JPH0772260B2 - 塗料用樹脂組成物 - Google Patents

塗料用樹脂組成物

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JPH0772260B2
JPH0772260B2 JP61053797A JP5379786A JPH0772260B2 JP H0772260 B2 JPH0772260 B2 JP H0772260B2 JP 61053797 A JP61053797 A JP 61053797A JP 5379786 A JP5379786 A JP 5379786A JP H0772260 B2 JPH0772260 B2 JP H0772260B2
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肇 熊田
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、水酸基を含有する含フッ素共重合体(以下、
水酸基含有フッ素系共重合体という)に特定組成のアク
リル共重合体を混合して、硬度、乾燥性、顔料分散性を
改良し、さらに水酸基と反応する官能基を含有する硬化
剤を配合して加熱硬化させることにより耐水性、耐候
性、硬度、乾燥性、耐汚染性、耐溶剤性などにすぐれた
硬化塗膜がえられる塗料用樹脂組成物を提供しようとす
るものである。
(従来技術とその限界) 従来、水酸基含有フッ素系共重合体に硬化剤を配合して
耐候性のすぐれた塗料を得ることは知られているが、市
販の水酸基含有フッ素系共重合体は価格が高く他の樹脂
や硬化剤との相溶性が乏しく、加えて硬度が低いために
見かけの乾燥性がよくなく、さらにモノマーの共重合性
の関係から高水酸基価とすることが困難であるという欠
点があり、しかも塗料用として慣用の顔料の分散性も良
くないという欠点がある。
この様な欠点のいくつかを改良するための試みとして、
例えば特開昭59−197471号はC10〜C18のアルキル基を側
鎖に有する(メタ)アクリレートを必須成分とするアク
リル系共重合体を水酸基含有フッ素系共重合体に混合
し、さらに硬化剤を配合して塗料用樹脂組成物とする技
術を開示している。これは必須成分の(メタ)アクリレ
ートの側鎖のアルキル基の炭素数がC10〜C18であるため
工業的にまだ低価格で入手しにくいものもあるし、Tgが
低いものが多く使用量も少くとも20%以上ということか
ら、硬度、乾燥性、耐汚染性、耐溶剤性の点で不十分な
場合が多い。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは前記した従来技術の欠点を克服するために
鋭意検討を行なった結果、側鎖のアルキル基の炭素数が
4(C4)のものを少くとも25%以上使用したアクリル系
共重合体が水酸基含有フッ素系共重合体との相溶性を示
すこと、また水酸基含有フッ素系共重合体に該アクリル
系共重合体を混合することにより、水酸基含有フッ素系
共重合体の硬度、乾燥性、さらには顔料分散性を改良す
ることができ、さらに硬化剤を用いて硬化させた塗膜は
耐水性、耐候性、硬度、乾燥性、耐汚染性、耐溶剤性な
どにすぐれたものになり、ひいてはコストダウンに結び
つけることが出来ることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
(発明の構成) 本発明を概説すれば、本発明は、 [I].(1) 水酸基を含有する含フッ素共重合体の
1〜95重量%と、 (2) n−ブチルメタルリレート、イソブチルメタク
リレート、及びtert−ブチルメタクリレートよりなる群
から選ばれる少なくとも1種のメタクリレート化合物
(a)の25〜95重量%、前記(a)と共重合可能なビニ
ル系モノマー(b)の5〜75重量%、及び前記(a)お
よび(b)と共重合可能な共重合性不飽和基含有樹脂
(c)の0.5〜20重量%を共重合せしめることによって
得られるアクリル系共重合体の5〜99重量%との共重合
体混合物、及び [II].前記共重合体混合物[I]の水酸基と反応する
官能基を有する硬化剤、とを含有することを特徴とする
塗料用樹脂組成物に関するものである。
以下、本発明の構成について詳しく説明する。
本発明になる塗料用樹脂組成物は、前記〔I〕成分(こ
れは前記したように(1)成分と(2)成分からなる共
重合体混合物である)と〔II〕成分(これは前記したよ
うに硬化剤である)から成るもので、以下、これらの成
分について順に説明する。
(i):〔I〕−(1)成分(水酸基含有フッ素系共重
合体)について、 本発明で用いられる水酸基含有フッ素系共重合体として
は、例えば特開昭57−34107号、同59−102961号、同102
962号等で開示されている様にクロロトリフロロエチレ
ン、トリフロロエチレン、フッ化ビニリデン、テトラフ
ロロエチレン、ヘキサフロロプロピレンなどのフルオロ
オレフィンとヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロ
キシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルエーテ
ル、ヒドロキシヘキシルビニルエーテルなどのヒドロキ
シアルキルビニルエーテル類や、β−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレート類、及びエチルビニルエーテル、プロピルビ
ニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニル
エーテルなどのアルキルビニルエーテル類、あるいはこ
れらのアルキル基、又はビニル基の水素をフッ素で置換
した含フッ素アルキルビニルエーテル類、もしくはシク
ロヘキシルビニルエーテル、カプロン酸ビニル、カプリ
ン酸ビニル、バーサティック酸ビニルなどのビニルエス
テル類などを適宜共重合させてえられる共重合体であ
