JPH0770037B2 - 面内磁化記録用金属薄膜型磁気記録媒体 - Google Patents

面内磁化記録用金属薄膜型磁気記録媒体

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JPH0770037B2
JPH0770037B2 JP62170547A JP17054787A JPH0770037B2 JP H0770037 B2 JPH0770037 B2 JP H0770037B2 JP 62170547 A JP62170547 A JP 62170547A JP 17054787 A JP17054787 A JP 17054787A JP H0770037 B2 JPH0770037 B2 JP H0770037B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高密度磁気記録用として好適な金属薄膜型磁
気記録媒体、特に磁性膜面に平行な向きの磁化記録を行
う面内磁化記録用磁気記録媒体に関する。
〔従来の技術〕 高密度磁気記録技術は、磁気記録装置における記録再生
方式、磁気ヘッド、および磁気記録媒体等の改良により
近年急速に進歩しつつある。そのなかで、磁気記録媒体
については、主に磁性膜の保磁力(Hc)を大きくするこ
と、および残留磁束密度(Br)を大きくして媒体の厚さ
を極力薄くすること等により、磁気記録の高密度化の要
求に応えてきた。例えば、ウインチェスター型記録装置
に使用されるハードディスクについてみると、その非磁
性基体上に、強磁性粉末と有機バインダからなる磁性膜
を形成した、いわゆる塗布型記録媒体から、より高い磁
気特性を有し高密度記録の可能な金属薄膜を磁性膜とす
る、いわゆる金属薄膜型記録媒体へ変わりつつある。
この金属薄膜型磁気記録媒体は、鉄族元素の単体、もし
くは合金、またはそれらと鉄族以外の元素からなる合金
等を、真空蒸着、スパッタリング、あるいはイオンビー
ム蒸着等の手法により、アルミニウム合金等の非磁性基
体上に所定の膜厚に成膜することによって製作される。
その金属薄膜の成分組成は、磁気的性質、記録再生特
性、耐候性等を中心とする耐久性等を総合的に評価して
選択決定されるが、一般的には、Co,Co-Ni系、Co-Cr系
が主に使用されている。
その磁化記録方式には、磁性膜(磁気記録層)の厚さ方
向の磁化を利用した垂直磁化記録方式と、磁性膜面に平
行な向き(水平方向)の磁化記録を行う面内磁化記録方
式とがあり、浮上型磁気ヘッド技術が完成されているこ
ととの関連により、面内磁化記録方式が技術的に先行し
ている。
面内磁化による磁気記録媒体においては、磁性膜に、そ
の水平方向に磁化容易軸が配向した磁気異方性を導入す
ることが必要であり、そのための手段として、非磁性基
体上にCr膜(膜厚約1300〜5000Å)を形成し、その膜面
上に磁性膜を積層成膜することが行われている。Cr(体
心立方格子)の結晶格子の(110)面の一辺 (a格子定数)と、磁性膜の主元素であるCo(最密六方
格子)の格子定数cとがほぼ等しく、Cr膜面上にCo基合
金磁性膜をエピタキシャル成長させることにより、積層
界面の整合性がよく、その磁性膜にc軸が面内方向に配
向した磁気異方性が導入されるからである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記のように、金属薄膜型磁気記録媒体は、すぐれた磁
気特性を有し、高密度記録の可能な記録媒体であるが、
そのノイズ特性は必ずしも満足し得るものとは言い難
い。
本発明は、上記に鑑み、面内磁化記録方式の金属薄膜型
磁気記録媒体において、Co-Ni系をベースとする磁性膜
のすぐれた磁気特性を損なうことなく、そのノイズレベ
ルを低減させた高品質・高性能磁気記録媒体を提供しよ
うとするものである。
〔問題点を解決するための手段および作用〕
本発明は、非磁性基体上にCr膜を介して形成された金属
系磁性膜を有する面内磁化記録用磁気記録媒体におい
て、該磁性膜が、下記一般式で示される組成を有するこ
とを特徴としている。
(Co100-aNia)100-b-cCrbPc 但し、a、bおよびcは原子パーセントを表わし、 3≦a≦40 2≦b≦10 2≦c≦7 である。
前記一般式で示される組成を有するCo-Ni-Cr-P合金磁性
