JPH0770084A - ベンジリデンヒダントイン誘導体、紫外線吸収剤及びそれを配合した皮膚外用剤 - Google Patents
ベンジリデンヒダントイン誘導体、紫外線吸収剤及びそれを配合した皮膚外用剤Info
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- JPH0770084A JPH0770084A JP16994494A JP16994494A JPH0770084A JP H0770084 A JPH0770084 A JP H0770084A JP 16994494 A JP16994494 A JP 16994494A JP 16994494 A JP16994494 A JP 16994494A JP H0770084 A JPH0770084 A JP H0770084A
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Abstract
ダントイン誘導体、紫外線吸収剤及びそれを含有する皮
膚外用剤。 【化1】 (但し、R1は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状アルキ
ル基、R2は炭素数5〜18の分岐状アルキル基を表わ
す。) 【効果】 優れたUV−A吸収能、溶解性及び金属イオ
ンによる着色反応がないという特徴を有する。
Description
ン誘導体及び皮膚外用剤、特にUV−A領域の紫外線吸
収能を有する物質及び皮膚外用剤に関する。
的には320nm〜400nmの長波長紫外線(UV−
A)、290nm〜320nmの中波長紫外線(UV−
B)、290nm以下の短波長紫外線(UV−C)に分類
される。このうち、290nm以下の波長の紫外線は、オ
ゾン層によって吸収され、地表に到達しない。
影響を及ぼす。地上にまで達する紫外線の内で、UV−
Bは皮膚の紅斑や水泡を形成し、メラニン形成も促進す
る。一方、UV−Aは皮膚の褐色化を惹起し、皮膚の弾
力性の低下及びシワの発生を促進し急激な老化をもたら
す。また、紅斑反応の開始を促進し、あるいはある種の
患者に対してはこの反応を増強し、更に光毒性あるいは
光アレルギー反応の原因とさえなり得る。
護するために、各種紫外線吸収剤が開発され、皮膚外用
剤に配合されている。既存のUV−A域紫外線吸収剤と
しては、ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘
導体、ベンゾトリアゾール誘導体などが挙げられる。
UV−A域の紫外線吸収剤は、金属イオンと反応し着色
することによる衣類への着色などの欠点があるため、そ
の使用量が極く少量に限られ、UV−A吸収剤のもつ機
能が十分に発揮されないという欠点があった。本発明は
前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目
的は金属イオンにより着色せず、しかもUV−A領域の
紫外線から皮膚を保護する物質及びそれを配合した皮膚
外用剤を提供することにある。
に本発明者らが鋭意検討した結果、新規ベンジリデンヒ
ダントイン誘導体が優れたUV−A吸収性及び使用性を
有することを見出し、本発明を完成するに至った。すな
わち、本出願に係るベンジリデンヒダントイン誘導体
は、下記一般式化2で表わされる。
ル基、R2は炭素数5〜18の分岐状アルキル基を表わ
す。)
化2のベンジリデンヒダントイン誘導体の一種又は二種
以上を含有し、また、本発明に係る皮膚外用剤は前記化
2のベンジリデンヒダントイン誘導体の一種又は二種以
上を含有することを特徴とする。
る。前記化2中、R1は炭素数1〜8のアルキル基であ
り、直鎖状あるいは分岐状であるを問わない。例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イ
ソペンチル基、ヘキシル基、2−エチルブチル基、ヘプ
チル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等のアルキ
ル基が挙げられる。
は低級アルキル基(C4以下)が好ましいが、油性基剤
に対する溶解性が低く有効量配合することが困難である
こと、またC19以上のアルキル基の場合には溶解性は良
好であるが紫外線吸収能が低下するために、その有効性
を発揮するには多量の配合を必要という欠点が生じるこ
とからC5〜C18の分岐アルキル基が好ましい。例え
ば、イソペンチル基、2−エチルブチル基、n−オクチ
ル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘキシルデシル基、