り、その他、所望によってはエチレン、プロピレン、ス
チレン、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類、ジ
ブチルフマレート、ジブチルマレートなどの不飽和ジカ
ルボン酸エステル類、あるいは(メタ)アクリル酸、イ
タコン酸などのカルボキシル基含有ビニル系モノマー
類、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホ
スフェートなどのリン酸基含有ビニル系モノマー類、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのジアル
キルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、(メチ
ル)グリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジル
基含有ビニル系モノマー類、γ−メタクリロイルオキシ
プロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基
含有ビニル系モノマー類などを共重合成分として含んで
いてもよい。この様なものの市販品の例としては、例え
ば旭硝子(株)製のルミフロンLF−100,LF−200,LF−30
0,LF−302,LF−400,LF−700などが挙げられる。
(ii):〔I〕−(2)成分(アクリル系共重合体)に
ついて、 本発明で用いる(2)成分としてのアクリル系共重合体
は、共重合成分として以下に説明する(a)成分、
(b)成分、(c)成分より構成される。
●アクリル系共重合体の(a)成分について 本発明において、特に重要な点は、水酸基含有フッ素系
共重合体との相溶性をアクリル系共重合体に付与するた
めに、(a)成分としてn−ブチルメタクリレート、イ
ソブチルメタクリレート、tert−ブチルメタから成る群
から選ばれた少くとも1種のメタクリレート化合物を必
須的に使用することであり、その使用量は少くとも25重
量%以上、好ましくは30重量%以上をアクリル系共重合
体中に含有させる必要がある。25重量%未満では水酸基
含有フッ素系共重合体との相溶性を示さず、本発明の目
的を達成することが出来ない。
●アクリル系共重合体の(b)成分について 次に本発明で(b)成分として用いられる前記(a)成
分と共重合可能なビニル系モノマーを説明する。
:(b)成分として、まず水酸基を有するビニル系モ
ノマーがある。
例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフマ
レート、モノ−2−ヒドロキシエチル−モノブチルフマ
レートまたは、ポリプロピレングリコールあるいはポリ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プラク
セルFM,FAモノマー(ダイセル化学(株)製、カプロラ
クトン付加モノマー)の如きα,β−エチレン性不飽和
カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類、あるいは
これらとε−カプロラクトンとの付加物;(メタ)アク
リル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸もしくはシトラコン酸の如き不飽和モノーもしくはジ
カルボン酸をはじめ、これらのジカルボン酸と1価アル
コールとのモノエステル類などのα,β−エチレン性不
飽和カルボン酸類、あるいは前記α,β−不飽和カルボ
ン酸ヒドロキシアルキルエステル類とマレイン酸、こは
く酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロ
フタル酸、ベンゼントリカルボン酸、ベンゼンテトラカ
ルボン酸、「ハイミック酸」〔日立化成工業(株)製
品〕、テトラクロルフタル酸もしくはドデシニルこはく
酸の如きポリカルボン酸の無水物との付加物と、「カー
デュラE」(オランダ国シエル社製の、分岐状合成脂肪
酸のグリシジルエステル)、やし油脂肪酸グリシジルエ
ステルもしくはオクチル酸グリシジルエステルの如き1
価カルボン酸のモノグリシジルエステルまたはブチルグ
リシジルエーテル、エチレンオキシドもしくはプロピレ
ンオキシドの如きモノエポキシ化合物との付加物、ある
いはこれらとε−カプロラクトンとの付加物;N−メチロ
ール化アクリルアマイドの如きメチロール基含有重合性
化合物;ヒドロキシエチルビニルエーテルなどがある。
これらのモノマーは所望する架橋密度の量に応じてその
使用量を選択することができる。
:また(b)成分として、カルボキシル基を有するも
のが使用される。
例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸もしくはシトラコン酸の如き
不飽和モノーもしくはジカルボン酸をはじめ、これらの
ジカルボン酸と1価アルコールとのモノエステル類など
のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸類;2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ−2−
ヒドロキシエチル−モノブチルフマレートまたはポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレートの如きα,
β−不飽和カルボン酸ヒドロアルキルエステル類とマレ
イン酸、こはく酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、
テトラヒドロフタル酸、ベンゼントリカルボン酸、ベン
ゼンテトラカルボン酸、「ハイミック酸」〔日立化成工
業(株)製品〕、テトラクロルフタル酸もしくはドデシ
ニルこはく酸の如きポリカルボン酸の無水物との付加物
などがある。
前記カルボキシル基含有モノマーは、後述する〔II〕成
