した継
電器情報を基に推論エンジンを作動させて電子計算機か
ら事故区間,事故様相,多重・誤不動作・誤動作等の事
故内容を判定結果として表示装置に自動的に出力させ
る。
〔発明の実施例〕
本発明の電力系統事故判定装置の構成例を第1図に示
す。第1図において、1は事故判定対象の電力系統、2,
3は遮断器,継電器等の観測情報を伝送するサイクリツ
クデイジタル情報伝送装置(以下、CDTと略す)で、2
は送信局、3は受信局である。4は電子計算機で、5は
判定結果を表示する表示装置である。この表示装置とし
て、CRT表示装置、液晶表示装置、あるいはタイプライ
タが適当である。また、電子計算機4において、41は観
測情報を含む電力系統設備情報を蓄積した設備データベ
ースと継電器の動作原理に関する知識や多重事故,誤不
動作・誤動作を伴う事故に関する知識をルールの形で蓄
積したルールベースから成る知識ベースで、42はこの知
識ベース41の知識を選択し組合せて推論処理を行う推論
エンジンである。
ここで、リレーの動作原理に関する知識とは、リレー自
身の持つ保護区間、保護方向、整定時間などの動作特性
により、系統状況に応じた事故区間、事故様相を判定す
るために用いられる知識のことである。
多重事故に関する知識とは複数の事故候補区間に対し
て、同時に事故が起きた可能性を事故時の系統状況を踏
まえて判定するために用いられる知識のことであり、こ
れは経験的知識が中心となる。誤不動作を伴う事故に関
する知識とは、ある考え得る事故点を想定した場合に働
くべきリレーが動作しなかった可能性を判定するために
用いられる知識であり、これも経験的知識が中心とな
る。
更に、誤動作を伴う事故に関する知識とは、ある事故点
を想定した時に、実際動作したリレーの中で動作すべき
でないリレーを判定するために用いられる知識である。
本発明の知識ベース41の一部を次に示す。
(1) リレーの動作原理に関する知識例 リレー知識より区間を判定せよ(RY,ANSWER):− リレー(RY,“50S",CB,−,on) 電源端(LINE,CB) 平行2回線であるか調べよ(LINE) ANSWER=〔LINE,“2LGを含む短絡”〕。
但し、RYは継電器、CBは遮断器、LINEは送電線、ANSWER
は判定結果、onは動作である。
これは、送電線の電源端に設備された短絡バランスリレ
(50S)は平行2回戦運用時に動作し、保護区間(=事
故区間)は当該送電線であり、事故様相は2LGを含む短
絡である。」をPROLOG言語で記述したものである。
(2) 多重事故に関する知識例 平行4端子(OBJECTS,ANSWER):− 電源側2端子しや断かどうか調べよ(OBJECTS), 2回線が異なる範囲限定リレーでトリツプしたかを調べ
よ(OBJECTS), ANSWER=OBJECTS. 但し、OBJECTSは送電線名である。
これは、「平行2回線2端子系では、電源側が両回線共
範囲限定リレーでしや断されていれば、多重事故の可能
性がある。」をPROLOGで記述したものである。
(3) 誤不動作を伴う事故に関する知識例 自端の不動作事故を判定せよ(CB,ANSWER):− 電源端(LINE,CB), リレー(RY1,TYPE,CB,DIRECT,on), 方向リレーであるか調べよ(TYPE), 特定動作範囲リレーが不動作か調べよ(TYPE,CB,RY
2), ANSWER=〔CB,RY2〕. 但し、TYPEは継電器の種別、RIRECTは継電器の保護方向
である。
これは、「送電線の電源端において、特定動作範囲リレ
ーとその動作範囲を含む方向リレーを有する端子が方向
リレーによりしや断された場合には、事故は特定動作範
囲内にあり、特定動作範囲リレーの誤不動作の可能性が
ある。」をPROLOGで記述したものである。
(4) 誤動作を伴う事故に関する知識例 誤動作を判定せよ(RY,OBJECT,ANSWER):− 誤動作リレーを検索せよ(RY,OBJECT,FRY1), 誤動作リレーをチエツクせよ(FRY1,FRY2), ANSWER=〔OBJECT,FRY2〕. 但しFRYは継電器の種別である。
これは、「想定された事故区間では不動作であるべきリ
レーが動作した場合には、当該リレーは誤動作の可能性
がある。」をPROLOGで記述したものである。
本発明の電力系統事故判定装置の処理を示すフローチヤ
ートを第2図に示す。第3図の判定処理11,12,13,14に
おける推論処理を示すフローチヤートを第3図に示す。
電力系統1に事故が発生した時、電力系統1から観測さ
れる引き外しされた遮断器情報と動作した継電器情報は
送信局CDT2に取り込まれ、伝送されて受信局CDT3に渡さ
れ、電子計算機4の知識ベース41の設備データベースに
書き込まれる。
次に、第2図を基に判定処理の流れについて説明する。
電子計算機4において、入力された引き外しされた遮断
器情報と動作継電器情報を基に電力系統事故が発生した
と認識すると、知識ベース41のルールベースにある「リ
レーの動作原理に関する知識」を取り出し、推論エンジ
ン42を作動させて事故の起きている区間、事故の様相
(短絡,地絡等)を判定する。次に、知識ベース41のル