2−ヘプチルウンデシル基、メチル分岐イソステアリル
基等が挙げられる。
基、R2が炭素数8〜20の直鎖状アルキル基であるベ
ンジリデンヒダントイン誘導体が、特開平2−1117
60に開示されている。しかしながら、これらの化合物
はいずれも油性基剤に対する溶解性が低く、紫外線吸収
剤としての効果を十分に発揮することは困難である。ま
た、一般式化2において、R1がメチル基、R2が−CH
2CH2CO2Rであるベンジリデンヒダントイン誘導体
が特開平2−19314に開示されている。しかしなが
ら、これらの化合物も、特に油性基剤に対する溶解性が
低いという欠点を有する。
誘導体は、分岐アルキル基を導入した事により、油性基
剤に対する溶解性が格段に高められた結果、紫外線吸収
剤としての十分な効果を示すものである。本発明のベン
ジリデンヒダントイン誘導体は下記(a)法又は(b)
法により製造することができる。
示す。)
縮合反応は、アルデヒドと活性メチレンの一般的縮合反
応、例えば「実験化学講座18有機化合物の反応II
(中)、p81〜303、日本化学会編」、特開昭60
−233063号等に示された反応を利用することがで
きる。すなわち、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、
アミノエタノ−ル、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、アミノ酸、アミノ酸塩などを触媒とし、水、アルコ
−ル、グリセリンなどの水溶性溶媒又は非プロトン溶媒
を用いて室温〜160℃で反応を行えばよい。
反応は、非プロトン溶媒、例えばアセトン、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド中、金属ナトリウ
ム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウムなどと共に50℃
〜150℃、5分〜8時間反応させる方法が挙げられ
る。本発明にかかるベンジリデンヒダントイン誘導体
は、いずれも320〜370nmに強い吸収を示し、UV
−A吸収剤として用いることができる。
ベンジリデンヒダントイン誘導体が溶解するものであれ
ばいずれでも良いが、特に油性基剤への溶解性が良好で
ある。本発明の皮膚外用剤には、通常化粧料などに用い
られる他の成分、例えば油分、潤滑油、酸化防止剤、界
面活性剤、防腐剤、金属封鎖剤、香料、水、アルコー
ル、増粘剤などを必要に応じて適宜配合することができ
る。また、本発明の皮膚外用剤の剤形は任意であり、パ
ウダー状、クリーム状、ペースト状、スチック状、液
状、スプレー状、ファンデーションなどいずれでもよ
く、乳化剤を用いて乳化してもよい。
は、単独で用いても十分に効果を発揮するが、必要に応
じて他のUV−B吸収剤、例えばp−ジメチルアミノ安
息香酸2−エチルヘキシルのようなp−アミノ安息香酸
誘導体、p−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルエス
テルのようなp−メトキシケイ皮酸誘導体、サリチル酸
誘導体、ベンジリデンカンファー誘導体、ウロカニン酸
またはその誘導体、あるいは二酸化チタン、酸化亜鉛な
どの無機顔料の外、更にUV−A吸収剤と併用すること
も可能である。また、本発明におけるベンジリデンヒダ
ントイン誘導体の配合量は、上記の剤形によって、また
どの程度の紫外線保護作用を要求するかによっても異な
るが、一般には0.1〜20重量%、好ましくは0.5
〜10重量%である。
説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。また、配合量は特に指定のない限り重量
%で示す。
ン)−3−(2−エチルヘキシル)ヒダントインの製造 p−メトキシベンズアルデヒド6.8g、ヒダントイン
5.0g、水酸化ナトリウム0.1g、イオン交換水2
5mlを混合し、90℃〜100℃で7.5時間攪拌し
た。冷却後析出した固体を濾取し、水洗、更にメタノ−
ルでよく洗浄すると淡黄色の固体の4−メトキシベンジ
リデンヒダントイン5.3gが得られた。
トイン5.1g、2−エチルヘキシルブロマイド5.0
g、無水炭酸カリウム3.2gをジメチルホルムアミド
30mlに加え、100℃〜110℃で5時間加熱攪拌し
た。冷却後不溶物を濾去し、濾液を減圧下に溶媒留去し
た後、エタノ−ルを添加して冷却すると結晶が析出し
た。この結晶をエタノ−ルで再結晶して無色針状結晶の
目的物5.8gを得た。尚、得られた目的物の最大吸収
波長(λmax)、マススペクトルデータ及び融点は次の