分である硬化剤成分を配合したさいに内部触媒作用を示
すことが多いので、塗料の保存安定性が短くなることか
らこれらのものを使用する場合には、素材への付着性向
上、他樹脂との相溶性向上などの効果を考慮して、その
使用量は0.1〜15重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%
の範囲にとどめておくことが好ましい。
:(b)成分のカテゴリーに含まれ、その他の官能基
をもつモノマーとしては、一般式 で示されるジアルキル((メタ)アクリロイロキシアル
キル)ホスフェート類もしくは(メタ)アクリロイロキ
シアルキルアシッドホススフェート類、一般式 (R1〜R3,A:前掲で示されるジアルキル((メタ)アク
リロイロキシアルキル)ホスファイト類もしくは(メ
タ)アクリロイロキシアルキルアシッドホスファイト類
などが挙げられ、さらには上記(メタ)アクリロイロキ
シアルキルアシッドホスフェート類、又はアシッドホス
ファイト類のアルキレンオキシド付加物、グリシジル
(メタ)アクリレートやメチルグリシジル(メタ)アク
リレートなどエポキシ基含有ビニル系モノマーとリン酸
又は亜リン酸あるいはこれらの酸性エステル類とのエス
テル化物、3−クロロ−2−アシッドホスホキシプロピ
ル(メタ)アクリレートなどのリン原子含有モノマー類
とか、 :(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N
−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メ
タ)アクリルアミドなどのアミド基含有ビニル系モノマ
ー類、 :ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエ
チルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのジアルキ
ルアミノアルキル(メタ)アクリレート類がある。これ
ら〜のものはいづれもアクリル系共重合体に内部触
媒能付与とか、素材への付着性、他樹脂との相溶性、顔
料分散性などを向上させたい場合に使用するもので、こ
れらを単独、あるいは併用して用いることが可能であ
り、その使用量は使用効果の点からリン原子含有ビニル
系モノマー類は0.05〜5重量%、アミド基含有ビニル系
モノマー類もしくはジアルキルアミノアルキル(メタ)
アクリレート類は0.05〜10重量%の範囲で使用すればよ
い。
:さらに(b)成分として用いられるその他のビニル
系モノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、(β−メチル)グリシジル(メタ)アクリレート、
(メタ)アリルグリシジルエーテルもしくは前記α,β
−エチレン性不飽和カルボン酸類またはモノ−2−(メ
タ)アクリロイルオキシモノエチルフタレートの如き水
酸基含有ビニルモノマーと前記ポリカルボン酸無水物と
の等モル付加物の如き各種の不飽和カルボン酸に、「エ
ピクロン200,400,441,850もしくは1050」〔大日本イン
キ化学工業(株)製エポキシ樹脂〕、「エピコート828,
1001もしくは1004」(シエル社製エポキシ樹脂)、「ア
ラルダイト6071もしくは6084」(スイス国チバ・ガイギ
ー社製エポキシ樹脂)、「チッソノックス221」〔チッ
ソ(株)製エポキシ化合物〕または「デナコールEX−61
1」(長瀬産業(株)製エポキシ化合物)の如き、1分
子中に少くとも2個のエポキシ基を有する各種のポリエ
ポキシ化合物を等モル比で付加反応させて得られるエポ
キシ基含有重合性化合物とか、 :ビニルエトキシシラン、α−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン,トリメチルシロキシエチル(メ
タ)アクリレートKR−215(信越化学(株))などのシ
リコン系モノマー類などがある。
:その他、(b)成分として用いられる官能基を持た
ないビニル系モノマーとしては、 (イ).スチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブ
チルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族系ビニル系
モノマー、 (ロ).メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i
−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチルアクリレ
ート,i−ブチルアクリレート,t−ブチルアクリレート,2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ベンジル(メタ)アクリレート、ジブロモプロピル
(メタ)アクリレート、トリブロモフエニル(メタ)ア
クリレートまたはアルコキシアルキル(メタ)アクリレ
ートの如き(a)成分以外のアクリレート類;マレイン
酸、フマル酸もしくはイタコン酸の如き不飽和ジカルボ
ン酸と1価アルコールとのジエステル類;酢酸ビニル、
安息香酸ビニル、「ベオバ」(シエル社製のビニルエス
テル)の如きビニルエステル類;「ビスコート8F,8FM,1
7FM,3Fもしくは3FM」〔大阪有機化学(株)製の含フッ
素系アクリルモノマー〕、パーフルオロシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ジ−パーフルオロシクロヘキシ
ルフマレートまたはN−i−プロピルパーフルオロオク
タンスルホンアミドエチル(メタ)アクリレートの如き
(パー)フルオロアルキル基含有のビニルエステル類、
ビニルエーテル類、(メタ)アクリレート類もしくは不
飽和ポリカルボン酸エステル類などの含フッ素重合性化
合物;あるいは(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルもしくはフッ化ビニ