膜は、面内磁化記録を行う記録媒体の磁気記録層とし
て、Co-Ni合金磁性膜の本来のすぐれた磁気的性質をほ
ぼそのまま有すると共に、Co-Ni合金磁性膜にまさるす
ぐれたノイズ特性を兼ね備えている。そのノイズ特性の
改善効果は、後記実施例に示したように、CrまたはPを
単独でCo-Ni合金に添加したのでは得られず、CrとPと
の復合添加によりはじめて得られるものである。
上記一般式で示される本発明における磁性膜のaの値を
3〜40としたのは、その範囲において、Co-Ni合金のす
ぐれた磁気特性、特に高保磁力(Hc)および高残留磁束
密度(Br)が確保されるからである。また、bを2〜10
に、cを2〜7の範囲にそれぞれ限定したのは、この範
囲内において、Co-Ni合金のすぐれた磁気的性質を損な
わずに、CrとPの復合添加によるノイズレベルの顕著な
低減効果が得られるからである。
上記Co-Ni-Cr-P合金磁性膜は、非磁性基体上に、例えば
スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着
法などの各種の成膜法により成膜することかできる。基
体は、非磁性であれば、その材質、形状は問わない。
本発明の金属薄膜型磁気記録媒体は、磁気ディスクをは
じめ、各種磁気ドラム、磁気テープ、磁気シート等とし
て有用であり、いずれもそれらの公知の一般的な製作工
程および条件に従って製作することができる。例えば、
面内記録用磁気ディスクについて述べれば、アルミニウ
ム合金板等を基体とし、その表面に無電解めっきによ
り、15〜25μmの膜厚を有する硬質のNi−Pめっき膜を
設けて精密研磨を加えたのち、その上面に、磁性膜を面
内異方性とするための下地層として、約1300〜5000Åの
膜厚のCr膜を形成する。そのCr膜面上に、前記組成をも
つCo-Ni-Cr-P合金磁性膜を、約500〜2000Åの膜厚とな
るように成膜し、ついで磁性膜の摩耗・損傷を防止する
ための保護膜として、潤滑性と耐摩耗性を備えた炭素質
膜を約150〜600Åの膜厚に成膜することにより、多層積
層構造を有する面内記録用磁気ディスクが得られる。
なお、その積層構造は上記の例に限定されず、例えば、
磁性膜の上に、炭素質膜を成膜するに先立って、約100
〜500Åの膜厚のCr膜を形成することにより、耐候性の
すぐれた磁気ディスクに仕上げることもできる。Cr膜、
Co-Ni-Cr-P合金磁性膜および炭素質膜等の成膜は、例え
ば、スパッタリング法により、スパッタ室内のArガス圧
力を約1×10-3〜5×10-2torrに保持して好適に達成す
ることができる。また、Co-Ni-Cr-P合金磁性膜のスパッ
タリング成膜におけるターゲットとしては、磁性膜の構
成元素の各単体金属を組合せて用いてもよく、またはそ
れらの合金を用いてもよい。
〔実施例〕
〔I〕供試磁気ディスクの製作 アルミニウム合金基板(外径130mm、内径40mm、厚さ1.9
mm)の表面に、Ni−P無電解めっき膜(膜厚20μm)を
形成し、表面を精密研磨後これにマグネトロンスパッタ
リング法(但し、アルゴン雰囲気圧:2×10-2torr)を用
いてCr膜(磁性膜に面内異方性を付与するための下地
層)、磁性膜、および炭素質膜(磁性層保護膜、膜厚30
0Å)をこの順に積層形成することにより供試磁気ディ
スク(1)〜(5)および(101)〜(103)を製作し、
得られた各供試磁気ディスクについて、ノイズ特性を比
較評価した。なお、磁気ディスク同士のノイズ特性の正
当な比較を行うには、比較される各磁気ディスクの保磁
力(Hc)および残留磁束密度(Br)と膜厚(δ)の積
(Br・δ)を互いに略等しくしておくことが妥当である
と考えられるので、各供試磁気ディスクのCr膜厚および
磁性膜厚は、その保磁力(Hc)が約750 Oe、Br・δの値
が約600Gμとなるように、それぞれ成膜した。
第1表に、供試磁気ディスク(1)〜(5)および(10
1)〜(103)の磁性膜の成分組成、Br・δ値(Gμ)、
および保磁力Hc(Oe)を示す。No.1〜5は発明例、No.1
01〜103は比較例である。比較例101〜103のうち、No.10
1は、磁性膜がCrおよびPのいずれも含まないCo-Ni合金
の例(この組成比のものは、スパッタタイプのハードデ
ィスク用として広く使用されているものである)、No.1