通りであった。 λmax(エタノ−ル) 334nm(ε=32,0
00) マススペクトルM+m/e 330 融点 156−158℃
ン)−3−イソステアリルヒダントインの製造 前記実施例1と同様にして製造した4−メトキシベンジ
リデンヒダントイン4.3g、イソステアリルブロマイ
ド5.9g、無水炭酸カリウム2.7g、ジメチルホル
ムアミド20mlの混合物を100〜110℃で5時間加
熱攪拌した。反応終了後室温まで冷却し、不溶物を濾去
した。濾液を減圧下に溶媒留去した後、残渣をメタノ−
ル40mlに溶かして冷却すると固体が析出した。この固
体をイソプロピルアルコールから再結晶してアモルファ
ス状固体の目的物4.5gを得た。尚、得られた目的物
の最大吸収波長(λmax)、マススペクトルデータ及び
融点は次の通りであった。 λmax(エタノ−ル) 334nm(ε=31,5
00) マススペクトルM+m/e 470 融点 100−103℃
ロキシ)ベンジリデン}−3−(2−エチルヘキシル)
ヒダントインの製造 p−ヒドロキシベンズアルデヒド16.7g、ヒダント
イン13.7g、水酸化ナトリウム6.4g、イオン交
換水70mlを混合し、90℃〜100℃で4時間加熱攪
拌した。室温まで冷却した後、イオン交換水500ml加
えて塩酸でpH6〜7に調整した。析出した固体を濾取
し、水洗した後エタノール200mlを加えて30分間還
流した。冷却後、固体を濾取し、乾燥して4−ヒドロキ
シベンジリデンヒダントイン21gを得た。
10.2g、2−エチルヘキシルブロマイド21.3
g、無水炭酸カリウム13.8g、ジメチルホルムアミ
ド100mlの混合物を100〜110℃で6時間加熱攪
拌した後、室温まで冷却し、不溶物を濾去した。濾液を
減圧下で溶媒留去した後、残渣にヘキサン200mlを加
えて加熱攪拌し、不溶物を濾去した。濾液からヘキサン
を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(10%酢酸エチル−ヘキサン混合液で溶出)で分
離精製して、無色針状結晶の目的物11.4gを得た。
ax)、マススペクトルデータ及び融点は次の通りであ
った。 λmax(エタノ−ル) 336nm(ε=32,5
00) マススペクトルM+m/e 428 融点 90−92℃
−4−メトキシベンゾフェノン;UV−A吸収剤)を用
い紫外線吸収効果を下記測定方法により吸光度で測定し
た。 〈測定方法〉実施例1,3及び比較化合物の10ppm濃
度のエタノ−ル(99.5%、試薬特級)溶液を調整
し、石英セル(1cm×1cm)を用いて、日本分光(株)製
UVIDEC−610型分光光度計にて測定した。
て、比較化合物2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノンより紫外線吸収効果が強く、日焼け防止効果の高
いことを示している。
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−5−メチルフェニルベンゾトリアゾ−ルの三価鉄イオ
ンとの反応を試験した。 〈方法〉実施例1,2,3の化合物、及び比較化合物そ
れぞれ0.1gを99.5%エチルアルコ−ル(試薬特
級)10mlに溶かし、塩化第二鉄(FeCl3)0.0
2%の99.5%エチルアルコ−ル(試薬特級)溶液2
mlを加えよく攪拌した後、溶液の色調変化を観察した。
ンと反応しないことが理解される。
−メトキシベンジリデン)−3−n−オクチルヒダント
イン(比較例1,R1=CH3,R2=n−C8H 17)及び
5−(4−メトキシベンジリデン)−3−{2−(2−
エチルヘキシロキシカルボニル)エチル}ヒダントイン
(比較例2,R1=CH3,R2=CH2CH2CO2C8H
17−i)について、各種溶媒に対する溶解性を比較し
た。
素数同一で実施例1が分岐であるのに対し比較例1では
直鎖である点で異なるのみであるが、各溶媒に対する溶
解度は大きく異なっていることが理解される。また、従
来品である比較例1ないし比較例2と比べると、本実施
例品はいずれも優れた溶解性を有している。
な配合例について説明する。実施例4 日焼け止化粧料(油状タイプ) (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 47.0% (2)ジメチルポリシロキサン(10cs/25℃) 20.0 (3)メチルフェニルポリシロキサン(20cs/25℃) 18.0 (4)シリコーン樹脂 10.0 (5)p−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルエステル 3.0 (6)5-{4-(2-エチルヘキシロキシ)ヘ゛ンシ゛リテ゛ン}-3-(2-エチルヘキシル)ヒタ゛ントイン 2.0 <製法>(1)〜(6)を混合し、十分に溶解した後濾過して