リデンなどのオレフィン類などの官能基をもたないビニ
ル系モノマー類がある。
前記した(b)成分としてのモノマー類は、前記(a)
成分、及び後述する(c)成分との兼合いや、共重合性
とか塗装作業性、光沢、硬度、可とう性、耐候性、乾燥
性、耐溶剤性、相溶性、稀釈性、ポットライフ、OH価な
どの面から各モノマー成分の使用量とその組合わせを5
〜75重量%の範囲で決定すればよい。特にスチレン、ビ
ニルトルエンなどの芳香族系ビニル系モノマーは、耐候
性、〔I〕−(1)成分としての水酸基含有フッ素系共
重合体との相溶性の点から使用する場合には、40重量%
以下、特に好ましくは、30重量%以下に抑えておく方が
好ましい。
●アクリル系共重合体の(c)成分について、 次に本発明になるアクリル系共重合体を構成する(c)
成分は、前記(a)成分及び(b)成分と共重合可能な
共重合性不飽和基含有樹脂であり、得られるアクリル系
共重合体に、ひいては共重合体混合物〔I〕に一層ハイ
レベルの顔料分散性の向上を期待する場合に使用され
る。
前記共重合性不飽和基含有樹脂としては油又は脂肪酸で
変性されたいわゆるアルキド樹脂、又はこれらのもので
変性されていないいわゆるオイルフリーアルキドのう
ち、ビニル系モノマー類と共重合性のある不飽和結合を
有するもの、あるいはビニル系モノマー類と共重合性の
ある不飽和結合を有するアクリル系共重合体などが好ま
しい。
そのような不飽和基含有ポリエステルとしては特公昭45
−22011号、同46−20502号、同44−7134号、特開昭48−
78233号、同50−58123号などで知られている様に共重合
性不飽和基を有する原料成分を必須として、他の原料成
分と反応させて得られる樹脂骨格中に共重合性不飽和基
を保有せしめたもの、あるいは特公昭49−47916号、同5
0−6223号などの様にまず共重合性不飽和基をもたない
飽和ポリエステルを得たのち、その飽和ポリエステル中
に存在する水酸基又はカルボキシル基などの官能基と
か、さらにジエポキシ化合物を反応させてエポキシ基を
導入し、それらの官能基と反応性を有する官能基とビニ
ル基をもった化合物、例えば、(メタ)アクリル酸クロ
ライドのように酸クロライド基とビニル基を有するも
の、グリシジル(メタ)アクリレートなど、エポキシ基
とビニル基を有するもの、ビニルメトキシシラン、(メ
タ)アクリロキシエチルトリメトキシシランなどのアル
コキシシラノール基とビニル基を有するもの、無水マレ
ン酸、テトラヒドロ無水フタル酸などの酸無水基とビニ
ル基を有するもの、フマル酸、(メタ)アクリル酸など
のカルボキシル基とビニル基を有するもの、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート〜ヘキサメチレンジ
イソシアネート等モル付加物、イソシアネートエチルメ
タクリレートなどのイソシアネート基とビニル基を有す
るものなどのビニル系モノマーを飽和ポリエステルに付
加させてえられるものなどがある。
また、前記したビニル系モノマー類と共重合性のある不
飽和結合を有するアクリル系共重合体としては、予め、
水酸基、カルボキシル基、エポキシ基などの官能基を有
するビニル系モノマーを必須成分として共重合を行な
い、これらの官能基を有するアクリル系共重合体に前記
した飽和ポリエステルに共重合性不飽和基を導入したと
の同様に、アクリル系共重合体中に含有される官能基と
の反応性を有する官能基とビニル基をもった化合物、例
えば、(メタ)アクリル酸クロライドのような酸クロラ
イド基とビニル基を有するもの、グリシジル(メタ)ア
クリレートなどのエポキシ基とビニル基を有するもの、
ビニルメトキシシラン、(メタ)アクリロキシエチルト
リメトキシシランなどのアルコキシシラノール基とビニ
ル基を有するもの、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水
フタル酸などの酸無水基とビニル基を有するもの、フマ
ル酸、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基とビニ
ル基を有するもの、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート〜ヘキサメチレンジイソシアネート等モル付
加物、イソシアネートエチルメタクリレートなどのイソ
シアネート基とビニル基を有するものなどのビニル系モ
ノマーをアクリル共重合体に付加させてえられるものな
どがある。これらの共重合性不飽和基含有樹脂は変性物
の顔料分散性がよくなることが知られている(例えば、
特開昭50−58123号,同57−202354号)▲▼/▲
▼比が2〜25の範囲内にあるように、本発明になるア
クリル系共重合体の▲▼/▲▼比を調節するた
めに使用するのが主目的であり、場合によっては、その
樹脂組成、分子量、使用量などにより、さらに立上りの
乾燥性、シマリ等も向上させることもできる。
そして、当該アクリル系共重合体(2)の一必須構成成
分である前記(a)及び(b)と共重合可能な共重合性
不飽和基含有樹脂(c)の使用量としては、かくして得
られる当該共重合体(2)と前記した水酸基含有含フッ
素共重合体(1)との相溶性などの面から、0.5〜20重
量%なる範囲内であり、好ましくは0.5〜10重量%なる
範囲内が適切である。
次に、前記した(c)成分としての共重合可能な不飽和
基含有ポリエステルについて、具体的に説明する。
このようなポリエステルはオクチル酸、ラウリル酸、ス
テアリン酸もしくは「バーサティック酸」(シエル社製
の合成脂肪酸)の如き飽和脂肪酸;オレイン酸、リノー
ル酸、リノレイン酸、エレオステアリン酸もしくはリシ
ノール酸の如き不飽和脂肪酸;「パモリン200もしくは3
00」(米国ハーキュレス社製の合成乾性油脂肪酸)、支
那桐油(脂肪酸)、あまに油(脂肪酸)、脱水ひまし油
(脂肪酸)、トール油(脂肪酸)もしくは綿実油(脂肪
酸)、大豆油(脂肪酸)、オリーブ油(脂肪酸)、サフ