02は、磁性膜がCo-Ni-Cr合金(Co-Ni合金にCrを単純添
加したもの)の例、またNo.103は、磁性膜が、Co-Ni-P
合金(Co-Ni合金にPを単独添加したもの)の例であ
る。
〔II〕ノイズ特性試験 各供試磁気ディスク(1)〜(5)および(101)〜(1
03)のそれぞれに信号を記録し、その再生時に生じるバ
ックグランドノイズのスペクトルをスペクトラムアナラ
イザーにより分析する。測定条件は次のとおりである。
(i) ヘッド:3370モノシリックタイプ (ii) ヘッド浮上量:0.25μm (iii) トラック幅:18μm (iv) ギャップ長さ:0.9μm (v) 記録電流:45mAp-p (vi) 記録周波数:2.5MHz (vii) 記録位置:r=31.5mm (viii) ディスク回転数:3600rpm (ix) スペクトラムアナライザー: 中心周波数5MHz、周波数スパン10MHz、分解能30KHz。
測定結果を第1図〜第8図に示す。各図とも、横軸は読
取り周波数(MHz)、縦軸は出力値(デシベル)であ
り、図中の曲線(A)は、変調ノイズ、曲線(B)はシ
ステムノイズを表している。この曲線(A)と(B)と
で囲まれた領域の面積が小さい程、ノイズレベルが低い
ことを意味している。
第1図〜第5図はそれぞれ発明例である供試磁気ディス
ク(1)〜(5)の測定結果、第6図〜第8図はそれぞ
れ比較例である供試磁気ディスク(101)〜(103)の測
定結果であり、この測定結果によるノイズレベルの評価
を第1表中、右欄に併記した。
これらの結果に示されるように、本発明側No.1〜5にお
ける磁性膜は、これと同等の磁気的性質を有する比較例
のものに比し、ノイズレベルが低い。このことは本発明
の磁性膜が、より高密度の記録が可能なことを示すもの
である。なお、発明例No.1〜5と比較例No.102(Co-Ni-
Cr合金)、No.103(Co-Ni-P合金)との対比から明らか
なように、本発明のすぐれたノイズ特性は、CrまたはP
の単独添加では得られず、CrとPの復合添加によりはじ
めて得られるものであることが判る。
〔発明の効果〕 本発明の面内磁化記録用金属薄膜型磁気記録媒体は、従
来のCo-Ni合金磁性膜のすぐれた磁気的性質と、Co-Ni合
金磁性膜を凌ぐ良好なノイズ特性とを兼備しているの
で、磁気記録の一そうの高密度化、磁気記録媒体のコン
パクト化、高品質・高性能化を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第8図は、磁気ディスクの記録再生時のバック
グランドノイズスペクトル分析を示すグラフである。 A:変調ノイズ、B:システムノイズ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 門脇 達彦 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 久保田鉄 工株式会社技術開発研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−298919(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基体上にCr膜を介して形成された金
    属系磁性膜を有する面内磁化記録用磁気記録媒体におい
    て、該磁性膜が、下式: (Co100-aNia)100-b-cCrbPc 〔式中、a,bおよびcは原子パーセントを示し、aは3
    〜40、bは2〜10、cは2〜7である〕 で示される組成を有することを特徴とするノイズ特性に
    すぐれた面内磁化記録用金属薄膜型磁気記録媒体。
JP62170547A 1987-07-07 1987-07-07 面内磁化記録用金属薄膜型磁気記録媒体 Expired - Lifetime JPH0770037B2 (ja)

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US07/581,266 US5013616A (en) 1987-07-07 1990-09-12 Magnetic recording medium of thin metal film type

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