JPH0768647B2 - 輻射線遮断性繊維またはその製品 - Google Patents

輻射線遮断性繊維またはその製品

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JPH0768647B2
JPH0768647B2 JP3342542A JP34254291A JPH0768647B2 JP H0768647 B2 JPH0768647 B2 JP H0768647B2 JP 3342542 A JP3342542 A JP 3342542A JP 34254291 A JP34254291 A JP 34254291A JP H0768647 B2 JPH0768647 B2 JP H0768647B2
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JP
Japan
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fiber
zinc oxide
fibers
radiation
products
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Inventor
敏男 小澤
Original Assignee
東洋興業株式会社
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  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽光線、紫外線、可
視光線、赤外線、熱線等の輻射線の遮断性が優れ、白
度、風合が良好な繊維またはその製品に関する。
【0002】
【従来の技術】既に、紫外線吸収剤や、紫外線、可視光
線等をカットする無機化合物粉末を繊維に含有させるこ
とによって、太陽光線等の輻射線を遮へいする効果があ
ることが知られている。
【0003】このような無機化合物粉末として、酸化チ
タン系のもの等が知られ、使用されているが、これらの
無機化合物粉末は、4μよりも長波長のいわゆる遠赤外
線領域の輻射線を吸収し、かつ放射するので、熱線の遮
断性が劣る欠点があった。
【0004】また、上記無機化合物粉末を繊維等に多量
に含有させた場合、酸化チタン系化合物粉末は硬度が高
いために、繊維製造工程で装置の摩耗損傷等の障害が多
発する欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、太陽光線、
紫外線、熱線等の輻射線に対する遮断性が優れ、風合、
白度とも良好であり、衣料用として日焼けを防ぎ、涼し
い繊維製品を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は酸化亜鉛または酸化亜鉛を主体とする無機
化合物粉末を繊維に対して1〜40重量%含有させるも
のである。
【0007】酸化亜鉛は近紫外線を吸収するが、可視光
線領域から近、中、遠、各赤外線領域にわたって極めて
高い反射率を示す。従って、直射太陽光線等、外側から
の輻射線照射による熱を遮断することができ、着用して
涼しい繊維製品を得ることができる。
【0008】また、酸化亜鉛は白度も良好で、粉末硬度
も低く、粒度もマイクロトラック法で0.6μ以下が5
0%以上のごく微粒子を容易に製造することができ、溶
融紡糸法、湿式紡糸法等の際の合成繊維への練り込み
や、繊維製品の後加工が容易であり、品質、風合等が優
れた製品を得ることができる。
【0009】本発明に使用する酸化亜鉛の室温での分光
反射率曲線は図1のとおりである。なお、この図1は、
縦軸が反射率(%)、横軸が波長(μm)であり、硫酸
バリウムの反射率を100%とした場合の値である。
【0010】図1の分光反射率曲線に示されたとおり、
酸化亜鉛は、近紫外線を吸収するが、0.7μから長い
波長領域、即ち、近、中、遠赤外線領域で100%もし
くはそれよりも高い反射率を示し、従って熱の吸収が少
ないことが分かる。
【0011】この輻射線反射特性は、酸化チタンよりも
遥かに優れており、輻射線を遮断した繊維製品を得るこ
とができる。
【0012】また酸化亜鉛を放射率特性の面から見る
と、図2は酸化亜鉛及び酸化チタンの放射率曲線であっ
て、縦軸が放射率(%)、横軸が波長(μm)である。
【0013】図2から分かるように酸化チタンは近ない
し遠赤外線領域で、かなりのエネルギー放射があるのに
対して、酸化亜鉛は、エネルギー放射が極めて低く、こ
の点からも輻射線遮断性があることが分かる。
【0014】本発明に使用される酸化亜鉛は、これ単独
もしくは、酸化亜鉛を50重量%以上含み、これ以外に
も酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム等
が混合されたセラミックスであってもよい(総称して酸
化亜鉛系セラミックスという)。
【0015】上記酸化亜鉛系セラミックスは、粉末状態
で繊維中に練り込むのが耐久性の点で好ましいが、繊
維、糸、織物、編物等の繊維製品に、懸濁液の状態でパ
ディング、コーティング、プリント、スプレイ等の後加
工手段によって施してもよい。
【0016】上記酸化亜鉛系セラミックスを繊維中に練
り込む場合には、粒径3μm以下、好ましくは1μm以
下まで微粉砕するか、分級したものを用いるのが好まし
い。
【0017】後加工手段で施す場合には、練込みの場合
ほどの微粒子である必要はないが、同様の微粒子状態と