ラワー油(脂肪酸)、ひまし油(脂肪酸)もしくは米糠
油(脂肪酸)の如き(半)乾性油(脂肪酸);または水
添やし油脂肪酸、やし油脂肪酸もしくはパーム油脂肪酸
の如き不乾性油(脂肪酸)などの油又は脂肪酸から選ば
れる1種または2種以上の混合物を使用して、或は使用
しないでエチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチメロール
プロパン、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,2,6−ヘキサントリトール、ペンタエリスリ
トールまたはソルビトールの如き多価アルコールの1種
または2種以上と、安息香酸、p−t−ブチル安息香
酸、(無水)フタル酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル
酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、テトラクロロ(無
水)フタル酸、ヘキサクロロ(無水)フタル酸、テトラ
ブロモ(無水)フタル酸、トリメリット酸、「ハイミッ
ク酸」、(無水)こはく酸、(無水)マレイン酸、フマ
ル酸、(無水)イタコン酸、アジピン酸、セバチン酸ま
たはしゅう酸などのカルボン酸の1種または2種以上と
を常法により、さらに必要に応じて、「カーデュラE」
などの脂肪酸のグリシジルエステルのようなモノエポキ
シ化合物、「エピクロン200もしくは400」「エピコート
828もしくは1001」のようなポリエポキシ化合物、ある
いはトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネートもしくは4,
4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)
などのジイソシアネート類、これらのジイソシアネート
類と上記多価アルコールや水との付加反応により得られ
るポリイソシアネート類、またはジイソシアネート類同
士の(共)重合により得られるイソシアヌル環を有する
ポリイソシアネート類の1種または2種以上で前記多価
アルコールやカルボン酸の一部を置き換えて、常法によ
り反応させて得られるようなものが適当である。
又、前記した(c)成分として用いられる共重合可能な
不飽和基含有のアクリル系共重合体としては、前述した
様なビニル系モノマー類の中から所望の官能基を有する
ビニル系モノマーを必須成分として所望のモノマー組成
にて常法により共重合させてえられるようなものが適当
である。なお、後述する〔II〕成分である硬化剤を配合
することを考えれば、水酸基を有するビニル系モノマー
が必須成分となっているのが、もっとも好ましいのはい
うまでもない。
本発明になる前記(2)成分たるアクリル系共重合体の
製造は、前記した各原料(a),(b),(c)成分を
用いて、公知慣用のグラフト共重合反応法を駆使して遂
行できるものであり、そのさいアゾビスイソブチロニト
リル(AIBN)、ベンゾイルパーオキシド(BPO)、t−
ブチルパーベンゾエート(TBPB)、t−ブチルハイドロ
パーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド(DTBP
O)、クメンハイドロパーオキシド(CHP)などのラジカ
ル発生重合触媒を単独又は数種類を混合して使用する。
また、その際、用いる溶剤としては、トルエン、キシレ
ン、ソルベッソ100、150(シエル石油化学(株))スワ
ゾール1000,1500(丸善石油(株))などの芳香族系炭
化水素類、n−ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ミネラ
ルスピリット、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘ
キサン、LAWS(シエル石油化学(株))などの脂肪族系
あるいは脂環族系炭化水素類、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、i−ブタノール、
エチルセロソルブ、ブチルマロソルブなどのアルコール
類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、セロソ
ルブアセテート、3−メトキシブチルアセテートなどの
エステル系溶剤類、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン
系溶剤などが使用される。なお、後述する〔II〕成分で
ある硬化剤としてポリイソシアネート類を使用する場合
には、アルコール系溶剤を使用することが出来ないの
は、いうまでもない。このようにしてえられた(2)成
分の共重合体を(1)成分と混合してえられる共重合体
混合物は、後述する硬化剤成分と混合して架橋形塗料と
して使用する。(1)成分と(2)成分との混合比は、
(2)成分が5重量%未満では硬度、見かけの乾燥性が
改良されないし、99重量%以上では(1)成分である水
酸基含有フッ素系共重合体の長所である耐候性の良さを
生かすことができない。従って、(1)成分と(2)成
分との混合比(重量比)は(1)/(2)=1〜95/5〜
99、特に好ましくは(1)/(2)=10〜80/20〜90の
範囲になるよう選ばれる。
(iii):〔II〕成分(硬化剤)について 本発明で使用する〔II〕成分としての硬化剤成分につい
て、即ち前記〔I〕の(1)成分と(2)成分との共重
合体混合物の水酸基と反応する官能基を含有する硬化剤
成分について説明する。
本発明で使用出来る硬化剤としてアルキルエーテル化ア
ミノ樹脂がある。これは尿素、メラミン、ベンゾグアナ
ミンなどのアミノ化合物を単独又は二種以上とホルムア
ルデヒドとを付加縮合反応させてえられる生成物をメタ
ノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、