ールベースにある「誤不動作を伴う事故に関する知識」
を取り出し推論エンジン42を作動させて誤不動作を起こ
している継電器,遮断器,及び誤不動作継電器,遮断器
を含む事故区間を判定する。次に同様な方法で「多重事
故に関する知識」を取り出し、多重事故の可能性のある
区間を判定し、さらに、「誤動作を伴う事故に関する知
識」を取り出し、上記で判定したすべての事故区間に対
して誤動作を起こしている継電器,遮断器を判定する。
以上の結果、事故区間,事故様相,事故内容(多重,誤
不動作,誤動作)が判定結果として、電子計算機4の推
論エンジン42よりCRT表示装置5に出力され表示され
る。
次に第3図を基に第3図の判定処理11,12,13,14におけ
る推論処理について説明する。電子計算機4の知識ベー
ス41の設備データベースから引き外しされた遮断器と動
作継電器を含む設備データを取り出し、次に知識ベース
41のルールベースからルール(知識)を1つ取り出す。
そしてルールの条件部分を満たすか否かを調べる。条件
をすべて満足すれば適用ルールの結論部分を実行し、結
論(=ANSWER)を判定結果として格納する。これをすべ
てのルールについて繰り変し実行する。このような実行
処理が第2図の判定処理11,12,13,14において各々実施
される。
以上により、電力系統1から観測される引き外しされた
遮断器情報と動作継電器情報を基に、電子計算機4の知
識ベース41の設備データとルール(知識)を用いて推論
エンジン42を作動させて、事故区間,事故様相,事故内
容(多重事故,継電器,遮断器の誤不動作,誤動作)が
自動的に判定され、その結果がCRT表示装置5に表示さ
れる。
また、第2図の判定処理11乃至判定処理14の順に判定処
理を実行することにより、事故の可能性のある範囲を広
げ、より広範囲の事故判定を行うことができ、判定の漏
れをなくする。
〔発明の効果〕
本発明により、電力系統に事故が発生した時、単純事故
はもち論のこと、多重事故や誤不動作,誤動作を伴う事
故等の複雑事故に対しても、その事故区間,事故様相お
よび事故内容が自動的に判定され、その判定結果はCRT
表示装置に表示され運転員に提供される。
従つて、複雑事故に対しても運転員が誤判定を犯すこと
なく、容易に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す電力系統事故判定装置
の構成図、第2図は第1図の処理を示すフローチヤート
図、第3図は第2図の各判定処理における推論処理を示
すフローチヤート図である。 1……電力系統 2……サイクリツクデイジタル情報伝送装置(CDT) 4……電子計算機 5……CRT表示装置 41……知識ベース 42……推論エンジン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電力系統保護リレーの動作原理に関する知
    識と事故に関する知識とを備えた知識ベースと、推論エ
    ンジンとを備え、事故判定を行うものにおいて、 前記知識ベースには事故に関する知識として、多重事故
    に関する知識、誤不動作を伴う事故に関する知識、及び
    誤動作を伴う事故に関する知識をルールの形で蓄積し、
    この知識ベースの知識を次の順序に従って、 リレーの動作原理に関する知識を用いて、全ての事故
    区間を判定し、 誤不動作を伴う事故に関する知識を用いて、本来なら
    ば動作すべきであるが、誤って不動作となっているリレ
    ーやしゃ断器等を判定すると共に誤不動作リレーやしゃ
    断器等を含む事故区間を判定し、 多重事故に関する知識を用いて、多重事故の可能性の
    ある区間を判定し、 「誤動作を伴う事故に関する知識」を用いて、上記ス
    テップからで判定した全ての事故区間に対して、本
    来ならば動作すべきでないにも拘らず誤って動作してい
    るリレーやしゃ断器等を判定し、 これらの一連の判定結果を表示装置から出力することを
    特徴とする電力系統事故判定装置。
JP60061844A 1985-03-28 1985-03-28 電力系統事故判定装置 Expired - Fee Related JPH0773409B2 (ja)

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JP2618887B2 (ja) * 1987-04-27 1997-06-11 株式会社東芝 電力系統事故判定装置
JP2635588B2 (ja) * 1987-04-27 1997-07-30 株式会社東芝 電力系統事故判定装置
JP2656252B2 (ja) * 1987-04-27 1997-09-24 株式会社東芝 電力系統事故判定装置
JPH01311814A (ja) * 1988-06-07 1989-12-15 Toshiba Corp 電力系統事故判定装置
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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