する方が懸濁液が安定するので好ましい。
【0018】 木発明に使用する繊維には、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリオレフィン等の溶融紡糸繊維、レ
ーヨン等の湿式紡糸繊維、アセテート等の乾式紡糸繊維
等が挙げられる。
【0019】これらの繊維に対する酸化亜鉛系セラミッ
クスの配合割合は、繊維に対して1〜40重量%、好ま
しくは2〜30重量%である。配合割合が更に高くなれ
ば紡糸性が悪くなる欠点があり、また配合割合が更に小
さくなると波長0.7〜6μの輻射線の反射が悪くなる
欠点がある。
【0020】繊維中への練込みは、通常、原料樹脂に酸
化亜鉛系セラミックス粉末を練り込んでマスターチップ
を製造し、これを原料樹脂と所定濃度に混合して紡糸す
る。また、このセラミックス練込みポリマーを他の繊維
形成性ポリマーとともに複合紡糸してもよい。この複合
紡糸は芯鞘型、バイメタル型のいずれでもよい。
【0021】繊維製品に対して後処理として前記酸化亜
鉛系セラミックス粉末を施す場合には、前記粉末の微粒
子を、通常の手段によって水性懸濁液として、浸漬、パ
ディング、スプレー等、常法に従って付与する。
【0022】次に本発明を実施例について更に詳細に説
明する。
【0023】
【実施例】
実施例1 酸化亜鉛を微粉砕して得られた粒径1μm以下の微粉末
をブチレングリコールとアジピン酸とからなる低分子量
ポリエステルに重量比4:1で溶融混合し、押出してペ
レットを作成した。このペレットをポリエチレンテレフ
タレート(固有粘度0.7)に5重量%溶融混合して溶
融押出紡糸し、常法に従って延伸し、3d×50フィラ
メントの繊維を得た。
【0024】この酸化亜鉛含有繊維を丸編機によって編
物を編成し、10cm×10cmの編物を作成した。得
られた編物は白度が良好で、かつ風合は滑らかで肌触り
も良好であった。
【0025】この編物を奥行3cmの箱面に張設し、編
物から25cmの距離から300Wのレフランプ(松下
電器産業社製)で光を照射し、上記箱の底面の温度を照
射直後から漸次測定した。
【0026】なお、比較のため、酸化亜鉛を含まない3
d×50フィラメントの通常のポリエステル繊維編物及
び酸化ジルコニウムを5重量%含有するポリエステル繊
維編物についても同様の方法によって温度上昇を測定し
た。その結果は表1のとおりである。
【0027】
【表1】
【0028】表1から明らかなように本発明繊維の編物
は、光照射面とは反対側の空気温度上昇が少なく、かつ
遅いことが分かる。即ち、この編物を着用すれば、夏期
太陽光の下でも涼しいことが分かる。
【0029】実施例2 酸化亜鉛を微粉砕して得られた粒径20μ以下の微粉末
を、アクリル酸エステル系のバインダー剤を主体とし、
安定剤、柔軟剤等の補助剤を加えたバインダーエマルジ
ョン液中に約15重量%混合、撹拌し、懸濁液を作成し
た。
【0030】この懸濁液を、綿ポプリン(経160本/
緯70本)に、パディング法(マングル絞り100%)
によって施し、110℃で予備乾燥後、155℃で熱処
理し、酸化亜鉛を繊維表面に均一に接着固定した。
【0031】得られた綿ポプリン布帛を、実施例1と同
様に光照射時における温度上昇を測定した。
【0032】なお、比較のため、酸化亜鉛を含まないア
クリル酸エステル系のポリマーを主体とするバインダー
エマルジョンのみを上記布帛に付与した場合、及び通常
の綿ポプリン布帛についても同様に温度上昇を測定し
た。その結果は表2のとおりである。
【0033】
【表2】
【0034】表2から明らかなように、本発明の酸化亜
鉛付与綿布は光照射面とは反対側の空気温度上昇が少な
く、かつ遅いことが分かり、この綿布を着用すれば、夏
期太陽光の下でも涼しいことが理解できる。
【0035】
【効果】本発明の繊維及びその製品は、実施例からも理
解できるように、光照射面とは反対側の空気温度上昇が
少なく、かつ遅いために、本発明の製品を着用すれば、
夏期、戸外の太陽光線の下でも涼しいという優れた性質
を有する。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化亜鉛の分光反射率曲線であって、横軸は波
長(μm)、縦軸は反射率(%)である。ただし、この
反射率は硫酸バリウムの反射率を100%とした比較値
である。
【図2】酸化亜鉛及び酸化チタンの分光放射率曲線であ
って、横軸は波長(μm)、縦軸は反射率(%)であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 11/44 // D06M 101:16

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径3μm以下まで微粉砕するか、分級
    した微粒子状の酸化亜鉛または酸化亜鉛を主体とするセ
    ラミック粉末が、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、
    ポリオレフィン繊維、レーヨン系繊維またはアセテート
    繊維に対して1〜40重量%含有されていることを特徴
    とする輻射線遮断性繊維またはその製品。
JP3342542A 1991-10-24 1991-10-24 輻射線遮断性繊維またはその製品 Expired - Lifetime JPH0768647B2 (ja)

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