iso−ブタノールなどのアルコールでエーテル化してえ
られるものであり、アルコールでエーテル化させる際に
一部ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、1,
6−ヘキサンジオールなどの多価アルコールを少量使用
して共エーテル化させたものでもかまわない。なかで
も、耐候性の点からアルキルエーテル化メラミン樹脂が
最も好ましい。本発明において共重合体混合物((1)
+(2))と前記アルキルエーテル化アミノ樹脂との配
合割合は、共重合体混合物/アルキルエーテル化アミノ
樹脂=60〜95/5〜40(重量比)になるように配合される
のが好ましく、特に70〜80/20〜30(重量比)になるよ
うに配合するのが好ましい。アルキルエーテル化アミノ
樹脂が多すぎても少なすぎても塗膜の性能が低下しやす
い。
また、他の〔II〕成分としてポリイソシアネート化合物
が用いられる。これにはトリレンジイソシアネート、ジ
フェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族系ジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメ
チルヘキサンジイソシアネートなどの脂肪族系ジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロ
ヘキサン−2,4(又は2,6)−ジイソシアネート、4,4′
−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,
3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどの脂
環族系ジイソシアネート、あるいはこれらのジイソシア
ネートとエチレングリコール、ポリエーテルポリオール
(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリカプロラクトンポリオール等)、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコー
ルや、イソシアネート基と反応する官能基を有する低分
子量のポリエステル樹脂(脂変性タイプを含む)やアク
リル系共重合体、水などとの付加物、あるいはビュレッ
ト体、ジイソシアネート同志の(共)重合体(オリゴマ
ー)、あるいは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート〜ヘキサメチレンジイソシアネート等モル付加
物,イソシアネートエチルメタクリレートなどイソシア
ネート基と共重合性不飽和基を有するビニル系モノマー
を必須成分とした(共)重合体(オリゴマー),あるい
はこれらと低級1価アルコール、エチルエチルケトオキ
シム、ラクタムなど公知のブロック剤でブロックしたも
のなどが適している。水酸基含有フッ素系共重合体自体
は耐候性が良いが、この特徴を生かすためには、ポリイ
ソシアネートとして耐候性に優れた脂肪族系ジイソシア
ネート、及び/又は脂環族系ジイソシアネートを用いる
のが最も好ましい。共重合体混合物((1)+(2))
とポリイソシアネートとの配合比は塗膜性能の点からOH
/NCO=1/0.3〜1/1.3(当量比)になる様に配合されるの
が好ましい。
本発明になる塗料用樹脂組成物は、以上の〔I〕−
(1),(2)及び〔II〕成分を必須的成分とするもの
であるが、所望によりエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂
などの樹脂のうち相溶性のあるものとか、顔料分散剤、
レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、各々の架橋
系に適した硬化促進剤などの公知慣用の各種塗料用添加
剤を慣用量にて配合することも出来る。かくしてえられ
る塗料はスプレー塗装、ローラー塗装、刷毛塗装、静電
塗装などの公知慣用の方法で塗装することが出来るが、
本発明方法により製造される塗料用樹脂組成物は、硬化
剤の種類、硬化条件に応じて常温又は40℃〜250℃で1
分〜60分間加熱硬化させることができ自動車用、自動車
補修用、大型車両用、建築外装用建材用、橋梁用、一般
金属用、床用、プラスチック用、アルミサッシ用、紙
用、セメント瓦用、家電用、無機質材用、木工用または
プラント用などに適用することが出来る。なお、本発明
の塗料用樹脂組成物は顔料を使用しないクリヤー塗料と
して、あるいは顔料を使用したエナメル塗料として用い
ることができることはいうまでもないことである。
(実施例) 次に、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本
発明はその技術思想を逸脱しない限り、これら実施例に
何等、限定されるものではない。
なお、各例中、“部”は特に断りのないかぎり全て重量
基準である。
製造例(1) 不飽和基含有ポリエステル樹脂(c−
1)の合成 攪拌装置、温度計、反応生成水除去装置、N2ガス導入管
を備えた四ツ口フラスコにイソフタル酸513部、無水マ
レイン酸19部、アジピン酸106部、ネオペンチルグリコ
ール391部、トリメチロールプロパン83部、ペンタエリ
スリトール30部、消泡剤0.005部を仕込んで180℃に昇温
し、同温度に2時間保持したのち、3時間かけて220℃
まで昇温し、N2ガス雰囲気下で酸価が9以下になるまで
同温度に保持してから、不揮発分が約50%となるように
トルエン/酢酸ブチル=50/50(重量比)で稀釈して不
揮発分50.0%、粘度(25℃におけるガードナー粘度。以
下、粘度と略記する。)0、酸価4.2、OH価67の不飽和
基含有ポリエステル樹脂(C−1)をえた。
製造例(2) 不飽和基含有ポリエステル樹脂(c−
2)の合成 脱水ヒマシ油脂肪酸382部、無水マレイン酸5部、無水
フタル酸349部、ネオペンチルグリコール134部、トリメ