製品とする。この場合、室温にて単に手撹拌で容易に溶
解した。
日焼け止化粧料、及び5−{4−(2−エチルヘキシロ
キシ)ベンジリデン}−3−(2−エチルヘキシル)ヒ
ダントイン(成分(6))を全量p−ジメチルアミノ安息
香酸2−エチルヘキシルエステルに置換した比較例を用
いて日焼け止効果を試験した。すなわち、海浜での実使
用テストにおいて、2つのサンプルをパネル10名の体
半分ずつ塗布し分け、日焼け具合及び皮膚トラブルの調
査を行なった。
リデンヒダントイン誘導体を配合した皮膚外用剤は、従
来の紫外線吸収剤(p−ジメチルアミノ安息香酸2−エ
チルヘキシルエステル)を配合した皮膚外用剤より紫外
線防御効果が高く、皮膚トラブルのない安全性が高いも
のであった。以下の実施例5〜9の皮膚外用剤について
も前記実施例4と同様に試験したところ、何れも紫外線
防御効果に優れ、皮膚トラブルのないものであった。
70℃に保ち油相部とする。別に(8)〜(11)を加熱溶解
して70℃に保ち、水相部とする。この油相部に水相部
を添加して、乳化機により十分に乳化する。乳化後かき
混ぜながら冷却し、35℃以下になったら容器に流し込
み、放冷して固める。
溶解して油相部とする。(12)〜(16)を70℃に加熱し完
全溶解した後水相部とする。油相部を水相部に添加し乳
化機にて乳化する。乳化物を熱交換器にて30℃まで冷
却した後、充填して製品を得る。
相部とする。(8)〜(11)を70℃に加熱溶解し水相部と
する。油相部を水相部中に添加し、乳化機にて乳化す
る。乳化物を熱交換器にて30℃まで冷却した後に容器
に充填し、日焼け止ローションを得る。
に(6)〜(13)を加熱溶解混合したものを添加混合した後
粉砕し、これを中皿に成形し日焼け止両用ファンデーシ
ョンを得た。
〜(9)、(13)、(14)、(16)、(17)を加熱攪拌溶解したも
のに加え混合する。次に(10)〜(12)、(15)を溶解したも
のを上記混合物に添加し、十分混合した後スチック状に
成形する。
ディスパーにて攪拌溶解し、これにあらかじめ70℃に
加熱溶解した(6)〜(8)、(11)を添加し、乳化分散後冷却
して目的の日焼け止化粧下地を得た。
に(6)〜(13)を加熱溶解混合したものを添加混合した後
粉砕し、これを中皿に成形し日焼け止両用ファンデーシ
ョンを得た。
解して油相部とする。(8)〜(11)を70℃に加熱溶解し
水相部とする。油相部を水相部中に添加し、乳化機にて
乳化する。乳化物を熱交換器にて30℃まで冷却した後
に容器に充填し、日焼け止ローションを得る。
ジリデンヒダントイン誘導体によれば、優れたUV−A
吸収能を有するとともに、金属イオンと反応して着色す
る事がなく、しかも高い溶解性を有している。また、そ
れを配合した皮膚外用剤は優れた紫外線防御効果及び使
用性を発揮することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記一般式化1で表わされるベンジリデ
ンヒダントイン誘導体。 【化1】 (但し、R1は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状アルキ
ル基、R2は炭素数5〜18の分岐状アルキル基を表わ
す。) - 【請求項2】 請求項1記載のベンジリデンヒダントイ
ン誘導体からなる紫外線吸収剤。 - 【請求項3】 請求項1記載のベンジリデンヒダントイ
ン誘導体からなる紫外線吸収剤を含有することを特徴と
する皮膚外用剤。
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JP16994494A JP3497246B2 (ja) | 1993-06-30 | 1994-06-29 | ベンジリデンヒダントイン誘導体、紫外線吸収剤及びそれを配合した皮膚外用剤 |
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JP16994494A JP3497246B2 (ja) | 1993-06-30 | 1994-06-29 | ベンジリデンヒダントイン誘導体、紫外線吸収剤及びそれを配合した皮膚外用剤 |
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1994
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