チロールプロパン98部、ペンタエリスリトール100部、
消泡剤0.005部を仕込む他は製造例(1)と同様にし
て、不揮発分50.0%、粘度L、酸価3.0、OH価45、油長4
0%の脱水ヒマシ油変性の不飽和基含有ポリエステル樹
脂(C−2)をえた。
製造例(3) 不飽和基含有アクリル系共重合体(c−
3)の合成 攪拌装置、温度計、N2ガス導入管を備えた四ツ口フラス
コにトルエン300部、酢酸ブチル500部を仕込み、115℃
に昇温し、115℃でスチレン200部、メチルメタクリレー
ト300部、ブチルメタクリレート417部、β−ヒドロキシ
エチルアクリレート58部、トルエン200部、t−ブチル
パーオクトエート30部、ジ−tert−ブチルパーオキシド
5部から成る混合物を4時間かけて滴下し、約15時間、
115℃に保持したのち、無水マレイン酸25部を投入し
て、さらに115℃で、酸価が約7になるまで保持して、
不揮発分50.0%、粘度Y、酸価7.5の不飽和基含有アク
リル系共重合体(c−3)をえた。
製造例(4) I−(2)のアクリル系共重合体の合成 製造例(3)で使用したのと同様な四ツ口フラスコに前
記不飽和基含有ポリエステル樹脂(c−1)100部、ト
ルエン250部、酢酸ブチル500部、t−ブチルパーオクト
エート2部とスチレン100部、メチルメタクリレート250
部、ブチルメタクリレート350部、β−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート80部、β−ヒドロキシエチルアクリレ
ート70部、アクリル酸10部、エチルアクリレート90部か
ら成るモノマー混合物950部のうち、まず150部を仕込み
90℃に昇温し、1時間保持したのち、30分間で115℃に
昇温し、115℃でモノマー混合物の残り800部、トルエン
200部、t−ブチルパーオクトエート35部、t−ブチル
パーペンゾエート10部から成る混合物を4時間かけて滴
下したのち、約15時間115℃で保持して、不揮発分49.8
%、粘度V、酸価4.3、OH価39のアクリル系共重合体を
えた。
製造例(5) I−(2)のアクリル系共重合体の合成 製造例(3)で使用したのと同様な四ツ口フラスコに前
記不飽和基含有ポリエステル樹脂(c−2)60部、トル
エン270部、酢酸ブチル500部、t−ブチルパーオクトエ
ート2部とスチレン100部、メチルメタクリレート150
部、イソブチルメタクリレート450部、β−ヒドロキシ
エチルメタクリレート80部、β−ヒドロキシエチルアク
リレート70部、メタクリル酸8部、β−メタクリロイル
オキシエチルアシッドホスフェート2部、エチルアクリ
レート110部から成るモノマー混合物970部のうち、まず
170部を仕込み、次いで滴下する混合物を、モノマー混
合物の残り800部、t−ブチルパーオクトエート36部、
t−ブチルパーベンゾエート8部、トルエン200部とす
る他は製造例(4)と同様にして、不揮発分50.1%、粘
度W、酸価4.1、OH価36のアクリル系共重合体をえた。
製造例(6) I−(2)のアクリル系共重合体の合成 製造例(3)で使用したのと同様な四ツ口フラスコに前
記不飽和基含有アクリル共重合体(c−3)100部、ト
ルエン250部、酢酸ブチル500部、t−ブチルパーオクト
エート2部と、スチレン195部、ジメチルアミノエチル
メタクリレート5部、イソブチルメタクリレート280
部、t−ブチルメタクリレート300部、β−ヒドロキシ
エチルメタクリレート150部、モノメタクリロイルオキ
シエチルフタレート17部およびβ−メタクリロイルオキ
シエチルアシッドホスフェート3部からなるモノマー混
合物のうちの150部とを先ず仕込み、次いで滴下する混
合物を、上記のモノマー混合物800部、アゾビスイソブ
チロニトリル5部、t−ブチルパーオクトエート30部、
t−ブチルパーベンゾエート9部、トルエン200部とす
る他は製造例(4)と同様にして、不揮発分49.9%、粘
度X−Y、酸価2.5、OH価35のアクリル系共重合体をえ
た。
比較製造例(1) 製造例(3)で使用したのと同様な四ツ口フラスコにト
ルエン300部、酢酸ブチル500部を仕込み、115℃に昇温
し、115℃でメチルメタクリレート575部、ブチルアクリ
レート265部、β−ヒドロキシエチルメタクリレート140
部、メタクリル酸20部、トルエン200部、t−ブチルパ
ーオクトエート5部からなる混合物を4時間かけて滴下
したのち、115℃で約15時間保持して、不揮発分50.3
%、粘度U、酸価6.6、OH価30のアクリル系共重合体を
えた。
比較製造例(2) 実施例(2)において、モノマー混合物としてスチレン
100部、メチルメタクリレート350部、ブチルメタクリレ
ート150部、エチルメタクリレート100部、β−ヒドロキ
シエチルメタクリレート80部、β−ヒドロキシエチルア
クリレート70部、アクリル酸10部、エチルアクリレート
90部を用いる他は製造例(4)と同様にして、不揮発分
50.0%、粘度W−X、酸価4.5、OH価39のアクリル系共
重合体をえた。
比較製造例(3) 比較製造例(1)において、モノマー混合物としてメチ
ルメタクリレート100部、ステアリルメタクリレート475
部、ブチルアクリレート265部、β−ヒドロキシエチル
メタクリレート140部、メタクリル酸20部を用いる他は
比較製造例(1)と同様にして、不揮発分50.1%、粘度
T、酸価6.7、OH価30のアクリル系共重合体をえた。
以上のようにして調製されたアクリル系共重合体を用い
て各種の試験をした。結果を第1表〜第4表に示す。
●〈水酸基含有フッ素系共重合体(〔I〕〜(1)成
分)との相溶性試験〉 本発明になるアクリル系共重合体(〔I〕〜(2)成
分)の水酸基含有フッ素系共重合体(〔I〕−(1)成
分)に対する相溶性を試験した。結果を第1表に示す。
第1表より明らかのように、本発明で使用する[I]−
(2)成分は[I]−(1)成分に対して極めて良好な
相溶性を示した。
なお、相溶性の判定基準は次の通りである。
◎…完全に相溶する ○…少しケイ光がある △…かなり白濁する ×…著しく白濁し、分離する。
●〈顔料分散性試験〉 製造例(4)、(5)、(6)において共重合性不飽和
基含有樹脂(ポリエステル樹脂、あるいはアクリル系共
重合体)の存在下に調製したアクリル系共重合体
([I]−(2)成分)の顔料分散性、及び前記アクリ
ル共重合体([I]−(2)成分)と水酸基含有フッ素
共重合体([I]−(1)成分)との混合系の顔料分散
性について評価した。結果を第2表に示す。第2表から
明らかのように、いずれの場合も高い顔料分散性を示し
た。
(試験方法) (1)単色系:所定の練肉条件で練肉(サンドミルにて
60分間練肉)した後のエナメルベースのチクソ性、凝集
性の有無を目視により判定した。
○黒……ロイヤルスペクトラマークI 〔コロンビア・カーボン社〕 PWC 3% ○赤……ファストゲンシムラーレッドBN 〔大日本インキ化学工業(株)〕 PWC 10% ○緑……ファストゲングリーンSF 〔大日本インキ化学工業(株)〕 PWC 10% ○白……タイペークCR−93 〔石原産業(株)〕 PWC 35% なお、上掲第2表中にある共重合体混合系、つまりアク
リル系共重合体とルミフロンLF−200とからなる共重合
体混合物[I]の場合には、それぞれ製造例(4)〜
(6)で得られたそれぞれのアクリル系重合体をサンド
ミルにて60分間練肉せしめたのち、所定量のルミフロン
LF−200でレッドダウンせしめてエナメルベースを調製
した。
目視判定の判定基準: ◎……チクソ性、凝集性なし。
×……チクソ性、凝集性あり。
(2)混色系:白ベース/原色ベース=40/10(固形分
重量比) で混合したものに所定量のバーノックDN−950を添加し
たのち試験板上にスプレー塗装して、30〜40分間放置す
るとともに、その一部に同じ塗料を流し塗りして硬化さ
せた。次いで試験板の前記スプレー部分と流し塗り部分
との色差(△E)を測定して判定した。
数値が小さいほどに、殊に1以下であれば、顔料分散性
に優れていることを意味する。
●〈塗膜試験〉 本発明になる塗料用樹脂組成物から調製した塗料(実施
例1〜6)と比較となる塗料(比較例1〜6)につい
て、塗膜試験をポリイソシアネート硬化系と、アルキル
エーテル化アミノ樹脂系について行なった。結果を第3
表、第4表に示す。なお、 ・ポリイソシアネート硬化系(硬化剤としてバーノック
DN−981、大日本インキ化学工業(株)製を用いた)に
ついては 60℃×40分焼付、 ・アルキルエーテル化アミノ樹脂系(硬化剤としてスー
パーベッカミンL−117−60、大日本インキ化学工業
(株)製を用いた)については 140℃×30分焼付、 をそれぞれおこない、焼付3日後に試験を行なった。
第3表、第4表に示されるように、本発明になる塗料用
樹脂組成物から調製した塗料は光沢、硬度、耐湿性、耐
汚染性、耐候性などの特性がバランスしており、優れた
塗料であることがわかる。
なお、第3表〜第4表中の記号等の内容は、以下の通り
である。
(i).(*)の判定基準:光沢保持率による。
(ii).(**)「耐汚染性」の判定基準: ◎………全く跡が残らない。
○………少し跡が残る。
△………かなり跡が残る。
×………非常に跡が残る。
(iii).1)………大日本インキ化学工業(株)製、無
黄変形ポリイソシアネート(NV75%、NCO14%)。
2)………チバガイギー社製の紫外線吸収剤 3)………大日本インキ化学工業(株)製、ブチルエー
テル化メラミン樹脂。
〔発明の効果〕 本発明は水酸基含有フッ素系共重合体と、C4を主体とす
るアルキルメタクリレート系共重合体とのブレンド物に
硬化剤を配合してなる塗料用樹脂組成物に関するもの
で、各成分が経済的に入手できることの優位性と、光
沢、硬度、耐湿性、顔料分散性、耐汚染性、耐候性、耐
溶剤性、乾燥性などの塗膜特性にバランスがとれている
という優位性をもっている。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[I].(1) 水酸基を含有する含フッ
    素共重合体の1〜95重量%と、 (2) n−ブチルメタルリレート、イソブチルメタク
    リレート、及びtert−ブチルメタクリレートよりなる群
    から選ばれる少なくとも1種のメタクリレート化合物
    (a)の25〜95重量%、前記(a)と共重合可能なビニ
    ル系モノマー(b)の5〜75重量%、及び前記(a)お
    よび(b)と共重合可能な共重合性不飽和基含有樹脂
    (c)の0.5〜20重量%を共重合せしめることによって
    得られるアクリル系共重合体の5〜99重量%との共重合
    体混合物、及び [II].前記共重合体混合物[I]の水酸基と反応する
    官能基を有する硬化剤、 とを含有することを特徴とする塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記した硬化剤[II]がアルキルエーテル
    化アミノ樹脂[II−1]であり、かつ前記共重合体混合
    物[I]と前記アルキルエーテル化アミノ樹脂[II−
    1]との[I]/[II−1]なる重量配合比が60〜95/5
    〜40である特許請求の範囲第1項に記載の塗料用樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】前記した硬化剤[II]がポリイソシアネー
    ト[II−2]であり、かつ前記共重合体混合物[I]中
    の水酸基(OH)と前記ポリイソシアネート[II−2]中
    のイソシアネート基(NCO)とのOH/NCOなる当量配合比
    が1/0.3〜1/1.3である特許請求の範囲第1項に記載の塗
    料用樹脂組成物。
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